JP2005243656A - 表示装置の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 配線基板を用いた画像表示装置、画像形成装置の高輝度・高精細化を図りつつ、真空雰囲気等を維持可能な気密容器を実現し、より高品位な画像を得られるようにする。
【解決手段】 基板上に複数の配線電極を有する配線基板と、前記配線基板の配線電極を有する表面に位置する枠部材と、前記枠部材を介して前記配線基板と対向して位置する対向基板とを有する気密容器内に画像形成部材を有する表示装置の製造方法であって、
前記画像形成部材の前記配線基板上への正射影領域にフォトペーストを用いたフォトリソ法により配線を形成する工程と、
前記枠部材の配置される領域に、非フォトリソペーストからなる印刷用ペーストインキを用いたパターン印刷で配線を形成する工程とを有する表示装置の製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、容器の内側から外側に複数の配線電極を引き出し、該配線を介して駆動信号を印加する表示パネル用基板を用いた表示装置の製造方法に関する。
従来、表示装置としては、PDP(プラズマディスプレイパネル)のようなガス放電型のものと、FED(フィールドエミッションディスプレイ)のような発光部材を電子線で照射するタイプ(電子線照射型)のものが知られている。電子線照射型ディスプレイの電子放出素子としては熱電子源と冷陰極電子源の2種類が知られている。
冷陰極電子源には電界放出型素子(FE型素子)、金属/絶縁層/金属型素子(MIM素子)、表面伝導型電子放出素子等がある。
上述の表面伝導型電子放出素子は構造が単純で製造も容易であることから、それを大面積にわたり多数形成できるという利点を有している。そこでこの特徴を生かすべく各種の応用が研究されている。たとえば荷電ビーム源、画像形成装置等の表示装置等への応用である。一例として、本出願人による特許文献1,2では、多数の電子放出素子をマトリクス状の配線に接続してなる電子源基板と、蛍光体を配置した対向基板とを張り合わせて高真空容器(表示パネル)とした画像形成装置を開示している。
特開2000−251778号公報 特開2000−251802号公報
しかしながら上述したような、多数の電子放出素子をマトリクス配線接続してなる電子源基板と、蛍光体を配置した対向基板とを張り合わせて高真空容器(表示パネル)とした画像形成装置を構成する際、その大面積化・高品質化にあたり以下のような問題点がある。
まず配線材料として、求められる配線抵抗を満たすために金属とガラス系材料からなる厚膜ペーストを用いるが、画像形成装置の高品質化のために高精細化を推し進めると、表示領域内においては配線幅を十分に小さくする必要がある。表示装置の使用目的等によるが、一般的な用途に十分活用できる高精細な表示装置としては、その配線幅を70μm以下程度にする事が望ましい。
また、上述特開2000−251778に記載の表面伝導型放出素子のように、電極対(素子電極)の対向する間隙を列(Y)方向配線(下配線)と平行に配置し、電子放出部がY方向配線(下配線)2と略平行にライン状に形成されるように構成された電子源基板を用いる場合、放出電子の軌道制御の要求から、表示領域内においてはY方向配線のエッジ高さを十分高く(例えば14μm程度)にすることが求められる。
また、上述のとおり、配線の抵抗値を十分低減するためにも、十分な高さが必要となる。
尚、「表示領域」とは、蛍光等の画像形成部材の配線基板への正射影領域を意味し、上述のような電子源基板と蛍光体を形成した透明基板とを対向配置して表示パネルを構成した場合は、電子源基板(配線基板)上の該蛍光体と対向する領域が画像形成部材(蛍光体)の配線基板への正射影領域と等しくなる。
我々は、上記表示領域内におけるマトリクス配線の高精細化及び低抵抗化を両立するための、最小線幅及び十分な高さ(厚み)の配線形成を実現する具体的手段を検討した結果、配線形成方法として従来のスクリーン印刷法からフォトペースト材料を用いたフォトリソ法への移行が好ましいことを見出した。つまり、従来の印刷配線では、その断面形状がなだらかな半円形状になるため、十分な高さを有しながら、高精細な配線幅を実現するのは困難である。幅が狭く十分な高さ(厚さ)を両立した配線形状としては、エッジの切り立った矩形の配線が好ましく、この形状の配線を形成するには、フォトペーストを用いたフォトリソ法が好ましいと考えた。
ところが上述のような、配線抵抗の低減や、電子放出素子の電子軌道の制御等の目的からフォトペースト材料において配線のエッジ高さを確保するために厚みを増していくとパターンエッジがカール(パターンエッジのえぐれ)すると共に基板にクラックが発生し易くなり、表示領域外周のパネル封着部の気密性が低下(リークパスが発生)するという問題が発生する場合がある。
本発明の主たる目的は、このような欠点を改善するものであり、配線基板を用いた画像表示装置、画像形成装置の高輝度・高精細化を図りつつ、真空雰囲気等を維持可能な気密容器を実現し、より高品位な画像を得られるようにすることにある。
即ち、本発明の表示装置の製造方法は、基板上に複数の配線電極を有する配線基板と、前記配線基板の配線電極を有する表面に位置する枠部材と、前記枠部材を介して前記配線基板と対向して位置する対向基板とを有する気密容器内に画像形成部材を有する表示装置の製造方法であって、
前記画像形成部材の前記配線基板上への正射影領域にフォトペーストを用いたフォトリソ法により配線を形成する工程と、
前記枠部材の配置される領域に、非フォトリソペーストからなる印刷用ペーストインキを用いたパターン印刷で配線を形成する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の別の表示装置の製造方法は、基板上に複数の配線電極を有する配線基板と、前記配線基板の配線電極を有する表面に位置する枠部材と、前記枠部材を介して前記配線基板と対向して位置する対向基板とを有する気密容器内に画像形成部材を有する表示装置の製造方法であって、
前記画像形成部材の前記配線基板上への正射影領域及び前記枠部材の配置される領域にフォトペーストを用いたフォトリソ法により配線パターンを形成する工程と、
前記枠部材の配置される領域の配線パターン上に、前記フォトペースト中の有機成分の焼失温度より高温でかつ無機成分の軟化点より低温で焼失するオーバーコート層を形成する工程と、
配線パターンとオーバーコート層を同時に焼成する工程とを有することを特徴とする。
また、本発明の別の表示装置の製造方法は、基板上に複数の配線電極を有する配線基板と、前記配線基板の配線電極を有する表面に位置する枠部材と、前記枠部材を介して前記配線基板と対向して位置する対向基板とを有する気密容器内に画像形成部材を有する表示装置の製造方法であって、
前記画像形成部材の前記配線基板上への正射影領域及び前記枠部材の配置される領域にフォトペーストを用いたフォトリソ法により第一の配線を形成する工程と、
前記枠部材の配置される領域の前記第一の配線上に、非フォトリソペーストからなる印刷用ペーストインキを用いたパターン印刷で第二の配線を形成する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、表示領域内においては所望の配線の高さを確保して配線抵抗の低減を図るとともに、電子放出素子への信号供給用の配線として本発明の構成を用いた場合、放出電子の軌道制御を良好に行える。また、表示領域外の封着部においては配線のエッジカール及びサイドクラックがない配線基板を実現できる。
また、かかる配線基板を用いた画像表示装置等の画像形成装置においては、発光効率の向上と共に、真空等を維持しえる、気密性、信頼性の高い画像形成装置を実現できる。
本発明の配線基板によれば、表示領域内においては所望の配線のエッジ高さを十分確保しつつ、表示領域内および表示領域外における各配線の断面形状をそれぞれ制御することにより、配線抵抗の低減を達成しつつ表示領域外(封着部)においては配線のエッジカール及び基板のサイドクラックがない気密容器を実現可能な表示装置用の配線基板を提供できる。
そして、かかる配線基板を電子源基板としてを用いた画像形成装置においては、発光効率の向上と共に、真空信頼性の高い画像形成装置を実現でき、より高密度な画素配列による高品位な画像を得ることができる。
以下に本発明の実施形態を詳述するが、それに先立ち、封着部における配線形状と気密性の関係について図面を用いて詳述する。
図16は、X方向配線とY方向配線を間に絶縁層を介して交差させた、通称マトリクス配線基板において、画像表示領域から基板端部まで配線を引き出した構成における、引き出し部の一部である封着部の配線形状にエッジカールがある場合の部分拡大図であり、Y方向引出し配線12のパターンエッジのえぐれと基板に発生するクラック(サイドクラックと呼ぶ)に起因し、配線に沿って形成されるリークパス(124、126)を模式的に表した図である。
本発明者の検討によると、このような基板に発生するクラックについては絶縁層の形成により抑制されることが明らかになった。したがって、かかるクラックの発生を防止するには、例えばマトリクス配線部の交差部の絶縁層形成時にパネル封着部にも絶縁層を同時に形成することが考えられる。この絶縁層パターンは配線パターンによる凹凸を緩和する効果もあるため、真空容器形成部材13として樹脂製Oリングを介した真空形成の場合にも効果的である。
ところが、パターンエッジのえぐれがあると、この絶縁層との間にマウスホール124と呼ぶリークパスを作ってしまい、基板に発生するクラックによるリークパスと同様に真空気密性が低下する。
一方、パターンエッジのえぐれによるマウスホールついては、真空容器形成部材13としてフリットガラスを用いることでリークパスを無くすことができる。しかしながら、フリットガラスを用いても、基板に発生したクラックによる真空リークに対応できない。また、真空容器形成部材13として樹脂製Oリングを用いる場合を考慮すると、封着部における配線断面の基板と形成する角度が少なくとも鋭角でなければリークパスを無くすことができない。
また本発明者の検討によると、配線のエッジカールと基板クラックの発生には、膜厚依存性のほかに、パターン幅依存性があることが判っている。すなわち、ある程度の高さ(厚み)がある配線においては、その配線の幅が大きくなると基板にクラックを生じやすく、またエッジカールも起こりやすい。したがって、配線幅を狭くすることによって、エッジカール及び基板クラックの発生自体を防止することもある程度可能である。
しかしながら、前述のように引出し配線および実装端子部においては配線抵抗の要求から表示領域内よりも線幅を広く取らなければならないのが実情である。
よって配線抵抗の低減と、配線パターンの高精細化を両立する矩形配線も、気密容器の実現には解決すべき問題があり、配線抵抗の低減、高精細パターンの実現、及び気密容器の形成をすべて満たすには、更なる改良が必要である。
上述のように表示パネル用の配線基板として要求される様々な条件を総合的に考察した結果、表示領域内において配線形状を矩形とし、封着部において配線形状をなまらせるという本発明に至った。つまり換言するならば、表示領域内においては配線の断面が基板と形成する平均角度(配線基板の配線と接している面と配線の側面とのなす平均角度)が鈍角であり、枠部材が配置された封着部における配線の断面が基板と形成する平均角度が鋭角となる配線形状とすることで、上述の配線の低抵抗化、高精細化、及び気密容器の実現を可能にする。尚、ここで、配線の断面が基板と形成する平均角度が鈍角とは、図18に例示されているような断面形状を有する配線と基板面との関係であり、配線の断面が基板と形成する平均角度が鋭角とは図17に例示されているような断面形状を有する配線と基板面との関係である。
また、ここで、本発明を更に詳述すべく、封着部における配線の断面形状と基板のクラック及びリークパスとの関係を説明する。
図17及び図18は配線断面が基板と形成する平均角度を模式的に表したものである。この平均角度が図17のように鋭角であると基板クラックは発生しにくく、反対に図18のように鈍角であると基板クラックは発生しやすくなる。また平均角度が鋭角であることはエッジカールと反対の方向であり、真空気密性を実現する上でも効果がある。
さらにパターン安定性、抵抗値及びその抵抗値が得られるプロセス条件の観点から現在使用可能な配線形成方法においては、フォトリソ工程でパターンエッジの平均角度を鈍角としやすく、スクリーン印刷工程ではパターンエッジの平均角度を容易に鋭角とできる。またこの組み合わせとしてフォトリソ工程でパターンエッジの平均角度が大きくない鈍角の配線上に、スクリーン印刷工程でパターンエッジの平均角度が鋭角の配線を重ねることで、実質パターンエッジの平均角度が鋭角の厚膜配線が得られることを見出した。
本発明は以上の知見に基づいて成されたものであり、以下、その構成を具体的に詳述する。尚、以下の記述においては、画像表示領域(画像形成部材の配線が形成された基板面への正射影領域)と、封着部を包含する画像表示領域外とで配線の断面形状を異ならせる形態を記載するが、これは製造等の観点を考慮した特に好ましい形態であり、画像表示領域と封着部とで配線の断面形状がそれぞれ所望の形状となっていれば十分である。以下、本発明の実施の形態について説明する。
本出願人は、電子放出素子とその応用に関しこれまで多数の提案を行っており、以下、その一部として表面伝導型放出素子を用いた画像形成装置等の応用例を紹介する。
インクジェット方式による素子作成に関しては特開平9−102271号公報や特開2000−251665号公報に、これらの素子をXYマトリクス形状に配置した例として、特開昭64−031332号公報、特開平7−326311号公報に詳述されている。更には配線形成方法に関しては特開平8−185818号公報や、特開平9−50757号公報に、駆動方法については特開平6−342636号公報等に詳述されている。
また、更には例えば特開平7−235255号公報、特登録2903295号公報に詳述されている。
以下に、上記公報に開示されている表面伝導型電子放出素子の概略を簡単に説明する。
上記の表面伝導型電子放出素子は、図15に模式的に示すように、基板1上に対向する一対の素子電極2,3と、該素子電極に接続されその一部に電子放出部5を有する導電性膜4とを有してなる。
電子放出部5は、導電性膜4の一部が、破壊・変形ないし変質され、間隙が形成された部分を含み、間隙内部及びその近傍の導電性膜上には、活性化と呼ばれる工程を行うことにより、炭素及び/または炭素化合物を主成分とする堆積物が形成されている。なお、この堆積物は上記導電性膜に形成された間隙よりもさらに狭い間隙部をもって対峙した形状となっている。
また、多数の表面伝導型電子放出素子をマトリクス状に配線接続した電子源基板の構成例を図2に示す。図2中、21は基板、2と3は素子電極、4は導電性膜(素子膜)、5は電子放出部、24はY方向配線(下配線)、25は絶縁層、26はX方向配線(上配線)である。
上記電子源基板は、基板21上に、複数のY方向配線(下配線)24と、該Y方向配線24の上に絶縁層25を介して複数のX方向配線(上配線)26が形成され、該両方向配線の交差部近傍にそれぞれ、電極対(素子電極2,3)を含む電子放出素子が配設され、該電極対の一方(素子電極3)がY方向配線24と、他方(素子電極2)が絶縁層25に設けられたコンタクトホールを介してX方向配線26と接続された構成を有している。
以下、この電子源基板の製造方法の一例を、図3乃至図6を参照しつつ簡単に説明する。
先ず、基板21上に複数の電極対(素子電極2,3)を形成する(図3参照)。
次に、一方の素子電極(素子電極3)に接して、かつそれらを連結するようにライン状のパターンで複数のY方向配線(下配線)24を形成する(図4参照)。図示していないが、Y方向配線(下配線)24の終端部は外部駆動回路への引出し配線として使うために、線幅をより大きくしている。このY方向配線(下配線)24は、本電子源基板を用いて画像形成装置としてパネル化した後は信号電極として作用する。
次に、上下配線を絶縁するために、絶縁層25を形成する(図5参照)。この絶縁層25は、後述のX方向配線(上配線)下に、先に形成したY方向配線(下配線)24との交差部を覆うように、かつX方向配線(上配線)と他方の素子電極(素子電極2)との電気的接続が可能なように、各素子に対応した接続部にコンタクトホール27を開けて形成する。
次に、先に形成した絶縁層25の上に、X方向配線(上配線)26を形成する(図6参照)。X方向配線26は、絶縁層25を挟んでY方向配線24と交差しており、絶縁層25に設けたコンタクトホール27部分で素子電極2と接続される。図示していないが、外部駆動回路への引出し配線もこれと同様の方法で形成する。X方向配線26は画像形成装置としてパネル化した後は走査電極として作用し、信号電極として作用するY方向配線24よりも低い配線抵抗を要求されるため、線幅を太くするか膜厚を厚くする設計がなされる。
次に、素子電極2,3間に、例えば特開平9−102271号公報や特開2000−251665号公報に記載のインクジェット方式によって導電性膜4を形成する(図2、図7参照)。
次に、両方向配線24,26間にパルス電圧を印加し、素子電極2,3間に通電することによって、導電性膜4を局所的に破壊、変形もしくは変質させることにより、電気的に高抵抗な状態の電子放出部(間隙)を形成する(フォーミング工程)。パルス電圧波形の一例を図8に示す。この時、図2及び図15に示すように、電子放出部(間隙)5は素子電極2,3の対向する間隙部分に該間隙と略平行に形成される。
次に、炭素原子を含むガスの雰囲気下で、上記のフォーミングと同様、両方向配線24,26間にパルス電圧を印加し、素子電極2,3間に通電することによって、炭素あるいは炭素化合物を、前記間隙近傍にカーボン膜として堆積させる(活性化工程)。活性化に用いる電圧波形の一例を図11に示す。
以上の工程により、基板上に多数の表面伝導型電子放出素子をマトリクス配線接続してなる電子源基板が作製される。
次に、上述のような素子構成と製造方法によって作製された電子放出素子の基本特性について図9、図10を用いて説明する。
図9は、前述した構成を有する電子放出素子の電子放出特性を測定するための測定評価装置の概略図である。図9において、51は素子に素子電圧Vfを印加するための電源、50は素子の電極部を流れる素子電流Ifを測定するための電流計、54は素子の電子放出部より放出される放出電流Ieを捕捉するためのアノード電極、53はアノード電極54に電圧を印加するための高圧電源、52は素子の電子放出部より放出される放出電流Ieを測定するための電流計である。
電子放出素子の素子電極2,3間を流れる素子電流If、及びアノードへの放出電流Ieの測定にあたっては、素子電極2,3に電源51と電流計50とを接続し、該電子放出素子の上方に電源53と電流計52とを接続したアノード電極54を配置している。
また、本電子放出素子およびアノード電極54は真空装置55内に設置され、その真空装置には排気ポンプ56および真空計等の真空装置に必要な機器が具備されており、所望の真空下で本素子の測定評価を行えるようになっている。なお、アノード電極54の電圧は1kV〜10kV、アノード電極と電子放出素子との距離Hは2mm〜8mmの範囲で測定した。
図9に示した測定評価装置により測定された放出電流Ieおよび素子電流Ifと素子電圧Vfの関係の典型的な例を図10に示す。なお、放出電流Ieと素子電流Ifは大きさが著しく異なるが、図10ではIf、Ieの変化の定性的な比較検討のために、リニアスケールで縦軸を任意単位で表記した。
本電子放出素子は放出電流Ieに対する三つの特徴を有する。
まず第一に、図10からも明らかなように、本素子はある電圧(しきい値電圧と呼ぶ、図10中のVth)以上の素子電圧を印加すると急激に放出電流Ieが増加し、一方しきい値電圧Vth以下では放出電流Ieがほとんど検出されない。すなわち、放出電流Ieに対する明確なしきい値電圧Vthを持った非線形素子としての特性を示しているのが判る。
第二に、放出電流Ieが素子電圧Vfに依存するため、放出電流Ieは素子電圧Vfで制御できる。
第三に、アノード電極54に捕捉される放出電荷は、素子電圧Vfを印加する時間に依存する。すなわち、アノード電極54に捕捉される電荷量は、素子電圧Vfを印加する時間により制御できる。
次に、本発明に係る電子源基板及び画像形成装置について説明する。
本発明の電子源基板の基本構成としては、図2に例示したような構成が挙げられる。
本発明の電子源基板は、基板21上に、複数のY方向配線(下配線)24と、この列方向配線24の上に絶縁層25を介して複数のX方向配線(上配線)26が形成され、該両方向配線の交差部近傍にそれぞれ、電極対(素子電極2,3)を含む電子放出素子が配設されているものであり、特に、図2に示されるように素子電極2,3の対向する間隙部分がY方向配線(下配線)と略平行に配置されているものである。
本発明の一実施形態に係る電子源基板における特徴を図1を参照して説明すると、発光材料が形成された透明基板と対向配置することによって表示パネルを構成する際、発光材料が形成された領域に対向する表示領域内においては、少なくともY方向配線24は、基板と形成する平均角度が鈍角となる図18に例示したような断面形状を有し、表示領域外においては、XY両方向配線、即ちX方向引出し配線11及びY方向引出し配線12は、基板と形成する平均角度が鋭角となる図17に例示したような断面形状を有する点である。
尚、本発明で言う、平均角度とは、配線断面の外形線を合成して得た直線(合成線)と基板表面とのなす角度を意味し、この合成線は、配線の幅が基板から離れる方向に向かって狭くなるような配線形状の場合には、基板面と鋭角を形成し、配線の幅が基板から離れる方向に向かって広くなるような配線形状の場合には、基板面と鈍角を形成する。
尚、付言するならば、配線が基板と形成する平均角度が鋭角の場合、配線の基板との接触部におけるエッジにかかる応力の方向も、基板面に対して鋭角となり、また、配線が基板と形成する平均角度が鈍角の場合には、配線の基板との接触部におけるエッジにかかる応力の方向も、基板面に対して鈍角となる。
上記のような断面形状を有する各配線の具体的な形成方法は後述の実施例において詳しく説明するが、
(1)表示領域内においては少なくともY方向配線24をフォトペーストを用いたフォトリソ法により形成し、表示領域外においてはXY両方向引出し配線11,12ともスクリーン印刷法によるパターン印刷で形成する方法。
(2)表示領域内においては少なくともY方向配線24を、表示領域外においてはXY両方向引出し配線11,12ともフォトペーストを用いたフォトリソ法によりパターン形成した後、少なくとも表示領域外においては前記フォトペースト中の有機成分の焼失温度より高温でかつ無機成分の軟化点より低温で焼失するオーバーコート層と同時に焼成する方法。
が好適である。
尚、上記オーバーコート層としては、感光性アクリル樹脂等の感光性樹脂を用いることができる。
以上のように表示領域内および表示領域外における各配線の断面形状をそれぞれ制御することにより、表示領域内においては所望のY方向配線の高さを確保して放出電子の軌道制御を良好に行え、表示領域外においては両方向配線ともエッジカール及びサイドクラックがない電子源基板を得ることができる。
次に、上記のような単純マトリクス配置の電子源基板を用いた本発明の画像形成装置の一例について、図12を用いて説明する。
図12において、21は上記の電子源基板、82はガラス基板83の内面に蛍光膜84とメタルバック85等が形成されたフェースプレート、86は支持枠である。電子源基板21、支持枠86及びフェースプレート82をフリットガラスによって接着し、400〜500℃で、10分以上焼成することで、封着して、外囲器90を構成する。
尚、フェースプレート82と電子源基板21との間に、スペーサーと呼ばれる不図示の支持体を設置することにより、大面積パネルの場合にも大気圧に対して十分な強度を持つ外囲器90を構成することもできる。
図13はフェースプレート82上に設ける蛍光膜84の説明図である。蛍光膜84は、モノクロームの場合は蛍光体のみから成るが、カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体の配列によりブラックストライプあるいはブラックマトリクスなどと呼ばれる黒色導電体91と蛍光体92とで構成される。ブラックストライプ、ブラックマトリクスが設けられる目的は、カラー表示の場合必要となる三原色蛍光体の、各蛍光体92間の塗り分け部を黒くすることで混色等を目立たなくすることと、蛍光膜84における外光反射によるコントラストの低下を抑制することである。
また、蛍光膜84の内面側には通常メタルバック85が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光体の発光のうち内面側への光をフェースプレート82側へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビーム加速電圧を印加するためのアノード電極として作用すること等である。メタルバックは、蛍光膜作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィルミングと呼ばれる)を行い、その後Alを真空蒸着等で堆積することで作製できる。
前述の封着を行う際、カラーの場合は各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけないため、上下基板の突き当て法などで十分な位置合わせを行う必要がある。
封着時の真空度は10-5Pa程度の真空度が要求される他、外囲器90の封止後の真空度を維持するために、ゲッター処理を行なう場合もある。これは、外囲器90の封止を行なう直前あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等の加熱法により、外囲器内の所定の位置(不図示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用により、真空度を維持するものである。
この時、本発明の電子源基板では表示領域外の両方向引出し配線ともエッジカール及びサイドクラックを無くすことができるため、図16に示したようなリークパスの発生を防ぎ、真空信頼性の高い画像形成装置を実現できる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
本実施例は、図2に示したような多数の表面伝導型電子放出素子をマトリクス配線接続してなる電子源基板を製造した例である。図2中、21は基板、2と3は素子電極、4は導電性膜(素子膜)、5は電子放出部、24はY方向配線(下配線)、25は絶縁層、26はX方向配線(上配線)である。
尚、図2は電子源基板の表示領域内のみを示しており、実際に製造した電子源基板では図1に示したように、表示領域内に形成されたY方向配線24は表示領域外のY方向引出し配線12と接続され、同じくX方向配線26はX方向引出し配線11と接続されている。X方向配線26はパネル化した後走査電極として作用し、信号電極として作用するY方向配線24よりも低い配線抵抗を要求されるため、線幅を太くするか膜厚を厚くする設計がなされる。
以下、本実施例の電子源基板の製造方法を、図2乃至図7等を参照しつつ説明する。
(素子電極の形成)
基板21としてアルカリ成分が少ないPD−200(旭硝子(株)製)の2.8mm厚ガラス上にナトリウムブロック層としてSiO2膜100nmを塗付焼成したものを用いた。
そして、このガラス基板21上に、スパッタ法によってまず下引き層としてチタニウムTi(厚さ5nm)、その上にルテニウムRu(厚さ40nm)を成膜した後、ホトレジストを塗布し、露光、現像、エッチングという一連のフォトリソグラフィー法によってパターニングして素子電極2,3を形成した(図3参照)。なお、本実施例では素子電極の間隔L=10μm、対向する長さW=100μmとした。
(Y方向配線の形成)
共通配線としてのX方向配線26とY方向配線24の配線材料に関しては、多数の表面伝導型電子放出素子にほぼ均等な電圧が供給されるように低抵抗である事が望まれ、材料、膜厚、配線巾等が適宜設定される。
信号配線としてのY方向配線(下配線)24は、フォトペースト材料を用いたフォトリソ法により、一方の素子電極3に接して、かつそれらを連結するようにライン状のパターンで形成した。材料には銀AgフォトぺーストインキDC−206(Dupont社製)を用い、スクリーン印刷した後、乾燥させてから、所定のパターンに露光し現像した。この後480℃前後の温度で焼成してY方向配線24を形成した(図4参照)。このY方向配線24の厚さは約15μm、線幅は約50μmである。
(絶縁層の形成)
上下配線を絶縁するために、絶縁層25を形成する。後述のX方向配線(上配線)下に、先に形成したY方向配線(下配線)24との交差部を覆うように、かつX方向配線(上配線)と素子電極2との電気的接続が可能なように、各素子に対応した接続部にコンタクトホール27を開けて形成した(図5参照)。
具体的には、PbOを主成分とする感光性のガラスペーストJ1345(Dupont社製)をスクリーン印刷した後、露光−現像した。これを4回繰り返し、最後に480℃前後の温度で焼成した。この絶縁層25の厚みは、全体で約30μmであり、幅は150μmである。
(X方向配線の形成)
先に形成した絶縁層25の上に、Agぺーストインキをスクリーン印刷した後乾燥させ、この上に再度同様なことを行い2度塗りしてから、420℃前後の温度で焼成してX方向配線(上配線)26を形成した(図6参照)。X方向配線26は、絶縁層25を挟んでY方向配線24と交差しており、絶縁層25に設けたコンタクトホール27部分で素子電極22と接続されている。
このX方向配線26はパネル化した後は走査電極として作用する。尚、X方向配線26の厚さは約15μm、線幅は約300μmである。
(引出し配線の形成)
外部駆動回路と接続するためのX・Y両方向の引出し配線11,12は、前述したX方向配線(上配線)26と同様の方法で形成した(図1参照)。尚、引き出し配線11,12は線幅をより大きくとり、場所により100μm〜500μmである。
このように本実施例では、表示領域内のY方向配線24をフォトペーストを用いたフォトリソ法により形成し、表示領域外のXY両方向配線(引出し配線11,12)ともスクリーン印刷法により形成することにより、表示領域内のY方向配線24の断面は図18(a)のように基板と形成する平均角度が鈍角、表示領域外のXY両方向配線(引出し配線11,12)の断面は図17(a)のように基板と形成する平均角度が鋭角であるXYマトリクス配線を有する基板が形成された。
(導電性膜の形成)
次に、上記基板を十分にクリーニングした後、撥水剤を含む溶液で表面を処理し、表面が疎水性になるようにした。これはこの後塗布する導電性膜形成用の水溶液が、素子電極上に適度な広がりをもって配置されるようにするためである。用いた撥水剤は、ジメチルジエトキシシランをスプレー法にて基板上に散布し、120℃にて温風乾燥した。
その後、素子電極2,3間に導電性膜4を形成した。本工程を図7の模式図を用いて説明する。尚、基板21上における個々の素子電極の平面的ばらつきを補償するために、基板上の数箇所に於いてパターンの配置ずれを観測し、観測点間のポイントのずれ量は直線近似して位置補完し、導電性膜形成材料を塗付する事によって、全画素の位置ずれをなくして、対応した位置に的確に塗付するようにした。
本実施例では、導電性膜4としてパラジウム膜を得る目的で、先ず水85:イソプロピルアルコール(IPA)15からなる水溶液に、パラジウム−プロリン錯体0.15重量%を溶解し、有機パラジウム含有溶液を得た。この他若干の添加剤を加えた。この溶液の液滴を、液滴付与手段71として、ピエゾ素子を用いたインクジェット噴射装置を用い、ドット径が60μmとなるように調整して素子電極間に付与した(図7(a))。
その後、この基板を空気中にて、350℃で10分間の加熱焼成処理をして酸化パラジウム(PdO)からなる導電性膜4’が形成された(図7(b))。ドットの直径は約60μm、厚みは最大で10nmの膜が得られた。
(フォーミング工程)
次に、フォーミングと呼ばれる本工程に於いて、上記導電性膜4’を通電処理して内部に亀裂を生じさせ、電子放出部5を形成する(図7(c))。
具体的な方法は、上記基板21の周囲の引出し配線部を残して、基板全体を覆うようにフード状の蓋をかぶせて基板21との間で内部に真空空間を作り、外部電源よりこの引出し配線の端子部から両方向配線24,26間に電圧を印加し、素子電極2,3間に通電することによって、導電性膜4’を局所的に破壊、変形もしくは変質させることにより、電気的に高抵抗な状態の電子放出部5を形成する。フード状の蓋と基板21とは樹脂製のOリングを介して当接することで、気密容器を形成している。
この時若干の水素ガスを含む真空雰囲気下で通電加熱すると、水素によって還元が促進され酸化パラジウムPdOからなる導電性膜4’がパラジウムPdからなる導電性膜4に変化する。
この変化時に膜の還元収縮によって、一部に亀裂(間隙)が生じるが、この亀裂発生位置、及びその形状は元の膜の均一性に大きく影響される。多数の素子の特性ばらつきを抑えるには、上記亀裂は導電性膜4の中央部に起こり、かつなるべく直線状になることがなによりも望ましい。
なおこのフォーミングにより形成した亀裂付近からも、所定の電圧下では電子放出が起こるが、現状の条件ではまだ発生効率が非常に低いものである。
また得られた導電性膜4の抵抗値Rsは、102から107Ωの値である。
本実施例ではフォーミング処理に図8(b)に示した様なパルス波形を用い、T1を0.1msec、T2を50msecとした。印加した電圧は0.1Vから始めて5秒ごとに0.1Vステップ程度ずつ増加させた。通電フォーミング処理の終了は、パルス電圧印加時に素子に流れる電流を測定して抵抗値を求め、フォーミング処理前の抵抗に対して1000倍以上の抵抗を示した時点でフォーミングを終了した。
(活性化工程)
前記のフォーミングと同様にフード状の蓋をかぶせて基板21との間で内部に真空空間を作り、外部から両方向配線24,26を通じてパルス電圧を素子電極2,3間に繰り返し印加することによって行う。そして炭素原子を含むガスを導入し、それに由来する炭素あるいは炭素化合物を、前記亀裂近傍にカーボン膜として堆積させる。
本実施例ではカーボン源としてトリニトリルを用い、スローリークバルブを通して真空空間内に導入し、1.3×10-4Paを維持した。
図11に、活性化工程で用いられる電圧印加の好ましい一例を示した。印加する最大電圧値は、10〜20Vの範囲で適宜選択される。
図11(a)に於いて、T1は電圧波形の正と負のパルス幅、T2はパルス間隔であり、電圧値は正負の絶対値が等しく設定されている。また、図11(b)に於いて、T1およびT1’はそれぞれ電圧波形の正と負のパルス幅、T2はパルス間隔であり、T1>T1’、電圧値は正負の絶対値が等しく設定されている。
このとき、素子電極3に与える電圧を正としており、素子電流Ifは、素子電極3から素子電極2へ流れる方向が正である。約60分後に放出電流Ieがほぼ飽和に達した時点で通電を停止し、スローリークバルブを閉め、活性化処理を終了した。尚上述のフォーミング、活性化工程において、Oリングを介したフード状の蓋との気密容器形成は十分良好であり、フォーミング時の真空雰囲気、活性化時の活性化雰囲気(炭素雰囲気)は十分に維持されていた。
以上の工程で、基板上に多数の電子放出素子をマトリクス配線接続してなる電子源基板を作製することができた。
(電子源基板の特性評価)
上述のような素子構成と製造方法によって作製された電子源基板の電子放出特性を、図9に示したような装置を用いて測定した。その結果、素子電極間に印加する電圧12Vにおける放出電流Ieを測定したところ平均0.6μA、電子放出効率は平均0.15%を得た。また素子間の均一性もよく、各素子間でのIeのばらつきは5%と良好であった。
次に、以上のようにして製造した単純マトリクス配置の電子源基板を用いて図12に示したような画像形成装置(表示パネル)を製造した。尚、図12は内部を表現するために部分的に切り欠いて表している。
本実施例では、電子源基板21、支持枠86及びフェースプレート82をフリットガラスによって接着し、480℃で、30分焼成することで、封着して、外囲器90を得た。
尚、この一連の工程を全て真空チャンバー中で行うことで、同時に外囲器90内部を最初から真空にすることが可能となり、かつ工程もシンプルにすることができた。
このようにして図12に示されるような表示パネルを製造し、図14の走査回路・制御回路・変調回路・直流電圧源などからなる駆動回路を接続し、パネル状の画像表示装置を製造した。
以上のようにして製造した画像表示装置において、X方向端子とY方向端子を通じて、各電子放出素子に時分割で所定電圧を印加することにより電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、アノード電極であるメタルバック85に高圧を印加し、発生した電子ビームを加速し、蛍光膜84に衝突させることによって、画像を表示した。
本実施例では、ライン状の電子放出部5と略平行に配置されているY方向配線24の高さを十分確保して放出電子の軌道制御を良好に行えるため、発光効率が高く、また、表示領域外のXY両方向配線(引出し配線11,12)の断面が基板と形成する平均角度が鋭角となるようにしたことにより、表示領域外において両方向配線ともエッジカール及びサイドクラックが発生しておらず、真空信頼性の高い画像形成装置が得られた。
[実施例2]
本実施例は、表示領域内のY方向配線形成時に、表示領域外のX・Y両方向引出し配線も同時に形成し、このX・Y両方向引出し配線には更にアクリル樹脂をコートして同時に焼成した以外は実施例1と同様に電子源基板を作製した。以下に配線形成部分のみ説明する。
(Y方向配線の形成)
Y方向配線(下配線)24は、フォトペースト材料を用いたフォトリソ法により、一方の素子電極3に接して、かつそれらを連結するようにライン状のパターンで形成した。材料には銀AgフォトぺーストインキDC−206(Dupont社製)を用い、スクリーン印刷した後、乾燥させてから、所定のパターンに露光し現像した。この後480℃前後の温度で焼成してY方向配線24を形成した(図4参照)。このY方向配線24の厚さは約15μm、線幅は約50μmである。
また、このY方向配線の形成と同時に、図1に示すX・Y両方向引出し配線11,12も形成した。X・Y両方向引出し配線11,12の線幅は場所により異なるが60μm〜300μmである。但し、配線のパターニング後、感光性アクリル樹脂を用い表示領域外に部分コーティングし、配線と同時に焼成した。
(絶縁層の形成)
上下配線を絶縁するために、絶縁層25を形成する。後述のX方向配線(上配線)下に、先に形成したY方向配線(下配線)24との交差部を覆うように、かつX方向配線(上配線)と素子電極2との電気的接続が可能なように、各素子に対応した接続部にコンタクトホール27を開けて形成した(図5参照)。
具体的には、PbOを主成分とする感光性のガラスペーストJ1345(Dupont社製)をスクリーン印刷した後、露光−現像した。これを4回繰り返し、最後に480℃前後の温度で焼成した。この絶縁層25の厚みは、全体で約30μmであり、幅は150μmである。
(X方向配線の形成)
先に形成した絶縁層25の上に、Agぺーストインキをスクリーン印刷した後乾燥させ、この上に再度同様なことを行い2度塗りしてから、420℃前後の温度で焼成してX方向配線(上配線)26を形成した(図6参照)。X方向配線26は、絶縁層25を挟んでY方向配線24と交差しており、絶縁層25に設けたコンタクトホール27部分で素子電極22と接続されている。このX方向配線26の厚さは約15μm、線幅は約300μmである。
本実施例では、表示領域内のY方向配線24及び表示領域外のXY両方向引出し配線11,12ともフォトペーストを用いたフォトリソ法により露光、現像してパターン形成した後、表示領域外においては前記フォトペースト(銀AgフォトぺーストインキDC−206)中の有機成分の焼失温度より高温でかつ無機成分の軟化点より低温で焼失するオーバーコート層(感光性アクリル樹脂)を、配線パターン上に形成し、配線パターンとオーバーコート層とを同時に焼成することで、表示領域内のY方向配線24の断面は図18(a)のように基板と形成する平均角度が鈍角、表示領域外のXY両方向配線(引出し配線11,12)の断面は全体的には基板と形成する平均角度が鋭角であるXYマトリクス配線を有する基板が形成された。
本実施例の電子源基板においても、実施例1と同様に発光効率向上を確保しつつ、電子源基板の素子作成工程及びこれを用いた画像形成装置の真空信頼性の向上を実現でき、それに加え、外部駆動回路と接続される引出し配線部分も高密度にして、画像表示領域に対する外形をよりコンパクトにすることができた。
[実施例3]
本実施例は、第一の配線として表示領域外のX及びY方向引き出し配線をフォトペーストを用いたフォトリソ法で形成し、更に第二の配線として、表示領域外のX及びY方向引出し配線(第一の配線)上に非フォトリソペーストである印刷用ペーストインキを用いてスクリーン印刷法で2層目の引き出し配線を形成した以外は実施例1と同様に電子源基板を作製した。以下に配線形成部分のみ説明する。
(Y方向配線の形成)
Y方向配線(下配線)24は、フォトペースト材料を用いたフォトリソ法により、一方の素子電極3に接して、かつそれらを連結するようにライン状のパターンで形成した。材料には銀AgフォトぺーストインキDC−206(Dupont社製)を用い、スクリーン印刷した後、乾燥させてから、所定のパターンに露光し現像した。この後480℃前後の温度で焼成してY方向配線24を形成した(図4参照)。このY方向配線24の厚さは約15μm、線幅は約50μmである。
また、このY方向配線の形成と同時に、図1に示すY方向引出し配線12も形成した。Y方向引出し配線12の線幅は場所により異なるが100μm以下である。
(絶縁層の形成)
上下配線を絶縁するために、絶縁層25を形成する。後述のX方向配線(上配線)下に、先に形成したY方向配線(下配線)24との交差部を覆うように、かつX方向配線(上配線)と素子電極2との電気的接続が可能なように、各素子に対応した接続部にコンタクトホール27を開けて形成した(図5参照)。
具体的には、PbOを主成分とする感光性のガラスペーストJ1345(Dupont社製)をスクリーン印刷した後、露光−現像した。これを4回繰り返し、最後に480℃前後の温度で焼成した。この絶縁層25の厚みは、全体で約30μmであり、幅は150μmである。
(X方向配線の形成)
図1に示す表示領域外のX方向引出し配線11をフォトペースト材料を用いたフォトリソ法で先に形成した。材料には銀AgフォトぺーストインキDC−206(Dupont社製)を用い、スクリーン印刷した後、乾燥させてから、所定のパターンに露光し現像した。この後480℃前後の温度で焼成した。
次に、先に形成した絶縁層25およびX方向引出し配線11の上に、さらにAgぺーストインキをスクリーン印刷した後乾燥させ、この上に再度同様なことを行い2度塗りしてから、420℃前後の温度で焼成した。次にY方向引き出し配線の上にもさらにAgぺーストインキをスクリーン印刷した後乾燥させ、この上に再度同様なことを行い2度塗りしてから、420℃前後の温度で焼成した。尚、これにより形成されたX方向配線26は、絶縁層25を挟んでY方向配線24と交差しており、絶縁層25に設けたコンタクトホール27部分で素子電極22と接続されている。
表示領域内のX方向配線26の厚さは約15μm、表示領域外のX方向引出し配線11は約30μmであり、線幅は100μm以下である。
本実施例では、表示領域内においてはY方向配線24の断面が図18(a)のように基板と形成する平均角度が鈍角であり、表示領域外においては、X及び方向引出し配線の断面が基板と形成する平均角度が鋭角であるXYマトリクス配線を有する基板が形成された。
本実施例の電子源基板においても、実施例1と同様に発光効率向上を確保しつつ、フォーミング、活性化時おいては樹脂製Oリングによる気密性は十分満足できた。
以上、本発明の好ましい実施例を説明した。尚、本発明は、表面伝導型放出素子を用いた表示装置に限らず、FE型素子、MIM型素子等、様々な電子放出素子を用いた表示装置に適用可能である。また、電子放出素子を用いた電子線励起型の表示装置に限らず、PDP等をはじめとする気密容器を用いた表示装置に適用可能である。例えば、PDPの場合、特開2001−189136号公報に記載のアドレス電極及び引出し部に上述の実施例を適用してバックパネルを形成することも可能であり、また表示電極及び引出し部に上述の実施例を適用してフロントパネルを形成することも可能である。尚、PDPでは、封着部のフリットガラスが枠部材を兼ねるものと理解されたい。また、PDPのパネル形式についても、特開2001−189136号公報に記載のような面放電型に限らず、対向放電型にも適用可能であり、駆動方法も、AC型、DC型のどちらにも応用可能である。
本発明の電子源基板の配線構成を説明する為の模式的平面図である。 電子源基板の表示領域における基本的構成を示す平面図である。 図2の電子源基板の製造工程を説明するための図である。 図2の電子源基板の製造工程を説明するための図である。 図2の電子源基板の製造工程を説明するための図である。 図2の電子源基板の製造工程を説明するための図である。 図2の電子源基板の製造工程を説明するための図である。 フォーミング電圧の例を示す図である。 本発明に係る電子放出素子の特性を測定するための装置を模式的に示す図である。 本発明に係る表面伝導型電子放出素子の素子電流及び放出電流と素子電圧との関係を示す図である。 活性化電圧の例を示す図である。 本発明に係る画像形成装置の一構成例を模式的に示す斜視図である。 本発明に係る画像形成装置における蛍光膜の例を模式的に示す図である。 本発明に係る画像形成装置の駆動回路図である。 表面伝導型電子放出素子の一構成例を示す模式図である。 リークパスの形成とその原因を示す模式図である。 配線の断面形状が基板と形成する平均角度を説明するための模式図である。 配線の断面形状が基板と形成する平均角度を説明するための模式図である。
符号の説明
1 基板
2 素子電極
3 素子電極
4 導電性膜(素子膜)
5 電子放出部
11 X方向引出し配線
12 Y方向引出し配線
13 真空容器形成用部材(封着部材)
21 基板(電子源基板)
24 Y方向配線
25 絶縁層
26 X方向配線
27 コンタクトホール
50 素子電流Ifを測定するための電流計
51 素子に素子電圧Vfを印加するための電源
52 放出電流Ieを測定するための電流計
53 アノード電極に電圧を印加するための高圧電源
54 放出電流Ieを捕捉するためのアノード電極
55 真空装置
56 排気ポンプ
71 液滴付与手段
82 フェースプレート
83 ガラス基板
84 蛍光膜
85 メタルバック
86 支持枠
90 外囲器(表示パネル)
91 黒色導電体
92 蛍光体
101 表示パネル
102 走査回路
103 制御回路
104 シフトレジスタ
105 ラインメモリ
106 同期信号分離回路
107 情報信号発生器
122 リークパス
123 真空容器形成用絶縁層
124 マウスホール
125 フリットシール(フリットガラス)
126 サイドクラック

Claims (3)

  1. 基板上に複数の配線電極を有する配線基板と、前記配線基板の配線電極を有する表面に位置する枠部材と、前記枠部材を介して前記配線基板と対向して位置する対向基板とを有する気密容器内に画像形成部材を有する表示装置の製造方法であって、
    前記画像形成部材の前記配線基板上への正射影領域にフォトペーストを用いたフォトリソ法により配線を形成する工程と、
    前記枠部材の配置される領域に、非フォトリソペーストからなる印刷用ペーストインキを用いたパターン印刷で配線を形成する工程とを有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  2. 基板上に複数の配線電極を有する配線基板と、前記配線基板の配線電極を有する表面に位置する枠部材と、前記枠部材を介して前記配線基板と対向して位置する対向基板とを有する気密容器内に画像形成部材を有する表示装置の製造方法であって、
    前記画像形成部材の前記配線基板上への正射影領域及び前記枠部材の配置される領域にフォトペーストを用いたフォトリソ法により配線パターンを形成する工程と、
    前記枠部材の配置される領域の配線パターン上に、前記フォトペースト中の有機成分の焼失温度より高温でかつ無機成分の軟化点より低温で焼失するオーバーコート層を形成する工程と、
    配線パターンとオーバーコート層を同時に焼成する工程とを有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  3. 基板上に複数の配線電極を有する配線基板と、前記配線基板の配線電極を有する表面に位置する枠部材と、前記枠部材を介して前記配線基板と対向して位置する対向基板とを有する気密容器内に画像形成部材を有する表示装置の製造方法であって、
    前記画像形成部材の前記配線基板上への正射影領域及び前記枠部材の配置される領域にフォトペーストを用いたフォトリソ法により第一の配線を形成する工程と、
    前記枠部材の配置される領域の前記第一の配線上に、非フォトリソペーストからなる印刷用ペーストインキを用いたパターン印刷で第二の配線を形成する工程とを有することを特徴とする表示装置の製造方法。
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