JP2005240851A - 駆動機構 - Google Patents

Abstract

【課題】 サンルーフ（可動パネル）の開閉をなす駆動機構の平歯車とラックベルトとの噛合部に原因する振動を防止する。
【解決手段】 平歯車（１６）の上方に周方向に延在する円周面（１９）を設け、ラックベルト（９，１０）に長手方向に延在する平面（２０，２１）を設け、円周面（１９）と平面（２０，２１）とを常時接触させる。
【選択図】 図３

Description

本発明は、平歯車とラックベルトとからなる駆動機構、特に詳述すれば、車両の屋根（ルーフ）に配した可動パネルの開閉に適する車両開閉体の駆動機構に関する。

平歯車とラックベルトからなる駆動機構を可動パネル（サンルーフともいう）に応用した例は特開２００２−１５４３２８号公報に開示される。
この種の駆動機構は、車幅方向と車両前後方向に一体に延在する対のラックベルトと車幅の中央で該ラックベルトと噛合いかつモータの出力軸と連動する平歯車とからなり、対のラックベルトの両端部をリンク部材とシューを介して可動パネルに結合する構成を有す。

モータへの通電は平歯車を回転させ、該平歯車と噛合う対のラックベルトを一方向に牽引し、可動パネルの開閉を行っている。

特開２００２−１５４３２８号公報

ラックベルトと平歯車とを有する駆動機構において、振動が一つの問題となり、防振のためのゴムクッション取付等の対策が種々とられている。本発明者らは防振対策に加えて、振動の原因を探求することで振動レスの駆動機構の提供を試みた。

本発明者らは、駆動機構の平歯車の歯先が、実用される平歯車の径及び歯厚を考慮すると、歯先円というより多角形に歯切りされ、ラックベルトとの噛合いピッチが変動していることに着目した。
さらに、本発明者らは、平歯車及びラックベルトの加工精度のバラツキにより、平歯車及びラックベルトの噛合いピッチが最適な又は許容できる関係から外れ、バックラッシュが好ましい範囲を超えて増大した場合、強い歯当たりのあることに着目した。

本発明は、前述した着目点を基に駆動機構から振動を除く手段を開発することを解決すべき課題とする。

本発明は、前述した課題を解決するために、ラックベルトと平歯車とに両者が常に接する面を作る技術手段を提供する。
この技術手段の提供は、平歯車が回転してもラックベルトとの噛合いピッチは、前述の面にて一定に保たれ、これが振動の問題を解消させる。

本発明によれば、動力源からの回転トルクを受け回転する平歯車と、該平歯車と噛合いかつ平歯車の回転により一方向に索引されるラックベルトとを有し、平歯車がその歯部の上方又は下方に周方向に延在する円周面を有し、ラックベルトが該円周面と接しかつ長手方向に延在する平面を有する駆動機構が提供される。

好ましくは、対のラックベルトが平歯車を介して向かい合う関係に配される。さらに、ラックベルトが車両の可動パネルに結合される。

本発明によれば、駆動機構の振動が解消され可動パネルの共振やモータの回転数の周期的変動がなくなる。
さらに、平歯車の歯数を多くする必要もなく、駆動機構のコンパクト化が可能である。さらに、平歯車とラックベルトの加工精度はこれ迄通りで良くこれら部品の加工も容易である。

図１と図２を参照して、本発明の一例の駆動機構１の応用例を説明する。サンルーフを構成する可動パネル２はルーフ開口３を車両の前後方向に移動してルーフ開口を開閉する。
ルーフ開口３の前方部に車幅方向に延在するフロントハウジング４が取り付けられる。フロントハウジング４に設けた上下のホルダー５，６を用い、フロントハウジング４が平面視略Ｕ字状の対の合成樹脂製のケーシング７，８を支持する。
ルーフ開口３の前縁と両側縁に沿うケーシング７，８間にラックベルト９，１０が往復動可能に納められる。

フロントハウジング４に保持される駆動装置１１は、電動モータ１２、制御装置１３、ウォーム歯車１４を有し、駆動機構１は、駆動装置１１と、制御装置１３のためのケース１５に納められる平歯車１６と、平歯車１６と噛合うラックベルト９，１０を有す。

電動モータ１２への通電は、制御装置１３、ウォーム歯車１４、ウォームホイール歯車１７を介して平歯車１６を回転させる。平歯車１６の回転は、これと噛合うラックベルト９，１０を一方向に牽引し、可動パネル２の開閉を行う。図示例では対のラックベルト９，１０を用いたが一本のラックベルトとしても良い。ウォームホイール歯車１７と平歯車１６とは一体に成形され、シャフト１８に回動自在に保持される。シャフト１８はケース１５に固定される。

図３乃至５に示す如く、平歯車１６の上方に周方向に延在する円周面１９を設け、さらに、ラックベルト９，１０にこの円周面１９とケース１５の内面間に挟まれるように配置され、円周面１９と常時接する長手方向に延在する平面２０，２１を設ける。
円周面１９と平面２０，２１の常時接触は、平歯車１６の回転時、ラックベルト９，１０と平歯車１６とを、互いの最良の噛合い位置に保持するようにしたことによって、ピッチを一定に保ち、振動を作らない。更に、ラックベルト９，１０の歯は互いに平面２０，２１によって連結されて補強されているために、ピッチを一定に保つ効果が大きくなる。

本発明の一例が適用される可動パネルの駆動機構の一部を示す斜視図である。 可動パネルと駆動機構との組合せを示す断面図である。 平歯車とラックベルトとの組合せを示す斜視図である。 本発明の一例の駆動機構の縦断面図である。 図２の矢視Ｖ−Ｖより見た断面図である。

符号の説明

１ 駆動機構
２ 可動パネル
３ ルーフ開口
４ フロントハウジング
９，１０ ラックベルト
１２ 電動モータ
１５ ケース
１６ 平歯車
１９ 円周面
２０，２１ 平面

Claims (3)

1. 動力源からの回転トルクを受け回転する平歯車と、該平歯車と噛合いかつ平歯車の回転により一方向に牽引されるラックベルトとを有し、平歯車がその歯部の上方又は下方に周方向に延在する円周面を有し、ラックベルトが該円周面と接しかつ長手方向に延在する平面を有する駆動機構。
2. 対のラックベルトが平歯車を介して向かい合う関係に配される請求項１記載の駆動機構。
3. ラックベルトが車両の可動パネルに結合される請求項１又は２記載の駆動機構。
   

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