JP2004026230A - 液体排出補助具及び容器 - Google Patents
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Abstract
【課題】既存の容器に装着することにより容器内に貯留された液体を排出する際に液振れを抑えて速やかに排出することができる液体排出補助具を提供すること。
【解決手段】容器Cの口部C1に装着して使用され、内部の液体を誘導して排出させるための液体排出補助具1である。口部C1に嵌入させた状態で容器Cに係止するための嵌入係止壁2と、嵌入係止壁9から容器内に向けて延設され、容器を傾斜させた場合に容器内に貯留された液体を排出させると共に容器から液体が排出されたことにより容器内が減圧となった場合に外気を取り入れることのできる多数の開口11を備えた開口壁10とから構成される外周壁2と、開口壁10の底部3において連続して開口壁10の内側に開口壁10とは離間して形成され、内部に貯留された液体を内側に誘導して排出させる内周壁4とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】容器Cの口部C1に装着して使用され、内部の液体を誘導して排出させるための液体排出補助具1である。口部C1に嵌入させた状態で容器Cに係止するための嵌入係止壁2と、嵌入係止壁9から容器内に向けて延設され、容器を傾斜させた場合に容器内に貯留された液体を排出させると共に容器から液体が排出されたことにより容器内が減圧となった場合に外気を取り入れることのできる多数の開口11を備えた開口壁10とから構成される外周壁2と、開口壁10の底部3において連続して開口壁10の内側に開口壁10とは離間して形成され、内部に貯留された液体を内側に誘導して排出させる内周壁4とを備えている。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、既存の容器(例えば、高密度ポリエチレン容器)に装着することにより容器内に貯留された液体を排出する際の液振れを抑えて速やかに排出するための液体排出補助具及び液体を排出する際の液振れを抑えて速やかに排出できる容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
容器から内容液を素早く排出させると、その内容液の排出量に応じて容器内に減圧された空隙が形成され、この減圧された空隙部に向けて排出水流に打ち勝って外気が間欠的に吸引され、これが原因となり排出水流に液振れが発生する。
【0003】
薬液等の危険物等を排出する際にこの液振れが激しいと危険であるので、この液振れが起こらないように排出させる必要があるが、このためには口部において外気と空隙部とが連通する空間を保って排出させる必要があり、排出作業に時間を要し作業工数が著しく増大するに加えて、作業者に負担を掛ける。
【0004】
このため、容器からの内容液の排出を速やかに行える脈動防止用の改良が施された容器が多数提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、容器に脈動防止用の改良を施すことは、容器の製造コストを増大させコスト高となる原因となり、現実的には大量に普及させるのは困難である。
【0006】
一方、流量規制用の中栓が装着された容器が一般家庭用のソース入れや液体洗剤タンクに利用されており、この中栓は内容液が通過する多数の通孔を内容液の排出方向と直交する方向に開孔した構成とされている。このような流量規制用の中栓が装着された容器では、容器を大きく傾けても脈動は殆ど起こらない。しかしながら、このような流量規制用中栓を装着したのでは、容器からの内容液の排出速度(流速)が極端に遅くなり、実用的ではない。
【0007】
また、このような流量規制用の中栓を口部が偏在している高密度ポリエチレン製の容器にそのまま適用させても液振れを少なくしてかつ内容液の排出速度を維持することが困難である。
【0008】
そこで本発明は、既存の容器に装着することにより容器内に貯留された液体を排出する際に液振れを抑えて速やかに排出することができる液体排出補助具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者が検討した結果、流路規制用の開口を外周壁とした中栓の内側に大きな排出流路を与える内周壁(排出誘導壁)を設けることにより、この中栓を係止した容器を傾転させて内部の液体を排出させれば、内部の液体は主に内周壁(排出誘導壁)内を流出し、外周壁に設けた開口から外気が容器内に導入され、これにより液振れが少なく、かつ、短時間に液体を排出することができることを認めた。
【0010】
即ち本発明は、容器の口部に装着して使用され、内部の液体を誘導して排出させるための液体排出補助具であって、前記口部に嵌入させた状態で容器に係止するための嵌入係止壁と、該嵌入係止壁から容器内に向けて延設され、容器を傾斜させた場合に容器内に貯留された液体を排出させると共に容器から液体が排出されたことにより容器内が減圧となった場合に外気を取り入れることのできる多数の開口を備えた開口壁とから構成される外周壁と、該開口壁の底部において連続して前記開口壁の内側に該開口壁とは離間して形成され、内部に貯留された液体を内側に誘導して排出させる内周壁と、を備えたことを特徴とする液体排出補助具である。
【0011】
このような液体排出補助具によれば、口部に嵌入させた状態で容器に係止するための嵌入係止壁を備えているので、この嵌入係止壁を容器の口部に嵌入して係止させることにより、既存の容器の口部に取付又は取り外して使用することができる。
【0012】
また、このような液体排出補助具を容器に取り付けた状態で容器を大きく傾斜させた場合、内部に貯留された液体は主に内周壁の内側を誘導されて排出されるがこの内周壁の内側には障害物がないので内容液は勢いよく排出することができ、これにより十分な排出速度を得ることができる。
【0013】
また、この内周壁の外側に形成された開口壁(外周壁)には多数の開口が設けられており、容器を大きく傾斜させた場合はこの開口からも内容液は排出されるが、容器内が減圧となった場合に外気はこの開口から容器内部に進入するので大きな脈動を発生させることがない。
【0014】
また、開口を縦長とすれば口部の高さの異なる容器に対しても同一液体排出補助具を利用することができる。すなわち、容器の開口を縦長とすれば、口部の高さが異なった容器に装着しても、この開口部の全てが容器口部で閉鎖されることがなく、容器内に向けて開放された開口部分を備えることができ、本発明に従う液体排出補助具として機能することができる。また、このような構成の液体排出補助具は、射出成形により成形することができる。
【0015】
また、本発明は、液体を排出する口部の内周壁に固着または一体に形成されて容器内に向けて延設され、容器を傾斜させた場合に容器内に貯留された液体を排出させると共に容器から液体が排出されたことにより容器内が減圧となった場合に外気を取り入れることのできる多数の開口を備えた開口壁と、該開口壁の底部において連続して前記開口壁の内側に該開口壁とは離間して形成され、内部に貯留された液体を内側に誘導して排出させる内周壁と、を備えたことを特徴とする容器である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0017】
図1は、本発明の補助具1は、上端に向けて外形が僅かに増大する筒状の外周壁2と底部3において外周壁2と連続しているが外周壁2とは離間して形成された筒状の内周壁4とから構成され、この外周壁2の頂部には容器Cの口部C1の上縁に嵌合される凹所5を備えたフランジ部6が形成されている。このフランジ部6の上面6a及び凹所5にはそれぞれ液漏れ防止用の凸条7、8がリング状に形成されている。
【0018】
外周壁2は口部に嵌入させるための嵌入係止壁9とその下部に形成された開口壁10とから構成され、開口壁10には上方から底部に向けて円周方向に等間隔で多数(図面では8個)の縦長の開口11…が設けられている。この開口11は、容器内が減圧となった場合に外気を取り入れるためものであり、また、容器内の液の液残りを防止するためのものである。
【0019】
また、内周壁4の高さは、内部の排出液の流路を口部外に誘導するに十分な長さに適宜に決定されるが、外周壁2の深さよりも浅く形成するのがよい。これにより、液体排出補助具1の上からシールキャップを嵌め込むことが可能となる。
【0020】
このような液体排出補助具1は、図4に示すように、高密度ポリエチレン製の容器Cの口部C1に底部3から挿入し、嵌入係止壁9を口部C1に嵌入して係止させることにより、この口部C1の上縁は凹所5に嵌合される。また、この凹所5には環状パッキングが挿入されていれば、液密も保持される。
【0021】
このとき、開口11の上端11aは口部C1の内周で閉塞されるが、この開口11の下端11bを含む大半は容器C内に向けて開放されている。これにより、この開口11が縦長であれば、容器Cの口部C1の高さが異なっても、この開口11の全てが口部C1で閉鎖されることがなく、容器内に向けて開放された開口部分を備えることができることが容易に理解される。
【0022】
一般に高密度ポリエチレン製の容器では、開口部の口径及び外側の螺合部の規格は統一されているが、開口部の内側壁の高さは容器の形状及び大きさにより異なっている。しかしながら、その高さは低い場合で2cm程度、高い場合でも3cm程度であるので、2cm〜3cmの範囲内で利用できる液体排出補助具を提供すれば、ポリエチレン容器のどのようなタイプの容器に対しても取り付け、取り外しの行える液体排出補助具1を提供することができる。
【0023】
これにより、この液体排出補助具1は内径さえ同一であれば、高さが異なっても既存の容器Cの口部C1に装着及び脱着ができる。また、この液体排出補助具1を容器Cに装着した状態で、既存のキャップを装着させることができる。
【0024】
このような液体排出補助具1を容器Cに取り付けた状態で容器を大きく傾斜させた場合、内部に貯留された液体Eは、図5の矢印E1で示すように、主に排出誘導壁(内周壁)4の内側を誘導されて排出されるがこの内周壁4の内側には障害物がないので内容液は勢いよく排出することができ、これにより十分な排出速度を得ることができる。
【0025】
また、この内周壁4の外側に形成された開口壁10(外周壁2)には多数の縦長の開口11が設けられており、この開口11からも矢印E2で示すように、内容液は僅かに排出されるが、容器C内が減圧となった場合に外気は、矢印A1に示すように、この開口11から小さな気泡Aとなって容器内部に間欠的に進入するので大きな脈動を発生させることがない。
【0026】
これにより、この液体排出補助具1を用いれば、既存の容器に装着することにより容器内に貯留された液体を排出する際に液振れを抑えて速やかに排出することができる。また、このような構成の液体排出補助具1は、射出成形により一体に成形することができる。
【0027】
なお、以上の図で示した開口11の数は8個であったが、この開口11の数は8個に限らず、多くても少なくてもよいが、4〜12個、好ましくは6〜10個程度の範囲内で円周方向に均等に配置されているのがよい。これにより、容器Cに任意の角度で液体排出補助具1を嵌入させても、開口11は口部C1の周囲に散在するので、容器を傾斜させた場合に容器C内に貯留された液体が排出されたことにより容器内が減圧となった場合に、この開口11から外気を取り入れることができるとともに、内容液の量が少なくなった場合にも口部C1から内容液を排出することができ、残液を少なくすることができる。
[実施例]
以下、実施例により本発明の具体的な効果について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0028】
図1〜図3及び以下に示す寸法の液体排出補助具1を低密度ポリエチレンを原料として射出成型により一体成型により得た。この液体排出補助具1を用いて、内径50mmの口部を備えた市販の各種容器に水(粘度約2.5mPa・S)及び高粘性液体(粘度約230〜190mPa・S)の所定量を充填し、図5に示すように、高さ900mmの台12上で90゜傾斜させた状態で内部の液体の排出状況を液振れ長さ及び排出時間により確認した。
【0029】
水での試験結果を表1に、高粘性液体での試験結果を表2に示したが、水及び高粘性液体の何れにおいても、液振れが少なく、かつ、短時間で内容液を排出することができた。また、内容液も実質的に容器の形状に基づく残液量と実質的に差異が無く内部に充填された液体を排出することができた。
【0030】
全高さ:45mm
誘導壁高さ:14.2mm
外周壁2の最大外周径:50.4mm
外周壁及び内周壁の肉厚:1.2mm
内周壁内径:36mm
開口の長さ(高さd):28mm
開口の幅w:3mm
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、既存の容器に装着することにより容器内に貯留された液体を排出する際に液振れを抑えて速やかに液体を排出することができる液体排出補助具を提供することができるという、実用的に有用な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る液体排出補助具1(脈動防止部品)の一例を説明する斜視図である。
【図2】図1の液体排出補助具1の一部を切欠端面で示した一部切欠斜視図である。
【図3】図1の液体排出補助具1の一部を切欠端面で示した一部切欠断面図である。
【図4】液体排出補助具を容器に装着した場合の断面図である。
【図5】液体排出補助具を容器に装着した状態での液体の排出状況を説明する図である。
【図6】容器から液体を排出させた場合の実験条件を説明する図である。
【符号の説明】
1:液体排出補助具
2:外周壁
3:底部
4:内周壁(排出誘導壁)
5:凹所
6:フランジ部
6a:上面
7:凸条
8:凸条
9:嵌入係止壁
10:開口壁
11:開口
C:容器
C1:口部
【発明の属する技術分野】
本発明は、既存の容器(例えば、高密度ポリエチレン容器)に装着することにより容器内に貯留された液体を排出する際の液振れを抑えて速やかに排出するための液体排出補助具及び液体を排出する際の液振れを抑えて速やかに排出できる容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
容器から内容液を素早く排出させると、その内容液の排出量に応じて容器内に減圧された空隙が形成され、この減圧された空隙部に向けて排出水流に打ち勝って外気が間欠的に吸引され、これが原因となり排出水流に液振れが発生する。
【0003】
薬液等の危険物等を排出する際にこの液振れが激しいと危険であるので、この液振れが起こらないように排出させる必要があるが、このためには口部において外気と空隙部とが連通する空間を保って排出させる必要があり、排出作業に時間を要し作業工数が著しく増大するに加えて、作業者に負担を掛ける。
【0004】
このため、容器からの内容液の排出を速やかに行える脈動防止用の改良が施された容器が多数提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、容器に脈動防止用の改良を施すことは、容器の製造コストを増大させコスト高となる原因となり、現実的には大量に普及させるのは困難である。
【0006】
一方、流量規制用の中栓が装着された容器が一般家庭用のソース入れや液体洗剤タンクに利用されており、この中栓は内容液が通過する多数の通孔を内容液の排出方向と直交する方向に開孔した構成とされている。このような流量規制用の中栓が装着された容器では、容器を大きく傾けても脈動は殆ど起こらない。しかしながら、このような流量規制用中栓を装着したのでは、容器からの内容液の排出速度(流速)が極端に遅くなり、実用的ではない。
【0007】
また、このような流量規制用の中栓を口部が偏在している高密度ポリエチレン製の容器にそのまま適用させても液振れを少なくしてかつ内容液の排出速度を維持することが困難である。
【0008】
そこで本発明は、既存の容器に装着することにより容器内に貯留された液体を排出する際に液振れを抑えて速やかに排出することができる液体排出補助具を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明者が検討した結果、流路規制用の開口を外周壁とした中栓の内側に大きな排出流路を与える内周壁(排出誘導壁)を設けることにより、この中栓を係止した容器を傾転させて内部の液体を排出させれば、内部の液体は主に内周壁(排出誘導壁)内を流出し、外周壁に設けた開口から外気が容器内に導入され、これにより液振れが少なく、かつ、短時間に液体を排出することができることを認めた。
【0010】
即ち本発明は、容器の口部に装着して使用され、内部の液体を誘導して排出させるための液体排出補助具であって、前記口部に嵌入させた状態で容器に係止するための嵌入係止壁と、該嵌入係止壁から容器内に向けて延設され、容器を傾斜させた場合に容器内に貯留された液体を排出させると共に容器から液体が排出されたことにより容器内が減圧となった場合に外気を取り入れることのできる多数の開口を備えた開口壁とから構成される外周壁と、該開口壁の底部において連続して前記開口壁の内側に該開口壁とは離間して形成され、内部に貯留された液体を内側に誘導して排出させる内周壁と、を備えたことを特徴とする液体排出補助具である。
【0011】
このような液体排出補助具によれば、口部に嵌入させた状態で容器に係止するための嵌入係止壁を備えているので、この嵌入係止壁を容器の口部に嵌入して係止させることにより、既存の容器の口部に取付又は取り外して使用することができる。
【0012】
また、このような液体排出補助具を容器に取り付けた状態で容器を大きく傾斜させた場合、内部に貯留された液体は主に内周壁の内側を誘導されて排出されるがこの内周壁の内側には障害物がないので内容液は勢いよく排出することができ、これにより十分な排出速度を得ることができる。
【0013】
また、この内周壁の外側に形成された開口壁(外周壁)には多数の開口が設けられており、容器を大きく傾斜させた場合はこの開口からも内容液は排出されるが、容器内が減圧となった場合に外気はこの開口から容器内部に進入するので大きな脈動を発生させることがない。
【0014】
また、開口を縦長とすれば口部の高さの異なる容器に対しても同一液体排出補助具を利用することができる。すなわち、容器の開口を縦長とすれば、口部の高さが異なった容器に装着しても、この開口部の全てが容器口部で閉鎖されることがなく、容器内に向けて開放された開口部分を備えることができ、本発明に従う液体排出補助具として機能することができる。また、このような構成の液体排出補助具は、射出成形により成形することができる。
【0015】
また、本発明は、液体を排出する口部の内周壁に固着または一体に形成されて容器内に向けて延設され、容器を傾斜させた場合に容器内に貯留された液体を排出させると共に容器から液体が排出されたことにより容器内が減圧となった場合に外気を取り入れることのできる多数の開口を備えた開口壁と、該開口壁の底部において連続して前記開口壁の内側に該開口壁とは離間して形成され、内部に貯留された液体を内側に誘導して排出させる内周壁と、を備えたことを特徴とする容器である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0017】
図1は、本発明の補助具1は、上端に向けて外形が僅かに増大する筒状の外周壁2と底部3において外周壁2と連続しているが外周壁2とは離間して形成された筒状の内周壁4とから構成され、この外周壁2の頂部には容器Cの口部C1の上縁に嵌合される凹所5を備えたフランジ部6が形成されている。このフランジ部6の上面6a及び凹所5にはそれぞれ液漏れ防止用の凸条7、8がリング状に形成されている。
【0018】
外周壁2は口部に嵌入させるための嵌入係止壁9とその下部に形成された開口壁10とから構成され、開口壁10には上方から底部に向けて円周方向に等間隔で多数(図面では8個)の縦長の開口11…が設けられている。この開口11は、容器内が減圧となった場合に外気を取り入れるためものであり、また、容器内の液の液残りを防止するためのものである。
【0019】
また、内周壁4の高さは、内部の排出液の流路を口部外に誘導するに十分な長さに適宜に決定されるが、外周壁2の深さよりも浅く形成するのがよい。これにより、液体排出補助具1の上からシールキャップを嵌め込むことが可能となる。
【0020】
このような液体排出補助具1は、図4に示すように、高密度ポリエチレン製の容器Cの口部C1に底部3から挿入し、嵌入係止壁9を口部C1に嵌入して係止させることにより、この口部C1の上縁は凹所5に嵌合される。また、この凹所5には環状パッキングが挿入されていれば、液密も保持される。
【0021】
このとき、開口11の上端11aは口部C1の内周で閉塞されるが、この開口11の下端11bを含む大半は容器C内に向けて開放されている。これにより、この開口11が縦長であれば、容器Cの口部C1の高さが異なっても、この開口11の全てが口部C1で閉鎖されることがなく、容器内に向けて開放された開口部分を備えることができることが容易に理解される。
【0022】
一般に高密度ポリエチレン製の容器では、開口部の口径及び外側の螺合部の規格は統一されているが、開口部の内側壁の高さは容器の形状及び大きさにより異なっている。しかしながら、その高さは低い場合で2cm程度、高い場合でも3cm程度であるので、2cm〜3cmの範囲内で利用できる液体排出補助具を提供すれば、ポリエチレン容器のどのようなタイプの容器に対しても取り付け、取り外しの行える液体排出補助具1を提供することができる。
【0023】
これにより、この液体排出補助具1は内径さえ同一であれば、高さが異なっても既存の容器Cの口部C1に装着及び脱着ができる。また、この液体排出補助具1を容器Cに装着した状態で、既存のキャップを装着させることができる。
【0024】
このような液体排出補助具1を容器Cに取り付けた状態で容器を大きく傾斜させた場合、内部に貯留された液体Eは、図5の矢印E1で示すように、主に排出誘導壁(内周壁)4の内側を誘導されて排出されるがこの内周壁4の内側には障害物がないので内容液は勢いよく排出することができ、これにより十分な排出速度を得ることができる。
【0025】
また、この内周壁4の外側に形成された開口壁10(外周壁2)には多数の縦長の開口11が設けられており、この開口11からも矢印E2で示すように、内容液は僅かに排出されるが、容器C内が減圧となった場合に外気は、矢印A1に示すように、この開口11から小さな気泡Aとなって容器内部に間欠的に進入するので大きな脈動を発生させることがない。
【0026】
これにより、この液体排出補助具1を用いれば、既存の容器に装着することにより容器内に貯留された液体を排出する際に液振れを抑えて速やかに排出することができる。また、このような構成の液体排出補助具1は、射出成形により一体に成形することができる。
【0027】
なお、以上の図で示した開口11の数は8個であったが、この開口11の数は8個に限らず、多くても少なくてもよいが、4〜12個、好ましくは6〜10個程度の範囲内で円周方向に均等に配置されているのがよい。これにより、容器Cに任意の角度で液体排出補助具1を嵌入させても、開口11は口部C1の周囲に散在するので、容器を傾斜させた場合に容器C内に貯留された液体が排出されたことにより容器内が減圧となった場合に、この開口11から外気を取り入れることができるとともに、内容液の量が少なくなった場合にも口部C1から内容液を排出することができ、残液を少なくすることができる。
[実施例]
以下、実施例により本発明の具体的な効果について説明するが、本発明はこの実施例に限定されるものではない。
【0028】
図1〜図3及び以下に示す寸法の液体排出補助具1を低密度ポリエチレンを原料として射出成型により一体成型により得た。この液体排出補助具1を用いて、内径50mmの口部を備えた市販の各種容器に水(粘度約2.5mPa・S)及び高粘性液体(粘度約230〜190mPa・S)の所定量を充填し、図5に示すように、高さ900mmの台12上で90゜傾斜させた状態で内部の液体の排出状況を液振れ長さ及び排出時間により確認した。
【0029】
水での試験結果を表1に、高粘性液体での試験結果を表2に示したが、水及び高粘性液体の何れにおいても、液振れが少なく、かつ、短時間で内容液を排出することができた。また、内容液も実質的に容器の形状に基づく残液量と実質的に差異が無く内部に充填された液体を排出することができた。
【0030】
全高さ:45mm
誘導壁高さ:14.2mm
外周壁2の最大外周径:50.4mm
外周壁及び内周壁の肉厚:1.2mm
内周壁内径:36mm
開口の長さ(高さd):28mm
開口の幅w:3mm
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明によれば、既存の容器に装着することにより容器内に貯留された液体を排出する際に液振れを抑えて速やかに液体を排出することができる液体排出補助具を提供することができるという、実用的に有用な効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る液体排出補助具1(脈動防止部品)の一例を説明する斜視図である。
【図2】図1の液体排出補助具1の一部を切欠端面で示した一部切欠斜視図である。
【図3】図1の液体排出補助具1の一部を切欠端面で示した一部切欠断面図である。
【図4】液体排出補助具を容器に装着した場合の断面図である。
【図5】液体排出補助具を容器に装着した状態での液体の排出状況を説明する図である。
【図6】容器から液体を排出させた場合の実験条件を説明する図である。
【符号の説明】
1:液体排出補助具
2:外周壁
3:底部
4:内周壁(排出誘導壁)
5:凹所
6:フランジ部
6a:上面
7:凸条
8:凸条
9:嵌入係止壁
10:開口壁
11:開口
C:容器
C1:口部
Claims (4)
- 容器の口部に装着して使用され、内部の液体を誘導して排出させるための液体排出補助具であって、
前記口部に嵌入させた状態で容器に係止するための嵌入係止壁と、該嵌入係止壁から容器内に向けて延設され、容器を傾斜させた場合に容器内に貯留された液体を排出させると共に容器から液体が排出されたことにより容器内が減圧となった場合に外気を取り入れることのできる多数の開口を備えた開口壁とから構成される外周壁と、
該開口壁の底部において連続して前記開口壁の内側に該開口壁とは離間して形成され、内部に貯留された液体を内側に誘導して排出させる内周壁と、
を備えたことを特徴とする液体排出補助具。 - 前記開口は前記開口壁の周囲に略均等に平行配置された縦長開口であることを特徴とする請求項1記載の液体排出補助具。
- 前記液体排出補助具は、射出成形により一体に形成されたことを特徴とする請求項2記載の液体排出補助具。
- 液体を排出する口部の内周壁に固着または一体に形成されて容器内に向けて延設され、容器を傾斜させた場合に容器内に貯留された液体を排出させると共に容器から液体が排出されたことにより容器内が減圧となった場合に外気を取り入れることのできる多数の開口を備えた開口壁と、
該開口壁の底部において連続して前記開口壁の内側に該開口壁とは離間して形成され、内部に貯留された液体を内側に誘導して排出させる内周壁と、
を備えたことを特徴とする容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002185502A JP2004026230A (ja) | 2002-06-26 | 2002-06-26 | 液体排出補助具及び容器 |
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