JP2005247752A - 血中コレステロール上昇抑制剤 - Google Patents
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Abstract
血中コレステロールの上昇を抑制する血中コレステロール上昇抑制剤に関する。
【解決手段】
1−ケストースを主成分とする血中コレステロール上昇抑制剤を採用した。
Description
血中コレステロールが増加する原因は、食生活の西洋化に伴う脂肪の摂取量増大によるカロリーの過剰摂取によるものが大きいとされている。このため、脂肪代替物の摂取や、コレステロールを減少させる食品素材として、例えば、大豆たんぱく質が開発されている。しかしこれらの素材は、食品に混合した場合に味質や食感に影響を与える。
また、脂質の吸収阻害作用を持つ素材の中には、例えば、ギムネマ・シルベスタのように長期間摂取すると、人体への安全性に問題が生ずるものも多い。
しかしながら、特許文献1で開示しているフラクトオリゴ糖混合物は、体内脂質を全体的に減少することを目的としたものであり、後述するように、コレステロール上昇抑制剤としては、十分とはいえない。
すなわち、コレステロールは、動物細胞の膜成分として必須な物質であり、肝臓ではリポ蛋白や胆汁酸合成の原料として、また、副腎や精巣、卵巣ではステロイドホルモンの原料として重要な役割を果たす。そして、生体内におけるコレステロール合成は肝臓で行われ、胆汁酸に変化した後、腸内細菌の作用により、糞便として対外に排出されるか、腸管から吸収されて肝臓に取り込まれる。
一方、中性脂肪は、細胞内に小さな油状の滴として分離した状態で存在し、エネルギーの貯蔵庫として働き、肝臓、心臓、骨格筋に必要なエネルギーを生み出す。そして、中性脂肪は小腸内リパーゼにより分解され、吸収された脂質はリポ蛋白であるカイロミクロンに組み込まれ筋肉や組織に運ばれる。
そして、本願発明では、1−ケストースを主成分としている。ここで、主成分とは、例えば、コレステロール上昇抑制剤に含まれるオリゴ糖のうち、その含有量が最も多いこと、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、よりさらに好ましくは95%以上、もっとも好ましくは98%以上を占めることをいう。
さらに、本願発明で採用するケストースは、その一部又は全部が結晶であることが好ましい。特に、結晶純度は、98%以上であるのが好ましい。結晶の割合は、1−ケストースの好ましくは80%以上、より好ましくは100%である。このように純度の高い1−ケストースを採用することにより、さらにコレステロール上昇抑制効果が高くなる。結晶化する方法としては、例えば、特公平6−70075号公報に記載の方法を採用できる。具体的には、純度70%以上の1−ケストースを主成分として含む水溶液を用意し、前記1−ケストースを主成分として含む水溶液をBx85以上に濃縮し、得られた濃縮物の温度を80℃以上に上昇させ、この濃縮物に1−ケストース微細結晶の懸濁液を加えて混合物を調製し、前記混合物の温度を65〜75℃に降下させながら1−ケストースの結晶を析出させ、次いで、温度を60〜80℃に維持しながら析出する1−ケストース結晶を回収する方法が挙げられる。
特に、6−ケストース、ネオケストースは天然植物から分取することや、純品化することが難しいとされているだけに、1−ケストースを採用できる本願発明は利用価値が高い。
特に、本願発明のコレステロール上昇抑制剤は、カロリーが低く、かつ、甘みを有し、ショ糖と同程度に水に溶解することから、コレステロール上昇抑制効果を有する甘味料として採用することができる。この場合、1−ケストースのみからなる甘味料であってもよいし、一部が1−ケストースである甘味料としてもよい。例えば、砂糖20〜40重量%と、1−ケストース41〜60重量%を含む、コレステロール上昇抑制作用を有する甘味料として採用することができる。さらに、本願発明のコレステロール上昇抑制剤は、血糖値や血中のインシュリン濃度が急に上昇することもないので、血糖値やインシュリン濃度の高い患者向けのコレステロール上昇抑制効果を有する甘味料としても、効果的に利用できる。
加えて、カルシウムやマグネシウム等のミネラル吸収を促進するので、ミネラル吸収効果を備えたコレステロール上昇抑制効果を備えた甘味料としても採用できる。
生後3週令のSD系雄性ラット18匹を使用し、基本食(表1)で2週間予備飼育を行った。次に、これら予備飼育後14日目のラットの尾静脈からの採決により得られた血清をサンプルとして、これらのラットの総コレステロール値を測定した。測定後、これらのラットを3群(6匹を1群とする)に分けた。そしてこれらのラットを高脂質状態とするため、基本食にコレステロールとコール酸を添加した試験食(表2のコントロール群)を設定した。
基本食の組成を表1、各群の試験食の組成を表2、FOS群の試験食に含まれるフラクトオリゴ糖の組成を表3にそれぞれ示した。単位はいずれも重量%である。
ここで、FOS群についても、コントロール群とほぼ同様の値まで、コレステロール値が上昇していることから、フラクトオリゴ糖であっても、3糖類及び4糖類を中心とするものは、効果が認められないことが確認された。さらに、ニストースのみ、又はショ糖のみでも、同様にコレステロール上昇抑制効果が認められなかった。
高コレステロール血症を呈する男性7名に1−ケストース(ホクレン製、1−ケストース純度98%以上)5gを1日1回昼食後あるいは夕食後に摂取させた。これを30日継続した。その間の食事内容及び間食等は制限することなく平常時と同様とした。その結果を表6に示す。
Claims (2)
- 1−ケストースを主成分とする血中コレステロール上昇抑制剤。
- オリゴ糖を含む血中コレステロール上昇抑制剤であって、前記オリゴ糖の98質量%が1−ケストースである血中コレステロール上昇抑制剤。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2004
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