JP2005246488A - ワークホルダ - Google Patents

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Abstract

【課題】 大形化を抑えつつ、被保持部の大きさが異なる複数種類のワークピースを保持するワークホルダを提供する。
【解決手段】 ケーシング400に2つのレバー406を回動可能に取り付け、その自由端部にそれぞれ支持板490,突起部材492を備えた保持部材404を設ける。回転軸412の回転を、雄ねじ部材180,雌ねじ部材182,突部200,溝202を含む運動変換装置92によりレバー406の回動運動に変換し、保持部材404を移動させてワークピース10を保持させる。ワークピース10の保持部材404が係合する2つの被係合面間の距離が大きい場合、保持部材404がケーシング400から大きく離間するが、ワークピース10を保持する場合以外にはレバー406をケーシング400側へ回動させ、閉じておくことができ、ワークホルダ300の大形化を回避しつつ、大きさが異なる複数種類のワークピース10を保持し得る。
【選択図】 図2

Description

本発明はワークホルダに関するものであり、特に、2つの係合部材を互いに接近・離間させてワークピースを保持するワークホルダに関するものである。
この種のワークホルダは、例えば、特許文献1および特許文献2に記載されているように既に知られている。特許文献1に記載のワークホルダは、カムを利用して一対の挟持爪を互いに接近,離間させ、ワークピースを挟持,解放するように構成されている。このワークホルダは、ハウジングにより相対回転可能に保持され、工作機械の主軸により回転させられる回転軸と、ハウジングにより相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能であって、回転軸と同心に保持された作動軸と、回転軸に固定の円筒状の駆動カムと、作動軸に、駆動カムと対向して設けられた円筒状の被駆動カムと、ハウジングにより、回転軸の回転軸線と直交する一直線上において互いに接近・離間可能に設けられた一対の挟持爪と、作動軸と一対の挟持爪とを連結する一対のリンクとを備えている。駆動カムと被駆動カムとの互いに対向する端面にはそれぞれ、山部と谷部とを90度の回転角度間隔で有する波形のカム面が形成されており、作動軸は、ばねにより、駆動カムと被駆動カムとのカム面同士が噛み合う向きに付勢されている。駆動カムと被駆動カムの各カム面の山部と谷部とが互いに噛み合う状態から回転軸が主軸により90度回転させられれば、各カム面の山部同士が当接する状態となり、作動軸が回転軸から離間する向きに移動させられ、一対のリンクが回動させられて一対の挟持爪が案内装置により案内されつつ互いに離間させられ、ワークピースを解放する。回転軸が主軸により更に同じ方向にあるいは逆方向に90度回転させられれば、山部と谷部とが噛み合う状態となり、一対の挟持爪が案内装置により案内されつつ互いに接近させられてワークピースを挟持する。
また、特許文献2に記載のワークホルダは、ラックおよびピニオンを利用して一対の把持部材を互いに接近,離間させ、ワークピースを把持,解放するように構成されている。このワークホルダは、ハウジングにより相対回転可能に保持され、主軸により回転させられる回転軸と、その回転軸に同心に、相対回転不能にかつ軸方向に相対移動不能に設けられたピニオンと、ハウジングにより回転軸の回転軸線と直角に立体交差する方向に相対移動可能に保持され、ピニオンに噛み合わされた一対のラックと、それらラックの各々に保持された把持部材とを備えている。一対のラックは互いに平行に設けられており、回転軸が主軸により回転させられれば、ピニオンが回転させられ、一対のラックが互いに反対方向へ移動させられて一対の把持部材が互いに離間させられ、ワークピースを解放する。回転軸が逆向きに回転させられれば、一対のラックが上記とは逆向きに移動させられ、一対の把持部材が互いに接近させられてワークピースを保持する。
特開平9−29574号公報 特開2003−181736号公報
しかしながら、特許文献1に記載のワークホルダは、被保持部の大きさが異なる複数種類のワークピースの保持に適さない問題がある。一対の挟持爪は直線移動により互いに接近,離間させられてワークピースを保持・解放するため、被保持部の大きさが異なる複数種類のワークピースを1つのワークホルダによって保持しようとすれば、一対の挟持爪の接近・離間距離を大きくすることが必要である。しかし、そのためには案内装置が大形となり、ワークホルダが大形となる。被保持部の大きさに応じてワークホルダを複数種類用意すれば、被保持部が小さいワークピースを保持するワークホルダは小形に構成することができるが、複数種類のワークホルダが必要であり、ワークピースの保持に要するコストが高くなる。
また、特許文献2に記載のワークホルダにおいても同様の問題がある。このワークホルダにおいては、保持部材がラックの移動により直線移動させられるため、被保持部の大きさが異なる複数種類のワークピースを保持しようとすれば、ラックを長くして保持部材の移動距離を大きくすることとなり、ワークホルダが大形となることを避け得ないのである。
本発明は、以上の事情を背景としてなされたものであり、大形化を抑えつつ、大きさが異なる複数種類のワークピースを保持することができるワークホルダを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本願の第一発明に係るワークホルダは、被支持面と、その被支持面と交差する方向に延びた互いに反対向きの2つの被係合面とを備えたワークピースを保持するワークホルダであって、 (A)本体部材と、 (B)前記被支持面を支持する支持面を備えた少なくとも1つの支持部材と、 (C)前記2つの被係合面と係合する2つの係合部材と、 (D)それぞれ前記本体部材に保持され、それぞれ前記2つの係合部材の各々を保持するとともに、少なくとも一方が前記支持部材をも保持する2つのレバーと、 (E)それら2つのレバーを回動させることにより、前記2つの係合部材を互いに接近・離間する方向に移動させる駆動装置とを含むように構成される。
本願の第二発明に係るワークホルダは、一面に開口する開口を備えたワークピースを保持するワークホルダであって、 (a)本体部材と、 (b)それぞれ前記一面に接触して前記ワークピースを支持する支持面を備えた2つの支持部材と、 (c)それら支持部材の前記支持面の各々から突出し、前記開口内に入り込んで開口の内側面に係合する2つの係合部材と、 (d)それぞれ前記本体部材に保持され、各々前記一対の支持部材の各々を保持する2つのレバーと、 (e)それらレバーを回動させることにより、前記2つの支持部材を前記2つの係合部材が互いに接近・離間する方向に移動させる駆動装置とを含むように構成される。
第一発明に係るワークホルダにおいて、係合部材と支持部材とは、互いに直接固定されていてもよく、レバー等他の部材を介して間接的に固定されていてもよい。また、互いに一体に構成されていてもよい。
本発明に係るワークホルダにおいては、駆動装置によって2つのレバーが回動させられ、2つの係合部材が被係合面に係合させられてワークピースを保持する。また、2つの係合部材がワークピースに係合するとき、支持部材が支持面においてワークピースの被支持面に接触可能となり、ワークピースを支持することが可能な状態とされる。駆動装置によって2つのレバーが逆方向に回動させられれば、2つの係合部材が被係合面から離間させられてワークピースを解放するとともに、支持部材が被支持面から離間させられてワークピースを解放する。
レバーの長さ、すなわちレバーの回動軸線と係合部材との距離と、レバーの回動角度との少なくとも一方の設定により、2つの係合部材の最大接近・離間距離を変えることができる。したがって、レバーを、被保持部の大きさが異なる複数種類のワークピースを保持可能な長さを有するものとし、2つの被係合面間の距離に応じてレバーの回動角度を設定することにより、複数種類のワークピースを保持することができる。2つの被係合面間の距離が大きいワークピースを保持する際にはレバーが回動させられて係合部材が本体部材から大きく離間させられるが、ワークピースを保持する場合以外には、レバーを本体部材側へ回動させ、閉じておくことができ、ワークホルダが大形となることを回避しつつ、大きさが異なる複数種類のワークピースを保持し得るワークホルダを得ることができる。
また、本ワークホルダは支持面を備えており、ワークピースを面によって支持することができるため、ワークピースを安定して保持することができる。例えば、被支持面が下向きであり、支持面が上向きに設けられる場合、支持部材はワークピースを下方から支持することができ、ワークピースが重い場合、特に、重くかつ重心が2つの係合部材により保持される2つの被係合部を結ぶ直線から外れていて、その直線まわりの回転トルクが生じる場合でも、安定して保持することができる。被支持面が上向きの面である場合には、支持面が下向きの面となるが、ワークピースの2つの被係合部を結ぶ直線まわりの回転はやはり支持面により防止され、ワークホルダは重いワークピースでも安定して保持することができる。被支持面および支持面が垂直あるいは傾斜している場合でも同様である。ワークピースを安定して保持するためには支持部材を2つ設けることが望ましいが、例えば、ワークホルダが加工機械に設けられ、装置間におけるワークピースの受渡しに用いられる場合、ワークピースを加工時ほど精度良く強固に保持しなくてよく、支持部材は1つでもよい。支持面が1つであっても、面によってワークピースを広く支持することができ、1つで足る場合もあるのである。
第二発明に係るワークホルダにおいても、係合部材と支持部材とは、互いに直接固定されていてもよく、レバー等他の部材を介して間接的に固定されていてもよい。また、互いに一体に構成されていてもよい。
本ワークホルダにおいては、2つの係合部材が開口の内側面に係合してワークピースを保持するとともに、2つの支持面がワークピースを支持する。2つの係合部材はそれぞれ内側面に、互いに離間する方向に力を加えて係合し、2つの支持面はその近傍においてワークピースを支持し、ワークピースが安定して保持される。第二発明に係るワークホルダにより保持されるワークピースは、第一発明に係るワークホルダにより保持されるワークピースの一種であり、第一発明に係るワークホルダによっても保持することができる。
第二発明に係るワークホルダにおいても、レバーの長さおよび回動角度の設定により、大形化を抑えつつ、開口の大きさが異なる複数種類のワークピースを保持することができる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、 (1)項が請求項1に相当し、 (2)項が請求項2に、 (4)項および (5)項を併せたものが請求項3に、 (6)項および (7)項を併せたものが請求項4に、 (8)項が請求項5に、 (9)項が請求項6にそれぞれ相当する。
(1)被支持面と、その被支持面と交差する方向に延びた互いに反対向きの2つの被係合面とを備えたワークピースを保持するワークホルダであって、
本体部材と、
前記被支持面を支持する支持面を備えた少なくとも1つの支持部材と、
前記2つの被係合面と係合する2つの係合部材と、
それぞれ前記本体部材に保持され、それぞれ前記2つの係合部材の各々を保持するとともに、少なくとも一方が前記支持部材をも保持する2つのレバーと、
それら2つのレバーを回動させることにより、前記2つの係合部材を互いに接近・離間する方向に移動させる駆動装置と
を含むワークホルダ。
(2)一面に開口する開口を備えたワークピースを保持するワークホルダであって、
本体部材と、
それぞれ前記一面に接触して前記ワークピースを支持する支持面を備えた2つの支持部材と、
それら支持部材の前記支持面の各々から突出し、前記開口内に入り込んで開口の内側面に係合する2つの係合部材と、
それぞれ前記本体部材に保持され、各々前記一対の支持部材の各々を保持する2つのレバーと、
それらレバーを回動させることにより、前記2つの支持部材を前記2つの係合部材が互いに接近・離間する方向に移動させる駆動装置と
を含むワークホルダ。
(3)前記支持部材が長手形状をなし、それの長手方向と前記レバーの長手方向との成す角度が変更可能である (1)項または (2)項に記載のワークホルダ。
本項のワークホルダによれば、例えば、ワークピースの形状,寸法等に応じて支持面によるワークピースの支持位置を変更することができ、より安定してワークピースを保持することが可能となる。
(4)前記本体部材に回転軸が相対回転可能に保持されており、前記駆動装置が、その回転軸と、その回転軸の本体部材に対する相対回転を前記2つのレバーの回動に変換する運動変換装置とを含む (1)項ないし (3)項のいずれかに記載のワークホルダ。
回転軸が回転させられることにより運動変換装置を介してレバーが回動させられ、係合部材がワークピースを保持・解放する。
運動変換装置は、例えば、(8)項に記載のワークホルダのように、互いに螺合された第一,第二ねじ部材を含む装置とされ、あるいは、カムおよびカムフォロワを含む装置とされる等、種々の構成が採用可能である。後者の運動変換装置は、回転軸と共にカムを回転させるとともに、カムにより与えられるカムフォロワの運動によって2つのレバーを直接回動させる装置とされる。
(5)前記回転軸が加工機械の主軸に取り外し可能に取り付けられ、前記本体部材が加工機械の非回転部と係合させられる (4)項に記載のワークホルダ。
本項のワークホルダは、加工機械に取り付けられて、例えば、加工機械において加工されるワークホルダのワーク取付部に対する取付け,取外しに用いられる。本体部材は非回転部との係合により回転を阻止され、回転軸が主軸により回転させられてレバーが回動させられる。工作機械の主軸の回転を利用してレバーが回動させられ、ワークピースの保持・解放が容易にかつ安価に行われる。
(6)前記支持部材の支持面が前記回転軸の軸線に平行である (4)項または (5)項に記載のワークホルダ。
本項によれば、例えば、ワークホルダを回転軸線と交差する方向においてコンパクトに構成することができる。
(7)前記支持部材の支持面が一平面上に位置し、その一平面の片側に前記本体部材,支持部材,レバーおよび駆動装置が配置された (6)項に記載のワークホルダ。
支持面の片側に本体部材等を配置すれば、支持面の本体部材等とは反対側の空間が空き、例えば、形状,寸法等が種々に異なるワークピースを本体部材等との干渉を生じることなく、支持面に支持させることができる。
本項のワークホルダであって、2つの係合部材のそれぞれに対応して支持部材が設けられる場合には、それら支持部材の各支持面がそれぞれ一平面上に位置させられる。2つの支持部材の支持面が同一平面上に位置することは不可欠ではなく、例えば、互いに平行な異なる2つの平面内にそれぞれ位置するように支持面を設けてもよい。この支持面を有するワークホルダは、例えば、段付き状の部分を備え、互いに平行な異なる2つの平面内にそれぞれ位置する2つの被支持面を有するワークピースの保持に適している。
(8)前記運動変換装置が、
前記回転軸と共に回転する第一ねじ部材と、
前記本体部材に相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に保持され、前記第一ねじ部材と螺合された第二ねじ部材と
を含み、第二ねじ部材の前記本体部材に対する軸方向の相対移動を前記2つのレバーの回動に変換するものである (4)項ないし (7)項のいずれかに記載のワークホルダ。
第一ねじ部材および第二ねじ部材は、回転軸と同軸に配設してもよく、異なる軸線上に配設してもよい。例えば、第一,第二ねじ部材を回転軸の軸線を含む一平面内に位置し、回転軸の軸線と平行な軸線上に配設してもよい。この場合、例えば、第一ねじ部材と回転軸との間に、回転軸の回転を第一ねじ部材に伝達する回転伝達装置が設けられ、第一ねじ部材が回転軸と共に回転するようにされる。
本項のワークホルダにおいては、回転軸が回転させられ、第一ねじ部材が回転させられることにより、第一ねじ部材に螺合された第二ねじ部材が軸方向に移動させられ、2つのレバーが一斉に回動させられて係合部材がワークピースを保持・解放する。第一ねじ部材は、ワークピースを保持する場合と解放する場合とにおいて互いに逆向きに回転させられ、2つのレバーが一斉にワークピース保持方向あるいは解放方向に回動させられる。
本ワークホルダによれば、回転軸の回転を利用して係合部材にワークピースを保持,解放させるのであるが、回転軸の回転角度、すなわち回転軸を回転させる回転軸駆動装置の回転角度の制御を容易に行うことができる。第一,第二ねじ部材のねじのリード角を小さくすれば、第一ねじ部材の同じ回転角度に対する第二ねじ部材の軸方向の移動距離を短くすることができ、回転軸の実際の回転角度がワークピースの保持に必要な角度より多少大きくても、第二ねじ部材の軸方向の移動距離の増大が小さくて済む。したがって、ワークピースを保持,解放するための回転軸の回転角度が、保持に適した角度よりやや大きめになっても、ワークピースに過大な保持力を加えて破損することなく、確実に保持することができ、回転軸の回転角度の制御を低くすることができ、制御が容易になる。
また、本ワークホルダは、被保持部の大きさが異なる複数種類のワークピースの保持に適している。回転軸および第一ねじ部材の回転角度を大きくすれば、レバーの回動角度が大きくなって係合部材の移動距離が大きくなるため、複数種類の被保持部の寸法に合わせて、それらを保持,解放するための回転軸の回転角度範囲(保持角度と解放角度との間の角度範囲)を複数種類設定することにより、被保持部の大きさの違いに対応することが容易なのである。
(9)前記第一ねじ部材が前記本体部材に相対回転可能に保持されており、その第一ねじ部材と前記回転軸との間に、設定値以下のトルクは伝達するが設定値を超えるトルクは伝達しないトルクリミッタが設けられた (8)項に記載のワークホルダ。
ワークピースを保持する際、2つの係合部材がワークピースに係合し、保持した状態から更に回転軸が回転させられ、第一ねじ部材が回転させられれば、係合部材がワークピースを保持する力が過大になり、ワークピースと係合部材との少なくとも一方が破損する恐れがある。それに対し、トルクリミッタが設けられていれば、2つの係合部材がワークピースに係合し、保持した状態から更に、回転軸が回転させられても、設定値を超える回転トルクは第一ねじ部材に伝達されない。そのため、例えば、回転軸の回転角度制御に誤差があっても、ワークピースを破損することなく、保持することができる。また、係合部材が摩耗しても、2つの係合部材の接近・離間距離の不足が自動的に回避され、確実にワークピースが保持される。
さらに、運動変換装置を第一,第二ねじ部材を含んで構成することにより容易になる回転軸の回転角度制御が、さらに容易になる。回転軸の回転角度が大きくても、トルクリミッタにより第一ねじ部材への設定値を超えるトルクの伝達が阻止され、ワークピースの破損が回避されるからである。
(10)前記トルクリミッタが、
常に前記第一ねじ部材と共に回転する第一リミッタ部材と、
常に前記回転軸と共に回転する第二リミッタ部材と、
それら第一リミッタ部材と第二リミッタ部材との一方にその一方の回転軸線を中心とする一円周上に複数設けられた第一係合部と、第一リミッタ部材と第二リミッタ部材との他方に保持されて前記第一係合部と弾性的に係合する第二係合部とであって、第一リミッタ部材と第二リミッタ部材との相対回転トルクが前記設定値以下である場合は第二係合部が弟一係合部から外れず、前記設定値を超える場合は外れるものと
を含む (9)項に記載のワークホルダ。
第一ねじ部材と第一リミッタ部材および第二ねじ部材と第二リミッタ部材とは、それぞれ同軸に配設してもよく、異なる軸線上に配設してもよい。
第一リミッタ部材と第二リミッタ部材とは、相対回転トルクが設定値を超えれば相対回転するが、第一係合部が複数設けられているため、回転軸が停止したとき、第一,第二リミッタ部材の位相を問わず、第一係合部と第二係合部とが互いに係合し、トルクリミッタが、設定値以下のトルクは伝達するが、設定値を超えるトルクは伝達しない状態に自動的に復帰し易い。そのため、例えば、ワークピースの保持後、ワークピースを解放する際に作業者が第一,第二係合部を互い係合させて回転軸の回転が第一ねじ部材に伝達されるようにしなくて済むことが多い。
(11)前記第一係合部と第二係合部とが軸方向において互いに対向する(10)項に記載のワークホルダ。
第一リミッタ部材と第二リミッタ部材とは、一方を他方の内側あるいは外側に相対回転可能に嵌合し、第一係合部と第二係合部とが、回転軸線と直交する方向において互いに対向するようにすることも可能である。しかし、第一係合部と第二係合部とを軸方向において互いに対向させれば、トルクリミッタをコンパクトに構成することができる。
(12)前記第一係合部が、前記一円周に沿って連続的に形成された波形の凹凸部の一部分ずつにより構成された(10)項または(11)項に記載のワークホルダ。
波形の凹凸部の、回転軸が停止した際に第二係合部と係合する部分が第一係合部を構成
し、回転軸の回転停止時における第一係合部と第二係合部との相対位相のいかんを問わず、第一,第二係合部が係合し、トルクリミッタとして機能する状態が得られる。
(13)前記第二係合部が、
前記第一リミッタ部材と第二リミッタ部材との前記他方に設けられた収容凹部と、
その収容凹部の先端開口から少なくとも一部が外部に突出可能に保持されたボールと、
前記収容凹部内に配設され、前記ボールを突出方向に付勢する弾性部材と
を備えた(10)項ないし(12)項のいずれかに記載のワークホルダ。
相対回転トルクが設定値以下の状態では、ボールは第一,第二リミッタ部材の一方に係合した状態を保ち、両リミッタ部材を一体的に回転させる。相対回転トルクが設定値を超えたならば、ボールは弾性部材の付勢力に抗して収容凹部内に引っ込み、第一,第二リミッタ部材の相対回転を許容し、トルクの伝達が遮断される。
相対回転トルクの設定値は、弾性部材の弾性力に応じた大きさに設定される。第二係合部が複数設けられる場合、その数は、複数の弾性部材の弾性力に応じた相対回転トルクの和が設定値となるように選定される。
(14)前記第一リミッタ部材が前記第一ねじ部材と同軸に設けられた(10)項ないし(13)項のいずれかに記載のワークホルダ。
第一リミッタ部材を第一ねじ部材とは、異なる軸上に設けてもよい。この場合、例えば、第一リミッタ部材と第一ねじ部材との間に回転伝達装置を設けて第一リミッタ部材の回転が第一ねじ部材に伝達され、共に回転するようにする。本項のワークホルダによれば、例えば、ワークホルダを、回転軸の回転軸線と交差する方向に関してコンパクトに構成することができる。
(15)前記第一ねじ部材が前記回転軸と同軸に配設された (8)項ないし(14)項のいずれかに記載のワークホルダ。
本項のワークホルダによれば、例えば、ワークホルダを、回転軸の回転軸線と交差する方向に関してコンパクトに構成することができる。
(16)前記運動変換装置が、前記本体部材に前記回転軸の回転軸線に平行な方向に移動可能に保持され、第一係合部を有する可動部材と、
前記2つのレバーの各々に設けられ、前記第一係合部と係合する第二係合部と
を含み、それら第一係合部と第二係合部とが、前記可動部材の移動を前記2つのレバーの各々の回動に変換可能な状態で係合する (4)項ないし(15)項のいずれにか記載のワークホルダ。
第一係合部は2つの第二係合部に共通に一つ設けられても、第二係合部の各々に対応して1つずつ設けられてもよい。
(17) (1)項ないし(16)項のいずれかに記載のワークホルダと、
先端部に加工工具を着脱可能に保持する工具保持装置を備えて回転する工具主軸と、
前記加工工具により加工されるべきワークピースが取り付けられるワーク取付部と、
それら工具主軸とワーク取付部とを相対移動させて、工具主軸の工具保持装置に保持された前記ワークホルダに、前記ワークピースを保持させて前記ワーク取付部に取り付けさせるとともに、そのワークホルダの代わりに工具保持装置に保持された加工工具に、ワーク取付部に取り付けられたワークピースを加工させる相対移動装置と
を含む加工機械。
工具主軸,工具保持装置および相対移動装置を利用してワークホルダにワーク取付部へのワークピースの取付けを行わせることができる。ワークホルダを専用の相対移動装置により移動させ、ワーク取付部へのワークピースの取付けを行わせる場合に比較して、加工機械を簡易にかつ安価に構成することができる。また、ワークホルダを、加工工具用の収容装置に収容するようにすれば、専用の収容スペースも不要となる。
工具主軸の工具保持装置に保持されているワークホルダを加工工具と交換し、あるいは加工工具をワークホルダと交換する自動交換機能は、相対移動装置とは別に設けられた自動工具交換装置が果たすようにすることも可能である。しかし、相対移動装置が自動交換機能の少なくとも一部を果たすようにすることも可能であり、そうすれば構成を一層単純化し得る。
以下、本請求可能発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1には本請求可能発明の実施例である加工機械が概略的に図示されている。本加工機械はマシニングセンタであり、ワークピース10を始めとする種々のワークピースが加工される。ワークピース10は、その一面であって、軸線に直角な外面である端面12に開口する開口14を備えている。開口14の内側面16は、本実施例では環状を成し、端面12と直交する面とされている。ワークピース10は、例えば、自動車のトランスミッションのハウジングであり、内側面16は円筒面を成す。
本加工機械は、図1に概略的に示すように、ワークホルダ300,主軸としての工具主軸302(図2参照),ワーク保持治具304,相対移動装置としての工具主軸移動装置306,工具等収容装置307および自動工具交換装置308を含む。本加工機械は、工具主軸302の回転軸線が水平に設けられた所謂横型の機械であり、工具主軸移動装置306は、水平面内において互いに直交する2方向(一方をX軸方向、他方をY軸方向とする)および鉛直方向(Z軸方向とする)に工具主軸302を移動させる。そのため、工具主軸移動装置306は、X軸移動装置310,Y軸移動装置312およびZ軸移動装置314を含む。X軸移動装置310のX軸移動部材316は、エンコーダ付サーボモータ(図示省略)を駆動源とするX軸駆動装置によりX軸方向に移動させられ、Y軸移動装置312のY軸移動部材318は、X軸移動部材316上において、エンコーダ付サーボモータを駆動源とするY軸駆動装置によりY軸方向に移動させられる。Z軸移動装置314のZ軸移動部材320は、Y軸移動部材318上において、エンコーダ付サーボモータを駆動源とするZ軸駆動装置によりZ軸方向に移動させられる。Z軸移動部材320上には主軸ハウジング330が設けられ、加工機械の非回転部を構成し、工具主軸302をX軸方向に平行な水平軸線まわりに回転可能に保持しており、工具主軸302はエンコーダ付サーボモータを駆動源とする主軸回転駆動装置332により回転させられる。サーボモータは回転角度の正確な制御の可能な電動モータであり、サーボモータに替えてステップモータを用いてもよい。
ワーク保持治具304は、本実施例では、X軸移動装置310に対してX軸方向に隣接する位置に固定して設けられており、ワーク取付部を構成し、ワークピース10を保持,解放する。また、Y軸移動部材318上に工具等収容装置307が搭載されている。工具等収容装置307には、複数種類の加工工具342および前記ワークホルダ300が収容されている。工具等収容装置307は主として加工工具342が収容される加工工具収容装置である。前記Z軸移動部材320には工具主軸302と共に自動工具交換装置308が搭載されている。自動工具交換装置308は、水平軸線まわりに回転可能に設けられ、両端部にそれぞれ保持部346を備えた保持部材としての保持アーム348,保持アーム348を回転させるアーム回転駆動装置(図示省略)および保持アーム348を回転軸線に平行な方向に移動させるアーム移動装置(図示省略)等を含み、保持アーム348を回転,移動させることにより、工具主軸302と工具等収容装置307との間で加工工具342およびワークホルダ300の受渡しを行う。本加工機械においてワークピース10は、図示を省略するロボットにより搬入され、搬出される。ワークホルダ300は工具主軸302に取り付けられて、ワークピース10のロボットとの間における受渡しおよびワーク保持治具304との間における受渡しを行う。
ワークホルダ300を説明する。
ワークホルダ300は、図2に示すように、本体部材としてのケーシング400,係合装置402,2つの保持部材404,2つのレバー406,駆動装置408およびトルクリミッタ410を含む。駆動装置408は、回転軸412および運動変換装置414を含む。ケーシング400は、回転軸412を複数の軸受416を介してその軸線まわりに相対回転可能にかつ軸方向に相対移動不能に保持する。回転軸412は、そのケーシング400からの突出部に、突出端ほど直径が直線的に減少するシャンク部418が設けられており、シャンク部418において工具主軸302の先端部に設けられたテーパ状の嵌合孔420に嵌合され、シャンク部418に突設されたプルスタッド(図示省略)がドローバーにより引っ張られ、工具主軸302内に引き込まれて保持される。また、工具主軸302の先端に設けられた複数の係合突起426がそれぞれ、シャンク部418の基端部に設けられた複数の係合凹部428に嵌入させられ、互いに係合させられることにより、回転軸412の工具主軸302に対する回転が阻止され、回転軸412が工具主軸302に共に回転可能に取り付けられる。係合突起426および係合凹部428はそれぞれ、係合部ないし回転伝達部を構成し、両者が回転伝達装置を構成している。回転軸412は、ドローバーによるプルスタッドの保持を解除した状態で、工具主軸302から抜け出す方向に移動させることにより、工具主軸302から取り外すことができる。
ケーシング400は、本実施例では、複数の部材が互いに組み付けられ、固定されて成り、第一部材440および第二部材442を含む。第一,第二部材440,442は、組付け後は一体のケーシング400として機能する。ケーシング400は係合装置402により、前記主軸ハウジング330に係合させられて回転を阻止されるとともに、回転軸412の回転を許容する。係合装置402は、ケーシング400に一体的に設けられたケーシング106と、ケーシング106内に回転軸412の回転軸線に平行な方向に移動可能に嵌合された係合部材108と、係合部材108をケーシング106から後方へ、すなわちケーシング400のシャンク部418が突出させられた側と同じ側へ突出する向きに付勢する付勢装置の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング110とを含む。圧縮コイルスプリング110はスプリングの一種であり、このスプリング110の付勢による係合部材108の移動限度は、係合部材108に設けられた係合部としての半径方向外向きのフランジ部112が、ケーシング100に設けられたストッパとしての肩面114に係合することにより規定される。また、係合部材108は、直径方向に貫通して嵌合された係合部材としてのピン116が、ケーシング106に設けられて係合部を構成する一対の切欠118に嵌入させられることにより、ケーシング106に対する回転を阻止されている。
ピン116はケーシング106から回転軸412側へ延び出させられており、ワークホルダ300が工具主軸302から取り外された状態では、係合部材108はスプリング110の付勢による移動限度位置にあり、ピン116の突出端部がシャンク部418の基端部に設けられた溝120に嵌入し、回転軸412のケーシング400に対する回転を阻止する。回転軸412が工具主軸302に嵌合され、係合凹部428が係合突起426に嵌合されるとき、係合部材108に設けられた係合突部122が、主軸ハウジング330に設けられた係合凹部124に嵌入し、係合部材108の移動が止められる。その状態から更に回転軸412が工具主軸302に嵌合されることにより、ケーシング400,106,回転軸412が係合部材108に対して軸方向に相対移動し、工具主軸302および主軸ハウジング330に接近させられ、ピン116が溝120から抜け出させられる。前記係合突起426は、ピン116が溝120から抜け出す前に係合凹部428に嵌入させられる。ピン116の抜出しにより、ケーシング400と回転軸412との相対回転が許容され、ケーシング400は、回転軸412を相対回転可能に保持し、自身は係合装置402によって主軸ハウジング330に相対回転不能に係合させられ、回転軸412は工具主軸302と共に回転可能となる。ワークホルダ300を工具主軸302から取り外す際には、係合突起426が係合凹部428から抜け出す前にピン116が溝120に嵌入して回転軸412とケーシング400との位相が決められる。
ワークホルダ300は前記加工工具342と同様に工具主軸302に取り付けられる。加工工具342は、テーパ状のシャンク部,工具主軸302の係合突起426に嵌合される係合凹部等を備え、工具主軸302に相対回転不能に嵌合されるとともに、ドローバーにより工具主軸302内に引き込まれて保持される。本実施例では、係合突起426,シャンク部418が嵌合されるテーパ状の嵌合孔420およびドローバー等が工具保持装置を構成している。
ケーシング400を構成する前記第一部材440は、概して円筒状を成し、第二部材442は、第一部材440の外径より大きい直径の円板の一部を切り欠いた形状を有し、第一部材440の開口を塞ぐ状態で同心に固定されている。ケーシング400には、直径方向に隔たった2箇所にそれぞれ、レバー溝468が形成されている。これらレバー溝468はそれぞれ、第一部材440に形成され、その外周面および先端面に開口する溝470と、第二部材442に形成され、第二部材442を軸線方向に貫通し、その先端面および溝470に開口するととともに、外周面に開口する溝480とを含む。溝470,480の幅は同じであり、第一,第二部材440,442にわたってレバー溝468が形成されている。
2つのレバー溝468にはそれぞれ、レバー406が嵌合されるとともに、2つのレバー406はそれぞれ、その溝470側に嵌合された一端部において、軸472によりケーシング400に、回転軸412の回転軸線と直角に立体交差する軸線であって鉛直であり、互いに平行な軸線まわりに回動可能に取り付けられている。レバー406は、溝480を通ってケーシング400の先端面から突出させられており、主として溝480により回動を案内される。溝480がガイドを構成している。
2つのレバー406の各自由端部であって、ケーシング400からの突出端部にそれぞれ、保持部材404が取り付けられている。これら2つの保持部材404はそれぞれ、本実施例では、支持部材としての支持板490および係合部材としての突起部材492を含む。支持板490は長手形状を成し、突起部材492は横断面形状の外周が円形を成し、図3および図4に示すように、2つのレバー406の自由端部にそれぞれ設けられた取付部494に固定手段の一種であるボルト496によってまとめて固定され、互いに直接固定されている。前記第二部材442は、図3に示すように、その外周部の、2つのレバー溝468を含む平面と直交する方向に隔たった箇所が、その平面と平行な切欠面500において切り欠かれており、2つのレバー406の各取付部494はそれぞれ、図3および図4に示すように、レバー406の自由端部から、その長手方向に直角な方向であって、回転軸412の回転軸線と直角に立体交差する方向に延び出させられ、一方の切欠面500を超えて突出させられている。なお、2つのレバー溝468を含む平面と直交し、切欠面500とは反対方向に隔たった箇所も、切欠面500と平行な切欠面501において切り欠かれている。
これら突出端部にそれぞれ、取付面502が回転軸412の回転軸線と平行で水平な一平面上に位置する状態で設けられ、各取付面502上にそれぞれ支持板490が載置されるとともに、突起部材492が、その軸線が支持板490の板面に対して直角(本実施例では鉛直)となる姿勢で載置され、ボルト496等、適宜の固定手段により併せて取付部494に着脱可能に固定されている。支持板490は、固定手段としての別のボルト503によっても取付部494に着脱可能に固定されている。2つの支持板490のそれぞれ、取付部494とは反対側の面が支持面504を構成し、突起部材492の外周面が支持面504に直角な係合面506を構成している。これら2つの支持面504は回転軸412の軸線に平行であるとともに、水平な一平面上に位置し、その一平面の片側にケーシング400,支持板490,レバー406および駆動装置408が配置されている。支持板490については、その支持面504を構成する部分以外の部分が、支持面504が位置する一平面の片側に配置される。また、レバー406の自由端部は、図2に示すように、基端部に対して一平面内において屈曲させられ、支持板490はレバー406の基端部に対して傾斜した姿勢で固定されており、2つの支持板490は、その先端部(レバー406の自由端部側)が互いに接近する姿勢で固定されている。
2つの突起部材492は、2つの支持面504の各々から突出した状態で固定されており、各突起部材492の突出端部にはそれぞれ、図4に示すように、半径方向外向きに延び出すフランジ部510が設けられ、突起部材492,支持板490およびフランジ部510の間に円環状の溝512が設けられている。
前記運動変換装置414は、本実施例では、図2に示すように、第一ねじ部材としての雄ねじ部材180および第二ねじ部材としての雌ねじ部材182を含む。雄ねじ部材180は外周面に雄ねじ部184が形成されており、雄ねじ部材184のリード角は小さくされている。雄ねじ部材180は、回転軸412の軸受416により回転可能に支持された部分よりケーシング400内の部分に、回転軸412の軸線まわりに回転可能かつ軸方向に相対移動不能に嵌合されている。雄ねじ部材180は、ケーシング400により相対回転可能に保持され、回転軸412と同軸に配設されているのである。雌ねじ部材182は内周面に雌ねじ部186が形成されており、雄ねじ部材180と螺合されている。図2および図3に示すように、雌ねじ部材182には、その外周面に開口し、軸方向に平行に延びる係合部としての溝188が設けられ、ケーシング400に半径方向に設けられた係合部としての突部190が嵌入させられており、それにより、雌ねじ部材182はケーシング400に対して軸方向の相対移動は可能であるが、相対回転は不能とされている。したがって、雄ねじ部材180が回転させられれば、雌ねじ部材182は軸方向であって、回転軸412の回転軸線に平行な方向に移動させられる。
前記2つのレバー406はそれぞれ、図2に示すように、雌ねじ部材182に相対回動可能に係合させられている。これらレバー406にはそれぞれ、軸472によってケーシング400に回動可能に連結された部分から、ケーシング400の中心側に延び出す突部200が設けられ、溝470の底壁に設けられた開口520を通り、雌ねじ部材182に設けられた2つの溝202の各々に回動可能に嵌入させられている。2つの溝202はそれぞれ、図3に一方を示すように、雌ねじ部材182の外周面に開口し、その軸線と直角に立体交差する方向であって、レバー406の回動軸線と平行な方向に貫通して互いに平行に設けられている。
突部200は、図2に示すように、レバー406の回動平面(本実施例では水平面)内においてレバー406の回動軸線と回転軸412の回転軸線との両方を通る直線と直交し、レバー406の回動軸線と平行な軸線を中心線とする円柱の外周部の一部が切り欠かれた形状を備え、溝202の雌ねじ部材182の軸線に平行な方向に隔たった一対の側面にそれぞれ、摺動を伴う相対回動可能に接触させられている。したがって、雌ねじ部材182が軸方向に移動させられれば、溝202の移動により突部200が軸472の軸線まわりに回動させられ、一対のレバー406が一斉に回動させられる。雌ねじ部材182の軸方向の移動が、溝202および突部200によってレバー406の回動に変換されるのであり、本実施例では、溝202が第一係合部を構成し、雌ねじ部材182の溝202が設けられた部分が可動部材を構成し、突部200が第二係合部を構成し、雄ねじ部材180および雌ねじ部材182と共に運動変換装置414を構成している。
上記雄ねじ部材180と回転軸412との間に、図2に示すように、前記トルクリミッタ410が設けられている。雄ねじ部材180の先端部、すなわち回転軸412のシャンク部418側とは反対側の端部は大径とされ、第一リミッタ部材220が一体に設けられている。本実施例では、第一リミッタ部材220は雄ねじ部材180と同軸に設けられ、常に雄ねじ部材180と共に回転する。第一リミッタ部材220の円環状の端面には、雄ねじ部材180の回転軸線を中心とする一円周に沿って、波形の凹凸部222が連続して形成され、第一係合部を構成している。凹凸部222は、図5に展開して示すように、断面形状がそれぞれ弓形を成し、雄ねじ部材180の回転軸線を中心として放射状に延び、交互に設けられた複数ずつの凹部224と凸部226とを含む。
回転軸412にはまた、図2に示すように、第一リミッタ部材220に軸方向において先方側ないし前方側(シャンク部418とは反対側)に隣接して第二リミッタ部材230が同心に固定されている。第二リミッタ部材230は回転軸412の先端部に嵌合され、ボルト等、適宜の固定手段によって回転軸412に固定されるとともに、ケーシング400により軸受248を介して回転可能に保持されており、それぞれ係合部を構成するピン250および凹部252を含む回転伝達装置ないし相対回転阻止装置により、回転軸412の回転が第二リミッタ部材230に伝達される。回転軸412は、その前端部を第二リミッタ部材230を介してケーシング400により回転可能に支持され、第二リミッタ部材230は常に回転軸412と共に回転するのであり、第二係合部を構成する複数のボールプランジャ232を保持している。
第二リミッタ部材230には、第一リミッタ部材220の凹凸部222に対向する側の面に開口し、回転軸412の回転軸線に平行な方向に延びる複数の収容凹部234が等角度間隔に設けられるとともに、それぞれボール236が収容されている。収容凹部234の開口は、ボール236の直径よりやや小さくされ、ボール236は、収容凹部234の先端開口から一部が外部に突出可能に保持されている。また、ボール236は、収容凹部234内に配設された弾性部材の一種であるスプリングとしての圧縮コイルスプリング238により、収容凹部228から突出する方向に付勢されており、その突出部が、前記凹凸部222の凹部224の各々に嵌入させられる。凹凸部222とボールプランジャ232とは軸方向において互いに対向し、第一,第二リミッタ部材220,230は、複数のボールプランジャ232の各ボール236がそれぞれ複数の凹部224の各々に係合する複数の位相で互いに係合することができる。凹凸部222の各位相においてボール236が嵌入する部分がそれぞれ第一係合部を構成し、凹凸部222の一部分ずつにより第一係合部が構成されている。
第一リミッタ部材220と第二リミッタ部材230との相対回転トルクが、設定値、すなわち複数のボールプランジャ232の各々においてボール236をスプリング238の付勢力に抗して後退させるのに必要なトルクの和以下の状態では、ボール236が凹部224に嵌入した状態に保たれ、第一,第二リミッタ部材220,230は一体的に回転させられ、回転軸412の回転が雄ねじ部材180に伝達されて、雄ねじ部材180が回転軸412と共に回転する。相対回転トルクが上記トルクの和を超えれば、複数のボール236がスプリング238の付勢力に抗して一斉に収容凹部234内に引っ込まされ、凸部226を乗り越えて第二リミッタ部材230が第一リミッタ部材220に対して回転し、回転軸412の回転が雄ねじ部材180に伝達されなくなる。ボールプランジャ232は、適切な設定値が得られ、2つの保持部材404がワークピース10を適切に保持することができる力に対応する設定値(設定トルク)が得られる数、設けられる。
本加工機械は、制御装置550(図1参照)により制御される。制御装置270はコンピュータを主体として構成されており、ワーク保持治具304,工具主軸移動装置306,工具等収容装置307,自動工具交換装置308,主軸回転駆動装置332等を制御し、ワークホルダ300によるワークピース10の保持,開放、加工工具342によるワークピース10の加工等を制御する。
ワークホルダ300によるワークピース10の保持を説明する。
ワークホルダ300は、図示を省略するロボットから未加工のワークピース10を受け取ってワーク保持治具304に保持させ、加工後、ワーク保持治具304から加工済みのワークピース10を受け取ってロボットに渡す。そのため、加工に先立ってワークホルダ300が工具主軸302に取り付けられる。工具主軸302は工具主軸移動装置306により工具等収容装置307へ移動させられ、自動工具交換装置308により、工具主軸302が保持した加工工具342が工具等収容装置307へ戻され、工具等収容装置307に収容されているワークホルダ300が工具主軸302の工具保持装置に保持される。この際、前述のように、ワークホルダ300の回転軸412がシャンク部418において工具主軸302の嵌合孔420に嵌合され、係合突起426と係合凹部428との嵌合により相対回転を阻止されるとともに、ケーシング400が係合装置402により主軸ハウジング330に相対回転不能に係合させられて、回転軸412が工具主軸302と共に回転可能とされる。回転軸412は回転するが、ケーシング400は回転せず、保持部材404,レバー406,雌ねじ部材182も回転しない。また、ワークホルダ300が工具等収容装置307に収容された状態では、2つのレバー406は閉じられ、図2に示すように、長手方向が回転軸412の回転軸線とほぼ平行な姿勢で全体が溝470内に収納され、2つの保持部材404が互いに最も接近させられた収納位置に位置させられている。この収納位置は、非保持位置ないし解放位置でもあり、ワークホルダ300はレバー406等が収納位置に位置する状態で工具主軸302に取り付けられる。また、本加工機械は横型であり、ワークホルダ300は回転軸412が水平であって横向きとなり、2つの保持部材404の各支持面504が水平かつ上向きとなる姿勢で保持され、2つの突起部材492はそれぞれ支持面504から上方へ突出している。さらに、突部200は、軸472の回動軸線を含み、レバー406の水平な回動平面に直角な面である鉛直面に対して軸472の軸線より後方側(工具主軸302側)の原位置に位置している。
そして、工具主軸302が工具主軸移動装置306により移動させられ、工具主軸302に保持されたワークホルダ300にロボットからワークピース10を受け取らせる。この際、2つのレバー406は閉じられ、図2に示すように、回転軸412の回転軸線とほぼ平行な姿勢でレバー溝468内に収納されて、非保持位置ないし収納位置に位置させられている。ワークピース10はロボットにより、図1に示すワーク保持治具304により保持されたワークピース10と同様に、その開口14および端面12が下向きとなる状態で保持されており、ワークホルダ300は工具主軸移動装置306により移動させられ、2つの保持部材404およびレバー406がワークピース10の下側へ進入させられるとともに、突起部材492が開口14内に入り込み、突起部材492の軸線に平行な方向において、2つのレバー406が開かれることにより内側面16に係合する位置であって、予め設定された係合位置(作動位置,保持位置でもある)へ移動させられる。
その状態で工具主軸302が主軸回転駆動装置332によりワークピース保持方向へ回転させられる。それにより回転軸412が回転させられるとともに、その回転がトルクリミッタ410を介して雄ねじ部材180に伝達され、雄ねじ部材180が回転させられる。ワークピース10を保持する際には、ボール236が凹凸部222の凹部224に嵌入しており、回転軸412の回転により雄ねじ部材180が回転させられるのである。それにより、雌ねじ部材182が前進させられ、例えば、図6に示すように、2つのレバー406が一斉に対称にケーシング400から突出する方向へ回動させられ、2つの保持部材404が回転軸412の回転軸線から離れる方向に移動させられて互いに離間させられ、2つの突起部材492が互いに離間させられて開かれる。そして、ワークピース10の開口14を画定する部分の一部が溝512に嵌入し、2つの保持部材404の各突起部材492の係合面506がそれぞれ、内側面16の2箇所に線状に接触し、互いに共同してワークピース10を保持する。2つの保持部材404がワークピース10を保持する際の保持部材404およびレバー406の位置を保持位置(2つの保持部材404の接近・離間方向における保持位置である)と称する。
回転軸412および雄ねじ部材180の回転角度を大きくすれば、保持部材404の移動距離が大きくなり、レバー406の回動角度の設定により、2つの保持部材404の最大接近・離間距離を変えることができる。2つの保持部材404にワークピース10を保持させるための工具主軸302の回転角度である保持角度は、ワークピース10の大きさに応じて予め設定されている。2つの保持部材404にワークピース10を解放させるための工具主軸302の回転角度である解放角度は、ここでは、レバー406等が収納位置に位置する状態での角度である。保持角度は、ワークホルダ300がワークピース10を確実に保持し得る大きさに設定されており、工具主軸302は2つの保持部材404の各突起部材492が内側面16に係合した後も更に回転させられる。本ワークホルダ300においては、雄ねじ部材180がリード角が小さいものとされており、工具主軸302の単位回転角度に対する雌ねじ部材182の移動距離、ひいては保持部材404の移動距離が短く、工具主軸302の回転停止位置に誤差が生じた場合でも、保持部材404の停止位置誤差が小さくて済み、工具主軸302の回転角度の制御精度が低くてよく、制御を容易に行うことができる。
その上、本実施例においては、トルクリミッタ410が設けられているため、ワークピース10を損傷することなく確実に保持することができ、回転角度制御を一層容易に行うことができる。第二リミッタ部材230から第一リミッタ部材220に伝達される回転トルクは、突起部材492が内側面16に係合するまでの間は設定値以下であるが、係合後、回転軸412が更に回転させられることにより急激に増大する。そして、予め設定された設定値を超えれば、ボール236がスプリング238の付勢力に抗して収容凹部234内に引っ込んで凸部226を乗り越え、第二リミッタ部材230が第一リミッタ部材220に対して回転し、雄ねじ部材180に設定値を超える回転トルクが伝達されることが回避される。そのため、工具主軸302の回転角度が大きめに設定されていても、2つのレバー406が無理に回動させられてワークピース10を破損することがない。工具主軸302は所定角度回転させられた状態において停止させられ、ボール236は凹部224に嵌入した状態となる。凹凸部222は複数ずつの凹部224および凸部226を含み、工具主軸302の回転停止時における第一,第二リミッタ部材220,230の位相を問わず、ボール236は凹部224に嵌入して相対回転トルク伝達状態に復帰することができる。
このようにワークホルダ300がワークピース10を保持したならば、工具主軸302が工具主軸移動装置306により移動させられ、ワークピース10がロボットから取り外される。そして、工具主軸302がワーク保持治具304へ移動させられ、ワークホルダ300にワークピース10をワーク保持治具304に取り付けさせるのであるが、ワークホルダ300はワークピース10を下側から保持し、図4に示すように、ワークピース10の開口14を画定する部分が溝512内にあって支持面504が端面12の下に位置している。そのため、ワークホルダ300は2つの支持面504において端面12の開口近傍部に接触してワークピース10を下方から面で支持することができ、ワークピース10が重くても、落下の恐れなく保持して搬送することができる。特に本ワークホルダ300は2つの保持部材404がいずれも支持面504を有しており、また、支持板490は長手形状を成すとともに、レバー406に対して傾斜して固定され、支持面504が大きくされるとともに、端面12にできる限り大きい面積で接触するようにされており、ワークピース10を安定して支持することができる。端面12は被支持面であり、内側面16は、被支持面と直交する方向に延びた面であり、そのうち、2つの突起部材492がそれぞれ係合する部分が、互いに反対向きの2つの被係合面を構成する。
ワークホルダ300はワーク保持治具304への移動後、下降させられ、ワークピース10を取り付ける。ワークピース10がワーク保持治具304により保持された後、工具主軸302がワークピース10を保持する際とは逆の方向に同じ角度、回転させられる。それにより、雄ねじ部材180が逆方向に回転させられて雌ねじ部材182が後退させられ、2つのレバー406が一斉に収納位置へ回動させられ、2つの突起部材492が互いに接近させられて内側面16から離れ、ワークピース10を解放する。そして、工具主軸302がZ軸移動装置314により下降させられるとともに、X軸移動装置310およびY軸移動装置312によりX軸,Y軸方向へ移動させられ、ワークホルダ300がワークピース10から抜け出させられるとともに、工具主軸302が工具主軸移動装置306により移動させられ、ワークホルダ300が工具等収容装置307へ移動させられる。次いで、ワークホルダ300が加工工具342と交換され、ワークホルダ300の代わりに加工工具342が工具保持装置により保持され、工具主軸302が工具主軸移動装置306により移動させられて、ワーク保持治具304に保持されたワークピース10が加工工具342により加工される。加工工具342は、例えば、ワークピース10の外面や、外面に開口する穴の内側面等を加工する。
加工終了後、加工工具342がワークホルダ300と交換され、工具保持装置によりワークホルダ300が保持され、工具主軸302にワークホルダ300が取り付けられる。そして、ワークホルダ300はワーク保持治具304へ移動させられて加工後のワークピース10を保持する。この保持は、ワークホルダ300がロボットからワークピース10を受け取る場合と同様に行われ、ワーク保持治具304からワークピース10を取り外してロボットに渡す。そして、ロボットから未加工のワークピース10を受け取り、ワーク保持治具304に取り付ける。そのため、ワークホルダ300がロボットに渡したワークピース10を解放する際には、レバー406等は収納位置までは回動させられず、係合面506が内側面16から離間してワークピース10を解放し、突起部材492が開口14から抜け出すのに十分な解放位置まで回動させられる。工具主軸302の逆方向(ワーク解放方向)への回転角度がそのように設定される。ロボットから未加工のワークピース10を受け取る際にレバー406等は解放位置から保持位置へ移動させられるが、この回動角度はレバー406等が収納位置まで戻される場合より小さく、レバー406ないし保持部材404の開閉が迅速に行われ、ワークピース10の受渡しが迅速に行われる。ロボットへのワークピース10の渡し後、ロボットから未加工のワークピース10を受け取る場合でも、レバー406等を収納位置まで戻してもよく、また、ワークピース10を受け取らない場合には、収納位置へ戻される。
ワークホルダ300においては、例えば、図7に示すように、回転軸412の回転角度を大きくし、レバー406の回動角度を大きくするほど、保持部材404の半径方向への移動距離を大きくし、開口14が大きいワークピース10を保持することができる。回転軸412ないし工具主軸302の回転角度はワークピース10の種類に応じて予め設定されている。2つのレバー406は、ワークピース10を保持しない状態では、図2に示すように閉じられてレバー溝468内に収納されており、ワークホルダ300は収縮してコンパクトな状態とされる。
ワーク保持治具304にワークピース10を取り付ける際、ワークピース10を解放するために2つずつの保持部材404およびレバー406を収納位置へ戻すことは不可欠ではない。例えば、ワークホルダ300に、連続して複数のワークピース10のワーク保持治具304への保持を行わせる作業態様では、ワークホルダ300がワークピース10を1個、ワーク保持治具304に保持させる毎にレバー406等をレバー溝468内に収納しなくてもよく、保持部材404,レバー406を、ワークピース10の内側面16の大きさに応じた保持位置と、その保持位置から、内側面16から離れてワークピース10を解放するのに足る解放位置との間で回動させ、移動させればよい。この場合、工具主軸302ないし回転軸412は、レバー406等を保持位置と、収納位置までは至らない解放位置との間で移動させる角度、回転させられ、保持時と解放時とにおいて正逆両方向に同じ角度回転させられる。回転軸412の回転角度を大きくするほど、保持部材404の移動距離を大きくし、内側面16が大きいワークピース10を保持することができ、ワークピース10を保持,解放するための工具主軸302ないし回転軸412の回転角度範囲(保持角度と解放角度との間の角度範囲)は、内側面16の大きさに応じて複数種類、設定される。
なお、長手形状を成す支持部材とレバーの長手方向との成す角度を変更可能としてもよい。例えば、上記実施例において、支持板490をボルト496のみによって取付部494に固定するようにし、ボルト496の螺合を緩め、支持板490をボルト496の軸線まわりに回動させてレバー406の長手方向との成す角度を変更する。
また、ワークホルダは、支持部材が係合部材より上側に位置し、支持面が下向きとなる状態でワークピースを保持し、ワークピースを上方からぶら下げるように工具保持装置に保持させてもよい。この場合、支持部材が係合部材より上側に位置し、支持部材の支持面が下向きとされ、上向きの被支持面に上側から係合してワークピースの傾きやずれを規制し、落下することなく、搬送されるようにする。
さらに、マシニングセンタ等加工機械は、主軸が鉛直軸線まわりに回転させられる所謂縦型の加工機械でもよい。この場合、ワークホルダは、例えば、支持面が鉛直となり、2つの係合部材が鉛直面内で接近・離間させられてワークピースを保持・解放することとなり、支持面はワークピースを下方から支持することはないが、ワークピースのずれや傾きを規制し、2つの係合部材によるワークピースの保持を補助する。
また、上記実施例においてワークホルダ300は、2つの係合部材が互いに離間させられてワークピース10を保持し、互いに接近させられてワークピース10等を解放するものとされていたが、互いに接近させられてワークピース10を保持し、互いに離間させられてワークピース10を解放するものとしてもよい。ワークピースの被保持部を外側から保持させるのである。この場合、保持部材のワークピースを保持する部分の形状は、例えば、ワークピースの被保持部の形状等に応じた形状とされる。例えば、保持部材に横断面形状が三角形状の凹部を設け、その凹部の互いに交差する2つの面を係合面とし、被保持部の被保持面たる外側面に接触させて保持させる。
さらに、2つの係合部材のワークピースの保持・解放動作の少なくとも一部と、相対移動装置によるワークホルダとワーク保持治具との相対移動の少なくとも一部とが並行して行われるようにしてもよい。
また、工具主軸は、鉛直軸線および水平軸線以外の軸線まわりに回転するものとしてもよい。
さらに、相対移動装置は、ワーク取付部を移動させる装置としてもよく、工具主軸とワーク取付部との両方を移動させる装置としてもよい。
また、本請求可能発明は、マシニングセンタ以外の加工機械であって、ワークホルダを備えた加工機械およびその加工機械のワークホルダや、加工機械以外の装置等においてワークピースを保持するワークホルダにも適用することができる。
以上、本請求可能発明のいくつかの実施例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本請求可能発明は、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した形態で実施することができる。
本発明の実施例である加工機械を示す正面図である。 上記加工機械のワークホルダを示す平面図(一部断面)である。 上記ワークホルダを示す側面図(一部断面)である。 上記ワークホルダを示す正面図(一部断面)である。 上記ワークホルダのトルクリミッタの凹凸部およびボールを示す展開図である。 上記ワークホルダによるワークピースの保持を説明する図である。 上記ワークホルダによる別のワークピースの保持を説明する図である。
符号の説明
10:ワークピース 12:端面 14:開口 16:内側面 180:雄ねじ部材 182:雌ねじ部材 184:雄ねじ部 186:雌ねじ部 200:突部 202:溝 220:第一リミッタ部材 222:凹凸部 224:凹部 226:突部 230:第二リミッタ部材 234:収容凹部 236:ボール 238:圧縮コイルスプリング 300:ワークホルダ 302:工具主軸 304:ワーク保持治具 306:工具主軸移動装置 307:工具等収容装置 308:自動工具交換装置 330:主軸ハウジング 342:加工工具 404:保持部材 406:レバー 408:駆動装置 410:トルクリミッタ 412:回転軸 414:運動変換装置 490:支持板 492:突起部材 504:支持面 506:係合面

Claims (6)

  1. 被支持面と、その被支持面と交差する方向に延びた互いに反対向きの2つの被係合面とを備えたワークピースを保持するワークホルダであって、
    本体部材と、
    前記被支持面を支持する支持面を備えた少なくとも1つの支持部材と、
    前記2つの被係合面と係合する2つの係合部材と、
    それぞれ前記本体部材に保持され、それぞれ前記2つの係合部材の各々を保持するとともに、少なくとも一方が前記支持部材をも保持する2つのレバーと、
    それら2つのレバーを回動させることにより、前記2つの係合部材を互いに接近・離間する方向に移動させる駆動装置と
    を含むことを特徴とするワークホルダ。
  2. 一面に開口する開口を備えたワークピースを保持するワークホルダであって、
    本体部材と、
    それぞれ前記一面に接触して前記ワークピースを支持する支持面を備えた2つの支持部材と、
    それら支持部材の前記支持面の各々から突出し、前記開口内に入り込んで開口の内側面に係合する2つの係合部材と、
    それぞれ前記本体部材に保持され、各々前記一対の支持部材の各々を保持する2つのレバーと、
    それらレバーを回動させることにより、前記2つの支持部材を前記2つの係合部材が互いに接近・離間する方向に移動させる駆動装置と
    を含むことを特徴とするワークホルダ。
  3. 前記本体部材に回転軸が相対回転可能に保持されており、前記駆動装置が、その回転軸と、その回転軸の本体部材に対する相対回転を前記2つのレバーの回動に変換する運動変換装置とを含み、前記回転軸が加工機械の主軸に取り外し可能に取り付けられ、前記本体部材が加工機械の非回転部と係合させられることを特徴とする請求項1または2に記載のワークホルダ。
  4. 前記支持部材の支持面が前記回転軸の軸線に平行であり、その支持面が一平面上に位置し、その一平面の片側に前記本体部材,支持部材,レバーおよび駆動装置が配置されたことを特徴とする請求項3に記載のワークホルダ。
  5. 前記運動変換装置が、
    前記回転軸と共に回転する第一ねじ部材と、
    前記本体部材に相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に保持され、前記第一ねじ部材と螺合された第二ねじ部材と
    を含み、第二ねじ部材の前記本体部材に対する軸方向の相対移動を前記2つのレバーの回動に変換するものであることを特徴とする請求項3または4に記載のワークホルダ。
  6. 前記第一ねじ部材が前記本体部材に相対回転可能に保持されており、その第一ねじ部材と前記回転軸との間に、設定値以下のトルクは伝達するが設定値を超えるトルクは伝達しないトルクリミッタが設けられたことを特徴とする請求項6に記載のワークホルダ。
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