JP2005244937A - 多周波帯用ルックアップテーブル型プリディストータ - Google Patents

多周波帯用ルックアップテーブル型プリディストータ Download PDF

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Abstract

【課題】中心周波数が大きく離れた複数の帯域の信号を含む送信信号を増幅する電力増幅器の歪を各帯域別に精度よく歪補償を行う。
【解決手段】 複数の周波数帯の送信信号を含む入力信号からそれぞれの周波数帯の信号を複数の帯域信号抽出器で抽出し、複数の差分検出器により上記抽出された信号と電力増幅器の出力信号との差分をそれぞれの周波数帯で検出し、それら検出差分信号を参照信号としてそれぞれの周波数帯用のルックアップテーブルから補正データを読み出し、複数の加算器でそれぞれの周波数帯の抽出された送信信号に補正データを加算し、それぞれの周波数帯の加算結果を合成器で合成してプリディストータの出力とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、多周波数帯域の送信信号を一括して増幅する多周波帯用ルックアップテーブル型プリディストータに関する。
マイクロ波帯電力増幅器の非線型歪補償方法のひとつとしてディジタル信号処理によるプリディストーション法(以下、ディジタルプリディストーション法)がある(例えば特許文献1)。ディジタルプリディストーション法の特徴は、ディジタル信号処理にてプリディストータの構成を可能とすることで複雑なアナログ回路を不要にしている点にある。従来の線形増幅器はフィードフォワード増幅器、負帰還増幅器など主としてアナログ回路にて実現されている。プリディストータも同様にアナログ回路にて実現されている(例えば非特許文献1、2)。しかしながらこれのアナログ回路による線形化回路技術は、一般に高度な調整技術を必要としている。さらに変調回路を含めて送信機の小型化及び経済化を可能にするにはアナログ回路を簡素かつ簡易に構成する必要がある。
これまでにディジタルプリディストータには、予め増幅器の非線形特性を線形化するテーブルを持つルックアップテーブルによる構成が知られている。(例えば特許文献1及び非特許文献3)。ルックアップテーブルを持つディジタルプリディストータは、歪成分を設計値以下にするように増幅器出力信号を帰還してルックアップテーブルの設定値を更新する。このようにして、ディジタル信号処理にて歪補償ができることが知られている。その歪補償量は、約15dB以下であることが知られている(非特許文献4)。
特表2002-522989号公報 H.Girard and K.Feher,"A new baseband linearizer for more efficient utilization of earth station amplifiers used for QPSK transmission", IEEE J. Select. Areas Commun. SAC-1, No. 1, 1983 野島、岡本、"複素べき級数表示による進行波管増幅器入出力非線形特性の解析とひずみ補償法への応用"、電子情報通信学会論文誌B, Vol.J64-B, No.12, Dec.1981 L.Sundstrom, M.Faulkner, and M.Johansson, "Quantization analysis and design of a digital predistortion linearizer for RF power amplifiers", IEEE Trans.Vech.Tech.,Vol.45,No.4,pp.707-719, 1996. 11. 石川、長谷、久保、戸澤、濱野、"W−CDMA基地局用適応歪補償装置の開発"、2002年電子情報通信学会ソサイエティ大会、C-2-31,2002.09.
一般にルックアップテーブル型プリディストータにおける歪補償の可能な周波数範囲は搬送周波数を中心に20数MHz程度である。このためPDC(パーソナル・ディジタル・セルラ)のように例えば800MHz帯と、1.5GHz帯の双方の信号を同時に送信するシステムでは、これらの双方の帯域の信号を同時に歪補償を行いつつ所定の歪補償を達成することはできない。従ってルックアップテーブル型プリディストータによって歪補償を行ないつつ複数の帯域の信号を送信する場合には、各帯域別にルックアップテーブル型プリディストータを構築し,ベクトル信号変調器、周波数変換器、電力増幅器も各帯域別に用意しなければならないため、装置の規模が肥大化し、更に消費電力量の増大と装置が大型になる欠点がある。
複数の帯域のルックアップテーブル型プリディスト−ション処理を一括にできれば装置の簡易化、低消費電力化及び小型化が可能となる。そこで単一のルックアップテーブルを用いて複数の帯域のルックアップテーブル型ディスト−ション処理を行なわせようとすると、帯域が例えば800MHzと1.5GHzのように各帯域の帯域幅と比較して大きく離れている場合、ルックアップテーブルに格納されている補正値は双方の帯域の信号に対して不確実な値となり、双方の帯域で発生する歪みを適正に補償することはできない。
この発明による電力増幅器の歪を補償するための多周波帯用ルックアップテーブル型プリディストータは、
入力信号からN個の周波数帯の送信信号を抽出するN個の帯域信号抽出器と、Nは2以上の整数であり、
上記N個の周波数帯の送信信号と、電力増幅器の出力信号であって上記N個の周波数帯とそれぞれ同じ周波数帯の信号との差分を検出するN個の差分検出器と、
上記N個の周波数帯の検出差分を参照信号として用いてそれぞれ対応するN個の周波数帯の補正データを読み出すためのN個のルックアップテーブルと、
上記N個のルックアップテーブルから読み出された補正データを対応する上記N個の周波数帯の送信信号にそれぞれ加算するN個の加算器と、
上記N個の加算器の加算出力を合成する合成器、
とを含むように構成される。
この発明によれば複数の帯域信号を含む入力信号を帯域信号抽出器で各帯域の信号に分離し、各帯域毎に設けたルックアップテーブルから読み出される歪補正値により各帯域別に歪補正を行うことで、各帯域毎に適正な歪補正を行うことができる。特に各帯域の信号に歪補正値を加算した後、合成器により合成するから、共通の電力増幅器で増幅することができる。従って送信すべき帯域信号の数がいくつあっても、各帯域毎に適正な歪補償を行ないつつ、共通の電力増幅器で増幅することができる。この結果、装置の簡素化と、低消費電力化及び小型化を達することができる。
第1実施例
図1に本発明を実施する場合の最良の形態のルックアップテーブル型プリディストータの基本構成を示す。この発明のプリディストータは2以上の任意の数の離散的な周波数帯に対応するように構成できる。説明を簡単にするため、2つの周波数帯の信号に対応した構成で説明する。
この発明によるルックアップテーブル型プリディストータはここでは2つの送信帯域を持つ入力信号からそれらの帯域信号を抽出する帯域信号抽出器11-1及び11-2と、抽出された各帯域信号と、このプリディストータにより歪をキャンセルする対象である電力増幅器の出力信号から抽出した対応する周波数帯の信号との差分を検出する差分検出器16-1,16-2と、この差分検出器16-1,16-2の検出信号を参照信号として用いて、対応する周波数帯の送信信号を歪補正する(前置歪を与える)ための補正データを読み出すための周波数帯用ルックアップテーブル17-1,17-2と、各周波数帯用ルックアップテーブル17-1,17-2から読み出した補正データをそれぞれの送信帯域の送信信号にそれぞれ加算する加算器13-1,13-2と、これらの加算器13-1,13-2の加算出力を合成し、プリディストータの出力とする合成器14とによって構成される。
図1に示すように、入力送信信号STは分配器10で2つの帯域信号抽出器11-1, 11-2に分配され、2つの周波数帯の信号が抽出される。抽出された2つの周波数帯の信号の一方は分配器12-1により加算器13-1と差分検出器16-1に分配され、他方は分配器12-2により加算器13-2と差分検出器16-2に分配される。それぞれの周波数帯の分配された一方の送信信号は加算器13-1, 13-2を経て合成器14で互いに合成され、プリディストータの出力信号SDとして図示してない電力増幅器に供給される。
一方、このプリディストータが歪補償を行う対象である電力増幅器の出力の一部をモニタ信号SMとして帰還し、分配器21で帯域信号抽出器15-1, 15-2に分配する。帯域信号抽出器15-1, 15-2は帯域信号抽出器11-1, 11-2とそれぞれ同じ周波数帯の信号を抽出し、それぞれ差分検出器16-1, 16-2に与える。差分検出器16-1, 16-2は互いに対応する周波数帯での送信信号と増幅器出力信号との差分e1, e2を検出する。従って、電力増幅器がそれぞれの周波数帯で発生した歪成分が差分信号として検出されることになる。検出したそれぞれの周波数帯の差分e1, e2、即ち歪成分を参照信号としてルックアップテーブル17-1, 17-2から対応する補正データを読み出し、加算器13-1, 13-2に与える。補正データは検出した歪成分をキャンセルするようなデータであり、電力増幅器がそれぞれの周波数帯で発生する歪成分に対し予め決めた補正データがルックアップテーブル17-1, 17-2に格納されている。これらの補正データは周波数帯域ごとに所定の歪抑圧量を達成するまで更新を繰り返すことにより、歪抑圧量を適応的に改善していく。
差分検出器16-1と16-2で検出した差分信号e1, e2をルックアップテーブル17-1,17-2に参照信号として与え、ルックアップテーブル17-1と17-2から各周波数帯での歪補正データD1, D2を読み出し、その歪補正データD1, D2を加算器13-1と13-2で送信すべき周波数帯の信号に加算し、歪補償(前置歪の付加)を行う。
加算器13-1と13-2で歪補正データが加算された送信信号は合成器14で合成され、その合成出力はアナログ信号に変換され所定の電力増幅器で電力増幅されて送信される。
この発明によるルックアップテーブル型プリディストータを移動通信に適用すると、帯域信号抽出器11-1と11-2で抽出する帯域信号は例えば800MHz帯と、1.5GHz帯の信号とすることができる。周波数帯の数は2つに限らず、例えば2GHz帯、5GHz帯の信号も同時に送信するものとすれば、帯域信号抽出器の数は4個となり、これに伴なって分配器12、加算器13、差分検出器16、ルックアップテーブル17の数もそれぞれも4個となる。
帯域信号抽出器11-1, 12-1, 15-1, 15-2の特性はそれぞれ中心周波数をf1, f2とする所望の帯域幅を有し、それぞれ第1周波数帯及び第2周波数帯の信号を抽出する。このような各帯域信号抽出器は例えば帯域通過フィルタ(バンドバスフィルタ:BPF)で構成してもよいし、あるいは帯域阻止フィルタ(バンドエリミネーションフィルタ:BEF)で構成してもよい。
図2に帯域通過フィルタで構成した場合の帯域信号抽出器11-1, 12-1(又は15-1, 15-2)の周波数対減衰特性をそれぞれ実線と破線で概念的に示す。中心周波数がそれぞれf1, f2の周波数帯の帯域外で急峻に減衰量が増大する。これにより周波数帯間の分離が十分な特性とする必要がある。そのような特性は一般に複数のバンドバスフィルタを縦続接続して得ることができる。
図3は例えば帯域信号抽出器11-1を帯域阻止フィルタで構成した場合の周波数対減衰特性を示す。ただし、この例は中心周波数がf1, f2, f3, f4の4つの周波数帯を使用する場合であり、中心周波数f1の帯域信号抽出器11-1に要求される特性を概念的に示している。この特性は、図3から明らかなように第1周波数帯以外の周波数帯である第2、第3及び第4周波数帯をそれぞれ阻止する3つの帯域阻止フィルタBEF1, BEF2, BEF3の図4に示すような縦続接続により形成することができる。各帯域阻止フィルタはその帯域で十分な帯域阻止特性を有し、かつそれ以外の帯域で十分に低損失な通過特性を有するよう構成する。そのような各帯域阻止フィルタは例えばノッチフィルタで構成できる。ノッチフィルタには、誘電体共振器を用いる帯域阻止フィルタ、マイクロストリップラインによるスタブを用いたフィルタなどを適用することができる。図に示さないが、同様に、第2周波数帯の帯域信号抽出器12-1の特性は他の第1、第3及び第4周波数帯をそれぞれ阻止する3つの帯域阻止フィルタの縦続接続で形成することができる。図示してない第3及び第4周波数の帯域信号抽出器についても同様である。
各周波数帯の帯域信号抽出器を帯域通過フィルタで構成する場合は、中心周波数の帯域周辺を抽出しやすく、また中心周波数からのアイソレーションが比較的取りやすい利点がある。しかし、中心周波数がバンドバスフィルタの共振周波数となるため、信号の遅延が大きくなる。従って、帯域信号抽出器15-1, 15-2を含む帰還経路の設計が難しくなる問題がある。各帯域信号抽出器を帯域阻止フィルタで構成する場合は、その抽出する周波数帯域において、中心周波数ではないので信号の遅延が小さい。従って、帰還経路の設計が容易になる利点がある。更に、帯域阻止フィルタの設計も容易である。
以下に説明する他の実施例においても、帯域信号抽出器はバンドパスフィルタで構成してもよいし、バンドエリミネーションフィルタで構成してもよい。
第2実施例
図5にこの発明の第2実施例を示す。この第2実施例は点線で囲んだルックアップテーブル型プリディストータの部分をディジタル回路で構成した場合を示す。ディジタル信号処理系であることから、信号系はI信号系とQ信号系の2経路で構成される。入力側には2機のディジタル送信機T-1とT-2が設けられ、これら2機のディジタル送信機T-1とT-2から、中心周波数f1の第1周波数帯域信号ST1と中心周波数f2の第2周波数帯域信号ST2が入力される。移動通信に適用すれば、f1が例えば800MHz帯であり、f2が例えば1.5GHz帯の信号としてもよい。入力信号はこれらの2波に限らない。例えば2GHz帯、5GHz帯等の他の帯域信号を入力することもできる。
送信機T-1とT-2から出力された各帯域信号は合成器9で合成され、その合成信号STをルックアップテーブル型ディジタルプリディストータに入力する。ルックアップテーブル型ディジタルプリディストータの内部の構成は図1で説明した構成と同じであるから、対応する部分には図1と同一符号を付し、その重複説明は省略する。帯域信号抽出器11-1, 11-2, 15-1, 15-2としてディジタル信号処理によるバンドエリミネーションフィルタを用いることにより、それぞれの中心周波数で十分な帯域阻止量を実現することができる。この実施例では合成器14で合成した合成信号はディジタル−アナログ変調器24-1と24-2でアナログ信号に変換する。その変換されたアナログ信号をベクトル信号変調器25でベクトル変調し、周波数変換器26で局部発振器27からのキャリア信号で周波数変換する。その周波数変換された高周波信号を電力増幅器28で電力増幅し、共用器(特に図示しない)を介してアンテナ(特に図示しない)に供給する。
電力増幅器28の出力側に方向性結合器29が設けられ、この方向性結合器29で送信信号の一部をモニタ信号SMとして分岐して取り出し、モニタ用受信機31で復調してアナログ−ディジタル変換器32-1と32-2でI信号とQ信号のディジタル信号を得る。I信号とQ信号は多周波帯用ルックアップテーブル型ディジタルプリディストータに入力される。多周波帯用ルックアップテーブル型ディジタルプリディストータの内部は図1と同様であるからここではこれ以上の詳細説明は省略する。
以上の構成により送信信号が電力増幅器28で受ける歪成分を予め多周波帯用ルックアップテーブル型ディジタルプリディストータにおいて逆位相の関係で加算される。これにより、電力増幅器で増幅する際に歪成分を相殺することができる。
尚、所定の帯域信号を抽出する帯域信号抽出器11-1と11-2は、それぞれの周波数帯の送信機T-1及びT-2から入力信号を独立に供給する場合はなくてもよい。その場合はそれぞれの周波数帯の送信機T-1, T-2から送信信号を図中に破線で示すように直接分配器12-1, 12-2に供給する。
また、ディジタルプリディストータ出力信号は、それぞれ独立にディジタル・アナログ変換され、独立な周波数変換器にて周波数変換され、広帯域方向性結合器または電力合成器にて合成されてもよい。
ルックアップテーブル17-1と17-2の補正データ係数は、それぞれの周波数帯域ごとに事前に電力増幅器28の入出力特性を測定し入力しておく。それぞれの周波数帯ごとに所定の歪抑圧量を達成するまでそれぞれの周波数帯用ルックアップテーブル17-1と17-2の係数を補正する。この過程を繰り返すことにより、それぞれの周波数帯ごとに歪抑圧量を適応的に改善していく。
電力増幅器28において、複数の周波数帯域の入力信号により生じる相互変調歪は、電力増幅器28の各周波数帯域幅に比較して十分に周波数間隔が広いため、電力増幅器28の出力側にある共用器または帯域通過フィルタにて、それらの相互変調歪を除去することができる。
第3実施例
図6にこの発明の多周波帯用ルックアップテーブル型プリディストータをアナログ回路で構成した多周波帯用ルックアップテーブル型アナログプリディストータを示す。ルックアップテーブル17-1, 17-2はディジタル信号処理で実現されるため、参照信号を高周波信号からダウンコンバータ33-1, 33-2によりベースバンド信号に周波数を変換し、そのベースバンド信号をアナログ・ディジタル変換器34-1, 34-2でディジタル信号に変換している。また、ルックアップテーブル17-1, 17-2から読み出された補正データD1, D2はディジタル・アナログ変換器35-1, 35-2でアナログ信号に変換され、さらにアップコンバータ36-1, 36-2で高周波信号に変換され加算器13-1, 13-2に与えられる。それ以外の点線で囲った部分は図1に示したものと基本的に同じである。ここではプリディストータの出力を電力増幅器28で電力増幅し、その電力増幅出力をアンテナ(特に図示しない)に通じる共用器(特に図示しない)に供給する場合を示す。電力増幅器28の出力側に方向性結合器29を設け、この方向性結合器29で送信信号の一部を分岐して取り出し、その分岐出力をアナログプリディストータに入力した場合を示す。
この場合も入力信号から所定の帯域信号を抽出する帯域信号抽出器11-1と11-2は、それぞれの周波数帯の送信機T-1及びT-2から入力信号を独立に供給する場合はなくてもよい。また、アナログプリディストータ出力信号は、それぞれ独立な周波数変換器にて周波数変換され、広帯域方向性結合器または電力合成器にて合成されてもよい。
ルックアップテーブル17-1と17-2の係数は、それぞれの周波数帯域ごとに事前に電力増幅器28の入出力特性を測定し入力しておく。それぞれの周波数帯ごとに所定の歪抑圧量を達成するまでそれぞれの周波数帯用ルックアップテーブル17-1と17-2の係数を補正する。この過程を繰り返すことにより、それぞれの周波数帯ごとに歪抑圧量を適応的に改善していく。
電力増幅器28において、複数の周波数帯域の入力信号により生じる相互変調歪は、電力増幅器28の各周波数帯域幅と比較して十分に周波数間隔は広いため、電力増幅器28の出力側にある共用器または帯域通過フィルタにてそれらの相互変調歪を除去することができる。
第4実施例
図7に本発明の第4実施例を示す。この実施例は、図1の実施例に対しルックアップテーブル17-1, 17-2の更新機能を付加したものであり、差分検出器16-1, 16-2の出力側に分配器23-1, 23-2を挿入し、分配された差分検出信号e1, e2を制御器22に与え、差分検出信号に基づいてルックアップテーブル17-1, 17-2を更新するように構成されている。
ルックアップテーブル17-1, 17-2の参照信号としての差分検出信号e1, e2は制御器22に入力される。制御器22は、入力される参照信号を最小にするように、ルックアップテーブル17-1, 17-2の補正データである係数の更新を制御する。
第1の更新方法として、時刻tの第i周波数帯の参照信号をei(t)、第i周波数帯用ルックアップテーブル17-iの係数列をwi(t)とすると、N個の周波数帯の歪補償を同時に行なうルックアップテーブル型プリディストータの制御器の制御は以下となる。
W(t)=(w1(t)....wN(t)) (1)
E(t)=(e1(t)...eN(t)) (2)
W(t+1)=W(t)+μ(t)E(t) (3)
μ(t)は次式で表される忘却係数行列である。
μ(t)=(μ1(t)...μN(t)) (4)
式(3)は制御器22に格納されている制御アルゴリズムである。制御器22は参照信号行列E(t)の絶対値を最小にするようにルックアップテーブルの係数を更新する。すなわち、個々の周波数帯用ルックアップテーブルの係数を更新して参照信号ei(t)を最小にするのではなく、全てのルックアップテーブルの係数を更新して参照信号行E(t)の絶対値を最小にする。忘却係数行列は、参照信号行列の絶対値を最小にする条件で求める。これにより、N個の周波数帯の歪補償を同時に行なうことができる。式(3)は、個々のルックアップテーブルの係数を更新するのではない。
第2の更新方法として、各周波数帯用ルックアップテーブルに入力される参照信号をそれぞれ最小にする制御方法について述べる。制御器22は、以下の式(5)に示すように忘却係数を一定値として設定する。
W(t+1)=W(t)+μE(t) (5)
式(5)より、各周波数帯用ルックアップテーブルの係数は独立にそれぞれの参照信号を最小にするように制御される。このとき、式(5)は複数のルックアップテーブルの係数を同時に更新してもよい。同様に、式(5)を順次更新してもよい。このとき、ルックアップテーブルの係数の同時制御数は1となる。
第5実施例
図8に第5実施例を示す。第5実施例は、図5の実施例に対し、ルックアップテーブル17-1, 17-2の更新機能を付加したものであり、図7の実施例と同様に分配器23-1, 23-2と、制御器22が追加されている。
電力増幅器28の出力の一部を方向性結合器29からモニタ信号SMとして取り出し、モニタ用受信機31で周波数変換を行いベースバンド信号とし、それをアナログ・ディジタル変換器32-1, 32-2にてディジタル信号に変換された信号と、分配器12-1, 12-2により分配された信号との差分が参照信号e1, e2として差分検出器16-1, 16-2により求められる。この参照信号e1, e2と制御器22の制御信号により、ルックアップテーブル17-1, 17-2の係数を更新し、かつ補正データをルックアップテーブル17-1, 17-2より読み出す。この一連の信号処理を各送信周波数帯域ごとに行う。このようにして,複数の周波数帯の送信信号はそれぞれ独立な歪補償を行うことができる。
それぞれの周波数帯の送信機T-1, T-2から送信信号を独立に供給する場合は合成器9及び分配器10はなくてよく、送信信号は図中に破線で示すように直接分配器12-1, 12-2に供給される。また,ディジタルプリディストータ出力信号は,それぞれ独立にディジタル・アナログ変換され,独立な周波数変換器にて周波数変換され,広帯域方向性結合器または電力合成器にて合成されていもよい.
制御器22は,2つの周波数帯の参照信号e1, e2の絶対値の和を最小にするように、2つのルックアップテーブル17-1, 17-2に係数更新の指示を行なう。また,それぞれのルックアップテーブル17-1, 17-2の係数更新の指示は、それぞれの参照信号e1, e2の絶対値を最小にする係数でもよい。
ルックアップテーブル17-1, 17-2の初期係数は、それぞれの周波数帯域ごとに事前に電力増幅器28の入出力特性を測定して求めておく。それぞれの周波数帯域ごとに所定の歪抑圧量を達成するまでそれぞれの周波数帯用ルックアップテーブル17-1, 17-2の係数を補正する。この過程を繰り返すことにより、それぞれの周波数帯域ごとに歪抑圧量を適応的に改善していく。
電力増幅器28において、電力増幅器28の各周波数帯の帯域幅に比較して周波数帯間の周波数間隔は十分に広いため、複数の周波数帯域の入力信号により生じる相互変調歪は、電力増幅器28の出力側に設けられる共用器または帯域通過フィルタにて除去できる。
第6実施例
図9に第6実施例を示す。この第6実施例は、図6に示したアナログプリディストータの実施例に対しルックアップテーブル17-1, 17-2の更新機能を付加したものであり、図7の実施例と同様に分配器23-2, 23-2と制御器22が追加されている。制御器22によるルックアップテーブル17-1, 17-2の更新動作は図8の場合と同様であり、説明を省略する。
この発明による多周波帯用ルックアップテーブル型プリディストータは例えば800MHz,1.5GHz,2GHz,5GHz等の複数の帯域を利用する移動通信に利用することができる。
この発明のルックアップテーブル型プリディストータの基本的構成を示すブロック図。 帯域信号抽出器を帯域通過フィルタで構成する場合の利得特性を説明するための図。 帯域信号抽出器を帯域阻止フィルタで構成する場合の特性を説明するための図。 4つの使用周波数帯に対応した帯域信号抽出器を帯域阻止フィルタで構成した例を示す図。 この発明の第2実施例を説明するためのブロック図。 この発明の第3実施例を説明するためのブロック図。 この発明の第4実施例を説明するためのブロック図。 この発明の第5実施例を説明するためのブロック図。 この発明の第6実施例を説明するためのブロック図。

Claims (9)

  1. 電力増幅器の歪を補償するプリディストータであり、
    入力信号からN個の周波数帯の送信信号を抽出するN個の帯域信号抽出器と、Nは2以上の整数であり、
    上記N個の周波数帯の送信信号と、電力増幅器の出力信号であって上記N個の周波数帯とそれぞれ同じ周波数帯の信号との差分を検出するN個の差分検出器と、
    上記N個の周波数帯の検出した差分を参照信号として用いてそれぞれ対応するN個の周波数帯の補正データを読み出すためのN個のルックアップテーブルと、
    上記N個のルックアップテーブルから読み出された補正データを対応する上記N個の周波数帯の送信信号にそれぞれ加算するN個の加算器と、
    上記N個の加算器の加算出力を合成する合成器、
    とを含むことを特徴とする多周波帯用ルックアップテーブル型プリディストータ。
  2. 請求項1記載のプリディスクトータにおいて、少なくとも上記N個の帯域信号抽出器、上記N個の差分検出器、及び上記N個の加算器はアナログ信号処理回路で実現されることを特徴とする多周波帯用ルックアップテーブル型プリディストータ。
  3. 請求項1記載のプリディスクトータにおいて、少なくとも上記N個の帯域信号抽出器、上記N個の差分検出器、上記N個のルックアップテーブル、及び上記N個の加算器はディジタル信号処理で実現されていることを特徴とする多周波帯用ルックアップテーブル型プリディストータ。
  4. 請求項1、2又は3のいずれかに記載のプリディストータにおいて、上記電力増幅器の出力信号から上記N個の周波数帯とそれぞれ同じ周波数帯の上記信号を抽出し、上記N個の差分検出器にそれぞれ与える第2のN個の帯域信号抽出器をさらに含むことを特徴とする多周波帯用ルックアップテーブル型プリディストータ。
  5. 請求項4記載のプリディストータにおいて、上記第2のN個の帯域信号抽出器のそれぞれは、残りのN-1個の上記第2帯域信号抽出器の周波数帯をそれぞれ阻止する複数の縦続接続された帯域阻止フィルタで構成されていることを特徴とする多周波帯用ルックアップテーブル型プリディストータ。
  6. 請求項4記載の多周波帯用ルックアップテーブル型プリディストータにおいて、上記第2のN個の帯域信号抽出器のそれぞれは、それぞれの周波数帯の中心周波数を中心周波数とする帯域通過フィルタで構成されている。
  7. 請求項1,2又は3のいずれかに記載のプリディストータにおいて、上記N個の差分検出器のそれぞれの周波数帯の検出差分信号が与えられ、それらに基づいて上記N個のルックアップテーブルの上記補正データを更新する制御器を含むことを特徴とする多周波帯用ルックアップテーブル型プリディストータ。
  8. 請求項7記載のプリディストータにおいて、上記制御器は、上記N個の検出差分信号の絶対値の和が最小となるように上記N個のルックアップテーブルの補正データを同時にそれぞれ更新することを特徴とする多周波帯用ルックアップテーブル型プリディストータ。
  9. 請求項7記載のプリディストータにおいて、上記制御器は、上記N個の検出差分信号のそれぞれの絶対値がそれぞれ最小となるように対応する上記N個のルックアップテーブルの補正データをそれぞれ更新することを特徴とする多周波帯用ルックアップテーブル型プリディストータ。
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