JP2005246624A - プリントヘッド及び画像記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】記録素子に印加されるエネルギーを均一化し、高画質な画像を提供可能なプリントヘッド及び画像記録装置を提供する。
【解決手段】並列配置された複数のピエゾ素子を、配置位置に応じて複数のブロックに分割し、各ブロック毎の同時にオン状態に駆動する数に応じて、カウント値が大きくなる程パルス幅が長くなるイネーブル信号を生成し、プリドライバに出力する。このため、プリドライバでは、ピエゾ素子に対応する画像データとイネーブル信号との論理和が演算され、イネーブル信号のパルス幅で規定される時間だけ電流が流れる。このため、イネーブル信号のパルス幅が一定の場合に、同時にオン状態に駆動するピエゾ素子の数が多くなるほど電圧降下が大きくなり、ピエゾ素子に投入されるエネルギー量が不足することを抑制することができ、各プリント素子のインク吐出エネルギーが均一化される。
【選択図】図1

Description

本発明は、プリントヘッド及び画像記録装置に係り、特に、高速、且つ高画質を実現するためのプリントヘッド及びこのプリントヘッドを利用した画像記録装置に関する。
従来より、画像記録を行うプリンタのプリントヘッドは、インク液を小さな粒状(所謂、液滴)として記録媒体上に飛翔させることによりドットを形成して画像を記録するものが知られている。
このようなプリンタでは、近年、複数の記録素子を1列に配列して1つの記録ヘッドを構成し、当該記録ヘッドに対してシリアルデータとして入力された画像データをパラレルデータに変換して画像の記録(印刷)を行うプリンタが知られている。この種の画像記録装置によれば、複数の記録素子を同時に用いて画像を記録することができるため、高速な画像記録が実現できる。
このようなプリンタにおいて、記録素子にパルス電圧を印加することによって、記録素子を駆動する技術が知られている。このような技術では、プリンタ本体の電源からプリントヘッドの記録素子までの経路にインピーダンスが存在するために、同時に駆動される記録素子の数によって、記録素子の各々に印加される電圧に変化が生じる。すなわち、同時にオン状態に駆動する記録素子数が少ない場合には、電源から記録素子の経路に流れる電流が少なくなるために、記録素子に加わる電圧は電源電圧に略等しくなる。一方、同時にオン状態に駆動する記録素子数が多くなると、記録素子に流れる電流が多くなるため、電源から記録素子間のインピーダンスによる電圧降下が大きくなる。
近年のインクジェットプリンタでは、高画質化及び記録速度向上の実現のために、同時にオン状態に駆動する記録素子数(すなわち、同時にオンされるビット数)が増加する傾向にある。そのため、同時にオン状態に駆動する記録素子数の変化による電圧降下の変化は更に拡大する傾向にある。
ここで、印加される信号のパルス幅が一定の場合で、かつ同時にオン状態に駆動する記録素子数が多い場合には、記録素子に流れる電流値が小さくなり、記録素子に投入されるエネルギー量が不足する。このため、インク液滴を正しく吐出させることができなくなり、画像品質の低下を招く恐れがある。
また、同時にオン状態に駆動する記録素子数が最多となるときにおいても正しく吐出させることのできるパルス幅の信号を加えるようにすると、記録素子に過剰なエネルギーが供給されて、記録素子の寿命の短縮につながる恐れがある。
そこで、上記問題点を解決するために、特許文献1、及び特許文献2に記載された技術が知られている。
特許文献1では、記録するための画像データから同時にオン状態に駆動する記録素子数をカウントし、カウント値に応じたヒートパルス幅の駆動信号を発生し、発生した駆動信号に従って画像データに対応する記録素子を駆動する。このため、同時に駆動される記録素子の数が変化しても各記録素子を適切に駆動することができる。
特許文献2では、記録素子を複数の群に分割し、各群内の記録素子を順番に駆動可能に選択するとともに、記録するための画像データに応じて駆動すべき電気熱変換体の両端の配線電極間に異なるレベルの電圧を印加する。このため、駆動可能とする記録素子の選択に画像データによる画像信号が関係しないので、選択した記録素子について駆動期間(パルス幅)を調整することができる。このため、高精度な画像を得ることができる。
特開2001―246751号公報 特開平10―81017号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、プリントヘッド内の一部領域(例えば、電源間に配置された記録素子の左半分)に配置された記録素子全てを駆動する場合のように、一部領域に配置された記録素子へ電流経路が集中すると、電圧降下が大きくなり、画像データに応じてプリントヘッド内での駆動電圧の分布は異なるものとなる。また、特許文献2の技術では、記録素子の駆動期間を調整するための電圧レベル変更装置等を別途設ける必要があり、装置の大型化及び複雑化を招く恐れがある。
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、プリントヘッドに設けられた複数の記録素子に印加されるエネルギーを均一化し、高画質な画像を提供可能なプリントヘッド及び画像記録装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のプリントヘッドは、電源に対して並列接続され、かつ所定方向に沿って配列された複数の記録素子と、各々前記記録素子に接続され、かつ供給された駆動信号に応じて前記記録素子を独立してオン状態に駆動する複数の駆動素子と、前記複数の記録素子を配置位置に応じて複数のブロック毎に分割したときの各ブロックに対応して設けられ、かつ入力された画像データに基づいて同時にオン状態に駆動する記録素子数を各ブロック毎にカウントする複数のカウント手段と、前記画像データ及び前記カウント手段のカウント値に基づいて、該カウント値が大きくなる程オン時間が長くなるように前記記録素子をオン状態に駆動する駆動信号を生成し、前記駆動素子に供給する駆動信号供給手段と、を備えている。
本発明のプリントヘッドの複数の記録素子は、電源に対して並列に接続されるとともに、所定方向に沿って並列に配列されている。記録素子には、各々駆動素子が接続されており、駆動素子は、駆動信号が入力されると、記録素子の各々を独立してオン状態に駆動する。記録素子の一例は、ピエゾ、発熱体、または電気熱変換体として構成された記録素子である。
発熱素子、電気熱変換素子、ピエゾ素子等である。
そこで、記録素子を、プリントヘッド上の配列に応じて複数のブロックに分割する。カウント手段は、記録素子を分割した各ブロックに対応して設けられており、入力された画像データに基づいて、各ブロックに属する記録素子の内、同時にオン状態に駆動する記録素子の数を各ブロック毎にカウントする。駆動信号供給手段は、カウント手段によるカウント値及び画像データに基づいて、記録素子をオン状態に駆動する駆動信号を各ブロック毎に生成する。記録素子をオン状態に駆動する駆動信号は、カウント値が大きくなる程、記録素子をオン状態に駆動する駆動時間が長くなるように生成される。このため、同時にオン状態に駆動する記録素子の数が大きくなるほど、オン時間が長くなるような駆動信号が、各ブロック毎に生成される。更に、駆動信号供給手段は、生成した駆動信号を、カウンタに対応するブロックに属する記録素子に接続された駆動素子へ供給する。
このように、所定方向に沿って配列された複数の記録素子を、複数のブロックに分割し、各ブロック毎の同時にオン状態に駆動する記録素子数に応じて、同時にオン状態に駆動する記録素子数が大きくなる程、記録素子をオン状態に駆動する時間が長くなるような駆動信号を各ブロック毎に生成し、記録素子を独立して駆動する駆動素子へ供給するため、同時にオン状態に駆動する記録素子数が大きいブロックに属する記録素子ほど、オン時間が長くなるような駆動信号が供給されるので、同時にオン状態に駆動する記録素子数が大きくなるにつれて大きくなる電圧降下の影響を抑制することができ、記録素子に印加されるエネルギーを均一化することができる。
また、分割したブロック毎に同時にオン状態に駆動する記録素子数をカウントし、カウント値に応じた駆動信号を各ブロック毎に生成するので、画像データによって同時にオン状態に駆動する記録素子がプリントヘッドの一部領域に配列された記録素子に集中した場合であっても、プリントヘッドに配列された全ての記録素子のエネルギーを均一化することができる。
前記駆動信号供給手段は、パルス幅がカウント値に応じて大きくなるように定められた複数の基準信号からカウント手段のカウント値に応じた基準信号を選択する選択手段と、前記画像データ及び選択した基準信号基づいて、カウント値が大きくなる程オン時間が長くなる前記駆動信号を生成し、前記駆動素子に供給する供給手段と、を含むことができる。
駆動信号供給手段は、選択手段を含み、カウント手段によるカウント値に応じた基準信号を複数の基準信号から選択する。複数の基準信号とは、カウント手段によるカウント値に応じてパルス幅が大きくなるように定められたものである。このため、選択手段は、カウント値に応じて、カウント値が大きくなる程パルス幅の大きい基準信号を各ブロック毎に選択する。供給手段は、各ブロック毎に選択した基準信号及び画像データに基づいて、カウント値が大きくなるほど、プリント素子をオン状態に駆動するためのオン時間が長くなる駆動信号を生成する。駆動信号は、基準信号のパルス幅に相当するオン時間となるような駆動信号を生成することによって生成される。生成された駆動信号は、駆動素子に供給される。
このように、カウント手段によってカウントされた、各ブロック毎の同時にオン状態に駆動するプリント素子の数に応じた基準信号を、パルス幅がカウント値に応じて大きくなるように定められた複数の基準信号から選択し、選択した基準信号に基づいて駆動信号を生成するので、簡易な構成で容易にカウント値が大きくなるほどプリント素子をオン状態に駆動するためのオン時間が長くなるような駆動信号を生成することができる。
前記駆動信号供給手段は、パルス幅がカウント値に応じて大きくなるように定められた複数の基準信号の種類と該カウント値とを対応させて記憶した記憶手段と、前記複数の基準信号を入力する入力手段と、前記カウント手段のカウント値に応じた基準信号の種類を前記記憶手段から読出し、読出した種類の基準信号を選択する選択手段と、前記画像データ及び選択した基準信号に基づいて、カウント値が大きくなる程オン時間が長くなる前記駆動信号を生成し、前記駆動素子に供給する供給手段と、を含むことができる。
駆動信号供給手段は、記憶手段を含み、カウント手段によるカウント値と、カウント値が大きくなる程パルス幅が大きくなるように定められた複数の基準信号の種類とを対応させて記憶する。入力手段から、記憶手段に記憶された複数の種類の基準信号が入力されると、選択手段は、記憶手段からカウント手段によるカウント値に応じた基準信号の種類を読出す。このため、カウント値が大きくなる程パルス幅が大きい基準信号の種類が読出される。更に、選択手段は、読出した種類の基準信号を、入力手段により入力された複数の種類の基準信号から選択する。すなわち、入力手段によるパルス幅の異なる複数の種類の基準信号から、カウント値が大きくなる程パルス幅の大きい基準信号が選択される。供給手段は、画像データと選択手段により選択された基準信号から、カウント手段によるカウント値が大きくなるほど記録素子をオン状態に駆動する時間が長くなるような駆動信号を生成し、該カウント値のカウンタに対応するブロックに属する記録素子に接続された駆動素子に供給する。
このように、記憶手段に、カウント値が大きくなるほどパルス幅が大きくなるような複数の基準信号の種類とカウント値とを対応させて記憶するとともに、カウント値に対応する種類の基準信号を、入力手段により入力された複数の基準信号から選択して、選択した基準信号及び画像データに基づいて作成した駆動信号を駆動素子に供給することができるので、簡易な構成で、カウント値に応じた駆動信号をブロック毎に作成することができる。
駆動信号供給手段は、カウント値に応じて大きくなるようにパルス幅を変更するための変更値に応じて基準信号のパルス幅を変更する変更手段と、前記画像データ及びパルス幅が変更された基準信号に基づいて、カウント値が大きくなる程オン時間が長くなる前記駆動信号を生成し、前記駆動素子に供給する供給手段と、を含むことができる。
駆動信号供給手段は、変更手段を含み、変更値に応じて基準信号のパルス幅を変更する。変更値とは、カウント手段によるカウント値が大きくなる程パルス幅が大きくなるように変更するための値である。このため、基準信号は、カウント手段のカウント値が大きくなるほど、パルス幅が大きくなるように変更される。供給手段は、パルス幅が変更された基準信号及び画像データに基づいて、カウント値が大きくなるほど、各ブロック内のオン状態に駆動する記録素子のオン時間が長くなるような駆動信号を生成して、駆動素子に供給する。駆動信号は、基準信号のパルス幅に相当するオン時間となるように駆動信号を生成することによって生成される
このように、基準信号のパルス幅を各ブロック毎のカウント値に応じて変更し、カウント値が大きくなるほどオン時間が長くなる駆動信号を生成して、各ブロック毎に供給することができるので、簡易な構成で、同時にオン状態に駆動する記録素子数が大きいブロックに属する記録素子ほど、オン時間が長くなるような駆動信号を供給することができる。
駆動信号供給手段は、カウント値に応じて大きくなるようにパルス幅を変更するための変更値と前記カウント値とを対応させて記憶した記憶手段と、所定パルス幅の基準信号を入力する入力手段と、前記カウント手段のカウント値に応じた変更値を前記記憶手段から読出し、読出した変更値に応じて入力した基準信号のパルス幅を変更する変更手段と、前記画像データ及びパルス幅が変更された基準信号に基づいて、カウント値が大きくなる程オン時間が長くなる前記駆動信号を生成し、前記駆動素子に供給する供給手段と、を含むことができる。
駆動信号供給手段は、記憶手段を含み、カウント手段によるカウント値と、カウント値が大きくなる程大きくなるようにパルス幅を変更するための変更値とを記憶する。入力手段が、所定パルス幅の基準信号を入力すると、変更手段は、カウント手段によるカウント値に対応する変更値を記憶手段から読出す。更に、変更手段は、読出した変更値に応じて、入力手段により入力された基準信号のパルス幅を変更する。このため、入力手段により入力された所定パルス幅の基準信号は、カウント値が大きくなるほど大きいパルス幅となるように変更される。供給手段は、画像データ及び変更手段によりパルス幅が変更された基準信号に基づいて、カウント値が大きくなるほど記録素子をオン状態に駆動する駆動時間が長くなる駆動信号を生成し、駆動素子に供給する。
このように、カウント値が大きくなるほどパルス幅が大きくなるように変更するための変更値とカウント値とを対応させて記憶するとともに、入力手段により入力された1種類の基準信号のパルス幅を、カウント値に対応する変更値に基づいて変更し、変更した基準信号及び画像データに基づいて作成した駆動信号を駆動素子に供給することができる。
従って、外部から基準信号を入力するための信号線を1本用意すればよく、簡易な構成でプリントヘッドで、ブロック毎のカウント値に応じた駆動信号を容易に作成することができる。
本発明の画像記録装置は、請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載のプリントヘッドを備えている。
画像形成装置に、前記プリントヘッドを備えた構成にすることで、プリントヘッドでブロック毎にカウント値に応じた駆動信号を作成することができ、画像形成装置の負荷を軽減することができる。
以上説明したように本発明のプリントヘッド及び画像記録装置によれば、所定方向に沿って配列された複数の記録素子を、複数のブロックに分割し、各ブロック毎の同時にオン状態に駆動する記録素子数をカウントし、カウント値と画像データに基づいて、カウント値が大きくなる程オン状態に駆動する時間が長くなるような駆動信号を各ブロック毎に生成し、記録素子を独立して駆動する駆動素子へ供給することができるので、同時にオン状態に駆動する記録素子数が大きくなるにつれて大きくなる電圧降下の影響を抑制することができ、記録素子に印加されるエネルギーを均一化することができる、という効果が得られる。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。なお、ここでは、本発明に係る画像記録ヘッドを、本発明の記録素子としてのピエゾ素子をオン状態に駆動させてインク液滴を吐出することによって画像を記録するインクジェット記録ヘッドに適用した場合について説明する。
図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る画像記録装置50には、筐体52に設けられたロッド54と、該ロッド54に沿って移動するキャリッジ56と、が設けられている。キャリッジ56上には、画像を記録するプリントヘッド10が着脱可能に搭載されている。このキャリッジ56をロッド54に沿って移動させながらインクを吐出することにより、主走査方向Xの記録が行なわれる。
また、画像記録装置50には、印字媒体としての用紙Pを載置するためのプラテン58が設けられている。このプラテン58上を用紙Pがキャリッジ56の移動方向と交差する方向に移動することによって、副走査方向Yの記録が行なわれる。
すなわち、キャリッジ56をロッド54に沿って主走査方向に走査しながら、キャリッジ56上に搭載されたプリントヘッド10からインクを吐出することにより主走査方向に画像が形成される。そして、主走査方向の画像形成と副走査方向の用紙送りを繰り返し行なうことによって、用紙P全面に画像形成が行われる。
図3に示すように、画像記録装置50は、CPU60、ROM62、RAM64、及び周辺装置を備えたマイクロコンピュータ66によって動作の制御が行われる。マイクロコンピュータ66は、CPU60、ROM62、RAM64、入力インターフェース(入力I/F)68及び出力インターフェース(出力I/F)70がバス71で接続されて構成されている。この入力I/F68には、他の装置からデータやコマンドが入力される。
出力I/F70には、用紙Pを副走査方向に搬送するための用紙搬送モータ72を駆動するドライバ74、及びキャリッジ56を移動するためのキャリッジ走査モータ78を駆動するドライバ74が接続されている。このマイクロコンピュータ66の指示に応じて用紙搬送モータ72及びキャリッジ走査モータ78が制御される。
また、出力I/F70には、プリントヘッド10が接続されており、マイクロコンピュータ66によってプリントヘッド10からのインクの吐出が制御される。プリントヘッド10からのインクの吐出の制御は、例えば、プリントヘッド10に設けられたインク吐出用の複数のノズルからインクを吐出するタイミングを制御することによって可能である。
図1には、本実施の形態に係るプリントヘッドの概念ブロック図が示されている。プリントヘッド10は、記録素子ドライバ回路12と、ピエゾとして構成されたピエゾ素子14と同数のプリドライバ18を含んで構成されたプリドライバ回路20と、上記ピエゾ素子14と同数のラッチ22及びシフトレジスタ24を含んで構成された変換回路26と、を備えている。
記録素子ドライバ回路12は、並列配置され、かつ電源端子32に並列接続された複数(本実施の形態では1024個)のピエゾ素子によって構成されたピエゾ素子14と、ピエゾ素子14と同数のドライバ回路16を含んで構成されている。
各ドライバ回路16は、FETで構成され、ソース端子はピエゾ素子14に接続され、ゲート端子はプリドライバ18に接続され、ドライバ回路16の一方の端子は接地されている。上記複数のピエゾ素子14は、電源端子32を基準とする位置に応じて、複数のブロックに分割される(詳細後述)。
ここで、ピエゾ素子14の分割について説明する。図4及び図1に示すように、複数ピエゾ素子14は、電源端子32を基準とするピエゾ素子14の位置に応じて、複数のブロックに分割される。例えば、電源端子32に最も近い位置に配置されたピエゾ素子14と連続する複数のピエゾ素子14を1つのブロックとし、更に、連続するピエゾ素子14から連続する複数のピエゾ素子14を1つのブロックとして順次分割する。具体的には、1024個のピエゾ素子14が並列に配置される場合、電源端子32から最近のピエゾ素子14から128番目に位置するピエゾ素子14までを1つのブロックとする(ブロック1)。同様に、129番目から256番目の複数のピエゾ素子14、257番目から384番目の複数のピエゾ素子14、385番目から512番目の複数のピエゾ素子14、513番目から640番目の複数のピエゾ素子14、641番目から768番目の複数のピエゾ素子14、769番目から896番目の複数のピエゾ素子14、及び897番目から1024番目の位置に配置されたピエゾ素子14を、各々1つのブロックとする(ブロック2、ブロック3、ブロック4、ブロック5、ブロック6、ブロック7、及びブロック8)。
なお、ピエゾ素子14及び複数のピエゾ素子14を分割するブロックの数は一例であり、これに限定されるものではない。また、本実施の形態ではピエゾ素子14を一列に配列した場合を説明するが、ピエゾ素子14を複数列に配置した場合にも適応可能である。また、本実施の形態では、分割された各ブロックに属するピエゾ素子14の数は同一であるものとして説明するが、これに限定されるものではなく、ピエゾ素子14の分割は、電源端子34からの位置に応じて分割されればよく、異なる数のピエゾ素子14が属するようにしてもよい。
ドライバ回路16は、ピエゾ素子14への通電を制御するパワートランジスタである。プリドライバ18は、ドライバ回路16の動作条件を規定するアンド回路で構成されている。ラッチ22は、入力端子28から入力されたラッチクロックに同期して、画像データを記録する。シフトレジスタ24は、入力端子30から入力されるシリアルクロックに同期して、入力端子29から入力されたシリアルの画像データを各ピエゾ素子14に対応して保持するためのものである。電源端子32は、ピエゾ素子14の駆動電源の入力端子である。
更に、プリントヘッド10は、複数のピエゾ素子14の上記分割数(ブロックの数)と同数の複数のカウンタ38を備えている。複数のカウンタ38各々は、各ブロックに対応付けて設けられており、各ブロックの同時にオン状態に駆動するピエゾ素子数をカウントするためのものである。本実施の形態では、プリントヘッド10は、1024個のピエゾ素子14を備えるとともに、ピエゾ素子14の位置に応じて8ブロックに分割されるものとし、各ブロックは、128個のピエゾ素子14を含むものとして説明するので、カウンタ38は、128ビットカウンタである。
なお、カウンタ38は、対応するブロックに属するピエゾ素子14の数によって定められればよく、128ビットカウンタに限られるものではない。
また、プリントヘッド10は、後述するイネーブル信号を発生するイネーブル信号発生回路36を備えている。
ドライバ回路16は、一方の入力端子がイネーブル信号発生回路36の対応するイネーブル信号を出力する出力端子に接続されると共に他方の入力端子が、対応するラッチ22の出力端子に接続された対応するプリドライバ18の出力端子に接続されている。
従って、各ピエゾ素子14は、イネーブル信号がハイ・レベルの状態で、対応するラッチ22からの出力信号に応じてオン状態に駆動することができる。
一方、変換回路26において各シフトレジスタ24は直列接続されており、最終段以外の各シフトレジスタ24の出力端子は対応するラッチ22及び次段のシフトレジスタ24の入力端子に各々接続されている。また、1段目のシフトレジスタ24の入力端子は端子29及び端子30に、各々接続されている。
次に、以上のように構成されたプリントヘッド10の本発明に特に関係する部分について詳細に説明する。まず、変換回路26における各シフトレジスタ24の構成及び接続状態について説明する。
イネーブル信号発生回路36は、画像記録装置50に含まれる出力I/F70に電気的に接続されており、出力I/F70から後述するヒートイネーブル信号を入力する。更に、出力I/F70は、プリントヘッド10の端子28を介して複数の各ラッチ22に接続(図示一部省略)されており、各ラッチ22にラッチ信号を入力することによって各ラッチ22によるデータのラッチ動作を制御する。同様に、出力I/F70は、プリントヘッド10の端子28を介して複数のカウンタ38各々に接続(図示一部省略)されており、各カウンタ38にラッチ信号を入力する。
一方、画像記録装置50には、画像記録装置50の各部における動作タイミングの基準となるクロック信号を発生する不図示のクロック信号発生回路が設けられており、マイクロコンピュータ66にはクロック信号発生回路のクロック信号を出力する出力端子(図示省略)が接続されている。この図示を省略する出力端子は、プリントヘッド10の端子30を介して各カウンタ38及び各シフトレジスタ24に接続(図示一部省略)されており、シフトレジスタ24及び各カウンタ38にクロック信号を入力する。また、マイクロコンピュータ66には、用紙Pに記録するための画像データを出力するための出力端子(図示省略)が接続されている。この図示を省略する出力端子は、プリントヘッド10の端子29を介して、シフトレジスタ24及び各カウンタ38に画像データを出力する。
なお、画像記録装置50は、本発明の画像記録装置に相当し、プリントヘッド10は、本発明のプリントヘッドに相当し、ピエゾ素子14は、本発明の記録素子に相当し、プリドライバ18は、本発明の駆動素子に相当し、カウンタ38は、本発明のカウンタに相当する。また、イネーブル信号発生回路36は、本発明の駆動信号供給手段に相当し、上記イネーブル信号作成手段44が、本発明の選択手段及び供給手段に相当し、記憶手段46が本発明の記憶手段に相当し、イネーブル信号入力手段42が、本発明の入力手段に相当する。
ここで、イネーブル信号発生回路36の機能について、図6に示す機能ブロック図を用いて説明する。
イネーブル信号発生回路36は、カウント値入力手段40、イネーブル信号入力手段42、イネーブル信号作成手段44、及び記憶手段46を備えている。カウント値入力手段40は、各ブロックに対応するカウンタ38によるカウント値を入力するとともに、イネーブル信号作成手段44へ出力するためのものである。イネーブル信号入力手段42は、マイクロコンピュータ66から複数のパルス幅の異なるイネーブル信号を入力するためのものである。異なるパルス幅のイネーブル信号として、本実施の形態では、図5に示すイネーブル信号1、イネーブル信号2、イネーブル信号3、及びイネーブル信号4の4種類の異なるパルス幅のイネーブル信号が入力される。
イネーブル信号のパルス幅は、その立ち上がり時点及び立ち下がり時点の差分により規定される。図5に示すように、イネーブル信号入力手段42には、4種類(イネーブル信号1、イネーブル信号2、イネーブル信号3、及びイネーブル信号4)の異なるパルス幅のイネーブル信号90、イネーブル信号92、イネーブル信号94、イネーブル信号96が入力される。本実施の形態では、各イネーブル信号のパルス幅は、カウント値に応じて大きくなるように定められており、イネーブル信号92のパルス幅は、イネーブル信号90のパルス幅に比べて大きく、イネーブル信号94のパルス幅は、イネーブル信号92のパルス幅に比べて大く、また、イネーブル信号96のパルス幅は、イネーブル信号94のパルス幅に比べて大きくなるように定められている。
なお、本実施の形態では、イネーブル信号入力手段42には、4種類の異なるパルス幅のイネーブル信号が入力される場合を説明するが、複数種のイネーブル信号が入力されればよく、4種類に限られるものではない
記憶手段46は、主に、イネーブル信号発生回路の動作テーブルを記憶するためのものである。イネーブル信号発生回路の動作テーブルは、カウンタ38によるカウント値に対応する、イネーブル信号の種類を示すものである(図7参照)。図7に示すように、カウンタ38によるカウント値が”0〜32”の範囲内である場合には、”選択するイネーブル信号”は、”イネーブル信号1”であり、カウンタ38によるカウント値が”33〜64”の範囲内である場合には、”選択するイネーブル信号”は、”イネーブル信号2”であり、カウント値が”65〜94”の範囲内である場合には、”選択するイネーブル信号”は、”イネーブル信号3”であり、カウント値が”95〜128”の範囲内である場合には、”選択するイネーブル信号”は”イネーブル信号4”である。
すなわち、イネーブル信号発生回路の動作テーブルには、同時にオン状態に駆動するプリント素子14の数が大きくなるほど、パルス幅の大きいイネーブル信号の種類が対応付けられる。
イネーブル信号作成手段44は、カウント値入力手段40から入力された各カウンタ38によるカウント値に対応するイネーブル信号の種類をイネーブル信号発生回路の動作テーブルから決定する。更に、決定したイネーブル信号の種類に対応するイネーブル信号を、イネーブル信号入力手段42により入力された複数種のイネーブル信号から選択する。そして、選択したイネーブル信号を、対応するブロックに属するピエゾ素子14のプリドライバ18に出力する。
次に、図8を参照して、本実施の形態に係るプリントヘッド10の作用を説明する。
プリントヘッド10では、画像データの受信に先立ち、マイクロコンピュータ66からクロック信号に同期して各種設定信号が入力される。これによって各種設定が行われる。各種設定には、プリントヘッド10におけるシリアル画像データの転送方向(駆動方向)の設定が含まれている。詳細には、マイクロコンピュータ66から、予め定められた転送方向を示すハイ・レベルまたはロー・レベルの転送方向指示信号が出力される。これによって、プリントヘッド10では、転送方向指示信号をプリントヘッド10の図示を省略した駆動方向選択回路に対する出力信号として保持する(プロセス47)。
上記各種設定が終了すると、プリントヘッド10では、各ラッチ22に対して、データを保持することのできるラッチ信号(本実施の形態では、ハイ・レベルのラッチ信号)の入力が開始される。また同時に、全てのピエゾ素子14に対応する画像データのシリアル入力がクロック信号に同期させて行われる。詳細には、端子29から入力された画像データに基づき、クロック端子30から入力されるクロック信号の立ち上がり時点での状態(High/Low)に対応する(有/無を表す)データが、1ビットずつシフトレジスタ24に順次入力される。
これにより、ピエゾ素子14の数と同数の画像データが入力された時点で、全てのシフトレジスタ24に、対応するピエゾ素子14をオン状態に駆動させるための画像データが保持された状態となる。この時点で上記ラッチ信号を、各ラッチ22がデータをラッチすることのできる状態(本実施の形態では、ロー・レベル)に切り換える。これによって各ラッチ22には全てのピエゾ素子14に対応する画像データがラッチ(一時的に記憶、保持)される。
このとき、画像データ、クロック信号、及びラッチ信号は、カウンタ38にも入力されて、ラッチ信号の周期内に入力された画像データの内、オン状態に駆動することを示すピエゾ素子14の数(同時オンビット数、ピエゾ素子14を同時にオン状態に駆動する駆動数)がカウントされる。すなわち、各カウンタ38によって、各カウンタ39に対応するブロックに属するピエゾ素子14の、同時駆動数がカウントされる。各ブロック毎のカウント値は、イネーブル信号発生回路36へ出力される(プロセス48)。
次に、マイクロコンピュータ66は、上記ラッチ信号を、各ラッチ22がデータを保持することのできる状態(本実施の形態では、ハイ・レベル)に切り換えて各ラッチ22を保持状態にすると共に、全てのピエゾ素子14に対応する次の画像データのシリアル入力をクロック信号に同期させて行う(プロセス49)。
イネーブル信号発生回路36には、画像データの受信に先立ち、マイクロコンピュータ66から4種類のパルス幅の異なるイネーブル信号(イネーブル信号1、イネーブル信号2、イネーブル信号3、イネーブル信号4)が入力されている。イネーブル信号発生回路36では、各カウンタ38から対応するブロック毎のカウント値が入力されると、記憶手段46に記憶されたイネーブル信号発生回路の動作テーブル(図11参照)から、カウンタ38各々によるカウント値に対応するイネーブル信号の種類(例えば、イネーブル信号1)を選択する。更に、選択したイネーブル信号の種類に応じたイネーブル信号(例えば、イネーブル信号90)を、該カウンタ38に対応するブロックのピエゾ素子14に接続されたプリドライバ18に、イネーブル信号を出力する(プロセス49)。具体的には、入力された複数の異なるパルス幅のイネーブル信号90、イネーブル信号92、イネーブル信号94、及びイネーブル信号96から、カウンタ数に応じたイネーブル信号の種類に対応するイネーブル信号を選択する。
本実施の形態では、イネーブル信号の立ち上がりのタイミングをラッチ信号の立ち上がりと同期させ、イネーブル信号の立ち下がりタイミングをクロック信号の立ち上がりに同期させている。すなわち、イネーブル信号発生回路36において、同一ブロック12内に属するピエゾ素子14の同時駆動数に基づいて、何発目のクロックパルスの立ち上がりに同期させてヒートパルスの状態を”High”から”Low”へ切替えるのかが決定される。
そして、プリドライバ18において、ラッチ22からの出力とイネーブル信号との論理和が演算されて、画像データに対応したドライバ回路16を介して、イネーブル信号のパルス幅によって規定される時間だけオン状態に駆動される。これに応じて、ピエゾ素子14の作動が制御される。この結果、ピエゾ素子14がオン状態に駆動して変形し、インク液滴が対応する図示を省略したノズルから吐出されて記録が行われる。このため、マイクロコンピュータ66から入力された画像データに応じた画像が記録される(プロセス49)
以上のシリアル画像データの入力及び当該画像データによる画像の記録動作を記録用紙1枚分の画像データについて繰り返し行うことにより、記録用紙1枚分の画像を記録することができる。
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るプリントヘッド10では、並列配置された複数のピエゾ素子14を、複数のブロックに分割し、各ブロック毎のピエゾ素子14の同時にオン状態に駆動するピエゾ素子数に応じて、カウント値が大きくなる程パルス幅が長くなるようなイネーブル信号を生成し、生成したイネーブル信号を、カウンタ38に対応するブロックに属するピエゾ素子14に接続されたプリドライバ18に出力することができる。このため、プリドライバ18では、ピエゾ素子14に対応する画像データとイネーブル信号との論理和が演算され、イネーブル信号のパルス幅によって規定される時間だけピエゾ素子14がオン状態に駆動する。
このように、ピエゾ素子14の配置位置に応じて複数のピエゾ素子14を複数のブロックに分割し、各ブロック内の同時にオン状態に駆動するピエゾ素子14の数から、同時にオン状態に駆動するピエゾ素子14の数が多くなるほどイネーブル信号のパルス幅が長くなるように各ブロック毎に調整することができる。このため、イネーブル信号のパルス幅が一定の場合に、同時にオン状態に駆動するピエゾ素子14の数が多くなるほど各ピエゾ素子14の電圧降下が大きくなり、ピエゾ素子14に投入されるエネルギー量が不足することを抑制することができ、各プリント素子14のインク吐出エネルギーが均一化され、高画質な画像を得ることができる。
また、各プリント素子14に投入されるエネルギー量を均一化することができるので、各ピエゾ素子14への負荷が均一化され、ピエゾ素子14の寿命低下を抑制することができる。
また、イネーブル信号発生回路37において、同時にオン状態に駆動するピエゾ素子14の数に応じて、同時にオン状態に駆動するピエゾ素子14の数が多くなるほどイネーブル信号のパルス幅が長くなるようにイネーブル信号を決定することができる。このため、プリントヘッド10内部でイネーブル信号幅を調整することができ、画像記録装置50本体の負荷を軽減することができる。
なお、本実施の形態では、各ブロック毎のピエゾ素子14の数は、同一であるものとして説明したが、このような形態に限定されるものではない。例えば、異なる数のピエゾ素子14が属するように、プリントヘッド10に設けられたピエゾ素子14を分割するようにしてもよい。
なお、本実施の形態では、本発明のプリントヘッド10をピエゾとして構成されたピエゾ素子14によりインク液滴を吐出するものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、発熱体、電気熱変換体として構成されたピエゾ素子14を用いてもよい。
また、本実施の形態で説明したプリントヘッド10の構成や画像記録装置50の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
更に、本実施の形態で示したタイムチャート(図8参照。)も一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において適宜変更可能であることは言うまでもない。
また、本実施の形態ではピエゾ素子14を一列に配列したものとして説明したが、ピエゾ素子14を複数列に配置するようにしてもよい。
次に、第2実施の形態について説明する。
第1の実施の形態では、パルス幅の異なる複数種(4種類)のイネーブル信号がイネーブル信号発生回路36に入力される場合を説明したが、本実施の形態では、イネーブル信号発生回路37へ1種類のパルス幅のイネーブル信号が入力され、入力されたイネーブル信号のパルス幅をカウンタ38のカウント値に応じて変更する場合を説明する。
なお、本実施の形態は、第1実施の形態と同様の構成のため、同一部分には同一符号を付して詳細な説明を省略する。
本実施の形態のプリントヘッド11は、第1の実施の形態のプリントヘッド10のイネーブル信号発生回路36に替えて、1種類のパルス幅のイネーブル信号を入力するイネーブル信号発生回路37を備えている。
イネーブル信号発生回路37は、図9に示すように、カウント値入力手段40、イネーブル信号入力手段43、イネーブル信号作成手段45、及び記憶手段41を含んで構成されている。イネーブル信号入力手段43は、マイクロコンピュータ66から1種類のパルス幅のイネーブル信号を入力されるとともに、入力された1種類のパルス幅のイネーブル信号を、イネーブル信号作成手段45に出力するためのものである。
記憶手段41は、主に、図10に示すイネーブル信号発生回路の動作テーブルを記憶するためのものである。イネーブル信号発生回路の動作テーブルは、カウンタ38によってカウントされたカウント値に応じて、マイクロコンピュータ66から入力されたイネーブル信号のパルス幅を変更する変更値を示すものである(図11参照)。図11に示すように、カウンタ38によるカウント値が”0〜32”の範囲内である場合には、”変更値”は、”1クロック分パルス幅増大”である。具体的には、カウント値が0〜32の値がカウンタ38から入力されると、マイクロコンピュータ66から入力された1種類のイネーブル信号を、1クロック分パルス幅が増大するように変更すること示している。
同様に、カウンタ38によるカウント値が”33〜64”の範囲内である場合には、”変更値”は、”2クロック分パルス幅増大”であり、カウント値が”65〜94”の範囲内である場合には、”変更値”は、”3クロック分パルス幅増大”であり、カウント値が”95〜128”の範囲内である場合には、”変更値”は、”4クロック分パルス幅増大”である。
このように、記憶手段41には、カウント値が大きくなるに従って、イネーブル信号入力手段43に入力された1種類のイネーブル信号のパルス幅を大きく変更するための変更値を示す、イネーブル信号発生回路の動作テーブルが記憶されている。
なお、図10に示すイネーブル信号発生回路の動作テーブルは、イネーブル信号入力手段43へ基準となるイネーブル信号としてピエゾ素子14へ供給しうる最低のパルス幅のイネーブル信号が入力された場合の一例を示すものである。
なお、図10に示すイネーブル信号発生回路の動作テーブルは、最低のパルス幅のイネーブル信号がイネーブル信号入力手段43へ入力された場合の動作テーブルであるものとし、イネーブル信号発生回路の動作テーブルでは、カウント値の増大に応じて、マイクロコンピュータ66から入力された1種類のイネーブル信号のパルス幅を1クロック分ずつ大きくなるように変更する変更値を示すものとするが、このような形態に限られるものではない。
具体的には、イネーブル信号発生回路の動作テーブルは、カウント値の増大に応じてイネーブル信号のパルス幅が増大するように、基準となるイネーブル信号のパルス幅を変更するための変更値を定めたもので規定するものであればよく、マイクロコンピュータ66から入力された1種類のイネーブル信号を基準として、カウント値の変動に応じて、基準となるイネーブル信号のパルス幅を変更するような変更値が対応付けられればよい。
例えば、基準となるイネーブル信号として、ピエゾ素子14へ供給しうる最大のパルス幅のイネーブル信号が入力されるものとすると、カウント値の減少に応じて、基準となるイネーブル信号のパルス幅を段階的に減少するように変更する変更値を対応付けてもよい。
また、基準となるイネーブル信号として、ピエゾ素子14へ供給する最大のパルス幅未満で、かつ最小のパルス幅より大きい、中間のパルス幅のイネーブル信号がイネーブル信号入力手段43へ入力されるものと規定すると、基準となるイネーブル信号のパルス幅をクロック数の増大及び減少に応じて、大きくまたは小さくして、結果的にカウント値の増大に応じてパルス幅が大きくなるように”変更値”の値を対応付ければよい。
イネーブル信号作成手段45は、カウント値入力手段40から入力された各カウンタ38によるカウント値に応じて、イネーブル信号入力手段43から入力された基準となるパルス幅のイネーブル信号のパルス幅を変更すると、変更したパルス幅のイネーブル信号を、該カウンタ38に対応するブロックに属するピエゾ素子14のプリドライバ18に出力する。
なお、画像記録装置50は、本発明の画像記録装置に相当し、プリントヘッド11は、本発明のプリントヘッドに相当し、イネーブル信号発生回路37は、本発明の駆動信号供給手段に相当し、上記イネーブル信号作成手段45が、本発明の選択手段及び供給手段に相当し、記憶手段41が本発明の記憶手段に相当し、イネーブル信号入力手段43が、本発明の入力手段に相当する。
次に、図11を参照して、本実施の形態に係るプリントヘッド11の作用を説明する。
プリントヘッド11では、画像データの受信に先立ち、マイクロコンピュータ66からクロック信号に同期して各種設定信号が入力される。これによって各種設定が行われる。各種設定には、プリントヘッド11におけるシリアル画像データの転送方向(駆動方向)の設定が含まれている(プロセス97)。
上記各種設定が終了すると、プリントヘッド11では、各ラッチ22に対して、データを保持することのできるラッチ信号の入力が開始される。また同時に、全てのピエゾ素子14に対応する画像データのシリアル入力がクロック信号に同期させて行われる。これにより、ピエゾ素子14の数と同数の画像データが入力された時点で、全てのシフトレジスタ24に、対応するピエゾ素子14を駆動させるための画像データが保持された状態となる。この時点で上記ラッチ信号を、各ラッチ22がデータをラッチすることのできる状態に切り換える。これによって各ラッチ22には全てのピエゾ素子14に対応する画像データがラッチされる(プロセス98)。
このとき、画像データ、クロック信号、及びラッチ信号は、カウンタ38にも入力されて、ラッチ信号の周期内に入力された画像データの内、オン状態に駆動することを示すピエゾ素子14の数(同時オンビット数、ピエゾ素子14を同時にオン状態に駆動する駆動数)がカウントされる。すなわち、各カウンタ38によって、各カウンタ39に対応するブロックに属するピエゾ素子14の、同時にオン状態に駆動する数がカウントされる。各ブロック毎のカウント値は、イネーブル信号発生回路37へ出力される(プロセス98)。
次に、マイクロコンピュータ66は、上記ラッチ信号を、各ラッチ22がデータを保持することのできる状態に切り換えて各ラッチ22を保持状態にすると共に、全てのピエゾ素子14に対応する次の画像データのシリアル入力をクロック信号に同期させて行う(プロセス99)。
イネーブル信号発生回路37には、画像データの受信に先立ち、マイクロコンピュータ66から1種類のパルス幅のイネーブル信号91が入力されている。イネーブル信号発生回路37では、各カウンタ38から対応するブロック毎のカウント値が入力されると、記憶手段46に記憶されたイネーブル信号発生回路の動作テーブル(図10参照)から、カウンタ38各々によるカウント値に対応する”変更値”を読出し、読出した変更値に応じてマイクロコンピュータ66から入力された基準となるイネーブル信号91のパルス幅を変更する。更に、パルス幅を変更したイネーブル信号を、対応するブロックのピエゾ素子14にドライバ回路16を介して接続されたプリドライバ18に、パルス幅を調整したイネーブル信号95を出力する(プロセス99)。
そして、プリドライバ18において、ラッチ22からの出力とイネーブル信号との論理和が演算されて、画像データに対応してドライバ回路16を介して、イネーブル信号のパルス幅によって規定される時間だけピエゾ素子14がオン状態に駆動される。ピエゾ素子14がオン状態に駆動することによって変形し、インク液滴が対応する図示を省略したノズルから吐出されて記録が行われる(プロセス99)。
以上詳細に説明したように、本実施の形態に係るプリントヘッド11では、画像記録装置50本体のマイクロコンピュータ66から1種類の基準となるパルス幅のイネーブル信号が入力される。更に、入力されたイネーブル信号のパルス幅を基準として、各ブロック内の同時にオン状態に駆動するピエゾ素子14の数(カウント値)が大きくなるに従って、各ブロック毎に出力するイネーブル信号のパルス幅が大きくなるように調整する。このため、画像記録装置50本体側では、基準となるパルス幅の信号のみをプリントヘッド11へ出力すればよく、画像記録装置50本体の負荷を軽減することができる。
また、画像記録装置50本体とプリントヘッド間には、1種類の基準となるパルス幅のイネーブル信号をイネーブル信号発生回路37へ出力するための信号線を用意すればよく、第1の実施例に示した複数のイネーブル信号を画像記録装置50本体からイネーブル信号発生回路36へ出力する場合に比べて、更に装置構成を簡略化することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係るプリントヘッド周辺の概略構成を示すブロック図である。 本発明のプリントヘッドが適用可能なプリンタの一構成例を示す斜視図である。 本発明のプリントヘッドが適用可能なプリンタの接続関係を示す概念ブロック図である。 第1実施形態に係るプリントヘッド内のピエゾ素子の分割の1例を示す模式図である。 第1実施形態に係るイネーブル信号発生回路に入力される異なるパルス幅の複数のイネーブル信号の1例を示す模式図である。 第1実施形態に係るイネーブル信号発生回路の機能構成を示す機能ブロック図である。 第1実施形態に係るイネーブル信号発生回路の動作テーブルの一例を示すものである。 第1実施形態に係るプリンタの動作シーケンスを示すタイムチャートである。 第2実施形態に係るイネーブル信号発生回路の機能構成を示す機能ブロック図である。 第2実施形態に係るイネーブル信号発生回路の動作テーブルの一例を示すものである。 第2実施形態に係るプリンタの動作シーケンスを示すタイムチャートである。
符号の説明
10、11 プリントヘッド
14 ピエゾ素子
16 ドライバ回路
18 プリドライバ
22 ラッチ
24 シフトレジスタ
26 変換回路
36、37 イネーブル信号発生回路
38 カウンタ
40 カウント値入力手段
42、43 イネーブル信号入力手段
44、45 イネーブル信号作成手段
41、46 記憶手段
50 画像記録装置

Claims (6)

  1. 電源に対して並列接続され、かつ所定方向に沿って配列された複数の記録素子と、
    各々前記記録素子に接続され、かつ供給された駆動信号に応じて前記記録素子を独立してオン状態に駆動する複数の駆動素子と、
    前記複数の記録素子を配置位置に応じて複数のブロック毎に分割したときの各ブロックに対応して設けられ、かつ入力された画像データに基づいて同時にオン状態に駆動する記録素子数を各ブロック毎にカウントする複数のカウント手段と、
    前記画像データ及び前記カウント手段のカウント値に基づいて、該カウント値が大きくなる程オン時間が長くなるように前記記録素子をオン状態に駆動する駆動信号を生成し、前記駆動素子に供給する駆動信号供給手段と、
    を備えたプリントヘッド。
  2. 前記駆動信号供給手段は、
    パルス幅がカウント値に応じて大きくなるように定められた複数の基準信号からカウント手段のカウント値に応じた基準信号を選択する選択手段と、
    前記画像データ及び選択した基準信号基づいて、カウント値が大きくなる程オン時間が長くなる前記駆動信号を生成し、前記駆動素子に供給する供給手段と、
    を含む請求項1に記載のプリントヘッド。
  3. 前記駆動信号供給手段は、
    パルス幅がカウント値に応じて大きくなるように定められた複数の基準信号の種類と該カウント値とを対応させて記憶した記憶手段と、
    前記複数の基準信号を入力する入力手段と、
    前記カウント手段のカウント値に応じた基準信号の種類を前記記憶手段から読出し、読出した種類の基準信号を選択する選択手段と、
    前記画像データ及び選択した基準信号に基づいて、カウント値が大きくなる程オン時間が長くなる前記駆動信号を生成し、前記駆動素子に供給する供給手段と、
    を含む請求項1に記載のプリントヘッド。
  4. 駆動信号供給手段は、
    カウント値に応じて大きくなるようにパルス幅を変更するための変更値に応じて基準信号のパルス幅を変更する変更手段と、
    前記画像データ及びパルス幅が変更された基準信号に基づいて、カウント値が大きくなる程オン時間が長くなる前記駆動信号を生成し、前記駆動素子に供給する供給手段と、
    を含む請求項1に記載のプリントヘッド。
  5. 駆動信号供給手段は、
    カウント値に応じて大きくなるようにパルス幅を変更するための変更値と前記カウント値とを対応させて記憶した記憶手段と、
    所定パルス幅の基準信号を入力する入力手段と、
    前記カウント手段のカウント値に応じた変更値を前記記憶手段から読出し、読出した変更値に応じて入力した基準信号のパルス幅を変更する変更手段と、
    前記画像データ及びパルス幅が変更された基準信号に基づいて、カウント値が大きくなる程オン時間が長くなる前記駆動信号を生成し、前記駆動素子に供給する供給手段と、
    を含む請求項1に記載のプリントヘッド。
  6. 請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載のプリントヘッドを備えた画像記録装置。
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