JP4475392B2 - ワークホルダ - Google Patents

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Description

本発明はワークホルダに関するものであり、特に、複数の保持部を互いに接近・離間させてワークピースを保持するワークホルダに関するものである。
この種のワークホルダは、例えば、特許文献1および特許文献2に記載されているように既に知られている。特許文献1に記載のワークホルダは、カムを利用して一対の挟持爪を互いに接近,離間させ、ワークピースを挟持,解放するように構成されている。このワークホルダは、ハウジングにより相対回転可能に保持され、工作機械の主軸により回転させられる回転軸と、ハウジングにより相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能であって、回転軸と同心に保持された作動軸と、回転軸に固定の円筒状の駆動カムと、作動軸に、駆動カムと対向して設けられた円筒状の被駆動カムと、ハウジングにより、回転軸の回転軸線と直交する一直線上において互いに接近・離間可能に設けられた一対の挟持爪と、作動軸と一対の挟持爪とを連結する一対のリンクとを備えている。駆動カムと被駆動カムとの互いに対向する端面にはそれぞれ、山部と谷部とを90度の回転角度間隔で有する波形のカム面が形成されており、作動軸は、ばねにより、駆動カムと被駆動カムとのカム面同士が噛み合う向きに付勢されている。駆動カムと被駆動カムの各カム面の山部と谷部とが互いに噛み合う状態から回転軸が主軸により90度回転させられれば、各カム面の山部同士が当接する状態となり、作動軸がばねの付勢力に抗して回転軸から離間する向きに移動させられ、一対のリンクが回動させられ、一対の挟持爪が案内装置により案内されつつ互いに離間させられ、ワークピースを解放する。回転軸が主軸により更に同じ方向にあるいは逆方向に90度回転させられれば、山部と谷部とが噛み合う状態となり、一対の挟持爪が案内装置により案内されつつ互いに接近させられてワークピースを挟持する。
また、特許文献2に記載のワークホルダは、ラックおよびピニオンを利用して一対の把持部材を互いに接近,離間させ、ワークピースを把持,解放するように構成されている。このワークホルダは、ハウジングにより相対回転可能に保持され、主軸により回転させられる回転軸と、その回転軸に同心に、相対回転不能にかつ軸方向に相対移動不能に設けられたピニオンと、ハウジングにより回転軸の回転軸線と直角に立体交差する方向に相対移動可能に保持され、ピニオンに噛み合わされた一対のラックと、それらラックの各々に保持された把持部材とを備えている。一対のラックは互いに平行に設けられており、回転軸が主軸により回転させられれば、ピニオンが回転させられ、一対のラックが互いに反対方向へ移動させられて一対の把持部材が互いに離間させられ、ワークピースを解放する。回転軸が逆向きに回転させられれば、一対のラックが上記とは逆向きに移動させられ、一対の把持部材が互いに接近させられてワークピースを保持する。
特開平9−29574号公報 特開2003−181736号公報
しかしながら、特許文献1に記載のワークホルダは、被保持部の大きさが異なる複数種類のワークピースの保持に適さない問題がある。一対の挟持爪は直線移動により互いに接近,離間させられてワークピースを保持・解放するため、被保持部の大きさが異なる複数種類のワークピースを1つのワークホルダによって保持しようとすれば、一対の挟持爪の接近・離間距離を大きくすることが必要である。しかし、そのためには案内装置が大形となり、ワークホルダが大形となる。被保持部の大きさに応じてワークホルダを複数種類用意すれば、被保持部が小さいワークピースを保持するワークホルダは小形に構成することができるが、複数種類のワークホルダが必要であり、ワークピースの保持に要するコストが高くなる。
また、特許文献2に記載のワークホルダにおいても同様の問題がある。このワークホルダにおいては、保持部材がラックの移動により直線移動させられるため、被保持部の大きさが異なる複数種類のワークピースを保持しようとすれば、ラックを長くして保持部材の移動距離を大きくすることとなり、ワークホルダが大形となることを避け得ないのである。
本発明は、以上の事情を背景としてなされたものであり、大形化を回避しつつ、大きさが異なる複数種類のワークピースを保持することができるワークホルダを提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るワークホルダは、(A)本体部材と、(B)その本体部材と、その本体部材に回動可能に保持された一対のレバーと、それら一対のレバーの自由端部同士を連結する連結部材とから成る平行四辺形リンクが、対称軸に対して軸対称に複数、本体部材上に構成された平行四辺形リンク群と、(C)前記本体部材に相対回転可能に保持された回転軸と、その回転軸の本体部材に対する相対回転を前記一対のレバーの回動に変換する運動変換装置とを含み、前記平行四辺形リンク群を、前記対称軸に対して軸対称の状態を保って一斉に作動させる駆動装置と、(D)前記複数の連結部材の各々に設けられ、互いに共同してワークピースを保持する複数の保持部とを含み、前記運動変換装置が、(a)前記本体部材に相対回転可能に保持され、前記回転軸と共に回転する第一ねじ部材と、(b)前記本体部材に相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に保持され、前記第一ねじ部材と螺合された第二ねじ部材とを含んで第二ねじ部材の前記本体部材に対する軸方向の相対移動を前記一対のレバーの回動に変換するものであり、かつ、前記第一ねじ部材と前記回転軸との間に、設定値以下のトルクは伝達するが設定値を超えるトルクは伝達しないトルクリミッタが設けられ、前記回転軸が加工機械の主軸に取り外し可能に取り付けられ、前記本体部材が加工機械の非回転部と係合させられるように構成される。
平行四辺形リンクは2つでもよく、3つ以上でもよい。2つであっても、例えば、保持部がワークピースの被保持部に面接触する保持面を備えていれば、ワークピースを安定して保持することができる。
複数の平行四辺形リンクの各一対のレバーが駆動装置により一斉に回動させられ、連結部材が本体部材に対して接近,離間させられ、複数の保持部が互いに接近,離間させられてワークピースを保持,解放する。
レバーの長さ、すなわちレバーの本体部材に対する回動軸線と連結部材に対する回動軸線との距離と、レバーの回動角度との少なくとも一方の設定により、複数の保持部の最大接近・離間距離を変えることができる。特に、レバー比、すなわちレバーの長さと、レバーの回動軸線と駆動装置の駆動力が作用する部分との距離との比が大きいほど、保持部を大きく移動させることができる。したがって、レバーを、保持部に、大きさが異なる複数種類のワークピースを保持可能な移動量を与えることができる長さを有するものとするとともに、レバー比をできるだけ大きく設定し、ワークピースの被保持部の大きさに応じてレバーの回動角度を設定することにより、保持部を被保持部の大きさに応じた距離、移動させ、大きさが異なる複数種類のワークピースを容易に保持させることができる。被保持部が大きいワークピースを保持する際にはレバーの回動角度が大きくされて保持部が対称軸から大きく離間させられるが、ワークピースを保持しない場合には、レバーを本体部材側へ回動させ、閉じておくことができ、被保持部が小さい場合には回動角度は小さく、常時、大きいスペースを要するわけではなく、ワークホルダが大形となることを回避しつつ、大きさが異なる複数種類のワークピースを保持し得るワークホルダが得られる。
また、保持部は平行四辺形リンクの連結部材に設けられているため、レバーの回動角度が異なっても、保持部の本体部材に対する姿勢は変わらず、被保持部の大きさが異なる複数種類のワークピースを同じ姿勢で保持することができる。
さらに、トルクリミッタが設けられているため、複数の保持部がワークピースを保持した状態から更に、回転軸が回転させられても、設定値を超える回転トルクは第一ねじ部材に伝達されない。そのため、例えば、回転軸の回転角度制御に誤差があっても、ワークピースを破損することなく、保持することができる。また、保持部が摩耗しても、複数の保持部の接近・離間距離の不足を回避し、確実にワークピースが保持される。
さらにまた、運動変換装置が第一,第二ねじ部材を含むことにより容易になる回転軸の回転角度制御が、さらに容易になる。回転軸の回転角度が大きくても、トルクリミッタにより第一ねじ部材への設定値を超える回転トルクの伝達が阻止され、ワークピースの破損が回避されるからである。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、 (1)項,(5)項,(6)項および(7)項を合わせたものが請求項1に相当し、 その請求項1に(2)項に記載の事項を追加したものが請求項2に相当する。
(1)本体部材と、
その本体部材と、その本体部材に回動可能に保持された一対のレバーと、それら一対のレバーの自由端部同士を連結する連結部材とから成る平行四辺形リンクが、対称軸に対して軸対称に複数、本体部材上に構成された平行四辺形リンク群と、
その平行四辺形リンク群を、前記対称軸に対して軸対称の状態を保って一斉に作動させる駆動装置と
前記複数の連結部材の各々に設けられ、互いに共同してワークピースを保持する複数の保持部と
を含むワークホルダ。
(2)前記平行四辺形リンク群が3つの平行四辺形リンクから成る (1)項に記載のワークホルダ。
本項のワークホルダは保持部を3つ備えることとなり、ワークピースを3箇所において安定して保持することができる。例えば、被把持面の横断面形状が円形であるワークピースを心出しして保持することができ、ワークピースの保持に適切である。
(3)前記一対のレバーの各々の前記本体部材に対する相対回動軸線2本を含む平面と、それら一対のレバーの自由端部の各々の前記連結部材に対する相対回軸線2本を含む平面とが、共に前記対称軸に平行でありかつ互いに平行である (1)項または (2)項に記載のワークホルダ。
本項のワークホルダにおいては、平行四辺形リンク群が駆動装置によって作動させられるとき、連結部材が対称軸に平行な姿勢を保って移動させられる。したがって、例えば、被保持部が対称軸に平行なワークピースであれば、大きさが異なっても連結部材の各々に設けられる保持部を常に同じ状態で被保持部に係合させることができる。
(4)前記本体部材に回転軸が相対回転可能に保持されており、前記駆動装置が、その回転軸と、その回転軸の本体部材に対する相対回転を前記一対のレバーの回動に変換する運動変換装置とを含む (1)項ないし (3)項に記載のワークホルダ。
回転軸が回転させられることにより運動変換装置を介してレバーが回動させられ、保持部がワークピースを保持・解放する。
運動変換装置は、例えば、(6)項に記載のワークホルダのように、互いに螺合された第一,第二ねじ部材を含む装置とされ、あるいは、カムおよびカムフォロワを含む装置とされる等、種々の構成が採用可能である。後者の運動変換装置は、回転軸と共にカムを回転させるとともに、カムにより与えられるカムフォロワの運動によって複数の平行四辺形リンクのレバーを直接回動させる装置とされる。
(5)前記回転軸が加工機械の主軸に取り外し可能に取り付けられ、前記本体部材が加工機械の非回転部と係合させられる (4)項に記載のワークホルダ。
本項のワークホルダは、加工機械に取り付けられて、例えば、加工機械において加工されるワークホルダのワーク取付部に対する取付け,取外しに用いられる。本体部材は非回転部との係合により回転を阻止され、回転軸が主軸により回転させられてレバーが回動させられる。工作機械の主軸の回転を利用してレバーが回動させられ、ワークピースの保持・解放が容易にかつ安価に行われる。
(6)前記運動変換装置が、
前記回転軸と共に回転する第一ねじ部材と、
前記本体部材に相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に保持され、前記第一ねじ部材と螺合された第二ねじ部材と
を含み、第二ねじ部材の前記本体部材に対する軸方向の相対移動を前記一対のレバーの回動に変換するものである (4)項または (5)項に記載のワークホルダ。
第一ねじ部材および第二ねじ部材は、回転軸と同軸に配設してもよく、異なる軸線上に配設してもよい。例えば、第一,第二ねじ部材を回転軸の軸線を含む一平面内に位置し、回転軸の軸線と平行な軸線上に配設してもよい。この場合、例えば、第一ねじ部材と回転軸との間に、回転軸の回転を第一ねじ部材に伝達する回転伝達装置が設けられ、第一ねじ部材が回転軸と共に回転するようにされる。
本項のワークホルダにおいては、回転軸が回転させられ、第一ねじ部材が回転させられることにより、第一ねじ部材に螺合された第二ねじ部材が軸方向に移動させられ、複数の平行四辺形リンクの各一対のレバーが一斉に回動させられ、複数の保持部が一斉に移動させられてワークピースを保持・解放する。第一ねじ部材は、ワークピースを保持する場合と解放する場合とにおいて互いに逆向きに回転させられ、複数対の保持部が一斉にワークピース保持方向あるいは解放方向に回動させられる。
本ワークホルダによれば、回転軸の回転を利用して保持部にワークピースを保持,解放させるのであるが、回転軸の回転角度、すなわち回転軸を回転させる回転軸駆動装置の回転角度の制御を容易に行うことができる。第一,第二ねじ部材のねじのリード角を小さくすれば、第一ねじ部材の同じ回転角度に対する第二ねじ部材の軸方向の移動距離を短くすることができ、回転軸の実際の回転角度がワークピースの保持に必要な角度より多少大きくても、第二ねじ部材の軸方向の移動距離の増大が小さくて済む。したがって、ワークピースを保持,解放するための回転軸の回転角度が、保持に適した角度よりやや大きめになっても、ワークピースに過大な保持力を加えて破損することなく、確実に保持することができ、回転軸の回転角度制御の精度を低くすることができ、制御が容易になる。
また、本ワークホルダは、被保持部の大きさが異なる複数種類のワークピースの保持に適している。回転軸および第一ねじ部材の回転角度を大きくすれば保持部の移動距離が大きくなるため、複数種類の被保持部の寸法に合わせて、それらを保持,解放するための回転軸の回転角度範囲(保持角度と解放角度との間の角度範囲)を複数種類設定することにより、被保持部の大きさの違いに対応することが容易なのである。
(7)前記第一ねじ部材が前記本体部材に相対回転可能に保持されており、その第一ねじ部材と前記回転軸との間に、設定値以下のトルクは伝達するが設定値を超えるトルクは伝達しないトルクリミッタが設けられた (6)項に記載のワークホルダ。
ワークピースを保持する際、2つの係合部材がワークピースに係合し、保持した状態から更に回転軸が回転させられ、第一ねじ部材が回転させられれば、保持部がワークピースを保持する力が過大になり、ワークピースと保持部との少なくとも一方が破損する恐れがある。それに対し、トルクリミッタが設けられていれば、複数の保持部がワークピースを保持した状態から更に、回転軸が回転させられても、設定値を超える回転トルクは第一ねじ部材に伝達されない。そのため、例えば、回転軸の回転角度制御に誤差があっても、ワークピースを破損することなく、保持することができる。また、保持部が摩耗しても、複数の保持部の接近・離間距離の不足を回避し、確実にワークピースが保持される。
さらに、前述のように、運動変換装置が第一,第二ねじ部材を含むことにより容易になる回転軸の回転角度制御が、さらに容易になる。回転軸の回転角度が大きくても、トルクリミッタにより第一ねじ部材への設定値を超える回転トルクの伝達が阻止され、ワークピースの破損が回避されるからである。
(8)前記トルクリミッタが、
常に前記第一ねじ部材と共に回転する第一リミッタ部材と、
常に前記回転軸と共に回転する第二リミッタ部材と、
それら第一リミッタ部材と第二リミッタ部材との一方にその一方の回転軸線を中心とする一円周上に複数設けられた第一係合部と、第一リミッタ部材と第二リミッタ部材との他方に保持されて前記第一係合部と弾性的に係合する第二係合部とであって、第一リミッタ部材と第二リミッタ部材との相対回転トルクが前記設定値以下である場合は第二係合部が弟一係合部から外れず、前記設定値を超える場合は外れるものと
を含む (7)項に記載のワークホルダ。
第一ねじ部材と第一リミッタ部材および第二ねじ部材と第二リミッタ部材とは、それぞれ同軸に配設されてもよく、異なる軸線上に配設されてもよい。
第一リミッタ部材と第二リミッタ部材とは、相対回転トルクが設定値を超えれば相対回転するが、第一係合部が複数設けられているため、回転軸が停止したとき、第一,第二リミッタ部材の位相を問わず、第一係合部と第二係合部とが互いに係合し、トルクリミッタが、設定値以下のトルクは伝達するが、設定値を超えるトルクは伝達しない状態に自動的に復帰し易い。そのため、例えば、ワークピースの保持後、ワークピースを解放する際に作業者が第一,第二係合部を互いに係合させて回転軸の回転が第一ねじ部材に伝達されるようにしなくて済むことが多い。
(9)前記第一係合部と第二係合部とが軸方向において互いに対向する (8)項に記載のワークホルダ。
第一リミッタ部材と第二リミッタ部材とは、一方を他方の内側あるいは外側に相対回転可能に嵌合し、第一係合部と第二係合部とが、回転軸線と直交する方向において互いに対向するようにすることも可能である。しかし、第一係合部と第二係合部とを軸方向において互いに対向させれば、トルクリミッタをコンパクトに構成することができる。
(10)前記第一係合部が、前記一円周に沿って連続的に形成された波形の凹凸部の一部分ずつにより構成された (8)項または (9)項に記載のワークホルダ。
波形の凹凸部の、回転軸が停止した際に第二係合部と係合する部分が第一係合部を構成
し、回転軸の回転停止時における第一係合部と第二係合部との相対位相のいかんを問わず、第一,第二係合部が係合し、トルクリミッタとして機能する状態が得られる。
(11)前記第二係合部が、
前記第一リミッタ部材と第二リミッタ部材との前記他方に設けられた収容凹部と、
その収容凹部の先端開口から少なくとも一部が外部に突出可能に保持されたボールと、
前記収容凹部内に配設され、前記ボールを突出方向に付勢する弾性部材と
を備えた (8)項ないし(10)項のいずれかに記載のワークホルダ。
相対回転トルクが設定値以下の状態では、ボールは第一,第二リミッタ部材の一方に係合した状態を保ち、両リミッタ部材を一体的に回転させる。相対回転トルクが設定値を超えたならば、ボールは弾性部材の付勢力に抗して収容凹部内に引っ込み、第一,第二リミッタ部材の相対回転を許容し、トルクの伝達が遮断される。
相対回転トルクの設定値は、弾性部材の弾性力に応じた大きさに設定される。第二係合部が複数設けられる場合、その数は、複数の弾性部材の弾性力に応じた相対回転トルクのの和が設定値となるように選定される。
(12)前記第一リミッタ部材が前記第一ねじ部材と同軸に設けられた (8)項ないし(11)項のいずれかに記載のワークホルダ。
第一リミッタ部材を第一ねじ部材とは、異なる軸上に設けてもよい。この場合、例えば、第一リミッタ部材と第一ねじ部材との間に回転伝達装置を設けて第一リミッタ部材の回転が第一ねじ部材に伝達され、共に回転するようにする。本項のワークホルダによれば、例えば、ワークホルダを、回転軸の回転軸線と交差する方向においてコンパクトに構成することができる。
(13)前記第一ねじ部材が前記回転軸と同軸に配設された(6)項ないし(12)項のいずれかに記載のワークホルダ。
本項のワークホルダによれば、例えば、ワークホルダを、回転軸の回転軸線と交差する方向に関してコンパクトに構成することができる。
(14)前記運動変換装置が、前記本体部材に前記対称軸に平行な方向に移動可能に保持され、第一係合部を有する可動部材と、
前記一対のレバーの一方に設けられ、前記第一係合部と係合する第二係合部と
を含み、それら第一係合部と第二係合部とが、前記可動部材の移動を前記一対のレバーの一方の回動に変換可能な状態で係合する (4)項ないし(13)項のいずれにか記載のワークホルダ。
第一係合部は2つの第二係合部に共通に一つ設けられても、第二係合部の各々に対応して1つずつ設けられてもよい。
(15) (1)項ないし(14)項のいずれかに記載のワークホルダと、
先端部に加工工具を着脱可能に保持する工具保持装置を備えて回転する工具主軸と、
前記加工工具により加工されるべきワークピースが取り付けられるワーク取付部と、
それら工具主軸とワーク取付部とを相対移動させて、工具主軸の工具保持装置に保持された前記ワークホルダに、前記ワークピースを保持させて前記ワーク取付部に取り付けさせるとともに、そのワークホルダの代わりに工具保持装置に保持された加工工具に、ワーク取付部に取り付けられたワークピースを加工させる相対移動装置と
を含む加工機械。
工具主軸,工具保持装置および相対移動装置を利用してワークホルダにワーク取付部へのワークピースの取付けを行わせることができる。ワークホルダを専用の相対移動装置により移動させ、ワーク取付部へのワークピースの取付けを行わせる場合に比較して、加工機械を簡易にかつ安価に構成することができる。また、ワークホルダを、加工工具用の収容装置に収容するようにすれば、専用の収容スペースも不要となる。
工具主軸の工具保持装置に保持されているワークホルダを加工工具と交換し、あるいは加工工具をワークホルダと交換する自動交換機能は、相対移動装置とは別に設けられた自動工具交換装置が果たすようにすることも可能である。しかし、相対移動装置が自動交換機能の少なくとも一部を果たすようにすることも可能であり、そうすれば構成を一層単純化し得る。
以下、請求可能発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2には本請求可能発明の実施例である加工機械が概略的に図示されている。本加工機械はマシニングセンタであり、ワークピース10を始めとする種々のワークピースが加工される。ワークピース10は、その一面であって、軸線に直角な外面である端面12に開口する開口14を備えている。開口14は、本実施例では横断面形状が円形を成し、内側面16は円筒面であり、端面12と直交する。ワークピース10は、例えば、自動車のトランスミッションのハウジングである。
本加工機械は、ワークホルダ20,主軸としての工具主軸22,ワーク保持治具24,相対移動装置としての工具主軸移動装置26,工具等収容装置27および自動工具交換装置28を含む。本加工機械は、工具主軸22が鉛直軸線まわりに回転可能に設けられた所謂縦型の機械であり、工具主軸移動装置26は、水平面内において互いに直交する2方向(一方をX軸方向、他方をY軸方向とする)および鉛直方向(Z軸方向とする)に工具主軸22を移動させる。そのため、工具主軸移動装置26は、図1および図2に概略的に示すように、X軸移動装置30,Y軸移動装置32およびZ軸移動装置34を含む。X軸移動装置30のX軸移動部材36は、サーボモータ(図示省略)を駆動源とするX軸駆動装置によりX軸方向に移動させられ、Y軸移動装置32のY軸移動部材38は、X軸移動部材36上において、サーボモータを駆動源とするY軸駆動装置によりY軸方向に移動させられる。Z軸移動装置34のZ軸移動部材40は、Y軸移動部材38上において、サーボモータを駆動源とするZ軸駆動装置によりZ軸方向に移動させられる。Z軸移動部材40上には主軸ハウジング50が設けられ、加工機械の非回転部を構成し、工具主軸22を鉛直軸線まわりに回転可能に保持しており、工具主軸22はサーボモータを駆動源とする主軸回転駆動装置52により回転させられる。サーボモータは回転角度の正確な制御の可能な電動モータであり、本実施例ではエンコーダ付きである。サーボモータに替えてステップモータを用いてもよい。
ワーク保持治具24は、本実施例では、X軸移動装置30に対してX軸方向に隣接する位置に固定して設けられており、ワーク取付部を構成し、ワークピース10を保持、解放する。また、図2に示すように、工具主軸移動装置26に対してY軸方向に隣接する位置に工具等収容装置27が位置を固定して設けられている。工具等収容装置27には、複数種類の加工工具62および前記ワークホルダ20が収容されている。工具等収容装置は、主として加工工具62が収容される工具収容装置である。前記Z軸移動部材40には工具主軸22と共に自動工具交換装置28が搭載されている。自動工具交換装置28は、本実施例では、鉛直軸線まわりに回転可能に設けられ、両端部にそれぞれ保持部66を備えた保持部材としての保持アーム68,保持アーム68を回転させるアーム回転駆動装置(図示省略)および保持アーム68を回転軸線に平行な方向に移動させるアーム移動装置(図示省略)等を含み、保持アーム68を回転,移動させることにより、工具主軸22と工具等収容装置27との間で加工工具62およびワークホルダ20の受渡しを行う。本加工機械においてワークピース10は、図示を省略するロボットにより搬入され、搬出される。ワークホルダ20は工具主軸22に取り付けられて、ワークピース10のロボットとの間における受渡しおよびワーク保持治具24との間における受渡しを行う。
ワークホルダ20を説明する。
ワークホルダ20は、本実施例では、図3に示すように、本体部材としてのケーシング78,相対回転阻止装置ないし係合装置80,平行四辺形リンク群82,後述するように平行四辺形リンクのリンクにより構成される複数、例えば、3つの保持部材,駆動装置86およびトルクリミッタ88を含む。駆動装置86は回転軸90および運動変換装置92を含む。ケーシング78は、回転軸90を複数の軸受94を介してその鉛直な軸線まわりに相対回転可能にかつ軸方向に相対移動不能に保持する。回転軸90は、そのケーシング78からの突出部に、突出端ほど直径が直線的に減少するシャンク部96が設けられており、シャンク部96において工具主軸22の先端部に設けられたテーパ状の嵌合孔97に嵌合され、シャンク部96に突設された図示を省略するプルスタッドがドローバーにより引っ張られ、工具主軸22内に引き込まれて保持される。また、工具主軸22の先端に設けられた複数の係合突起98がそれぞれ、シャンク部96の基端部に設けられた複数の係合凹部100に嵌入させられ、互いに係合させられることにより、回転軸90の工具主軸22に対する回転が阻止され、回転軸90が工具主軸22に共に回転可能に取り付けられる。係合突起98および係合凹部100はそれぞれ、係合部ないし回転伝達部を構成し、両者が回転伝達装置を構成している。回転軸90は、ドローバーによるプルスタッドの保持を解除した状態で、工具主軸22から抜け出す方向に移動させることにより、工具主軸22から取り外すことができる。
ケーシング78は、係合装置80により、前記主軸ハウジング50に係合させられ、相対回転を阻止される。係合装置80は、ケーシング78に一体的に設けられたケーシング106と、ケーシング106内に回転軸90の軸線に平行な方向に移動可能に嵌合された係合部材108と、係合部材108をケーシング106から後方へ、すなわちケーシング78のシャンク部90が突出させられた側と同じ側へ突出する向きに付勢する付勢装置の一種である弾性部材としての圧縮コイルスプリング110とを含む。圧縮コイルスプリング110は、スプリングの一種であり、このスプリング110の付勢による係合部材108の移動限度は、係合部材108に設けられた係合部としての半径方向外向きのフランジ部112が、ケーシング100に設けられたストッパとしての肩面114に係合することにより規定される。また、係合部材108は、直径方向に貫通して嵌合された係合部材としてのピン116が、ケーシング106に設けられて係合部を構成する一対の切欠118に嵌入させられることにより、ケーシング106に対する回転を阻止されている。
ピン116はケーシング106から回転軸90側へ延び出させられており、ワークホルダ20が工具主軸22から取り外された状態では、係合部材108はスプリング110の付勢による移動限度位置にあり、ピン116の突出端部がシャンク部96の基端部に設けられた溝120に嵌入し、回転軸90のケーシング78に対する回転を阻止する。回転軸90が工具主軸22に嵌合されるとき、まず、係合部材108に設けられた係合突部122が、主軸ハウジング50に設けられた係合凹部124に嵌入し、係合部材108の移動が止められる。その状態から更に回転軸90が工具主軸22に嵌合されることにより、ケーシング78,回転軸90およびケーシング106が係合部材108に対して軸方向に相対移動し、工具主軸22および主軸ハウジング50に接近させられ、ピン116が溝120から抜け出させられる。前記係合突起98は、ピン116が溝120から抜け出す前に係合凹部100に嵌入させられる。ピン116の抜出しにより、ケーシング78と回転軸90との相対回転が許容され、ケーシング78は、回転軸90を相対回転可能に保持し、自身は主軸ハウジング50に相対回転不能に係合させられ、回転軸90は工具主軸22と共に回転可能となる。ワークホルダ20を工具主軸22から取り外す際には、係合突起98が係合凹部100から抜け出す前にピン116が溝120に嵌入して回転軸90とケーシング106との位相が決められる。
ワークホルダ20は前記加工工具62と同様に工具主軸22に取り付けられる。加工工具62は、テーパ状のシャンク部,工具主軸22の係合突起98に嵌合される係合凹部等を備え、工具主軸22に相対回転不能に嵌合されるとともに、ドローバーにより工具主軸22内に引き込まれて保持されるのである。本実施例では、係合突起98,シャンク部96が嵌合されるテーパ状の嵌合孔97およびドローバー等が工具保持装置を構成している。
前記平行四辺形リンク群82は、図4に示すように、複数、例えば、3つの平行四辺形リンク130から成る。これら3つの平行四辺形リンク130は、図3に1つを代表的に示すように、ケーシング78と、一対のレバー132,134と、連結部材としての1つのリンク136とから成り、図4に示すように、ケーシング78に回転軸90の回転軸線のまわりに等角度間隔に設けられている。3つの平行四辺形リンク130は、回転軸90の回転軸線を対称軸とし、対称軸に対して軸対称にケーシング78上に構成されているのである。
ケーシング78には、図3および図4に示すように、その先端面(回転軸90のシャンク部96が突出させられた側とは反対側の端面)と外周面とに開口し、回転軸90の回転軸線を含む一平面内に位置するとともに軸方向に延びる溝138が複数、例えば、3個、等角度間隔に設けられている。これら溝138の各々にレバー132,134の各一端部が嵌合されるとともに、それぞれ軸140,142により、ケーシング78に、回転軸90の回転軸線と直角に立体交差する軸線まわりに回動可能に取り付けられている。レバー132,134のケーシング78に対する相対回動軸線は互いに平行であり、本実施例では、それら相対回動軸線2本が、回転軸90の回転軸線に平行な一平面に含まれるようにされている。
レバー132の自由端部は二股に分けられてヨーク部144が設けられ、図5に示すように、リンク136の他端部が嵌合されるとともに、軸146により、レバー132のケーシング78に対する相対回動軸線と平行な軸線まわりに回動可能に連結されている。レバー134の自由端部は幅が薄くされ、リンク136の一端部に設けられたヨーク部150に嵌合され、軸152により、レバー134のケーシング78に対する相対回動軸線と平行な軸線まわりに回動可能に連結されている。レバー132,134の各自由端部の各々のリンク138に対する相対回動軸線は互いに平行であり、それら相対回動軸線2本は回転軸90の回転軸線に平行な一平面に含まれるようにされている。一対のレバー132,134の各々のケーシング78に対する相対回動軸線2本を含む平面と、それら一対のレバー132,134の自由端部の各々のケーシング78に対する相対回動軸線2本を含む平面とが、共に対称軸である回転軸90の軸線に平行であり、かつ互いに平行である。したがって、リンク136は、その長手方向が回転軸90の回転軸線に平行と姿勢を保って、ワークホルダ20の半径方向および軸方向に移動させられる。
リンク136には、図3に示すように、その外面、すなわちケーシング78側とは反対側の面に開口し、その回動軸線に平行な方向に貫通する係合部としての溝170が設けられている。溝170は、本実施例では、回転軸90の回転軸線を中心とする円環状の溝であって、本ワークホルダ20による保持を予定されている複数種類のワークピース10の開口14のうち、径が最小の開口14の曲率よりやや大きい曲率の円環状の溝の一部を成す。溝170が設けられることにより、リンク136には、溝170の底面を構成し、回転軸90の回転軸線に平行であって、部分円筒面状の係合面172と、溝170の側面を構成し、回転軸90の回転軸線に直角であって、係合面172に対してケーシング78の先端側(下側)において直交する平面状の支持面174とが設けられている。レバー132,134が回動させられるとき、支持面172,係合面174はリンク136と共に、回転軸90に対する姿勢を変えることなく移動させられる。リンク136の溝170が設けられた部分が保持部176を構成し、本実施例ではリンク136がワークピース10を保持する保持部材として機能する。
レバー134には、図3に示すように、プランジャ装置160が設けられ、レバー132,134およびリンク136が後述する収納位置に位置する状態において、レバー134をに開方向(保持位置側)に付勢するようにされている。プランジャ装置160は、ケーシング162内に軸方向に移動可能に設けられた当接部材164と、当接部材164をケーシング162から前記ケーシング78の溝138の底面側へ突出する向きに付勢する付勢手段(例えば、弾性部材の一種であるスプリングたる圧縮コイルスプリング)と、付勢手段の付勢による当接部材164の移動限度を規定する移動限度規定部(図示省略)とを備えている。
前記運動変換装置92は、本実施例では、図3に示すように、第一ねじ部材としての雄ねじ部材180および第二ねじ部材としての雌ねじ部材182を含む。雄ねじ部材180は外周面に雄ねじ部184が形成されており、雄ねじ部184のリード角は小さくされている。雄ねじ部材180は、回転軸90の軸受94により回転可能に支持された部分に、回転軸90の軸線まわりに相対回転可能かつ軸方向に相対移動不能に嵌合されている。雄ねじ部材180は、ケーシング78により相対回転可能に保持され、回転軸90と同軸に配設されているのである。雌ねじ部材182は内周面に雌ねじ部186が形成されており、雄ねじ部材180と螺合されている。図3および図4に示すように、雌ねじ部材182には、その外周面に開口し、軸方向に平行に延びる係合部としての溝188が設けられ、ケーシング78に半径方向に設けられた係合部としての突部190が嵌入させられており、それにより、雌ねじ部材182はケーシング78に対して軸方向の相対移動は可能であるが、相対回転は不能とされている。したがって、雄ねじ部材180が回転させられれば、雌ねじ部材182は軸方向であって、回転軸90の回転軸に平行な方向に移動させられる。
前記3つの平行四辺形リンク130の各々の一方のレバー132はそれぞれ、雌ねじ部材182に相対回動可能に係合させられている。これらレバー132にはそれぞれ、軸140によってケーシング78に回動可能に連結された部分から、ケーシング78の中心側に延び出す突部200が設けられ、溝138の底壁に設けられた開口201を通って、雌ねじ部材182に設けられた溝202に回動可能に嵌入させられている。溝202は、図4に示すように、複数、本実施例では、3つ設けられている。これら溝202はそれぞれ、雌ねじ部材182の外周面に開口し、その軸線と直角に立体交差する方向に貫通して、等角度間隔に設けられている。
突部200は、図3に示すように、その突部200が設けられたレバー132を含む平行四辺形リンク130の回動平面内においてレバー132のケーシング78に対する相対回動軸線と回転軸90の回転軸線との両方を通る直線と直交し、レバー132の回動軸線と平行な軸線を中心線とする円柱の外周部の一部が切り欠かれた形状を備え、溝202の雌ねじ部材182の回転軸線に平行な方向に隔たった一対の側面にそれぞれ、摺動を伴う相対回動可能に接触させられている。したがって、雌ねじ部材182が軸方向に移動させられれば、溝202の移動により突部200が軸140の軸線まわりに回動させられ、レバー132が回動させられる。雌ねじ部材182の軸方向の移動が、溝202および突部200によって一方のレバー132の回動に変換されるのであり、3つの平行四辺形リンク130の各レバー132,134が一斉に回動させられ、リンク136が一斉に移動させられる。これら平行四辺形リンク130の各レバー132,134は溝138に嵌合されており、回転軸90の回転軸線を含み、溝138の幅方向の中央を通る平面に沿って回動させられ、平行四辺形リンク群82は、対称軸に対して軸対称の状態を保って一斉に作動させられる。本実施例では、溝202が第一係合部を構成し、雌ねじ部材182の溝202が設けられた部分が可動部材を構成し、突部200が第二係合部を構成し、雄ねじ部材180および雌ねじ部材182と共に運動変換装置92を構成している。なお、レバー134には、レバー132の突部200が設けられた部分との干渉を回避する切欠204が設けられている。
上記雄ねじ部材180と回転軸90との間に、図3に示すように、前記トルクリミッタ88が設けられている。雄ねじ部材180の後端部、すなわち回転軸90のシャンク部96側の端部は大径とされ、第一リミッタ部材220が一体に設けられている。本実施例では、第一リミッタ部材220は雄ねじ部材180と同軸に設けられ、常に雄ねじ部材180と共に回転する。第一リミッタ部材220の円環状の端面には、雄ねじ部材180の回転軸線を中心とする一円周に沿って、波形の凹凸部222が連続して形成され、第一係合部を構成している。凹凸部222は、図6に展開して示すように、断面形状がそれぞれ弓形を成し、雄ねじ部材180の回転軸線を中心として放射状に延び、交互に設けられた複数ずつの凹部224と凸部226とを備えている。
回転軸90にはまた、図3に示すように、第一リミッタ部材220に軸方向において後方側(シャンク部96側)に隣接して第二リミッタ部材230が相対回転不能かつ軸方向に相対移動不能に嵌合され、固定されている。回転軸90の回転は、それぞれ係合部を構成し、相対回転阻止装置ないし回転伝達装置を構成するピン250と凹部252との嵌合により第二リミッタ部材230に伝達される。第二リミッタ部材230は常に回転軸90と共に回転するのであり、第二係合部を構成する複数のボールプランジャ232を保持している。第二リミッタ部材230には、第一リミッタ部材220の凹凸部222に対向する側の面に開口し、回転軸90の回転軸線に平行な方向に延びる複数の収容凹部234が等角度間隔に設けられるとともに、それぞれボール236が収容されている。収容凹部234の開口は、ボール236の直径よりやや小さくされ、ボール236は、収容凹部234の先端開口から一部が外部に突出可能に保持されている。また、ボール236は、収容凹部234内に配設された弾性部材の一種であるスプリングとしての圧縮コイルスプリング238により、収容凹部228から突出する方向に付勢されており、その突出部が、前記凹凸部222の凹部224に嵌入させられる。凹凸部222とボールプランジャ232とは軸方向において互いに対向し、第一,第二リミッタ部材220,230は、複数のボールプランジャ232の各ボール236がそれぞれ複数の凹部224の各々に係合する複数の位相で互いに係合することができる。凹凸部222の各位相においてボール236が嵌入する部分がそれぞれ第一係合部を構成し、凹凸部222の一部分ずつにより第一係合部が構成されている。
第一リミッタ部材220と第二リミッタ部材230との相対回転トルクが、設定値、すなわち複数のボールプランジャ232の各々においてボール236をスプリング238の付勢力に抗して後退させるのに必要なトルクの和以下の状態では、ボール236が凹部224に嵌入した状態に保たれ、第一,第二リミッタ部材220,230は一体的に回転させられ、回転軸90の回転が雄ねじ部材180に伝達されて、雄ねじ部材180が回転軸90と共に回転する。相対回転トルクが上記付勢力の和を超えれば、複数のボール236がスプリング238の付勢力に抗して一斉に収容凹部234内に引っ込まされ、凸部226を乗り越えて、第二リミッタ部材230が第一リミッタ部材220に対して回転し、回転軸90の回転が雄ねじ部材180に伝達されなくなる。ボールプランジャ232は、3つの平行四辺形リンク130の各保持部176がワークピース10を適切に保持することができる力に対応する設定値(設定トルク)が得られる数、設けられる。
本加工機械は、制御装置270(図1参照)により制御される。制御装置270はコンピュータを主体として構成されており、ワーク保持治具24,工具主軸移動装置26,工具等収容装置27,自動工具交換装置28,主軸回転駆動装置52等を制御し、ワークホルダ20によるワークピース10の保持,開放、加工工具62によるワークピース10の加工等を制御する。
ワークホルダ20によるワークピース10の保持を説明する。
ワークホルダ20は、図示を省略するロボットから未加工のワークピース10を受け取ってワーク保持治具24に保持させ、加工後、ワーク保持治具24から加工済みのワークピース10を受け取ってロボットに渡す。そのため、加工に先立ってワークホルダ20が工具主軸22に取り付けられる。工具主軸22は工具主軸移動装置26により工具等収容装置27へ移動させられ、自動工具交換装置28により、工具主軸22が保持した加工工具62が工具等収容装置27へ戻され、工具等収容装置27に収容されているワークホルダ20が工具主軸22の工具保持装置に保持される。この際、前述のように、ワークホルダ20の回転軸90がシャンク部96において工具主軸22の嵌合孔97に嵌合され、係合突起98と係合凹部100との嵌合により相対回転を阻止されるとともに、ケーシング78が係合装置80により主軸ハウジング50に相対回転不能に係合させられて、回転軸90が工具主軸22と共に回転可能とされる。回転軸90は回転するが、ケーシング78は回転せず、平行四辺形リンク群82,雌ねじ部材182も回転しない。ワークホルダ20が工具等収容装置27に収容された状態では、雌ねじ部材182が後退端位置ないし上昇端位置に位置し、3つの平行四辺形リンク130は、図7に1つを代表的に示すように、いずれも、レバー132,134およびリンク136が、長手方向が回転軸90の回転軸線とほぼ平行になり、溝138内に収納された収納位置に位置させられている。また、レバー132に設けられた突部200は、レバー132の軸140の軸線を含み、平行四辺形リンク130の鉛直な回動平面に直角な一平面である水平面に対して、軸140の軸線より後方側(工具主軸22側)の原位置に位置している。この収納位置は、非保持位置ないし解放位置でもあり、ワークホルダ20は3つの平行四辺形リンク130が収納位置に位置する状態で工具主軸22に取り付けられる。
そして、工具主軸22に取り付けられたワークホルダ20がロボットからワークピース10を受け取る。本加工機械は縦型であり、ワークホルダ20は鉛直軸線に平行であって下向きに工具主軸22に取り付けられる。また、ワークピース10は、図1に示されるワーク保持治具24により保持されたワークピース10と同様に、ロボットにより、開口14が上向きとなるように保持されており、ワークホルダ20はロボットにより保持されたワークピース10の開口14の上方に位置し、保持時には工具主軸22が下降させられ、ワークホルダ20が下降させられて、3つの平行四辺形リンク130の先端部(下端部)であって保持部176が開口14を通ってワークピース10内に進入させられる。ワークホルダ20は鉛直方向において予め設定された作動位置ないし保持位置へ下降させられて停止させられる。
その状態で工具主軸22が主軸回転駆動装置52によりワークピース保持方向へ回転させられる。それにより回転軸90が回転させられるとともに、その回転がトルクリミッタ88を介して雄ねじ部材180に伝達され、雄ねじ部材180が回転させられる。ワークピース10を保持する際には、ボール236が凹凸部222の凹部224に嵌入させられており、回転軸90の回転により雄ねじ部材180が回転させられるのである。それにより、雌ねじ部材182が下降させられ、図3に示すように、3つの平行四辺形リンク130の各レバー132,134が一斉に回動させられ、リンク136が回転軸90の回転軸線に平行な姿勢を保って、その回転軸線から離れる方向に移動させられる。3つの平行四辺形リンク130の各保持部176は互いに離間させられ、ワークピース10の開口14を画定する部分の一部が、各保持部176の溝170に嵌入するとともに、係合面172が開口14の内側面16に係合する。係合面172は、本実施例では部分円筒面状を成し、3つの係合面172は内側面16の3箇所に、端面12に直角な方向の全体にわたって線状に接触し、互いに共同してワークピース10を保持する。3つの保持部176がワークピース10を保持する際のレバー132等の位置を保持位置と称する。
回転軸90および雄ねじ部材180の回転角度を大きくすれば、保持部176の移動距離が大きくなり、レバー132,134の回動角度の設定により、3つの保持部176の最大接近・離間距離を変えることができる。3つの保持部176にワークピース10を保持させるための工具主軸22の回転角度である保持角度は、ワークピース10の大きさに応じて予め設定されている。3つの保持部176にワークピース10を解放させるための工具主軸22の回転角度である解放角度は、ここでは、レバー132等が収納位置に位置する状態での角度である。保持角度は、ワークホルダ20がワークピース10を確実に保持し得る大きさに設定されており、工具主軸22は3つの平行四辺形リンク130の各保
持部176の係合面172が内側面16に係合した後も更に回転させられる。本ワークホルダ20においては、雄ねじ部材180がリード角が小さいものとされており、工具主軸22の単位回転角度に対する雌ねじ部材182の移動距離、ひいては保持部176の移動距離が短く、工具主軸22の回転停止位置に誤差が生じた場合でも、保持部176の停止位置誤差が小さくて済み、工具主軸22の回転角度の制御精度が低くてよく、制御を容易に行うことができる。
その上、本実施例においては、トルクリミッタ88が設けられているため、ワークピース10を損傷することなく確実に保持することができ、回転角度制御を一層容易に行うことができる。第二リミッタ部材230から第一リミッタ部材220に伝達される回転トルクは、係合面172が内側面16に係合するまでの間は設定値以下であるが、係合後、回転軸90が更に回転させられることにより急激に増大する。そして、予め設定された設定値を超えれば、ボール236がスプリング238の付勢力に抗して収容凹部234内に引っ込んで凸部226を乗り越え、第二リミッタ部材230が第一リミッタ部材220に対して回転し、雄ねじ部材180に設定値を超える回転トルクが伝達されることが回避される。そのため、工具主軸22の回転角度が大きめに設定されていても、レバー132,134が無理に回動させられてワークピース10を破損することがない。工具主軸22は所定角度回転させられた状態において停止させられ、ボール236は凹部224に嵌入した状態となる。凹凸部222は複数ずつの凹部224および凸部226を含み、工具主軸22の回転停止時における第一,第二リミッタ部材220,230の位相を問わず、ボール236は凹部224に嵌入して相対回転トルク伝達状態に復帰することができる。
また、レバー134にプランジャ装置160が設けられており、レバー134は確実に保持位置へ移動させられ、保持部176が確実にワークピース10を保持することができる。3つの平行四辺形リンク130が閉じられ、レバー132等が収納位置に位置する状態においては、前記プランジャ装置160の当接部材164がケーシング78の溝138の底面に当接させられるとともに、スプリングの付勢力に抗してケーシング162に対して後退した状態にあり、レバー134には、ケーシング162を介してスプリングの付勢力が、保持位置へ移動する方向であって開く方向に作用している。そのため、雌ねじ部材182が下降させられてレバー132,134およびリンク136が開かれ、収納位置から保持位置へ移動させられるとき、レバー134はスプリングにより保持位置へ移動する向きに付勢され、レバー134,リンク136がワークピース10を保持する際の姿勢とは逆の側であって、内側へ屈曲することが防止される。レバー134とリンク136とを相対回動可能に連結する軸152が、レバー134の軸142の軸線と、レバー132とリンク136とを相対回動可能に連結する軸148の軸線との両方と直交する線より、レバー132の軸140側に位置する状態にレバー134,リンク136が屈曲することが防止されるのであり、それにより、保持部176が、回転軸90の回転軸線に平行な姿勢を保てなくなって、ワークピース10を保持できない事態が発生することが防止される。保持部176がワークピース10を保持する状態では、当接部材164は、図3に示すように溝138の底面から離間し、スプリングの付勢により、その先端部がレバー134から突出した状態にある。そして、レバー132等が収納位置へ回動させられるとき、当接部材164が溝138の底面に当接し、スプリングを圧縮してレバー134に付勢力を付与する状態となる。プランジャ装置160が屈曲防止装置たるレバー付勢装置ないし与圧付与装置を構成している。
このようにワークホルダ20がワークピース10を保持したならば、工具主軸22が上昇させられ、ワークホルダ20がワークピース10をロボットから持ち上げる。そして、工具主軸移動装置26によりワーク保持治具24へ移動させられ、ワークピース10を渡すのであるが、ワークピース10はワークホルダ20によりぶら下げられた状態で移動させられる。保持部176は係合面172に対してその下端において直交する支持面174を備えており、その支持面174により、ワークピース10の端面12とは反対側の面である内端面の開口近傍部分に接触して下方から支持することができ、ワークピース10が重くても、落下の恐れなく確実に保持して搬送することができる。
ワークホルダ20はワーク保持治具24への移動後、下降させられ、ワークピース10を取り付ける。ワークピース10がワーク保持治具24により保持された後、工具主軸22がワークピース10を保持する際とは逆の方向に同じ角度、回転させられる。それにより、雄ねじ部材180が逆方向に回転させられて雌ねじ部材182が後退(上昇)させられ、3つの平行四辺形リンク130の各レバー132,134が一斉に収納位置へ回動させられ、3つの保持部176が互いに接近させられて内側面16から離間し、ワークピース10を解放するとともに、レバー132等が溝138に収容される。ワークピース10の解放後、工具主軸22が上昇させられて、平行四辺形リンク130が開口14を通ってワークピース10から抜け出させられる。次いで、ワークホルダ20が加工工具62と交換され、ワークホルダ20が工具等収容装置27に収容され、工具主軸22に加工工具62が取り付けられ、工具主軸移動装置26により移動させられて、ワーク保持治具24に保持されたワークピース10に加工を施す。
加工終了後、加工工具62がワークホルダ20と交換され、工具主軸22にワークホルダ20が取り付けられる。工具主軸22が工具主軸移動装置26により移動させられ、ワークホルダ20は加工後のワークピース10を保持する。この保持は、ワークホルダ20がロボットからワークピース10を受け取る場合と同様に行われ、ワーク保持治具24からワークピース10を取り外してロボットに渡す。そして、ロボットから未加工のワークピース10を受け取り、ワーク保持治具24に取り付ける。そのため、ワークホルダ20がロボットに渡したワークピース10を解放する際には、レバー132等は収納位置までは回動させられず、係合面172が内側面16から離間してワークピース10を解放し、平行四辺形リンク群82が開口14から抜け出すのに十分な解放位置まで移動させられる。工具主軸22の逆方向(ワークピース解放方向)への回転角度がそのように設定される。ロボットから未加工のワークピース10を受け取る際にレバー132等は解放位置から保持位置へ移動させられるが、この回動角度はレバー132等が収納位置まで戻される場合より小さく、平行四辺形リンク130の開閉が迅速に行われ、ワークピース10の受渡しが迅速に行われる。ロボットへのワークピース10の渡し後、ロボットから未加工のワークピース10を受け取る場合でも、レバー132等を収納位置まで戻してもよく、また、ワークピース10を受け取らない場合には、収納位置へ戻される。
ワークホルダ20においては、例えば、図8および図9に示すように、レバー132,134の回動角度を大きくするほど、リンク136の対称軸と直交する方向における移動距離を大きくし、開口14が大きいワークピース10を保持することができる。回転軸90ないし工具主軸22の回転角度はワークピース10の種類に応じて設定されている。ワークピース10の開口14の大きさが異なっても、3つの保持部176の各係合面172および支持面174の対称軸に対する姿勢は変わらず、係合面172が内側面16に、その端面12に直角な方向の全体にわたって線状に接触し、ワークピース10を安定して保持することができる。また、支持面174も、その全体において端面12とは反対側の内端面の開口近傍部分に接触し、ワークピース10を支持することができる。3つの平行四辺形リンク130は、ワークピース10を保持しない状態では、図7に示すように閉じ、各レバー132,134およびリンク136が溝138内に収納しておくことができ、ワークホルダ20を収縮させてコンパクトな状態とすることができる。
ワーク保持治具24にワークピース10を取り付ける際、ワークピース10を解放するためにレバー132,134,リンク136を収納位置へ戻すことは不可欠ではない。例えば、ワークホルダ20に、複数のワークピース10を連続してワーク保持治具24への保持を行わせる作業態様では、ワークホルダ20がワークピース10を1個、ワーク保持治具24に保持させる毎にレバー132等を溝138内に収納しなくてもよく、レバー132,134,リンク136を、ワークピース10の内側面16の大きさに応じた保持位置と、その保持位置から、内側面16から離れてワークピース10を解放し、平行四辺形リンク群82が開口14から抜け出すのに足る解放位置との間で回動させ、移動させればよい。この場合、工具主軸22ないし回転軸90は、レバー132等を保持位置と、収納位置までは至らない解放位置との間で移動させる角度、回転させられ、保持時と解放時とにおいて正逆両方向に同じ角度回転させられる。回転軸90の回転角度を大きくするほど、保持部176の移動距離を大きくし、内側面16が大きいワークピース10を保持することができ、ワークピース10を保持,解放するための工具主軸22ないし回転軸90の回転角度範囲(保持角度と解放角度との間の角度範囲)は、内側面16の大きさに応じて複数種類、設定される。
なお、加工機械は、上記実施例では縦型とされていたが、主軸が水平軸線まわりに回転させられる所謂横型でもよい。
また、上記実施例においてワークホルダ20は、複数の保持部が互いに離間させられてワークピース10を保持し、互いに接近させられてワークピース10を解放するものとされていたが、互いに接近させられてワークピース10を保持し、互いに離間させられてワークピース10を解放するものとしてもよい。ワークホルダにワークピースの被保持部を外側から保持させるのである。この場合、保持部のワークピースを保持する部分の形状は、例えば、ワークピースの被保持部の形状等に応じた形状とされる。例えば、保持部に横断面形状が三角形状の凹部を設け、その凹部の互いに交差する2つの面を係合面とし、被保持部の被保持面たる外側面に接触させて保持させる。
さらに、複数の保持部のワークピースの保持・解放動作の少なくとも一部と、相対移動装置によるワークホルダとワーク保持治具との相対移動の少なくとも一部とが並行して行われるようにしてもよい。
また、工具主軸は、鉛直軸線および水平軸線以外の軸線まわりに回転するものとしてもよい。
さらに、相対移動装置は、ワーク取付部を移動させる装置としてもよく、工具主軸とワーク取付部との両方を移動させる装置としてもよい。
さらにまた、本請求可能発明は、マシニングセンタ以外の加工機械であって、ワークホルダを備えた加工機械およびその加工機械のワークホルダや、加工機械以外の装置等においてワークピースを保持するワークホルダにも適用することができる。
以上、本請求可能発明のいくつかの実施例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、本請求可能発明は、前記〔発明の態様〕の項に記載された態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した形態で実施することができる。
本請求可能発明の実施例である加工機械を示す正面図である。 上記加工機械を示す側面図である。 上記加工機械のワークホルダを示す正面図(一部断面)である。 上記ワークホルダを示す底面図である。 上記ワークホルダを示す側面図である。 上記ワークホルダのトルクリミッタの凹凸部およびボールを示す展開図である。 上記ワークホルダがワークピースを保持しない状態の一部を示す図である。 上記ワークホルダによる別のワークピースの保持を説明する図である。 上記ワークホルダによる更に別のワークピースの保持を説明する図である。
符号の説明
10:ワークピース 20:ワークホルダ 22:工具主軸 24:ワーク保持治具 26:工具主軸移動装置 27:工具等収容装置 28:自動工具交換装置 50:主軸ハウジング 62:加工工具 78:ケーシング 82:平行四辺形リンク群 86:駆動装置 88:トルクリミッタ 90:回転軸 92:運動変換装置 130:平行四辺形リンク 132,134:レバー 136:リンク 172:係合面 174:支持面 180:雄ねじ部材 182:雌ねじ部材 184:雄ねじ部 186:雌ねじ部 200:突部 202:溝 220:第一リミッタ部材 222:凹凸部 224:凹部 226:突部 230:第二リミッタ部材 232:ボールプランジャ 234:収容凹部 236:ボール 238:圧縮コイルスプリング

Claims (2)

  1. 本体部材と、
    その本体部材と、その本体部材に回動可能に保持された一対のレバーと、それら一対のレバーの自由端部同士を連結する連結部材とから成る平行四辺形リンクが、対称軸に対して軸対称に複数、本体部材上に構成された平行四辺形リンク群と、
    前記本体部材に相対回転可能に保持された回転軸と、その回転軸の本体部材に対する相対回転を前記一対のレバーの回動に変換する運動変換装置とを含み、前記平行四辺形リンク群を、前記対称軸に対して軸対称の状態を保って一斉に作動させる駆動装置と
    前記複数の連結部材の各々に設けられ、互いに共同してワークピースを保持する複数の保持部と
    を含み、前記運動変換装置が、
    前記本体部材に相対回転可能に保持され、前記回転軸と共に回転する第一ねじ部材と、
    前記本体部材に相対回転不能かつ軸方向に相対移動可能に保持され、前記第一ねじ部材と螺合された第二ねじ部材と
    を含んで第二ねじ部材の前記本体部材に対する軸方向の相対移動を前記一対のレバーの回動に変換するものであり、かつ、
    前記第一ねじ部材と前記回転軸との間に、設定値以下のトルクは伝達するが設定値を超えるトルクは伝達しないトルクリミッタが設けられ、
    前記回転軸が加工機械の主軸に取り外し可能に取り付けられ、前記本体部材が加工機械の非回転部と係合させられることを特徴とするワークホルダ。
  2. 前記平行四辺形リンク群が3つの平行四辺形リンクから成ることを特徴とする請求項1に記載のワークホルダ。
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