JP2004099599A - 経口アミノ酸育毛剤および抜毛防止剤、ならびにそれらを使用する育発毛方法および抜毛防止法 - Google Patents
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Abstract
【課題】優れた育毛剤または抜毛防止剤を容易に提供すること。
【解決手段】L−アルギニン、L−グルタミン、L−バリン、L−イソロイシンおよびL−ロイシンの5種のアミノ酸を、それぞれ、10〜40重量部、10〜40重量部、5〜20重量部、8〜30重量部および10〜35重量部の割合で含有することを特徴とする経口アミノ酸育毛剤または抜毛防止剤。
【選択図】 なし
【解決手段】L−アルギニン、L−グルタミン、L−バリン、L−イソロイシンおよびL−ロイシンの5種のアミノ酸を、それぞれ、10〜40重量部、10〜40重量部、5〜20重量部、8〜30重量部および10〜35重量部の割合で含有することを特徴とする経口アミノ酸育毛剤または抜毛防止剤。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のアミノ酸を特定の割合で含有する育毛に有効なアミノ酸組成物、すなわち、L−アルギニン、L−グルタミン、L−バリン、L−イソロイシンおよびL−ロイシンの5種のアミノ酸を、それぞれ、10〜40重量部、10〜40重量部、5〜20重量部、8〜30重量部および10〜35重量部の割合で含有することを特徴とする経口アミノ酸育毛剤、ならびにこのような育毛剤と外用育発毛剤の組合せからなる育発毛剤のキット、およびこのような育毛剤と外用育発毛剤とを併用する育発毛方法に関する。本発明は、また、上記アミノ酸組成物からなる経口アミノ酸抜毛防止剤およびこれを使用する抜毛防止法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、いわゆる毛生え薬と称されるものが知られている。しかしながら、それらは外用されるものであり、また主要効果が頭髪の本数を増加することを目的とする発毛剤であって、頭髪の本数の増加よりは頭髪の1本1本を太く伸長せしめ、すなわち髪の毛の成長を促進し、延いては薄くなった頭髪全体を黒々と復活せしめる優れた育毛剤は知られていない。また、抜毛防止に顕著に有効な抜毛防止剤も知られていない。もっとも、外用のいわゆる毛生え薬は、謳っている効果が発毛なのか育毛なのか必ずしも明確ではないものがあり、また両効果の併有を謳っているものもあるので、以下、外用育発毛剤と総称する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前項記載の従来技術の背景下に、本発明は、優れた育毛剤および抜毛防止剤、ならびにそれらを利用する育発毛方法および抜毛防止法の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
各種アミノ酸類の栄養作用や生理作用の研究に長年従事してきた本発明者は、特定のアミノ酸を特定の割合で経口摂取すれば顕著な育毛作用や抜毛防止作用の発現することを見い出し、このような知見に基いて本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、L−アルギニン、L−グルタミン、L−バリン、L−イソロイシンおよびL−ロイシンの5種のアミノ酸を、それぞれ、10〜40重量部、10〜40重量部、5〜20重量部、8〜30重量部および10〜35重量部の割合で含有することを特徴とする、経口アミノ酸育毛剤および抜毛防止剤に関する。本発明は、また、このような経口育毛剤と外用育発毛剤よりなる育発毛剤のキットに関し、さらにこのような経口育毛剤と外用育発毛剤を併用する育発毛方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
第一に、先ず、本発明の経口アミノ酸育毛剤について説明する。
【0008】
本発明の経口アミノ酸育毛剤の調製には特別の制限や困難はなく、所定のアミノ酸を所定の割合で含有せしめることを除いては、適宜常法に準ずることができる。
【0009】
本発明の経口アミノ酸育毛剤は、上記所定の5種のアミノ酸を上記所定の割合で単に混合して調製する他に、適宜の添加剤を使用して常法により調製することもできる。このような添加剤としては、味を調整改良する果汁、デキストリン、環状オリゴ糖、糖類(果糖ぶどう糖液糖、ショ糖)、酸味料、香料、抹茶粉末など、テクスチャーを改善する乳化剤、コラーゲン、全脂粉乳、増粘多糖類や寒天(ゼリー飲料の場合)など、更には前記5種のアミノ酸以外のアミノ酸、ビタミン類、卵殻カルシウム、パントテン酸カルシウム、その他のミネラル類、ローヤルゼリー、プロポリス、蜂蜜、食物繊維、アガリクス、キチン、キトサン、漢方生薬、コンドロイチン、カプサイシンなどの通常健康食品の成分として使用されているものを挙げることができる。
【0010】
本発明の経口アミノ酸育毛剤の製品形態には特別の制限はなく、経口摂取(摂食)できる形態であればいずれの形態でもよい。このような形態としては、適当な賦形剤を使用した粉末、顆粒、タブレット、液体(飲料、ゼリー飲料など)、キャンディ(チョコレートなど)等を挙げることができる。製品形態の極端な場合としては、上記5種のアミノ酸の上記割合の単なる粉体混合物(粉末)を挙げることができる。粉末の場合は、直接粉薬のようにそのまま水で飲んでもよいし、またオブラートに包んで飲むこともでき、あるいは水、牛乳、ジュースなどに溶解して飲むこともできる。
【0011】
本発明による育毛効果は、後記実験例1の結果を考慮して、必須成分である5種のアミノ酸を上記割合で1日当りの合計で4g以上(平均的成人女性)摂取することで奏せしめ得る。これより少量では目的の効果が奏されない。一方、過剰に摂取しても効果の向上は見込まれないので、1日当りの摂取量は最大約12gとすることができる。このような範囲に含まれる量として、例えば、後掲実験例1にみられる4〜7g程度/日を好ましい量として挙げることができる。従って、本発明の経口アミノ酸育毛剤の製品における必須成分であるアミノ酸の含有量は、1日当りの摂取回数も考慮して、適宜このような摂取量を満足せしめることのできる量とすればよい。因みに、髪の毛の伸びには男女差がないと考えられる。
【0012】
次に、本発明のキットの形態の育発毛剤について説明する。
【0013】
このキットの形態の育発毛剤は、本発明の経口アミノ酸育毛剤と適宜市販の外用育発毛剤とを組み合せてキットとしたもので、使用者にとって購入時に便である。
【0014】
最後に本発明の育発毛方法について説明する。
【0015】
この方法は、本発明の経口アミノ酸育毛剤を経口摂取し、同時に外用育発毛剤を外用することで、いわば体の内外から頭髪の育毛および発毛を促す方法であって、経口摂取および外用のいずれか一方に拠る場合に較べて育発毛の効果に優れる方法である。
【0016】
第二に、本発明の抜毛防止剤およびこれを使用する抜毛防止法について説明する。
【0017】
本発明者は、本発明の育毛剤が育毛作用の他に抜毛防止作用をも有することを知見して本発明の抜毛防止剤およびこれを使用する抜毛防止法を発明した。従って、この抜毛防止剤の調製法は、先に説明した育毛剤のそれと同じであり、またその使用法も育毛剤のそれに準ずることができる。
【0018】
【実施例】
以下、試験例により本発明を更に詳細に説明する。
【0019】
試験例1(育毛におけるアミノ酸の影響)
(1)試験の概要:
25歳から45歳までの女性9名(平均年齢33.7歳)を対象として、育毛におけるアミノ酸摂取の影響を評価した。被験者は、試験製品を15週間服用し、服用中と非服用中の各々4週間の毛髪の伸びを測定した。毛髪の伸びは、試験製品服用中と非服用中の比較では、個人差はあるものの平均で147.3%、服用中の伸びが増加しており、0.05%の危険率で有意な差を認めた。以上の結果より、本発明の経口アミノ酸育毛剤の摂取により毛髪の伸びの速さが増加することが明らかとされた。
【0020】
(2)試験の詳細:
(a)被験者:
年齢25歳から45歳までの女性(主婦)のみ9名とした。男性は服用を忘れがちであり、かつ、髪の毛の伸びには男女差はないと考えられるからである。9名の被験者を無作為に4名からなるAグループと5名からなるBグループの2グループに分けた。これは、両グループの服用期間を念のためクロスさせて季節的要因を排除するためである。
【0021】
なお、被験者に対して、試験の内容を充分説明し、本人の同意を得た上で試験を実施した。さらに、上記9名の被験者の選択に際しては、本試験の評価に影響を及ぼすと考えられる疾患を合併している女性、妊産婦および授乳中の女性、および本試験実施計画書の規定の遵守ができない女性は除外した。また、制限事項として、試験結果に影響を及ぼすと考えられる例えばアミノ酸サプリメントを常用していることを挙げることができる。
【0022】
因みに、被験者の背景は、下記第1表に示す通りであって、年齢は、27歳から44歳の9名で、Aグループの平均は33.3歳、そしてBグループの平均は34.0歳であった。
【0023】
【表1】
【0024】
(b)供試経口アミノ酸育毛剤:
味の素(株)の販売にかかるアミノ酸製剤「アミノバイタル毎日いきいき」を試験製品(育毛剤)として供試した。これは、1袋3g中、5種のアミノ酸1.3gを含み、それらのアミノ酸の重量比は、L−アルギニン 34:L−グルタミン 34:L−バリン 18:L−イソロイシン 18:L−ロイシン 28であった。
【0025】
この供試製品を、後日回収するアンケート用紙とともに試験開始前に各被験者に送付しておいた。そして、服用期間(次の(c)参照)中は、1日2回朝夜各2袋づつ(1日当り4袋で、アミノ酸換算で1日当り5.2g)、水又は牛乳で服用することとした。
【0026】
(c)服用試験の概要:
下記第2表に示すスケジュールにて、各被験者は試験製品を15週間服用し、服用期間とその前又は後の非服用期間の各々最後の4週間の毛髪の伸びを測定した。
【0027】
【表2】
【0028】
なお、毛髪(被験部)の伸びの測定は、次の通りである。すなわち、毛髪の伸びの測定は、頭頂部の毛髪の長さを10mmに切り揃えた後、4週間後に伸びた分の毛髪を切り取り、「OLYMPUS CAMEDIA C−3030」で画像を取り込み、「USB DIGITAL SCALE 1.0.29」にて、切り取った毛髪長さの短い方から10本を選択し、平均長さを計測した。
【0029】
また、供試製品服用期間終了後、被験者にはアンケートへの回答を義務付けるものとした。
【0030】
(d)毛髪の伸び:
試験製品服用期間中と非服用期間中の毛髪の伸びを下記第3表にまとめて示す。また、毛髪の伸びの検定結果を下記第4表に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
試験製品服用期間中と非服用期間中の測定値をもとに、対応のある平均値の差の検定(Paird−T検定)を行った。その結果、T=2.6861(ν=8)となり、0.05%の危険率で有意な差を認めた。
【0034】
(e)毛髪の状態についてのアンケート結果:
下記第5表Aにアミノ酸服用期間直前の毛髪の状態についての、また下記第5表Bにアミノ酸服用期間経過直後の毛髪の状態についてのアンケート結果を示す。
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
なお、第5表Aおよび第5表B中の数値の表す意味は次の通りである。すなわち、良いを5点、やや良いを4点、変わらないを3点、やや悪いを2点、そして悪いを1点としたものである。なお、例えば、抜け毛は少ない方が良いので、少ないを5点、やや少ないを4点、変わらないを3点、やや多いを2点、そして多いを1点としてある。
【0038】
(3)考察および結論:
25歳から45歳までの女性9名を対象として、育毛におけるアミノ酸摂取の影響を評価した。
【0039】
毛髪の伸びは、試験製品服用期間中と非服用期間中の比較では、個人差はあるものの平均で147.3%、服用期間中の伸びが増加しており、0.05%の危険率で有意な差を認めた。
【0040】
以上の結果より、本試験においては、アミノ酸摂取により毛髪の伸びの速さが増加することが分る。
【0041】
試験例2(抜毛防止におけるアミノ酸の影響)
(1)被験者:
年齢27〜37歳の健常な女性12名で、平均年齢は32.3歳であった。
【0042】
(2)試験方法:
試験製品(味の素(株)の販売にかかるアミノ酸製剤「アミノバイタル」、1包中に5種のアミノ酸2.2gを含み、それらのアミノ酸の重量比は、L−アルギニン 23:L−グルタミン 25:L−バリン 14:L−イソロイシン 17:L−ロイシン 21であった。)を、1日3回毎食後に1包ずつ(1日アミノ酸摂取量6.6g)水または牛乳とともに1か月間摂取した。なお、試験は1か月間の摂取期間の前に、1か月の非摂取期間を設け、アミノ酸摂取による毛髪の抜け毛の本数及び色素沈着部位の色及び肌のキメについて、非摂取期間後と摂取期間後の測定値を比較し評価した。
【0043】
(3)測定方法:
(a)毛髪の抜け毛の本数:
被験者は毎日の洗髪前に指定のブラシでブラッシング(全体に30回)を行い、その際の抜け毛本数を日誌に記録した。
【0044】
(b)色素沈着部位の色素:
「メラニンインデックスメーターMX18」(Courage + Khazaka製)にて、色素沈着部位を5回測定し平均値を算出した。
【0045】
(c)肌のキメ:
3次元皮膚表面解析用のレプリカを左前腕内側から採取し、「Skin Visiometer SV600」(Courage + Khazaka製)により解析を行った。
【0046】
以上、(a)〜(c)の測定結果を下記第6〜8表に示す。
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】
【表9】
【0050】
(4)考察および結論
以上の結果より、本試験において、アミノ酸摂取により抜毛の防止されることが判る。詳述すると、第6表から本発明のアミノ酸製剤を服用することにより、抜け毛の本数が減少することが、第7表から色素沈着部位の色度合いが減少することで、シミの色が薄くなっていることが判り、そして第8表から肌を触ったときの「滑らか感」が向上していることが判る。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた育毛剤および抜毛防止剤が容易に提供されるところとなった。
【発明の属する技術分野】
本発明は、特定のアミノ酸を特定の割合で含有する育毛に有効なアミノ酸組成物、すなわち、L−アルギニン、L−グルタミン、L−バリン、L−イソロイシンおよびL−ロイシンの5種のアミノ酸を、それぞれ、10〜40重量部、10〜40重量部、5〜20重量部、8〜30重量部および10〜35重量部の割合で含有することを特徴とする経口アミノ酸育毛剤、ならびにこのような育毛剤と外用育発毛剤の組合せからなる育発毛剤のキット、およびこのような育毛剤と外用育発毛剤とを併用する育発毛方法に関する。本発明は、また、上記アミノ酸組成物からなる経口アミノ酸抜毛防止剤およびこれを使用する抜毛防止法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、いわゆる毛生え薬と称されるものが知られている。しかしながら、それらは外用されるものであり、また主要効果が頭髪の本数を増加することを目的とする発毛剤であって、頭髪の本数の増加よりは頭髪の1本1本を太く伸長せしめ、すなわち髪の毛の成長を促進し、延いては薄くなった頭髪全体を黒々と復活せしめる優れた育毛剤は知られていない。また、抜毛防止に顕著に有効な抜毛防止剤も知られていない。もっとも、外用のいわゆる毛生え薬は、謳っている効果が発毛なのか育毛なのか必ずしも明確ではないものがあり、また両効果の併有を謳っているものもあるので、以下、外用育発毛剤と総称する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前項記載の従来技術の背景下に、本発明は、優れた育毛剤および抜毛防止剤、ならびにそれらを利用する育発毛方法および抜毛防止法の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
各種アミノ酸類の栄養作用や生理作用の研究に長年従事してきた本発明者は、特定のアミノ酸を特定の割合で経口摂取すれば顕著な育毛作用や抜毛防止作用の発現することを見い出し、このような知見に基いて本発明を完成した。
【0005】
すなわち、本発明は、L−アルギニン、L−グルタミン、L−バリン、L−イソロイシンおよびL−ロイシンの5種のアミノ酸を、それぞれ、10〜40重量部、10〜40重量部、5〜20重量部、8〜30重量部および10〜35重量部の割合で含有することを特徴とする、経口アミノ酸育毛剤および抜毛防止剤に関する。本発明は、また、このような経口育毛剤と外用育発毛剤よりなる育発毛剤のキットに関し、さらにこのような経口育毛剤と外用育発毛剤を併用する育発毛方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
第一に、先ず、本発明の経口アミノ酸育毛剤について説明する。
【0008】
本発明の経口アミノ酸育毛剤の調製には特別の制限や困難はなく、所定のアミノ酸を所定の割合で含有せしめることを除いては、適宜常法に準ずることができる。
【0009】
本発明の経口アミノ酸育毛剤は、上記所定の5種のアミノ酸を上記所定の割合で単に混合して調製する他に、適宜の添加剤を使用して常法により調製することもできる。このような添加剤としては、味を調整改良する果汁、デキストリン、環状オリゴ糖、糖類(果糖ぶどう糖液糖、ショ糖)、酸味料、香料、抹茶粉末など、テクスチャーを改善する乳化剤、コラーゲン、全脂粉乳、増粘多糖類や寒天(ゼリー飲料の場合)など、更には前記5種のアミノ酸以外のアミノ酸、ビタミン類、卵殻カルシウム、パントテン酸カルシウム、その他のミネラル類、ローヤルゼリー、プロポリス、蜂蜜、食物繊維、アガリクス、キチン、キトサン、漢方生薬、コンドロイチン、カプサイシンなどの通常健康食品の成分として使用されているものを挙げることができる。
【0010】
本発明の経口アミノ酸育毛剤の製品形態には特別の制限はなく、経口摂取(摂食)できる形態であればいずれの形態でもよい。このような形態としては、適当な賦形剤を使用した粉末、顆粒、タブレット、液体(飲料、ゼリー飲料など)、キャンディ(チョコレートなど)等を挙げることができる。製品形態の極端な場合としては、上記5種のアミノ酸の上記割合の単なる粉体混合物(粉末)を挙げることができる。粉末の場合は、直接粉薬のようにそのまま水で飲んでもよいし、またオブラートに包んで飲むこともでき、あるいは水、牛乳、ジュースなどに溶解して飲むこともできる。
【0011】
本発明による育毛効果は、後記実験例1の結果を考慮して、必須成分である5種のアミノ酸を上記割合で1日当りの合計で4g以上(平均的成人女性)摂取することで奏せしめ得る。これより少量では目的の効果が奏されない。一方、過剰に摂取しても効果の向上は見込まれないので、1日当りの摂取量は最大約12gとすることができる。このような範囲に含まれる量として、例えば、後掲実験例1にみられる4〜7g程度/日を好ましい量として挙げることができる。従って、本発明の経口アミノ酸育毛剤の製品における必須成分であるアミノ酸の含有量は、1日当りの摂取回数も考慮して、適宜このような摂取量を満足せしめることのできる量とすればよい。因みに、髪の毛の伸びには男女差がないと考えられる。
【0012】
次に、本発明のキットの形態の育発毛剤について説明する。
【0013】
このキットの形態の育発毛剤は、本発明の経口アミノ酸育毛剤と適宜市販の外用育発毛剤とを組み合せてキットとしたもので、使用者にとって購入時に便である。
【0014】
最後に本発明の育発毛方法について説明する。
【0015】
この方法は、本発明の経口アミノ酸育毛剤を経口摂取し、同時に外用育発毛剤を外用することで、いわば体の内外から頭髪の育毛および発毛を促す方法であって、経口摂取および外用のいずれか一方に拠る場合に較べて育発毛の効果に優れる方法である。
【0016】
第二に、本発明の抜毛防止剤およびこれを使用する抜毛防止法について説明する。
【0017】
本発明者は、本発明の育毛剤が育毛作用の他に抜毛防止作用をも有することを知見して本発明の抜毛防止剤およびこれを使用する抜毛防止法を発明した。従って、この抜毛防止剤の調製法は、先に説明した育毛剤のそれと同じであり、またその使用法も育毛剤のそれに準ずることができる。
【0018】
【実施例】
以下、試験例により本発明を更に詳細に説明する。
【0019】
試験例1(育毛におけるアミノ酸の影響)
(1)試験の概要:
25歳から45歳までの女性9名(平均年齢33.7歳)を対象として、育毛におけるアミノ酸摂取の影響を評価した。被験者は、試験製品を15週間服用し、服用中と非服用中の各々4週間の毛髪の伸びを測定した。毛髪の伸びは、試験製品服用中と非服用中の比較では、個人差はあるものの平均で147.3%、服用中の伸びが増加しており、0.05%の危険率で有意な差を認めた。以上の結果より、本発明の経口アミノ酸育毛剤の摂取により毛髪の伸びの速さが増加することが明らかとされた。
【0020】
(2)試験の詳細:
(a)被験者:
年齢25歳から45歳までの女性(主婦)のみ9名とした。男性は服用を忘れがちであり、かつ、髪の毛の伸びには男女差はないと考えられるからである。9名の被験者を無作為に4名からなるAグループと5名からなるBグループの2グループに分けた。これは、両グループの服用期間を念のためクロスさせて季節的要因を排除するためである。
【0021】
なお、被験者に対して、試験の内容を充分説明し、本人の同意を得た上で試験を実施した。さらに、上記9名の被験者の選択に際しては、本試験の評価に影響を及ぼすと考えられる疾患を合併している女性、妊産婦および授乳中の女性、および本試験実施計画書の規定の遵守ができない女性は除外した。また、制限事項として、試験結果に影響を及ぼすと考えられる例えばアミノ酸サプリメントを常用していることを挙げることができる。
【0022】
因みに、被験者の背景は、下記第1表に示す通りであって、年齢は、27歳から44歳の9名で、Aグループの平均は33.3歳、そしてBグループの平均は34.0歳であった。
【0023】
【表1】
【0024】
(b)供試経口アミノ酸育毛剤:
味の素(株)の販売にかかるアミノ酸製剤「アミノバイタル毎日いきいき」を試験製品(育毛剤)として供試した。これは、1袋3g中、5種のアミノ酸1.3gを含み、それらのアミノ酸の重量比は、L−アルギニン 34:L−グルタミン 34:L−バリン 18:L−イソロイシン 18:L−ロイシン 28であった。
【0025】
この供試製品を、後日回収するアンケート用紙とともに試験開始前に各被験者に送付しておいた。そして、服用期間(次の(c)参照)中は、1日2回朝夜各2袋づつ(1日当り4袋で、アミノ酸換算で1日当り5.2g)、水又は牛乳で服用することとした。
【0026】
(c)服用試験の概要:
下記第2表に示すスケジュールにて、各被験者は試験製品を15週間服用し、服用期間とその前又は後の非服用期間の各々最後の4週間の毛髪の伸びを測定した。
【0027】
【表2】
【0028】
なお、毛髪(被験部)の伸びの測定は、次の通りである。すなわち、毛髪の伸びの測定は、頭頂部の毛髪の長さを10mmに切り揃えた後、4週間後に伸びた分の毛髪を切り取り、「OLYMPUS CAMEDIA C−3030」で画像を取り込み、「USB DIGITAL SCALE 1.0.29」にて、切り取った毛髪長さの短い方から10本を選択し、平均長さを計測した。
【0029】
また、供試製品服用期間終了後、被験者にはアンケートへの回答を義務付けるものとした。
【0030】
(d)毛髪の伸び:
試験製品服用期間中と非服用期間中の毛髪の伸びを下記第3表にまとめて示す。また、毛髪の伸びの検定結果を下記第4表に示す。
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
試験製品服用期間中と非服用期間中の測定値をもとに、対応のある平均値の差の検定(Paird−T検定)を行った。その結果、T=2.6861(ν=8)となり、0.05%の危険率で有意な差を認めた。
【0034】
(e)毛髪の状態についてのアンケート結果:
下記第5表Aにアミノ酸服用期間直前の毛髪の状態についての、また下記第5表Bにアミノ酸服用期間経過直後の毛髪の状態についてのアンケート結果を示す。
【0035】
【表5】
【0036】
【表6】
【0037】
なお、第5表Aおよび第5表B中の数値の表す意味は次の通りである。すなわち、良いを5点、やや良いを4点、変わらないを3点、やや悪いを2点、そして悪いを1点としたものである。なお、例えば、抜け毛は少ない方が良いので、少ないを5点、やや少ないを4点、変わらないを3点、やや多いを2点、そして多いを1点としてある。
【0038】
(3)考察および結論:
25歳から45歳までの女性9名を対象として、育毛におけるアミノ酸摂取の影響を評価した。
【0039】
毛髪の伸びは、試験製品服用期間中と非服用期間中の比較では、個人差はあるものの平均で147.3%、服用期間中の伸びが増加しており、0.05%の危険率で有意な差を認めた。
【0040】
以上の結果より、本試験においては、アミノ酸摂取により毛髪の伸びの速さが増加することが分る。
【0041】
試験例2(抜毛防止におけるアミノ酸の影響)
(1)被験者:
年齢27〜37歳の健常な女性12名で、平均年齢は32.3歳であった。
【0042】
(2)試験方法:
試験製品(味の素(株)の販売にかかるアミノ酸製剤「アミノバイタル」、1包中に5種のアミノ酸2.2gを含み、それらのアミノ酸の重量比は、L−アルギニン 23:L−グルタミン 25:L−バリン 14:L−イソロイシン 17:L−ロイシン 21であった。)を、1日3回毎食後に1包ずつ(1日アミノ酸摂取量6.6g)水または牛乳とともに1か月間摂取した。なお、試験は1か月間の摂取期間の前に、1か月の非摂取期間を設け、アミノ酸摂取による毛髪の抜け毛の本数及び色素沈着部位の色及び肌のキメについて、非摂取期間後と摂取期間後の測定値を比較し評価した。
【0043】
(3)測定方法:
(a)毛髪の抜け毛の本数:
被験者は毎日の洗髪前に指定のブラシでブラッシング(全体に30回)を行い、その際の抜け毛本数を日誌に記録した。
【0044】
(b)色素沈着部位の色素:
「メラニンインデックスメーターMX18」(Courage + Khazaka製)にて、色素沈着部位を5回測定し平均値を算出した。
【0045】
(c)肌のキメ:
3次元皮膚表面解析用のレプリカを左前腕内側から採取し、「Skin Visiometer SV600」(Courage + Khazaka製)により解析を行った。
【0046】
以上、(a)〜(c)の測定結果を下記第6〜8表に示す。
【0047】
【表7】
【0048】
【表8】
【0049】
【表9】
【0050】
(4)考察および結論
以上の結果より、本試験において、アミノ酸摂取により抜毛の防止されることが判る。詳述すると、第6表から本発明のアミノ酸製剤を服用することにより、抜け毛の本数が減少することが、第7表から色素沈着部位の色度合いが減少することで、シミの色が薄くなっていることが判り、そして第8表から肌を触ったときの「滑らか感」が向上していることが判る。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、優れた育毛剤および抜毛防止剤が容易に提供されるところとなった。
Claims (5)
- L−アルギニン、L−グルタミン、L−バリン、L−イソロイシンおよびL−ロイシンの5種のアミノ酸を、それぞれ、10〜40重量部、10〜40重量部、5〜20重量部、8〜30重量部および10〜35重量部の割合で含有することを特徴とする経口アミノ酸育毛剤。
- 請求項1記載の経口アミノ酸育毛剤と外用育発毛剤の組合せであることを特徴とする育発毛剤のキット。
- 請求項1記載の経口アミノ酸育毛剤と外用育発毛剤を併用することを特徴とする育発毛方法。
- L−アルギニン、L−グルタミン、L−バリン、L−イソロイシンおよびL−ロイシンの5種のアミノ酸を、それぞれ、10〜40重量部、10〜40重量部、5〜20重量部、8〜30重量部および10〜35重量部の割合で含有することを特徴とする経口アミノ酸抜毛防止剤。
- 前項記載の経口アミノ酸抜毛防止剤によることを特徴とする抜毛防止法。
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