JP2005246488A - ワークホルダ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ケーシング400に2つのレバー406を回動可能に取り付け、その自由端部にそれぞれ支持板490,突起部材492を備えた保持部材404を設ける。回転軸412の回転を、雄ねじ部材180,雌ねじ部材182,突部200,溝202を含む運動変換装置92によりレバー406の回動運動に変換し、保持部材404を移動させてワークピース10を保持させる。ワークピース10の保持部材404が係合する2つの被係合面間の距離が大きい場合、保持部材404がケーシング400から大きく離間するが、ワークピース10を保持する場合以外にはレバー406をケーシング400側へ回動させ、閉じておくことができ、ワークホルダ300の大形化を回避しつつ、大きさが異なる複数種類のワークピース10を保持し得る。
【選択図】 図2
Description
また、特許文献2に記載のワークホルダにおいても同様の問題がある。このワークホルダにおいては、保持部材がラックの移動により直線移動させられるため、被保持部の大きさが異なる複数種類のワークピースを保持しようとすれば、ラックを長くして保持部材の移動距離を大きくすることとなり、ワークホルダが大形となることを避け得ないのである。
本発明は、以上の事情を背景としてなされたものであり、大形化を抑えつつ、大きさが異なる複数種類のワークピースを保持することができるワークホルダを提供することを課題とする。
本発明に係るワークホルダにおいては、駆動装置によって2つのレバーが回動させられ、2つの係合部材が被係合面に係合させられてワークピースを保持する。また、2つの係合部材がワークピースに係合するとき、支持部材が支持面においてワークピースの被支持面に接触可能となり、ワークピースを支持することが可能な状態とされる。駆動装置によって2つのレバーが逆方向に回動させられれば、2つの係合部材が被係合面から離間させられてワークピースを解放するとともに、支持部材が被支持面から離間させられてワークピースを解放する。
レバーの長さ、すなわちレバーの回動軸線と係合部材との距離と、レバーの回動角度との少なくとも一方の設定により、2つの係合部材の最大接近・離間距離を変えることができる。したがって、レバーを、被保持部の大きさが異なる複数種類のワークピースを保持可能な長さを有するものとし、2つの被係合面間の距離に応じてレバーの回動角度を設定することにより、複数種類のワークピースを保持することができる。2つの被係合面間の距離が大きいワークピースを保持する際にはレバーが回動させられて係合部材が本体部材から大きく離間させられるが、ワークピースを保持する場合以外には、レバーを本体部材側へ回動させ、閉じておくことができ、ワークホルダが大形となることを回避しつつ、大きさが異なる複数種類のワークピースを保持し得るワークホルダを得ることができる。
また、本ワークホルダは支持面を備えており、ワークピースを面によって支持することができるため、ワークピースを安定して保持することができる。例えば、被支持面が下向きであり、支持面が上向きに設けられる場合、支持部材はワークピースを下方から支持することができ、ワークピースが重い場合、特に、重くかつ重心が2つの係合部材により保持される2つの被係合部を結ぶ直線から外れていて、その直線まわりの回転トルクが生じる場合でも、安定して保持することができる。被支持面が上向きの面である場合には、支持面が下向きの面となるが、ワークピースの2つの被係合部を結ぶ直線まわりの回転はやはり支持面により防止され、ワークホルダは重いワークピースでも安定して保持することができる。被支持面および支持面が垂直あるいは傾斜している場合でも同様である。ワークピースを安定して保持するためには支持部材を2つ設けることが望ましいが、例えば、ワークホルダが加工機械に設けられ、装置間におけるワークピースの受渡しに用いられる場合、ワークピースを加工時ほど精度良く強固に保持しなくてよく、支持部材は1つでもよい。支持面が1つであっても、面によってワークピースを広く支持することができ、1つで足る場合もあるのである。
本ワークホルダにおいては、2つの係合部材が開口の内側面に係合してワークピースを保持するとともに、2つの支持面がワークピースを支持する。2つの係合部材はそれぞれ内側面に、互いに離間する方向に力を加えて係合し、2つの支持面はその近傍においてワークピースを支持し、ワークピースが安定して保持される。第二発明に係るワークホルダにより保持されるワークピースは、第一発明に係るワークホルダにより保持されるワークピースの一種であり、第一発明に係るワークホルダによっても保持することができる。
第二発明に係るワークホルダにおいても、レバーの長さおよび回動角度の設定により、大形化を抑えつつ、開口の大きさが異なる複数種類のワークピースを保持することができる。
本体部材と、
前記被支持面を支持する支持面を備えた少なくとも1つの支持部材と、
前記2つの被係合面と係合する2つの係合部材と、
それぞれ前記本体部材に保持され、それぞれ前記2つの係合部材の各々を保持するとともに、少なくとも一方が前記支持部材をも保持する2つのレバーと、
それら2つのレバーを回動させることにより、前記2つの係合部材を互いに接近・離間する方向に移動させる駆動装置と
を含むワークホルダ。
本体部材と、
それぞれ前記一面に接触して前記ワークピースを支持する支持面を備えた2つの支持部材と、
それら支持部材の前記支持面の各々から突出し、前記開口内に入り込んで開口の内側面に係合する2つの係合部材と、
それぞれ前記本体部材に保持され、各々前記一対の支持部材の各々を保持する2つのレバーと、
それらレバーを回動させることにより、前記2つの支持部材を前記2つの係合部材が互いに接近・離間する方向に移動させる駆動装置と
を含むワークホルダ。
(3)前記支持部材が長手形状をなし、それの長手方向と前記レバーの長手方向との成す角度が変更可能である (1)項または (2)項に記載のワークホルダ。
本項のワークホルダによれば、例えば、ワークピースの形状,寸法等に応じて支持面によるワークピースの支持位置を変更することができ、より安定してワークピースを保持することが可能となる。
回転軸が回転させられることにより運動変換装置を介してレバーが回動させられ、係合部材がワークピースを保持・解放する。
運動変換装置は、例えば、(8)項に記載のワークホルダのように、互いに螺合された第一,第二ねじ部材を含む装置とされ、あるいは、カムおよびカムフォロワを含む装置とされる等、種々の構成が採用可能である。後者の運動変換装置は、回転軸と共にカムを回転させるとともに、カムにより与えられるカムフォロワの運動によって2つのレバーを直接回動させる装置とされる。
(5)前記回転軸が加工機械の主軸に取り外し可能に取り付けられ、前記本体部材が加工機械の非回転部と係合させられる (4)項に記載のワークホルダ。
本項のワークホルダは、加工機械に取り付けられて、例えば、加工機械において加工されるワークホルダのワーク取付部に対する取付け,取外しに用いられる。本体部材は非回転部との係合により回転を阻止され、回転軸が主軸により回転させられてレバーが回動させられる。工作機械の主軸の回転を利用してレバーが回動させられ、ワークピースの保持・解放が容易にかつ安価に行われる。
(6)前記支持部材の支持面が前記回転軸の軸線に平行である (4)項または (5)項に記載のワークホルダ。
本項によれば、例えば、ワークホルダを回転軸線と交差する方向においてコンパクトに構成することができる。
(7)前記支持部材の支持面が一平面上に位置し、その一平面の片側に前記本体部材,支持部材,レバーおよび駆動装置が配置された (6)項に記載のワークホルダ。
支持面の片側に本体部材等を配置すれば、支持面の本体部材等とは反対側の空間が空き、例えば、形状,寸法等が種々に異なるワークピースを本体部材等との干渉を生じることなく、支持面に支持させることができる。
本項のワークホルダであって、2つの係合部材のそれぞれに対応して支持部材が設けられる場合には、それら支持部材の各支持面がそれぞれ一平面上に位置させられる。2つの支持部材の支持面が同一平面上に位置することは不可欠ではなく、例えば、互いに平行な異なる2つの平面内にそれぞれ位置するように支持面を設けてもよい。この支持面を有するワークホルダは、例えば、段付き状の部分を備え、互いに平行な異なる2つの平面内にそれぞれ位置する2つの被支持面を有するワークピースの保持に適している。
前記回転軸と共に回転する第一ねじ部材と、
前記本体部材に相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に保持され、前記第一ねじ部材と螺合された第二ねじ部材と
を含み、第二ねじ部材の前記本体部材に対する軸方向の相対移動を前記2つのレバーの回動に変換するものである (4)項ないし (7)項のいずれかに記載のワークホルダ。
第一ねじ部材および第二ねじ部材は、回転軸と同軸に配設してもよく、異なる軸線上に配設してもよい。例えば、第一,第二ねじ部材を回転軸の軸線を含む一平面内に位置し、回転軸の軸線と平行な軸線上に配設してもよい。この場合、例えば、第一ねじ部材と回転軸との間に、回転軸の回転を第一ねじ部材に伝達する回転伝達装置が設けられ、第一ねじ部材が回転軸と共に回転するようにされる。
本項のワークホルダにおいては、回転軸が回転させられ、第一ねじ部材が回転させられることにより、第一ねじ部材に螺合された第二ねじ部材が軸方向に移動させられ、2つのレバーが一斉に回動させられて係合部材がワークピースを保持・解放する。第一ねじ部材は、ワークピースを保持する場合と解放する場合とにおいて互いに逆向きに回転させられ、2つのレバーが一斉にワークピース保持方向あるいは解放方向に回動させられる。
本ワークホルダによれば、回転軸の回転を利用して係合部材にワークピースを保持,解放させるのであるが、回転軸の回転角度、すなわち回転軸を回転させる回転軸駆動装置の回転角度の制御を容易に行うことができる。第一,第二ねじ部材のねじのリード角を小さくすれば、第一ねじ部材の同じ回転角度に対する第二ねじ部材の軸方向の移動距離を短くすることができ、回転軸の実際の回転角度がワークピースの保持に必要な角度より多少大きくても、第二ねじ部材の軸方向の移動距離の増大が小さくて済む。したがって、ワークピースを保持,解放するための回転軸の回転角度が、保持に適した角度よりやや大きめになっても、ワークピースに過大な保持力を加えて破損することなく、確実に保持することができ、回転軸の回転角度の制御を低くすることができ、制御が容易になる。
また、本ワークホルダは、被保持部の大きさが異なる複数種類のワークピースの保持に適している。回転軸および第一ねじ部材の回転角度を大きくすれば、レバーの回動角度が大きくなって係合部材の移動距離が大きくなるため、複数種類の被保持部の寸法に合わせて、それらを保持,解放するための回転軸の回転角度範囲(保持角度と解放角度との間の角度範囲)を複数種類設定することにより、被保持部の大きさの違いに対応することが容易なのである。
ワークピースを保持する際、2つの係合部材がワークピースに係合し、保持した状態から更に回転軸が回転させられ、第一ねじ部材が回転させられれば、係合部材がワークピースを保持する力が過大になり、ワークピースと係合部材との少なくとも一方が破損する恐れがある。それに対し、トルクリミッタが設けられていれば、2つの係合部材がワークピースに係合し、保持した状態から更に、回転軸が回転させられても、設定値を超える回転トルクは第一ねじ部材に伝達されない。そのため、例えば、回転軸の回転角度制御に誤差があっても、ワークピースを破損することなく、保持することができる。また、係合部材が摩耗しても、2つの係合部材の接近・離間距離の不足が自動的に回避され、確実にワークピースが保持される。
さらに、運動変換装置を第一,第二ねじ部材を含んで構成することにより容易になる回転軸の回転角度制御が、さらに容易になる。回転軸の回転角度が大きくても、トルクリミッタにより第一ねじ部材への設定値を超えるトルクの伝達が阻止され、ワークピースの破損が回避されるからである。
(10)前記トルクリミッタが、
常に前記第一ねじ部材と共に回転する第一リミッタ部材と、
常に前記回転軸と共に回転する第二リミッタ部材と、
それら第一リミッタ部材と第二リミッタ部材との一方にその一方の回転軸線を中心とする一円周上に複数設けられた第一係合部と、第一リミッタ部材と第二リミッタ部材との他方に保持されて前記第一係合部と弾性的に係合する第二係合部とであって、第一リミッタ部材と第二リミッタ部材との相対回転トルクが前記設定値以下である場合は第二係合部が弟一係合部から外れず、前記設定値を超える場合は外れるものと
を含む (9)項に記載のワークホルダ。
第一ねじ部材と第一リミッタ部材および第二ねじ部材と第二リミッタ部材とは、それぞれ同軸に配設してもよく、異なる軸線上に配設してもよい。
第一リミッタ部材と第二リミッタ部材とは、相対回転トルクが設定値を超えれば相対回転するが、第一係合部が複数設けられているため、回転軸が停止したとき、第一,第二リミッタ部材の位相を問わず、第一係合部と第二係合部とが互いに係合し、トルクリミッタが、設定値以下のトルクは伝達するが、設定値を超えるトルクは伝達しない状態に自動的に復帰し易い。そのため、例えば、ワークピースの保持後、ワークピースを解放する際に作業者が第一,第二係合部を互い係合させて回転軸の回転が第一ねじ部材に伝達されるようにしなくて済むことが多い。
(11)前記第一係合部と第二係合部とが軸方向において互いに対向する(10)項に記載のワークホルダ。
第一リミッタ部材と第二リミッタ部材とは、一方を他方の内側あるいは外側に相対回転可能に嵌合し、第一係合部と第二係合部とが、回転軸線と直交する方向において互いに対向するようにすることも可能である。しかし、第一係合部と第二係合部とを軸方向において互いに対向させれば、トルクリミッタをコンパクトに構成することができる。
(12)前記第一係合部が、前記一円周に沿って連続的に形成された波形の凹凸部の一部分ずつにより構成された(10)項または(11)項に記載のワークホルダ。
波形の凹凸部の、回転軸が停止した際に第二係合部と係合する部分が第一係合部を構成
し、回転軸の回転停止時における第一係合部と第二係合部との相対位相のいかんを問わず、第一,第二係合部が係合し、トルクリミッタとして機能する状態が得られる。
(13)前記第二係合部が、
前記第一リミッタ部材と第二リミッタ部材との前記他方に設けられた収容凹部と、
その収容凹部の先端開口から少なくとも一部が外部に突出可能に保持されたボールと、
前記収容凹部内に配設され、前記ボールを突出方向に付勢する弾性部材と
を備えた(10)項ないし(12)項のいずれかに記載のワークホルダ。
相対回転トルクが設定値以下の状態では、ボールは第一,第二リミッタ部材の一方に係合した状態を保ち、両リミッタ部材を一体的に回転させる。相対回転トルクが設定値を超えたならば、ボールは弾性部材の付勢力に抗して収容凹部内に引っ込み、第一,第二リミッタ部材の相対回転を許容し、トルクの伝達が遮断される。
相対回転トルクの設定値は、弾性部材の弾性力に応じた大きさに設定される。第二係合部が複数設けられる場合、その数は、複数の弾性部材の弾性力に応じた相対回転トルクの和が設定値となるように選定される。
(14)前記第一リミッタ部材が前記第一ねじ部材と同軸に設けられた(10)項ないし(13)項のいずれかに記載のワークホルダ。
第一リミッタ部材を第一ねじ部材とは、異なる軸上に設けてもよい。この場合、例えば、第一リミッタ部材と第一ねじ部材との間に回転伝達装置を設けて第一リミッタ部材の回転が第一ねじ部材に伝達され、共に回転するようにする。本項のワークホルダによれば、例えば、ワークホルダを、回転軸の回転軸線と交差する方向に関してコンパクトに構成することができる。
(15)前記第一ねじ部材が前記回転軸と同軸に配設された (8)項ないし(14)項のいずれかに記載のワークホルダ。
本項のワークホルダによれば、例えば、ワークホルダを、回転軸の回転軸線と交差する方向に関してコンパクトに構成することができる。
(16)前記運動変換装置が、前記本体部材に前記回転軸の回転軸線に平行な方向に移動可能に保持され、第一係合部を有する可動部材と、
前記2つのレバーの各々に設けられ、前記第一係合部と係合する第二係合部と
を含み、それら第一係合部と第二係合部とが、前記可動部材の移動を前記2つのレバーの各々の回動に変換可能な状態で係合する (4)項ないし(15)項のいずれにか記載のワークホルダ。
第一係合部は2つの第二係合部に共通に一つ設けられても、第二係合部の各々に対応して1つずつ設けられてもよい。
(17) (1)項ないし(16)項のいずれかに記載のワークホルダと、
先端部に加工工具を着脱可能に保持する工具保持装置を備えて回転する工具主軸と、
前記加工工具により加工されるべきワークピースが取り付けられるワーク取付部と、
それら工具主軸とワーク取付部とを相対移動させて、工具主軸の工具保持装置に保持された前記ワークホルダに、前記ワークピースを保持させて前記ワーク取付部に取り付けさせるとともに、そのワークホルダの代わりに工具保持装置に保持された加工工具に、ワーク取付部に取り付けられたワークピースを加工させる相対移動装置と
を含む加工機械。
工具主軸,工具保持装置および相対移動装置を利用してワークホルダにワーク取付部へのワークピースの取付けを行わせることができる。ワークホルダを専用の相対移動装置により移動させ、ワーク取付部へのワークピースの取付けを行わせる場合に比較して、加工機械を簡易にかつ安価に構成することができる。また、ワークホルダを、加工工具用の収容装置に収容するようにすれば、専用の収容スペースも不要となる。
工具主軸の工具保持装置に保持されているワークホルダを加工工具と交換し、あるいは加工工具をワークホルダと交換する自動交換機能は、相対移動装置とは別に設けられた自動工具交換装置が果たすようにすることも可能である。しかし、相対移動装置が自動交換機能の少なくとも一部を果たすようにすることも可能であり、そうすれば構成を一層単純化し得る。
図1には本請求可能発明の実施例である加工機械が概略的に図示されている。本加工機械はマシニングセンタであり、ワークピース10を始めとする種々のワークピースが加工される。ワークピース10は、その一面であって、軸線に直角な外面である端面12に開口する開口14を備えている。開口14の内側面16は、本実施例では環状を成し、端面12と直交する面とされている。ワークピース10は、例えば、自動車のトランスミッションのハウジングであり、内側面16は円筒面を成す。
ワークホルダ300は、図2に示すように、本体部材としてのケーシング400,係合装置402,2つの保持部材404,2つのレバー406,駆動装置408およびトルクリミッタ410を含む。駆動装置408は、回転軸412および運動変換装置414を含む。ケーシング400は、回転軸412を複数の軸受416を介してその軸線まわりに相対回転可能にかつ軸方向に相対移動不能に保持する。回転軸412は、そのケーシング400からの突出部に、突出端ほど直径が直線的に減少するシャンク部418が設けられており、シャンク部418において工具主軸302の先端部に設けられたテーパ状の嵌合孔420に嵌合され、シャンク部418に突設されたプルスタッド(図示省略)がドローバーにより引っ張られ、工具主軸302内に引き込まれて保持される。また、工具主軸302の先端に設けられた複数の係合突起426がそれぞれ、シャンク部418の基端部に設けられた複数の係合凹部428に嵌入させられ、互いに係合させられることにより、回転軸412の工具主軸302に対する回転が阻止され、回転軸412が工具主軸302に共に回転可能に取り付けられる。係合突起426および係合凹部428はそれぞれ、係合部ないし回転伝達部を構成し、両者が回転伝達装置を構成している。回転軸412は、ドローバーによるプルスタッドの保持を解除した状態で、工具主軸302から抜け出す方向に移動させることにより、工具主軸302から取り外すことができる。
ワークホルダ300は、図示を省略するロボットから未加工のワークピース10を受け取ってワーク保持治具304に保持させ、加工後、ワーク保持治具304から加工済みのワークピース10を受け取ってロボットに渡す。そのため、加工に先立ってワークホルダ300が工具主軸302に取り付けられる。工具主軸302は工具主軸移動装置306により工具等収容装置307へ移動させられ、自動工具交換装置308により、工具主軸302が保持した加工工具342が工具等収容装置307へ戻され、工具等収容装置307に収容されているワークホルダ300が工具主軸302の工具保持装置に保持される。この際、前述のように、ワークホルダ300の回転軸412がシャンク部418において工具主軸302の嵌合孔420に嵌合され、係合突起426と係合凹部428との嵌合により相対回転を阻止されるとともに、ケーシング400が係合装置402により主軸ハウジング330に相対回転不能に係合させられて、回転軸412が工具主軸302と共に回転可能とされる。回転軸412は回転するが、ケーシング400は回転せず、保持部材404,レバー406,雌ねじ部材182も回転しない。また、ワークホルダ300が工具等収容装置307に収容された状態では、2つのレバー406は閉じられ、図2に示すように、長手方向が回転軸412の回転軸線とほぼ平行な姿勢で全体が溝470内に収納され、2つの保持部材404が互いに最も接近させられた収納位置に位置させられている。この収納位置は、非保持位置ないし解放位置でもあり、ワークホルダ300はレバー406等が収納位置に位置する状態で工具主軸302に取り付けられる。また、本加工機械は横型であり、ワークホルダ300は回転軸412が水平であって横向きとなり、2つの保持部材404の各支持面504が水平かつ上向きとなる姿勢で保持され、2つの突起部材492はそれぞれ支持面504から上方へ突出している。さらに、突部200は、軸472の回動軸線を含み、レバー406の水平な回動平面に直角な面である鉛直面に対して軸472の軸線より後方側(工具主軸302側)の原位置に位置している。
Claims (6)
- 被支持面と、その被支持面と交差する方向に延びた互いに反対向きの2つの被係合面とを備えたワークピースを保持するワークホルダであって、
本体部材と、
前記被支持面を支持する支持面を備えた少なくとも1つの支持部材と、
前記2つの被係合面と係合する2つの係合部材と、
それぞれ前記本体部材に保持され、それぞれ前記2つの係合部材の各々を保持するとともに、少なくとも一方が前記支持部材をも保持する2つのレバーと、
それら2つのレバーを回動させることにより、前記2つの係合部材を互いに接近・離間する方向に移動させる駆動装置と
を含むことを特徴とするワークホルダ。 - 一面に開口する開口を備えたワークピースを保持するワークホルダであって、
本体部材と、
それぞれ前記一面に接触して前記ワークピースを支持する支持面を備えた2つの支持部材と、
それら支持部材の前記支持面の各々から突出し、前記開口内に入り込んで開口の内側面に係合する2つの係合部材と、
それぞれ前記本体部材に保持され、各々前記一対の支持部材の各々を保持する2つのレバーと、
それらレバーを回動させることにより、前記2つの支持部材を前記2つの係合部材が互いに接近・離間する方向に移動させる駆動装置と
を含むことを特徴とするワークホルダ。 - 前記本体部材に回転軸が相対回転可能に保持されており、前記駆動装置が、その回転軸と、その回転軸の本体部材に対する相対回転を前記2つのレバーの回動に変換する運動変換装置とを含み、前記回転軸が加工機械の主軸に取り外し可能に取り付けられ、前記本体部材が加工機械の非回転部と係合させられることを特徴とする請求項1または2に記載のワークホルダ。
- 前記支持部材の支持面が前記回転軸の軸線に平行であり、その支持面が一平面上に位置し、その一平面の片側に前記本体部材,支持部材,レバーおよび駆動装置が配置されたことを特徴とする請求項3に記載のワークホルダ。
- 前記運動変換装置が、
前記回転軸と共に回転する第一ねじ部材と、
前記本体部材に相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に保持され、前記第一ねじ部材と螺合された第二ねじ部材と
を含み、第二ねじ部材の前記本体部材に対する軸方向の相対移動を前記2つのレバーの回動に変換するものであることを特徴とする請求項3または4に記載のワークホルダ。 - 前記第一ねじ部材が前記本体部材に相対回転可能に保持されており、その第一ねじ部材と前記回転軸との間に、設定値以下のトルクは伝達するが設定値を超えるトルクは伝達しないトルクリミッタが設けられたことを特徴とする請求項6に記載のワークホルダ。
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JP4475393B2 (ja) | 2010-06-09 |
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