JP2005241472A - ドップラ式超音波流量計、その超音波パルスの繰り返し周波数調整方法、プログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 センサ20から発射された超音波パルスは、流体中の反射体に反射し、再びセンサ20に受信される。受信された信号は、増幅され、デジタル信号に変化されて、位相角分布計測回路において、チャネル毎に各反射エコーの位相角が求められ、分布が時間方向及び、チャネル横断方向に渡って求められる。求められた位相角から流速が算出され、繰り返し周波数設定処理部において、計測された流速に最も適した繰り返し周波数が選択され、発振器に繰り返し周波数設定指令が出される。
【選択図】図3
Description
図1に示すように、流体が配管10の中を流れているとする。超音波パルスを送出し、反射エコーを受信するセンサ11は、配管10に対し斜めに取り付けられており、超音波パルスを配管の直径方向とは角度を付けて送出する。この超音波パルスが送出される方向に引いた直線を測線と呼ぶ。送出された超音波パルスは、配管10のa及びbの部分で比較的大きな反射エコーを生じる。流体内には、気泡などの反射体が含まれており、送出された超音波パルスはこれらによっても反射され、反射エコーを生じる。配管10によって生じた反射エコーは、配管10が静止しているため、送出した超音波パルスと同じ周波数で受信されるが、気泡などによって反射された反射エコーは、気泡等が流体と共に流れているので、ドップラシフトを受け、送出した超音波パルスとは異なる周波数で受信される。超音波エコーのドップラシフト量を角周波数ωdで表すと、図1の場合、流体が右から左に流れている場合には、ωd>0となり、流体が左から右に流れている場合には、ωd<0となる。
(1)で示される一群の反射エコーは、ある送信パルスに対応した反射エコーであり、(2)で示される一群の反射エコーは、その送信パルスに続いて送出されたパルスに対応する反射エコーである。図2のΔtが送信パルスの繰り返し周期である。反射エコーには、Aの部分とBの部分に大きな振幅を持った部分がある。Aの部分は、図1の配管10のaの部分で反射された反射エコーであり、Bの部分は、図1の配管10のbの部分で反射された反射エコーである。図2のAとBの間は、配管内の測線に沿った部分を示している。従って、図2のAとBの間のある位置の反射エコーのドップラシフト量を計測することにより、その位置に対応する測線上の位置における流体の流速を測定することができる。従って、図2のAとBの間のそれぞれの位置におけるドップラシフト量を計測することにより、測線に沿った流速分布を知ることができる。また、このようにして知った流速分布を配管10の断面に渡って積分処理することにより、流量を知ることができる。図2のAとBの間の特定の位置をチャネルと呼ぶ。
発振器22から出力された周期信号をエミッタ21に入力する。エミッタ21は、周期信号から、センサ20に超音波パルスを送出させるための電気パルスを生成し、センサ20に入力する。センサ20は、超音波パルスを配管の管壁を介して流体内に送出し、反射エコーを受信する。反射エコーはセンサ20によって電気信号に変換され、増幅器23で増幅される。増幅された電気信号は、A/D変換器24でデジタル信号に変換され、位相角分布計測回路25に入力される。位相角分布計測回路25においては、受信反射エコーの電気信号をデジタル変換した信号から、各チャネルの位相角を計測する。得られた位相角分布は、流速算出処理部26において演算され、流速が求められる。求められた流速は、繰り返し周波数設定処理部27に入力され、超音波パルスの送出繰り返し周波数が、流速に対して最適に設定されているかを判断し、最適でない場合には、繰り返し周波数の補正指令を発振器22に送出する。また、繰り返し周波数設定処理部27は、流速を流量演算処理部28に入力し、流量演算処理部28において、流量が計算される。
被測定流体の流量測定において、初期設定は、例えば、ある一定流速に対する最適な繰り返し周波数を設定する(ステップS10)。そして、図5(a)にあるように、測定中のドップラ効果による位相角の複数サンプルに渡る平均位相角の最大となる測定位置(チャネル)を検出する(ステップS11)。そして、このチャネルにおいて、複数サンプルにわたる位相角分布をモニタリングし(ステップS12)、その分布が、所定の範囲、例えば、図5(b)にあるように、0°〜360°(2π)の範囲内であるかどうかを判断する(ステップS13)。このとき、位相角の分布が同範囲内に収まらない場合は、被測定流体の流速に対する最適な繰り返し周波数を、以下の測定条件式を基に演算にて自動算出する(ステップS14)。
ここで、f0は、送信超音波パルスの周波数、Vは、流体の最大速度、Cfは、流体内の音速、αは、送信超音波パルスの入射角、fprfは、送信超音波パルスの繰り返し周波数、Dは、配管の内径である。
なお、図6においては、図4と同じステップは同じステップ番号を付し、説明を省略する。
上記流量測定において、例えば、最大位相角を持つチャネルの複数サンプルに渡る位相角分布の許容分布範囲を0°〜360°(2π)とするならば、流速の多少の変化を考慮すると、設定時の位相角は同範囲のある特定の角度に近い位置に分布することが望ましい。そこで、例えば、分布の中心がある位相角であった場合は(図5参照)、特定の角度は、π付近とし、分布の中心がこれに近くなるように、実際の分布の中心の位相角と特定の角度との比較演算を行い、繰り返し周波数を変化させることによって、最適な繰り返し周波数を算出する。これにより、最終的に最も分布の中心がπに近くなるような繰り返し周波数を設定し、流量測定を行う。
予め流速を推定できない流体に対し、繰り返し周波数を測定可能領域の最大値に自動設定し(ステップS22)、規定の繰り返し周波数にて超音波パルスを入射し(ステップS23)、その反射エコーより仮の流速を算出する(ステップS24、S25)。ここで、求められる流速は必ずしも高精度に流速を示すものではないが、被測定流体における流速の概算値が得られる。そのため、この流速の概算値を基に、該当する流速のドップラシグナルを最適な分解能で測定するための繰り返し周波数を、予め設定された基準分解能を基に算出する(ステップS26)。これにより得られた最適な繰り返し周波数を、流速が未定な被測定流体の流量測定における繰り返し周波数として設定し(ステップS27)、実際の流量測定にいたる(ステップS28)。ここで、基準分解能に基づく繰り返し周波数の演算は、計測された概算の流速に対して与えられる基準分解能を達成するように、繰り返し周波数を変化させるようにすればよい。このように、基準分解能は、各流速値にそれぞれ与えられるものであり、繰り返し周波数は、周波数が高いほど時間分解能が高く、低いほど時間分解能が低い。繰り返し周波数から得られる繰り返し周期は、時間分解能を示しており、流速の変化をどの程度の時間的インターバルで計るべきかを基準分解能から取得し、繰り返し周期をその値に設定するようにする。
上記における繰り返し周波数の最適化演算方法においては、ある特定流速の被測定流体における位相角の変化の時間分解能を基準とする。つまり、流速の測定が高精度となる位相角変動の時間分解能を算出し、これを基準分解能として、その測定条件等を記憶する。そして、仮測定、及び流量測定過程で算出された流速の変動の時間分解能が、この基準分解能を満たすよう演算にて最適な繰り返し周波数を算出する。
繰り返し周波数の最適化処理において、処理時間の短縮のために予め流速と最適な繰り返し周波数の関係を示した、図9の表1のようなテーブルを用いる。ここでは、同テーブルをメモリ等の記憶手段に記憶し、仮測定、及び、流量測定過程で算出された流速値を基に、テーブルから最適な繰り返し周波数を抽出する。このようにして、抽出された繰り返し周波数を用いて、被測定流体の流量測定を行う。
更に、最適な繰り返し周波数を予めテーブルに設定しておくことにより、最適化演算のための処理を行うことなく簡単に流速に応じた繰り返し周波数を再設定することが可能となる。
11、20 センサ
21 エミッタ
22 発振器
23 増幅器
24 A/D変換器
25 位相角分布計測回路
26 流速算出処理部
27、27’ 繰り返し周波数設定処理部
28 流量演算処理部
30 PRF(繰り返し周波数)テーブル記憶装置
31 基準分解能記憶装置
Claims (15)
- 超音波のドップラシフトを利用して被測定流体の流量を測定するドップラ式超音波流量計において、
超音波パルスを被測定流体に送出し、反射エコーを受信する超音波送受信手段と、
各チャネルの反射エコーの位相角を複数サンプルに渡り取得し、あるチャネルの該位相角の分布の様子から、被測定流体の流速に対して測定精度が十分得られるように、被測定流体内に送出する超音波パルスの繰り返し周波数を自動的に制御する制御手段と、
を備えることを特徴とするドップラ式超音波流量計。 - 前記位相角の分布が、予め定められた範囲に入るように前記繰り返し周波数を制御することを特徴とする請求項1に記載のドップラ式超音波流量計。
- 前記位相角の分布が、予め定められた範囲の中心に近い部分に集中するように前記繰り返し周波数を制御することを特徴とする請求項1に記載のドップラ式超音波流量計。
- 前記予め定められた範囲は、−360°〜0°、−180°〜180°、あるいは、0°〜360°のいずれかであることを特徴とする請求項2または3に記載のドップラ式超音波流量計。
- 前記位相角の分布を使用する代わりに、前記被測定流体の流速に対して、予め設定される基準分解能を達成するように前記繰り返し周波数を設定することを特徴とする請求項1に記載のドップラ式超音波流量計。
- 被測定流体の流速の変動が予め設定した閾値を超えるか否かを判断し、閾値を超える場合には、変動後の流速とその基準分解能を基に繰り返し周波数を補正することを特徴とする請求項5に記載のドップラ式超音波流量計。
- 予め流速と最適な繰り返し周波数の対応を示したテーブルを備え、
前記位相角の分布を使用する代わりに、測定された流速に対して、該テーブルから読み出した最適な繰り返し周波数を設定することを特徴とする請求項1に記載のドップラ式超音波流量計。 - 超音波のドップラシフトを利用して被測定流体の流量を測定するドップラ式超音波流量計における繰り返し周波数調整方法であって、
超音波パルスを被測定流体に送出し、反射エコーを受信する超音波送受信ステップと、
各チャネルの反射エコーの位相角を複数サンプルに渡り取得し、あるチャネルの該位相角の分布の様子から、被測定流体の流速に対して測定精度が十分得られるように、被測定流体内に送出する超音波パルスの繰り返し周波数を自動的に制御する制御ステップと、
を備えることを特徴とする方法。 - 前記位相角の分布が、予め定められた範囲に入るように前記繰り返し周波数を制御することを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 前記位相角の分布が、予め定められた範囲の中心に近い部分に集中するように前記繰り返し周波数を制御することを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 前記予め定められた範囲は、−360°〜0°、−180°〜180°、あるいは、0°〜360°のいずれかであることを特徴とする請求項9または10に記載の方法。
- 前記位相角を使用する代わりに、前記被測定流体の流速に対して、予め設定される基準分解能を達成するように前記繰り返し周波数を設定することを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 被測定流体の流速の変動が予め設定した閾値を超えるか否かを判断し、閾値を超える場合には、変動後の流速とその基準分解能を基に繰り返し周波数を補正することを特徴とする請求項12に記載の方法。
- 予め流速と最適な繰り返し周波数の対応を示したテーブルを備えるステップを備え、
前記位相角の分布を使用する代わりに、測定された流速に対して、該テーブルから読み出した最適な繰り返し周波数を設定することを特徴とする請求項8に記載の方法。 - 超音波のドップラシフトを利用して被測定流体の流量を測定するドップラ式超音波流量計における繰り返し周波数調整方法をコンピュータに実現させるプログラムであって、
超音波パルスを被測定流体に送出し、反射エコーを受信する超音波送受信ステップと、
各チャネルの反射エコーの位相角を複数サンプルに渡り取得し、あるチャネルの該位相角の分布の様子から、被測定流体の流速に対して測定精度が十分得られるように、被測定流体内に送出する超音波パルスの繰り返し周波数を自動的に制御する制御ステップと、
を備えることを特徴とするプログラム。
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CN114200161A (zh) * | 2021-10-20 | 2022-03-18 | 华东师范大学 | 一种超声多普勒流速剖面仪最佳发射功率的自适应预测方法 |
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2004
- 2004-02-26 JP JP2004052407A patent/JP4403828B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
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