JP2005241083A - 厨房用空気処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 脱臭手段としての脱臭フィルタの交換作業回数を低減し、且つ、フィルタにて処理し難い臭気成分の処理を実現することができる厨房用空気処理装置を提供する。
【解決手段】 厨房において食材を調理するフライヤー5の上方に配置され、フライヤー5からの排気を処理する空気処理部1を備えた調理装置Sにおいて、フライヤー5からの排気中の油分を除去するグリスフィルタ20と、フライヤー5からの排気中の水分を除去するための除湿手段としての冷却装置6と、排気中の臭気成分を除去する脱臭器9と、冷却装置6と脱臭器9の間に設けられ、フライヤー5からの排気をグリスフィルタ20を経て冷却装置6及び脱臭器9に順次送給するための送風機7とを備え、送風機7と脱臭器9の間に、紫外線ランプ60と通気性の光触媒装置61を設けた。
【選択図】 図2
【解決手段】 厨房において食材を調理するフライヤー5の上方に配置され、フライヤー5からの排気を処理する空気処理部1を備えた調理装置Sにおいて、フライヤー5からの排気中の油分を除去するグリスフィルタ20と、フライヤー5からの排気中の水分を除去するための除湿手段としての冷却装置6と、排気中の臭気成分を除去する脱臭器9と、冷却装置6と脱臭器9の間に設けられ、フライヤー5からの排気をグリスフィルタ20を経て冷却装置6及び脱臭器9に順次送給するための送風機7とを備え、送風機7と脱臭器9の間に、紫外線ランプ60と通気性の光触媒装置61を設けた。
【選択図】 図2
Description
本発明は、レストランなどの厨房に設置されて食材の調理を行う調理手段から発生する排気を処理するための厨房用空気処理装置、特に、当該厨房用空気処理装置に設けられる臭気処理手法に関するものである。
従来よりホテルやレストラン、ファーストフード店などの厨房では、フライヤーやグリドルなどの調理器により食材の調理が行われている。これら調理器からは水分や臭いを多く含んだ蒸気或いは湯気(以下、排気と云う)が立ち上り、或いは、飛散するものであるが、従来ではフードを調理器の上方に配置し、調理器から生じる排気を送風機によりフード内に収集して外部に排出していた(例えば、特許文献1参照。)。そして、外部より給気を行って厨房内を換気し、作業者の作業環境維持を図っていた。
しかしながら、特にビル地下街などに出店するレストランやファーストフード店では調理器から出る排気を外部に排出することが建物の構造上困難となる場合もあり、係る場合には厨房内に湿気や臭いが充満し、作業環境が劣悪化する問題があった。
そこで、従来では調理器から発生する排気中の水分を除去するための除湿手段と、排気中の臭気を処理するための脱臭手段とを備えた厨房用空気処理装置が開発されている。この厨房用空気処理装置は、調理器の上方に設置され、調理器からの排気を、除湿手段を構成する冷却器に送給し、除湿処理した後の排気を、脱臭手段を構成する脱臭フィルタに送給し、脱臭処理した後の排気を厨房内に排出するものである。
特開平8−94140号公報
上述した如き従来の厨房用空気処理装置は、脱臭手段として多孔質の例えば活性炭を含有する脱臭フィルタが用いられている。しかしながら、活性炭による臭気吸着処理では、ある程度の排気処理によって吸着能力が低下し、頻繁にフィルタ交換の作業を行わなければならない。そのため、作業の面からもコストの面からも継続的に臭気処理能力を発揮できる脱臭手段を備えた厨房用空気処理装置の開発が望まれていた。
そこで、継続的に使用できる脱臭手段として光触媒を用いたものが開発されている。しかしながら、この種厨房用の機器では、排気中に多量の油や水分が含まれているため、直接光触媒に排気空気を通過させると、触媒の表面に油や水分が付着し、触媒による臭気分解能力が低下し、継続的な臭気処理が望めないという問題があった。
請求項1の発明の厨房用空気処理装置は、厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、調理手段からの排気を処理するものであって、調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、除湿手段と脱臭手段の間に設けられ、調理手段からの排気を油分除去手段を経て除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、送風手段と脱臭手段の間に、紫外線ランプと通気性の光触媒装置を設けたものである。
請求項2の発明の厨房用空気処理装置は、厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、調理手段からの排気を処理するものであって、調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、除湿手段と脱臭手段の間に設けられ、調理手段からの排気を油分除去手段を経て除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、送風手段と脱臭手段の間における送風手段の空気下流側に設けられた通気性の第1の光触媒装置と、該第1の光触媒装置の空気下流側に設けられた紫外線ランプと、該紫外線ランプと脱臭手段の間における紫外線ランプの空気下流側に設けられた通気性の第2の光触媒装置を備えたものである。
請求項3の発明の厨房用空気処理装置は、厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、調理手段からの排気を処理するものであって、調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、除湿手段と脱臭手段の間に設けられ、調理手段からの排気を油分除去手段を経て除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、送風手段と脱臭手段の間における送風手段の空気下流側に設けられた紫外線ランプと、脱臭手段の空気流入部に設けられた通気性の光触媒装置を備えたものである。
請求項4の発明の厨房用空気処理装置は、厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、調理手段からの排気を処理するものであって、調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、調理手段からの排気を油分除去手段を経て除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、脱臭手段の空気下流側に、紫外線ランプと通気性の光触媒装置を設けたものである。
請求項5の発明の厨房用空気処理装置は、厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、調理手段からの排気を処理するものであって、調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、調理手段からの排気を油分除去手段を経て除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、脱臭手段の空気下流側に設けられた通気性の第1の光触媒装置と、該第1の光触媒装置の空気下流側に設けられた紫外線ランプと、該紫外線ランプの空気下流側に設けられた通気性の第2の光触媒装置を備えたものである。
請求項6の発明の厨房用空気処理装置は、厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、調理手段からの排気を処理するものであって、調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、調理手段からの排気を油分除去手段を経て除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、脱臭手段の空気流出部に設けられた通気性の光触媒装置と、該光触媒装置の空気下流側に設けられた紫外線ランプを備えたものである。
請求項7の発明の厨房用空気処理装置は、上記各発明において、脱臭手段、紫外線ランプ又は光触媒装置を通過した後の最終排出部に至る経路にオゾン分解触媒を設けたものである。
請求項8の発明の厨房用空気処理装置は、上記各発明において、光触媒装置は、二酸化チタンをハニカム、又は、スポンジ体、若しくは、不織繊維体の表面に塗布して構成されたものである。
請求項1の発明によれば、厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、調理手段からの排気を処理する厨房用空気処理装置において、調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、除湿手段と脱臭手段の間に設けられ、調理手段からの排気を油分除去手段を経て除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、該送風手段と脱臭手段の間に、紫外線ランプと通気性の光触媒装置を設けたので、調理手段からの排気中の油分を油分除去手段により油分除去処理し、油分除去処理された後の排気中の水分を除湿手段により除湿冷却し、除湿処理された後の排気を光触媒装置及び脱臭手段によって臭気処理することができるようになる。
これにより、光触媒装置に排気が到達する以前に、調理手段からの排気中の油分や水分を除去することができるため、光触媒装置に油分や水分が付着し、臭気成分除去能力が低下する不都合を抑制することができるようになる。
また、送風手段と脱臭手段の間に光触媒装置が設けられているため、送風手段にて排気の圧力を上昇させた状態で、排気を光触媒装置に通過させることができ、残留する排気中の油分や水分の付着が抑制され、該光触媒装置の継続的な使用が可能となる。
光触媒装置によって一旦排気中の臭気成分の処理を行った後、脱臭手段にて脱臭処理を行うため、脱臭手段に加わる処理負荷を軽減することができ、当該脱臭手段のメンテナンス作業性を向上させることができると共に、脱臭手段にて処理し難い臭気成分の処理も可能となる。
請求項2の発明によれば、厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、調理手段からの排気を処理する厨房用空気処理装置において、調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、除湿手段と脱臭手段の間に設けられ、調理手段からの排気を油分除去手段を経て除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、該送風手段と脱臭手段の間における送風手段の空気下流側に設けられた通気性の第1の光触媒装置と、該第1の光触媒装置の空気下流側に設けられた紫外線ランプと、該紫外線ランプと脱臭手段の間における紫外線ランプの空気下流側に設けられた通気性の第2の光触媒装置を備えたので、調理手段からの排気中の油分を油分除去手段により油分除去処理し、油分除去処理された後の排気中の水分を除湿手段により除湿冷却し、除湿処理された後の排気を第1及び第2の光触媒装置及び脱臭手段によって臭気処理することができるようになる。
これにより、光触媒装置に排気が到達する以前に、調理手段からの排気中の油分や水分を除去することができるため、光触媒装置に油分や水分が付着し、臭気成分除去能力が低下する不都合を抑制することができるようになる。
また、送風手段と脱臭手段の間に光触媒装置が設けられているため、送風手段にて排気の圧力を上昇させた状態で、排気を光触媒装置に通過させることができ、残留する排気中の油分や水分の付着が抑制され、該光触媒装置の継続的な使用が可能となる。
特に、請求項2の発明では、紫外線ランプによって2つの光触媒装置において臭気成分分解能力を発揮することができるため、より一層、後段における脱臭手段に加わる処理負荷を軽減することができ、当該脱臭手段のメンテナンス作業性を向上させることができると共に、脱臭手段にて処理し難い臭気成分の処理も可能となる。
請求項3の発明によれば、厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、調理手段からの排気を処理する厨房用空気処理装置において、調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、除湿手段と脱臭手段の間に設けられ、調理手段からの排気を油分除去手段を経て除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、該送風手段と脱臭手段の間における送風手段の空気下流側に設けられた紫外線ランプと、脱臭手段の空気流入部に設けられた通気性の光触媒装置を備えたので、調理手段からの排気中の油分を油分除去手段により油分除去処理し、油分除去処理された後の排気中の水分を除湿手段により除湿冷却し、除湿処理された後の排気を光触媒装置及び脱臭手段によって臭気処理することができるようになる。
これにより、光触媒装置に排気が到達する以前に、調理手段からの排気中の油分や水分を除去することができるため、光触媒装置に油分や水分が付着し、臭気成分除去能力が低下する不都合を抑制することができるようになる。
また、送風手段の空気下流側に紫外線ランプが設けられて、脱臭手段の空気流入部に光触媒装置が設けられているため、光触媒装置の触媒面積を増加させることができると共に、光触媒装置における通過速度を遅延させることができる。これにより、光触媒装置と排気の接触時間を延長することができ、臭気成分分解効果を増大させることができるようになる。
また、光触媒装置によって一旦排気中の臭気成分の処理を行った後、脱臭手段にて脱臭処理を行うため、脱臭手段に加わる処理負荷を軽減することができ、当該脱臭手段のメンテナンス作業性を向上させることができると共に、脱臭手段にて処理し難い臭気成分の処理も可能となる。
更にまた、交換などのメンテナンスを必要とする脱臭手段の空気流入部に光触媒装置を設けることで、光触媒装置の点検や洗浄などのメンテナンスも容易となる。
請求項4の発明によれば、厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、調理手段からの排気を処理する厨房用空気処理装置において、調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、調理手段からの排気を油分除去手段を経て除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、脱臭手段の空気下流側に、紫外線ランプと通気性の光触媒装置を設けたので、調理手段からの排気中の油分を油分除去手段により油分除去処理し、油分除去処理された後の排気中の水分を除湿手段により除湿冷却し、除湿処理された後の排気を脱臭手段及び光触媒装置によって臭気処理することができるようになる。
これにより、光触媒装置に排気が到達する以前に、調理手段からの排気中の油分や水分を除去し、脱臭手段において臭気処理を行うことができるため、光触媒装置に加わる処理負荷を軽減することができ、臭気成分分解能力の向上を図ることができる。
請求項5の発明によれば、厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、調理手段からの排気を処理する厨房用空気処理装置において、調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、調理手段からの排気を油分除去手段を経て除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、脱臭手段の空気下流側に設けられた通気性の第1の光触媒装置と、該第1の光触媒装置の空気下流側に設けられた紫外線ランプと、該紫外線ランプの空気下流側に設けられた通気性の第2の光触媒装置を備えたので、調理手段からの排気中の油分を油分除去手段により油分除去処理し、油分除去処理された後の排気中の水分を除湿手段により除湿冷却し、除湿処理された後の排気を脱臭手段及び光触媒装置によって臭気処理することができるようになる。
これにより、光触媒装置に排気が到達する以前に、調理手段からの排気中の油分や水分を除去し、脱臭手段において臭気処理を行うことができるため、光触媒装置に加わる処理負荷を軽減することができ、臭気成分分解能力の向上を図ることができる。
特に、請求項5の発明では、紫外線ランプによって2つの光触媒装置において臭気成分分解能力を発揮することができるため、より一層、効果的に光触媒装置による臭気処理を行うことができるようになる。
請求項6の発明によれば、厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、調理手段からの排気を処理する厨房用空気処理装置において、調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、調理手段からの排気を油分除去手段を経て除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、脱臭手段の空気流出部に設けられた通気性の光触媒装置と、該光触媒装置の空気下流側に設けられた紫外線ランプを備えたので、調理手段からの排気中の油分を油分除去手段により油分除去処理し、油分除去処理された後の排気中の水分を除湿手段により除湿冷却し、除湿処理された後の排気を脱臭手段及び光触媒装置によって臭気処理することができるようになる。
これにより、光触媒装置に排気が到達する以前に、調理手段からの排気中の油分や水分を除去し、脱臭手段において臭気処理を行うことができるため、光触媒装置に加わる処理負荷を軽減することができ、臭気成分分解能力の向上を図ることができる。
また、脱臭手段の空気流出部に光触媒装置が設けられて、光触媒装置の空気下流側に紫外線ランプが設けられているため、光触媒装置の触媒面積を増加させることができると共に、光触媒装置における通過速度を遅延させることができる。これにより、光触媒装置と排気の接触時間を延長することができ、臭気成分分解効果を増大させることができるようになる。
更にまた、交換などのメンテナンスを必要とする脱臭手段の空気流出部に光触媒装置を設けることで、光触媒装置の点検や洗浄などのメンテナンスも容易となる。
請求項7の発明によれば、上記各発明において、脱臭手段、紫外線ランプ又は光触媒装置を通過した後の最終排出部に至る経路にオゾン分解触媒を設けたので、光触媒装置による臭気成分の酸化還元分解反応時に生じるオゾンなどの活性ラジカル種をオゾン分解触媒にて処理することができ、人体に影響を与えない状態で排気を厨房内に排出することができるようになる。
請求項8の発明によれば、上記各発明において、光触媒装置は、二酸化チタンをハニカム、又は、スポンジ体、若しくは、不織繊維体の表面に塗布して構成されているので、容易に通風性を有する光触媒装置を構成することができるようになり、上記各発明を実現することが可能となる。
本発明は従来の技術的課題を解決するために成されたものであり、脱臭手段としての脱臭フィルタの交換作業回数を低減し、且つ、フィルタにて処理し難い臭気成分の処理を実現することができる厨房用空気処理装置を提供するものである。以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。図1は本発明の厨房用空気処理装置としての空気処理部1を備えた調理装置Sの縦断側面図、図2は調理装置Sの部分拡大断面図である。
調理装置Sはホテルやレストラン、ファーストフード店などの厨房に設置されるものであり、略縦長矩形状の外装フレーム4に調理手段としてのフライヤー5、除湿手段としての冷却装置6、シロッコファンから成る送風手段としての送風機7、脱臭手段としての脱臭器9などを組み付けて一体的に構成されている。
外装フレーム4の略中央は奥側に凹陥して前面及び左右面が開放した作業領域4Cとされており、この作業領域4Cの上面は中央が高く略湾曲したフード部4Dとされている。そして、前記フライヤー5はこの作業領域4Cの下部に配置されて作業者の腰付近の高さとされている。このフライヤー5は、例えばポテトなどの食材をざるごと収容できる容量を有する上面開口の金属製フライ釜5Aと、このフライ釜5Aに誘導渦電流を流して発熱させ、フライ釜5A内の油を加熱するためのIH加熱装置などから構成されている。また、外装フレーム4の下部には機械室4Aが構成され、この機械室4A内には前記冷却装置6を構成する圧縮機10、凝縮器11や凝縮器用送風機8などが設置されている。尚、圧縮機10、凝縮器用送風機8は、図示しない制御装置に接続されているものとする。
一方、外装フレーム4の上部4B内の上側には、外装フレーム4の背面を形成する背面部4Eと所定間隔を存して断熱箱体12が取り付けられており、この背面部4Eと断熱箱体12との間、及び、該背面部4Eと断熱箱体12の下端から前記機械室4Aにまで渡って形成される背面板4Fとの間には、上方に開放すると共に、前記機械室4A内と連通する一連の背面ダクト15が形成されている。このため、機械室4A内の廃熱は、背面ダクト15を上昇して、調理装置Sの上方から外部に排出することができるようになる。また、調理装置Sの上方から排出された廃熱は、通常、厨房の天井面などに設けられる一般換気口より厨房外に排出することができる。
断熱箱体12は、前方及び下方に開口していると共に、この断熱箱体12内には、該断熱箱体12内を前後に区画する仕切板16が設けられている。これにより、該仕切板16の後方には、除湿用ダクト17が形成されると共に、仕切板16の前方には、脱臭用ダクト18が形成され、これら除湿用ダクト17及び脱臭用ダクト18により空気処理用ダクトが構成される。尚、この仕切板16は、断熱箱体12の上部において除湿用ダクト17と脱臭用ダクト18が連通するように開放して形成されているものとする。
そして、この断熱箱体12内後部即ち、除湿用ダクト17の下側には、前記冷却装置6の冷媒サイクルを構成するフィンチューブタイプの冷却器13が収納設置され、その上側にはこれも冷却装置6の冷媒サイクルを構成するフィンチューブタイプの加熱器14が収納設置されている。尚、冷却器13の下方には、断熱箱体12の下奥部に位置してドレン受け32が設けられており、このドレン受け32には、該ドレン受け32に受容された水を外部に排出するためのドレンホース33が接続されている。
そして、加熱器14の上側の断熱箱体12内には、除湿用ダクト17内の排気を脱臭用ダクト18内に送給するための前記送風機7が収納設置されている。尚、この送風機7は、前記制御装置に接続されているものとする。また、送風機7の前側、即ち、送風機7の空気下流側には紫外線ランプ60が設けられており、更にこの紫外線ランプ60の下側には、光触媒装置61が設けられている。
この光触媒装置61は、図3の斜視図及び図4の断面図に示すような上下方向に複数の開口を有するハニカムにより本体を構成し、当該ハニカムの表面に光触媒としての二酸化チタンを塗布することにより構成される。この光触媒は、励起光源としての紫外線ランプが照射されると、表面に付着した水分や接触した排気中の水分を酸化して、ヒドロキシラジカルを生成すると共に、酸素を還元してスーパーオキサイドイオンを生成するものである。これらヒドロキシラジカルやスーパーオキサイドイオンは強い酸化作用があるため、ハニカム内に流入する排気中の有機物を二酸化炭素と水に分解する。そのため、排気中に含まれる臭気成分や汚染物質を分解除去することができる。尚、本実施例では、本体として通気性を有するハニカムを用いているが、これ以外にも、通気性を有するスポンジ体や不織繊維体などを用いても同様の効果を奏する。
そして、この光触媒装置61の空気下流側、即ち、脱臭用ダクト18内には前記脱臭器9が収納設置されている。この脱臭器9は例えば、複数の略V字状に成型された多孔質の例えば活性炭を含有する脱臭フィルタ9A(後述する図6及び図10のみ図示する。)などから構成されており、各脱臭フィルタ9Aは、それぞれ前方から抜き差し可能とされており、各脱臭フィルタ9Aが独立して交換可能とされているものとする。
また、この断熱箱体12の前面には、当該前面開口を開閉自在に密閉するための隔壁22が設けられている。この隔壁22の下部には、断熱箱体12内に形成される脱臭用ダクト18の脱臭器9の下方に対応して排気連通部28が形成されている。
更にまた、この隔壁22の前方には、外装ケース4の上部に位置する空気処理部1の前方を開閉自在に閉塞するための扉2が設けられている。この扉2は、内部中空とされており、当該扉2内に排気ダクト25が形成されている。そして、この扉2の前面上部には、排気口26が複数形成されていると共に、扉2の後面下部には、前記隔壁22の排気連通部28を介して断熱箱体12内の排気を排気ダクト25内に流入させるための吸込口27が形成されている。そして、この排気ダクト25内には、紫外線ランプ60及び光触媒装置61において生成されたオゾンなどの強い酸化力を有する活性酸素を分解処理するオゾン分解触媒62が設けられている。尚、このとき、扉2の後面若しくは、隔壁22の前面には、全周囲に渡ってシール部材としてのパッキン29が設けられていると共に、扉2が閉じた状態で、吸込口27の周縁部及び排気連通部28の周縁部とを密閉するためのパッキン30が設けられている。
これにより、脱臭用ダクト18内の脱臭フィルタ9Aを交換する際には、扉2を開放し、隔壁22を開放することにより、断熱箱体12の前方より容易に脱臭フィルタ9Aの交換を行うことができる。そのため、脱臭フィルタ9Aのメンテナンス作業性が向上し、利便性が良くなる。
一方、作業領域4C上部に位置するフード部4D奥側(フライヤー5の上方奥側)には、吸気口19が形成されて作業領域4Cに臨んでおり、この吸気口19の下方には、前記除湿用ダクト17の前端から後端に位置して前方から後方へ低く傾斜して形成されるグリスフィルタ(油分除去手段)20が取り付けられている。このグリスフィルタ20はオイルミストを付着除去するために網状を呈している。尚、このグリスフィルタ20の下端には、該グリスフィルタ20に付着したオイル(油分)を受容するための油受け34が設けられているものとする。
そして、吸気口19の上方に対応する位置の除湿用ダクト17の下部であって、前記ドレン受け32の前方には、吸込口21が形成されている。
他方、作業領域4Cのフード部4Dには照明(蛍光灯)38が取り付けられている。この照明38の下方には、該照明38の下面を被覆するように酸化チタンを被覆した透光性の照明カバー39が設けられているものとする。
尚、図1中40は断熱箱体12内において吸込口21から冷却器13、加熱器14、送風機7、紫外線ランプ60、光触媒装置61及び脱臭器9と順次経て排気連通部28に至る除湿用ダクト17及び脱臭用ダクト18を構成するためのファンケーシングである。
以上の構成で次に調理装置Sの動作について説明する。前記制御装置により前記冷却装置6の圧縮機10及び送風機7が運転されると、加熱器14が加熱作用を発揮し、冷却器13が冷却作用を発揮すると共に、調理装置Sの作業空間4Cに生じた排気は、グリスフィルタ20を介して吸込口21から断熱箱体12内の除湿用ダクト17内に吸い込まれ、冷却器13、加熱器14、送風機7、紫外線ランプ60、光触媒装置61、脱臭用ダクト18の脱臭器9、扉2内の排気ダクト25と順次通過して排気口26より調理装置S外に吐出される空気の流通が形成される。
一方、フライヤー5からは湿気(湯気)、オイルミスト及び臭いを大量に含んだ排気が作業領域4Cのフード部4Dに向けて立ち上り、上部奥側の吸気口21に吸い込まれていく。この吸気口21に吸い込まれた排気中のオイルミストは、グリスフィルタ20を通過する過程でそこに付着除去される。尚、グリスフィルタ20に付着したオイル(油分)はグリスフィルタ20の下端に取り付けられたオイル受け34に収集されて廃棄される。
上述の如くグリスフィルタ20を通過した排気は、吸込口21から断熱箱体12の除湿用ダクト17内に吸い込まれ、やがて冷却器13に至る。冷却器13に至った排気はそこを通過する過程で冷却されるので、排気中に含まれる湿気(水分)は露となって冷却器13の表面に付着する。これにより排気は除湿される。尚、冷却器13に付着した排気はドレン受け32により受容されドレンホース33を介して外部に廃棄される。
係る冷却器13にて除湿された後の排気は、次に加熱器14に至り、そこを通過する過程で加熱されるので、排気の相対湿度は低下する。係る相対湿度の低下した排気は、送風機7を経て紫外線ランプ60にて照射される光触媒装置61に至る。この光触媒装置61を通過した排気は、光触媒の有機物分解能力によって臭気成分の除去処理が行われる。
ここで、本実施例では、光触媒装置61は、上述した如くグリスフィルタ20、冷却装置6の空気下流側に設置されていることから、油分除去処理及び除湿処理が行われた排気を光触媒装置61内に流入させることができる。そのため、光触媒装置61に油分や水分が付着し、臭気成分除去能力が低下する不都合を抑制することができる。
また、送風機7と脱臭器9との間に光触媒装置61を設けているため、送風機7にて排気の圧力を上昇させた状態で、排気を光触媒装置61に通過させることができ、残留する排気中の油分や水分の付着が抑制され、該光触媒装置61の継続的な使用が可能となる。
そして、光触媒装置61において、臭気成分が分解処理された後の排気は、脱臭用ダクト18内の脱臭器9に至り、脱臭フィルタ9Aを通過する過程で排気中残留する臭気成分が吸着される。この脱臭器9を通過した排気は、扉2が閉じた状態で排気連通部28により円滑に排気ダクト25内に送給される。排気ダクト25内に流入した排気は、排気ダクト25内を上昇し、最終的に排気口26より装置Sの外部(厨房内)に吹き出される。
尚、本実施例では、脱臭器9には、光触媒装置61によって一旦臭気成分の処理を行った後の排気が流入するため、係る脱臭器9に加わる処理負荷を軽減することができ、当該脱臭器9のメンテナンス作業性、即ち脱臭フィルタ9Aの交換作業を軽減させることができるようになる。また、脱臭器9にて処理し難い臭気成分の処理も可能となり、より一層排出空気の清浄化を図ることができるようになる。
このように、本実施例の調理装置Sでは、フライヤー5からの排気を吸引し、冷却器13で除湿して厨房内に排出する個別式循環換気を行うので、厨房の構造上フライヤー5からの排気を厨房外部に排出できない設置状況であっても、厨房内に湿気が充満することがなくなる。また、フライヤー5から立ち上った湯気に含まれる臭気成分もこのとき除去されるので、この段階でも脱臭される。
そして、排気は光触媒装置61や脱臭器9が設けられる脱臭用ダクト18に送られるので実施例のようなフライヤー5やグリドルなどで調理を行う場合に生じる臭いをこの光触媒装置61や脱臭器9により除去することができるようになり、厨房内の作業環境をより一層改善することができるようになる。
また、冷却器13の空気下流側の脱臭器9との間に加熱器14を配置し、冷却器13表面に水分を凝結付着させた後の低温の排気を加熱器14にて加熱するようにしているので、脱臭器9には相対湿度の下がった排気が送給されることになる。これにより、多孔質の活性炭から成る脱臭器9に水分が入り込み、湿気を帯びて脱臭作用が低下する不都合も未然に回避することが可能となる。
次に、図5乃至図11を参照して本発明の他の複数の実施例について説明する。図5は第2の実施例としての調理装置Sの部分拡大図を示している。第2の実施例における調理装置Sでは、上記実施例と同様に送風機7の空気下流側に紫外線ランプ63が設けられており、当該紫外線ランプ63と送風機7との間に第1の光触媒装置64が設けられ、紫外線ランプ63と脱臭器9との間に第2の光触媒装置65が設けられる。係る光触媒装置64、65は、上記実施例における光触媒装置61と同様に構成されているものとする。
上記構成により、上記実施例と同様にグリスフィルタ20にて排気中のオイルミストが除去され、冷却器13にて除湿され、加熱器14において相対湿度が低下された排気は、送風機7を経て紫外線ランプ63にて照射される第1の光触媒装置64に至り、光触媒による臭気成分の除去処理が行われる。第1の光触媒装置64を通過した排気は、更に、同じく紫外線ランプ63にて照射され、該紫外線ランプ63の空気下流側に設置される第2の光触媒装置65に至り、ここでも光触媒による臭気成分の除去処理が行われる。
これにより、第2の実施例においても、光触媒装置64及び65は、上述した如くグリスフィルタ20、冷却装置6の空気下流側に設置されていることから、油分除去処理及び除湿処理が行われた排気を光触媒装置64及び65内に流入させることができる。そのため、光触媒装置64及び65に油分や水分が付着し、臭気成分の除去能力が低下する不都合を抑制することができる。
また、送風機7と脱臭器9との間にこれら光触媒装置64、65を設けているため、送風機7にて排気の圧力を上昇させた状態で、排気を光触媒装置64及び65に通過させることができ、残留する排気中の油分や水分の付着が抑制され、該光触媒装置64及び65の継続的な使用が可能となる。
特に、第2の実施例では、1台の紫外線ランプ63によって第1の光触媒装置64及び第2の光触媒装置65において臭気成分分解能力を発揮することができるため、より一層、後段における係る脱臭器9に加わる処理負荷を軽減することができ、当該脱臭器9のメンテナンス作業性、即ち脱臭フィルタ9Aの交換作業を軽減させることができるようになる。また、脱臭器9にて処理し難い臭気成分の処理も可能となり、より一層排出空気の清浄化を図ることができるようになる。
図6は第3の実施例としての調理装置Sの部分拡大正面図、図7は図6の縦断側面図を示している。第3の実施例における調理装置Sでは、上記実施例と同様に送風機7の空気下流側に紫外線ランプ66が設けられており、脱臭器9の空気流入部に光触媒装置67が設けられる。尚、この場合において、紫外線ランプ66により照射可能な送風機7と紫外線ランプ66の間にも、光触媒装置68を設けてもよいものとする。また、光触媒装置67、68は、上記実施例における光触媒装置61と同様に構成されているものとする。
上記構成により、上記実施例と同様にグリスフィルタ20にて排気中のオイルミストが除去され、冷却器13にて除湿され、加熱器14において相対湿度が低下された排気は、送風機7を経て紫外線ランプ66にて照射される光触媒装置68及び67に至り、光触媒による臭気成分の除去処理が行われる。
これにより、第3の実施例においても、光触媒装置67及び68は、上述した如くグリスフィルタ20、冷却装置6の空気下流側に設置されていることから、油分除去処理及び除湿処理が行われた排気を光触媒装置67及び68内に流入させることができる。そのため、光触媒装置67及び68に油分や水分が付着し、臭気成分の除去能力が低下する不都合を抑制することができる。
また、送風機7の空気下流側に紫外線ランプ66が設けられて、脱臭器9の空気流入部に光触媒装置67が設けられているため、光触媒装置67の触媒面積を増加させることができると共に、光触媒装置67における通過速度を遅延させることができる。これにより、光触媒装置67と排気の接触時間を延長することができ、臭気成分の分解効果を増大させることができる。
特に、第3の実施例では、交換などのメンテナンスを必要とする脱臭器9の脱臭フィルタ9Aの空気流入部に光触媒装置67を設けているため、光触媒装置67の点検や洗浄などのメンテナンスも容易となる。
図8は第4の実施例としての調理装置Sの部分拡大図を示している。第4の実施例における調理装置Sでは、脱臭器9の空気下流側に紫外線ランプ69が設けられており、脱臭器9と紫外線ランプ69との間に光触媒装置70が設けられる。係る光触媒装置70は、上記実施例における光触媒装置61と同様に構成されているものとする。
上記構成により、上記実施例と同様にグリスフィルタ20にて排気中のオイルミストが除去され、冷却器13にて除湿され、加熱器14において相対湿度が低下された排気は、送風機7を経て脱臭用ダクト18内の脱臭器9に至り、脱臭フィルタ9Aを通過する過程で排気中に含まれる臭気成分が吸着される。この脱臭器9を通過した排気は、紫外線ランプ69にて照射される光触媒装置70に至り、光触媒による臭気成分の除去処理が行われる。
これにより、第4の実施例においても、光触媒装置70は、上述した如くグリスフィルタ20、冷却装置6の空気下流側に設置されていることから、油分除去処理及び除湿処理が行われた排気を光触媒装置70内に流入させることができる。そのため、光触媒装置70に油分や水分が付着し、臭気成分の除去能力が低下する不都合を抑制することができる。
特に、第4の実施例では、光触媒装置70に流入する以前に脱臭器9において臭気処理を行うことができるため、光触媒装置70に加わる処理負荷を軽減することができ、臭気成分分解能力の向上を図ることができる。
図9は第5の実施例としての調理装置Sの部分拡大図を示している。第5の実施例における調理装置Sでは、脱臭器9の空気下流側に紫外線ランプ71が設けられており、脱臭器9と紫外線ランプ71との間に第1の光触媒装置72が設けられ、紫外線ランプ71の空気下流側に位置する排気連通部28に第2の光触媒装置73が設けられる。係る光触媒装置72、73は、上記実施例における光触媒装置61と同様に構成されているものとする。
上記構成により、上記実施例と同様にグリスフィルタ20にて排気中のオイルミストが除去され、冷却器13にて除湿され、加熱器14において相対湿度が低下された排気は、送風機7を経て脱臭用ダクト18内の脱臭器9に至り、脱臭フィルタ9Aを通過する過程で排気中に含まれる臭気成分が吸着される。この脱臭器9を通過した排気は、紫外線ランプ71にて照射される第1の光触媒装置72に至り、光触媒による臭気成分の除去処理が行われる。第1の光触媒装置72を通過した排気は、更に、同じく紫外線ランプ71にて照射され、排気連通部28に設けられる第2の光触媒装置73に至り、ここでも光触媒による臭気成分の除去処理が行われる。
これにより、第5の実施例においても、光触媒装置72及び73は、上述した如くグリスフィルタ20、冷却装置6の空気下流側に設置されていることから、油分除去処理及び除湿処理が行われた排気を光触媒装置72及び73内に流入させることができる。そのため、光触媒装置72及び73に油分や水分が付着し、臭気成分除去能力が低下する不都合を抑制することができる。
特に、第5の実施例では、1台の紫外線ランプ71によって第1の光触媒装置72及び第2の光触媒装置73において臭気成分の分解能力を発揮することができるため、より一層、臭気処理能力の増大を図ることができるようになる。
更に、係る実施例では、光触媒装置72、73に流入する以前に脱臭器9において臭気処理を行うことができるため、光触媒装置72、73に加わる処理負荷を軽減することができ、臭気成分の分解能力の向上を図ることができる。
図10は第6の実施例としての調理装置Sの部分拡大正面図、図11は図10の縦断側面図を示している。第6の実施例における調理装置Sでは、脱臭器9の空気下流側に紫外線ランプ74が設けられており、脱臭器9の空気流出部に光触媒装置75が設けられる。尚、この場合において、紫外線ランプ74により照射可能な排気連通部28にも、光触媒装置76を設けてもよいものとする。また、光触媒装置75、76は、上記実施例における光触媒装置61と同様に構成されているものとする。
上記構成により、上記実施例と同様にグリスフィルタ20にて排気中のオイルミストが除去され、冷却器13にて除湿され、加熱器14において相対湿度が低下された排気は、送風機7を経て脱臭用ダクト18内の脱臭器9に至り、脱臭フィルタ9Aを通過する過程で排気中に含まれる臭気成分が吸着される。この脱臭器9を通過した排気は、紫外線ランプ74にて照射される光触媒装置75及び76に至り、光触媒による臭気成分の除去処理が行われる。
これにより、第6の実施例においても、光触媒装置75及び76は、上述した如くグリスフィルタ20、冷却装置6の空気下流側に設置されていることから、油分除去処理及び除湿処理が行われた排気を光触媒装置75及び76内に流入させることができる。そのため、光触媒装置75及び76に油分や水分が付着し、臭気成分の除去能力が低下する不都合を抑制することができる。
また、脱臭器9の空気下流側に紫外線ランプ74が設けられ、脱臭器9の空気流出部に光触媒装置75が設けられているため、光触媒装置75の触媒面積を増加させることができると共に、光触媒装置75における通過速度を遅延させることができる。これにより、光触媒装置75と排気の接触時間を延長することができ、臭気成分の分解効果を増大させることができる。
特に、第6の実施例では、光触媒装置75、76に流入する以前に脱臭器9において臭気処理を行うことができるため、光触媒装置75、76に加わる処理負荷を軽減することができ、臭気成分の分解能力の向上を図ることができる。
また、第6の実施例では、交換などのメンテナンスを必要とする脱臭器9の脱臭フィルタ9Aの空気流出部に光触媒装置75を設けているため、光触媒装置75の点検や洗浄などのメンテナンスも容易となる。
尚、各実施例において排気の最終排出部に至る経路、即ち、扉2の排気ダクト25内には、上述した如くオゾン分解触媒62が設けられている。そのため、各光触媒装置による臭気成分の酸化還元分解反応時に生じるオゾンなどの活性ラジカル種をオゾン分解触媒62にて処理することができ、人体に影響を与えない状態で排気を厨房内に排出することができるようになる。
尚、本実施例では、調理手段としてのフライヤー5と空気処理部1とを一体に形成した調理装置Sを例に採りあげて説明したが、これ以外に調理手段とは別に空気処理部1を空気処理装置として構成しても同様の効果を奏するものとする。
また、本実施例では、調理装置Sは、空気処理部1を構成する外装ケース4の上部と調理手段(フライヤー5)を構成する外装ケース4の下部とは、一体に構成されているが、これ以外に搬入時における搬送を容易とするため、上下分離可能に構成しても良いものとする。尚、かかる場合には、冷却装置6を構成する図示しない冷媒配管は、バルブ等により容易に接続可能なものとする。
尚、上記実施例では調理手段としてフライヤー5を例に採りあげて説明したが、それに限らず、レストランやファーストフード店で使用される各種調理器に本発明は適用可能である。
S 調理装置
1 空気処理部
4 外槽フレーム
4C 作業領域
5 フライヤー(調理手段)
6 冷却装置(除湿手段)
7 送風機(送風手段)
9 脱臭器
13 冷却器
14 加熱器
17 除湿用ダクト
18 脱臭用ダクト
20 グリスフィルタ(油分除去手段)
21 吸込口
25 排気ダクト
28 排気連通部
60、63、66、69、71、74 紫外線ランプ
61、64、65、67、68、70、72、73、75、76 光触媒装置
62 オゾン分解触媒
1 空気処理部
4 外槽フレーム
4C 作業領域
5 フライヤー(調理手段)
6 冷却装置(除湿手段)
7 送風機(送風手段)
9 脱臭器
13 冷却器
14 加熱器
17 除湿用ダクト
18 脱臭用ダクト
20 グリスフィルタ(油分除去手段)
21 吸込口
25 排気ダクト
28 排気連通部
60、63、66、69、71、74 紫外線ランプ
61、64、65、67、68、70、72、73、75、76 光触媒装置
62 オゾン分解触媒
Claims (8)
- 厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、前記調理手段からの排気を処理する厨房用空気処理装置において、
前記調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、前記調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、前記調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、前記除湿手段と脱臭手段の間に設けられ、前記調理手段からの排気を前記油分除去手段を経て前記除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、
該送風手段と前記脱臭手段の間に、紫外線ランプと通気性の光触媒装置を設けたことを特徴とする厨房用空気処理装置。 - 厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、前記調理手段からの排気を処理する厨房用空気処理装置において、
前記調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、前記調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、前記調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、前記除湿手段と脱臭手段の間に設けられ、前記調理手段からの排気を前記油分除去手段を経て前記除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、
該送風手段と前記脱臭手段の間における前記送風手段の空気下流側に設けられた通気性の第1の光触媒装置と、該第1の光触媒装置の空気下流側に設けられた紫外線ランプと、該紫外線ランプと前記脱臭手段の間における前記紫外線ランプの空気下流側に設けられた通気性の第2の光触媒装置を備えたことを特徴とする厨房用空気処理装置。 - 厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、前記調理手段からの排気を処理する厨房用空気処理装置において、
前記調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、前記調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、前記調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、前記除湿手段と脱臭手段の間に設けられ、前記調理手段からの排気を前記油分除去手段を経て前記除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、
該送風手段と前記脱臭手段の間における前記送風手段の空気下流側に設けられた紫外線ランプと、前記脱臭手段の空気流入部に設けられた通気性の光触媒装置を備えたことを特徴とする厨房用空気処理装置。 - 厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、前記調理手段からの排気を処理する厨房用空気処理装置において、
前記調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、前記調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、前記調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、前記調理手段からの排気を前記油分除去手段を経て前記除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、
前記脱臭手段の空気下流側に、紫外線ランプと通気性の光触媒装置を設けたことを特徴とする厨房用空気処理装置。 - 厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、前記調理手段からの排気を処理する厨房用空気処理装置において、
前記調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、前記調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、前記調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、前記調理手段からの排気を前記油分除去手段を経て前記除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、
前記脱臭手段の空気下流側に設けられた通気性の第1の光触媒装置と、該第1の光触媒装置の空気下流側に設けられた紫外線ランプと、該紫外線ランプの空気下流側に設けられた通気性の第2の光触媒装置を備えたことを特徴とする厨房用空気処理装置。 - 厨房において食材を調理する調理手段の上方に配置され、前記調理手段からの排気を処理する厨房用空気処理装置において、
前記調理手段からの排気中の油分を除去するための油分除去手段と、前記調理手段からの排気中の水分を除去するための除湿手段と、前記調理手段からの排気中の臭気成分を除去するための脱臭手段と、前記調理手段からの排気を前記油分除去手段を経て前記除湿手段及び脱臭手段に順次送給するための送風手段とを備え、
前記脱臭手段の空気流出部に設けられた通気性の光触媒装置と、該光触媒装置の空気下流側に設けられた紫外線ランプを備えたことを特徴とする厨房用空気処理装置。 - 前記脱臭手段、紫外線ランプ又は光触媒装置を通過した後の最終排出部に至る経路にオゾン分解触媒を設けたことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5又は請求項6の厨房用空気処理装置。
- 前記光触媒装置は、二酸化チタンをハニカム、又は、スポンジ体、若しくは、不織繊維体の表面に塗布して構成されていることを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、請求項4、請求項5、請求項6又は請求項7の厨房用空気処理装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004049518A JP2005241083A (ja) | 2004-02-25 | 2004-02-25 | 厨房用空気処理装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004049518A JP2005241083A (ja) | 2004-02-25 | 2004-02-25 | 厨房用空気処理装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005241083A true JP2005241083A (ja) | 2005-09-08 |
Family
ID=35022999
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004049518A Pending JP2005241083A (ja) | 2004-02-25 | 2004-02-25 | 厨房用空気処理装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005241083A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100979193B1 (ko) * | 2008-04-24 | 2010-08-31 | (주)엘포에스 | 욕실 환기장치 |
-
2004
- 2004-02-25 JP JP2004049518A patent/JP2005241083A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100979193B1 (ko) * | 2008-04-24 | 2010-08-31 | (주)엘포에스 | 욕실 환기장치 |
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