JP2005247407A - 中栓 - Google Patents

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亨 坂本
Keiko Maruhashi
敬子 丸橋
Koichi Yasui
宏一 安井
Toshie Koyanagi
敏栄 小柳
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Abstract

【課題】 実際の充填工程において使用しても内容物の噴出の問題がない容器用の中栓を提供すること。
【解決手段】 容器の開口部に嵌合装着される中栓であって、開口部内側に嵌装される筒部と、その一端に設けられたフランジ部よりなり、当該筒部の外周にフランジ部側から順に気密嵌合部および通気嵌合部を設けたことを特徴とする中栓。
【選択図】 図3

Description

本発明は、容器の開口部に嵌合装着して使用される中栓に関し、更に詳細には、液状物あるいは微小粒状物、粉体等の流動体を充填する容器の開口部に嵌合装着するに際し、充填物が吐出することのない中栓に関する。
近年、化粧品や食品等を充填する容器においては、取り出す量が制御しやすいことや、液切れの良さ等から容器の開口部に中栓を設け、ここから充填物を取り出すことが多い。
この中栓は、例えば図1に示すように、内容物を吐出する注出孔4が設けられたフランジ部(蓋部)3を有する筒部2から構成され、この筒部2の外周部には、気密嵌合部を有する膨出部5が形成されている。また、図2に示すように、膨出部5上に気密性を高めるための複数の環状リブ6を設けた中栓も使用されている。
しかしながら、上記のような中栓は、内容物を充填した容器にセットする場合、内容物が吐出する場合があった。これは、中栓を嵌合装着するに際し、容器上部の空間(内容物と容器上部で構成される空間)の内圧が上がり、例えば中栓の挿入角度が若干ずれた場合に、押込嵌合の力で上記環状リブ6が一部破損する等の原因により、隙間から溶液が吐出するものであった。このような問題は、特に泡立ちがある化粧品等の充填の場合に大きな問題となっていた。
このような問題を避けるには、充填後の泡だちが収まった後に、ゆっくり中栓を閉めたり、環状リブ6の破損がないように、容器−中栓の軸のブレがないように調整しながら閉めればよいが、実際の工程でこのような手段を取ることは経済性から見て不可能である。
従って本発明は、実際の充填工程において使用しても内容物の噴出の問題がない容器用の中栓の開発をその課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行った結果、中栓の筒部外側に気密嵌合部の他、通気が可能な嵌合部を設ければ、中栓の嵌合装着の初期段階では、内容物を充填した後の容器の上部空間の内圧が上がりにくくなり、内容物が吐出するという問題が生じないことを見出し、本発明を完成した。
すなわち本発明は、容器の開口部に嵌合装着される中栓であって、開口部内側に嵌装される筒部と、その一端に設けられたフランジ部よりなり、当該筒部の外周にフランジ部側から順に気密嵌合部および通気嵌合部を設けたことを特徴とする中栓である。
本発明の中栓を容器に嵌合装着した場合、従来公知の中栓に比べ、容器の上部空間の内圧が上がり難く、内容物が吐出するという問題が起こらないものである。
従って、化粧品、食品等を充填する容器用の中栓として、広く利用可能なものである。
以下、本発明の実施態様を示すいくつかの図面と共に本発明を更に詳しく説明する。
図3は、本発明の中栓の一態様を示す図面であり、上側は一部切り欠き断面図、下側は底面図である。図中、1は中栓、2は筒部、3はフランジ部、4は注出孔、7は通気嵌合部、8は気密嵌合部、9は通気溝を示す。
図3に示すように、本発明の中栓1は、筒部2およびフランジ部3より構成されており、このフランジ部3には、注出孔4が設けられている。そして、筒部2の外周部には、フランジ部3側から順に、2つの環状リブ状の気密嵌合部8および通気嵌合部7が設けられている。更に、このうち通気嵌合部7には、通気溝9が設けられており、一部を切り欠いた環状リブの形状をなしている。
更に、フランジ部3には、注出孔4が設けられており、ここから内容物を注出することができる。この注出孔4は、消費者の使用開始時まで封止しておくことが好ましく、この封止手段としては、剥離可能なシール部材を貼付することや、フランジ部3を注出孔4の形状に沿って薄く成形し、その上部に引きはがし手段を設けることが挙げられる。後者の場合、使用に先立ち、引きはがし手段を引くことにより、注出孔4の形状に開口する。
この中栓1は、注出孔4を封止した状態で容器の開口部に押し込み始めると、まず、通気嵌合部7が嵌合する。しかし、この通気嵌合部7には、通気溝9があるので、ここから空気が外に逃げ、容器上部の空間の内圧が上がることはない。
そして、更に押し込みを継続すると、気密嵌合部8に至り、容器上部の空間に圧力がかかり始めるが、この押し込みにより圧力は、気密嵌合部8の幅に対応するものであるので、これによる圧力の上昇は大きくなく、そのため、実質的に内圧上昇による内容物の噴出は見られない。
図4は、本発明の別の態様の中栓を示す図面であり、上側は一部切り欠き断面図、下側は底面図である。
この態様では、通気嵌合部7と気密嵌合部8は、連続して設けられており、通気溝9は、大きな幅で設けられている。この中栓も、容器の開口部に押し込みの最初は、通気嵌合部7に設けられた通気溝9から空気が流出するため、容器上部の空間の内圧が上がることはない。そして、前記態様と同様、気密嵌合部8から圧力がかかり始めるが、その圧力上昇は気密嵌合部8の幅に対応し、これによる内圧の上昇は大きくなく、実質的に内圧上昇による内容物の噴出は見られない。
図5は、本発明の他の態様の中栓を示す図面であり、上側は一部切り欠き断面図、下側は底面図である。
この態様では、通気嵌合部7と気密嵌合部8は、連続して設けられる膨出部に形成されており、この膨出上に設けられた通気溝9の上端部分までが通気嵌合部7となる。この中栓も、前記2つの態様と同様、容器の開口部への押し込みの最初は、通気嵌合部7に設けられた通気溝9から空気が流出するため、容器上部の空間の内圧が上がることはない。そして、気密嵌合部8から圧力がかかり始めるが、その圧力上昇は気密嵌合部8の幅に対応し、これによる内圧の上昇は大きくなく、実質的に内圧上昇による内容物の噴出は見られない。
図6は、図5で示した態様の変形である態様の中栓を示す図面である。図の上側は一部切り欠き断面図、下側は底面図である。
本態様では、図5の態様と同じく、通気嵌合部7と気密嵌合部8は、連続して設けられる膨出部に形成されるが、更に、突出リブ10が設けられている。この態様では、通気嵌合部7を開口部へ押し込んでいる間は、通気溝9からの空気の流出により、容器上部の空間の内圧が上がることがないのは、前記した各態様と同じであるが、気密嵌合部8の部分を押し込むようになってからも、突出リブ10の上部と通気溝9が通気流路を形成し、ここから空気が流出するので、しばらくの間は、容器上部の内圧上昇を最低限におさえることができる。この場合、突出リブ10の最外径は、中栓材料の変形により最終的に気密嵌合部の径と同じになるように変形する程度とすれば、内圧上昇をおさえると共に、装着後の中栓の、容器からの抜け強度を高くすることができる。突出リブの高さは、中栓の材質にもよるが、例えばポリエチレン製であれば0.05〜0.1mm程度が好ましい。
以下実施例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に何ら制約されるものではない。
実 施 例 1
内圧測定試験:
本発明の図3ないし図6の態様の中栓と、図2に示す態様の中栓について、200ml容の容器に、水180mlを充填後、中栓の注出孔を封止した状態で打栓し、打栓後の容器上部の空間の内圧力上昇を測定した。打栓は、手動打栓機を用い、300N(30kgf)の力で各5回行い、内圧は、遺留針付きのHNT汎用圧力計を用いて行った。この結果を表1に示す。
Figure 2005247407
この結果から明らかなように、本発明の中栓を使用した場合、内圧上昇は従来のものの半分以下であった。特に、図5および図6の態様のものでは、ほとんど内圧上昇が認められなかった。
以上のように、本発明の中栓の使用により、容器に内容物を充填した際に形成される容器上部の空間の内圧は低く保たれるので、仮に若干斜めに中栓を挿入嵌合させる場合であっても、内容物が噴出するおそれはない。
従って本発明の中栓は、化粧品や食品等の容器の中栓として、広く使用することが可能である。特に、充填時に泡立ちのあるような内容物であっても、これが吐出することを防ぐことが可能である。
従来の中栓の代表的なものを示す図面である。 従来の中栓の他の例を示す図面である。 本発明の中栓の一態様を示す図面である。 本発明の別の態様の中栓を示す図面である。 本発明の他の態様の中栓を示す図面である。 本発明の他の別の態様の中栓を示す図面である。
符号の説明
1 … … 中栓
2 … … 筒部
3 … … フランジ部
4 … … 注出孔
5 … … 膨出部
6 … … 環状リブ
7 … … 通気嵌合部
8 … … 気密嵌合部
9 … … 通気溝
10 … … 突出リブ

以 上



Claims (9)

  1. 容器の開口部に嵌合装着される中栓であって、開口部内側に嵌装される筒部と、その一端に設けられたフランジ部よりなり、当該筒部の外周にフランジ部側から順に気密嵌合部および通気嵌合部を設けたことを特徴とする中栓。
  2. 前記フランジ部に封止された注出孔が設けられている請求項第1項記載の中栓。
  3. 注出孔の封止が、注出孔を剥離可能なシール部材を貼付することにより行われる請求項第2項記載の中栓。
  4. 注出孔の封止が、フランジ部を注出孔の形状に薄く成形することにより行われる請求項第2項記載の中栓。
  5. 前記気密嵌合部が、環状リブである請求項第1項記載の中栓。
  6. 前記環状リブの上側面が、前記フランジ部に接している請求項第5項記載の中栓。
  7. 前記通気嵌合部が、環状リブの一部を切り欠いたものである請求項第1項記載の中栓。
  8. 前記通気嵌合部が、縦型溝が設けられた膨出部であり、前記気密嵌合部はこれと連続した溝のない膨出部である請求項第1項記載の中栓。
  9. 前記通気嵌合部が、縦型溝の設けられた膨出部上に、更に一部を切り欠いた環状リブを設けることにより形成されたものである請求項第8項記載の中栓。

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007276880A (ja) * 2006-03-17 2007-10-25 Ricoh Co Ltd トナー容器
JP2008531196A (ja) * 2005-03-01 2008-08-14 イーエルシー マネージメント エルエルシー 通気孔付きマスカラワイパー
JP2019119499A (ja) * 2018-01-05 2019-07-22 日本製紙株式会社 注出ポンプ及び注出ポンプを用いた詰め替え容器

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