JP2005247738A - 肌状態改善経口アミノ酸組成物 - Google Patents

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勝 大谷
Kazuko Ogasawara
和子 小笠原
Chikako Nagasawa
千香子 長沢
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Abstract

【課題】優れた肌状態改善剤、およびこれを利用する肌状態改善方法を提供すること。
【解決手段】特定のアミノ酸を特定の割合で含有する肌状態改善に有効なアミノ酸組成物、すなわち、L−アルギニン、L−グルタミン、L−バリン、L−イソロイシンおよびL−ロイシンの5種のアミノ酸を、それぞれ、10〜40重量部、10〜40重量部、5〜20重量部、8〜30重量部および10〜35重量部の割合で含有することを特徴とする肌状態改善経口アミノ酸組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定のアミノ酸を特定の割合で含有する肌状態改善に有効なアミノ酸組成物、すなわち、L−アルギニン、L−グルタミン、L−バリン、L−イソロイシンおよびL−ロイシンの5種のアミノ酸を、それぞれ、10〜40重量部、10〜40重量部、5〜20重量部、8〜30重量部および10〜35重量部の割合で含有することを特徴とする肌状態改善経口アミノ酸組成物、ならびにこのようなアミノ酸組成物と外用化粧品の組合せからなる肌状態改善目的のキット、およびこのようなアミノ酸組成物と外用化粧品とを併用する肌状態改善方法に関する。
従来美容を目的とした肌状態の改善には、一般に外用化粧品が用いられ、さらには最近では外科的治療手段がとられることもある。しかしながら化粧品のような外用剤は真皮への浸透は難しく、角質層を保湿することが主な作用である。皮膚が美しく見えるためには、肌表面のキメが整っていることが要因であり、これは潤いおよび弾力のある肌であるといえる。肌は表皮深層の基底細胞が4週間かけてターンオーバーすることから、肌表面を美しくするためには深層の細胞の健やかさ、つまり栄養状態が重要と考えられるが、外用化粧品では深層への浸透は難しく、皮膚状態の根本的な改善には至らないことが多かった。
前項記載の従来技術の背景下に、本発明は、優れた肌状態改善剤、およびこれを利用する肌状態改善方法の提供を目的とする。
各種アミノ酸類の栄養作用や生理作用の研究に長年従事してきた本発明者は、特定のアミノ酸を特定の割合で経口摂取すれば顕著な肌状態改善効果を発現することを見い出し、このような知見に基いて本発明を完成した。
すなわち、本発明は、特定のアミノ酸を特定の割合で含有することを特徴とする、すなわち、L−アルギニン、L−グルタミン、L−バリン、L−イソロイシンおよびL−ロイシンの5種のアミノ酸を、それぞれ、10〜40重量部、10〜40重量部、5〜20重量部、8〜30重量部および10〜35重量部の割合で含有することを特徴とする、肌状態改善経口アミノ酸組成物に関する。本発明は、また、このような肌状態改善経口アミノ酸組成物と外用化粧品との組合せよりなる肌状態改善目的のキットに関し、さらにこのような肌状態改善経口アミノ酸組成物と外用化粧品を併用する肌状態改善方法に関する。
以下、本発明を詳細に説明する。
第一に、先ず、本発明の肌状態改善経口アミノ酸組成物について説明する。
本発明の肌状態改善経口アミノ酸組成物の調製には特別の制限や困難はなく、所定のアミノ酸を所定の割合で含有せしめることを除いては、適宜常法に準ずることができる。
本発明の肌状態改善経口アミノ酸組成物は、上記所定の5種のアミノ酸を上記所定の割合で単に混合して調製する他に、適宜の添加剤を使用して常法により調製することもできる。このような添加剤としては、味を調整改良する果汁、デキストリン、環状オリゴ糖、糖類(果糖ぶどう糖液糖、ショ糖)、酸味料、香料、抹茶粉末など、テクスチャーを改善する乳化剤、コラーゲン、全脂粉乳、増粘多糖類や寒天(ゼリー飲料の場合)など、更には前記5種のアミノ酸以外のアミノ酸、ビタミン類、卵殻カルシウム、パントテン酸カルシウム、その他のミネラル類、ローヤルゼリー、プロポリス、蜂蜜、食物繊維、アガリクス、キチン、キトサン、漢方生薬、コンドロイチン、カプサイシンなどの通常健康食品の成分として使用されているものを挙げることができる。
本発明の肌状態改善経口アミノ酸組成物の製品形態には特別の制限はなく、経口摂取(摂食)できる形態であればいずれの形態でもよい。このような形態としては、適当な賦形剤を使用した粉末、顆粒、タブレット、液体(飲料、ゼリー飲料など)、キャンディ(チョコレートなど)等を挙げることができる。製品形態の極端な場合としては、上記5種のアミノ酸の上記割合の単なる粉体混合物(粉末)を挙げることができる。粉末の場合は、直接粉薬のようにそのまま水で飲んでもよいし、またオブラートに包んで飲むこともでき、あるいは水、牛乳、ジュースなどに溶解して飲むこともできる。
本発明による肌状態改善効果は、後記試験例1の結果を考慮して、必須成分である5種のアミノ酸を上記割合で1日当りの合計で4g以上(平均的成人女性)摂取することで奏せしめ得る。これより少量では目的の効果が奏されない。一方、過剰に摂取しても効果の向上は見込まれないので、1日当りの摂取量は最大約12gとすることができる。このような範囲に含まれる量として、例えば、後掲試験例1にみられる4〜7g程度/日を好ましい量として挙げることができる。従って、本発明の肌状態改善経口アミノ酸組成物の製品における必須成分であるアミノ酸の含有量は、1日当りの摂取回数も考慮して、適宜このような摂取量を満足せしめることのできる量とすればよい。
次に、本発明のキットの形態の肌状態改善経口アミノ酸組成物について説明する。
このキットの形態の肌状態改善経口アミノ酸組成物は、本発明の肌状態改善経口アミノ酸組成物と適宜市販の外用化粧品とを組み合せてキットとしたもので、使用者にとって購入時に便利である。市販の外用化粧品は、人の皮膚への塗布を目的としたものであれば何でもよく、例えば化粧水・乳液等が使用できる。
最後に本発明の肌状態改善方法について説明する。
この方法は、本発明の肌状態改善経口アミノ酸組成物を経口摂取し、同時に外用化粧品を外用することで、いわば体の内外から肌状態改善効果をもたらす方法であって、経口摂取および外用のいずれか一方に拠る場合に較べて肌状態改善効果に優れる方法である。
以下、試験例により本発明を更に詳細に説明する。
試験例1(肌状態改善におけるアミノ酸の影響)
(1)被験者:
年齢27〜37歳の健常な女性12名で、平均年齢は32.3歳であった。
(2)試験方法:
試験製品(味の素(株)の販売にかかるアミノ酸製剤「アミノバイタル」、1包中に5種のアミノ酸2.2gを含み、それらのアミノ酸の重量比は、L−アルギニン 23:L−グルタミン 25:L−バリン 14:L−イソロイシン 17:L−ロイシン 21であった。)を、1日3回毎食後に1包ずつ(1日アミノ酸摂取量6.6g)水または牛乳とともに1か月間摂取した。なお、試験は1か月間の摂取期間の前に、1か月の非摂取期間を設け、アミノ酸摂取による色素沈着部位の色及び肌のキメについて、非摂取期間後と摂取期間後の測定値を比較し評価した。
(3)測定方法:
(a)色素沈着部位の色素:
「メラニンインデックスメーターMX18」(Courage + Khazaka製)にて、色素沈着部位の黒化度を5回測定し平均値を算出した。
(b)肌のキメ:
3次元皮膚表面解析用のレプリカを左前腕内側から採取し、「Skin Visiometer SV600」(Courage + Khazaka製)により解析を行った。本装置による測定値は肌のキメを意味し、数値が小さいほどキメの細かい肌といえる。
以上、(a)〜(b)の測定結果を下記第1〜2表に示す。
第1表からわかるように、試験開始前と比較して、非服用期間を経た後の服用1か月後の黒化度は2%の危険率で減少した。
Figure 2005247738
第2表からわかるように、試験開始前と比較して、非服用期間を経た後の服用1か月後の皮膚のキメを表す値は0.1%の危険率で有意に低下した。
Figure 2005247738
(4)考察および結論
以上の結果より、第1表から色素沈着部位の色度合いが減少することで、シミの色が薄くなっていることが判り、そして第2表から肌を触ったときの「滑らか感」が向上していることが判る。
本発明によれば、優れた肌状態改善効果が容易に提供されるところとなった。

Claims (3)

  1. L−アルギニン、L−グルタミン、L−バリン、L−イソロイシンおよびL−ロイシンの5種のアミノ酸を、それぞれ、10〜40重量部、10〜40重量部、5〜20重量部、8〜30重量部および10〜35重量部の割合で含有することを特徴とする肌状態改善経口アミノ酸組成物。
  2. 請求項1記載の肌状態改善経口アミノ酸組成物と外用化粧品の組合せであることを特徴とする肌状態改善目的キット。
  3. 請求項1記載の肌状態改善経口アミノ酸組成物と外用化粧品を併用することを特徴とする肌状態改善方法。

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