JP2005241430A - 放射線画像変換プレートの製造方法、放射線画像変換プレート - Google Patents

放射線画像変換プレートの製造方法、放射線画像変換プレート Download PDF

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Abstract

【課題】 輝尽性蛍光体層の厚さを薄くし、高感度で、粒状性にすぐれ、輝尽性蛍光体層厚内での放射線や励起光の拡散が減少し鮮鋭性が優れ、基材と輝尽性蛍光体層の接着性が良いプレートを気相堆積方法により作製するプレートの製造方法及びプレートの製造方法により製造するプレートの提供。
【解決手段】 基材上に輝尽性蛍光体層を気相堆積装置を使用して形成する放射線画像変換プレートの製造方法において、該気相堆積装置は減圧手段で減圧される蒸着室と、該蒸着室は、内部の真空度の測定手段と、基材配置手段と、原料容器内の原料蒸発手段と、前記基材の基材温度制御手段とを有し、該減圧手段により前記蒸着室を減圧状態にした後、該基材温度制御手段により、前記基材上へ該原料を堆積中に前記基材の温度制御を行いながら前記基材上に原料堆積を行うことを特徴とする放射線画像変換プレートの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変換プレート(以下、単にプレートとも言う)の製造方法及びその製造方法により作製されたプレートに関し、詳しくは基材上に気相堆積法により形成された輝尽性蛍光体層を有するプレートの製造方法及びその製造方法により作製されたプレートに関する。
従来、放射線画像を得るために銀塩を使用した、いわゆる放射線写真法が利用されているが、近年では、銀塩を使用しないで放射線像を画像化する方法が開発されている。この方法としては、被写体を透過した放射線を蛍光体に吸収せしめ、しかる後この蛍光体を例えば光または熱エネルギーで励起することによりこの蛍光体が上記吸収により蓄積している放射線エネルギーを蛍光として放射せしめ、この蛍光を検出して画像化する方法が開示されている。
具体的には、例えば米国特許第3,859,527号及び特開昭55−12144号等に開示された様に基材上に輝尽性蛍光体層を形成したプレートを使用するものである。この方法は、この放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層に被写体を透過した放射線をあてて、被写体各部の放射線透過度に対応する放射線エネルギーを輝尽性蛍光体層に蓄積させて潜像(蓄積像)を形成し、その後、この輝尽性蛍光体層を輝尽励起光(レーザ光が用いられる)で走査することによって各部に蓄積された放射線エネルギーを輝尽発光として放出させ、この光の強弱による信号を例えば、光電変換して、電気信号を得て、この信号をハロゲン化銀写真感光材料等の記録材料、CRT等の表示装置上に可視像として再生してもよいし、又ハードコピーとして再生してもよい。
上記の放射線画像の再生方法によれば、従来の放射線写真フィルムと増感紙との組合せによる放射線写真法と比較して、はるかに少ない被曝線量で、かつ情報量の豊富な放射線画像を得ることができるという利点を有している。
このように輝尽性蛍光体は、放射線を照射した後、励起光を照射すると輝尽発光を示す蛍光体であるが、実用的には、波長が400〜900nmの範囲にある励起光によって、300〜500nmの波長範囲の輝尽発光を示す蛍光体が一般的に利用される。
これらの輝尽性蛍光体を使用したプレートは、放射線画像情報を蓄積した後、励起光の走査によって蓄積エネルギーを放出するので、走査後に再度放射線画像の蓄積を行うことができ、繰り返し使用が可能である。つまり従来の放射線写真法では、一回の撮影ごとに放射線写真フィルムを消費するのに対して、この放射線画像変換方法ではプレートを繰り返し使用するので、資源保護、経済効率の面からも有利である。
このプレートには、基材上に結着樹脂溶液の蛍光体粒子分散液を塗布乾燥する方法によって形成された分散タイプの輝尽性蛍光体層を有するものと、基材上に気相堆積法によって形成された蒸着タイプの輝尽性蛍光体層を有するものとがあり、何れにしてもプレートの輝尽性蛍光体層には、放射線吸収率及び光変換率が高いこと、画像の粒状性がよく、高鮮鋭性であることが要求される。
通常、放射線感度を高くするには輝尽性蛍光体層の膜厚を厚くする必要があるが、余り厚くなりすぎると、輝尽性蛍光体粒子間での輝尽発光の散乱のため発光が外部に出てこなくなる現象があり限界がある。鮮鋭性については、輝尽性蛍光体層を薄層化するほど向上するが、薄すぎると感度の減少が大きくなる。
又、粒状性についても画像の粒状性は放射線量子数の場所的ゆらぎ(量子モトル)或いは放射線画像変換パネルの輝尽性蛍光体層の構造的乱れ(構造モトル)等によって決定されるので、輝尽性蛍光体層の層厚が薄くなると輝尽性蛍光体層に吸収される放射線量子数が減少してモトルが増加したり、構造的乱れが顕在化して構造モトルが増加したりして画質の低下を生ずる。従って画像の粒状性を向上させるためには輝尽性蛍光体層の層厚が厚い必要があった。
蒸着タイプの輝尽性蛍光体層は、分散タイプの輝尽性蛍光体層に比較すると、輝尽性蛍光体が100%であることから、輝尽性蛍光体が同じ場合、同じ輝尽性蛍光体層の厚さでは感度が優れ、放射線吸収率が高いことで相対的に量子モトルが減少して粒状性も優れるプレートを与え、感度を同じ程度にすれば輝尽性蛍光体層の厚さを薄くできて、輝尽性蛍光体層厚内での放射線や励起光の拡散が減少し鮮鋭性の優れたプレートを与える筈であるが、感度の優れたプレートを与えることは上述のように容易であっても、粒状性と鮮鋭性も共に優れたプレートを与えることは容易でなかった。
この様に様々な要因からプレートを用いた放射線画像変換方法の画質及び感度は決定される。これらの感度や画質に関する複数の因子を調整して感度、画質を改良するため、これまで様々な気相堆積方法が検討されてきた。
例えば、特開2001−249198号には、CsBrを母体とする非常に高感度の輝尽性蛍光体層を蒸着法(気相堆積法)により形成し、高感度のプレートが得られることが開示されており、輝尽性蛍光体を用いたプレートの更なる高感度化、高画質化の要望がますます強くなってきている。ただし、特開2001−249198に記載の方法では、CsBrの熱膨張係数が大きいために、基材より剥離し易い欠点を有している。
このことから、高感度化、高画質化で基材より輝尽性蛍光体層の剥離がないプレートを蒸着法(気相堆積法)により製造する方法が検討されてきた。
例えば、気相堆積法により基材上に輝尽性蛍光体層を形成するとき、蒸着室を真空状態とし、基材を加熱しながらArガスなどの不活性ガス雰囲気中で原料堆積を行う方法が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。しかしながら、特許文献1に記載の方法は、作製したい輝尽性蛍光体層の質に合わせて基材の温度を設定し、基材の温度および温度分布が一定となったところで基材への原料堆積を行っている。この方法では、得られる放射線画像変換パネルの性能が引き出せるが、基材との密着性が未だ十分となっていない。
気相堆積法により基材上に輝尽性蛍光体層を形成するとき、支持体と輝尽性蛍光体層との接着性が良好で、かつ蛍光体層中の亀裂を低減した放射線像変換プレートを製造する際、基板を加熱器により加熱しながら蒸着膜を形成した後、加熱器の出力を段階的に下げて基板を徐々に冷却する方法が知られている(例えば、特許文献2を参照。)。しかしながら、特許文献2に記載の方法は、冷却中に基板上に形成された膜へ異物の付着等が起きる可能性があることと、基材が所定の温度まで低下するのを待ってから基材を取り出す必要があり時間的なロスが大きいといった問題が挙げられる。
気相堆積法により基材上に輝尽性蛍光体層を形成するとき、基材への膜均一性を得るために作製したい膜質に合わせて回転数を決定し、一定回転数で回転を行いながら原料堆積を行う方法が知られている(例えば、特許文献3を参照。)。しかしながら、特許文献3に記載の方法は、蒸着膜均一性を得ることはできるが、同時に基材と蒸着膜との高い接着性を得ようとする場合困難であることが多かった。
蒸着法により基板上に輝尽性蛍光体層を形成する工程を含む放射線像変換パネルの製造方法において、高画質の放射線画像を得るために、基板上に良好な柱状結晶を有する輝尽性蛍光体層を異なる原料組成で基材の温度を変更させながら逐次的に形成する方法が知られている(例えば、特許文献4を参照。)。しかしながら、特許文献4に記載の方法は、積層方向に機能素材の分布が生じてしまい、十分な放射線画像変換パネルの性能が得られない可能性がある。
これらの状況から、輝尽性蛍光体層の厚さを薄くし、高感度で、粒状性にすぐれ、輝尽性蛍光体層厚内での放射線や励起光の拡散が減少し鮮鋭性が優れ、基材と輝尽性蛍光体層の接着性が良いプレートを気相堆積方法により作製するプレートの製造方法及びプレートの製造方法により製造するプレートの製造方法の開発が望まれている。
特開2002−107496号公報 特開2002−107496号公報 特開2003−321770号公報 特開2003−302498号公報
本発明は上記状況に鑑みなされたものであり、その目的は輝尽性蛍光体層の厚さを薄くし、高感度で、粒状性にすぐれ、輝尽性蛍光体層厚内での放射線や励起光の拡散が減少し鮮鋭性が優れ、基材と輝尽性蛍光体層の接着性が良い放射線画像変換プレートを気相堆積方法により作製する放射線画像変換プレートの製造方法及び放射線画像変換プレートの製造方法により製造する放射線画像変換プレートを提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成された。
(請求項1)
基材上に少なくとも1層の輝尽性蛍光体層を気相堆積装置を使用して形成する放射線画像変換プレートの製造方法において、
該気相堆積装置は減圧手段で減圧される蒸着室と、
該蒸着室は、内部の真空度を測定する測定手段と、該基材の基材配置手段と、原料容器内の原料を蒸発させる原料蒸発手段と、
前記基材の加熱手段および温度測定手段とを有する基材温度制御手段とを有し、
該減圧手段により前記蒸着室を減圧状態にした後、該基材温度制御手段により、前記基材上へ該原料を堆積中に前記基材の温度の制御を行いながら前記基材上に原料堆積を行うことを特徴とする放射線画像変換プレートの製造方法。
(請求項2)
前記基材温度制御手段は、基材上へ原料を堆積中に該基材の温度を少なくとも1回は、原料堆積開始時の前記基材の温度よりも20〜200℃高く制御することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換プレートの製造方法。
(請求項3)
基材上に少なくとも1層の輝尽性蛍光体層を気相堆積装置を使用して形成する放射線画像変換プレートの製造方法において、
該気相堆積装置は減圧手段で減圧される蒸着室と、
該蒸着室は、内部の真空度を測定する測定手段と、
該基材の回転手段と回転制御手段とを有する基材配置手段と、
原料容器内の原料を蒸発させる原料蒸発手段とを有し、
該減圧手段により前記蒸着室を減圧状態にした後、該回転手段により前記基材を回転させながら前記基材上へ該原料を堆積中に、該回転制御手段により前記基材の回転数の制御を行いながら前記基材上に原料堆積を行うことを特徴とする放射線画像変換プレートの製造方法。
(請求項4)
前記回転制御手段は、基材上へ原料を堆積中に該基材の回転数を少なくとも1回は、原料堆積開始時の前記基材の回転速度よりも20〜100%速く制御することを特徴とする請求項3に記載の放射線画像変換プレートの製造方法。
(請求項5)
基材上に少なくとも1層の輝尽性蛍光体層を気相堆積装置を使用して形成する放射線画像変換プレートの製造方法において、
該気相堆積装置は減圧手段で減圧される蒸着室と、
該蒸着室は、内部の真空度を測定する測定手段と、該基材の基材配置手段と、原料容器内の原料を蒸発させる原料蒸発手段と、
該輝尽性蛍光体層を非接触で保護する加熱手段を有する保護手段とを有し、
該減圧手段により前記蒸着室を減圧状態にし、前記基材上へ該原料を堆積し、前記輝尽性蛍光体層を形成した後、
該保護手段により前記輝尽性蛍光体層を保護し、
該加熱手段により前記保護手段を原料堆積中の基材温度よりも20〜100℃高温で、10〜150分間保持することを特徴とする放射線画像変換プレートの製造方法。
(請求項6)
前記保護手段が輝尽性蛍光体層の表面を非接触で覆う保護板とを有していることを特徴とする請求項5に記載の放射線画像変換プレートの製造方法。
(請求項7)
前記蒸着室は、輝尽性蛍光体層の表面を保護手段で保護した状態で、減圧状態から大気圧状態へ戻すことを特徴とする請求項5又は6に記載の放射線画像変換プレートの製造方法。
(請求項8)
請求項1に記載の放射線画像変換プレートの製造方法において、請求項3に記載の放射線画像変換プレートの製造方法に用いた回転手段と回転制御手段とを用いることを特徴とする放射線画像変換プレートの製造方法。
(請求項9)
請求項1に記載の放射線画像変換プレートの製造方法において、請求項5に記載の放射線画像変換プレートの製造方法に用いた保護手段を用いることを特徴とする放射線画像変換プレートの製造方法。
(請求項10)
請求項1に記載の放射線画像変換プレートの製造方法において、請求項3に記載の放射線画像変換プレートの製造方法に用いた基材の回転手段と回転制御手段と、請求項5に記載の放射線画像変換プレートの製造方法に用いた前記保護手段を用いることを特徴とする放射線画像変換プレートの製造方法。
(請求項11)
請求項3に記載の放射線画像変換プレートの製造方法において、請求項5に記載の放射線画像変換プレートの製造方法に用いた前記保護手段を用いることを特徴とする放射線画像変換プレートの製造方法。
(請求項12)
請求項1〜11の何れか1項に記載の放射線画像変換プレートの製造方法により製造された放射線画像変換プレートにおいて、基材上に形成された少なくとも1層の輝尽性蛍光体層に含まれる輝尽性蛍光体が柱状結晶を含有することを特徴とする放射線画像変換プレート。
(請求項13)
前記柱状結晶が下記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体であることを特徴とする請求項12に記載の放射線画像変換プレート。
一般式(1) CsX:yA
〔式中、XはBrまたはIを表し、AはEu、In、TbまたはCsを表す。yは1×10-7〜1×10-1までの数値を表す〕
輝尽性蛍光体層の厚さを薄くし、高感度で、粒状性にすぐれ、輝尽性蛍光体層厚内での放射線や励起光の拡散が減少し鮮鋭性が優れ、基材と輝尽性蛍光体層の接着性が良い放射線画像変換プレートを気相堆積方法により作製する放射線画像変換プレートの製造方法及び放射線画像変換プレートの製造方法により製造する放射線画像変換プレートを提供することが出来、画質・品質向上及び、ロット間ばらつきの軽減による製品安定化、収率向上、生産性向上によるコストダウンが可能となった。
本発明に係る実施の形態を図1〜図5を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
図1は気相堆積法によって基材上に形成した輝尽性蛍光体層を有するプレートを使用した放射線画像変換パネルの一例を示す概略断面図である。
図中、1は放射線画像変換パネルを示す。放射線画像変換パネル1はプレート1aの上に設けた保護層1bを設けた後、カーボン繊維強化樹脂(CFRP)、ガラスエポキシ樹脂等で出来たトレー1c上に接着剤で固定し、プレート1aの周縁部を接着剤(不図示)で封入して、輝尽性蛍光体層1a2が密閉された構造となっている。プレート1aは、基材1a1上に気相堆積法により形成された輝尽性蛍光体層1a2とを有している。
輝尽性蛍光体層1a2の層厚は目的とする放射線像変換パネル1の放射線に対する感度、輝尽性蛍光体の種類等によって異なるが、10〜1000μmが好ましく、20〜800μmがより好ましい。10μm未満の場合は、輝尽性蛍光体の種類によっては輝尽発光の不足により、感度低下となる場合がある。1000μmを越える場合は、輝尽性蛍光体の種類によっては放射線や励起光の拡散が増大することにより、粒状性が劣化する場合がある。本発明は、本図に示されるプレート1aの製造方法及びこの製造方法により製造されたプレート1aに関するものである。
輝尽性蛍光体層1a2に用いられる輝尽性蛍光体としては、例えば特開昭59−75200号等に記載されているBaFX:Eu2+系(X:Cl、Br、I)蛍光体、同61−72087号等に記載されているようなアルカリハライド蛍光体、同61−73786号、61−73787号等に記載のように、共賦活剤としてTl+およびCe3+、Sm3+、Eu3+、Y3+、Ag+、Mg2+、Pb2+、In3+の金属を含有するアルカリハライド蛍光体などが挙げられる。特に、アルカリハライド蛍光体は、蒸着、スパッタリング等の方法で柱状の輝尽性蛍光体層を形成させやすく好ましい。また、アルカリハライド蛍光体の中でもRbBr及びCsBr系蛍光体が高輝度、高画質である点で好ましく、中でもCsBr系蛍光体が特に好ましい。
輝尽性蛍光体層1a2は下記一般式(1)で示される輝尽性蛍光体の柱状結晶であることが好ましい。
一般式(1) CsX:yA
〔式中、XはBrまたはIを表し、AはEu、In、TbまたはCsを表す。yは1×10-7〜1×10-1までの数値を表す〕
輝尽性蛍光体を基材上に気相堆積させ輝尽性蛍光体層を形成させる方法としては蒸着法、スパッタ法及びCVD法等がある。蒸着法は基材を蒸着装置内に設置したのち、装置内を排気して1.333×10-4Pa程度の真空とし、次いで、輝尽性蛍光体の少なくとも1つを抵抗加熱法、エレクトロンビーム法などの方法で加熱蒸発させて支持体表面に輝尽性蛍光体を所望の厚みに堆積させる。この結果、結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層が形成されるが、蒸着工程では複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。また、蒸着工程では複数の抵抗加熱器或いはエレクトロンビームを用いて蒸着を行うことも可能である。また蒸着法においては、輝尽性蛍光体原料を複数の抵抗加熱器或いはエレクトロンビームを用いて蒸着し、基材上で目的とする輝尽性蛍光体を合成すると同時に輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。更に蒸着法においては、蒸着時に必要に応じて基材を冷却或いは加熱してもよい。また、蒸着終了後、輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
スパッタ法は前記蒸着法と同様に基材をスパッタ装置内に設置した後、装置内を一旦排気して1.333×10-4Pa程度の真空度とし、次いでスパッタ用のガスとしてAr、Ne等の不活性ガスを装置内に導入して1.333×10-1Pa程度のガス圧とする。次に、前記輝尽性蛍光体をターゲットとして、スパッタリングすることにより支持体表面に輝尽性蛍光体を所望の厚さ堆積させる。このスパッタ工程では蒸着法と同様に複数回に分けて輝尽性蛍光体層を形成することも可能であるし、それぞれを用いて同時或いは順次、前記ターゲットをスパッタリングして輝尽性蛍光体層を形成することも可能である。また、スパッタ法では、複数の輝尽性蛍光体原料をターゲットとして用い、これを同時或いは順次スパッタリングして、支持体上で目的とする輝尽性蛍光体層を形成する事も可能であるし、必要に応じてO2、H2等のガスを導入して反応性スパッタを行ってもよい。更に、スパッタ法においては、スパッタ時必要に応じて基材を冷却或いは加熱してもよい。また、スパッタ終了後に輝尽性蛍光体層を加熱処理してもよい。
CVD法は目的とする輝尽性蛍光体或いは輝尽性蛍光体原料を含有する有機金属化合物を熱、高周波電力等のエネルギーで分解することにより、支持体上に結着剤を含有しない輝尽性蛍光体層を得るものであり、いずれも輝尽性蛍光体層を支持体の法線方向に対して特定の傾きをもって独立した細長い柱状結晶に気相成長させることが可能である。
本発明においては、気相堆積法として蒸着法が好ましく用いられる。本発明に係る気相堆積法に関しては図3〜図5で詳しく説明する。
保護層1bは、保護層用塗布液を輝尽性蛍光体層上に直接塗布して形成してもよいし、あらかじめ別途形成した保護層を輝尽性蛍光体層上に接着してもよい。あるいは別途形成した保護層上に輝尽性蛍光体層を形成する手順を取ってもよい。保護層1bに使用する材料としては、酢酸セルロース、ニトロセルロース、ポリメチルメタクリレート、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、ポリ四フッ化エチレン、ポリ三フッ化−塩化エチレン、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体等の通常の保護層用材料が用いられる。また、この保護層は蒸着法、スパッタリング法等により、SiC、SiO2、SiN、Al23などの無機物質を積層して形成してもよい。これらの保護層の層厚は一般的には0.1〜2000μm程度が好ましい。また、透光性が良く、シート状に形成できるものを用いることができる。例えば石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラスや、PET、OPP、ポリ塩化ビニル等の有機高分子があげられる。
本発明の放射線画像変換パネルに用いられる基材としては各種のガラス、高分子材料、金属等が用いられるが、例えば石英、ホウ珪酸ガラス、化学的強化ガラスなどの板ガラス、又、セルロースアセテートフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルム、トリアセテートフィルム、ポリカーボネートフィルム等のプラスチックフィルム、アルミニウムシート、鉄シート、銅シート等の金属シート或いは該金属酸化物の被覆層を有する金属シートが好ましい。これら基材の表面は滑面であってもよいし、輝尽性蛍光体層との接着性を向上させる目的でマット面としてもよい。また、本発明においては、基材と輝尽性蛍光体層の接着性を向上させるために、必要に応じて基材の表面に予め接着層を設けてもよい。これら基材の厚みは用いる基材の材質等によって異なるが、一般的には80〜2000μmであり、取り扱い上の観点から、更に好ましいのは80〜1000μmである。
図2は放射線画像変換パネルを用いた放射線像変換方法を示す模式図である。
図中、2aは放射線発生装置、2bは被写体、2cは本発明に係わるプレートを用いた放射線画像変換パネル、2dは放射線画像変換パネル2cのプレートの放射線潜像を輝尽発光として放出させるための輝尽励起光源、2eは放射線画像プレートにより放射された輝尽蛍光を検出する光電変換装置、2fは光電変換装置2eで検出された光電変換信号を画像として再生する再生装置、2gは再生された画像を表示する表示装置、2hは輝尽励起光と輝尽蛍光とを分離し、輝尽蛍光のみを透過させるフィルタである。尚、光電変換装置2e以降はプレートからの光情報を何らかの形で画像として再生できるものであればよく、上記に限定されるものではない。
図2に示されるように、放射線発生装置2aからの放射線(R)は被写体2bを通して変換パネル2cに入射する(RI)。この入射した放射線はプレートの輝尽層に吸収され、そのエネルギーが蓄積され、放射線透過像の蓄積像が形成される。次にこの蓄積像を輝尽励起光源2dからの輝尽励起光で励起して輝尽発光として放出する。放射される輝尽発光の強弱は蓄積された放射線エネルギー量に比例するので、この光信号を例えば光電子倍増管等の光電変換装置2eで光電変換し、画像生成装置2fによって画像として再生し画像表示装置2gによって表示することにより、被写体の放射線透過像を観察することができる。
輝尽励起光源2dとしては、プレートに使用される輝尽性蛍光体の輝尽励起波長を含む光源が使用される。特にレーザ光を用いると光学系が簡単になり、また、輝尽励起光強度を大きくすることができるために輝尽発光効率を上げることができ、より好ましい結果が得られる。
レーザとしては、He−Neレーザ、He−Cdレーザ、Arイオンレーザ、Krイオンレーザ、N2レーザ、YAGレーザ及びその第2高調波、ルビーレーザ、半導体レーザ、各種の色素レーザ、銅蒸気レーザ等の金属蒸気レーザ等がある。通常はHe−NeレーザやArイオンレーザのような連続発振のレーザが望ましいが、パネル1画素の走査時間とパルスを同期させればパルス発振のレーザを用いることもできる。また、フィルタ2hを用いずに特開昭59−22046号に示されるような、発光の遅延を利用して分離する方法によるときは、連続発振レーザを用いて変調するよりもパルス発振のレーザを用いる方が好ましい。上記の各種レーザ光源の中でも、半導体レーザは小型で安価であり、しかも変調器が不要であるので特に好ましく用いられる。
図3は基材配置手段に基材温度制御手段を有する気相堆積装置を用い蒸着法により基材上に輝尽性蛍光体層を形成する一例を示す模式図である。図3の(a)は基材配置手段に基材温度制御手段を有する気相堆積装置を用い蒸着法により基材上に輝尽性蛍光体層を形成する一例を示す模式図である。図3の(b)は気相堆積装置を構成している各部、各手段の関係を示す概略ブロック図である。
図中、3aは気相堆積装置を示す。301は蒸着室を示し、302は排気口を示し減圧手段である排気手段(不図示)に繋がっており、メインバルブ303を介して蒸着室301を一旦ある値以下の真空度にするようになっている。更に、304は蒸着室301の真空度をさらに低下させて指定値以下にするための調整口を示し、排気手段(不図示)に繋がっており、リークバルブ305を介して蒸着室301の真空度を指定の真空度以下に保持する様になっている。蒸着室301の真空度は原料の種類によっても、輝尽性蛍光体層の厚さによっても異なるため、必要に応じて適宜設定することが可能となっている。
306は蒸着室301の真空度を測定する測定手段である真空度測定計を示す。真空度測定計としては特に限定はなく、例えば電離真空計、ピラニ真空計が挙げられる。
307は不活性ガス導入口を示し、必要に応じてガス導入バルブ308を介してN2、Ar、Ne、He等の不活性ガスが雰囲気ガスとして導入される。309は蒸着室301の上部に設けられた基材配置手段を示す。4は基材配置手段309に配置された基材を示す。基材4は複数枚配置しても良く、配置手段のいかなる位置に配置することも可能となっている。
基材配置手段309は基材4の加熱手段(不図示)と基材4の温度を測定する温度測定手段309bと加熱手段(不図示)の電流供給部309aと制御手段5とを有する基材温度制御手段を有している。温度測定手段309bとしては特に限定は無く、例えば熱電対、温度センサー等が挙げられる。基材配置手段309に配設された加熱手段(不図示)による基材4の加熱は、基材上へ原料を堆積中に基材の温度の温度を一定に保持するのに加え、原料を堆積中に基材の温度の温度を少なくとも1回は原料堆積開始時の温度よりも高くするように基材温度制御手段により制御しながら基材上に原料堆積を行うことが可能となっている。312は基材配置手段309を回転させる回転手段を示す。回転手段はとくに限定はなく、例えば回転モーターでもよいし、プーリーを介してベルトであっても良い。本図は回転モーターの場合を示している。又、基材配置手段309は回転させても良いし、固定であってもよい。本図は回転させる場合を示している。
310は蒸着室301の下部に設けられた原料蒸発手段を示す。原料蒸発手段310は、加熱手段(不図示)を有する原料容器310aと、原料容器310a内の原料(輝尽性蛍光体)310bの温度を測定するための原料温度測定手段310cと、原料温度制御手段の電流供給部310a1と、原料容器310aの開口部310dの開口率を制御する開口率制御手段の蓋310eとを有している。原料容器310aの加熱手段としては特に限定は無く、例えばスパッタ方式、抵抗加熱方式等が挙げられる。本図では抵抗加熱方式の場合を示している。蓋310eはどのような形でもよく、原料蒸発手段の口をすべて覆う形状でなくても良い。
311は基材4への原料(輝尽性蛍光体)の堆積を制御する原料堆積制御手段の遮蔽板を示す。遮蔽板311はどのような形式でもかまわないが、機能としては完全に閉じることで基材4の蒸気堆積を完全に防止できる形式のものが好ましい。なお、本図に示す遮蔽板は開閉式であり、開閉を制御することが可能となっている。
電流供給部310a1は原料容器310aへの電流供給を自動的に制御するシステムとすることが好ましい。原料容器310aの開口率の制御は蓋310eを移動することにより行われ、蓋310eの移動は自動的に制御するシステムとすることが好ましい。
測定手段310cとしては特に限定は無く、例えば熱電対、温度センサー等が挙げられる。310e1は蓋310eを移動させる駆動手段を示し、駆動手段310e1としては、例えばエアーシリンダーが挙げられる。311aは遮蔽板311の開閉を行う駆動手段を示し、駆動手段310aとしては、例えばエアーシリンダーが挙げられる。遮蔽板311の開閉は自動的に制御するシステムとすることが好ましい。
本図に示される気相堆積装置は、基材配置手段309の基材の温度を制御部5により制御するのに加え、蓋310eの移動、原料容器310aへの電流供給及び遮蔽板311の開閉を制御部5により制御する場合を示している。
気相堆積装置3aを構成している各部、各手段の関係を図3の(b)に示す概略ブロック図により説明する。
基材の温度測定手段309bにより測定された基材配置手段309に保持された基材4の温度に関する情報は制御手段5のCPUに入力される。制御手段5に入力された情報はメモリーに予め入力されている設定温度と演算処理を行い、基材配置手段309の加熱手段の電流供給部309aの電流調整を行うことで基材の温度一定に保持することに加え、原料を堆積中に基材の温度を少なくとも1回は原料堆積開始時の温度よりも高くする様に制御することが可能となっている。基材の温度を原料堆積開始時の基材の温度より高くしている時間は、全蒸着時間の20〜80%が好ましい。20%未満の場合は、基材の加熱不足により、基材と輝尽性蛍光体層との接着性が劣化する場合がある。80%を越えた場合は、基材の最適温度逸脱により、基材上の輝尽性蛍光体層の性能劣化が生じる場合がある。
原料堆積開始時の基材の温度よりも高くする温度は20〜200℃に制御することが可能となっている。基材の温度が+20℃未満の場合は、基材の温度不足となり、基材上の輝尽性蛍光体層がもろくなり、基材と輝尽性蛍光体層との接着性が劣化する場合がある。+200℃を越えた場合は、基材の最適温度逸脱により、輝尽性蛍光体の結晶成長が著しく阻害されるため、基材上の輝尽性蛍光体層の性能劣化が生じる場合がある。
原料を堆積中に基材の温度の温度を少なくとも1回、原料堆積開始時の温度よりも高くするタイミングとしては、基材上に原料を堆積中であれば特に限定はない。タイミングのの一例としては、時間により換算された原料容器310a内の輝尽性蛍光体310bの量に関する情報は制御手段5のCPUに入力される。制御手段5に入力された情報はメモリーに予め入力されている原料容器310a内の原料(輝尽性蛍光体)310bの量と演算処理を行い、電流供給部309aへの電流供給量を変化させ、基材配置手段309に配設されている加熱手段により基材の温度を上げることが可能となっている。例えば原料容器310a内の輝尽性蛍光体310bの量が100%のときは定常の温度とし、原料容器310a内の輝尽性蛍光体310bの量が80%、40%、10%の時に電流供給部309aへの電流供給量を変化させ基材の温度を上げる様に制御してもかまわない。
原料温度測定手段310cにより測定された原料容器310a内の輝尽性蛍光体310bの温度に関する情報は制御手段5のCPUに入力される。制御手段5に入力された情報はメモリーに予め入力されている設定温度と演算処理を行い、原料容器310aの加熱源の電流供給部310a1の電流調整を行うことで原料容器310a内の原料(輝尽性蛍光体)310bの温度を設定温度に対して−5〜+5℃で保持することが可能となっている。原料(輝尽性蛍光体)309bの温度を指定温度に保持することで、基材4に略一定温度の原料(輝尽性蛍光体)が気相堆積され安定した原料層(輝尽性蛍光体層)の形成が可能となる。
時間により換算された原料容器310a内の輝尽性蛍光体310bの量に関する情報は制御手段5のCPUに入力される。制御手段5に入力された情報はメモリーに予め入力されている原料容器310a内の原料(輝尽性蛍光体)310bの量と演算処理を行い、駆動手段310e1を稼働させ原料容器310aの蓋を移動させ開口率を変えることが可能となっている。例えば原料容器310a内の輝尽性蛍光体310bの量が100%のときは開口率を100%とし、原料容器310a内の輝尽性蛍光体310bの量が50%の時は50%とするようになっている。
原料(輝尽性蛍光体)310bの堆積速度を略一定に保持することで、基材4に一定の原料(輝尽性蛍光体)が気相堆積され安定した原料層(輝尽性蛍光体層)の形成が可能となる。
原料温度測定手段310cにより測定された原料容器310a内の原料(輝尽性蛍光体)310bの温度に関する情報は制御手段5のCPUに入力される。制御手段5に入力された情報はメモリーに予め入力されている原料堆積開始温度と演算処理を行い、駆動手段311aを稼働させ遮蔽板311の開閉を行うことで、蒸着室内の原料(輝尽性蛍光体)310bの濃度が不安定な加熱初期の基材4への輝尽性蛍光体の気相堆積防止が可能となっている。例えば予め入力されている原料堆積開始温度と原料温度測定手段310cにより測定された原料容器310a内の原料(輝尽性蛍光体)310bの温度との差が−10〜+10℃になってから少なくとも30sec経過した後、遮蔽板を開き、20℃以上になったら閉じる様にすることが好ましい。
本図に示す様に、基材の温度を一定に保ちながら原料堆積を行い、原料堆積中に少なくとも1回は、基材の温度を原料堆積開始時の基材の温度より20〜200℃高くすることで次の効果が得られる。
1)輝尽性蛍光体層がもろくならないため、基材と輝尽性蛍光体との接着性が向上する。
2)輝尽性蛍光体層に含まれる輝尽性蛍光体の結晶が安定して成長するため、鮮鋭性が向上する。
これらの効果に加え、本図に示される様に蓋310eの移動、原料容器310aへの電流供給及び遮蔽板311の開閉を制御部5により制御することで更に安定した高感度で、粒状性にすぐれ、輝尽性蛍光体層厚内での放射線や励起光の拡散が減少し鮮鋭性が優れ、基材と輝尽性蛍光体層の接着性が良いプレートを製造することが可能となった。
図4は基材の回転手段を有する気相堆積装置を用い蒸着法により基材上に輝尽性蛍光体層を形成する一例を示す模式図である。図4の(a)は基材の回転手段を有する気相堆積装置を用い蒸着法により基材上に輝尽性蛍光体層を形成する一例を示す模式図である。図4の(b)は気相堆積装置を構成している各部、各手段の関係を示す概略ブロック図である。
図中、3bは気相堆積装置を示す。312は基材配置手段309の回転手段を示す。回転手段はとくに限定はなく、例えば回転モーターでもよいし、プーリーを介してベルトであっても良い。本図は回転モーターの場合を示している。基材配置手段309は基材配置手段309の中心に取り付けられた軸313を介して回転手段312に配設されている。回転手段312による基材配置手段309の回転は、原料310bの充填面に対して平行で、時計回りでもよいし、反時計回りでもよい。
基材配置手段309の回転は、基材上へ原料を堆積中は常時行い、堆積中に回転数を少なくとも1回は、原料堆積開始時の回転数よりも20〜100%多くすることが好ましい。定常状態における基材配置手段309の回転速度は、5〜50rpmが好ましい。
回転速度が5rpm未満の場合は、低回転速度制御のために回転速度が不安定になり、基材上に堆積した輝尽性蛍光体層が部分的に不均一となるため、基材上への原料堆積が不安定になる場合がある。回転速度が50rpmを越えた場合は、高回転速度制御のために回転速度が不安定になり、輝尽性蛍光体層に含まれる輝尽性蛍光体の結晶成長が不安定となるため、基材上への原料堆積が不安定になる場合がある。
堆積中に速くする回転速度が原料堆積開始時の回転速度より20%未満の場合は、回転速度が不足し、輝尽性蛍光体の結晶成長性に寄与しなくなるため、輝尽性蛍光体層の性能向上が得られなくなる場合がある。100%を越えた場合は、輝尽性蛍光体の結晶成長が不安定になり、輝尽性蛍光体層の性能劣化を招く場合がある。
堆積中に基材配置手段309の回転数を多くするタイミングは、基材上に原料を堆積中であれば特に限定はないが、より好ましくは、原料堆積開始時から総堆積時間の後半(50%)が好ましく、少なくとも1回は行うことが好ましい。基材配置手段309の回転数を多くしている時間は、総堆積時間の20〜50%が好ましい。20%未満の場合は、輝尽性蛍光体の結晶成長性に寄与しなくなるため、輝尽性蛍光体層の性能向上が得られなくなる場合がある。50%を越えた場合は、輝尽性蛍光体の結晶成長が不安定になり、輝尽性蛍光体層の性能劣化を招く場合がある。
312aは回転手段312の電流供給部を示す。電流供給部は制御手段5により制御可能とすることが好ましい。その他の符号は図3と同義である。
本図に示される気相堆積装置3bは、図3に示される様に基材配置手段309に基材4の加熱手段(不図示)、原料容器310aに原料温度制御手段、及び開口率制御手段の蓋310e、原料堆積制御手段の遮蔽板311を設け図3に示される様に制御手段5により制御することが好ましい。
気相堆積装置3bを構成している各部、各手段の関係を図4の(b)に示す概略ブロック図により説明する。
回転手段312の制御の一例としては、時間により換算された原料容器310a内の輝尽性蛍光体310bの量に関する情報は制御手段5のCPUに入力される。制御手段5に入力された情報はメモリーに予め入力されている原料容器310a内の原料(輝尽性蛍光体)310bの量と演算処理を行い、電流供給部312aへの電流供給量を変化させ、回転手段312の回転数を増加することが可能となっている。例えば原料容器310a内の輝尽性蛍光体310bの量が100%のときは定常の回転数とし、原料容器310a内の輝尽性蛍光体310bの量が80%、40%、10%の時に回転手段312の回転数を増加する様に制御してもかまわない。基材配置手段309の基材4の加熱手段(不図示)、原料容器310aの原料温度制御手段、及び開口率制御手段の蓋310e、原料堆積制御手段の遮蔽板311の各部、各手段の関係は図3の(b)に示されている関係と同じである。
本図に示す様に、基材を回転させながら原料堆積を行い、原料堆積中に少なくとも1回は、回転速度を原料堆積中に原料堆積開始時の回転速度より20〜100%速くすることで次の効果が得られる。
1)輝尽性蛍光体の結晶性が向上するために、基材と輝尽性蛍光体層との接着力が低減せずに鮮鋭性が向上する。
これらの効果に加え、本図に示される様に、基材4の温度、蓋310eの移動、原料容器310aへの電流供給及び遮蔽板311の開閉を制御部5により制御することで更に安定した高感度で、粒状性にすぐれ、輝尽性蛍光体層厚内での放射線や励起光の拡散が減少し鮮鋭性が優れ、基材と輝尽性蛍光体層の接着性が良いプレートを製造することが可能となった。
図5は基材上に形成された輝尽性蛍光体層を保護する保護手段を有する気相堆積装置を用い蒸着法により基材上に輝尽性蛍光体層を形成する一例を示す模式図である。図5の(a)は基材の回転手段を有する気相堆積装置を用い蒸着法により基材上に輝尽性蛍光体層を形成する一例を示す模式図である。図5の(b)は気相堆積装置を構成している各部、各手段の関係を示す概略ブロック図である。
図中、3cは気相堆積装置を示す。314は基材上に形成された輝尽性蛍光体層を保護する保護手段の保護部材を示す。保護部材314は気相堆積装置の対向する壁に水平に開閉可能に取り付けられた2枚の保護部材314a、314bとを有している。保護部材314の形状はとくに限定はないが、機能としては輝尽性蛍光体層を非接触で覆うことが出来ればかまわなく、勿論一枚であっても良い。気相堆積装置の形式により適宜決めることが可能である。なお、本図に示す保護部材314は遮蔽板311と同じように駆動手段314cによる開閉式の場合を示している。駆動手段314cとしては、例えばエアーシリンダーが挙げられる。保護部材314の開閉は自動的に制御するシステムとすることが好ましい。
保護部材314の開閉するタイミングは、基材上に原料堆積開始から終了までは開き、原料堆積が終了した時点から、蒸着室が減圧状態から大気圧状態へ戻るまでは閉じた状態でいることが好ましい。蒸着室が減圧状態の内に開いた場合は、基材上の輝尽性蛍光体層上に異物やゴミなどの飛散により、画像欠陥が増加する可能性が増大する場合がある。
314dは保護部材314の加熱手段(不図示)の電流供給部を示し、314eは保護部材314の温度測定手段を示す。温度測定手段314eとしては特に限定は無く、例えば熱電対、温度センサー等が挙げられる。保護部材314の加熱は保護部材314が輝尽性蛍光体層を非接触で覆う時から原料堆積中の基材温度よりも20〜100℃高温で、10〜150分間保持するように自動的に制御するシステムとすることが好ましい。保護部材の温度が原料堆積中の基材温度より+20℃未満の場合は、温度が低すぎることになり、保護部材の効果が発現しなくなるため好ましくない。+100℃を越えた場合は、温度が高すぎることになり、輝尽性蛍光体層の変質が起こり、基材上の輝尽性蛍光体層の性能が劣化したり、ヒビ、割れ等が発生する可能性が増大するため好ましくない。
保持する時間が10分未満の場合は、時間が短すぎることになり、保護部材の効果が発現しなくなるため好ましくない。150分を越えた場合は、時間が長すぎることになり、輝尽性蛍光体層の変質が起こり、基材上の輝尽性蛍光体層の性能が劣化したり、ヒビ、割れ等が発生する可能性が増大するため好ましくない。
本図に示される気相堆積装置3cは、図3に示される様に基材配置手段309に基材4の加熱手段(不図示)、図4に示される様に基材配置手段309に回転手段、原料容器310aに原料温度制御手段、及び開口率制御手段の蓋310e、原料堆積制御手段の遮蔽板311を設け図3、図4に示される様に制御手段5により制御することが好ましい。
本図は、基材上に原料堆積が終了し形成された輝尽性蛍光体層を非接触で覆い保護する保護手段の保護部材を制御部5により制御するのに加え、基材配置手段309の基材の加熱手段(不図示)、基材配置手段309の回転手段、開口率制御手段の蓋310eの移動、原料容器310aの原料温度制御手段及び遮蔽板311の開閉を制御部5により制御する場合を示している。
気相堆積装置3cを構成している各部、各手段の関係を図5の(b)に示す概略ブロック図により説明する。
保護手段の保護部材314の制御の一例としては、時間により換算された原料容器310a内の輝尽性蛍光体310bの量に関する情報は制御手段5のCPUに入力される。制御手段5に入力された情報はメモリーに予め入力されている原料容器310a内の原料(輝尽性蛍光体)310bの量と演算処理を行い、駆動手段314cを稼働させ保護部材を移動し、輝尽性蛍光体層を非接触で覆い保護することが可能となっている。
駆動手段314cにより保護部材314が移動するのに合わせ、電流供給部314dに電流が供給され温度測定手段314eの情報に従って基材上へ原料を堆積中の基材の温度よりも高い温度に保ち、メモリーに予め入力されている保持時間に従って電流供給部314dに電流が供給することが可能となっている。
蒸着室301の真空度に関する情報は制御手段5のCPUに入力される。制御手段5に入力された情報はメモリーに予め入力されている蒸着室301の真空度に関する情報と演算処理を行い、蒸着室301が大気圧に戻った時点で保護部材を輝尽性蛍光体層近傍から移動することが可能となっている。
基材配置手段309の基材4の加熱手段(不図示)、基材配置手段309の回転手段312、原料容器310aの原料温度制御手段、及び開口率制御手段の蓋310e、原料堆積制御手段の遮蔽板311の各部、各手段の関係は図3の(b)、図4の(b)に示されている関係と同じである。
本図に示す様に、基材上に輝尽性蛍光体層が形成された後、輝尽性蛍光体層を非接触で保護部材により、蒸着室が大気圧に戻るまで保護することで次の効果が得られる。
1)輝尽性蛍光体層の改質が進み、鮮鋭性が向上する。
2)蒸着室内のゴミや異物の基材への付着が防止され、画像欠陥が低減する。
これらの効果に加え、本図に示される様に、基材4の温度、基材4の回転、蓋310eの移動、原料容器310aへの電流供給及び遮蔽板311の開閉を制御部5により制御することで更に安定した高感度で、粒状性にすぐれ、輝尽性蛍光体層厚内での放射線や励起光の拡散が減少し鮮鋭性が優れ、基材と輝尽性蛍光体層の接着性が良いプレートを製造することが可能となった。
図3〜図5に示す気相堆積装置により、基材上へ輝尽性蛍光体層が形成され図1に示される輝尽性蛍光体層プレートが作製される。この後、保護層を設け、プレートに貼着することで図1に示す放射線画像変換パネルとなる。
本発明に係る蒸発源は必ずしも輝尽性蛍光体である必要はなく、輝尽性蛍光体原料を混和したものであってもよい。また、賦活剤は母体(basic substance)に対して賦活剤(actibator)を混合したものを蒸着してもよいし、母体のみを蒸着した後に賦活剤をドープしてもよい。例えば、母体であるRbBrのみを蒸着した後、例えば賦活剤であるTlをドープしてもよい。ドーピングは形成された蛍光体の母体層中にドーピング剤(賦活剤)を熱拡散、イオン注入法によって行うことができる。
また、輝尽性蛍光体層中に高光吸収率の物質、高光反射率の物質等を充填してもよい。これにより輝尽性蛍光体層の補強効果をもたせるほか、輝尽性蛍光体層に入射した輝尽励起光の横方向への光拡散をほぼ完全に防止できる。
高光反射率の物質とは、輝尽励起光(500〜900nm、特に600〜800nm)に対する反射率の高いものをいい、例えばアルミニウム、マグネシウム、銀、インジウムその他の金属等、白色顔料及び緑色から赤色領域の色材を用いることができる。
白色顔料は輝尽発光も反射することができる。白色顔料として、TiO2(アナターゼ型、ルチル型)、MgO、PbCO3・Pb(OH)2、BaSO4、Al23、M(II)FX(但し、M(II)はBa、Sr及びCaの中の少なくとも1種であり、XはCl、及びBrのうちの少なくとも1種である。)、CaCO3、ZnO、Sb23、SiO2、ZrO2、リトポン(BaSO4・ZnS)、珪酸マグネシウム、塩基性珪硫酸鉛、塩基性燐酸鉛、珪酸アルミニウム等が挙げられる。これらの白色顔料は隠蔽力が強く、屈折率が大きいため、光を反射したり、屈折させることにより輝尽発光を容易に散乱し、得られる放射線画像変換パネルの感度を顕著に向上させ得る。
また、高光吸収率の物質としては、例えば、カーボン、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化鉄等及び青の色材が用いられる。このうちカーボンは輝尽発光も吸収する。
また、色材は、有機または無機系色材のいずれでもよい。有機系色材としては、ザボンファーストブルー3G(ヘキスト製)、エストロールブリルブルーN−3RL(住友化学製)、D&CブルーNo.1(ナショナルアニリン製)、スピリットブルー(保土谷化学製)、オイルブルーNo.603(オリエント製)、キトンブルーA(チバガイギー製)、アイゼンカチロンブルーGLH(保土ヶ谷化学製)、レイクブルーAFH(協和産業製)、プリモシアニン6GX(稲畑産業製)、ブリルアシッドグリーン6BH(保土谷化学製)、シアンブルーBNRCS(東洋インク製)、ライオノイルブルーSL(東洋インク製)等が用いられる。またカラーインデクスNo.24411、23160、74180、74200、22800、23154、23155、24401、14830、15050、15760、15707、17941、74220、13425、13361、13420、11836、74140、74380、74350、74460等の有機系金属錯塩色材も挙げられる。無機系色材としては群青、コバルトブルー、セルリアンブルー、酸化クロム、TiO2−ZnO−Co−NiO系顔料が挙げられる。
以下実施例により本発明を説明するが本発明はこれにより限定されるものではない。
実施例1
以下の方法に従って、輝尽性光体層を有する放射線画像変換パネルを作製した。
(基材の準備)
厚さ1mm、大きさ30cm×30cmの結晶化ガラス(日本電気ガラス社製)を基材として準備した。
(プレートの作製)
図3に示す気相堆積装置を用い、準備した基材を蒸着室の基材配置手段に設置し、ついで蒸着源として輝尽性蛍光体(CsBr:0.001Eu)を原料容器に入れた。その後蒸着機内を一旦排気し、その後Arガスを導入し0.133Paに真空度を調整した後、基材と原料容器の距離を60cmとし、基材を回転速度10rpmで回転させ、基材の温度を約150℃に保持しながら原料容器中の温度を750℃に保ち蒸着を開始し、輝尽性蛍光体層の膜厚が150μmとなったところで表1に示す様に基材の温度を変え、変化した温度を保持し輝尽性蛍光体層の膜厚が300μmとなったところで原料の蒸発を終了させ、基材回転および加熱、Arガス導入を停止した後蒸着室を大気圧に戻し、輝尽性蛍光体層が形成されたプレートを作製し1−1〜1−5とした。又、比較として途中で基材の温度を変えずに、最初から250℃にした他は全て同じ条件でプレートを作製し1−6とした。
尚、輝尽性蛍光体層の形成にあたっては、原料容器の開口率は100%とし、原料堆積開始温度と原料温度測定手段により測定された原料容器内の輝尽性蛍光体の温度との差が−10〜+10℃になってから少なくとも30sec経過した後、遮蔽板を開き、20℃以上になったら閉じる様に設定した。
Figure 2005241430
(放射線画像変換パネルの作製)
作製したプレート1−1〜1−6の輝尽性蛍光体層の上に保護層を設けた後、カーボン繊維強化樹脂製のトレーに接着剤で固定し、プレートの周縁部を接着剤で封入して、輝尽性蛍光体層が密閉された構造の放射線画像変換パネルを作製し、試料101〜106した。尚、保護層として硼珪酸ガラスを使用し、厚さ1mmとした。接着剤は、ポリウレタン系弾性接着剤を使用した。
(評価)
作製した各試料101〜106に付き輝尽性蛍光体層と基材との剥離性(接着性)、鮮鋭性、画像欠陥、粒状性を以下に示す評価方法、評価ランクに従って評価した結果を表2に示す。
輝尽性蛍光体層と基材との剥離性(接着性)の評価方法
プレートから5cm×5cmの試験サンプルを切り出し、このサンプルの蛍光体層表面に片刃のカミソリの刃を面に対して90°の角度で、サンプルの中央に切り込みを1本入れた。この上に切り込みを跨いで市販のセロテープ(R)を張り付け、その一端を手で持って垂直に力強く引っ張って剥がし、切り込み線からの剥がされた蛍光体層の面積を目視で観察した。
輝尽性蛍光体層と基材との剥離性(接着性)の評価ランク
◎:全く剥離されなかった
○:切り込み線から僅かに剥離がみられた
△:テープ接着面の概略半分ぐらいの輝尽性蛍光体層がテープに貼り付いていた
×:テープ接着面の殆どの輝尽性蛍光体層がテープに貼り付いていた
鮮鋭性評価
鮮鋭性は、変調伝達関数(MTF)を求めて評価した。MTFは、放射線画像変換パネル試料にCTFチャートを貼付した後、各試料に80kVpのX線を10mR(被写体までの距離:1.5m)照射した後、100μmφの直径の半導体レーザ(680nm:パネル上でのパワー40mW)を用いてCTFチャート像を走査読み取りして求めた。鮮鋭性は比較試料106の鮮鋭性を1.00としたときの相対値で示す。
画像欠陥評価
Regius330(コニカミノルタエムジー(株)製)を使用し、80kVp、70mAの条件下でX線管球と各試料101〜106の間の距離を2mにしてX線撮影をした後、X線撮影後画像情報を読み取りβ画像信号を得る。このβ画像信号を2000×2000画素毎に分割して画素毎の信号値を得て画像信号とした。得られた画像信号の中で隣り合う信号値差が50step以上差がある画素を検出した個数を欠陥数とした。
画像欠陥評価ランク
○:1m2当たりの欠陥数が0個
△:1m2当たりの欠陥数が10個未満
×:1m2当たりの欠陥数が10個以上
粒状性評価
各試料101〜106に対して放射線画像の形成を下記に記載のX線照射条件にて行い、次に、励起光として680nmの半導体レーザ光を用いて放射線画像の読取を行った。読取の後、フィルム出力したX線のベタ露光画像を目視評価し、5段階ランク評価した。
X線照射条件:80kVp、200mA、0.1sec
フィルム出力条件:γ(階調)=3.0出力
評価ランク
5:粒状がほとんどわからず極めて良好
4:若干の粒状が認められるものの良好
3:粒状が認められる
2:粒状感がある
1:粒状がはっきり目立つ
Figure 2005241430
本発明の有効性が確認された。
実施例2
実施例1で作製したプレート1−2を作製する時、表3に示す様に基材の温度を輝尽性蛍光体層の厚さに合わせ変えた他は全て実施例1と同じ条件で行いプレートを作製し2−1〜2−3とした。尚、最初から基材の温度を200℃、250℃、300℃にして、途中で基材の温度を変えずに他は全て実施例1と同じ条件で行いプレートを作製し比較試料2−4〜2−6とした。
Figure 2005241430
(放射線画像変換パネルの作製)
作製したプレート2−1〜2−6を用い、実施例1と同じ方法で放射線画像変換パネルを作製し試料201〜206とした。
(評価)
作製した各試料201〜206に付き輝尽性蛍光体層と基材との剥離性(接着性)、鮮鋭性、画像欠陥、粒状性を実施例1と同じ評価方法、評価ランクに従って評価した結果を表4に示す。尚、試料201の鮮鋭性は比較試料204の鮮鋭性を1.00としたときの相対値で示し、試料202の鮮鋭性は比較試料205の鮮鋭性を1.00としたときの相対値で示し、試料203の鮮鋭性は比較試料206の鮮鋭性を1.00としたときの相対値で示す。
Figure 2005241430
本発明の有効性が確認された。
実施例3
以下の方法に従って、輝尽性光体層を有する放射線画像変換パネルを作製した。
(基材の準備)
実施例1と同じ基材を準備した。
(プレートの作製)
図4に示す気相堆積装置を用い、準備した基材を蒸着室の基材配置手段に設置し、ついで蒸着源として輝尽性蛍光体(CsBr:0.001Eu)を原料容器に入れた。その後蒸着機内を一旦排気し、その後Arガスを導入し0.133Paに真空度を調整した後、基材と原料容器の距離を60cmとし、基材を回転速度10rpmで回転させ、基材の温度を約150℃に保持しながら原料容器中の温度を750℃に保ち蒸着を開始し、輝尽性蛍光体層の膜厚が150μmとなったところで表5に示す様に基材の回転速度を変え、変化した回転速度を保持し輝尽性蛍光体層の膜厚が300μmとなったところで原料の蒸発を終了させ、基材回転および加熱、Arガス導入を停止した後蒸着室を大気圧に戻し、輝尽性蛍光体層が形成されたプレートを作製し3−1〜3−5とした。又、比較として途中で基材の回転速度を変えずに、最初から回転速度10rpmにした他は全て同じ条件でプレートを作製し3−6とした。
尚、輝尽性蛍光体層の形成にあたっては、原料容器の開口率は100%とし、原料堆積開始温度と原料温度測定手段により測定された原料容器内の輝尽性蛍光体の温度との差が−10〜+10℃になってから少なくとも30sec経過した後、遮蔽板を開き、20℃以上になったら閉じる様に設定した。
Figure 2005241430
(放射線画像変換パネルの作製)
作製したプレート3−1〜3−6の輝尽性蛍光体層の上に保護層を設けた後、カーボン繊維強化樹脂製のトレーに接着剤で固定し、プレートの周縁部を接着剤で封入して、輝尽性蛍光体層が密閉された構造の放射線画像変換パネルを作製し、試料301〜306した。尚、保護層として硼珪酸ガラスを使用し、厚さ1mmとした。接着剤は、ポリウレタン系弾性接着剤を使用した。
(評価)
作製した各試料301〜306に付き輝尽性蛍光体層と基材との剥離性(接着性)、鮮鋭性、画像欠陥、粒状性を実施例1と同じ評価方法、評価ランクに従って評価した結果を表6に示す。尚、鮮鋭性は比較試料306の鮮鋭性を1.00としたときの相対値で示す。
Figure 2005241430
本発明の有効性が確認された。
実施例4
実施例3で作製したプレート3−3を作製する時、表7に示す様に基材の回転速度を輝尽性蛍光体層の厚さに合わせ変えた他は全て実施例3と同じ条件で行いプレートを作製し4−1〜4−3とした。尚、最初から基材の回転速度を14rpm、18rpm、20rpmにして、途中で基材の回転速度を変えずに他は全て実施例1と同じ条件で行いプレートを作製し比較試料4−4〜4−6とした。
Figure 2005241430
(放射線画像変換パネルの作製)
作製したプレート4−1〜4−6を用い、実施例1と同じ方法で放射線画像変換パネルを作製し試料401〜406とした。
(評価)
作製した各試料401〜406に付き輝尽性蛍光体層と基材との剥離性(接着性)、鮮鋭性、画像欠陥、粒状性を実施例1と同じ評価方法、評価ランクに従って評価した結果を表8に示す。尚、試料401の鮮鋭性は比較試料404の鮮鋭性を1.00としたときの相対値で示し、試料402の鮮鋭性は比較試料405の鮮鋭性を1.00としたときの相対値で示し、試料403の鮮鋭性は比較試料406の鮮鋭性を1.00としたときの相対値で示す。
Figure 2005241430
本発明の有効性が確認された。
実施例5
以下の方法に従って、輝尽性光体層を有する放射線画像変換パネルを作製した。
(基材の準備)
実施例1と同じ基材を準備した。
(プレートの作製)
図5に示す気相堆積装置を用い、準備した基材を蒸着室の基材配置手段に設置し、ついで蒸着源として輝尽性蛍光体(CsBr:0.001Eu)を原料容器に入れた。その後蒸着機内を一旦排気し、その後Arガスを導入し0.133Paに真空度を調整した後、基材と原料容器の距離を60cmとし、基材を回転速度10rpmで回転させ、基材の温度を約150℃に保持しながら原料容器中の温度を750℃に保ち蒸着を開始し、輝尽性蛍光体層の膜厚が300μmとなったところで原料の蒸発を終了させ、輝尽性蛍光体層を保護部材で非接触で覆い、表9に示す様に基材の温度と保持時間を変え保持した後、基材回転および加熱、Arガス導入を停止した後蒸着室を大気圧に戻し、輝尽性蛍光体層が形成されたプレートを作製し5−1〜5−13とした。又、比較として原料の蒸発を終了させた後、形成された輝尽性蛍光体層を保護せず、基材回転および加熱、Arガス導入を停止した後蒸着室を大気圧に戻した他は全て同じ条件でプレートを作製し5−14とした。
尚、輝尽性蛍光体層の形成にあたっては、原料容器の開口率は100%とし、原料堆積開始温度と原料温度測定手段により測定された原料容器内の輝尽性蛍光体の温度との差が−10〜+10℃になってから少なくとも30sec経過した後、遮蔽板を開き、20℃以上になったら閉じる様に設定した。
Figure 2005241430
(放射線画像変換パネルの作製)
作製したプレート5−1〜5−14の輝尽性蛍光体層の上に保護層を設けた後、カーボン繊維強化樹脂製のトレーに接着剤で固定し、プレートの周縁部を接着剤で封入して、輝尽性蛍光体層が密閉された構造の放射線画像変換パネルを作製し、試料501〜514とした。尚、保護層として硼珪酸ガラスを使用し、厚さ1mmとした。接着剤は、ポリウレタン系弾性接着剤を使用した。
(評価)
作製した各試料501〜514に付き輝尽性蛍光体層と基材との剥離性(接着性)、鮮鋭性、画像欠陥、粒状性を実施例1と同じ評価方法、評価ランクに従って評価した結果を表10に示す。尚、鮮鋭性は比較試料514の鮮鋭性を1.00としたときの相対値で示す。
Figure 2005241430
本発明の有効性が確認された。
気相堆積法によって基材上に形成した輝尽性蛍光体層を有するプレートを使用した放射線画像変換パネルの一例を示す概略断面図である。 放射線画像変換パネルを用いた放射線像変換方法を示す模式図である。 基材配置手段に基材温度制御手段を有する気相堆積装置を用い蒸着法により基材上に輝尽性蛍光体層を形成する一例を示す模式図である。 基材の回転手段を有する気相堆積装置を用い蒸着法により基材上に輝尽性蛍光体層を形成するの一例を示す模式図である。 基材上に形成された輝尽性蛍光体層を保護する保護手段を有する気相堆積装置を用い蒸着法により基材上に輝尽性蛍光体層を形成する一例を示す模式図である。
符号の説明
1、2c 放射線画像変換パネル
1a 放射線画像変換プレート
1a1 基材
1a2 輝尽性蛍光体層
1b 保護層
1c トレー
3a、3b、3ca 気相堆積装置
301 蒸着室
306 真空度測定計
309 基材配置手段
309a、310a1、312a、314d 電流供給部
309b、314e 温度測定手段
310 原料蒸発手段
310a、310e1、311a、314c 駆動手段
310c 原料温度測定手段
310e 蓋
311 遮蔽板
312 回転手段
314 保護部材
4 基材
5 制御手段

Claims (13)

  1. 基材上に少なくとも1層の輝尽性蛍光体層を気相堆積装置を使用して形成する放射線画像変換プレートの製造方法において、
    該気相堆積装置は減圧手段で減圧される蒸着室と、
    該蒸着室は、内部の真空度を測定する測定手段と、該基材の基材配置手段と、原料容器内の原料を蒸発させる原料蒸発手段と、
    前記基材の加熱手段および温度測定手段とを有する基材温度制御手段とを有し、
    該減圧手段により前記蒸着室を減圧状態にした後、該基材温度制御手段により、前記基材上へ該原料を堆積中に前記基材の温度の制御を行いながら前記基材上に原料堆積を行うことを特徴とする放射線画像変換プレートの製造方法。
  2. 前記基材温度制御手段は、基材上へ原料を堆積中に該基材の温度を少なくとも1回は、原料堆積開始時の前記基材の温度よりも20〜200℃高く制御することを特徴とする請求項1に記載の放射線画像変換プレートの製造方法。
  3. 基材上に少なくとも1層の輝尽性蛍光体層を気相堆積装置を使用して形成する放射線画像変換プレートの製造方法において、
    該気相堆積装置は減圧手段で減圧される蒸着室と、
    該蒸着室は、内部の真空度を測定する測定手段と、
    該基材の回転手段と回転制御手段とを有する基材配置手段と、
    原料容器内の原料を蒸発させる原料蒸発手段とを有し、
    該減圧手段により前記蒸着室を減圧状態にした後、該回転手段により前記基材を回転させながら前記基材上へ該原料を堆積中に、該回転制御手段により前記基材の回転数の制御を行いながら前記基材上に原料堆積を行うことを特徴とする放射線画像変換プレートの製造方法。
  4. 前記回転制御手段は、基材上へ原料を堆積中に該基材の回転数を少なくとも1回は、原料堆積開始時の前記基材の回転速度よりも20〜100%速く制御することを特徴とする請求項3に記載の放射線画像変換プレートの製造方法。
  5. 基材上に少なくとも1層の輝尽性蛍光体層を気相堆積装置を使用して形成する放射線画像変換プレートの製造方法において、
    該気相堆積装置は減圧手段で減圧される蒸着室と、
    該蒸着室は、内部の真空度を測定する測定手段と、該基材の基材配置手段と、原料容器内の原料を蒸発させる原料蒸発手段と、
    該輝尽性蛍光体層を非接触で保護する加熱手段を有する保護手段とを有し、
    該減圧手段により前記蒸着室を減圧状態にし、前記基材上へ該原料を堆積し、前記輝尽性蛍光体層を形成した後、
    該保護手段により前記輝尽性蛍光体層を保護し、
    該加熱手段により前記保護手段を原料堆積中の基材温度よりも20〜100℃高温で、10〜150分間保持することを特徴とする放射線画像変換プレートの製造方法。
  6. 前記保護手段が輝尽性蛍光体層の表面を非接触で覆う保護板とを有していることを特徴とする請求項5に記載の放射線画像変換プレートの製造方法。
  7. 前記蒸着室は、輝尽性蛍光体層の表面を保護手段で保護した状態で、減圧状態から大気圧状態へ戻すことを特徴とする請求項5又は6に記載の放射線画像変換プレートの製造方法。
  8. 請求項1に記載の放射線画像変換プレートの製造方法において、請求項3に記載の放射線画像変換プレートの製造方法に用いた回転手段と回転制御手段とを用いることを特徴とする放射線画像変換プレートの製造方法。
  9. 請求項1に記載の放射線画像変換プレートの製造方法において、請求項5に記載の放射線画像変換プレートの製造方法に用いた保護手段を用いることを特徴とする放射線画像変換プレートの製造方法。
  10. 請求項1に記載の放射線画像変換プレートの製造方法において、請求項3に記載の放射線画像変換プレートの製造方法に用いた基材の回転手段と回転制御手段と、請求項5に記載の放射線画像変換プレートの製造方法に用いた前記保護手段を用いることを特徴とする放射線画像変換プレートの製造方法。
  11. 請求項3に記載の放射線画像変換プレートの製造方法において、請求項5に記載の放射線画像変換プレートの製造方法に用いた前記保護手段を用いることを特徴とする放射線画像変換プレートの製造方法。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の放射線画像変換プレートの製造方法により製造された放射線画像変換プレートにおいて、基材上に形成された少なくとも1層の輝尽性蛍光体層に含まれる輝尽性蛍光体が柱状結晶を含有することを特徴とする放射線画像変換プレート。
  13. 前記柱状結晶が下記一般式(1)で表される輝尽性蛍光体であることを特徴とする請求項12に記載の放射線画像変換プレート。
    一般式(1) CsX:yA
    〔式中、XはBrまたはIを表し、AはEu、In、TbまたはCsを表す。yは1×10-7〜1×10-1までの数値を表す〕
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