JP2005244133A - 誘電体素子、圧電素子、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置、並びにこれらの製造方法 - Google Patents

誘電体素子、圧電素子、インクジェットヘッド及びインクジェット記録装置、並びにこれらの製造方法 Download PDF

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俊博 伊福
Katayoshi Matsuda
堅義 松田
Katsumi Aoki
活水 青木
Kenichi Takeda
憲一 武田
Kiyotaka Wasa
清孝 和佐
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Abstract

【課題】 特性が良好で薄膜化が可能な誘電体、圧電体およびそれらの製造方法を提供すること、更には、この圧電体素子を用いたインクジェットヘッド等のアクチュエータを提供すること。
【解決手段】 圧電体などとして利用できる誘電体を、比誘電率の異なる2種の誘電体層の積層構造を有するように形成する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、コンデンサー、センサー、トランスデューサー及びアクチュエータ等、特にMEMSとしての応用が可能な誘電体素子及び圧電体(電歪体)素子、並びに、この圧電体素子を用いたインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置に関する。本発明は更に、これらの製造方法に関する。
コンデンサーとして比誘電率の高い誘電体材料が求められる一方、コンデンサーの小型化のためにBaTiO3などのセラミックス材料の薄膜化が進んでいる。しかし、BaTiO3やPb(Zr,Ti)O3などの材料の比誘電率は、セラミックス材料で高々、1500程度であり、薄膜化することにより更に焼結不良、界面での欠損構造の問題も加わり、特性の不良な電子デバイスとなる場合が多い。
また、圧電体としては、近年、MEMSや圧電応用での研究が広がり、薄膜での特性の良い圧電体素子が望まれている。圧電体素子は、圧電体層を電極ではさみ、電界をかける事により、伸縮する素子であり、モーター、超音波モーター、アクチュエータ等に適応できる。
上記応用分野でもっぱら利用されてきた材料は、約50年前に発見されたPZT系材料である。PZT系材料は、焼結温度が1100℃以上であり、薄膜素子として適応させるために、ゾルゲル法、スパッタ法、MBE法、PLD法、CVD法等を用いた材料開発が進められている。しかし、薄膜として応用した場合、膜中あるいは膜界面での物理的破壊等が発生し易い等の問題が生じる場合がある。そのために圧電体層の結晶構造を工夫し、大きな圧電定数や良好な耐圧性を得ようとする試みがされている。インクジェットヘッドとして、スパッタで(001)配向膜を用いた例が、特開平8−116103号公報に記載されている。この方法では、基板上に配向した電極を設け、圧電膜と電極間にZrが存在しないPbTiO3層を介在させることにより圧電膜の結晶構造を制御している。しかし、この方法では、PbTiO3層の比誘電率が圧電膜のPZTのそれと比べて小さく、電界を駆けた場合にPZT層にかかる電界強度が小さくなるという問題がある。
また、一方、PZTセラミックスを越える圧電定数を実現するために、リラクサ系材料の単結晶化が検討されており、溶融法でバルクの単結晶物が得られ大きな圧電定数が報告されている。しかし、これらリラクサ系材料を薄膜成膜した報告は、2002年度のFMA(強誘電体応用会議)で報告されているが、安定した状態で大きな圧電定数を得られた状態ではない。また、米国特許第5804907号明細書には、リラクサ系単結晶材料をアクチュエータとして利用する事が述べられているが、素子の作成方法に関しては、具体的には記載されていない事、単結晶材料が溶融法(TSSG法)により作成された物であるため、50μm以下の薄膜には対応出来ない等の問題がある。
特開平8−116103号公報 米国特許第5804907号明細書
本発明の目的は、上記問題を解決した誘電体、圧電体およびそれらの製造方法を提供すること、更には、この圧電体素子を用いたインクジェットヘッド等のアクチュエータを提供することにある。
本発明にかかる第1の誘電体素子は、
上部電極層と下部電極層の間に誘電体層を設けた積層構造を有する誘電体素子において、
前記誘電体層が、元素組成の異なる第一の誘電体層と第二の誘電体層の2層を少なくとも有し、前記第一の誘電体層が第二の誘電体層との境界側で少なくとも1成分の組成が他の成分に対して傾斜構造である事を特徴とする誘電体素子である。
本発明にかかる第2の誘電体素子は、
上部電極層と下部電極層の間に誘電体層を設けた積層構造を有する誘電体素子において、
前記誘電体層が第一の誘電体層と第二の誘電体層を有し、前記第二の誘電体層が4成分以上の金属元素で形成された酸化物を主体とする層であり、前記第一の誘電体層が前記4成分以上の金属元素のうち少なくとも1成分以上の金属元素が電極側で実質的に存在せず、残りの3成分以上の金属元素で形成された酸化物を主体とし、前記第二の誘電体層との境界側で組成が傾斜構造であることを特徴とする誘電体素子である。
本発明にかかる第3の誘電体素子は、
上部電極層と下部電極層の間に誘電体層を設けた積層構造を有する誘電体素子において、
前記誘電体層が第一の誘電体層と第二の誘電体層を有し、前記第一の誘電体層は、少なくとも電極側で実質的にTi元素を有しない酸化物を主成分とし、前記第二の誘電体層の境界部側でTi元素の組成が傾斜している組成傾斜部を有する層であり、前記第二の誘電体層はTi元素を有する酸化物を主成分とする層である事を特徴とする誘電体素子である。
本発明にかかる第4の誘電体素子は、
上部電極層と下部電極層の間に誘電体層を設けた積層構造を有する誘電体素子において、
前記誘電体層が、第一の誘電体層と第二の誘電体層を有し、該第一の誘電体層が組成傾斜構造部を有し、かつ該第一の誘電体層と該第二の誘電体層の25℃での比誘電率が異なることを特徴とする誘電体素子である。
また、本発明にかかる圧電体素子は、上記の第1〜第3の誘電体素子のいずれかを有することを特徴とする圧電体素子である。
本発明にかかるインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置は、上記構成の圧電体素子を有することを特徴とするものである。
また、本発明は、前記第一の誘電体層と前記第二の誘電体層が少なくともそれぞれ2層以上積層された誘電体素子および圧電体素子である。
本発明にかかる誘電体の第1の製造方法は、
誘電体の製造方法において、
2種以上の成分からなる組成を有する酸化物を主体とし、該酸化物を構成する少なくとも1成分が該組成の他の成分に対して組成比が層厚方向で傾斜構造になった層領域を有する第一の層を形成する工程と、層厚方向で組成が実質的に均一な第二の誘電体層を形成する工程と、を有することを特徴とする誘電体の製造方法である。
本発明にかかる誘電体の第2の製造方法は、
誘電体の製造方法において、
2種以上の成分からなる組成を有する酸化物を主体とし、該酸化物を構成する少なくとも1成分が該組成の他の成分に対して組成比が層厚方向で傾斜構造になった層領域を有する第一の層を形成する工程と、前記傾斜成分の元素を含む2種以上の成分からなる組成を有する酸化物を主体とし、前記傾斜成分の元素の該酸化物の化学量論的な組成に対して50モル%以上150モル%以下の範囲で増量された原料成分から第二の誘電体層を前記第一の誘電体層上に形成する工程と、を有することを特徴とする誘電体の製造方法である。
本発明にかかる誘電体素子の第1の製造方法は、
上部電極層と下部電極層の間に誘電体層を設けた積層構造を有する誘電体素子の製造方法において、
下部電極上に少なくとも1成分が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の誘電体層を形成する工程と、前記傾斜組成の成分が一定割合で含有された組成を有する第二の誘電体層を形成する工程と、を有し、
前記第一の誘電体層の25℃での比誘電率ε1と第二の誘電体層の25℃での比誘電率ε2が異なる
ことを特徴とする誘電体素子の製造方法である。
本発明にかかる誘電体素子の第2の製造方法は、
上部電極層と下部電極層の間に誘電体層を設けた積層構造を有する誘電体素子の製造方法において、
下部電極上に第一と第二の酸化物を主体とする誘電体層を形成する工程を有し、
前記第二の誘電体層が4種以上の金属元素を含む組成を有する酸化物を主体とし、前記第一の誘電体層の少なくとも一部を、少なくとも1成分以上の金属元素が他の成分に対して組成比が傾斜するように、4成分以上の金属元素で形成された酸化物を主体とした層で形成することを特徴とする誘電体素子の製造方法である。
本発明にかかる圧電体素子の第1の製造方法は、
上部電極層と下部電極層の間に圧電体層を設けた積層構造を有する圧電体素子の製造方法において、
下部電極上に少なくとも1成分が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の圧電体層を形成する工程と、前記傾斜組成の成分が一定割合で含有された組成を有する第二の圧電体層を形成する工程と、を有し、
前記第一の圧電体層の25℃での比誘電率ε1と第二の圧電体層の25℃での比誘電率ε2が異なる
ことを特徴とする圧電体素子の製造方法である。
本発明にかかる圧電体素子の第2の製造方法は、
上部電極層と下部電極層の間に圧電体層を設けた積層構造を有する圧電体素子の製造方法において、
下部電極上に第一と第二の酸化物を主体とする圧電体層を形成する工程を有し、
前記第二の圧電体層が4種以上の金属元素を含む組成を有する酸化物を主体とし、前記第一の圧電体層の少なくとも一部を、少なくとも1成分以上の金属元素が他の成分に対して組成比が傾斜するように、4成分以上の金属元素で形成された酸化物を主体とした層で形成することを特徴とする圧電体素子の製造方法である。
本発明にかかるインクジェットヘッドの第1の製造方法は、
液体を吐出する吐出口と、該吐出口に連通する液路と、該液路中の液体に前記吐出口からの吐出のめたのエネルギーを付与する圧電素子と、を有するインクジェットヘッドの製造方法において、
基板上の前記液路に対応する位置に請求項1〜16のいずれかに記載の誘電体素子を形成して圧電体素子とする工程を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法である。
本発明にかかるインクジェットヘッドの第2の製造方法は、
液体を吐出する吐出口と、該吐出口に連通する液路と、該液路中の液体に前記吐出口からの吐出のめたのエネルギーを付与する圧電素子と、を有するインクジェットヘッドの製造方法において、
基板上に振動板となる層を形成する工程と、該振動板となる層上に下部電極層を形成する工程と、酸化物を主体とし、少なくとも1成分が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の圧電体層を形成する工程と、前記傾斜組成の成分が一定割合で含有された組成を有する第二の圧電体層を該第一の圧電体層上に形成する工程と、該第二の圧電体層上に上部電極層を形成して圧電体素子とする工程と、前記基板の該圧電体素子に対応する部分を除去して前記液路の少なくとも一部を形成する工程と、を有し、
第一の圧電体層の25℃での比誘電率ε1と第二の誘電体層の25℃での比誘電率ε2が異なることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法である。
本発明にかかるインクジェットヘッドの第3の製造方法は、
液体を吐出する吐出口と、該吐出口に連通する液路と、該液路中の液体に前記吐出口からの吐出のめたのエネルギーを付与する圧電素子と、を有するインクジェットヘッドの製造方法において、
圧電体素子形成用の基板上に下部電極層を形成する工程と、酸化物を主体とし、少なくとも1成分が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の圧電体層を形成する工程と、酸化物を主体とし、前記傾斜組成の成分が一定割合で含有された組成を有する第二の圧電体層を前記第一の圧電体層上に形成する工程と、該第二の圧電体層上に上部電極層を形成して圧電体素子とする工程と、該上部電極にヘッド用基板を接合する工程と、前記圧電体素子形成用の基板を該圧電体素子から除去する工程と、を有し、
前記第一の圧電体層の25℃での比誘電率ε1と前記第二の誘電体層の25℃での比誘電率ε2が異なることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法である。
本発明によれば、単結晶、単一配向結晶あるいは優先配向結晶したリラクサ系誘電体層、リラクサ系圧電体層を提供することができ、またその製造方法を提供出来る。それらを用いて低電圧駆動が出来る、特性の良い誘電体、圧電体、インクジェットヘッド、インクジェット記録装置を提供することができる。
先に記載した第1の誘電体素子の構成によれば、結晶制御性が良好となり、電界のロスが少なく、特性良く誘電体、圧電体を作動させる事が出来る。また、先に記載した第2の誘電体素子の構成によれば、第一の誘電体層の膜厚を増やすことなく第二の誘電体層との結晶格子の整合性を上げ、第二の誘電体層の結晶性を制御することが出来、基板上に特性の良い誘電体、圧電体を得る事が出来る。また、第一の層の誘電特性、圧電特性を向上させる事ができるので、素子全体の特性向上につながる。
ここで、傾斜構造とは、層を構成する元素の特定の物が、他の元素に対して膜厚方向に増加あるいは減少した構造を意味する。特に第二の誘電体層側へ増加した構造が好ましく、この組成(濃度)が変化する成分の最大組成比は、第二層の組成比以下であることが好ましい。
また、本発明で、「実質的に存在あるいは含有しない」とは、その元素や成分が不純物として含まれる量で、かつその元素を含むことにより所望とする特性が損なわれない場合は、本発明の範囲であり、本発明の主旨からはずれるものではない。
先に挙げた第1〜第3の誘電体素子の構成において、誘電体層における第一の誘電体層の膜厚をt1、第二の誘電体層の膜厚をt2とした場合、t2>t1である事が好ましい。好ましくは、t2>2×t1であり、より好ましくはt2>5×t1である。第一の誘電体層を薄くする事により、主な機能層として作用する第二の誘電体層の割合が増え、デバイスとして特性が向上する。具体的な膜厚は、t1が5nmから800nm、好ましくは、8nmから500nmであり、t2は、100nmから8000nm、好ましくは、90nmから5000nmである。また、前記の第一層の実質的にTi元素を有しない層の膜厚は、1nmから200nm、好ましくは2nmから100nmである。誘電体層の全体の膜厚としては、100nm以上10μm以下である。好ましくは、150nm以上5μm以下である。誘電体層を圧電応用で用いる場合は、0.5μm以上10μm以下で、好ましくは、0.8μm以上5μm以下である。また、本発明は、第一の誘電体層と第二の誘電体層の25℃での比誘電率が異なる事を特徴とする上記記載の誘電体であり、また、第一の誘電体層と第二の誘電体層の境界面での格子定数の差が、±4%以内である事を特徴とする誘電体である。
比誘電率は、第一の誘電体層の25℃での比誘電率ε1と第二層の25℃での非誘電率ε2とが異なり、0.2≦ε1/ε2≦5であることが好ましい。また、下記で記述する製造方法により、第一層と第二層の境界面での格子定数のズレが小さくなり、膜全体の応力が少なくなり、膜剥がれ、素子の反り等の問題が解消される。
また、本発明は、上記構成に加え、誘電体層を形成する主成分の酸化物がペロブスカイト型酸化物である事が好ましい。特に前述したように、第二の誘電体層は、少なくとも金属元素が少なくとも4成分含有されたペロブスカイト型酸化物である。この事により、第一の誘電体層の構成元素の選択領域が広がり、電極上に配向させた誘電体層を得やすくなる。
なお、本発明において、誘電体層は酸化物を主体として構成されるが、この誘電体層の構成には、所定の酸化物のみからなるものや、所定の酸化物を含有させることにより得られる所望の誘電率などの特性が損なわれない範囲で所定の酸化物以外の不純物や必要に応じて添加される添加物を含むものも包含される。
この第一の誘電体層および第二の誘電体層に使用されるペロブスカイト酸化物は、リラクサ系酸化物である事が好ましい。PZT系酸化物より、リラクサ系酸化物が好ましい理由として、より大きな比誘電率及び/または大きな圧電・電歪特性を持つ層を得られることになり、好ましい。
上記リラクサ系酸化物の成分としては、少なくともPb、Ti、NbおよびMg,Zn,Sc、Niのうちから少なくとも1種類以上選ばれた成分を有することを特徴とする。具体的には、PMN(Pb(Mg,Nb)O3)、PZN(Pb(Zn,Nb)O3)、PSN(Pb(Sc,Nb)O3),PNN(Pb(Ni、Nb)O3)、PIN(Pb(In,Nb)O3),PST(Pb(Sc,Ta)O3)、PMN−PT(Pb(Mg,Nb)O3−PbTiO3),PZN−PT(Pb(Zn、Nb)O3−ObTiO3),PNN−PT(Pb(Ni,Nb)O3−PbTiO3),PSN−PT(Pb(Sc,Nb)O3−PbTiO3),PIN−PT(Pb(In,Nb)O3−PbTiO3)、PST−PT(Pb(Sc,Ta)O3−PbTiO3)である。これらの組成比としては、Pbが若干過剰な割合で含まれた成分比でも良い。具体的には、化学量論比に対して、1.35までの範囲で過剰に含まれていても良い。Pbを過剰にする事により、安定して特性の良い誘電体、圧電体(これより以下、圧電体に電歪体の意味も含む)が得られる。また、酸素成分も結晶性及び誘電率に悪影響を及ぼさない範囲で、組成変動があっても差し支えない。
第二の誘電体層のリラクサ系酸化物として、具体的には、[Pb(Mg1/3Nb2/3)O3]x−[PbTiO3]yで表示される酸化物で、xが0.5から0.8、yが0.2から0.5、[Pb(Zn1/3Nb2/3)O3]x−[PbTiO3]yで表示される酸化物で、xが0.7から0.97、yが0.03から0.3、[Pb(Sc1/2Nb1/2)O3]x−[PbTiO3]yで表示される酸化物で、xが0.4から0.7、yが0.3から0.6、[Pb(Ni1/3Nb2/3)O3]x−[PbTiO3]yで表示される酸化物で、xが0.6から0.9、yが0.1から0.4、[Pb(In1/2Nb1/2)O3]x−[PbTiO3]yで表示される酸化物で、xが0.2から0.8、yが0.2から0.7、[Pb(In1/2Nb1/2)O3]x−[PbTiO3]yで表示される酸化物で、xが0.2から0.8、yが0.2から0.7、[Pb(Sc1/2Ta1/2)O3]x−[PbTiO3]yで表示される酸化物で、xが0.4から0.8、yが0.2から0.6で表示される酸化物である。また、上記PbTiO3に相当する物がPb(Zr、Ti)O3とZrが加わった組成でも良いが、望ましくは前者である。その理由は、Zr成分がZr/(Zr+Ti)比で0.65以上になると、結晶の制御性が困難になる恐れがある事と、元素成分が増える事による全体の組成ズレの恐れがあるためである。また、上記PbTiO3の組成がPb(1-a)AaTiO3で表示されるようにA元素としてペロブスカイト構造のAサイトに含有されるPb以外の元素を含有する。A元素としては、好ましくはLa,Ca,Srから選ばれる元素である。特にLaは好ましい態様であり、Laを含有することにより、結晶性が向上する効果がある。これは、第二層にTi元素を含有させる事により、結晶化温度が上昇するが、それを抑制するためにより、結晶化させやすくなっていると考えられる。ここで、0≦a≦0.7で好ましくは、0≦a≦0.3である。
上記材料は、それぞれ第二の誘電体層あるいは第二の圧電体層に用いられるペロブスカイト型酸化物である。これらが、第二の誘電体層・圧電体層に用いられる場合の第一の誘電体層・圧電体層は、それぞれ表示される酸化物組成式からPb(1-a)AaTiO3(あるいはPb(1-a)Aa (Zr,Ti)O3)の成分を実質的に除去した組成が好ましい。
具体的には、第一の誘電体層・圧電体層の主成分がPb(Mg1/3Nb2/3)O3で表示される酸化物であり、傾斜構造部に例えばTi元素が傾斜的に増加した層を含み、第二層の誘電体層・圧電体層の主成分が[Pb(Mg1/3Nb2/3)O3]x−[PbTiO3]yで表示される酸化物であり、また、第一の誘電体層・圧電体層の主成分がPb(Zn1/3Nb2/3)O3で表示される酸化物であり、傾斜構造部に例えばTi元素が傾斜的に増加した層を含み、第二層の誘電体層・圧電体層の主成分が[Pb(Zn1/3Nb2/3)O3]x−[Pb(1-a)AaTiO3]yで表示される酸化物で、第一の誘電体層・圧電体層の主成分がPb(Sc1/2Nb1/2)O3で表示される酸化物であり傾斜構造部に例えばTi元素が傾斜的に増加した層を含み、、第二層の誘電体層・圧電体層の主成分が[Pb(Sc1/2Nb1/2)O3]x−[Pb(1-a)AaTiO3]yで表示される酸化物、第一の誘電体層・圧電体層の主成分がPb(Ni1/3Nb2/3)O3で表示される酸化物であり傾斜構造部に例えばTi元素が傾斜的に増加した層を含み、、第二層の誘電体層・圧電体層の主成分が[Pb(Ni1/3Nb2/3)O3]x−[Pb(1-a)AaTiO3]yで表示される酸化物、第一の誘電体層の主成分がPb(In1/2Nb1/2)O3で表示される酸化物であり、傾斜構造部に例えばTi元素が傾斜的に増加した層を含み、第二層の誘電体層の主成分が[Pb(In1/2Nb1/2)O3]x−[Pb(1-a)AaTiO3]yで表示される酸化物、また、第一の誘電体層・圧電体層の主成分がPb(Sc1/2Ta1/2)O3で表示される酸化物であり、傾斜構造部に例えばTi元素が傾斜的に増加した層を含み、第二層の誘電体層・圧電体層の主成分が[Pb(Sc1/2Ta1/2)O3]x−[Pb(1-a)AaTiO3]yで表示される酸化物である。ここで、a、x、yの値は前述した通りである。傾斜元素としては、上記Ti以外に、La,Ca元素等でも良い。好ましくは、Tiである。
また、第一の誘電体層が、Pb(Mg1/3Nb2/3)O3で、傾斜構造部に例えばTi元素が傾斜的に増加した層を含み、第二の誘電体層が[Pb(Zn1/3Nb2/3)O3]x−[Pb(1-a)AaTiO3]yで表示される第一層の主成分と第二層の主成分が異なる酸化物層のような組み合わせ、即ち、第一の誘電体層の酸化物組成と第二の誘電体層の酸化物組成のBサイト元素が2種類以上異なる組み合わせでも良い。
上記第一の誘電体層あるいは圧電体層に傾斜構造部を設ける利点は、第二の誘電体層の比誘電率に格子定数の差を僅少にし、第二の誘電体層の結晶制御性をよくすること、及び電極となる金属膜あるいは導電性酸化膜の上に容易に結晶制御された膜となることである。
例えば、従来より行われていたPbTiO3膜の上に前述の第二の誘電体層にあたるリラクサ系酸化物を成膜しても多結晶体しか得られないばかりか、ペロブスカイト構造も得られず、パイロクロア相を含む層となり易い。また、多結晶体であったとしても電界をかけた場合にPbTiO3層は、比誘電率が100未満と小さく第二の誘電体層に効率的に電界を加えることが出来なく、デバイスとして好ましい物ではない。
本発明は、第一の誘電体層及び第二の誘電体層はそれぞれ独立して、単結晶層、単一配向層あるいは優先配向層とすることができる。この構成により、比誘電率が制御され、圧電特性も良好な誘電体が得られる。また、耐圧性に優れた膜となる。誘電体層の好ましい結晶配向は、(001)、(110)あるいは(111)であり、配向度は、30%以上が好ましく、より好ましくは50%以上であり、さらには70%から100%である。100%の中には、単一配向膜及びエピタキシャル単結晶膜の意味を含む。これらの膜は、混相および/又は双晶の構造を含む場合でも良い。混相及び/又は双晶の構造を含ませることにより、さらに圧電性の良い膜となる。
上記構成の誘電体素子は圧電体素子として好適に利用できる。また、この圧電体素子を用いて吐出特性などの性能の良いインクジェットヘッド及びインクジェット記録装置を得ることができる。
また、本発明で、第一の誘電体層と第二の誘電体層の組み合わせた層を順次積層した層構成として、誘電体素子および圧電体素子としても良い。この方法を採ることにより、厚膜にした場合でも、結晶性が崩れない良好な特性の膜を得る事が出来る。
図8、9に本発明の圧電体素子を具備するインクジェットヘッドを用いたインクジェット記録装置の概略図を示す。図8の外装をはずした動作機構部を図9に示す。記録媒体としての記録紙を装置本体内へ自動給送する自動給送部97と、自動給送部97から送出される記録紙を所定の記録位置へと導くとともに、記録位置から排出口98へと記録紙を導く搬送部99と、記録位置に搬送された記録紙に記録を行う記録部と、記録部に対する回復処理を行う回復部90とから構成されている。本発明のインクジェットヘッドは、キャリッジ92に配置され使用される。図8は、プリンターとしての例を示したが、本発明は、Faxや複合機、複写機あるいは、産業用吐出装置に使用されても良い。
次に本発明の製造方法に関して説明する。
本発明の誘電体の製造方法の一態様は、少なくとも1成分の組成が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の誘電体層を形成する工程と、組成が実質的に均一な第二の誘電体層を形成する工程を少なくとも有する。本発明の誘電体の製造方法の他の態様は、少なくとも1成分の組成が他の成分に対して組成比が傾斜になった層を有する第一の層を形成する工程、前記成分の元素が誘電体層の成分組成に比べて50モル%以上150モル%以下の範囲で増量された原料成分から第二の誘電体層を形成する工程を有する。また、上記誘電体層がAサイト、Bサイトを有するペロブスカイト型酸化物であり、50モル%以上150モル%以下の範囲で増量される成分が、Bサイト元素であることが好ましい。
さらに、上記誘電体層がリラクサ系酸化物であることが好ましい。更に、リラクサ系酸化物としては、上記に説明した材料が利用できる。
少なくとも1成分が誘電体層の成分組成に比べて50モル%以上150モル%以下の範囲で増量された原料成分から形成される事により、目的とする組成比に安定して誘電体膜を形成する事が出来る。特に増量して組成制御される層は、第一の誘電体層の傾斜構造部と第二の誘電体層である。
リラクサ系単結晶膜、単一配向膜、優先配向膜を成膜する方法は、従来知られていないものであった。本発明によれば、、これを達成することが出来る。例えば、PMN−PT単結晶膜をスパッタ製法等で成膜する場合、PT成分の欠損が生じやすく、また、結晶性もランダムであった。本発明によれば、それに対して有効的に作用し、組成比の制御性、膜の緻密性、膜の結晶性を向上させ、膜の応力が制御された素子を得る事が出来る。
本発明の誘電体素子の製造方法の一態様は、電極上に第一の誘電体層を形成する第一の誘電体層中に組成傾斜構造部を形成する工程、第一の誘電体層の組成に少なくとも1成分以上の金属元素を加えた金属酸化物を有するリラクサ系誘電体層を形成し第二の誘電体層を形成する工程を有する。
PZT系単結晶膜を成膜する例として、前述した特開平8-116103号公報には、PbTiO3層(PT層)をバッファー層としてPZTの膜の結晶性を向上させている。この方法では、PT層の誘電率が低く80未満であり、PZT層に電界を供与する場合、PT層にかけられる電界が大きくなり、素子としての有効的な利用が果たせられなかった。そのためにPT層の膜厚を超薄膜にし、PZT層を成膜する対応をとれば良いが、この場合は、PZT層の結晶性が不良となる問題があった。この方法を利用して、例えばPMN−PT膜を成膜した場合、同様の問題が発生するだけでなく、PT層の膜厚を厚くしても結晶性の良好な膜は得られない。本発明は、これらを解決したものであり、例えば、PMN層とPMN―PTのPT成分が傾斜組成となる層を第一の誘電体層として形成し、その上に第二の誘電体層として、リラクサ系結晶配向性酸化物層、例えばPMN−PT層、を形成することにより上記問題を解決でき、誘電性、圧電性に優れた材料、素子を得る事が出来る。
さらに本発明の誘電体の製造方法の他の態様は、基板上に電極を形成する工程、少なくとも1成分が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の誘電体層を形成する工程、前記傾斜組成の成分が一定割合で含有された組成を有する第二の誘電体層を形成する工程を有し、第一の誘電体層の25℃での比誘電率ε1と第二の誘電体層の25℃での比誘電率ε2が異なることを特徴とするものである。この製造方法により、特性(誘電率、圧電性)に優れた材料、素子を得る事が出来る。
また本発明の誘電体素子の製造方法の他の態様は、基板上に電極を形成する工程、第一と第二の誘電体層を形成する工程を有し、第二の誘電体層が金属元素が4成分以上の元素で形成された酸化物層で形成し、第一の誘電体層の少なくとも一部を、少なくとも1成分以上の金属元素が他の成分に対して組成比が傾斜するように、4成分以上の金属元素で形成された酸化物層で形成することを特徴とするものである。この方法においても金属元素としては、上記説明で挙げた元素が選択される。
本発明の圧電体、圧電素子の製造方法として、本発明は下記の発明である。
基板上に電極を形成する工程、少なくとも1成分が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の圧電体層を形成する工程、前記傾斜組成の成分が一定割合で含有された組成を有する第二の圧電体層を形成する工程を有し、第一の圧電体層の25℃での比誘電率ε1と第二の誘電体層の25℃での比誘電率ε2が異なることを特徴とする圧電体の製造方法である。
また、本発明の圧電体素子の製造方法の一態様は、基板上に電極を形成する工程、少なくとも1成分が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の圧電体層を形成する工程、前記傾斜組成の成分が一定割合で含有された組成を有する第二の圧電体層を形成する工程を有し、第一の圧電体層の25℃での比誘電率ε1と第二の誘電体層の25℃での比誘電率ε2が異なるように第二の圧電体層を形成する工程、基板の一部を除去する工程を少なくとも有する。
また、本発明の圧電体素子の製造方法の他の態様は、第一の基板上に電極を形成する工程、少なくとも1成分が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の圧電体層を形成する工程、前記傾斜組成の成分が一定割合で含有された組成を有する第二の圧電体層を形成する工程を有し、第一の圧電体層の25℃での比誘電率ε1と第二の誘電体層の25℃での比誘電率ε2が異なるように第二の圧電体層を形成する工程、圧電体層を第二の基板に接合する工程、第一の基板を除去する工程を少なくとも有する。
これらの方法により、圧電体、圧電素子として、特性の良い物を得る事が出来る。特に、機械的変位を利用するアクチュエータとして用いられた場合も膜剥がれのない長寿命な素子を得る事が出来る。
次に、本発明の傾斜構造部の製造方法に関して説明する。傾斜構造部を例えば、スパッタ成膜して作製する場合では、ターゲット中に傾斜組成にしたい元素が変化させた部分を作製しておき、その部分をマスクで遮蔽し、プラズマに曝される面積を変化させて傾斜構造部を成膜する。あるいは、基板を成膜中、移動させて傾斜構造部を作製する等の方法がある。また、MO-CVD成膜では、元素ガスの流量を増減させて傾斜構造部を成膜する方法が採られやすい。ゾルゲル成膜では、各成膜用のゾル液の組成濃度を変化させて塗布する方法で良い。
本発明では、その他の好適に傾斜構造部を作製する方法を適宜選択して、本発明の誘電体、圧電体、圧電素子、インクジェットヘッドを得る事が出来る。
本発明のインクジェットヘッドの製造方法は、基板上に電極を形成する工程、少なくとも1成分が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の圧電体層を形成する工程、前記傾斜組成の成分が一定割合で含有された組成を有する第二の圧電体層を形成する工程を有し、第一の圧電体層の25℃での比誘電率ε1と第二の誘電体層の25℃での比誘電率ε2が異なるように第二の圧電体層を形成する工程、基板の一部を除去する工程、インク流路を形成する工程、インク吐出口を形成する工程を少なくとも有するインクジェットヘッドの製造方法である。
また、第一の基板上に電極を形成する工程、少なくとも1成分が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の圧電体層を形成する工程、前記傾斜組成の成分が一定割合で含有された組成を有する第二の圧電体層を形成する工程を有し、第一の圧電体層の25℃での比誘電率ε1と第二の誘電体層の25℃での比誘電率ε2が異なるように第二の圧電体層を形成する工程、圧電体層を第二の基板に接合する工程、第一の基板を除去する工程、インク流路を形成する工程、インク吐出口を形成する工程を少なくとも有するインクジェットヘッドの製造方法である。
また、第一の基板上に電極を形成する工程、少なくとも1成分が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の圧電体層を形成する工程、前記傾斜組成の成分が一定割合で含有された組成を有する第二の圧電体層を形成する工程を有し、第一の圧電体層の25℃での比誘電率ε1と第二の誘電体層の25℃での比誘電率ε2が異なるように第二の圧電体層を形成する工程、圧電体層を第二の基板に接合する工程、第一の基板を除去する工程、インク流路を形成する工程、インク吐出口を形成する工程を少なくとも有するインクジェットヘッドの製造方法である。
本発明のインクジェットヘッドを図1により説明する。図1はインクジェットヘッドの模式図であり、1は吐出口、2は個別液室3と吐出口1をつなぐ連通孔(液路)、4は共通液室、5は振動板、6は下部電極、7は圧電膜(圧電体層)、8は上部電極である。7の圧電膜は、図示されているように矩形の形をしている。この形状は矩形以外に楕円形、円形、平行四辺形でも良い。本発明の圧電膜7を更に詳細に図2で説明する。図2は、図1の圧電膜の幅方向での断面図である。9は、本発明の第一の圧電体層であり第一層中に傾斜構造部を有する、10が第二の圧電体層、5は振動板、6は下部電極である。振動板と下部電極間に結晶性を制御するバッファー層があっても良い。また上下の電極は多層構成でも良い。9と10から構成される圧電膜7の断面形状は矩形で表示されているが台形あるいは逆台形でも良い。また9と10の構成順序が上下逆でも良い。9と10の構成が逆になる理由は、デバイス化の製造方法によるものであり、逆となった場合でも同様に本発明の効果を得る事は出来る。
下部電極6は圧電膜7が存在しない部分まで引き出されており、上部電極は、下部電極と反対側(不図示)に引き出され駆動電源に繋がれる。図1、2では下部電極はパターニングされた状態を示しているが、圧電膜がない部分にも存在するものであっても良い。
本発明のインクジェットヘッドの振動板5の厚みは、0.5〜10μmすることができ、好ましくは1.0〜6.0μmである。この厚みには、上記バッファー層がある場合は、バッファー層の厚みも含まれる。電極の膜厚は、0.05〜0.4μmであり、好ましくは、0.08〜0.2μmである。個別液室12の幅Wa(図5参照)は、30〜180μmである。長さWb(図5参照)は、吐出液滴量にもよるが、0.3〜6.0mmである。吐出口1の形は、円形あるいは星型であり、径は、7〜30μmが好ましい。連通孔2方向に拡大されたテーパー形状を有するのが、好ましい。連通孔2の長さは、0.05mmから0.5mmが好ましい。これを超える長さであると、液滴の吐出スピードが小さくなる恐れがある。また、これ未満であると各吐出口から吐出される液滴の吐出スピードのばらつきが大きくなる恐れがある。
振動板として用いられる主な材料は、ScおよびYを含む希土類元素でドープされたZrO2、BaTiO3、MgO、STO、MgAl2O4等の酸化物及び/あるいはSiである。SiはB元素等のドーパント元素を含んでいても良い。これらの材料を主成分とする振動板は、ある特定制御された結晶構造を有し、好ましくは(100)、(110)あるいは(111)の結晶構造が80%以上の強度で配向している場合が良く、好ましくは99%以上から100%である。ここで、「99%」とは、XRD強度で1%主たる配向と異なる配向が存在する事を意味する。
電極材料としては、金属材料あるいは酸化物材料である。金属材料としては、Au,Pt,Ni,Cr,Ir等であり、Ti,Pbとの積層構造でも良い。酸化物材料としては、LaあるいはNbでドープされたSTO、SRO,IrO2,RuO2,Pb2Ir2O7等である。これらも少なくとも上下電極のどちらか一方は、上記結晶構造を有することが望ましい。上下電極の材料、構成は、同じであっても異なっていても良く、片方が共通電極、他方が駆動電極となる。
次に本発明の製造方法について説明する。図3は本発明の誘電体の製造工程である。本発明は、基板21上に電極23を設ける工程、本発明の第一の誘電体層24を設ける工程、第二の誘電体層25を設ける工程を少なくとも有する。誘電体素子としては、上部電極26も有する。基板21は、MgO、STO, ZrO2,Si基板等であり、単結晶基板が好ましい。これらはドーパント元素を含む物であっても良い。
第一の誘電体層および第二の誘電体層の成膜方法は、スパッタ法、MO-CVD法、レーザーアブレーション法、ゾルゲル法、MBE法等であり、好ましくはスパッタ法、MO-CVD法、ゾルゲル法であり、より好ましくはスパッタ法である。
基板21に電極を設ける工程としては、上記電極材料を特定の方向に配向させて成膜する。電極成膜の前に、基板上に配向制御用の上記バッファー層22を設けることが好ましい。バッファー層の材料としては、格子定数が基板の格子定数と8%以下の違いの範囲で合致する材料が好ましい。例えば、バッファー層としては、スパッタ法、MO-CVD法、レーザーアブレーション法で成膜出きる酸化物が好ましく、例えば、立方晶あるいは擬似立法晶で格子定数が3.6Åから6.0Åの結晶構造を有するものが好ましい。
具体的な構成としては、例えば、Zr0.97Y0.03O2(100)/Si(100)、Zr0.97Y0.03O2(111)/Si(111)、Zr0.97Y0.03O2(110)/Si(110)、Zr0.7Pr0.3O2(100)/Si(100)、Zr0.7Pr0.3O2(111)/Si(111)、Zr0.7Pr0.3O2(110)/Si(110)、SrTiO3(111)/Si(100)、SrTiO3(110)/Si(110)、SrTiO3(100)/MgO(100)、SrTiO3(111)/MgO(111)、MgAl2O4(100)/MgO(100)、BaTiO3(001)/MgO(100)等である。ここで、Zr0.97Y0.03O2の格子定数は5.16Å、Zr0.7Pr0.3O2の格子定数は5.22Å、SrTiO3は3.91Å、MgOは4.21Å、MgAl2O4は4.04Å、BaTiO3は3.99Å、Siは5.43Åである。格子定数の整合性を算出すると、例えば、Zr0.97Y0.03O2(111)/Si(111)を例に採るとZr0.97Y0.03O2(111)は、5.16×√2=7.30Å、Si(111)は、5.43×√2=7.68Åで、整合性の違いは、4.9%となり、良好であることが判る。
このようなバッファー層上に設けられる電極として、Zr0.97Y0.03O2(100)上には、Pt(111)、Ir(111)、SrRuO3(111)、Sr0.96La0.04TiO3(111)、Sr0.97Nb0.03TiO3(111)、BaPbO3(111)等が成膜される。Zr0.97Y0.03O2(111)上には、Pt(100)、Ir(100)、SrRuO3(100)、Sr0.96La0.04TiO3(100)、Sr0.97Nb0.03TiO3(100)、BaPbO3(100)等が成膜される。また、Zr0.97Y0.03O2(110)上には、Pt(110)、Ir(110)、SrRuO3(110)、Sr0.96La0.04TiO3(110)、Sr0.97Nb0.03TiO3(110)、BaPbO3(110)等が成膜される。Zr0.7Pr0.3O2の系においても同様の結晶系で成膜される。SrTiO3(111)上には、Pt(111)、Ir(111)、SrRuO3(111)、Sr0.97La0.03TiO3(111)、Sr0.97Nb0.03TiO3(111)、BaPbO3(111)等の(111)膜が成膜され、(100)膜上には(100)電極膜が、(110)膜上には、(110)電極膜が成膜される。BaTiO3(001)およびMgAl2O4(100)上には前記電極膜の(100)が設けられる。
基板上にバッファー層なしで電極を有する例としては、例えば、Pt(111)/Ti/Si、Ir(111)/Ti/Si、IrO2(100)/MgO(100)、SrRuO3(100)/SrTiO3(100)、SrRuO3(111)/SrTiO3(111)、Pt(100)/MgO(100)、Pt(111)/MgO(111)、Pt(110)/MgO(110)、Ir(100)/MgO(100)、Ru(100)/MgO(100)等である。
本発明は、上記いずれの構成を採っても良い。
これらの下部電極上に少なくとも、第一の誘電体層と第二の誘電体層を成膜する。第一の誘電体層を成膜したのち、上部電極を設ける。誘電体層に用いられる材料は前述した通りである。第一の誘電体層は、原料のPb成分を若干過剰にして成膜するのが好ましい。第二の誘電体層は、それ以外に第一の誘電体層の元素以外に少なくとも一成分の元素を加え、その原料組成比を目標とする組成比に対して、50〜150モル%増量された条件で成膜する。例えば、[Pb(Mg1/3Nb2/3)O3]0.67−[Pb(1-a)AaTiO3]0.33を膜の目標組成である場合には、スパッタ成膜の場合のターゲット組成は、[Pb(Mg1/3Nb2/3)O3]0.67−[Pb(1-a)AaTiO3]0.66等のようにPb(1-a)AaTiO3成分を増量させる必要がある。これらは、他の材料に対しても同様である。これにより、狙い通りの組成比の薄膜を得る事ができ、特性の良い誘電体および圧電体を得る事が出来る。また、鉛を過剰に原料中に含有させる事も好ましい態様である。鉛は、そのために誘電体層あるいは圧電体層中にも若干過剰に含有されることになる。
また、Pb(Zn1/3Nb2/3)O3や[Pb(Zn1/3Nb2/3)O3]x−[Pb(1-a)AaTiO3]y層を形成する場合には、Zn成分は、蒸気圧が低く、膜中に含有され難いため、原料中に過剰に含有させておく事が望ましい。
上部電極となる材料は、前述した下部電極材料と、同様であっても異なっていても良い。成膜方法も前述したとおりである。電極膜の密着性を向上させるために、密着層を設けて、電極層を多層構造にする事は、好ましい態様である。
傾斜構造部の組成に関して、模式的に図を用いて説明する。図10及び11は、横軸が膜厚、縦軸が特定元素の組成割合である。y軸切片の位置が異なるが説明のため意図的にずらして記載した。図10の1の線のように一定割合で増加する傾斜構造部、また、2のように第二層の近傍では、一定割合となり変化が少ない層となる例、3のように電極近傍では、組成が一定の層を有する例、図11の4では、段階的な層が複数層有する例、5では、増加割合の異なる層が複数存在する例、6では、電極側では組成変化するが、第二層側では均一である例を示した。本発明は、これらに限定されないが、第一層のいずれかの部分に図示したような形態で傾斜部が存在することにより、第二層の成膜が制御しやすく達成される。
次に本発明のインクジェットヘッドの製造方法について説明する。本発明の製造方法は、前記誘電体を成膜した時に用いた基板に圧力室となる個別液室を設ける方法と、別の基板に個別液室を設ける二つの方法が採用される。
前者の方法としては、圧電体層を設ける工程までは、誘電体の製造方法と同じであり、少なくとも、基板21の一部を除去する工程、インク吐出口を形成する工程をさらに含む製造方法である。基板の一部を除去する事により、個別液室(図1の12)を形成する。個別液室の製造方法は、基板のウエットエッチング、ドライエッチング、あるいはサンドミル等により製造する事が出来る。個別液室は、基板上に一定のピッチ数で複数個作成される。インクジェットヘッドの平面的配置を図示した図4で示されるように、個別液室12が千鳥配列で配置される事は、好ましい態様である。図4において、破線で示された12の領域は、圧力が加わる個別液室であり、7は、パターニングされた圧電体素子部である。この圧電体素子部の圧電体膜は、少なくとも薄膜の第一の圧電体層とより厚みのある第二の圧電体層、上部電極で構成されている。5は、振動板の部分と下部電極である。下部電極は、振動板と異なり、図3のようにパターニングされていても良い。個別液室の形状が、平行四辺形に図示されているのは、基板として、Si(110)基板を用い、アルカリによるウエットエッチングを行って個別液室を作成さいた場合には、このような形状になるために代表的に図示されている。これ以外に長方形であっても良い。図5でしめされた平行四辺形状のような場合、吐出口1と1’間の距離を短くするために圧電膜も平行四辺形状にパターニングされるのが好ましい。個別液室全体の平面図を図示したのが、図5であり、上部電極26は、個別液室12から伸ばされた13の領域を利用して駆動回路と接合される。14は、共通液室から個別液室への流路の絞りであり、図5では、この部分まで圧電膜が存在するが、そうでなくても良い。
インク吐出口は、吐出口1が設けられた基板を接合する、あるいは、吐出口1および連通孔2が形成された基板を接合する方法で素子化される。吐出口の形成方法は、エッチングあるいは、機械加工、あるいはレーザー光照射により形成される。吐出口が形成される基板は、圧電膜が形成される基板と同じであっても異なっていても良い。異なる場合に選択される基板としては、SUS基板、Ni基板等があり、圧電膜が形成される基板との熱膨張係数の差が1×10-6/℃から1×10-8/℃の材料を選択することができる。
上記基板の接合方法としては、有機接着剤を用いる方法でも良いが、無機材料による金属接合による方法が好ましい。金属接合に用いられる材料は、In,Au,Cu、Ni、Pb、Ti,Cr等であり、250℃以下の低温で接合出来、基板との熱膨張係数の差が小さくなるため、長尺化された場合に素子の反り等による問題が回避される以外に、圧電体層に対する損傷もなく、好ましい。
次に後者の製造方法について説明する。
後者の方法は、第一の基板上に設けられた圧電膜を第二の基板に転写する方法である。圧電体層を設けるまでは、図3で図示された方法と同じであるが、圧電体層がパターニングされない状態で振動板5を上部電極上に成膜し、この振動板を介して第二の基板に転写する。第二の基板は、例えば、図6で示される(a)から(e)の工程により、個別液室12、連通孔2、共通液室4が形成される。図6(a)には第二の基板に個別液室に応じたマスク形成工程が、(b)には上部からエッチング等により加工される工程(斜線部は、加工部を意味する)が、(c)にはマスク除去および連通孔2用のマスク作成工程が、(d)には、エッチング等による斜線部の加工による連通孔および共通液室形成工程が、(e)には、マスク除去により個別液室、連通孔、共通液室が形成された状態が模式的にそれぞれ示されている。図6(f)には、吐出口と共通液室の一部が形成された基板を接合された状態が示されている。吐出口がある基板表面16は、撥水処理がされている事が好ましい。
第一の基板の圧電体層と接合される第二の基板は、図6の(e)の状態か(f)の状態を用いる。接合後、第一の基板が圧電素素子上から除去され、圧電体層がパターニングされた状態を図7で示す。後者の製造方法で得られる図7での圧電体層7の振動板5側からの積層順序は、第二の圧電体層、第一の圧電体層の順序になる。8は、第一の基板上に設けられた下部電極に相当し、後者の方法では、下部電極と上部電極の位置が前者の方法とは、逆になる。
また、後者の方法と別法として、第二の基板に振動板を形成しておき、その上に圧電体層を転写し、第一の基板を除去する方法でも良い。その場合の圧電体層は、パターニングされた状態であっても、そうでなくても良い。この工程を採る場合は、金属接合層を下部電極として、利用する事が好ましい。
本発明を実施例を挙げて説明する。
(実施例1)
MgO(100)基板上にPt(100)配向膜を120nmで成膜し、その上にPb(Mg1/3Nb2/3)O3の組成でPb量が10モル%過剰のターゲットを用いてマグネトロンスパッタにより、基板温度590℃で本発明の第一の誘電体層を10nm厚で形成した。この上にTi元素が鉛に対して5モル%から25モル%まで順次変化させて第一層を形成した。第一層の全体の膜厚は、50nmである。
この第一層上にPMN-PT層([Pb(Mg1/3Nb2/3)O3]0.67―[PbTiO3]0.33)の第二の誘電体層を基板温度620℃で成膜し、結晶配向性の良い100nmの薄膜を得た。この時のターゲットは、PMN粉体に対してPbTiO3成分を100%過剰にした粉体を混ぜて圧粉体を加熱処理で作成し用いた。即ち、ターゲット組成は、([Pb(Mg1/3Nb2/3)O3]0.67―[PbTiO3]0.66)を用いた。上記操作により、組成比も狙い通りで、かつ結晶性の良い薄膜を得る事ができた。(001)結晶配向性はXRDの21.48°のピーク強度より、57%であった。25℃での比誘電率は、第一の誘電体層は、510であり、全体の誘電体層の比誘電率が260である事より、第二層の比誘電率は、530と算出された。誘電率が大きな値となったのは、膜の応力が緩和されBサイト元素が動きやすくなったためである。 この事より第二の誘電体層に掛けられる電圧は、第一の誘電体層の1.9倍になり、5V駆動の際に第二の誘電体層にかかる電圧は3.3Vとなる。
また、上記PbTiO3に対してPb0.7La0.3TiO3を用いて成膜した場合には、第二層の成膜温度は、590℃まで下げる事が出来、膜の結晶性も78%まで向上した。
また、第二の誘電体層を150nm厚みで形成した場合は更に結晶性の良い、第二の誘電体層を得る事が出来た。この場合の、第二の誘電体層にかかる電圧は、約2.9倍であり、3.7V以上の電圧を掛けることが出来る。
上記方法で、PMN-PT層を2.2μmの厚みで成膜した。さらにこの上にスパッタ成膜によりCr層を2.0μm厚で成膜した。Cr層上に100nm厚みでAu層を設け、第二の基板として、個別液室、連通孔が図5のように設けられたSi(110)基板にPtの金属接合により接合した。その後、MgO基板を酢酸、硝酸、塩化アンモニウム含有の混酸でエッチング除去した。ドライプロセスでPt層及びPMN層、PMN-PT層をエッチングし個別液室に沿ってパターニングさせた。個別液室の幅、長さは、60μm、1.8mmであり、その上に配置される圧電体層の幅、長さは50μm、2.2mmとした。また、連通孔の径は、150μmΦで、吐出口は、30μmΦから12μmΦのテーパー形状を用いた。一列300dpiの密度で150個の吐出口を配置したインクジェットヘッドを得た。このヘッドで粘度、3.5cpsの水溶液を吐出させた。液滴量2.7plで、吐出速度が、8.9m/秒で性能良く吐出させる事が出来た。各吐出口毎の吐出速度のばらつきは、±2.9%であった。また耐久試験による耐性も良好であった。
(比較例1)
実施例1で用いたバッファー層を単結晶性PbTiO3層に変えた以外は、実施例1と同様に第二の誘電体層を成膜した。PMN-PT層には、パイロ相が含まれ良好な薄膜を得る事は出来なかった。また、圧電体層として厚膜にした場合の圧電特性も不良であった。
(実施例2〜6)
上記実施例1と比べ、各誘電体層の組成を変えて表1に記載した構成でインクジェットヘッドを作製した。いずれも(001)配向性の良好な薄膜を得る事が出来た。但し、表1中の組成は、組成式であり、ICP分析の結果、Pbに関しては、1.02〜1.25までの範囲で過剰であり、その場合に特に特性は良好であった。表中の組成割合は、鉛に対するの傾斜成分の鉛に値するモル%の値である。また、第一層の厚みは、傾斜構造部を含んだ膜厚である。
Figure 2005244133
(実施例7)
SOI層(100)が2μm厚、SiO2層が0.2μm厚、ハンドル層Si(110)が650μm厚のSOI基板を用いて、SOI層上にYSZ(100)層を0.1μm成膜した。この上にIr(111)単一配向膜を0.15μm成膜し、第一層の電極側組成がPb(Mg1/3Nb2/3)O3で傾斜構造部がTi元素が8%から33%まで増加させ全体膜厚を0.2μm厚になるように成膜した。その上に[Pb(Mg1/3Nb2/3)O3]0.67−[Pb0.7La0.3TiO3]0.33の組成式で表示される第二層を2.5μm厚で成膜した。第一層の成膜には、Pb成分を15%過剰にしたターゲットを用い、第二層の成膜には、[Pb(Mg1/3Nb2/3)O3]0.67−[Pb0.7La0.3TiO3]0.6の組成でかつ鉛が10%過剰のターゲットを用いる事により第二層の結晶性が(111)配向で89%の圧電体層を得た。これを実施例1と同様にSOI基板のハンドル層に個別液室等を作成し、インクジェットヘッドとし、特性が良好であり、膜剥がれ等の問題もない事を確認した。この圧電体層の比誘電率ε1は、500であり第二層の比誘電率ε2は、620であった。また、この場合のインクジェットヘッドの振動板は、SOI層のSi(100)が振動板として機能し、SiO2層はウエットエッチング時のエッチストップ層及び振動板の一部として機能するものである。
(実施例8)
実施例7で作成した方法で、圧電体層がPb(Mg1/3Nb2/3)O3で傾斜構造部がTi元素が8%から33%まで増加させ全体膜厚を0.1μm厚と[Pb(Mg1/3Nb2/3)O3]0.67−[Pb0.7La0.3TiO3]0.33の組成式で表示される第二層を0.5μm厚の組み合わせた積層を順次4層繰り返し、2.4μm厚となる圧電体層として、インクジェットヘッドを作成した。圧電膜の結晶性が良好な素子を得、デバイスとしての特性も良好であった。
インクジェットヘッドの概略図である。 圧電体素子の断面図である。 本発明の誘電体の製造工程を示す概略図である。 インクジェットヘッドの平面図である。 インクジェットヘッドの個別液室の平面図である。 圧電体の製造工程を示す概略図である。 インクジェットヘッドの長手方向の断面図である。 インクジェット記録装置の概観図である。 外装を除いたインクジェット記録装置の概略図である。 本発明の傾斜構造部の組成説明図である。 本発明の傾斜構造部の組成説明図である。
符号の説明
1:液体吐出口
2:連通孔
3:個別液室
4:共通液室
7:圧電体層
12:個別液室
21:基板
22:バッファー層
24:第一の誘電体層
25:第二の誘電体層

Claims (30)

  1. 上部電極層と下部電極層の間に誘電体層を設けた積層構造を有する誘電体素子において、
    前記誘電体層が、元素組成の異なる第一の誘電体層と第二の誘電体層の2層を少なくとも有し、前記第一の誘電体層が第二の誘電体層との境界側で少なくとも1成分の組成が他の成分に対して傾斜構造である事を特徴とする誘電体素子。
  2. 上部電極層と下部電極層の間に誘電体層を設けた積層構造を有する誘電体素子において、
    前記誘電体層が第一の誘電体層と第二の誘電体層を有し、前記第二の誘電体層が4成分以上の金属元素で形成された酸化物を主体とする層であり、前記第一の誘電体層が前記4成分以上の金属元素のうち少なくとも1成分以上の金属元素が電極側で実質的に存在せず、残りの3成分以上の金属元素で形成された酸化物を主体とし、前記第二の誘電体層との境界側で組成が傾斜構造であることを特徴とする誘電体素子。
  3. 上部電極層と下部電極層の間に誘電体層を設けた積層構造を有する誘電体素子において、
    前記誘電体層が第一の誘電体層と第二の誘電体層を有し、前記第一の誘電体層は、少なくとも電極側で実質的にTi元素を有しない酸化物を主成分とし、前記第二の誘電体層の境界部側でTi元素の組成が傾斜している組成傾斜部を有する層であり、前記第二の誘電体層はTi元素を有する酸化物を主成分とする層である事を特徴とする誘電体素子。
  4. 上部電極層と下部電極層の間に誘電体層を設けた積層構造を有する誘電体素子において、
    前記誘電体層が、第一の誘電体層と第二の誘電体層を有し、該第一の誘電体層が組成傾斜構造部を有し、かつ該第一の誘電体層と該第二の誘電体層の25℃での比誘電率が異なることを特徴とする誘電体素子。
  5. 前記第一の誘電体層のうちの組成が傾斜構造部を含む膜厚をt1、前記第二の誘電体層の膜厚をt2とした場合、t2>t1である請求項1〜4のいずれかに記載の誘電体素子。
  6. 前記第一の誘電体層と前記第二の誘電体層の境界面での格子定数の差が、±4%以内である請求項1〜5のいずれかに記載の誘電体素子。
  7. 前記誘電体層の主成分がペロブスカイト型酸化物である請求項1〜6のいずれかに記載の誘電体素子。
  8. 前記ペロブスカイト型酸化物がリラクサ系酸化物である請求項7に記載の誘電体素子。
  9. 前記リラクサ系酸化物の成分として、少なくともPb及びTiを含み、更に、Mg、Zn、Sc、Ni、Ta、Nb及びInから選択された少なくとも1種類を含む請求項8に記載の誘電体素子。
  10. 前記第一の誘電体層の電極側の主成分がPb(Mg1/3Nb2/3)O3で表示される酸化物であり、第二層の誘電体層の主成分が[Pb(Mg1/3Nb2/3)O3]x−[Pb(1-a)AaTiO3]yで表示される酸化物(但し、AはLa、Caから選ばれる元素で、aは0から0.3、xが0.5から0.8、yが0.2から0.5である。)であり、第一層の第二層側でのTi元素の組成が傾斜構造である請求項1〜9のいずれかに記載の誘電体素子。
  11. 前記第一の誘電体層の電極側の主成分がPb(Zn1/3Nb2/3)O3で表示される酸化物であり、第二層の誘電体層の主成分が[Pb(Zn1/3Nb2/3)O3]x−[Pb(1-a)AaTiO3]yで表示される酸化物(但し、AはLa、Caから選ばれる元素で、aは0から0.3、xが0.7から0.97、yが0.03から0.3である。)であり、前記第一の誘電体層の前記第二の誘電体層側でのTi元素の組成が傾斜構造である請求項1〜9のいずれかに記載の誘電体素子。
  12. 前記第一の誘電体層の電極側の主成分がPb(Sc1/2Nb1/2)O3で表示される酸化物であり、前記第二の誘電体層の主成分が[Pb(Sc1/2Nb1/2)O3]x−[Pb(1-a)AaTiO3]yで表示される酸化物(但し、xが0.4から0.7、yが0.3から0.6である。)であり、前記第一の誘電体層の前記第二の誘電体層側でのTi元素の組成が傾斜構造である請求項1〜9のいずれかに記載の誘電体素子。
  13. 前記第一の誘電体層の電極側の主成分がPb(Ni1/3Nb2/3)O3で表示される酸化物であり、前記第二層の誘電体層の主成分が[Pb(Ni1/3Nb2/3)O3]x−[Pb(1-a)AaTiO3]yで表示される酸化物(但し、AはLa、Caから選ばれる元素で、aは0から0.3、xが0.6から0.9、yが0.1から0.4である。)であり、前記第一の誘電体層の第二の誘電体層側でのTi元素の組成が傾斜構造である請求項1〜9のいずれかに記載の誘電体素子。
  14. 前記第一の誘電体層の電極側の主成分がPb(In1/2Nb1/2)O3で表示される酸化物であり、前記第二の誘電体層の主成分が[Pb(In1/2Nb1/2)O3]x−[Pb(1-a)AaTiO3]yで表示される酸化物(但し、AはLa、Caから選ばれる元素で、aは0から0.3、xが0.3から0.8、yが0.2から0.7である。)であり、前記第一の誘電体層の第二の誘電体層側でのTi元素の組成が傾斜構造である請求項1〜9のいずれかに記載の誘電体素子。
  15. 前記第一の誘電体層の電極側の主成分がPb(Sc1/2Ta1/2)O3で表示される酸化物であり、前記第二の誘電体層の主成分が[Pb(Sc1/2Ta1/2)O3]x−[Pb(1-a)AaTiO3]yで表示される酸化物(但し、AはLa、Caから選ばれる元素で、aは0から0.3、xが0.4から0.8、yが0.2から0.6である。)であり、前記第一の誘電体層の前記第二の誘電体層側でのTi元素の組成が傾斜構造である請求項1〜9のいずれかに記載の誘電体素子。
  16. 前記第一及び第二の誘電体層が、単結晶層、単一配向層あるいは優先配向層である請求項1〜15のいずれかに記載の誘電体素子。
  17. 請求項1〜16のいずれかに記載の誘電体素子を有することを特徴とする圧電体素子。
  18. 請求項17に記載の圧電体素子を有することを特徴とするインクジェットヘッド。
  19. 請求項18に記載のインクジェットヘッドを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  20. 誘電体の製造方法において、
    2種以上の成分からなる組成を有する酸化物を主体とし、該酸化物を構成する少なくとも1成分が該組成の他の成分に対して組成比が層厚方向で傾斜構造になった層領域を有する第一の層を形成する工程と、層厚方向で組成が実質的に均一な第二の誘電体層を形成する工程と、を有することを特徴とする誘電体の製造方法。
  21. 誘電体の製造方法において、
    2種以上の成分からなる組成を有する酸化物を主体とし、該酸化物を構成する少なくとも1成分が該組成の他の成分に対して組成比が層厚方向で傾斜構造になった層領域を有する第一の層を形成する工程と、前記傾斜成分の元素を含む2種以上の成分からなる組成を有する酸化物を主体とし、前記傾斜成分の元素の該酸化物の化学量論的な組成に対して50モル%以上150モル%以下の範囲で増量された原料成分から第二の誘電体層を前記第一の誘電体層上に形成する工程と、を有することを特徴とする誘電体の製造方法。
  22. 前記誘電体層がAサイト、Bサイトを有するペロブスカイト型酸化物を主体とし、50モル%以上150モル%以下の範囲で増量される成分が、Bサイト元素である請求項21の製造方法。
  23. 前記誘電体層がリラクサ系酸化物を主体とする請求項20〜22のいずれかに記載の製造方法。
  24. 上部電極層と下部電極層の間に誘電体層を設けた積層構造を有する誘電体素子の製造方法において、
    下部電極上に少なくとも1成分が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の誘電体層を形成する工程と、前記傾斜組成の成分が一定割合で含有された組成を有する第二の誘電体層を形成する工程と、を有し、
    前記第一の誘電体層の25℃での比誘電率ε1と第二の誘電体層の25℃での比誘電率ε2が異なる
    ことを特徴とする誘電体素子の製造方法。
  25. 上部電極層と下部電極層の間に誘電体層を設けた積層構造を有する誘電体素子の製造方法において、
    下部電極上に第一と第二の酸化物を主体とする誘電体層を形成する工程を有し、
    前記第二の誘電体層が4種以上の金属元素を含む組成を有する酸化物を主体とし、前記第一の誘電体層の少なくとも一部を、少なくとも1成分以上の金属元素が他の成分に対して組成比が傾斜するように、4成分以上の金属元素で形成された酸化物を主体とした層で形成することを特徴とする誘電体素子の製造方法。
  26. 上部電極層と下部電極層の間に圧電体層を設けた積層構造を有する圧電体素子の製造方法において、
    下部電極上に少なくとも1成分が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の圧電体層を形成する工程と、前記傾斜組成の成分が一定割合で含有された組成を有する第二の圧電体層を形成する工程と、を有し、
    前記第一の圧電体層の25℃での比誘電率ε1と第二の圧電体層の25℃での比誘電率ε2が異なる
    ことを特徴とする圧電体素子の製造方法。
  27. 上部電極層と下部電極層の間に圧電体層を設けた積層構造を有する圧電体素子の製造方法において、
    下部電極上に第一と第二の酸化物を主体とする圧電体層を形成する工程を有し、
    前記第二の圧電体層が4種以上の金属元素を含む組成を有する酸化物を主体とし、前記第一の圧電体層の少なくとも一部を、少なくとも1成分以上の金属元素が他の成分に対して組成比が傾斜するように、4成分以上の金属元素で形成された酸化物を主体とした層で形成することを特徴とする圧電体素子の製造方法。
  28. 液体を吐出する吐出口と、該吐出口に連通する液路と、該液路中の液体に前記吐出口からの吐出のめたのエネルギーを付与する圧電素子と、を有するインクジェットヘッドの製造方法において、
    基板上の前記液路に対応する位置に請求項1〜16のいずれかに記載の誘電体素子を形成して圧電体素子とする工程を有することを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  29. 液体を吐出する吐出口と、該吐出口に連通する液路と、該液路中の液体に前記吐出口からの吐出のめたのエネルギーを付与する圧電素子と、を有するインクジェットヘッドの製造方法において、
    基板上に振動板となる層を形成する工程と、該振動板となる層上に下部電極層を形成する工程と、酸化物を主体とし、少なくとも1成分が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の圧電体層を形成する工程と、前記傾斜組成の成分が一定割合で含有された組成を有する第二の圧電体層を該第一の圧電体層上に形成する工程と、該第二の圧電体層上に上部電極層を形成して圧電体素子とする工程と、前記基板の該圧電体素子に対応する部分を除去して前記液路の少なくとも一部を形成する工程と、を有し、
    第一の圧電体層の25℃での比誘電率ε1と第二の誘電体層の25℃での比誘電率ε2が異なることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
  30. 液体を吐出する吐出口と、該吐出口に連通する液路と、該液路中の液体に前記吐出口からの吐出のめたのエネルギーを付与する圧電素子と、を有するインクジェットヘッドの製造方法において、
    圧電体素子形成用の基板上に下部電極層を形成する工程と、酸化物を主体とし、少なくとも1成分が他の成分に対して組成比が傾斜構造になった層を少なくとも有する第一の圧電体層を形成する工程と、酸化物を主体とし、前記傾斜組成の成分が一定割合で含有された組成を有する第二の圧電体層を前記第一の圧電体層上に形成する工程と、該第二の圧電体層上に上部電極層を形成して圧電体素子とする工程と、該上部電極にヘッド用基板を接合する工程と、前記圧電体素子形成用の基板を該圧電体素子から除去する工程と、を有し、
    前記第一の圧電体層の25℃での比誘電率ε1と前記第二の誘電体層の25℃での比誘電率ε2が異なることを特徴とするインクジェットヘッドの製造方法。
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