この発明は、インターネットなどの通信網を利用した動物販売システムに関するものである。
特開2001−297207号公報
特開2002−24577号公報
特開2002−223426号公報
特開2003−58729号公報
特開2002−73802号公報
近年、犬や猫などのペット用動物や、その飼育に使用するペット用品等の販売業界においても近年IT化の傾向が目覚しく、特許文献1〜4に開示されているごとく、インターネットを利用したオンラインペットショップあるいはペット用品販売システムに関する様々な発明がなされている。
ところで、ペットの商品化が進むに連れて、ペットが命を有した生体であるがために、飼育放棄による捨て犬や捨て猫の増加など、様々な社会問題を引き起こしている問題がある。さらに、ペットを自らの家族として引き取り、寿命尽きるまで愛情を持って育てる、ということは、実は子育てと何ら変わらない大変なことなのであり、相応の覚悟と知識も必要である。しかしながら、ペットブームの名のもとに生体販売数だけは爆発的に伸びている現状を考えると、そうした覚悟も予備知識もないままに衝動的にペットを購入してしまう人がいかに多いかは想像に難くない。
例えば、店頭や通販ホームページで見た子犬や子猫の可愛らしさに抗し切れず、高価な幼少動物を思い切って購入し、手探りで飼育を続けたところ突然病気となったような場合、ペット飼育の初心者は、多くが原因や対策もわからぬまま途方に暮れてしまうことになる。飼っているペットが病気になれば、まずは近隣の動物病院(本明細書では、獣医師が駐在可能な固定施設を広く「動物病院」として定義する)に連れてゆき、しかるべき診察を受けさせる。これは、人間の子供が病気になったときと基本的には同じであり、一見当たり前のことのように考えられるが、実際には、動物病院に連れて行ってもらえるペットの数は、それほど多くないのが現状である。これには、次のような問題が関係していると考えられる。
(1)急に動物病院を探そうと思っても近隣に見つからない。
(2)初めてなので、どうやって動物病院に連れて行ってよいのかわからない。また、初めての場所なので、敷居も高く感じられる。
(3)動物病院で支払う診察費や治療費が意外に高額である。
(4)そもそも動物病院に連れて行くということ自体を考えない。
こうした問題を招いている要因には、ペットショップ側が購入者に対し、購入したペットが病気等になったときの対応方法などにつき、十分な情報を与えていない場合が多いこと、あるいは、販売後のペットに対するアフターサービスの不足があること、さらには、ペットショップと動物病院とが、顧客をも巻き込んだネットワーク的な連携を発展させていないことなど、ペット販売業界全体の体質的あるいは構造的な立ち遅れも深くかかわっていると考えられる。
そこで、上記の課題の解決を意識した従来技術として、まず、特許文献4が挙げられる。この発明は、その第5図を参照してもわかる通り、ペットショップ、ペット用品ショップ及び動物病院に係るインターネットの総合サイトを発明概念化しようとしたものである。インターネットならではの機能として、広域に散在するショップや病院をリンクにより一体化し、さらにその検索機能を付与することで、これからペットを購入しようとしている人や、既に購入して飼育している人が、最適な近隣のショップを迅速に見出すことができるように工夫されている。また、会員登録された動物病院の獣医師による助言情報がデータベース化され、飼っているペットに病気等の異変が生じたときの対処方法に関する情報も取得できるようになっている。
次に、特許文献5は、ペットや家畜などの動物が動物病院で診療を受けようとする場合に、人的社会での健康保険制度に相当するシステムを動物診療の世界でも実現した、いわいわゆる動物診療保険システムの概念を開示するものである。この場合、一定の保険料を納めると、保険加入している動物病院にて治療を受ければ、その治療費の一部が保険運用資金から拠出され、保険加入者の治療負担を減ずることができる。なお、当該の保険システムの基本概念は既に公知公用のものであり、特許文献5の発明は、動物病院側のカルテを参照して診療費基準額の算定を行ない、診療費の査定と実際に支払う保険金の支払額などを決定することなどを、本来の目的とするものである。
しかし、動物病院の利用普及を妨げている前記(1)〜(4)の問題は、特許文献4及び5に開示された技術だけでは、必ずしも十分に解決できるものではない。その理由は以下の通りである。
(A)特許文献4の技術では、ホームページ上にペットショップ、ペット用品ショップ及び動物病院のメニューボタンが羅列されているだけであるから、利用者は、しかるべき動物病院の情報や助言情報を検索により自力で集める必要がある。そのためには、ペットを既に購入している利用者側に相当強い目的意識が必要であり、初心者等をこれをわかりやすくかつ的確に解決に導ける保障がない。
(B) 特許文献4のホームページを利用しようとするとき、ペットを購入する前の状況では、ペット販売のサイトか精々ペット用品のサイトを見て回るだけであり、未だ購入しないペットのために、動物病院の情報や病気時の助言情報を閲覧しようとする人はほとんどいない(まして初心者の場合はゼロに近いであろう)。従って、動物病院の情報等を本気で探そうとするのは、結局のところ、購入したペットが病気にかかってからということになる。この場合、その時点で該ホームページの存在を忘れてしまっていれば、(1)〜(4)の解決にならないことは自明である。また、仮に該ホームページへのアクセスまでは思いついても、動物病院へ連れて行こうとするのが初めてであるという状況に変わりはないから、(2)や(3)の問題は相変わらず解決できない。そもそも、このホームページには、購入者を動物病院に足を運ばせる強制力がないのが最大の欠点である。
(C)特許文献5のシステムは、利用者の治療費負担が大幅に軽減できるから、(3)の問題を解決する上で画期的であるといえる。しかし、問題は、当該動物診療保険制度が公知公用であるとはいっても、歴史が比較的浅いだけに初心者は該してその存在を知らない。この場合、動物を購入したあとで別途保険を申し込むようなことになるが、いろいろなことが面倒で、また知識も不足している初心者には、この申し込み手続をペット購入後に独立して行なうことが意外に負担に感じられるものである。しかし、保険加入が後手に回っている間に飼っているペットが病気にかかることも、ペットが幼少であれば十分考えられることであり、優れたシステムが折角存在しながら、その恩恵に与ることができない初心者も発生しうる。
本発明の課題は、特にペット購入の初心者を中心とした、動物病院及び動物診療保険制度の利用浸透を効果的に促進することができ、翻っては動物病院側の新規顧客獲得や動物診療保険会社の新規保険契約者獲得をにも大きく貢献できる動物販売システムを提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
上記の課題を解決するために、本発明の動物販売システムの第一は、
通信網を介して接続された動物販売管理装置と、購入者側端末と、動物診療保険管理装置とを備え、
動物販売管理装置は、動物商品情報を記憶する動物商品情報記憶部と、動物商品情報を動物診療保険情報とともに購入者側端末に送信する動物商品情報送信手段とを有し、
購入者側端末は、動物商品情報と動物診療保険情報とを受信する動物商品情報受信手段と、購入する動物商品を選択する動物商品選択手段と、購入者特定情報の入力手段と、保険加入意思決定情報を入力する保険加入意思決定情報入力手段と、購入選択した動物商品の特定情報を、購入者特定情報及び保険加入意思決定情報とともに動物購入情報として動物販売管理装置に送信する動物購入情報送信手段とを有し、
動物販売管理装置は、動物購入情報を受信する動物購入情報受信手段と、該動物購入情報に保険加入意思決定情報が含まれている場合に、購入者特定情報の一部又は全部を保険加入希望者特定情報として、購入に係る動物商品情報とともに動物診療保険管理装置に転送する保険加入希望者特定情報転送手段とを有し、
動物診療保険管理装置には、保険加入希望者特定情報を動物商品情報とともに受信する保険加入希望者特定情報受信手段と、保険加入者情報又は保険加入予定者情報と保険対象動物情報とを互いに対応付けた形で管理登録する保険管理登録手段と、受信した動物商品情報と保険加入希望者特定情報とに基づいて、購入される動物商品の情報を保険対象動物情報とし、その動物商品の購入者を保険加入者又は保険加入予定者として保険管理登録手段に登録する保険管理登録手段とが設けられていることを特徴とする。
上記本発明の第一によると、動物販売管理装置はから購入者側端末に販売すべき動物商品情報を送信する際に動物診療保険情報も合わせて送信することで、特に初心者が購入者となるような場合においても、動物診療保険という制度が存在するという事実を動物の購入前から印象付けることができる。そして、これを受け取った購入者側端末では、気にいった動物商品の購入を決め、購入選択した動物商品の特定情報を送信する際に、氏名、住所、生年月日、電話番号などの購入者特定情報とともに、保険加入意思決定情報も送信可能とされている。このようにすれば、動物商品の購入決定時に保険加入も同時に行なうことができ、動物診療保険制度の普及に大きく貢献する。また、初心者であるといえども、保険加入したという事実が把握できていれば、購入した動物商品が例え病気になっても、その時点で動物診療保険制度に対する親近感が相当高まっており、治療費の負担軽減も確実なことから、近隣の動物病院にも積極的に足を運ぶようになる。その結果、動物病院の新規顧客獲得への寄与も非常に大きい。
さらに、本発明では、動物商品の購入のために購入者特定情報の入力・送信が必須となり、かつ、これらの購入者特定情報の主要部分が保険加入契約の際にも求められ、さらには、購入に伴い確定される動物商品の情報が、同時に保険適用対象の動物情報ともなる点に着目し、動物販売管理装置から動物診療保険管理装置へこれらの情報の必要なものを転送し、受信した動物商品情報と保険加入希望者特定情報とに基づいて、購入される動物商品の情報を保険対象動物情報とし、その動物商品の購入者を保険加入者又は保険加入予定者として保険管理登録手段に登録するようにした。これにより、保険会社側では、保険加入手続きに必要な情報の一部を、動物商品の購入手続をいわば利用する形で自動収集できるので、新たな動物商品購入者の保険加入手続きの事務的な処理を大幅に軽減でき、しかも、保険管理登録手段には新規契約希望者のデータベースを同時に構築できるので、例えば何らかの手違いにより契約締結に及んでいない購入者などを容易に発見でき、加入手続き督促なども的確に行なうことができる。
特に、動物商品と動物診療保険加入とをセット販売した場合には、理論上は購入者の100%を動物診療保険加入にも導け、上記の効果は最大化される。この場合、購入者側端末において、購入希望する動物商品の選択入力を動物診療保険の加入意思決定入力とみなすことで、商品選択手段と保険加入意思決定入力手段とを兼用させておけばよい。
なお、保険加入手続きは、認証やセキュリティーの問題もあって、通信網上での電子処理だけで完結させることは多くの場合困難である。従って、印刷出力した保険加入申込書に加入希望者側で署名・捺印等を行なってもらい、保険会社側でこれを郵送等により受領して加入承認とする方式が、より現実的であるともいえる。この場合、動物診療保険管理装置において保険管理登録手段は、受信した保険加入希望者特定情報に基づいて、動物商品の購入者を保険加入予定者として登録するものとすることができる。また、該動物診療保険管理装置には、保険対象動物情報と保険加入希望者特定情報とを記入必須事項として含む保険加入申込書フォームの記憶部と、その記憶された保険加入申込書フォームを読み出す一方、受信した動物商品情報と保険加入希望者特定情報とを保険加入申込書フォームの指定位置に合成して出力する出力手段とを設けることができる。これによると、販売管理装置側から送信される購入者特定情報を、保険加入希望者特定情報として保険管理装置側に転送しておくことで、保険管理装置ではこの情報を保険加入申込書フォームへの事前入力事項として容易に流用でき、ひいては購入者に送られるべき保険加入申込書フォームの主要部分が既に埋まっていることで、購入者側での申込書記入の手間が大幅に省かれ、また誤記等の問題も生じにくくなる。
この場合、保険管理登録手段は、保険加入予定者として登録されている動物商品の購入者のうち、保険加入申込書フォームを介して保険契約手続が完了している購入者を、保険加入者として登録変更する登録変更手段を設けることができる。これにより、記入・捺印済みの保険加入申込書フォームが受領できていない購入者は、保険加入予定者として保険管理登録手段上に残り続けるので容易に識別でき、フォーム返信等に関する督促等を確実に行なうことができる。
動物診療保険管理装置又は動物販売管理装置の少なくともいずれかには、動物診療保険に加入している動物病院の情報を所在地情報とともに記憶する動物病院情報記憶部と、購入者側端末からの送信情報に基づいて、特定の所在地を有する動物病院の情報を動物病院情報記憶部にて検索する動物病院情報検索手段と、検索された動物病院の情報を、購入動物商品の保険適用先病院情報として購入者側端末に送信する保険適用先病院情報送信手段とを設けることができる。この構成によると、動物商品の購入とともに加入した動物診療保険の保険適用先病院が近隣のどこに存在するかを容易に知ることができ、これから購入しようとする動物が万一病気等になった場合に、どこの動物病院に連れて行けばよいかを、動物が実際に病気になる前に把握できることになる。こうした効果は、前述の特許文献4などの技術では決して期待することはできない。
次に、動物診療保険に加入している動物病院は、購入者への動物商品の引渡し先としても指定することができる。この場合、該引渡し先動物病院に設置される動物病院側端末を、通信網を介して接続しておく。そして、動物販売管理装置は、引渡し先動物病院の情報をその所在地情報とともに記憶する動物病院情報記憶部と、動物商品情報を引渡し先動物病院の情報とともに購入者側端末に送信する動物商品情報送信手段とを有するものとする。また、購入者側端末において、動物商品情報受信手段は、動物商品情報と引渡し先動物病院情報とを受信するものであり、動物購入情報送信手段は、購入選択した動物商品の特定情報を、購入者特定情報とともに動物購入情報として動物販売管理装置に送信するものとする。これに対応して、動物販売管理装置には、購入対象となる動物商品情報と購入者特定情報とを引渡し管理情報として動物病院側端末に送信する引渡し管理情報送信手段とを設ける。そして、動物病院側端末には、引渡し管理情報を受信して、これに含まれる動物商品情報と購入者特定情報とを互いに対応付けて記憶する引渡し管理情報記憶部と、該引渡し管理情報の出力手段とを設けておく。
以上の構成は動物診療保険に加入している動物病院が、購入者への動物商品の引渡し先として指定されることを前提に構築される点で特徴をもつ。動物病院には動物病院側端末が置かれる。動物病院側端末には、引渡されるべき動物商品の情報と購入者の特定情報が、引渡しに先立って予め送信され、購入者への動物商品の引渡しが完了すれば、引渡しの認証や報告を動物病院側端末から販売管理装置に送信する。かくして、動物病院を引渡し先とする動物販売システムが実現する。
上記のように動物販売システムを構成することの効果は、以下のようなものである。すなわち、動物病院が購入した動物の引渡し場所となるので、動物商品の購入段階で購入者は、動物引き取りのために早くも一度、確実に動物病院に足を運ぶことになる。また、必要であればその場で獣医師に何でも質問することができる。動物病院側端末からは、そうした購入者の喜びや要望、あるいは不安や不満点などを、プロである獣医師を経由して、引渡し報告の形で販売管理装置へ、最も信頼できる情報としてフィードバックすることができる。該情報が以降の販売展開の大きな参考となることは、いうまでもない。
しかし、何より大きいのは、動物のことを知り尽くした獣医師の手から、これから家族の一員として迎える犬猫などの動物を直接受け取ることができる、という安心感を購入者が得られる点であり、特に動物飼育の初心者には絶後の効果をもたらす。また、病気になる前に病院を訪れるのだから、これから購入しようとする動物が万一病気等になった場合に、どこの動物病院に連れて行けばよいのか、といったような不安は完全に払拭できる。これ以外にも、これからかかりつけになる(と思われる)動物病院の下見と雰囲気把握、獣医師との面識形成と直接的なアドバイス享受など、種々の効果を達成できる。データベースに蓄積された無機的な助言情報しか提供できない特許文献4との差異は極めて明確である。
また、本発明の動物販売システムの第二は、
通信網を介して接続された動物販売管理装置と、購入者側端末と、動物病院側端末とを備え、
動物販売管理装置は、動物商品情報を記憶する動物商品情報記憶部と、購入者への動物商品の引渡し先となる複数の動物病院の情報をその所在地情報とともに記憶する動物病院情報記憶部と、動物商品情報を動物病院情報とともに購入者側端末に送信する動物商品情報送信手段とを有し、
購入者側端末は、動物販売管理装置から、動物商品情報と動物病院情報とを通信網を介して受信する動物商品情報受信手段と、購入する動物商品を選択する商品選択手段と、購入者特定情報の入力手段と、購入選択した動物商品の特定情報を、購入者特定情報及び引渡し希望地情報とともに動物購入情報として動物販売管理装置に送信する動物購入情報送信手段とを有し、
また、動物販売管理装置は、動物購入情報を受信する動物購入情報受信手段と、動物病院情報記憶部において、該動物購入情報に含まれる引渡し希望地情報に基づき、引渡し先動物病院を決定する引渡し先動物病院決定手段と、引渡し先動物病院に設置された動物病院側端末に、購入対象となる動物商品情報と購入者特定情報とを引渡し管理情報として送信する引渡し管理情報送信手段が設けられ、
動物病院側端末には、引渡し管理情報を受信して、これに含まれる動物商品情報及び購入者特定情報を互いに対応付けて記憶する引渡し管理情報記憶部と、該引渡し管理情報の出力手段とが設けられていることを特徴とする。
上記の構成は、購入者への動物商品の引渡し先として指定された動物病院に動物病院側端末端末を設置する構成を第一の構成から独立させ、さらに、商品の引渡し先となる動物病院として複数病院の情報を購入者側に提供できるようにした点にある。動物病院が購入した動物商品の引渡し先となること、さらに、その引渡し先動物病院に動物病院側端末が設置されることの効果については、第一の構成の下位概念として既に説明した内容とほぼ同じである。さらに、引渡し先となる複数病院の情報を購入者側に提供することで、購入者は商品の引き取り場所として、自分に最も好都合な場所を選択することができる。具体的には、飼育者にとって地理的な利便性が最も優れた病院を選択することが好都合である。なお、飼育者の多くは購入者と実態が同一であるが、まれに購入者と実際の飼育者とが異なる場合もありえることを付記しておく。
上記の構成では、販売管理装置には、購入動物商品の引渡し場所として確定した動物病院の情報と、購入動物商品の引渡し日時の情報とを含む引渡し通知情報の作成手段と、該引渡し通知情報を動物病院側端末と購入者側端末とに送信する引渡し通知情報送信手段を設けることができる。この場合、動物病院側端末と購入者側端末とには引渡し通知情報の受信手段を設けることができる。これにより、動物病院と購入者とが日時を含めた引渡しに係る必要情報を引渡し前に共有でき、動物商品の指定動物病院での引渡しをより確実に行なうことができる。
また、引渡し先動物病院においては、獣医師による動物商品の診察を実施することができる。動物病院側端末に、該診察情報の入力部及び出力手段を設け、販売管理装置には、該診察情報の受信手段と、該診察情報を含む動物商品の管理情報を動物商品情報と対応付けて記憶する動物商品管理情報記憶部と、動物商品の管理情報の出力部とを設けることができる。これにより、販売管理装置では、獣医師による動物商品の診察情報を元に、動物商品の品質管理を向上できるともに、アフターケアなども充実させることが可能である。
引渡し先動物病院においては、獣医師による動物商品の診察を、該動物商品の購入者への引渡しの前に実施することができる。これにより、引渡す動物商品の品質をさらに確実に保証でき、購入者の得る安心感も一層高めることができる。しかし、時には、この診察により不具合が発見され、動物商品の引渡しが不可能(あるいは延期)となることもありえる。この場合、動物病院側端末には、診察結果情報の内容により動物商品の引渡しが不可と判断された場合に、診察結果情報又は該診察結果情報に基づいて作成された引渡し不可の理由情報を含む引渡し報告情報を販売管理装置へ送信する引渡し報告情報送信手段を設けることができる。販売管理装置には該引渡し報告情報の受信手段及び出力手段を設けることができる。理由情報のフィードバックにより、以後出荷される動物商品の品質向上を図ることができる。
また、販売管理装置において、動物商品情報記憶部に、動物商品の引渡し先となる動物病院での診察に先立って、獣医師により別途実施される品質保証用の前置診察の結果情報を動物商品情報と対応付けた形で記憶しておき、引渡し管理情報送信手段は、引渡し管理情報に前置診察の結果情報を含めて動物病院側端末に送信することもできる。前置診察の結果を知ることで、獣医師はこれを、動物商品の引渡し時に自ら行なう診察の参考として活用できる。また、販売システム全体として最低でも2回、日時を異ならせての診察の結果が販売管理装置側にフィードバック送信され、これを販売管理情報として蓄積できるので、動物商品の品質管理効果を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて説明する(なお、本明細書において「情報」と「データ」とは、特に断りのない限り、概念上の差はないものとして取り扱う)。図1は、本発明の一実施形態である動物販売システム1の全体概略を示すものであり、動物販売管理装置(以下、単に販売管理装置ともいう)2、購入者側端末5、動物診療保険管理装置(以下、単に保険管理装置ともいう)3、動物病院側端末6、及びメールサーバ7が、インターネット(通信網)4を介して接続された構造を有する。販売管理装置2と保険管理装置3とは、いずれもサーバコンピュータとして構成されるが、複数のコンピュータがネットワーク上で連携することで仮想的に一体の装置として構成されたものも概念に含む。
購入者側端末5は、インターネット4にアクセスする不特定多数の利用者の手元に置かれるコンピュータであろ。動物病院側端末6は、保険管理装置3により管理されている動物診療保険の加入動物病院であって、かつ、動物販売管理装置2が運営するペット(動物)販売ホームページが、販売した動物商品の、購入者への引渡し先として指定する動物病院に設置されるものである。なお、図2では動物病院側端末6が複数接続される場合を例示しているが、動物販売管理装置2による販売サービスが地域限定的なものである場合などにおいて、動物病院側端末6が1台のみ(つまり、引渡し先動物病院が1箇所のみ)となることもありえる。
図2に示すように、販売管理装置2は、バスを介してCPU24、基本制御プログラムを格納したROM25、記憶装置32内にインストールされた本発明のシステムの機能実現を担う基本管理プログラム42(図3)のワークエリアとして機能するRAM26、及び入出力インターフェース部(以下、I/O部ともいう)23を有するコンピュータとして構成されている。I/O部23には上記の記憶装置32を始め、インターネット4(図1)との接続を行なう通信インターフェース(モデム、ルータ、ターミナルアダプタなど)27、マウス及びキーボードからなる入力部28、表示出力用のモニタ30、及び印刷出力用のプリンタ31を備える。
図4に示すように、購入者側端末5も同様に、CPU124、ROM125、記憶装置132内にインストールされたホームページ表示用のブラウザソフト、メールソフトなどのワークエリアとして機能するRAM126、及びI/O部123を有するコンピュータとして構成されている。I/O部123には、記憶装置132を始め、インターネット4(図1)との接続を行なう通信インターフェース127、入力部128、モニタ130及びプリンタ131を備える。
また、図5に示すように、病院側端末6も同様に、CPU224、ROM225、記憶装置232内にインストールされたホームページ表示用のブラウザソフトなどのワークエリアとして機能するRAM226、及びI/O部223を有するコンピュータとして構成されている。I/O部223には、記憶装置232を始め、インターネット4(図1)との接続を行なう通信インターフェース227、入力部228、モニタ230及びプリンタ231を備える。記憶装置232には、本発明のシステムにおける病院側端末6の基本処理を行なうための管理プログラム53が格納されている。
図6は保険管理装置7の構成を示すもので、CPU324、ROM325、記憶装置332内にインストールされた、本発明のシステムの機能実現を担う管理プログラム59などののワークエリアとして機能するRAM326、及びI/O323を有するコンピュータとして構成されている。I/O部323には、記憶装置332を始め、インターネット4(図1)との接続を行なう通信インターフェース327、入力部328、モニタ330及びプリンタ331を備える。
図3は、販売管理装置2の記憶装置32内の詳細を示すものである。記憶装置32には、動物商品情報41wを記憶する動物商品情報記憶部41が形成されている。該動物商品情報41wは、商品ID41a、動物品種41b、性別41c、ブリーダー名41d、血統情報41e、年齢(あるいは生年月日)41f、価格41g、商品画像41hとその撮影日41i、別の商品画像41jとその撮影日41kなどのデータを含むものであり、商品毎に異なる商品ID41aを付されて互いに対応付けて記憶されている。
また、記憶装置32には、前述の基本管理プログラム42、図9〜図12のような販売ホームページをインターネット4上にアップロードするための販売ホームページデータ43、及び動物商品とセットで販売(加入)される動物診療保険の情報44も記憶されている。
以下、システムの動作について、図12〜図15のフローチャートも参照しつつ説明する。図12は、購入者側端末5と販売管理装置2との間の、主として動物商品購入処理の流れを示すものである。図14は、販売管理装置2と保険管理装置3との間の、主として動物商品購入処理に随伴した保険加入用のデータトランスファ処理の流れを示すものである。さらに、図15は、販売管理装置2と動物病院側端末6との間の、主として動物商品引渡し処理と、動物病院からの動物商品に対する診察結果のフィードバック処理の流れを示すものである。このように、4群のコンピュータ間での通信(電子メールを含む)により連携的にシステム上の処理が進行することになるが、以下においては、購入者の視点から見た流れ追跡を重視した形で説明を進める。従って、説明の順序は、必ずしも各図のフローチャート上の流れを優先したものとはなっていないので、説明の途中で随時、参照すべきフローチャートのステップ番号を挿入し、理解の便宜を図るものとする。
まず、販売管理装置2からは、動物商品情報41wは通信インターフェース27を介して動物診療保険情報44とともに購入者側端末5に送信される(動物商品情報送信手段)。具体的には、販売管理装置2において、図2のアップロードメモリ48を使用して、販売ホームページ(以下、HPとも記載する)をインターネット上にアップロードする(図12:HS1)。購入者側端末5側では、ブラウザソフトウェア49を立ち上げ、販売HPのURL入力により販売管理装置2にアクセスする(図12:CS1)。これにより、購入者側端末5は販売管理装置2から動物商品情報41wを販売HPに組み込んだ形でダウンロードすることができる(HS2,CS2)。
図9は、その販売HPのトップページ(モニタ130に出力される)の出力例を示すものであり、商品案内アイコン70,71が表示されている。このうち、商品案内アイコン70は、動物商品の品種毎に設けられ、マウスクリックにより対応する品種の購入ページのURLが入力されて、該当ページへジャンプする(つまり、該当ページへのリンクが張られている)。このジャンプ先のページは図示していないが、品種別の動物商品の画像と、その購入ボタンとが対応付けて表示される。また、商品案内アイコン71は、特定の推奨商品(特選商品)のピックアップページへのリンクを張るものである。
図10にそのピックアップページの内容を示している。ここには、個別の動物商品の画像79と、マウスクリックにより操作する購入ボタン73が設けられている。なお、本実施形態では、購入ボタン73のクリックにより、動物商品の購入確定とともに、動物診療保険への加入意思確定も同時に行なうようにしている(ただし、一点鎖線で示すように、保険加入ボタン74を別途設け、動物商品の購入と保険加入とを分離することにより、保険加入を任意とする構成も可能である)。また、商品画像79とともに、これら動物商品の両親の血統情報75も表示されている。
図3に示すように、販売管理装置2において、動物商品情報記憶部41に記憶されている動物商品情報41wには、撮影日を異ならせて複数撮影された動物商品の画像情報41h,41jが含まれている(各々日付データ41が随伴している)。図3では、2つの日付の画像情報だけが記憶されているが、もっと多くの日付の画像情報が記憶されてもよい。そして、購入者側端末5に送信される動物商品情報41wには、画像情報のうち、撮影日の異なる少なくとも2つの画像情報41h,41jが含まれており、購入者側端末5には該画像情報41h,41jの表示部(表示手段)76,77(図11)が設けられている。
具体的には図10において、商品画像79がページリンクボタンを兼ねており、この画像79をクリックすると、図11に示すように、対応商品の詳細ページにジャンプする。画像情報41h,41jによる撮影日の異なる商品画像76,77が複数表示される。これにより、購入者は、自分が購入しようとする動物商品が健全に成長してきていることをこれらの画像から確認でき、安心感を得ることができる。なお、図11においては、商品画像76,77に係る子犬の両親の画像78も合わせて表示されている。
なお、販売管理装置2において、同一の動物商品に対する新しい撮影日の画像情報41hが動物商品情報記憶部41に追加される毎に、動物商品情報送信手段は該追加された画像情報41fを購入者側端末5へ随時送信するようにしてもよい。購入を迷っている利用者は、日を追って新しい画像に更新されてゆくのを見ることで、購入意欲をくすぐられることになる。
図9に戻り、トップページの下部には、動物診療保険情報44に基づく動物診療保険加入の案内情報が表示されている。なお、詳細ボタン72も形成され、これをクリックすると、張られたリンクにより、動物診療保険情報44に基づく動物診療保険の詳細情報ページにジャンプする。これにより、利用者は動物診療保険についてさらに詳しい情報を得ることができる。
図4において、購入者側端末5は、販売HPへのアクセスにより、通信インターフェース127を介して動物商品情報と動物診療保険情報とを受信する(動物商品情報受信手段)。また、購入選択した動物商品の特定情報(動物商品ID41a(図3))を、購入者データ(購入者特定情報)とともに動物購入情報として販売管理装置2に送信する(動物購入情報送信手段)(以上、図12:CS3,CS4)。具体的には、入力部28により、図10の購入ボタン73をクリックして、購入する動物商品を選択する(動物商品選択手段)。すると、図示しない購入ページにジャンプし、そこで入力部28により購入者データ47dを入力する(入力手段:CS6)。
図2の販売管理装置2は、上記のようにして入力した動物購入情報を受信する(動物購入情報受信手段:HS4)。図3に示すように、動物商品ID41aと購入者データ47dとは、互いに対応付けられて動物商品管理情報記憶部47に格納される。動物商品管理情報記憶部47内の商品管理情報47wは、商品ID47a、商品の入荷日47b、販売経過データ47c、購入者データ47d、保険管理データ(保険管理装置7(図6)からフィードバックされる保険加入の完了/未完を示すデータである)、前置診察結果データ47f、引渡し前診察結果データ47g、引渡し可否データ47h、引渡し病院データ47i、品質管理データ47iなどが記憶されている。動物購入情報を受信すれば購入決定を確定し、動物商品管理情報記憶部47の販売経過データ47cに、図7に示すように購入日のデータを書き込む(HS4)。その後、購入者から代金の入金があれば、入金日の書き込みを行なう。
本実施形態では、前述のごとく、動物商品の購入選択が動物診療保険の加入意思決定入力も兼ねているので、販売管理装置2は、購入決定の情報を購入者側端末5から受信すると、購入者データ47dの一部又は全部(本実施形態では全部)を保険加入者データ(保険加入希望者特定情報)として、購入に係る動物商品情報(本実施形態では、品種、性別、血統及び年齢の各データを含む)57dとともに保険管理装置3に転送する(保険加入希望者特定情報転送手段)(図14:HS51)。
図6の保険管理装置3は、上記の保険加入者データ57cを動物商品情報57dとともに受信する(保険加入者データ受信手段:IS1)。また、記憶装置332内には、保険加入者データ(又は保険加入予定者情報:加入経過情報57bにより識別される)57cと保険対象動物情報57dとを互いに対応付けた形で管理登録する保険管理登録記憶部(保険管理登録手段)57が設けられている。保険管理装置3は、受信した動物情報57d(図3の動物商品情報41wの一部)と保険加入者データ57c(図3の購入者データ47)とに基づいて、その動物商品を保険対象動物とし、その動物商品の購入者を保険加入者又は保険加入予定者として、保険管理登録記憶部57に登録する(保険登録手段:IS2,IS3)。
具体的には、保険管理登録記憶部57は、受信した保険加入者データ57cに基づいて、動物商品の購入者をひとまず保険加入予定者として登録する(IS2)。具体的には、加入経過情報57bを「加入予定」に設定することにより行なう。他方、記憶装置332には、保険対象動物情報57dと保険加入者データ57cとを記入必須事項として含む保険加入申込書フォーム58の記憶部58が設けられている。入力部328からのコマンド入力により、その記憶された保険加入申込書フォーム58が読み出され(IS4)、受信した動物商品情報と保険加入者データ57cから必要な項目を抽出し(IS5)、保険加入申込書フォーム58の指定位置に合成し(IS6)、その合成された結果を出力する(IS7)。
図8は、保険加入申込書フォーム58の一例を模式的に示すものである。動物情報57dに含まれる品種、名称、性別及び年齢、保険加入者データ57cに含まれる、加入者の氏名、性別、生年月日、住所、電話番号が必須記載項目とされ、さらに、日付と署名・捺印の欄も形成されている。署名・捺印は加入者による人的な自署及び押印によりなされるものである。そして、動物情報57dと保険加入者データ57cとの該等記入欄SP,S,A,XC,XE,XF,XP,XGは、原フォームでは空欄とされている。これらの欄も加入者が自分で記入することができるが、手間を省くために保険管理装置3では、販売管理装置2から受信した動物情報57dと保険加入者データ57cとの必要な部分を保険加入申込書フォーム58のデータに流し込み、これをプリンタ331から紙出力する(なお、フォーム58のデータを電子メール等で送信することも「出力」の概念に属する。)。紙出力された保険加入申込書フォーム58は郵送等により購入者の元へ送られる。これを受け取った購入者は、残った空欄を埋めて署名捺印し、再度保険会社へ送り返す。申込書の記載事項に誤りがなければ保険加入契約は成立する。図6の保険管理登録記憶部57は、保険加入予定者として登録されている動物商品の購入者のうち、上記のようにして保険加入申込書フォーム58を介して保険契約手続が完了した購入者を、保険加入者として登録変更する(登録変更手段)。具体的には、加入経過データ57bにおいて「加入予定」となっているのを、「加入済み」へとデータ書き換えする(IS9,IS10:ただし、IS9は、処理流れの理解の便宜を図るために追記した人為的なステップである)。保健管理登録記憶部57の内容を出力して閲覧すれば、加入予定のまま残っている加入者データを容易に発見でき、適切な督促を行うことができる。
次に、本実施形態においては、図3に示すごとく、販売管理装置2の記憶装置32には、上記の動物診療保険に加入している動物病院の情報を所在地情報とともに記憶する動物病院情報記憶部45が設けられている。そして、購入者側端末5からの検索送信情報に基づいて、特定の所在地を有する動物病院の情報を上記動物病院情報記憶部45にて検索することができるようになっている(動物病院情報検索手段)。検索された動物病院の情報は、購入動物商品の保険適用先病院情報として購入者側端末5に送信される(保険適用先病院情報送信手段)(図12:HS5)。本実施形態において動物病院情報記憶部45は、購入者への動物商品の引渡し先となる複数の動物病院の情報をその所在地情報とともに記憶するものともされ、購入者側端末5は、購入選択した動物商品の特定情報を、購入者データ47d及び引渡し希望地情報とともに動物購入情報として販売管理装置2に送信するようにしている。
引渡し地情報は後述のごとく、購入者の住所やその住所が含まれる地域(エリア)などの住所情報とし、該住所情報を参照して販売管理装置2側で引渡し動物病院を決定する方法もありえるし、販売管理装置2から提示された動物病院のリストを見て、購入者側端末5側で引渡し動物病院自体を特定し、これを引渡し地情報として販売管理装置2に送信するようにしてもよい。後者の場合は、販売管理装置2側で行なう処理は、購入者側から申し出のあった引渡し動物病院を認証するだけになるが、これも販売管理装置2側で行なう引渡し動物病院の決定処理の一つとみなす。
本実施形態では、図3に示すように、動物病院情報記憶部45は、動物病院情報が病院名45bと特定ID45aとを含むものとされ、所在地情報は、所在地データ45dと該所在地を区分するエリア(地域)を特定するエリアID45cとを含むものとされている。これらの動物病院は全て引渡し先病院として利用可能な病院を示し、一部に保険未対応の病院も含まれていることを想定して、保険対応識別データ45eを付与している。
また、本実施形態では、検索の便宜を考慮して住所検索テーブル46を設けている。住所検索テーブル46は郵便番号表と類似の構造を有し、例えば番地を除いた住所区分46bを単位として、これを適当なエリア毎にエリアID46bを付与し、互いに対応付けて記憶したものである。図13に示すように、購入者側端末5における動物病院の選択方法にはいくつかの方式が考えられる。左のフローに示す(I)の方法では、購入者側端末5から住所データ(例えば購入者特定データ47dに含まれるもの)を受信し(HS11)、その住所データを検索キーとして住所検索テーブル46にて該当エリアを検索し(HS12)、動物病院情報記憶部45において、そのエリアに属する動物病院を全て抽出して読み出し、結果を購入者側端末5に送信する(HS13)。購入者側端末5dではその受信結果をブラウザ上で出力することができ、引渡しを希望する動物病院を選択して販売管理装置に送り返す(HS14)。このとき、購入者側端末5では、保険対応識別データ45eに基づいて、表示される病院のどれが保険対応であり、どれが非対応であるかを表示することが可能である。なお、購入者の住所に最も近い動物病院を1つだけ抽出して表示するようなことも可能であるが、検索エンジンが複雑化することと、利用者として近隣のいくつかの候補病院が判明したほうが何かと便利であるので、購入者側端末5では一定エリア内の複数病院を出力できるようにすることが望ましいといえる。
他方、図13の右に示す方式(II)は、例えば都道府県リスト(プルダウンメニューあるいはマップ形式)などのエリアリスト(エリア情報)を、販売管理装置2から購入者側端末5に送信し(ホームページに組み込んでおけばよい:CS11)、購入者側端末5側でのマウスクリック選択などによりエリアを選択させる(CS12)。選択結果を受け取った販売管理装置2では、その選択されたエリアに属する動物病院の情報を購入者側端末5に返し、購入者側端末5側ではその内容をリスト表示する(CS13)。購入者側端末5dでは、引渡しを希望する動物病院を選択して販売管理装置2に送り返す(CS14)。
なお、引渡し先動物病院が1つだけの場合は、販売管理装置2から購入者側端末5へその旨通知するだけでこと足り、病院選択の処理は不要である。また、引渡し先動物病院の数が限られている場合は、その一覧を購入者側端末5へ送り、選択させるだけで済む場合もある。さらに、引渡し先動物病院の全てが保険対応である場合は、保険対応表示は不要となる。他方、引渡し先動物病院ではないが保険対応になっている動物病院の存在も想定され、購入者としては、動物商品の購入後にそうした保険対応動物病院を利用したい場合もある。この場合、非引渡し先動物病院を含む保険対応動物病院の情報を別途表示したり、あるいは動物診療保険の専用ホームページにリンクを張り、該ホームページにて詳細な保険対応動物病院の情報を別途得られるようにする、といったことも可能である。
以上の処理からも明らかなように、購入者側端末5は、購入選択した動物商品の特定情報を、購入者データ47d及び引渡し希望地情報とともに動物購入情報として販売管理装置2に送信する(動物購入情報送信手段)(図12:CS5,CS6)。また、販売管理装置2は、図3の動物病院情報記憶部45において、該動物購入情報に含まれる引渡し希望地情報(購入者側端末5にて上記選択された動物病院の病院ID45aである)に基づき、引渡し先動物病院を決定する(引渡し先動物病院決定手段)(図12:HS6)。そして、購入対象となる動物商品情報(図5では便宜的に商品ID47aだけを表示しているが、図3の動物品種41b、性別41c、年齢41fなど、後述の引渡し前診察に必要な情報も当然含まれている)、購入者特定データ47d及び引渡し日54c(引渡し通知情報)を、引渡し管理情報として、引渡し先動物病院に設置された動物病院側端末6へ送信する(引渡し管理情報送信手段)(図15:HS61)。
図5に示すように、動物病院側端末6では、記憶装置232内に引渡し管理情報記憶部54が形成され、上記の引渡し管理情報を受信し(NS1)、これに含まれる動物商品情報及び購入者データ47dを互いに対応付けて記憶する。なお、記憶した引渡し管理情報の内容は、管理プログラム53の実行により、モニタ230ないしプリンタ231から出力することができる(出力手段)。
他方、販売管理装置2では、購入動物商品の引渡し場所として確定した動物病院の情報と、購入動物商品の引渡し日時の情報とを含む引渡し通知情報が作成され、購入者側端末5に引渡し通知情報として送信される(図12:CS7)。購入者側端末5ではこれを受信して、どこの動物病院に、購入した動物病院をいつ引き取りに行けばよいかを知ることができる。
次に、引渡し先動物病院においては、獣医師による動物商品の診察が、該動物商品の購入者への引渡しの前に実施される。また、該引渡し先となる動物病院での診察に先立って、当該動物病院とは別の場所で、異なる獣医師により品質保証用の前置診察が別途実施される。動物商品情報記憶部41には、上記の前置診察の結果情報47fが動物商品情報(商品ID47a)と対応付けた形で記憶されている。この前置診察の結果情報47fは、引渡し先動物病院の動物病院側端末6に送信される(図15:NS2、前述の引渡し管理情報に含めて送信することができる)。これは、動物病院側での動物商品の引渡し判断上の参考としても役立つ。
一方、図5において、引渡し先動物病院で実施される引渡し前診察結果の情報は、動物病院側端末6の引渡し管理情報記憶部54にて、動物商品情報(商品ID47a)と対応付けて記憶されるとともに、販売管理装置2側にも送信され(NS3)、図3の動物商品管理情報記憶部47にも記憶される(HS62)。前置診察情報47fと合わせて、時系列の異なる最低2つの診察情報が動物商品毎に蓄積でき、詳細な動物商品情報41と合わせれば、品質管理上のデータとして極めて有効に活用できる。
また、販売管理装置2からは(あるいは動物病院側端末6からでもよい)、引渡し前診察結果のデータが保険管理装置3にも送信される(図14:HS52)。図6に示すように、この引渡し前診察結果のデータは、加入対象動物の健康データ57hの形で(必要に応じて加工した形で)、保険管理登録記憶部57に記憶される。動物商品の引渡し前に健康データ57hを取得できることで、保険料率等の算定等もいち早く行なうことができ、保険審査のスピードアップを図ることができる。
獣医師は、上記の診察結果に基づいて動物商品の引渡しの可否を決定し、引渡し可否情報を作成して販売管理装置2に送信する(NS3)。これは、引渡し可否情報47hとして商品管理情報記憶部47に登録され、動物商品の品質管理等に使用することができる。この引渡し可否情報47hの内容が「引渡し可」であれば、購入者に対し指定の日に来院してもらい、そこで種々のアドバイスを獣医師から行ないつつ購入者に動物商品を引き渡す。このときの質疑応答の内容や、感想・要望・苦情などの購入者からのフィードバック情報は、引渡し完了通知情報に組み込む形で動物病院側端末6にて入力され、販売管理装置2に送信される(NS7)。また、図5において引渡し管理情報記憶部54の引渡し実績データ54gを「引渡し済み」に書き換える。販売管理装置2ではこれを受信し、図7の販売経過データ47cに引渡し日を書き込み、引渡し完了の認証を行なう。また、引渡し完了通知情報に含まれるフィードバック情報を品質管理データ47jに登録する。
一方、この診察結果が芳しくなかった場合には、動物商品の引渡しを中止したり延期したりする処置がとられる。この場合、動物病院側端末6では、引渡し中止ないし延期の理由情報が作成され、販売管理装置2に送信される。この理由情報は、図3の動物商品管理情報記憶部47w内の品質管理情報47iに登録される(図15:HS65)。なお、引渡しが不可であった場合は、その動物商品情報を動物情報記憶部41から削除する措置を行なう(HS66)。なお、購入者側端末5へは引渡しが不能ないし延期となったことを電子メール等にて通知する。
なお、上記の実施形態では、保険加入の確定が動物商品の購入後に完了する形となっており、購入者による手続が完了するまでは購入後しばらくの間、保険未加入となる空白日時が生ずる。しかし、免疫力の小さい幼少の動物の場合、一日か二日でも健康状態が急変することがしばしばあり、購入者の不安要素となる場合がある。そこで、少なくとも引渡し日の前までに、購入者以外の第三者(例えば動物商品の販売者)の名義にて保険加入手続きを済ませておき、引渡し後に購入者側にて保険加入権の名義変更を行なう方式を採用すると、購入者の上記の不安は解消することができる。
この場合、システム上の処理としては以下のような相違点が生ずる。つまり、予め第三者名義により保険加入手続きが済んでいるので、図6の保険管理登録記憶部57においては、保険加入者データ57cにはその第三者を特定するデータが予め登録される形となる(加入経過データ57bも「加入済み」にセットされる)。この場合、購入者特定データは、保険加入者データ57cに転送されるのではなく、別途設けた保険加入予定者データ57jのエリアに記憶する。前述の申込書フォーム等の発行には、この保険加入予定者データ57jが使用され、フォーム返送に伴う購入者の申し込み手続(つまり名義変更手続)が完了すれば、保険加入予定者データ57jを保険加入者データ57cのデータにより書き換えるのである。このとき、加入経過データ57bは「加入済み」のままとするか、あるいは詳細な経過がわかるように「名義変更」とする。いずれにしても保険加入状態は維持される。
図16は、上記のサービス形態を反映させた販売ホームページの表示例である。基本的な部分は図10と同じであるが、保険に既に加入済みなので、保険加入ボタンの形成は全く必要でなくなる。さらに、動物診療保険の情報44として、既に保険加入済みであることと、名義変更により加入権が購入者に移ることを通知するをメッセージが表示されている。
本発明の動物販売システムの全体構成を概略にて示す概念図。
販売管理装置の構成例を示すブロック図。
図2の記憶装置の内部データ構成例を示す概念図。
購入者側端末の構成例を示すブロック図。
動物病院側端末の構成例を示すブロック図。
保健管理装置の構成例を示すブロック図。
販売経過データの構成例を示す模式図。
保険加入申込書フォームの模式図。
販売ホームページの実例を示す第一図。
同じく第二図。
同じく第三図。
通信による本発明の動物販売システムの処理流れの一例を示すフローチャート。
動物病院選択処理の流れのいくつか例示して示すフローチャート。
図12に続くフローチャート。
図14に続くフローチャート。
図10の販売ホームページの変形例を示す図。
符号の説明
2 動物販売管理装置
24 CPU
42 基本管理プログラム(引渡し先動物病院決定手段)
3 動物診療保険管理装置
324 CPU
59 管理プログラム(保険登録手段、登録変更手段)
4 インターネット(通信網)
5 購入者側端末
6 動物病院側端末
27 通信インターフェース(動物商品情報送信手段、
41 動物商品情報記憶部
41w 動物商品情報
45 動物病院情報記憶部
57 保険管理登録記憶部(保険管理登録手段)