JP2005241550A - 糞便回収容器 - Google Patents
糞便回収容器 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005241550A JP2005241550A JP2004054346A JP2004054346A JP2005241550A JP 2005241550 A JP2005241550 A JP 2005241550A JP 2004054346 A JP2004054346 A JP 2004054346A JP 2004054346 A JP2004054346 A JP 2004054346A JP 2005241550 A JP2005241550 A JP 2005241550A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- stool
- collection container
- liquid bag
- container according
- stool collection
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
Abstract
【課題】 被検査人自身が全便を回収できる簡便な回収容器を提供する。
【解決手段】 採取された自然排出便を収納する液バッグ部1と、液バッグ部1の開口部に互いに広がるように設けられた2枚のつば2,3と、つば2,3の臀部に接触する部分に設けられた接着部5と、つば2,3の外周に沿って設けられた、2枚のつば2,3を封止して、収納された糞便の漏洩を防止する封止部6とを有する糞便回収容器。
【選択図】 図1
Description
本発明は、自然排出便を全便回収して、がん細胞検査等を行うための糞便回収容器に関するものである。
欧米では、大腸がんが癌死亡率の上位を占めている。日本でも大腸がんの患者数は近年急激に増加している。これは日本人の食生活が欧米型の肉食が中心となったことに原因があると考えられている。国内では毎年約6万人程度が大腸がんに羅患しており、臓器別の死亡数でも、胃がん、肺がんに続く3番目の多さであり、今後のさらなる増加も予想されている。しかしながら、大腸がんは他のがんと異なり、早期がんであれば手術により、100%近く治せることが知られている。従って、大腸がんは早期がん検診の対象となり、数多くの検査法が考案されてきた。
大腸がんの早期発見のための検査法として注腸検査や内視鏡検査などが行なわれている。注腸検査とはバリウムを大腸内に注入し、大腸の粘膜面に付着させ、その表面の凹凸をX線により調べる方法である。内視鏡検査は大腸の中を直接内視鏡で調べる方法である。これらの検査法は大腸がんの発見に対して、高い感度と特異性を有している。加えて、内視鏡検査では早期がんや前がん状態のポリープを切除できる利点も有している。しかし、これらの検査法は被験者への負担が大きく、コストも高い、特に内視鏡検査では操作に熟練を要し、合併症のリスクを伴っている。そのため、無症状の一般人を対象にした大腸がん検査には向いていない。
そこで、一般人の大腸がん一次スクリーニング法として、便潜血検査が広く利用されている。便潜血検査とは糞便に含まれるヘモグロビンの存在を調べることにより、腸内の出血の有無を診断し、間接的に大腸がんの発生を予測する方法である。
便潜血検査法には大きく分けて化学的検査法と免疫検査法の2種類が存在する。化学的便潜血検査法とは、ヘモグロビンのペルオキシダーゼ活性を利用した方法であり、基質として加えられた過酸化水素が分解される際に生じた活性酸素により、濾紙に含まれたグアヤックが、青緑色の酸化グアヤックに変わる反応を利用している。ヘモカルトII濾紙(藤沢薬品)や、シオノギB濾紙(塩野義製薬)などが市販品として検査に使用されている。
免疫的便潜血検査とは主に、抗ヒトヘモグロビン抗体の特異的なヒトヘモグロビンへの結合を利用しており、その特異性の高さから、現在では便潜血検査法の主流になりつつある。逆受身無血球凝集法(イムディアHem−Sp、富士レオビ)、磁性粒子凝集傾斜法(マグストリーム Hem−Sp、 富士レオビ)、ラテックス凝集法(イムノカルト、中外製薬)などが知られている。
このように広く大腸がん検査に利用されている便潜血検査だが、検査の有用性に対しては疑問の声も上がっている。ヘモカルトIIを使用した化学的便潜血反応で陽性判定になるには大腸内で1日当たり20mgの出血が必要だが、実際の大腸がん患者の出血は10mg以下であると考えられている。そのため、便潜血反応の感度は26%程度であり、実際の大腸がん患者のおよそ1/4しか発見できず、3/4を見逃しているとの報告もある(下記非特許文献1)。更に、陽性判定被験者の中で実際に大腸がんであったのは8.3%に過ぎず、多くの擬陽性を含んでいる。
そこで、より精度の高い新しい一次スクリーニング用検査法の開発が切望されている。その候補として、糞便中に剥離したがん細胞を利用した検査法に注目が集まっている。大腸がんに伴い、間接的におこる腸内の出血を調べる便潜血検査法に比べて、本方法は直接がん細胞を調べるため、より信頼性の高い検査法になりうると考えられる。
糞便中のがん細胞を調べる検査法では、糞便から直接抽出した核酸を利用して遺伝子診断を行なう方法が下記特許文献1等に報告されている。具体的な遺伝子変異検出法としては、シークエンス法、PCR−RFLP(polymerase chain reaction-restriction enzyme fragment length polymorphism) 法、SSCP(single-stranded conformational polymorphism) 法、PTT(protein truncation test) 法などが開発されている。遺伝子変異の検出以外にもマイクロサテライトの不安定性 (MSI, microsatellite instability) やlongDNA (L−DNA) の出現などを指標に診断を行なう方法が知られている。
遺伝子変異の診断の対象となる遺伝子として、K−ras,APC,P53,DCC等が広く知られている。遺伝子の発現量の違いに目を付けた、新たな診断の対象となりうる遺伝子の探索はマイクロアレイ等を利用して現在でも活発に行なわれている。CD44遺伝子のスプライシングバリアントの発現パターンをマーカーとする方法なども提言されている。
これらの検査法で問題になるのは、糞便中には様々な細菌や正常細胞由来の核酸が存在しており、糞便から回収されるがん細胞由来の遺伝子の割合が非常に微量(約0.05%)であるという事である。これはがん細胞由来遺伝子の変異や微妙な発現パターンの変化を調べる際に大きな妨げとなり、これらの方法の実用化を困難にしている。
そこで、より確実な大腸がん診断に向けて、全部の糞便から直接がん細胞を回収し、診断する方法が考えられている。
特表2002−515973号公報(WO97/28450)
Jama, Vol.269,1262-7, 1993
一般人を対象にした大規模な大腸がん検査では、自動化システムによる多検体の大量処理が必要である。糞便から回収した細胞を用いた大腸がんの判定では細胞学的分析を行い、大腸がんを同定する方法が非常に有効である。
しかしながら、従来の糞便回収法は、便の一部を採取するものがほとんどであり、大腸がん検査に用いるためには、被検査人自身が全便を回収できる簡便な回収容器の開発が望まれていた。
上記の課題を解決するために、構造も操作も簡便な糞便回収容器を開発した。
即ち、本発明の糞便回収容器は、液バッグ部及び2枚のつばから基本的になる。液バッグ部は、採取された自然排出便を収納する袋である。2枚のつばは、液バッグ部の開口部に互いに広がるように設けられ、使用者はこのつばを持って開閉することができる。糞便採取時には、2枚のつばは広げられ、人体の臀部に接触させる。この際、つばに設けられた両面テープ等の接着部によって、糞便回収容器は適当な接着力で、排便中臀部に保持される。糞便採取後は、つばの外周に沿って設けられた封止部によって、収納された糞便の漏洩を防止する。
即ち、本発明の糞便回収容器は、液バッグ部及び2枚のつばから基本的になる。液バッグ部は、採取された自然排出便を収納する袋である。2枚のつばは、液バッグ部の開口部に互いに広がるように設けられ、使用者はこのつばを持って開閉することができる。糞便採取時には、2枚のつばは広げられ、人体の臀部に接触させる。この際、つばに設けられた両面テープ等の接着部によって、糞便回収容器は適当な接着力で、排便中臀部に保持される。糞便採取後は、つばの外周に沿って設けられた封止部によって、収納された糞便の漏洩を防止する。
回収容器内に、バッファ液収納容器を有することが好ましい。糞便採取後にバッファ液収納容器を物理的に破壊することにより、バッファ液収納容器中のバッファ液が回収容器内に流出し、糞便と混合・けん濁されて、採取された自然排出便を保存することができる。
封止部としては、シールチャックが簡便で操作性に優れ、且つ糞便が漏れることによる汚染を防止できる。
回収容器と臀部の接着性を高め、糞便の回収をスムーズにするためには、2枚のつばに適当な弾力製を付与することが好ましい。このために、2枚のつば内部に金属線又は弾力性のあるポリプロピレン等のテープが組み込むことが好ましい。
液バッグ部は、被検者及び検査員が取り扱う際に、内部が見えないように不透明とするのが好ましい。
前記バッファ液は、糞便に含まれるであろうがん細胞を安定に保つための血清が含まれていることが好ましい。
前記バッファ液は、糞便に含まれるであろうがん細胞を安定に保つための血清が含まれていることが好ましい。
前記液バッグ部にはラベルが貼付されることができる。ラベルには、氏名、検体番号、回収日時、その他の情報を記入することができる。また、前記液バッグ部にはメモリ線を付与しておくことが好ましい。メモリ線により、糞便回収容器を吊り下げることで収納された糞便の該量を容易に知ることができる。更に、前記液バッグ部に、カッターで切断可能な糞便取り出し口を有することができる。糞便取り出し口をカッターで切断することで、収納された糞便を容易に取り出し、検査に供することができる。
従来の糞便回収容器に比べて、回収容器に2枚のつばを付け、両面テープにより被検者の臀部に合わせて接着することができる。これにより、被検査人自身が全便を回収できる簡便な回収容器となった。本発明の糞便回収容器は、大腸がん検査に有効に用いることができる。本発明の糞便回収容器で回収された全部の糞便より、室温で糞便から良好な生きたがん細胞を効率的に回収することが出来るようになり、回収細胞の細胞学的、免疫学的、生化学的分析を高い精度で行なうことが可能になった。又、本発明の糞便回収容器を用いることにより、早期大腸がん由来の細胞や、全部の便を検体とすることにより、内視鏡検査で発見が困難な上行結腸由来のがん細胞を回収することができるため、非常に信頼性の高い検査法を提供することが可能になった。
図1に、本発明の糞便回収容器の一例を示す。図1(a)は糞便回収容器の正面図であり、図1(b)は中心線に沿った断面図である。本発明の糞便回収容器は、基本的に液バッグ部1及び2枚のつば2,3からなる。液バッグ部1は、採取された自然排出便を収納する袋である。2枚のつば2,3は、液バッグ部の開口部に互いに広がるように設けられ、使用者はこのつばを持って開閉することができる。2枚のつば2,3内部に金属線4が組み込まれており、2枚のつば2,3に適当な弾力製を付与している。
図2は、つば2の拡大図である。糞便採取時には、2枚のつば2,3は広げられ、人体の臀部に接触させる。この際、つばに設けられた両面テープ等の接着部5によって、糞便回収容器は適当な接着力で、排便中臀部に保持される。糞便採取後は、つばの外周に沿って設けられたシールチャック等の封止部6によって、収納された糞便の漏洩を防止する。
回収容器内には、図示しないバッファ液収納容器が入れられており、糞便採取後にバッファ液収納容器を物理的に破壊することにより、バッファ液収納容器中のバッファ液が回収容器内に流出し、糞便と混合・けん濁されて、採取された自然排出便を保存することができる。また、前記バッファ液には、血清が含まれている。
液バッグ部1は、被検者及び検査員が取り扱う際に、内部が見えないように不透明とすることもできるが、後述するように、半透明とし、液バッグ1の側部に設けられたメモリ線7で回収された糞便の概量を見ることもできる。
検査ミスを避けるために、液バッグ部1にはラベル8が貼付されており、ラベル8には、氏名、検体番号、回収日時、その他の情報が記入されている。
液バッグ部1の底部には、糞便取り出し口9が液バッグ部1と一体で成形されており、この糞便取り出し口9をカッターで切断することで、収納された糞便を容易に取り出し、検査に供することができる。
本発明の糞便回収容器の大きさは、取扱い性を考慮して適宜設定される。例えば、液バッグ部が縦100〜300mm、横100〜200mm程度であり、より具体的には、200×150mm程度が適当である。同様に、つば2,3は、高さ50〜100mm程度であり、より具体的には、60mm程度が適当である。
本発明の糞便回収容器によって回収された糞便は、以後の免疫学的、細胞学的、又は生化学的検査に付される。図3を用いて、糞便からの細胞回収法の標準化プロトコールの一例を示す。以下、標準化プロトコールの手順に沿って説明する。
(ステップ1:検体回収)
本発明に用いる糞便はヒト自然排泄便を使用する。糞便は固体状の形を保ったものを使用し、下痢便は使用しない。また被験者が下剤等の強制排出薬や腸検査用のバリウム等を使用した後に排泄した糞便は使用しない。事前に被験者が特別な食事制限をする必要性はない。
本発明に用いる糞便はヒト自然排泄便を使用する。糞便は固体状の形を保ったものを使用し、下痢便は使用しない。また被験者が下剤等の強制排出薬や腸検査用のバリウム等を使用した後に排泄した糞便は使用しない。事前に被験者が特別な食事制限をする必要性はない。
検体用糞便は本発明の糞便回収容器に回収し、適量をストマッカーバッグに入れたものを使用する。また、本発明の糞便回収容器はストマッカーバッグと兼用とすることもできる。ストマッカーバッグを別に用いる場合には、市販のフィルタ無しバッグまたはフィルタ付きストマッカーバッグを使用する。ここで言うストマッカーとは袋状の容器に入った検体を破砕するミキサーの一般名称であり、ストマッカー用の袋とはストマッカー用に市販された専用の袋を指すが、ストマッカーに使用可能な袋であれば他の代用品であっても適用可能である。
被験者から回収した糞便は3時間以内に使用することが望ましいが、およそ10時間まで使用出来る。この間検体糞便は室温で保存することが可能であり、検体糞便を冷蔵もしくは冷凍する必要はない。
使用する糞便の量は5gから20g程度が望ましいが、およそ0.5gから80gまで使用出来る。
本発明の糞便回収容器内に懸濁用のバッファ液(メディウム)が収納されていない場合には、糞便を回収したストマッカーバッグにバッファ液を加える。バッファ液にはHanks液を使用する。しかし、一般的に細胞を扱う実験で使用するバッファ液であれば使用出来る。具体的な例として、PBS、PBS(−)、各種細胞培養用メディウム(MEM,DMEM,RPMI)などを挙げることができる。
加えるバッファ液の量は糞便の量や状態により変える事が可能である。しかしながら、糞便1g当たり1ml以上が望ましい。本発明の糞便回収容器またはストマッカーバッグ1袋当たり、200mlのバッファ液を加えれば上記のすべての便量に対応できる。
バッファ液には血清を加える。血清濃度は10%が望ましいが0.5〜20% 程度でも可能である。血清の種類はFBS(fetal bovine serum)が望ましいがCS(calf serum)でも使用できる。
バッファ液が加えられた本発明の糞便回収容器または糞便入りストマッカーバッグはシールチャックを用いて密閉する。この時、本発明の糞便回収容器またはストマッカーバッグを2重にして用いれば、懸濁液の漏れをより完璧に防ぐことが可能である。密閉したストマッカーバッグはストマッカーを用いて処理し、糞便懸濁液を作製する。この検体回収のステップは、室温で行った。但し、検体の回収からろ過までに時間を要する場合には、クーラーボックス等で冷却保管しておいても良い。
(ステップ2:ろ過)
懸濁液はドラフト内で、フィルタ付きろ過装置を使用してろ過し、残渣物を取り除く。
懸濁液はドラフト内で、フィルタ付きろ過装置を使用してろ過し、残渣物を取り除く。
(ステップ3:磁気ビーズ反応)
ろ液中に含まれるがん細胞を、がん細胞にアフィニティーをもった担体を用いて回収する。担体にはがん細胞に対するアフィニティーを持った抗体が表面に結合した磁気ビーズを使用する。具体的にはダイナル社から市販されているBer−EP4抗体結合磁気ビーズ(Dynabeads Epithelial Enrich、ダイナル社)を使用する。Ber−EP4以外にも大腸がん細胞に対するアフィニィティーを持った抗体ならば適応可能である。抗体以外にも大腸がん細胞にアフィニィティーのあるアプタマー、リガンドなどが使用できる。
ろ液中に含まれるがん細胞を、がん細胞にアフィニティーをもった担体を用いて回収する。担体にはがん細胞に対するアフィニティーを持った抗体が表面に結合した磁気ビーズを使用する。具体的にはダイナル社から市販されているBer−EP4抗体結合磁気ビーズ(Dynabeads Epithelial Enrich、ダイナル社)を使用する。Ber−EP4以外にも大腸がん細胞に対するアフィニィティーを持った抗体ならば適応可能である。抗体以外にも大腸がん細胞にアフィニィティーのあるアプタマー、リガンドなどが使用できる。
分注したろ液が約20〜45 ml 入ったチューブ一本当たり、40μlの磁気ビーズを加える。磁気ビーズの量は20〜400μl程度の範囲で変えることが可能である。
磁気ビーズを加えたろ液はミックスローターを用いて混和し、ろ液中の細胞を磁気ビーズに結合させる。混和は室温もしくは4℃のコールドルーム内で行なうことが望ましい。混和時間は30分間以上が望ましい。この磁気ビーズ反応のステップは、室温で行った。
(ステップ4:磁気分離)
混和したろ液入りチューブは磁気スタンドに設置した後、15分間振とうし、磁気ビーズをチューブ側面に集める。振とう時間は10分間以上が望ましい。振とう方法はシーソー運動、回転、旋回など、ろ液が緩やかに混和する条件であれば問題ない。
混和したろ液入りチューブは磁気スタンドに設置した後、15分間振とうし、磁気ビーズをチューブ側面に集める。振とう時間は10分間以上が望ましい。振とう方法はシーソー運動、回転、旋回など、ろ液が緩やかに混和する条件であれば問題ない。
磁気ビーズが壁面に付着した後、ろ液は取り除く。ろ液除去後、磁気スタンドからチューブを外し、上記バッファ液で洗浄し、ビーズ洗浄液を回収する。バッファ液の量はチューブ当たり500μl使用するが、次の実験を想定して、任意に量を変動させることが出来る。この磁気分離のステップは、室温で行った。
(ステップ5:磁気分離,エッペンチューブ)
洗浄液は先に使用したチューブよりも小型のエッペンチューブ等に回収する。洗浄液の入ったチューブは直ちに専用磁気スタンドに設置し、エッペンチューブの側壁に磁気ビーズを集めた後、上清を除去し、細胞-ビーズ複合体のペレットを得る。この磁気分離、エッペンチューブのステップは、室温で行った。
洗浄液は先に使用したチューブよりも小型のエッペンチューブ等に回収する。洗浄液の入ったチューブは直ちに専用磁気スタンドに設置し、エッペンチューブの側壁に磁気ビーズを集めた後、上清を除去し、細胞-ビーズ複合体のペレットを得る。この磁気分離、エッペンチューブのステップは、室温で行った。
<大腸がん診断>
本標準化プロトコールで回収したペレットは、続いて大腸がん判定用の検体として使用する。がんの判定には細胞そのものを利用する場合と細胞から抽出した物質を利用する場合がある。細胞そのものを利用する場合は回収後、直ちに使用する。抽出物質を利用する場合は−80℃にペレットを凍結保存することが可能である。
本標準化プロトコールで回収したペレットは、続いて大腸がん判定用の検体として使用する。がんの判定には細胞そのものを利用する場合と細胞から抽出した物質を利用する場合がある。細胞そのものを利用する場合は回収後、直ちに使用する。抽出物質を利用する場合は−80℃にペレットを凍結保存することが可能である。
細胞そのものを利用する場合はパパニコロウ染色により、細胞を染色し、顕微鏡で観察し判定する。細胞質に対する核の比率(N/C比)が高く、クロマチンが凝集した異型性の細胞が確認できた場合、がん細胞であると判定を下す。染色法はその他にもがん細胞を同定できるものであれば適応可能である。一般染色以外にもがん細胞特異的抗体を利用した免疫染色が適応可能である。
細胞からはDNAもしくはRNAを抽出して、がん判定に利用することが可能である。DNA、RNAの抽出には各社から発売されている核酸抽出キットが使用出来る。具体的にはDNAの抽出にはダイナル社のDynabeadsDNA DIREIC Universal,キアゲン社のQIAampDNA Mini Kit、三光純薬社のセパジーンなどが挙げられる。RNAの抽出にはニッポンジーン社のISOGEN,インビトロジェン社のTRIzol Reagentなどが挙げられる。抽出した核酸は従来技術の項で示したような様々な方法に利用できる。
1:液バッグ部、2、3:つば、4:金属線、5:接着部、6:封止部、7:メモリ線、8:ラベル、9:糞便取り出し口
Claims (11)
- 採取された自然排出便を収納する液バッグ部と、前記液バッグ部の開口部に互いに広がるように設けられた2枚のつばと、前記つばの臀部に接触する部分に設けられた接着部と、前記つばの外周に沿って設けられた、2枚のつばを封止して、収納された糞便の漏洩を防止する封止部とを有することを特徴とする糞便回収容器。
- 回収容器内に、前記採取された自然排出便を保存するためのバッファ液が収納され、糞便回収後に破壊されてバッファ液が糞便と混合されるバッファ液収納容器を有することを特徴とする請求項1に記載の糞便回収容器。
- 前記封止部がシールチャックであることを特徴とする請求項1に記載の糞便回収容器。
- 前記2枚のつば内部に金属線が組み込まれていることを特徴とする請求項1に記載の糞便回収容器。
- 前記2枚のつばが、前記液バッグ部に比べ硬質材料からなることを特徴とする請求項1に記載の糞便回収容器。
- 前記2枚のつばと前記液バッグ部との境界部分が前記液バッグ部に対して硬質のテープ状材料からなることを特徴とする請求項1に記載の糞便回収容器。
- 前記液バッグ部が不透明であることを特徴とする請求項1に記載の糞便回収容器。
- 前記バッファ液は、血清が含まれていることを特徴とする請求項2に記載の糞便回収容器。
- 前記液バッグ部に、氏名、検体番号、回収日時のいずれか1つ以上が記入されるラベルが貼付されていることを特徴とする請求項1に記載の糞便回収容器。
- 前記液バッグ部に、収納された糞便量の目安となるメモリ線を有することを特徴とする請求項1に記載の糞便回収容器。
- 前記液バッグ部に、収納された糞便を取り出し、回収するための、カッターで切断可能な糞便取り出し口を有することを特徴とする請求項1に記載の糞便回収容器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004054346A JP2005241550A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | 糞便回収容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004054346A JP2005241550A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | 糞便回収容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005241550A true JP2005241550A (ja) | 2005-09-08 |
Family
ID=35023421
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004054346A Withdrawn JP2005241550A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | 糞便回収容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005241550A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016029400A (ja) * | 2007-03-20 | 2016-03-03 | ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーBecton, Dickinson And Company | 表面増強ラマン分光法(sers)活性粒子を使用するアッセイ |
Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0592722A (ja) * | 1991-10-02 | 1993-04-16 | Takada Kogyo Kk | ルーフの開閉装置 |
JPH05126827A (ja) * | 1991-11-05 | 1993-05-21 | Sanko Junyaku Kk | 採便保存方法 |
JPH0798314A (ja) * | 1993-09-29 | 1995-04-11 | Sekisui Chem Co Ltd | 便潜血測定装置 |
JPH0915123A (ja) * | 1995-06-26 | 1997-01-17 | Nekusuta Kk | 破砕袋 |
JP2000300245A (ja) * | 1999-04-22 | 2000-10-31 | Sekisui Chem Co Ltd | 検査用バッグ |
JP2001242045A (ja) * | 2000-03-02 | 2001-09-07 | Nikken Seibutsu Igaku Kenkyusho:Kk | 検体保存容器 |
-
2004
- 2004-02-27 JP JP2004054346A patent/JP2005241550A/ja not_active Withdrawn
Patent Citations (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0592722A (ja) * | 1991-10-02 | 1993-04-16 | Takada Kogyo Kk | ルーフの開閉装置 |
JPH05126827A (ja) * | 1991-11-05 | 1993-05-21 | Sanko Junyaku Kk | 採便保存方法 |
JPH0798314A (ja) * | 1993-09-29 | 1995-04-11 | Sekisui Chem Co Ltd | 便潜血測定装置 |
JPH0915123A (ja) * | 1995-06-26 | 1997-01-17 | Nekusuta Kk | 破砕袋 |
JP2000300245A (ja) * | 1999-04-22 | 2000-10-31 | Sekisui Chem Co Ltd | 検査用バッグ |
JP2001242045A (ja) * | 2000-03-02 | 2001-09-07 | Nikken Seibutsu Igaku Kenkyusho:Kk | 検体保存容器 |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2016029400A (ja) * | 2007-03-20 | 2016-03-03 | ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニーBecton, Dickinson And Company | 表面増強ラマン分光法(sers)活性粒子を使用するアッセイ |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6688883B2 (ja) | 生物学的サンプルから生体分子を精製しおよび検査するためのデバイスのコンポーネント、デバイス、および方法 | |
Peyrat et al. | Prognostic significance of circulating p53 antibodies in patients undergoing surgery for locoregional breast cancer | |
CN105154314B (zh) | 一种集提取、扩增和检测一体化的基因检测装置 | |
JP2016534363A (ja) | 生体流体濾過組立体 | |
Winawer et al. | Feasibility of fecal occult‐blood testing for detection of colorectal neoplasia. Debits and credits | |
EP1656887A1 (en) | Container for suspension and filtration of stool | |
JP2018506727A (ja) | サンプル収集関連応用、分析および診断のためのデバイス、溶液および方法 | |
US11193934B2 (en) | Sample hepatocarcinoma classification with YKL-40 to MASP2 concentration ratio | |
EA026049B1 (ru) | Неинвазивный способ сбора образца, содержащего клетки колоректальной слизи, и устройство для его осуществления | |
WO2017126634A1 (ja) | 希少細胞を用いて癌患者の予後を予測する方法 | |
EP0293395A4 (en) | CANCER SCREENING TEST. | |
US20080145932A1 (en) | Method and apparatus for cell recovery | |
JP2007248170A (ja) | 糞便懸濁液作製用容器 | |
Stelling et al. | A comparative study of fecal occult blood tests for early detection of gastrointestinal pathology | |
JP2005241550A (ja) | 糞便回収容器 | |
JP2004519202A (ja) | 大腸直腸癌および他の胃腸病態の非観血的検出 | |
WO2010134245A1 (ja) | 哺乳細胞由来核酸の回収方法、核酸解析方法、及び採便用キット | |
JP2005241520A (ja) | 糞便ろ過装置及び糞便ろ過方法 | |
JP2010151678A (ja) | 大腸癌の診断方法および大腸癌診断用キット | |
JP2011530287A (ja) | 前立腺癌メチル化分析 | |
JP2005241543A (ja) | 糞便容器、細胞回収装置、糞便保存キット、及び細胞回収方法 | |
WO2002080775A1 (en) | Method of collecting a gastrointestinal tract sample | |
Ottó et al. | Early detection for colorectal cancer: new aspects in fecal occult blood screening | |
JP2005233903A (ja) | 糞便採取及び保存容器 | |
TW201901152A (zh) | 評估個體之登革熱病毒感染嚴重程度的方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060309 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060829 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20061019 |