JP7104267B1 - 認知機能改善剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】認知機能(記憶、判断、計算、理解、学習、思考、言語などの脳の高次の機能)の低下の抑制および/または認知機能の改善のために用いられる、新たな認知機能改善剤を提供する。【解決手段】認知機能の低下の抑制および/または認知機能の改善のために用いられる認知機能改善剤であり、サジーの果皮由来成分を有効成分として含む、認知機能改善剤。サジーの果皮由来成分は、果皮が付いた状態のサジー果実を圧搾して得られる圧搾残渣やその加工物などを用いることができる。【選択図】 なし

Description

本発明は、認知機能改善剤に関する。
サジー(沙棘、学名:Hippophae rhamnoides L.、英語名:Sea buckthorn)は、ユーラシア大陸原産のグミ科、ヒッポファエ属の落葉低木の総称であり、7千万年以上も前から生育していたと言われている。サジーの果実や、花、葉、茎、根等に含まれる成分は注目されており、食品、医薬品、畜産などの分野で広く研究されている(例えば、特許文献1、2)。
一方、近年、高齢化が進行しており、脳の健康が注目されている。加齢やストレスによって、物忘れ、注意力や集中力の低下、言い間違えなど認知機能が低下することが知られている。そこで、認知機能の低下の予防や改善に有効な成分の研究が進められている。
例えば、特許文献3には、Cyclo(Gly-Pro)を含有する、対象の認知機能の低下抑制及び/又は改善剤が開示されている。また、特許文献4には、動物における疲労を減少させるためもしくは予防するためおよび/または認知機能を改善するための組成物であって、該組成物は、L-カルニチン、L-カルニチンの塩、L-カルニチンの誘導体および/またはL-カルニチンの誘導体の塩を含み、該組成物は、好ましくは、治療用ではない、組成物が開示されている。
特開平10-120585号公報 特開2002-34506号公報 特開2020-196686号公報 特開2017-110028号公報
上記のとおり、サジーに含まれる成分について様々な研究が行われている。しかしながら、サジーの果汁などと比べてサジーの果皮はあまり注目されていなかった。サジーの果皮は、サジージュースの製造などにおいて残渣として排出された後、そのまま廃棄されるものも多く、新たな活用法が求められていた。本発明者らは、このサジーの果皮が、認知機能を改善する効果を有するという新たな特性を見出した。
本発明の目的は、認知機能(記憶、判断、計算、理解、学習、思考、言語などの脳の高次の機能)の低下の抑制および/または認知機能の改善のために用いられる、新たな認知機能改善剤を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、下記の発明が上記目的に合致することを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 認知機能の低下の抑制および/または認知機能の改善のために用いられる認知機能改善剤であり、サジーの果皮由来成分を有効成分として含む、認知機能改善剤。
<2> 前記サジーの果皮由来成分が、サジーの果皮、サジーの果皮の圧搾残渣、サジーの果皮の圧搾汁、および、サジーの果皮の抽出物からなる群から選択される1以上である、前記<1>に記載の認知機能改善剤。
<3> 前記サジーの果皮由来成分が、果皮が付いた状態のサジー果実を圧搾して得られる圧搾残渣、および/または、前記圧搾残渣の加工物を含む、前記<1>に記載の認知機能改善剤。
<4> 前記認知機能の低下の抑制および/または認知機能の改善が、以下の(a1)~(a3)からなる群から選択される1以上である、前記<1>から<3>のいずれかに記載の認知機能改善剤。
(a1)記憶能力の低下の抑制および/または記憶能力の改善
(a2)注意能力の低下の抑制および/または注意能力の改善
(a3)判断能力の低下の抑制および/または判断能力の改善
<5> 経口用組成物である、前記<1>から<4>のいずれかに記載の認知機能改善剤。
<6> 散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤およびトローチ剤からなる群から選択されるいずれかの形態である、前記<1>から<5>のいずれかに記載の認知機能改善剤。
本発明によれば、認知機能の低下の抑制および/または認知機能の改善のために用いられる、新たな認知機能改善剤が提供される。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例(代表例)であり、本発明はその要旨を変更しない限り、以下の内容に限定されない。なお、本明細書において「~」という表現を用いる場合、その前後の数値を含む表現として用いる。
<本発明の認知機能改善剤>
本発明は、認知機能の低下の抑制および/または認知機能の改善のために用いられる認知機能改善剤であり、サジーの果皮由来成分を有効成分として含む、認知機能改善剤(以下、「本発明の認知機能改善剤」と記載する場合がある。)に関するものである。
[サジーの果皮由来成分]
サジーの果皮由来成分は、サジーの果皮に由来する成分を含むものであればよい。サジーの果皮由来成分としては、例えば、サジーの果皮、サジーの果皮の圧搾残渣、サジーの果皮の圧搾汁、および、サジーの果皮の抽出物からなる群から選択される1以上を用いることができる。好ましくは、サジーの果皮、サジーの果皮の圧搾残渣、および、サジーの果皮の抽出物からなる群から選択される1以上であり、より好ましくは、サジーの果皮および/またはサジーの果皮の圧搾残渣である。
サジーの果皮としては、サジー果実から剥離した果皮そのものである未加工物や、サジー果実から剥離した果皮(以下、「サジー剥皮」と記載する場合がある。)の乾燥物や破砕物、粉末などの加工物が挙げられる。
サジーの果皮の圧搾残渣としては、サジー果実から剥離した果皮を圧搾して得られる圧搾残渣(以下、「サジー剥皮の圧搾残渣」と記載する場合がある。)や、果皮が付いた状態のサジー果実を圧搾して得られる圧搾残渣(以下、「果皮付きサジー果実の圧搾残渣」と記載する場合がある。)が挙げられる。また、それらの乾燥物や破砕物、粉末などの加工物が挙げられる。好適なサジーの果皮の圧搾残渣は、果皮付きサジー果実の圧搾残渣および/またはその加工物(乾燥物や破砕物、粉末など)である。
サジーの果皮の圧搾汁としては、サジー果実から剥離した果皮を圧搾して得られる圧搾汁(以下、「サジー剥皮の圧搾汁」と記載する場合がある。)や、サジー剥皮の圧搾汁の乾燥物や粉末などの加工物が挙げられる。
サジーの果皮の抽出物は、サジー果実から剥離した果皮の抽出物や、サジーの果皮の圧搾残渣の抽出物、サジーの果皮の圧搾汁の抽出物が挙げられる。また、それらの乾燥物や粉末などの加工物が挙げられる。
サジーの果皮由来成分は、乾燥粉末が好ましい。乾燥粉末とすることで、取り扱いやすく、他の製品に配合する場合にも均一に配合させやすい。乾燥は、公知の方法で行えばよく、自然乾燥、加熱乾燥、通風乾燥、熱風乾燥、冷風乾燥、減圧乾燥、凍結乾燥等の方法で乾燥させることができる。また、粉末化は、ミキサーや、ブレンダー、ミル、粉砕機など公知の装置を用いて行うことができる。
乾燥粉末の粒径は特に限定されるものではないが、例えば、40~200メッシュや、50~140メッシュなどとすることができる。なお、40~200メッシュとは、ASTM規格の40メッシュの篩を通過し、かつ、200メッシュの篩を通過しない大きさを意味する。また、50~140メッシュとは、ASTM規格の50メッシュの篩を通過し、かつ、140メッシュの篩を通過しない大きさを意味する。
乾燥粉末としては、サジーの果皮の乾燥粉末や、サジーの果皮の圧搾残渣の乾燥粉末、サジーの果皮の圧搾汁の乾燥粉末、サジーの果皮の抽出物の乾燥粉末が挙げられる。好ましくは、サジーの果皮の乾燥粉末、サジーの果皮の圧搾残渣の乾燥粉末、およびサジーの果皮の抽出物の乾燥粉末からなる群から選択される1以上であり、より好ましくは、サジーの果皮の乾燥粉末および/またはサジーの果皮の圧搾残渣の乾燥粉末である。
サジーの果皮由来成分は、果皮が付いた状態のサジー果実を圧搾して得られる圧搾残渣(果皮付きサジー果実の圧搾残渣)および/またはその加工物を含むことが好ましい。例えば、果皮付きサジー果実の圧搾残渣、その乾燥物、その破砕物、および、その粉末からなる群から選択される1以上を含むことが好ましい。果皮付きサジー果実の圧搾残渣は、果皮が付いた状態のサジー果実を圧搾して、果汁(液体)を分離した後の、固形分(搾り粕)である。圧搾残渣を利用することで、これまで廃棄されていた廃棄物を有効利用することができる。
果皮付きサジー果実の圧搾残渣を得るための圧搾は、サジー果実が果皮および果肉を含む状態で行えばよい。果皮および果肉に加えて種子を含む状態で圧搾してもよく、果実から種子を予め取り除いて圧搾してもよいが、果皮、種子および果肉を含む果実を圧搾して、圧搾残渣を得ることが好ましい。また、この圧搾は、果皮および果肉を含むサジー果実をそのまま圧搾してもよいし、破砕した後に圧搾してもよい。
果皮付きサジー果実の圧搾残渣には、果皮に加えて、果皮以外の成分を含んでもよい。例えば、果汁と圧搾残渣とを完全に分離することは困難であるので、圧搾残渣に果汁が残存してもよいし、果肉に由来する繊維成分が含まれていてもよい。また、種子を取り除かずに圧搾する場合は、種子に由来する成分を含む圧搾残渣を用いてよいし、圧搾後に種子を取り除いた圧搾残渣を用いてもよい。
また、果皮付きサジー果実の圧搾残渣は、上記の通り、公知の方法で乾燥や粉末化などして、乾燥物や破砕物、粉末などの加工物にして用いることができる。例えば、果皮付きサジー果実の圧搾残渣は、40~200メッシュや、50~140メッシュなどの乾燥粉末とすることができる。
本発明の認知機能改善剤の態様は特に限定されず、サジーの果皮由来成分をそのまま製品にしたり、添加剤として製品に配合したりして、食品組成物や、医薬品組成物などにすることができる。本発明の認知機能改善剤は、経口摂取または経口投与される経口用組成物とすることが好ましく、食品組成物や経口用医薬品組成物とすることが好ましい。
本発明の認知機能改善剤は、固形の形態が好ましく、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、トローチ剤などの形態にすることができる。固形の形態とすることで、摂取しやすいものとできる。
[食品組成物]
本発明の認知機能改善剤は、天然物由来であるため、安全で嗜好的にも優れる。日常的に経口摂取しやすい食品組成物とすることで、長期的に摂取することも容易である。そのため、有効成分としてサジーの果皮由来成分を含有する食品組成物とすることが好ましい。
サジーの果皮由来成分を含有する食品組成物は、一般の食品だけでなく、特別用途食品、特定保健用食品、機能性表示食品、栄養機能食品、栄養補助食品、健康補助食品、サプリメント等、健康の維持・増進の目的で摂取する食品および/または飲料も含む。この中でも保健機能食品である特定保健用食品や機能性表示食品、栄養機能食品が好ましい態様である。特定保健用食品や機能性表示食品としては、認知機能改善に関する機能性や効果を表示した食品が挙げられる。
食品組成物の形状は特に限定されず、固体状、液体状、ペースト(半固体)状、ゲル状、ゾル状等のいずれの形状であってもよい。
食品組成物として製品化する場合には、サジーの果皮由来成分からなる製品としてもよいし、食品、飲料に配合してもよい。また、食品組成物として製品化する場合には、サジーの果皮由来成分以外にも、食品、飲料に用いられる様々な添加剤を添加してもよい。具体的には、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤、漂白剤、防菌防黴剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料等を添加していてもよい。
食品組成物の対象となる、食品、飲料は特に限定されるものではない。例えば、食品として、ソーセージ、ハム、魚介加工品、ゼリー、キャンディー、チューインガムなどの食品類が挙げられる。また、飲料としては、各種の果汁飲料、茶類、清涼飲料水、酒類、栄養ドリンクなどが挙げられる。
また、食品組成物は、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、溶液、乳濁液、懸濁液等の任意の剤の形態としてよく、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、トローチ剤などの固形剤の形態が好ましい。このような剤の形態とする場合には、サジーの果皮由来成分以外に、剤として通常使用される任意の成分などを含んでいてもよい。併用に適した成分としては、例えば、食物繊維、ビタミンA、βカロテン、葉酸、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ナイアシン、鉄、Ca、ヨウ素、ビフィズス菌、抹茶、カロテノイド、アミノ酸、ペプチド、各種ビタミン類、各種ミネラル類、糖類、無機塩類、クエン酸またはその塩、茶エキス、油脂、プロポリス、ローヤルゼリー、タウリン等を用いることができ、これらからなる群から選択される1以上の成分を併用してもよい。
本発明の認知機能改善剤は、ヒト以外の動物に対して適用することもできる。そのため、動物用として使用してもよく、また、ペットフード等の動物用食品組成物へサジーの果皮由来成分を添加することもできる。
[医薬品組成物]
サジーの果皮由来成分を、薬学的に許容される担体とともに配合し、医薬品組成物とすることができる。なお、本発明において、医薬品組成物は、医薬品のみならず医薬部外品も含む。医薬品組成物は、経口投与されるものであっても、非経口投与されるものであってもよいが、投与しやすさからは、経口用の医薬品組成物とすることが好ましい。医薬品組成物の剤形は、特に限定されず、固体製剤であっても液体製剤であってもよい。具体的には、例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤、トローチ剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤、エリキシル剤、注射剤、点滴剤などが挙げられる。薬学的に許容される担体としては、例えば、結合剤、安定化剤、賦形剤、希釈剤、pH緩衝材、増粘剤、着色剤、分散剤、乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、崩壊剤、可溶化剤、溶解補助剤等が挙げられる。
食品組成物や、医薬品組成物等のサジーの果皮由来成分を含有する組成物とする場合、サジーの果皮由来成分の配合量は、その態様等により異なるものである。サジーの果皮由来成分以外の添加剤を配合し、サジーの果皮由来成分の配合量が少ない場合にも、摂取量を増やす等の調製ができるため、サジーの果皮由来成分の配合量は特に限定されない。例えば、サジーの果皮由来成分を含有する組成物に対するサジーの果皮由来成分の含有量(サジーの果皮由来成分の質量/サジーの果皮由来成分を含有する組成物の質量×100(%))は、20質量%以上や、30質量%以上、40質量%以上などと任意である。サジーの果皮由来成分の配合量の上限は、100質量%であり、95質量%以下などとしてもよい。
サジーの果皮由来成分を含有する組成物の摂取量は、摂取対象の性別、体重、年齢、利用目的などに応じて適宜選択すればよい。例えば、成人ヒトの場合、サジーの果皮由来成分の1日あたりの摂取量は、100~5000mgや、200~2500mg、250~1000mgなどとすることができる。また、サジーの果皮由来成分を含有する組成物の摂取は、1日に1回または複数回に分けて行うことができ、数日~数週間、数か月間にわたり継続して摂取してもよい。
[認知機能の低下の抑制および/または認知機能の改善]
認知機能は、記憶、判断、計算、理解、学習、思考、言語などを含む脳の高次の機能の総称として一般に用いられる。本発明において、認知機能は、哺乳動物の認知機能を意味し、ヒトの認知機能だけでなく、ヒト以外のイヌやネコなどの動物の認知機能も含むものである。
認知機能は、脳の認知機能を検査する神経心理学的検査によって評価することができる。神経心理学検査としては、例えば、ベントン視覚記銘検査、ストループテスト、Mini-Mental State Examination(MMSE)などの評価方法が知られている。
本発明の認知機能改善剤の使用対象は、ヒトを含む動物である。
認知機能の障害は、事故や病気に起因する脳の器質的損傷により起こることが知られている。また、脳に器質的損傷が認められない状態であっても、ストレスや加齢により、認知機能の低下を感じることがある。本発明の認知機能改善剤は、認知機能の低下の予防のためや、認知機能の低下を感じたときなどに、認知機能に障害を有さない動物(すなわち、健常者)が摂取するものとしてもよい。すなわち、本発明の認知機能改善剤の対象は、健常者(特に、健常なヒト)としてもよい。また、本発明の認知機能改善剤は、認知機能の低下を感じやすい、50歳以上や60歳以上のヒトを対象としてもよい。
本発明の認知機能改善剤は、認知機能の低下の抑制および/または認知機能の改善のために用いられる。認知機能の低下の抑制および/または認知機能の改善は、以下の(a1)~(a3)からなる群から選択される1以上であってよい。
(a1)記憶能力の低下の抑制および/または記憶能力の改善
(a2)注意能力の低下の抑制および/または注意能力の改善
(a3)判断能力の低下の抑制および/または判断能力の改善
記憶能力の低下の抑制および/または改善は、視覚性記憶能力(視覚的な記憶能力)の低下の抑制および/または視覚性記憶能力の改善であってもよい。
記憶能力の低下の抑制および/または記憶能力の改善は、神経心理学的検査により評価されるものであってよく、ベントン視覚記銘検査により評価されるものであってよい。
注意能力の低下の抑制および/または注意能力の改善は、神経心理学的検査により評価されるものであってよく、ストループ検査により評価されるものであってよい。
判断能力の低下の抑制および/または判断能力の改善は、神経心理学的検査により評価されるものであってよく、ストループ検査により評価されるものであってよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
I.サジー果皮由来成分を含有するサプリメントの製造
H.rhamnoidesの果実(果肉、果皮および種子、内モンゴル蛮漢山産)を果皮がついた状態で圧搾し、ピューレ状にした後、ろ過(60メッシュ)し、果皮残渣および種子の混合物を分離した。果皮残渣および種子の混合物を自然乾燥および真空乾燥した後に、混合物から種を分離して、果皮残渣を粉砕した。粉砕した果皮残渣を篩がけ(40メッシュ)して異物を取りのぞき、加熱殺菌し、さらに篩がけ(80メッシュ)して、サジーの果皮粉末を得た。
サジーの果皮粉末92.6gと賦形剤(結晶セルロース、微粒二酸化ケイ素、ステアリン酸カルシウム)7.4gを混合し、カプセル用粉末を調製した。次いで、ハードカプセルにカプセル用粉末を充填し、サジー果皮由来成分を含有するサプリメント(充填量270mg、カプセル60mg)を得た。
II.プラセボ対照二重盲検ランダム化並行群間比較試験
II-1.試験方法
[被験者]
組み入れ開始前に以下の選択基準を満たし、且つ、除外基準に抵触しない者を対象とした。
・選択基準
(1) 年齢が50歳以上の閉経後の女性
(2) 一般的に健康であるとみなされる者
・除外基準
(1)本試験で検討する有効性と同様もしくは、関連する効果・効能を標榜あるいは強調した健康食品、医薬部外品あるいは医薬品を継続的に摂取している者
(2)過去2週間以内に健康食品を変更、あるいは新たに使用開始した者
(3)夜勤および昼夜交代制勤務をしている者
(4)疾病の治療や予防等のために医療機関等で処置(ホルモン補充療法、薬物療法、運動療法、食事療法)を受けている、もしくは治療が必要な状態と判断される者
(5)糖代謝、脂質代謝、肝機能、腎機能、心臓、循環器、呼吸器、内分泌系、免疫系、神経系の重篤な疾患あるいは精神疾患の既往歴を有している者
(6)アルコールおよび薬物依存の既往歴を有している者
(7)食品に対してアレルギー発症の恐れがある者
(8)妊娠、授乳中の者、あるいは試験期間中に妊娠を希望している者
(9)過去2週間以内に他のヒト試験(食品、医薬品、医薬部外品、医療機器等を用いたヒトを対象とする試験)に参加していた者、あるいは実施予定期間中に他のヒト試験に参加する予定がある者
(10)その他、試験責任者または試験分担者が試験の対象として不適当と判断した者
[割付]
試験に関係のない割付責任者が年齢及びBMI(Body mass index)層別無作為抽出法を用いて、試験物群・プラセボ群の間に有意な偏りがないよう、試験物群17名、プラセボ群17名を割付けた。
・試験物群:女性17名、平均年齢62.00歳、平均BMI 21.53
・プラセボ群:女性17名、平均年齢61.53歳、平均BMI 21.71
[介入]
・試験物群:サジーの果皮由来成分を含有するサプリメントを、1日4粒(サジーの果皮粉末1000mg)、6週間(42日間)摂取した。
・プラセボ群:プラセボサプリメントを1日4粒、6週間(42日間)摂取した。
なお、プラセボサプリメントは、サジー果皮粉末の代わりにデキストリンを使用して製造したものであり、サジー果皮由来成分を含有するサプリメントと、外観・官能が全く同じものである。
[調査項目]
(1)ベントン視覚記銘検査
ベントン視覚記銘検査(以下、「ベントン検査」と記載する場合もある。)は、視覚性注意、視覚記憶、視覚認知、視覚構成能力を評価する図版記銘のテストである。被験者には数種類の無意味図形が描かれたカードを10秒見せて覚えてもらい、その後カードを伏せて、白い紙に図形の形・位置・大きさなどを出来るだけ正確に描くよう指示した。カードは10枚あり、10点満点で成績をつけた。同レベルに設定した検査が3セット(それぞれA、B、C)準備されており、摂取前にA、摂取後にBを実施することで、出来るだけ試験ごとによる練習の効果を排除するようにした。
(2)新ストループ検査II
認知機能低下に対するスクリーニング検査として広く利用されているテストである。4つの課題で構成されており、各課題の実施前に練習試行を10秒行い、被験者が課題を十分理解してから本試行を行う。本試行の実施時間は各60秒である。また各課題の達成数から誤答数を引いて正答数を求め、さらにその正答数から、逆ストループ干渉率およびストループ干渉率を求めた。
課題1(逆ストループの統制課題):
黒インクで書かれた色名語が意味する色を5色の色パッチの中から選択する。
課題2(逆ストループ課題):
色名と一致しないインクの色で書かれた色名語の意味する色を5色の色パッチの中から選択する。
課題3(ストループの統制課題):
色パッチの色が意味する色を黒インクで書かれた5種類の色名語の中から選択する。
課題4(ストループ課題):
色名とは一致しない色のインクで書かれた色名語の色インクの色を黒インクで書かれた5つの色名語の中から選択する。
逆ストループ干渉率 = (「課題1の正答数」-「課題2の正答数」)/「課題1の正答数」
ストループ干渉率 = (「課題3の正答数」-「課題4の正答数」)/「課題3の正答数」
[観察・検査]
質問紙(ベントン視覚記銘検査および新ストループ検査II)を用いて、事前測定と事後測定を行い、評価した。なお、測定時刻はいずれも10時~17時の間で行った。
[統計学的事項]
試験物群及びプラセボ群の各測定値の平均値と標準誤差を算出した。試験物の摂取前と摂取後で比較するため、事前測定値と事後測定値で対応のあるt検定を行った。
なお、有意水準は両側検定で5%とし、5%未満を有意差あり(**:p<0.05)、10%未満を有意傾向あり(*:p<0.1)と判断した。
II-2.試験結果
[解析対象者]
組み入れた34名(試験物群17名、プラセボ群17名)全員を解析対象者とした(表1参照)。
なお、摂取日数・摂取回数を用いて算出した摂取率は、試験物群100%(n=17)、プラセボ群99.00%(n=17)であった。
Figure 0007104267000001
[測定結果]
(1)ベントン視覚記銘検査
表2にベントン視覚記銘検査の結果を示した。試験物群では摂取後は摂取前と比較して有意に高い値となった(p<0.05)。プラセボ群では摂取前後に有意な差はみられなかった。
Figure 0007104267000002
(2)新ストループ検査II
表3に新ストループ検査IIの結果を示した。摂取前後に欠損値のあった1名をプラセボ群から除外して解析を行った。
逆ストループ干渉率について、試験物群では摂取後は摂取前と比較して有意に高い値となった(p<0.05)。プラセボ群では摂取前後に有意な差はみられなかった。
Figure 0007104267000003
本発明の認知機能改善剤は、食品、医薬品、化粧品およびこれらの添加剤として利用することができ、産業上有用である。

Claims (6)

  1. 認知機能の低下の抑制および/または認知機能の改善のために用いられる認知機能改善剤であり、
    経口用組成物であり、
    サジーの果皮由来成分を有効成分として含
    前記サジーの果皮由来成分が、果皮が付いた状態のサジー果実を圧搾して得られる圧搾残渣の乾燥粉末である、認知機能改善剤。
  2. 前記サジーの果皮由来成分が、果皮が付いた状態のサジー果実を圧搾してピューレ状にした後に、ろ過して得られた圧搾残渣の乾燥粉末である、請求項1に記載の認知機能改善剤。
  3. 健常なヒトを対象とする、請求項1または2に記載の認知機能改善剤。
  4. 前記認知機能の低下の抑制および/または認知機能の改善が、以下の(a1)~(a3)からなる群から選択される1以上である、請求項1から3のいずれかに記載の認知機能改善剤。
    (a1)記憶能力の低下の抑制および/または記憶能力の改善
    (a2)注意能力の低下の抑制および/または注意能力の改善
    (a3)判断能力の低下の抑制および/または判断能力の改善
  5. 散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤およびトローチ剤からなる群から選択されるいずれかの形態である、請求項1からのいずれかに記載の認知機能改善剤。
  6. 飲料の形態である、請求項1から4のいずれかに記載の認知機能改善剤。
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食品と開発,2000年,Vol.35, No. 3,pp. 45-46

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