JP2005246490A - 工作機械等の可動部における保護カバー - Google Patents

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国光 山崎
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Abstract

【課題】保護カバーの設計段階で保護カバーに付けたワイパーの撓み量を一定範囲に設定し、相手カバー基材に対する必要なシール性とスクレーパ性を確保して、組立段階での人手調整を不要とする。
【解決手段】カバー基材9の自重等の荷重によりたわむワイパー11のたわみ量が静止時に0.3〜1mmの範囲になるように、荷重−たわみ特性に基づいてワイパー11の厚さ寸法(h)及びリップ量(R)を設定する。
【選択図】図7

Description

本発明は、工作機械等の可動部への切削屑等の進入を防止し、切削屑等の進入に伴う故障を回避できる工作機械等の可動部における保護カバーに関するものである。
従来から中ぐり盤、ロール研削盤、マシニングセンタ等の工作機械の可動部には機械の保守・安全のために特許文献1に示すようなテレスコピックタイプの保護カバーが取り付けられている。この保護カバーは複数のカバー基材によって構成されており、これら複数のカバー要素を望遠鏡の筒胴のように入れ子状に組み立て、カバー基材の各々が摺動することによって保護カバー全体として伸縮し得るように構成したものである。
通常、保護カバーには、重なり合うカバー基材間にワイパーと呼ばれる部材を取り付けて、工作機械等の可動部へ切削屑やクーラントが入り込むのを極力防止できることが要求される。
従って、ワイパーには、摺接する相手カバー基材との間に隙間を作らず閉塞できること、即ちシール性を有することと共に、相手カバー基材上に落下した切削屑等を掻き取れる、即ちスクレープ性を有することが求められている。
これまで長い間ワイパー材としてNBRが多くの機械で用いられて来たが、NBRはゴムであるので摩擦抵抗は大きく、クーラントが潤滑剤となっているウエット加工では大きな問題にならなかったものの、潤滑剤が無いドライ加工では、NBRが摺動抵抗になり、スムースな伸縮ができずびびりのような動きをして、ワイパーのリップが巻き込まれたり、切削屑によりNBRが激しく損傷し、最悪時には保護カバーを破損するという事故も発生するようになった。
また、ウエット加工でも長時間カバーと摺動するため、どうしても長時間の運転で磨耗したり、切削屑で切断されたり、クーラントによる膨潤や経時変化による劣化が起こる。また、近年の摺動の高速化のニーズに対し摩擦抵抗が大きくなり過ぎるという問題も生じている。
従って、上記問題を解決するワイパー材の開発が求められている。
特開平8−61509号公報
現在は保護カバーの組立て時に実際に伸縮させてみて、相手カバー基材との摺接状態をみながら組立て調整を図ることで、シール性とスクレーパ性を調整しているが、保護カバーの設計段階で調整できれば、保護カバーの製造効率が大幅に上がる。
本発明は、上記課題を解決するために、保護カバーの製作上の指針となる保護カバーの設計基準を提供することを目的とする。
また、適切なワイパー材を提案することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明者は、カバー基材の自重等によりたわむワイパーのたわみ量(δ)に着目し、たわみ量(δ)が所定範囲にあるように、ワイパーの厚さ寸法(h)及びリップ量(R)を調整することを提案する。具体的に提案する発明は以下の通りである。
請求項1の発明は、複数のカバー要素を入れ子状に組み合わせることによって伸縮自在に構成され、工作機械等の工作ヘッドと共に移動する工作機械等の可動部における保護カバーにおいて、カバー要素は、カバー基材と、前記カバー基材の摺動方向における一方の側縁に設けられ重なり合うカバー基材の外面に傾斜した状態で摺接するワイパーと、前記カバー基材の前記側縁に沿うように取り付けられ、前記ワイパーを係止する係止部材とを備え、係止されているカバー基材の自重等の荷重によりたわむ前記ワイパーのたわみ量(δ)が静止時に0.3〜1mmの範囲になるように、荷重−たわみ特性に基づいて、ワイパーの厚さ寸法(h)及びリップ量(R)が設定されていることを特徴とする工作機械等の可動部における保護カバーである。
請求項2の発明は、請求項1に記載した工作機械等の可動部における保護カバーにおいて、摺接する相手カバー基材に対するワイパーの摺接角度(X)が30〜60°の範囲となるようにワイパーが取り付けられていることを特徴とする工作機械等の可動部における保護カバーである。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載した工作機械等の可動部における保護カバーにおいて、多角形のカバー基材にワイパーとして1本のリボン状ワイパー材が取り付けられ、前記ワイパーの屈曲部に切り込みが入れられてその両側のワイパー材が重なり合っていることを特徴とする工作機械等の可動部における保護カバーである。
請求項4の発明は、請求項1から3のいずれかに記載した工作機械等の可動部における保護カバーにおいて、複数枚のワイパー材が上下に重ねて取り付けられてワイパーを構成していることを特徴とする工作機械等の可動部における保護カバーである。
請求項5の発明は、請求項1から4のいずれかに記載した工作機械等の可動部における保護カバーにおいて、ワイパーはガラス繊維を織ったものに耐熱性の合成樹脂を含浸・固化させたものによって構成されていることを特徴とする工作機械等の可動部における保護カバーである。
本発明の設計指針に基づいて設計された保護カバーは、シール性とスクレーパ性を高いレベルで共有できる。
また、本発明のワイパー材でワイパーを構成すると、耐磨耗性や耐抵抗性が向上する。
以下、本発明の工作機械等の可動部における保護カバーを実施するための最良の形態について説明する。
図1は本発明に係る工作機械等の可動部における保護カバーを装着した工作機械を示す斜視図、図2は本発明に係る保護カバーの伸張状態を一部拡大して示す斜視図である。また図3は同上、収縮状態を示す側断面図、図4は同上、伸張状態を示す側断面図である。また図5はワイパーの係止部周辺を拡大して示す側断面図、図6はカバー要素の製作工程の手順を示す説明図、図7はカバー要素の完成後の状態を示す断面図である。
図1に示すように、本発明の保護カバー1は、工作機械3の可動部5に対して設けられる。工作機械3としては中ぐり盤、研削盤、施盤、ボール盤、フライス盤ないしマシニングセンタ等、種々の機械が適用できる。また可動部5としては、工作機械3のヘッド部分やスライドテーブルの前後左右上下の可動スペース等が適用できる。
このような工作機械3ないし可動部5に適用される保護カバー1は、複数のカバー要素7を入れ子状に組み合わせることによって伸縮自在に構成されている。カバー要素7は、ステンレス鋼板等の金属板を図1ないし図2に示すように山形に折り曲げたカバー基材9を備えている。
ワイパー11は入れ子状に組み合わされるカバー基材9間の隙間を閉塞すると共に、カバー基材9上に飛散ないし落下した切削屑や油分等を掻き取る役割を有している。
次に、このような保護カバー1が製作されるまでの流れをカバー要素7の製作の過程を中心に説明し、本発明の工作機械等の可動部における保護カバー1の製造方法に言及する。
カバー要素7は、図6に示すカバー要素の製作工程において製作される。
先ず図6(A)に示すように、金属板の3個所に折り目を入れて図示のような折曲げ部10を有する山形断面のカバー基材9を成形する。
次に図6(B)に示すように、金属板の1箇所に折り目12を入れて、一方の側縁13を幾分傾斜するように折り曲げて上押え板15を成形する。同様に、金属板の1箇所に折り目14を入れて、一方の側縁17を上押え板15と同じ角度だけ傾斜するように折り曲げて下押え板19を成形する。
上記成形後、金属製の受け板21の上に下押え板19を載せ、その上にワイパー11を載せ、更にその上に上押え板15を載せる。
そして、皿ネジ(M2.5)23を上押え板15に形成された小穴25とワイパー11に形成された小長穴27と下押え板19に形成された小穴29に通し、受け板21に形成された小タップ31に螺合させてワイパー13と上押え板15と下押え板19の間に固定させてワイパー部組33を組み立てる。
ワイパー11に形成された小長穴27はカバー基材9の摺動方向に対して細長く延びた穴である。
ワイパー11において、上押え板15から突出している部分はリップ35と呼ばれる。このリップ35の突出している長さ、即ちリップ量(R)は、ワイパー11に形成された小長穴27に対する皿ネジ23の貫通位置を相対的に変えることで調整できる。なお、リップ量(R)はワイパー11がたわんでいない状態で測定した長さであるから、その特定時のリップ35の先端の位置は図7の破線で示したものとなる。
続いて、皿ネジ(M3.0)37をカバー基材9に形成された大穴39と上押え板15に形成された大穴41とワイパー11に形成された大穴43と下押え板19に形成された大穴45に通し、受け板21に形成された大タップ47に螺合させてワイパー部組33をカバー基材9の側縁49に取り付けて固定させる。
上記の取り付け工程をカバー基材9の4つの側縁49全てに対して繰り返し行う。従って、カバー基材9の折り曲げ部10で隣接するワイパー11どうしが突き合わされる。
係止部材は、皿ネジ23,37、上押え板15、下押え板19、受け板21によって構成されている。
このようにして製作されたカバー要素7が所定枚数用意され、図1、2に示すように入れ子状に組立てる組立て工程を経て保護カバー1の一連の製作過程が終了する。
なお、受け板21と相手カバー基材9との間には0.5mm程度の隙間(H1寸法)があり、下押え板19の先端部と相手カバー基材9との間の距離(H2寸法)はH1寸法より大きくなるように設計されている。従って、カバー基材9が予想外の荷重を受けてたわんでも、受け板21が相手カバー基材9に先に接触し荷重を受ける。これは、下押え板19は製造コストなどを考慮して、レーザー切断したままの切り口の荒れたSPCC材(JIS規格)で構成しているが、受け板21はりん青銅など比較的すべり性の良い材料で構成しているため、受け板21が相手カバー基材9に接触し摺動した方が相手カバー基材9に与えるダメージが小さいからである。
また、カバー基材9どうしの間隔(H3寸法)は工作機械本体の取り付けスペースやH1寸法との関係などを考慮して設計される。
更に、図2に示す実施の形態にあっては、摺動方向端部の2枚のカバー要素7に対してカバー基材9の端部を外方に直角に折り曲げて形成したフランジ部51が設けられている。このフランジ部51は適用する工作機械3の可動部5に取り付ける際に必要に応じて設けられる構成であり、フランジ部51を設ける場合には図6(A)に示すカバー要素7の成形の際に同時に加工される。
適度なスクレープ性を備えるためには、切削屑等の排除や固着したようなものを掻き取ることができるのに必要な剛性を有することが要求される。
その一方で、保護カバー1は板金製品であるため切断や折り曲げなどの製造誤差、組立て誤差によるものや、カバー自身の自重によるたわみなどの変形が生じるのは避けられない。更に、保護カバー1を図示しないガイド部で上下動を規制する構造とした場合には保護カバー1には自重以外の荷重もかかることになり、それによる影響も無視できない。従って、相手カバー基材9に追従できる柔軟性が要求される。
図8はワイパー11とワイパー11が接触する相手カバー基材9との関係を示す部分断面図であるが、図8(A)は、ワイパー11のリップ35が相手カバー基材9に所望の長さだけ接触する状態を示す図であり、図8(B)は、柔軟性が過剰に高い一方で剛性が過剰に低く、摺動中に、ワイパー11のリップ35が相手カバー基材9に平行になるまで面当り状態で接触している状態を示す図であり、図8(C)は、柔軟性が過剰に低い一方で剛性が過剰に高く、摺動中に、ワイパー11のリップ35が相手カバー基材9から浮き上がっている状態を示す図である。
図8(A)の状態を保つために、保護カバーの製作上の指針となる保護カバーの設計基準を以下に説明する。
ワイパー11のたわみ量(δ)を指標として採用し、0.3〜1mmの範囲になるように、厚さ寸法(h)等を設計する。
具体的には、ワイパー11に加えられる荷重とその荷重によりたわむたわみ量(δ)との関係、即ち荷重−たわみ特性に基づいて、厚さ寸法(h)等を設計する。
ここで、「たわみ量(δ)」とは、ワイパー11のリップ35の先端の上下方向における変位量を意味する。また、「静止時」とは、保護カバー1が摺動しておらず静止している時を意味する。
荷重(F)が大きくなるほどたわみ量(δ)が大きくなるが、そのたわみ量(δ)が上記範囲内に収まるように、ワイパー11の厚さ寸法(h)等を調整することになるが、シール性を保持するため、ワイパー11の巾寸法(b)は保護カバー1のカバー基材7の巾寸法に略一致させることが前提となっている。従って、巾寸法(b)は工作機械等の大きさの関係で限定されてしまうので、実際は厚さ寸法(h)とリップ量(R)を調整することになる。
リップ量(R)が大きくなると、小さな荷重(F)でたわむという反比例関係、巾寸法(b)が大きくなると、たわませるには大きな荷重(F)が必要という比例関係にあり、厚さ寸法(h)が大きくなると、たわませるには大きな荷重(F)が必要という比例関係にある。
従って、大型の重量型カバーでは、大型化に伴い巾寸法(b)が大きくなるので自重は大きくなるが、カバーの自重からみると、リップ量(R)を小さくするかワイパー材の厚さを厚くし、巾寸法(b)からみると、リップ量(R)を大きくするか厚さ寸法(h)を小さくすることになる。逆に小型軽量カバーでは、小型になれば自重が小さくなるので、リップ量(R)を大きくするかワイパー材の厚さ寸法(h)を小さくし、小型になれば巾寸法(b)が小さくなるので、リップ量(R)を小さくするか厚さ寸法(h)を大きくする。
ワイパー11と摺接角度(X)との関係を説明する。
種々の角度において作図と実験で検証した結果、摺接角度(X)が30〜60°の範囲にあると、スクレープ性とシール性の安定性、復元性、有効ストロークなどの点で適当であることを見出した。
その範囲を外れると、例えば図9(A)に示すように、ワイパー11を相手カバー基材7に略直角に取り付けると、ワイパー11のリップ35が受け板21の有る方向にも曲がってしまう場合があり、その場合にはシール性とスクレーパ性が低下してしまう。また、一旦その方向に曲がってワイパー11に折り目ができると、メンテナンスによりワイパー11の向きを変えても折り目が残るので復元性が落ちてしまう。
また、図9(B)に示すように、ワイパー11を相手カバー基材9に摺接角度(X)=10°で取り付けると、突き出し量(即ち、受け板21から突き出している長さ寸法)が大きくなり、伸縮の有効ストロークが短くなるという問題がある。この場合には、リップ量(R)も大きくなり、スクレープ性やシール性にも影響を与える。
次に具体的な設計手順を説明する。
例えば、図10に示すたわみ量(δ)の測定装置を使用して、ワイパー11に加わる力(荷重)(F)とたわみ量(δ)の関係などについて測定し、その測定結果を基にワイパー11の巾寸法(b)、厚さ寸法(h)及びリップ量(R)を設計することになる。
測定装置53の内容を説明する。符号54は荷重を測定するロードセルを示し、符号55はワイパーのテストピースを示し、符号56はテストピース55の上に載せる上カバーを示す。符号57は上カバー56を介してテストピース55に荷重を加えるためのボルトを示す。符号58はボルト57を回転させることにより上下動させるためのガイドを示す。なお、テストピースの厚さ寸法(h)は実際より誇大して描かれている。
拡大図に示すように、テストピース55を上カバー56の下に置き、ボルト57を回転することにより段階的に種々の荷重をテストピース55に加え、テストピース55に加わる力(荷重)(F)と上下の変位量、即ちたわみ量(δ)を測定した。ここで、破線はテストピース55のたわんだ状態を示す。
たわみ量(δ)の測定は、図示しないダイアルゲージを用い0.1mm単位で行った。
以下、具体的な実施例を説明する。
テストピース55として種々の巾寸法(b)及び厚さ寸法(h)のものを用意した。テストピース55のリップ量(R)は、テストピース55の位置をずらすことで変えた。なお、図10にはテストピース55の巾寸法(b)は示されていないが、図10の奥行き方向の寸法である。
テストピース55の接触角度(X)は40°に固定した。この接触角度は摺接角度に対応している。
この実施例では、材料は慣用されているNBRとした。
以下、図11〜図13に、X軸にたわみ量(δ)(mm)、Y軸に荷重(F)(N)をとり、たわみ量(δ)と荷重(F)との関係をまとめた測定データをグラフ化して示す。
図11は、リップ量(R)を3mm(一定)とし、巾寸法(b)を110mm、165mm、220mmと変化させ、厚さ寸法(h)を0.62mm、0.39mmと変化させたときの測定結果のグラフである。
図12は、巾寸法(b)を165mm(一定)とし、リップ量(R)を2mm、3mm、4mm、5mmと変化させ、厚さ寸法(h)を0.62mm、0.39mmと変化させたときの測定結果のグラフである。
図13は、厚さ寸法(h)を0.62mm(一定)とし、巾寸法(b)を110mm、165mm、220mmと変化させ、リップ量(R)を2mm、3mm、4mm、5mmと変化させたときの測定結果のグラフである。
なお、データは各4回測定の平均値である。
なお、測定装置の関係から約5Nの初期荷重が加わっており、実際には初期たわみが存在するが、ここでは初期荷重と初期たわみは無視し、5N加わった状態でロードセルの値を0とし、たわみ量(δ)も0として、ダイアルゲージの針を0.1mmづつ進めた時のロードセルの値を記録したデータであり、特に小さな力でもたわみやすい厚さ寸法(h)=0.39mmの場合はその影響は無視できないと考える。従って、実機においては補正が必要である。
この結果を基に実機のワイパー11の厚さ寸法(h)等を設定する。
具体的に説明すると、例えば、複数のカバー基材9で構成される保護カバー1の単一カバー基材9の重量が10kg(98N)の大型重量型カバーで、巾寸法(b)=1mで、厚さ寸法(h)=0.62mmとする。この場合に各ワイパー11のたわみ量(δ)=0.4mmとした場合、テストピースで用いた巾寸法(b)=220mmに対し、この実機の巾寸法(b)は約4.5倍であり、厚さ寸法(h)=0.62mmでは、リップ量(R)=5mmのたわみ量(δ)=0.4mmのデータが約21(N)であるので4.5倍すると、約96(N)となり、ほぼ一致する。従って、荷重/巾寸法がほぼ一致するテストピースの荷重−たわみ特性を利用すれば、ワイパーの厚さ寸法(h)とリップ量(R)を容易に設定することができる。
種々の実験結果から、現在市販されている大型〜小型の実機では、ワイパー11の厚さ寸法(h)=0.3〜0.8mm、リップ量(R)=2〜6mmの範囲であるのが好ましいことが分かっている。
また、実際に、重量3kg、巾寸法(b)=500mmの保護カバーを作り、ワイパー材の厚さ0.39mmと0.62mm、リップ量を4mm、5mm、6mmとし、ドライ加工と同様の状態になるよう切削屑を入れた中で連続耐久試験を行い好結果が得られたので、製品化設計を行い市場に提供することにした。
第2の実施の形態に係る保護カバーのカバー要素61を、図14と図15に従って説明する。
第1の実施の形態に係る保護カバー1のカバー要素7の構成部分と同じ構成部分は同じ符号を付すことで説明を省略する。
カバー基材9が多角形でしかも図6で説明したように傾斜した側縁13を有する上押え板15と、傾斜した側縁17を有する下押え板19との間にワイパー63が挟まれた状態で取り付けられると、屈曲部69、即ち側縁13と側縁17の間に挟まれ且つ折曲げ部10に沿った部分には皺やたるみが出来る。
そこで、ワイパー63の屈曲部69に切り込み71を入れ、屈曲部69で皺やたるみが出来ないようにしている。その結果として、両側のワイパー材が重なり合い、その部分で剛性が向上するという予想外の効果も得られる。
また、第1の実施の形態ではリップ35が突き合わされているので切削屑に押されて隙間が出来てしまう可能性があるが、この実施の形態ではリップ65に隙間ができ難いのでシール性も一層向上する。これらの改善はコスト的な負担無しに達成できる。
なお、この実施の形態では受け板は無い。メンテナンス時に人が乗らないような小型軽量カバーの場合には、このように受け板を省略することができる。
第1の実施の形態での突合せ部の3ヶ所に接着剤のような材料を充填して埋めることも考えられるが、ワイパー11の表面にフッ素樹脂がコーティングされているような場合には、容易には接着できず、また狭い小さな範囲であるので、強い接着は難しい。また、狭い範囲であっても充填材部分の材質が変わることは、性能の低下を招く恐れがあるなどの問題がある。
第3の実施の形態に係る保護カバーのカバー要素を、図16に従って説明する。
第1の実施の形態に係る保護カバー1のカバー要素7の構成部分と同じ構成部分は同じ符号を付すことで説明を省略する。
この保護カバーでは、複数枚のワイパー材が上下に重ねて取り付けられてワイパーを構成している。
図16(A)では厚さが同じワイパー材75,75が2枚重ねられており、図16(B)では厚さが異なるワイパー材75,77,79が3枚重ねられている。
このように、ワイパー材を重ね合わせて取り付けることにより、ラビリンス効果が得られシール性が更に向上する。大型工作機械等に搭載する大型の保護カバーの場合、カバー自身の自重が大きいため、1枚では剛性がやや不足する場合があり、1枚の場合より剛性を上げることが出来、さらに有効となる効果も得られた。
なお、この実施の形態では上押え板をカバー基材で代用している。小型軽量カバーの場合には、このように構成することができる。
第4の実施の形態を説明する。
この実施の形態では、保護カバーのワイパーを構成するワイパー材が、ガラス繊維を織ったものに耐熱性の合成樹脂を含浸・固化させたものによって構成されている。織り方は好ましくは平織りである。
ここで耐熱性の合成樹脂とは、100℃程度の高温に加熱されても変質・劣化しない合成樹脂を言い、一例としてポリ四ふっ化エチレンがあげられる。
上記材料は、コンベア用ベルト材として市販されているので容易に入手できる。
以上、本発明を実施するための最良の形態、その具体的実施の形態について詳述してきたが、具体的な構成はこれらの形態や実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても本発明に含まれる。
例えば、係止方法は、皿ネジ以外にスポット溶接やかしめなど種々の方法があり、上記例に特に限定されるものではない。
また、上押え板をカバー基材で代用し、ワイパーとして1本のリボン状ワイパー材を取り付けた場合、カバー基材9にも屈曲部が存在するのでそのまま折り曲げると皺が出来るが、カバー基材9はワイパーより高い剛性を有するので、切り込みを入れ突合せるのに余分な部分はサンダーなどで除去すれば足りる。
また、下押え板19は無くても良く、受け板21と上押え板15でワイパー11を挟み込む構成でも良いが、無いと切削屑により、ワイパー11が内側に押されて上押え板15とワイパー11との間に隙間が生じ、その隙間に切削屑が入り込む可能性があるので、有った方が好ましい。
また、ワイパーへの切り込みは、単に線状の切り込みを入れる他に、V字状にしてV部分を除去する切り込みを入れることが考えられるが、V字状の切り込みの場合、Vの角度を広げていくと、ワイパー材の重なり部分が無くなり、単に突合せた状態と同じ状態に達するので、Vの角度の設定には注意する必要がある。
第1の実施の形態に係る保護カバーを装着した工作機械を示す斜視図である。 図1の保護カバーの一部拡大斜視図である。 図1の保護カバーの収縮状態を示す側断面図である。 図1の保護カバーの伸張状態を示す側断面図である。 図1のワイパーの係止部周辺を拡大して示す斜視図である。 図1の保護カバーのカバー要素の製作の手順を示す説明図である。 図6で製作したカバー要素の拡大断面図である。 保護カバーの設計基準の説明図である。 保護カバーの設計基準、特に摺接角度の説明図である。 ワイパーのテストピース用の荷重−たわみの測定装置の概略図である。 測定データの一例のグラフである。 測定データの一例のグラフである。 測定データの一例のグラフである。 第2の実施の形態に係る保護カバーの斜視図である。 図14の保護カバーのカバー要素の製作の手順を示す説明図である。 第3の実施の形態に係る保護カバーのカバー要素の側断面図である。
符号の説明
1 保護カバー 3 工作機械
5 可動部 7 カバー要素
9 カバー基材 11 ワイパー
15 上押え板 19 下押え板
21 受け板 35 リップ
61 カバー要素 63 ワイパー
67 切り込み
75,77,79 ワイパー材

Claims (5)

  1. 複数のカバー要素を入れ子状に組み合わせることによって伸縮自在に構成され、工作機械等の工作ヘッドと共に移動する工作機械等の可動部における保護カバーにおいて、カバー要素は、カバー基材と、前記カバー基材の摺動方向における一方の側縁に設けられ重なり合うカバー基材の外面に傾斜した状態で摺接するワイパーと、前記カバー基材の前記側縁に沿うように取り付けられ、前記ワイパーを係止する係止部材とを備え、
    係止されているカバー基材の自重等の荷重によりたわむ前記ワイパーのたわみ量(δ)が静止時に0.3〜1mmの範囲になるように、荷重−たわみ特性に基づいて、ワイパーの厚さ寸法(h)及びリップ量(R)が設定されていることを特徴とする工作機械等の可動部における保護カバー。
  2. 請求項1に記載した工作機械等の可動部における保護カバーにおいて、摺接する相手カバー基材に対するワイパーの摺接角度(X)が30〜60°の範囲となるようにワイパーが取り付けられていることを特徴とする工作機械等の可動部における保護カバー。
  3. 請求項1または2に記載した工作機械等の可動部における保護カバーにおいて、多角形のカバー基材にワイパーとして1本のリボン状ワイパー材が取り付けられ、前記ワイパーの屈曲部に切り込みが入れられてその両側のワイパー材が重なり合っていることを特徴とする工作機械等の可動部における保護カバー。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載した工作機械等の可動部における保護カバーにおいて、複数枚のワイパー材が上下に重ねて取り付けられてワイパーを構成していることを特徴とする工作機械等の可動部における保護カバー。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載した工作機械等の可動部における保護カバーにおいて、ワイパーはガラス繊維を織ったものに耐熱性の合成樹脂を含浸・固化させたものによって構成されていることを特徴とする工作機械等の可動部における保護カバー。
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