JP2005247241A - 電動パワーステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウォームホイールからウォーム軸に作用する反力で、当該両者の間隔が広がって騒音が発生するのを防止する。
【解決手段】操舵部材1の操作に応じて電動モータ4を駆動して操舵補助する電動パワーステアリング装置であって、ステアリングシャフト2に嵌合されたウォームホイール(従動ギヤ)52と、ウォームホイール52と噛み合いモータの回転軸に連結されたウォーム軸(駆動ギヤ)51と、ウォーム軸51の両端部を、軸受25,26を介して、回転可能に支持するハウジング18とを備え、上記軸受の配置箇所に対応するハウジング外周部を当該ハウジング内側にかしめた構成。
【選択図】図1

Description

本発明は、運転者により行われるハンドル(ステアリングホイール)等の操舵部材の操作に応じて電動モータを駆動して運転者の操舵補助を行う電動パワーステアリング装置に関し、特には、電動モータの回転を減速してステアリングシャフトに伝達する減速機構を備えた電動パワーステアリング装置に関する。
上記電動パワーステアリング装置は、ハンドルの操舵トルクを検出するトルクセンサ等のセンサと、操舵補助用の電動モータと、電動モータを駆動するモータ駆動回路と、電動モータの回転を減速してステアリングシャフトに伝達する減速機構と、これらを電子的に制御する電子制御ユニット(ECU)とを備え、ECUにおいては、センサから取り込んだセンサ信号に基づいて、上記操舵補助に適したトルクを発生するのに必要な電動モータの駆動量を演算し、その駆動量に対応する制御信号をモータ駆動回路に与えて電動モータを駆動する構成となっている(例えば特許文献1参照)。
減速機構は、ハウジング内にステアリングシャフトに嵌合されたウォームホイールと、電動モータの回転軸に連結されたウォーム軸とを収容しており、ウォーム軸とウォームホイールとの噛み合いにより、電動モータの回転を減速してステアリングシャフトに伝達することで、ハンドルの操作によって加えられる操舵トルクと、電動モータが発生する操舵補助トルクとの和を、出力トルクとしてステアリング機構に与える。
特開2002−166838号公報
上記減速機構においては、ウォーム軸の両端部を、軸受を介して、ハウジング内に支持する一方、ウォームホイールは、ウォーム軸に噛み合う状態で、ステアリングシャフトの中途部に同軸一体に固着し、ウォーム軸とウォームホイールとの間のバックラッシュを抑制するべく、ウォーム軸に軸方向に所要の予圧を与えている。
しかしながら、従来からのかかる減速機構では、電動パワーステアリング装置の動作中、ウォームホイールからウォーム軸に大きな反力が作用すると、ウォーム軸がウォームホイールから離れる方向に押圧され、それらの軸芯間隔が変化してしまう結果、バックラッシュ音が発生するおそれがあった。
本発明による電動パワーステアリング装置は、操舵部材の操作に応じて電動モータを駆動して操舵補助する電動パワーステアリング装置において、従動ギヤと、従動ギヤと噛み合い電動モータの回転軸に連結された駆動ギヤと、駆動ギヤの両端部を軸受を介して回転可能に支持するハウジングとを備え、上記軸受の配置箇所に対応するハウジング外周部を当該ハウジング内側にかしめたことを特徴とするものである。
上記構成の組立てに当たっては、まず、ハウジングの内部に駆動ギヤをその両端部の軸受と共に挿入し、ハウジング内で駆動ギヤに軸方向に予圧を与え、こののち、上記軸受の配置箇所に対応するハウジング外周部を当該ハウジング内側にかしめる。これにより、駆動ギヤは軸受を介してハウジング内で固定されるから、電動パワーステアリング装置の動作中、従動ギヤから駆動ギヤに大きな反力が作用しても、駆動ギヤは従動ギヤから離隔する方向に変位することが抑制され、従動ギヤとの間のバックラッシュが拡大することがない。
ハウジングの外周部のかしめ箇所には、かしめ治具を当てるための凹部を予め形成しておくことが好ましいが、ハウジングの外表面とかしめ治具との間に滑りが生じないのであれば、かしめ用凹部の形成を省略してもよい。
好ましくは、上記従動ギヤがウォームホイールであり、上記駆動ギヤがウォーム軸であり、上記ハウジングが、ウォームホイールを収容するウォームホイール収容部と、該ウォームホイール収容部と一体に連成されかつウォーム軸を軸受を介して支持した状態で収容するウォーム軸収容部とを備え、上記ウォーム軸収容部の外周部を当該ウォーム軸収容部内の軸受に向けてかしめる。この場合、ウォーム軸収容部に対するかしめの部位は、ウォーム軸両端の2つの軸受のいずれか一方の側に設定してもよいし、両軸受側に設定してもよい。さらに、このかしめの部位は、ウォームホイール収容部に近い部分でも、ウォームホイール収容部から遠い部分でもよい。
本発明によると、電動パワーステアリング装置の動作中においてウォームホイールからの反力によるウォーム軸の変位を防止して、バックラッシュ音の発生を抑制ないしは防止することができる。
図面を参照して本発明による最良の形態に係る電動パワーステアリング装置を説明すると、図1は、同電動パワーステアリング装置を、関連する車両構成と共に示す概略構成図で、主要部は軸方向に沿った半断面で示している。図2は、図1の(2)−(2)に沿った断面図で、一部外形を示している。図3は、図1の装置の一部であるギヤハウジングの外観斜視図である。
この電動パワーステアリング装置は、コラムアシストタイプであって、操舵部材としてのステアリングホイール(ハンドル)1に一端が連結されたステアリングシャフト2と、ステアリングホイール1の操作によってステアリングシャフト2に加えられる操舵トルクを検出するトルクセンサ3と、駆動により操舵補助トルクを発生させる電動モータ4と、この電動モータ4の回転を減速してステアリングシャフト2に伝達する減速機構5と、トルクセンサ3等のセンサの出力信号に基づいて電動モータ4の駆動を制御する電子制御ユニット(ECU)6とを備えている。
ステアリングシャフト2の他端は、図示省略した下部軸を介して、例えばステアリング機構(舵取機構)7に連結される。ステアリング機構7は、ラックアンドピニオン式のもので、図示しないが、操舵操作により回転するピニオンと、このピニオンに噛み合うラック軸とを有し、ピニオンはステアリングシャフト2の他端に連結され、ラック軸の両端は、タイロッドおよびナックルアーム等からなる連結部材8を介して操向用の車輪9に連結されている。ECU6に出力信号を供給するセンサとしては、トルクセンサ3のほかには、車速センサや、エンジン回転センサがある。
以下の説明では、電動パワーステアリング装置の車両への実装状態に即して、ステアリングホイール1に近い側を上側もしくは上端、ステアリング機構7に近い側を下側もしくは下端という。
ステアリングシャフト2の中途部は、ステアリングホイール1側から順に、上部軸10と、筒状の入力軸11と、トーションバー12と、筒状の出力軸13とから構成されている。
ステアリングシャフト12の上部軸10は、ステアリングホイール1と一体に回転しうる状態でステアリングコラム14内に挿通されている。入力軸11は、その筒状内部に挿入したトーションバー12と共に、ピン15により上部軸10の下端部に連結されている。トーションバー12は、その中間部12cに長尺で細径のねじり領域を有するもので、大径円柱形状をなす上端部12aが前記したように上部軸10に連結されるとともに、大径円柱形状をなす下端部12bが出力軸13の筒状内部に挿入されて、ピン16により出力軸13に連結されている。このトーションバー12の外周で、ステアリングシャフト2の入力軸11はトーションバー12の下端側へ、また出力軸13はトーションバー12の上端側へそれぞれ延出しており、トーションバー12の中間部12cの外周で互いに同心に入れ子状に配置されている。
トルクセンサ3は、センサハウジング17に収容され、また、減速機構5は、ギヤハウジング18に収容されている。センサハウジング17とギヤハウジング18は、ステアリングシャフト2の周りに軸方向上下に配置されて互いに結合され、結合状態でステアリングコラム14の下部を構成している。
センサハウジング17は、上端部がステアリングコラム14に結合されて、ステアリングコラム14に近い位置で針状ころ軸受19により入力軸11を回転可能に支持し、下端側では、その内周に設けた玉軸受20により出力軸13を回転可能に支持している。ギヤハウジング18は、センサハウジング17の下部に結合されて、その下端側の内周に設けた玉軸受21により出力軸13を回転可能に支持している。このギヤハウジング18の形状、構造については、その内部に収容する減速機構5の構成に関連付けて後述する。
トルクセンサ3は、センサハウジング17の内部で、入力軸11と出力軸13との軸方向対向部の外周に配置されており、検出用のコイル31と、温度補償用のコイル32とを有している。これらのコイル31,32は、通電により、各コイル31,32を収容する磁性体製のケース33,34と、両コイル31,32の内周で入力軸11および出力軸13の外周面に取付けられた磁性体製のリング22,23,24との間に磁気回路を形成する。検出用コイル31の周りに形成される磁気回路の磁気抵抗は、トーションバー12のねじれに伴い、入力軸11に対して出力軸13が回転方向に位置ずれすることで変化し、この変化に応じて検出用コイル31のインピーダンスを変化させる。トルクセンサ3は、トーションバー12のねじれを、検出用コイル31でのインピーダンスの変化として検出するようになっている。
減速機構5は、ウォーム軸(駆動ギヤ)51と、ウォームホイール(従動ギヤ)52とを備え、これらウォーム軸51およびウォームホイール52は、ギヤハウジング18の内部に収容されている。ウォームホイール52は、センサハウジング17側の玉軸受20と、ギヤハウジング18の下端側の玉軸受21との間で、出力軸13に同軸に固着されている。ウォーム軸51は、図2に示すように、ウォームホイール52と噛み合う状態で、電動モータ4の回転軸4aに同軸に結合されている。
ギヤハウジング18は、内部にウォームホイール52を収容するウォームホイール収容部(従動ギヤ収容部)182と、ウォーム軸51を収容するウォーム軸収容部(駆動ギヤ収容部)181とからなる。
ウォームホイール収容部182は、両端開放の段付き円筒形状で、大径円筒部182aと小径円筒部182bとを連成した構成になっている。大径円筒部182aは、ウォームホイール52を収容し、その上端側の開放部はセンサハウジング17により閉塞されている。小径円筒部182bは、玉軸受21を介して出力軸13を支持している。ウォーム軸収容部181は、一端側(図2の左側)が閉塞されて内部にウォーム軸51を収容する小径円筒部181aと、該小径円筒部181aに連成されて電動モータ4に一体に連結される大径円筒部181bとからなる。
ウォーム軸収容部181の小径円筒部181aと、ウォームホイール収容部182の大径円筒部182aとは、ウォーム軸51とウォームホイール52との噛み合いを達成するよう、一体に連成されている。
ウォーム軸51は、ウォームホイール52と噛み合う大径のウォーム軸本体51aと、ウォーム軸本体51aの両側から軸方向に延びる小径端部51b,51cと、これら小径端部51b,51cに隣接して形成された環状フランジ部51d,51eとを備えている。
ウォーム軸収容部181の内部において、ウォーム軸51の小径端部51b,51cの、環状フランジ部51d,51eより軸方向外側の外周面それぞれに玉軸受25,26が配置されている。一方の玉軸受25は、ウォーム軸収容部181の一端側内壁面とウォーム軸51の環状フランジ部51dとの間に配置され、他方の玉軸受26は、ロックナット27付きの押えねじ環28と、ウォーム軸51の環状フランジ部51eとの間に配置され、押えねじ環28のねじ込みにより、一端側に向けて押されており、これによってウォーム軸51に所要の軸方向の予圧が付与されている。
ウォーム軸51の電動モータ側の小径端部51cは、電動モータ4の回転軸4aに対して、当該回転軸4aに外嵌されている筒体29を介して、一体回転するよう結合されている。
ECU6は、マイクロコンピュータ61を中心に構成されたもので、特に図示しないが、センサ用インタフェースやモータ駆動回路等の周辺回路を含んでいる。ECU6のマイクロコンピュータ61は、トルクセンサ3等のセンサからの出力信号を取り込み、取り込んだセンサの出力信号に基づいて、操舵補助に適したトルクを発生するのに必要な電動モータ4の駆動量を演算し、その駆動量に対応する制御信号により電動モータ4を駆動する。
以上の構成において、ウォーム軸51は、玉軸受25,26と共に、ギヤハウジング18のウォーム軸収容部181内に組み込んであるだけでは、電動パワーステアリング装置の動作中に、ウォームホイール52からの反力により、ウォームホイール52から離隔する方向に押圧されて、ウォームホイール52との間隔が広がってしまう可能性がある。
本実施形態では、ウォーム軸収容部181の外周部であって、当該ウォーム軸収容部181の小径円筒部181aとウォームホイール収容部182の大径円筒部182aとの連接部分200に近く、かつ、ウォーム軸51を支持する玉軸受25,26の径方向外側に対応する箇所に、予め、その両側それぞれにかしめ用凹部35,36を形成しておき、ウォーム軸51をその支持用の玉軸受25,26とともに組み込んだ後に、かしめ用凹部35,36にかしめ治具を当てがって、白抜き矢印イ,ロで示すように、該凹部35,36を径方向内向きにかしめ、ウォーム軸51の軸位置を径方向に動かないように固定している。以上のように、ギヤハウジング18のウォーム軸収容部181におけるかしめ用凹部35,36は、ウォーム軸51を支持する玉軸受25,26それぞれの径方向外側で、ウォームホイール収容部182に近い箇所に形成している。
上記のように、ギヤハウジング18のウォーム軸収容部181の外周部をかしめると、ウォーム軸収容部181の肉厚部分が、玉軸受25,26の外周に嵌着するように微量的に変形して、玉軸受25,26をウォーム軸収容部181内に固定する。これで、ウォーム軸51の軸位置が玉軸受25,26を介してほぼ径方向不動に固定され、電動パワーステアリング装置の動作中、ウォームホイール52から大きな反力が作用しても、ウォーム軸51はウォームホイール52に対して変位せず、ウォームホイール52との間の軸間間隔が広がるようなことがなくなり、バックラッシュに起因する騒音の発生を防止する。
上記の場合、ギヤハウジング18の外表面とかしめ治具との間に滑りが生じないのであれば、予めかしめ用凹部35,36を形成しておく必要はない。また、かしめ箇所は、ウォーム軸51を回転自在に支持する一対の転がり軸受25,26のいずれか一方の外側にのみ設定するようにしてもよい。
ギヤハウジング18のウォーム軸収容部181の外周部でのかしめ箇所は、図1ないし図3に示すように、ウォームホイール収容部182に近い位置に限らず、図4および図5に示すように、他の位置に設定してもよい。
図4は、本発明の他の形態のギヤハウジング18の側面図、図5は、図4のギヤハウジング18の、ステアリングシャフト2の軸方向に沿った正面図である。これらの図に示す実施形態では、ギヤハウジング18のウォーム軸収容部181の外周部のうち、ウォーム軸51を支持する玉軸受25,26の外側であって、ウォームホイール収容部182から遠い側に盛り上がり部37,38を設け、この盛り上がり部37,38に、予めその両側のそれぞれにかしめ用凹部39,40を形成している。
組立てに当たって、ウォーム軸51をその支持用の玉軸受25,26とともにウォーム軸収容部181内に組み込んだ後に、かしめ用凹部39,40にかしめ治具を当てがって、該凹部39,40を径方向内側(白抜き矢印ハ、ニの方向)にかしめ、ウォーム軸51の軸位置を径方向に動かないように固定している。
なお、本発明においては、減速機構5の駆動ギヤや従動ギヤは、はすばかさ歯車やハイポイド歯車等、他種の歯車で構成されてもよい。また、本発明においては、ステアリングシャフト2の下端の軸であって、ステアリング機構7の入力軸となるピニオン軸を、減速機構を介して駆動するタイプの電動パワーステアリング装置にも実施しうる。また、ステアリングホイール1に連結されたピニオンとは別に設けた第2のピニオンをラック軸に噛み合わせ、第2のピニオンにウォームホイール等の従動ギヤを嵌着させて、上記実施形態と同様に電動モータ4の操舵補助トルクを与える構成としてもよい。
本発明の最良の形態に係る電動パワーステアリング装置を、関連する車両構成と共に示す概略構成図で、主要部は軸方向に沿った半断面で示している。 図1の(2)−(2)に沿った断面図で、一部外形を示している。 図1の装置の一部であるギヤハウジングの斜視図。 本発明の他の実施形態のギヤハウジングの側面図。 図4ギヤハウジングの、ステアリングシャフトの軸方向に沿った正面図。
符号の説明
1 ステアリングホイール(操舵部材)
2 ステアリングシャフト
3 トルクセンサ
4 電動モータ
5 減速機構
51 ウォーム軸(駆動ギヤ)
52 ウォームホイール(従動ギヤ)
7 ステアリング機構
18 ギヤハウジング
181 ウォーム軸収容部(駆動ギヤ収容部)
182 ウォームホイール収容部(従動ギヤ収容部)
25,26 ウォーム軸支持用の玉軸受
35,36 かしめ用凹部

Claims (2)

  1. 操舵部材の操作に応じて電動モータを駆動して操舵補助する電動パワーステアリング装置において、
    従動ギヤと、
    従動ギヤと噛み合い電動モータの回転軸に連結された駆動ギヤと、
    駆動ギヤの両端部を軸受を介して回転可能に支持するハウジングとを備え、
    上記軸受の配置箇所に対応するハウジング外周部を当該ハウジング内側にかしめた、ことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
  2. 上記従動ギヤがウォームホイールであり、上記駆動ギヤがウォーム軸であり、
    上記ハウジングが、ウォームホイールを収容するウォームホイール収容部と、該ウォームホイール収容部と一体に連成されかつウォーム軸を軸受を介して支持した状態で収容するウォーム軸収容部とを備え、
    上記ウォーム軸収容部の外周部を、当該ウォーム軸収容部内の軸受に向けてかしめた、ことを特徴とする請求項1に記載の電動パワーステアリング装置。
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