JP2005240664A - エンジンの吸気装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】吸気マニホールドの車両前方への突出を抑えて、吸気マニホールドを含むエンジンの車両前後方向の占有スペースを抑えつつ、エンジンとボンネットとの間にクラッシャブルゾーンを確保し、さらに、該吸気マニホールドの吸気管長可変装置を効果的に配設する。
【解決手段】直列多気筒エンジン2を横置きかつ略垂直にエンジンルーム1に搭載したエンジン2の吸気装置において、吸気マニホールド4をエンジン2の車両前方側面の吸気ポートからシリンダヘッドカバー3上方を通って、ボンネット13の前傾形状に沿って車両後方へ延設し、その吸気マニホールド4とシリンダヘッドカバー3との間に吸気管長可変装置46を配設する。
【選択図】図1
【解決手段】直列多気筒エンジン2を横置きかつ略垂直にエンジンルーム1に搭載したエンジン2の吸気装置において、吸気マニホールド4をエンジン2の車両前方側面の吸気ポートからシリンダヘッドカバー3上方を通って、ボンネット13の前傾形状に沿って車両後方へ延設し、その吸気マニホールド4とシリンダヘッドカバー3との間に吸気管長可変装置46を配設する。
【選択図】図1
Description
本発明は、エンジンの吸気装置に関するものである。
近年、車両においては、燃費向上を背景に軽量化並びにコンパクト化が促進されている。その結果、エンジンルームは容積が小さくなる傾向にあり、エンジンの構造及びエンジンルーム内のエンジンの配置レイアウトが難しくなってきている。
例えば、特許文献1は、エンジンルーム内に横置き搭載されたエンジンの車両前方側面上部に吸気マニホールドを配設したエンジンが開示されている。このエンジンは吸気岐管と吸気集合管とからなる吸気マニホールドの略全体が上記エンジン本体から車両前方に突出して配置されており、狭小なエンジンルーム内におけるエンジンの車両前後方向の占有スペースは大きい。
この改善策として、特許文献2に開示されたエンジンのように、エンジンルーム内に横置き搭載した前方吸気後方排気のエンジンにおいて、各吸気岐管を車両前方側面上部の吸気ポートからシリンダヘッドカバー上方を通って車両後方側へ延設し、エンジンの車両後方部に配置した吸気集合管に連結させたものがある。かかる構造においては、エンジンの車両前方への突出を抑えることができ、エンジンルーム内におけるエンジンの占有スペースは、特許文献1に開示された構造と比較して車両前後方向に小さくすることができる。
この特許文献2に開示されたエンジンは、全吸気岐管に亘って気筒列方向に延伸して各吸気岐管と連通する連通管を配設しており、その連通管を各吸気岐管の吸気ポートから吸気集合管への管路の途中に連通させている。この連通管と各吸気岐管との連通口に配設された開閉弁を開閉することによってエンジンの回転数に応じて見掛け上の吸気管長を切り替える吸気管長可変装置を構成している。そして、この連通管は、吸気岐管の車両前側の上方かつ車両後方へ折り返す部分にエンジン外方から取り付けられている。
特開2003−322059号公報
特許第2709128号公報
ところで、狭小なエンジンルームにおいては、エンジンの車両前方のクラッシャブルゾーンと同様に、エンジンとその上方のボンネットとの間にもクラッシャブルゾーンを確保する必要がある。そこで、特許文献2に開示された構成においては、エンジンを車両前側に前傾配置させて、車両前方へ向かって地上高が低くなるボンネットと上記連通管との間にスペースを確保している。
しかしながら、吸気岐管をシリンダヘッドカバーの上方に配設することによってエンジンの車両前方への突出を抑えても、エンジンを前傾配置させることによって、エンジンの車両前後方向の占有スペースは、エンジンの垂直配置した場合と比較して大きくなる。結果として、エンジンの車両前後方向の占有スペースを効果的に小さくすることはできない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、吸気マニホールドの車両前方への突出を抑えて、吸気マニホールドを含むエンジンの車両前後方向の占有スペースを抑えつつ、エンジンとボンネットとの間にクラッシャブルゾーンを確保し、さらに、該吸気マニホールドの吸気管長可変装置を効果的に配設することにある。
第1の発明は、吸気ポートが車両前方側面に、排気ポートが車両後方側面に位置するように車両のエンジンルームに横置き搭載した直列多気筒エンジンの吸気装置が対象である。
そして、上記吸気ポートからエンジンのシリンダヘッドカバー上方を通って車両後方へ延設された複数の吸気岐管と、上記エンジンの車両後部側で上記吸気岐管と連通して1つに集合させる吸気集合管と、吸気管長を変える吸気管長可変装置と、を有する吸気マニホールド、を備えているものとする。
また、上記吸気管長可変装置は、上記各吸気岐管に連通する短管と、該短管を介して各吸気岐管に連通する可変吸気用拡大室と、上記拡大室と各吸気岐管とを連通・遮断させる開閉弁と、を有し、上記エンジンルームは、その上面を車両前方に向かって地上高が低くなるように傾斜している前傾形状のボンネットによって画成され、上記エンジンは、略垂直に配置され、上記吸気岐管は、上記シリンダヘッドカバー上方位置において、上記ボンネットの前傾形状に沿って車両後方が高くなるように傾斜配置され、上記拡大室は、上記吸気岐管の車両後側部と上記シリンダヘッドカバーとの間に配置されている。ここで、上記拡大室は、その少なくとも一部が上記吸気岐管の車両後側部と上記シリンダヘッドカバーとの空間に配置されているものも含む。
上記の構成の場合、エンジンをエンジンルームに横置きに搭載しており、吸気を導入する吸気ポートはエンジンの車両前方側面に位置する。そして、この吸気ポートに連通する吸気マニホールドの吸気岐管は、上記吸気ポートからエンジンのシリンダヘッドカバー上方を通って車両後方へと延設されており、この吸気岐管と連通する吸気集合管はエンジンの車両後部側に配設されている。ここで、エンジンの車両後部側とは、車両方向についてエンジンの中心よりも車両後側をいい、エンジンの中心よりも車両後側かつエンジン上方の空間に限らず、エンジンの車両前後方向の後端よりも車両後側の空間も含む。
このため、上記吸気マニホールドの上記吸気岐管と吸気集合管とを含む略全体を吸気ポートが開口するエンジン前方に配置する構成と比較して、該吸気マニホールドのエンジン前方への突出が抑えられ、エンジンの全幅を抑えることができる。
その結果、特許文献1のように、エンジンの車両前方かつ上方に車両側方視で略三角形状をした吸気マニホールドを配設する構成において、エンジンの車両前方にクラッシャブルゾーンを確保するために、エンジンを車両後側へ傾斜配置させる必要がない。すなわち、エンジンを略垂直に配設しても、エンジン全体の幅が抑えられているため、クラッシャブルゾーンを確保することができる。
また、シリンダヘッドカバー上方に延設された上記吸気岐管は、上記ボンネットの前傾形状に沿って車両後方が高くなるように傾斜配置されている。それによって、該吸気岐管とボンネットとの間にクラッシャブルゾーンが確保される。
さらに、上記吸気岐管が車両後方が高くなるように傾斜配置されることによって、該吸気岐管の車両後側部とシリンダヘッドカバーとの間のスペースが形成され、この吸気岐管よりも下方かつシリンダヘッドカバーよりも上方のスペースを活用して上記吸気管長可変装置を配設することができる。この吸気管長可変装置は、吸気岐管の車両後側部とシリンダヘッドカバーとの間のスペースに配設された吸気用拡大室を有する。吸気用拡大室は、上記短管によって各吸気岐管と連通している。そして、この短管内に配設された開閉弁によって、上記拡大室と連通管とを連通状態あるいは遮断状態に切り替えている。この吸気管長可変装置は、例えば、上記拡大室を上記吸気集合管に連通させ、上記開閉弁を開閉させることによって、上記吸気集合管から拡大室、各短管、各吸気岐管を通る管路長の短い高速用吸気経路と、上記吸気集合管から各吸気岐管の全管路を通る管路長の長い低速用吸気経路とを切り替えるものとしてもよい。また、例えば、上記拡大室を、各吸気岐管の短管とのみ連通させて、各吸気岐管を管路の途中で連通させる連通管の役割を果たすものとしてもよい。この構成においては、上記開閉弁を開閉させることによって、吸気の基本圧力波が反転する圧力反転部を替えて見掛け上の吸気管長を切り替えるものとしてもよい。
したがって、第1の発明によれば、吸気マニホールドの車両前方への突出を抑えて、エンジンの車両前方にクラッシャブルゾーンを確保することができる。また、上記吸気岐管をボンネットの前傾形状に沿って車両後方が高くなるように傾斜配置することによって、該吸気岐管とボンネットとの間にクラッシャブルゾーンを確保できるとともに、該吸気岐管の車両後側部の下方かつシリンダヘッドカバーの上方に上記吸気管長可変装置を効果的に配設することができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記各吸気岐管は、その上流端部が下方に湾曲して上記吸気集合管に連通する上流湾曲部とされ、上記吸気集合管と上記拡大室とは、上記上流湾曲部よりも車両前側でエンジン後面視において車両前後方向に並設されているものとする。
上記の構成の場合、上記各吸気岐管は、その上流端に下方に湾曲する湾曲部を有する。そして、該湾曲部は、湾曲部の下方に位置する吸気集合管に連通する。このとき、該吸気集合管の車両前側には、上記吸気岐管の車両後側部の下方に位置する上記拡大室が並設されている。
したがって、上記吸気岐管の車両後側部の下方には、上記拡大室と吸気集合管が位置することになるが、これらは上下方向に重なって配置されるのではなく、車両前後方向に並設される。よって、上記吸気マニホールドの高さが抑えられる。また、この構成により吸気岐管の長さを長くできエンジンの低速トルクの向上を図ることができる。さらに、エンジン平面視において上記吸気岐管は上記拡大室と吸気集合管とを隠蔽するため、エンジンカバーを設けない場合であってもエンジン上面の見映えが向上する。
第3の発明は、第1又は2の発明において、上記エンジンは、各気筒の中央部に立設されて上記シリンダヘッドカバーの上面から上方に突出する点火栓ユニットを有し、上記拡大室は、上記点火栓ユニットよりも車両後側に配設される一方、上記開閉弁は、上記点火栓ユニットよりも車両前側に配設され、上記開閉弁の弁軸は、エンジンの気筒列方向に延びているものとする。
上記の構成の場合、上記拡大室を、上記点火栓ユニットと吸気集合管との間のスペースを有効に活用して配設することができる。
一方、上記気筒列方向に延びる開閉弁の弁軸を、上記点火栓ユニットよりも車両前側に配設することによって、この開閉弁を駆動させる駆動軸を設ける際に、各吸気岐管毎の開閉弁のすべてと結合する1本のシャフト軸を、上記点火栓ユニットとの干渉を避けて、設けることができる。
さらに、該開閉弁が上記点火栓ユニットよりも車両前側にあるため、該開閉弁が配設される短管と吸気管との連通部も点火栓ユニットよりも前に位置することになり、開閉弁の開閉による吸気管長差を大きくすることができる。その結果、広範囲のエンジンの回転数に対して吸気の充填効率を好適化することができる。
第4の発明では、上記エンジンは、直列4気筒エンジンとする。そして、上記エンジンの第1乃至第4気筒に対応する第1乃至第4吸気岐管は、シリンダヘッドカバー上方に並設され、上記吸気集合管は、気筒列方向において上記第1吸気岐管と第4吸気岐管との間の略中央位置に対応する位置に配置され、その下部にはエアクリーナユニットに連通する新気パイプが連結されており、上記4つの吸気岐管のうち第2気筒及び第3気筒に対応する第2及び第3吸気岐管は、それぞれその上流端が上記吸気集合管の上部にその上方から接続されるとともに、第1気筒及び第4気筒に対応する第1及び第4吸気岐管は、それぞれ上記吸気集合管における、第2及び第3吸気岐管の接続部よりも車両前側部分にその側方から接続され、上記第1乃至第4吸気岐管の長さは、略等長に設定されている。
上記の構成の場合、エンジン前方から順に、4つの気筒を第1気筒、第2気筒、…、第4気筒とし、それらに対応する4つの吸気岐管を第1吸気岐管、第2吸気岐管、第3吸気岐管、第4吸気岐管はシリンダヘッドカバー上方に並設されている。また、上記吸気集合管は、エンジンの車両後部側であって、気筒列方向において第1吸気岐管と第4吸気岐管との間の略中央位置に対応する位置に配設されている。すなわち、上記吸気集合管は、第2吸気岐管と第3吸気岐管とに相対する位置に配設されることになり、気筒列方向についてコンパクトな構成となる。そして、上記第1乃至第4吸気岐管の長さが略等長となるように各吸気岐管を配設している。
したがって、エンジン長手方向に延びる大きな吸気集合管を設ける場合に比べて、吸気集合管を最低限の容量を持つ小さい集合管として、各吸気岐管を上記構成とすることによって、吸気系をコンパクト化できるとともに、各吸気岐管の長さを長くかつ等長としてエンジンの低速トルクを向上させつつ、各吸気岐管から気筒への吸気の充填効率を均一化できる。
第5の発明は、第1乃至4の何れか1つの発明において、上記各吸気岐管は、エンジン平面視において、上記各気筒の中央部に立設されて上記シリンダヘッドカバー上面から上方に突出する点火栓ユニットに対してエンジン前後方向にオフセットするとともに、エンジン後面視において、少なくともその一部が上記各点火栓ユニットと上下方向に重なって配置されているものとする。
上記の構成の場合、上記シリンダヘッドカバーの上面には、エンジンの各気筒の中央部に立設された上記点火栓ユニットが突出しているが、上記各吸気岐管は、エンジン平面視において、該点火栓ユニットに対してエンジン前後方向にオフセットされ、それによって、隣り合う吸気岐管は該点火栓ユニットを挟むように配置されている。そして、エンジン後面視において、各吸気岐管の少なくとも一部を該点火栓ユニットと上下方向に重ねて配置することによって、上記各吸気岐管は、各点火栓ユニットとの干渉を回避しつつ、該吸気岐管と各点火栓ユニットとが上下方向にオーバーラップする分だけエンジンの全高を抑えることができる。
つまり、エンジンの全幅及び全高を抑えて、上記吸気マニホールドをコンパクトに配置することができる。その結果、狭小なエンジンルーム内に上記吸気マニホールドを含むエンジン全体の占有スペースをさらに小さくすることができる。
上記の発明によれば、エンジンルーム内に、吸気ポートを車両前方側面に位置するように横置き搭載された直列多気筒エンジンの吸気装置において、上記吸気岐管を該吸気ポートからシリンダヘッドカバーの上方を通って車両後方へ延設することによって、吸気系を含むエンジンの全幅を抑えることができ、その結果、エンジンの車両前方にクラッシャブルゾーンを確保することができる。また、エンジンを略垂直に配置しても上記吸気岐管をボンネットの前傾形状に沿って車両後方が高くなるように傾斜配置することによって、該吸気岐管とボンネットとの間にクラッシャブルゾーンを確保できるとともに、該吸気岐管の車両後側部の下方かつシリンダヘッドカバーの上方に上記吸気管長可変装置を効果的に配設することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
《発明の実施形態1》
図1から6は本発明の第1実施形態に係るエンジンを示す。1は車両前部に位置するエンジンルームであって、11は該エンジンルーム1の前端を区画するシュラウドアッパー、12は該エンジンルーム1の後端を区画するダッシュパネル(図示省略)の上面に配置されたカウルアッパパネル、13は車両前方に向かって地上高が低くなるように傾斜してエンジンルーム1の上面を区画するボンネット、14はエンジン2の車両前方に配設されたラジエータである。2はエンジンルーム1内に横置きに搭載された直列4気筒エンジン、7はバッテリ、8はブレーキの真空倍力装置である。
図1から6は本発明の第1実施形態に係るエンジンを示す。1は車両前部に位置するエンジンルームであって、11は該エンジンルーム1の前端を区画するシュラウドアッパー、12は該エンジンルーム1の後端を区画するダッシュパネル(図示省略)の上面に配置されたカウルアッパパネル、13は車両前方に向かって地上高が低くなるように傾斜してエンジンルーム1の上面を区画するボンネット、14はエンジン2の車両前方に配設されたラジエータである。2はエンジンルーム1内に横置きに搭載された直列4気筒エンジン、7はバッテリ、8はブレーキの真空倍力装置である。
図1、2に示すように、エンジンルーム1は車両前後方向について特に狭く、この狭小なエンジンルーム1内にエンジン2が横置きかつ略垂直に搭載されている。そして、このエンジン2後方(車幅方向左側)にはエアクリーナユニット6が配設されている。また、エンジン2の車両左側方にバッテリ7が、車両右側かつ車両後方に真空倍力装置8が配設されている。こうして、狭小なエンジンルーム1であっても、エンジン2を中心にスペースを有効に活用している。さらに、エンジン機能部品の中でも比較的容積の大きいバッテリ7と真空倍力装置8をエンジンルーム1の幅方向左右にそれぞれ配置することによって、エンジンルーム1内のレイアウトのバランスをとっている。
上記エンジン2は、4つの気筒(図示省略)がエンジン長手方向に直列に並んだ直列4気筒エンジンである。エンジン前部(図1の右側)には、シリンダヘッドに配設された図示省略のカムシャフトの前端部に設けられた2つのカムスプロケットと、クランクシャフトのエンジン前端部に設けられたクランクスプロケットが位置するとともに、これらカムスプロケット及びクランクスプロケットにはタイミングチェーン23が巻架されている。そして、これら各スプロケットとタイミングチェーン23を収容するチェーン室24が画成されている。エンジン後部(図1の左側)には、変速機25が配設されている(図4、6にのみ図示)。また、エンジン左側面(図1の上側)には、各気筒に個別に連通する吸気ポートが配設される一方、エンジン右側面(図1の下側)には、各気筒に個別に連通する排気ポートが配設されている。このように、このエンジン2は、前方吸気、後方排気となっている。
上記エンジン2は、図4に示すように、シリンダブロック21の上部にシリンダヘッド22が配設され、このシリンダヘッド22の上部はシリンダヘッドカバー3により覆われている。また、該シリンダヘッドカバー3の前端部3aは、上記シリンダヘッド22の前端よりもエンジン前方に延びていて、上記チェーン室24の上面を画成する。このシリンダヘッドカバー前端部3aには、エンジンオイルを注入するためのエンジンオイル注入口3bが設けられている。各気筒中心部には点火栓ユニット31、31、…が立設されており、各点火栓ユニット31は、シリンダヘッドカバー3から上方に突出している。この各点火栓ユニット31は、エンジン平面視で、エンジン前後方向に等間隔をあけて直線状に並ぶとともに、エンジン幅方向に上記各吸気ポート及び排気ポートと直線状に並んでいる。尚、エンジン前方から順に第1気筒31a、第2気筒31b、第3気筒31c、第4気筒31dとする。
上記吸気ポートを介して気筒に吸気を送り込む吸気マニホールド4は、図3に示すように、上記エンジン2の上側を覆うように配設されている。この吸気マニホールド4は、各々が独立した4つの吸気岐管41、41、…と、該吸気岐管41、41、…と連通する吸気集合管45と、エンジン2の回転数に応じて吸気管長を切り替えることによって吸気の充填効率を好適化する吸気管長可変装置46とからなる。尚、この吸気マニホールド4は、EGR分配ユニット49を介してエンジン2の吸気側に取り付けられている。
一方、図4に示すように、排気ポートを介して気筒内の既燃ガスを排出する排気マニホールド5は、上記エンジン2の右側面に配設されている。この排気マニホールド5は各排気ポートと連通する排気岐管と、この排気岐管が1つに集合する排気集合管とからなる。また、排気の一部はEGRホース51を介して上記EGR分配ユニット49へ送られ、再循環される。
上記各吸気岐管41は、エンジン2よりも車両前側に位置して上記吸気ポートと連通する下流湾曲部42と、シリンダヘッドカバー3の上方に位置して該下流湾曲部42と連続する延伸部43と、車両後側に位置して該延伸部43と連続する上流湾曲部44とからなる。また、吸気集合管45は、エンジン2の車両後方に配設されており、上記上流湾曲部44の端部は吸気集合管45と連通している。尚、エンジン前方から順に第1吸気岐管41a、第2吸気岐管41b、第3吸気岐管41c、第4吸気岐管41dとし、それぞれに対応する下流湾曲部42、延伸部43及び上流湾曲部44にも同様の符号a〜dを付して表す。
上記各延伸部43は、図1、3に示すように、車両前後方向に延びる略直管であり、対応する気筒に立設された点火栓ユニット31に対して、エンジン前方側にオフセットしている。つまり、第1延伸部43aは、エンジン最前部の点火栓ユニット31と上記エンジンオイル注入口3bとの間に位置している。第2〜第4延伸部43b〜43dは、それぞれ、隣り合う2つの点火栓ユニット31の間に位置している。
また、図3、5に示すように、各延伸部43は、ボンネット13の前傾形状に沿って車両後方が高くなるように配設されており、エンジン後面視で該点火栓ユニット31と一部が重なっている。
上記各下流湾曲部42は、図3、5、6に示すように、上記各吸気ポートから車両前方かつ上方に延出し、さらに車両後方へ湾曲していて、上記各延伸部43に連なっている。そして、この各下流湾曲部42は、図6に示すように、車両前方からエンジン2を見たときに、該各下流湾曲部42の上部がその下部よりもエンジン前側に位置するようにエンジン前方へ傾斜している。こうして、エンジン前後方向に互いにずれて配置される吸気ポートと延伸部43とが互いに連通している。
上記各上流湾曲部44は、図3、5に示すように、上記各延伸部43と連続し、下方へ向かって湾曲して、上記吸気集合管45に連通している。
上記吸気集合管45は、図1、4に示すように、エンジン2上部の車両後方側において上記吸気岐管41の下方位置に、第1上流湾曲部44aの位置から第4上流湾曲部44dの位置まで気筒列方向に延びて配設されている。そして、この吸気集合管45の上面部に各上流湾曲部44の端部が連結される一方、エンジン後側端部には、マニホールド側新気パイプ45aがエンジン後方へ向かって略水平に延設されている。
そうして車両後方が高くなるように配設された上記吸気岐管41、41、…の車両後側部とシリンダヘッドカバー3との間にはスペースが形成されており、この吸気岐管41、41、…よりも下方かつシリンダヘッドカバー3よりも上方のスペースを活用して上記吸気管長可変装置46は配設されている。
そして、上記吸気管長可変装置46は、図5に示すように、上記吸気集合管45と点火栓ユニット31、31、…との間に、該各延伸部43とエンジン平面視で交差するように気筒列方向に延設された拡大室46aと、上記各延伸部43の長手方向略中央部に形成された開口部46bと、この各開口部46bから該各延伸部43の下側を通って上記拡大室46aに車両前方から連通する短管部46cと、この各短管部46c内に配設された開閉弁46dとからなる。この拡大室46aは、吸気集合管45に対してエンジン後面視において並設されており、その車両後端は、気筒列方向に亘って上記吸気集合管45と連通している。これにより、吸気集合管45と各延伸部43とは、各短管部46cを介しても連通することになる。
そして、上記開閉弁46dはエンジンの回転数に応じて開閉が切り替えられ、このことによって、上記吸気集合管45から各上流湾曲部44、各延伸部43及び各下流湾曲部42を通って各吸気ポートへ吸気を送り込む管路長の長い低速用吸気経路と、吸気集合管45から拡大室46a、各短管部46c、延伸部43の下流側部分及び各下流湾曲部42を通って各吸気ポートへ吸気を送り込む管路長の短い高速用吸気経路とを切り替えることができる。
また、上記各開閉弁46dは、上記各点火栓ユニット31よりも車両前側に位置するとともに、その弁軸46eはエンジンの気筒列方向に延びている。そのため、全開閉弁46dを駆動する1本のシャフト軸(図示省略)を、上記各点火栓ユニット31との干渉を避けて、気筒列方向に延設することができる。さらに、各開閉弁46dを各点火栓ユニット31よりも車両前側に配設することによって、上記各開口部46bも必然的に該各点火栓ユニット31よりも車両前側に位置することになる。その結果、上記低速用吸気経路と高速用吸気経路との管路長の差を大きくすることができ、広範囲のエンジンの回転数に対して吸気の充填効率を好適化することができる。
上記エアクリーナユニット6は、図1、3、6に示すように、エアクリーナケース61と、別個に作られた2つのレゾナンスチャンバ62、63とを有し、上記変速機25の上方に一体的に配置されている。
上記エアクリーナケース61は、図2に示すように、上部のダスティサイド室61aと、下部のクリーンサイド室61bとを有する。このダスティサイド室61aとクリーンサイド室61bとは傾斜配置されたエアクリーナエレメント61cによって画成されている。そして、クリーンサイド室61bは車両後方側に新気取り出し口61eを有する。
上記エアクリーナエレメント61cは、車両後方へ向かって高さ位置が高くなるように傾斜配置されている。このため、該エアクリーナエレメント61cをエアクリーナケース61に垂直又は水平に配置する場合と比較して、エアクリーナケース61内におけるエアクリーナエレメント61cの面積を大きくすることができる。また、これによって、上記クリーンサイド室61bは、車両後方へ向かって上下方向に拡大しており、該クリーンサイド室61bの車両後方部は、上記新気取り出し口61eを配設するための十分なスペースが確保される。
また、上記エアクリーナケース61の下部は、図2、4に示すように、エンジン後面視においてシリンダヘッドカバー3及びシリンダヘッド22と重なる位置に配置されており、上記エアクリーナユニット6の配設位置ができるだけ低くされている。
上記新気取り出し口61eは、上記クリーンサイド室61bの車両後方部から車両後方かつ上方へ向かって延出している。そして、この新気取り出し口61eには、エアクリーナ側新気パイプ61fの上流端が接続されている。該エアクリーナ側新気パイプ61fの下流端は上記吸気集合管45へ向かって湾曲して、スロットル弁ユニット61gの上流側に接続されている。一方、このスロットル弁ユニット61gの下流側には、上記マニホールド側新気パイプ45aが接続されている。
上記マニホールド側新気パイプ45aは、吸気集合管45から略水平に延設されているため、エアクリーナ側新気パイプ61f及びスロットル弁ユニット61gは、図4に示すように、上記吸気マニホールド4と略同じ高さとなっており、エンジン上方へ突出して、エンジン全高を高くすることはない。
また、上記レゾナンスチャンバ62は、図1に示すように、ダスティサイド室61aのエンジン前方側に隣接しており、その一部は、上記第4吸気岐管41dがエンジン前方にオフセットすることによって形成された、シリンダヘッドカバー3の上方のスペースに、エンジン平面視でシリンダヘッドカバー3と重なるように配設されている。
上記レゾナンスチャンバ63は、図1〜3に示すように、上記エアクリーナ側新気パイプ61fの下側であって、クリーンサイド室61bの車両後方側に隣接している。
ダスティサイド室61aに導入された新気は、エアクリーナエレメント61cによって浄化され、クリーンサイド室61bに導入される。そして、クリーンサイド室61bの車両後部の新気取り出し口61eから取り出された新気は、エアクリーナ側新気パイプ61fから、スロットル弁ユニット61gを介してマニホールド側新気パイプ45aを通り、上記吸気マニホールド4の吸気集合管45に送り込まれる。そして、上記2つのレゾナンスチャンバ62、63を設けることにことによって、異なる2つの周波数の共鳴振動が抑制される。
上記の構成の場合、吸気マニホールド4は、図3、5に示すように、その延伸部43がエンジン2の上方に配設されるため、エンジン2の左側面から車両前方に突出するのは上記各下流湾曲部42のみとなり、エンジン幅、すなわち、車両前後方向への外寸を小さくすることができる。
そして、図3、5、6に示すように、上記延伸部43をシリンダヘッドカバー3の上方に配設しても、その延伸部43はシリンダヘッドカバー3上方に突出する点火栓ユニット31に対してエンジン前方へオフセットされるとともに、エンジン後面視で該点火栓ユニット31と重なるように配設されているため、エンジンの全高が可及的に抑えられる。
また、上記各延伸部43のエンジン前方へのオフセットは、図6に示すように、上記各下流湾曲部42を、車両前方からのエンジン側面視で上記各下流湾曲部42の上部をエンジン前方側に傾斜させることによって実現されている。このことによって、延伸部43の高さ位置を低くして、吸気ポートと延伸部43との高低差が小さくなっても、該各下流湾曲部42の曲率半径が大きくなり、その結果、吸気マニホールド4の吸気抵抗が抑えられ、各気筒への吸気の充填効率が向上する。
さらに、上記各延伸部43は、図1に示すように、各点火栓ユニット31に対し、エンジン後方へではなく、エンジン前方にオフセットさせることによって、第4延伸部43dよりもエンジン後方のシリンダヘッドカバー3上方のスペースが確保される。また、上記エンジンオイル注入口3bがシリンダヘッドカバー前端部3aに形成されることによって、エンジン最前部の点火栓ユニット31の前方にスペースが確保され、上記第1延伸部43aとエンジンオイル注入口3bとは干渉しない。
また、上記延伸部43をエンジン前方にオフセットさせることによって確保された、エンジン最後部の点火栓ユニット31よりもエンジン後方のシリンダヘッドカバー3上方のスペースを有効に活用しつつ、上記エアクリーナユニット6を変速機25上方に配設することができる。
さらに、上記吸気マニホールド4を含めたエンジン2の全幅、すなわち、車両前後方向への外寸が小さくなったことによって、エンジン2の占有スペースを車両前後方向について小さくするためにエンジン2を車両後方に傾斜させてる必要がなく、図2に示すように、エンジン2を略垂直に配設しても、エンジン2の車両前方に位置するラジエータ14との間にクラッシャブルゾーンを確保することができる。
そして、上記吸気岐管41は、上記ボンネット13の前傾形状に沿って、車両後方が高くなるように配設されることによって、各吸気岐管41とボンネット13との間に該各吸気岐管41の長手方向に亘ってクラッシャブルゾーンが確保される。
それとともに、該吸気岐管41、41、…、上記シリンダヘッドカバー3及び吸気集合管45によって形成される車両側面視で略三角形状のスペースに、上記吸気管長可変装置46をコンパクトに配設することができる。すなわち、吸気岐管41、41、…の下方には、上記拡大室46aと吸気集合管45が位置することになるが、これらは上下方向に重なるのではなく、車両前後方向に併設されるため、吸気マニホールド4の全高が抑えられる。
さらに、エンジン平面視において該拡大室46a及び吸気集合管45は、吸気岐管41、41、…によって隠蔽されるため、エンジンカバーを設けない場合であってもエンジン2上面の見映えが向上する。
また、上記各吸気岐管41は、下流湾曲部42、延伸部43及び上流湾曲部44によってエンジン2の車両前方から車両後側まで延設されるため、吸気岐管41、41、…の長さを長くでき、エンジン2の低速トルクを向上させることができる。
したがって、その結果、狭小なエンジンルーム1内において、エンジン2の車両前方に位置するラジエータ14とクラッシャブルゾーンを有しつつ、車両前後方向についてコンパクトにエンジン2を搭載することができる。
また、狭小なエンジンルーム1内において、ボンネット13とエンジン2との間にクラッシャブルゾーンを有しつつ、車両上下方向についてもコンパクトにエンジン2を搭載することができる。
そして、狭小なエンジンルーム1においてスペースを有効に活用してエンジン機能部品を配置することができる。
さらに、略垂直に配設されたエンジン2とその上方のボンネット13との間には、車両後方へ向かって上下方向に拡大するスペースが形成されるが、このスペースに、上記吸気管長可変装置46を有する吸気マニホールドをコンパクトに配設することができる。
《第2実施形態》
上記第1実施形態においては、低速用吸気経路と高速用吸気経路とを有する構成の吸気マニホールド4を採用しているが、これに限るものではない。また、エアクリーナユニット6も、第1実施形態とは異なる構成を採用することが可能である。以下、吸気マニホールド及びエアクリーナユニットとして、それぞれ上記第1実施形態とは異なる構成を採用した第2実施形態について説明する。尚、以下では、上記第1実施形態と同一の構成については同じ符号を付し、それ以上の説明を省略する。
上記第1実施形態においては、低速用吸気経路と高速用吸気経路とを有する構成の吸気マニホールド4を採用しているが、これに限るものではない。また、エアクリーナユニット6も、第1実施形態とは異なる構成を採用することが可能である。以下、吸気マニホールド及びエアクリーナユニットとして、それぞれ上記第1実施形態とは異なる構成を採用した第2実施形態について説明する。尚、以下では、上記第1実施形態と同一の構成については同じ符号を付し、それ以上の説明を省略する。
第2実施形態に係る吸気マニホールド9は、図7〜10に示すように、各々が独立した4つの吸気岐管91、91、…と、該吸気岐管91、91、…と連通して、1つに集合する吸気集合管95と、エンジン2の回転数に応じて吸気管長を切り替えることによって吸気の充填効率を好適化する吸気管長可変装置96とからなる。
上記各吸気岐管91は、エンジン2よりも車両前側に位置して上記吸気ポートと連通する下流湾曲部92と、シリンダヘッドカバー3の上方に位置して該下流湾曲部92と連続する延伸部93と、車両後側に位置して該延伸部93と連続する上流湾曲部94とからなる。尚、エンジン前方から順に第1吸気岐管91a、第2吸気岐管91b、第3吸気岐管91c、第4吸気岐管91dとし、それぞれに対応する下流湾曲部92、延伸部93及び上流湾曲部94にも同様の符号a〜dを付して表す。また、上記吸気集合管95は、エンジン2の車両後部側において、気筒列方向について上記第1吸気岐管と第4吸気岐管との間の略中央位置に対応する位置に配設されており、上記上流湾曲部94の端部は吸気集合管95と連通している。
上記下流湾曲部92は第1実施形態と同じ構成であり、エンジン2よりも車両前側で湾曲していて、エンジン前方に傾斜して配置されている。
上記各延伸部93は、図7に示すように、対応する気筒に立設された点火栓ユニット31に対しエンジン前側にオフセット配置されており、エンジン後面視で該点火栓ユニット31と一部が重なるように配置されている(図10参照)。このとき、第1延伸部93aは、エンジン最前部の点火栓ユニット31と上記エンジンオイル注入口3bとの間に位置している。
また、上記上流湾曲部94、94、…は、図9、10に示すように、それぞれ上記各点火栓ユニット31よりも車両後方側において、エンジン2の気筒列方向中央側に向かって湾曲して集合しており、そこからエンジン2の車両後方部においてさらに下方へ向かって湾曲している。
上記吸気集合管95は、図7、8に示すように、エンジン2の車両後方の、上記第2上流湾曲部94b及び第3上流湾曲部94cに相対する位置において、その第2及び第3上流湾曲部94b、94cよりも下方位置に配置されている。そして、第2上流湾曲部94b及び第3上流湾曲部94cは、図9、10に示すように、上記吸気集合管95の上方からその上部に接続され、第1上流湾曲部94a及び第4上流湾曲部94dは上記第2上流湾曲部94b、第3上流湾曲部94cよりも車両前方側で吸気集合管95の側方からその上部に接続されている。かかる構成とすることによって、吸気系をコンパクト化できるとともに、各吸気岐管91の長さを長くかつ等長としてエンジン2の低速トルクを向上しつつ、各吸気岐管91からの気筒への充填効率を均一化することができる。
上記吸気集合管95のエンジン後部には、図8に示すように、マニホールド側新気パイプ95aがエンジン後方へ略水平方向に延設されている。このマニホールド側新気パイプ95aは、上記スロットル弁ユニット61gに接続されている。
また、上記各吸気岐管41は、図9、10に示すようにボンネット13の前傾形状に沿って車両後方が高くなるように配設されおり、該吸気岐管91、91、…の車両後側部とシリンダヘッドカバー3との間に形成されたスペースに、上記吸気管長可変装置96が配設されている。
上記吸気管長可変装置96は、図10に示すように、上記吸気集合管95と点火栓ユニット31、31、…との間に、該各延伸部93とエンジン平面視で交差するように気筒列方向に延設された拡大室96aと、上記各延伸部93の長手方向略中央部に形成された開口部96bと、この各開口部96bから該各延伸部93の下側を通って上記拡大室96aに車両前方から連通する短管部96cと、この各短管部96c内に配設された開閉弁96dとからなる。この拡大室96aは、上記第1実施形態の拡大室46aとは異なり、上記吸気集合管95とは連通しておらず、上記各短管部96cとのみ連通している。すなわち、この拡大室96aは、各延伸部93同士を上記各開口部96b近傍で連通させる連通管の役割を果たす。
そして、この開閉弁93dは、エンジン2の回転数に応じて開閉が切り替えられる。具体的には、エンジン2の回転数が低速時には開閉弁96dを閉じる一方、高速時には開閉弁96dを開けることによって、吸気の基本圧力波が反転する圧力反転部を替えて、吸気の充填効率を好適化している。
また、上記各開閉弁96dは、上記各点火栓ユニット31よりも車両前側に位置するとともに、その弁軸96eはエンジンの気筒列方向に延びている。そのため、全開閉弁96dを駆動する1本のシャフト軸(図示省略)を、上記各点火栓ユニット31との干渉を避けて、気筒列方向に延設することができる。さらに、各開閉弁96dを各点火栓ユニット31よりも車両前側に配設することによって、上記各開口部96bも必然的に該各点火栓ユニット31よりも車両前側に位置することになる。その結果、上記低速用吸気経路と高速用吸気経路との管路長の差を大きくすることができ、広範囲のエンジンの回転数に対して吸気の充填効率を好適化することができる。
さらに、エンジン平面視において該拡大室96a及び吸気集合管95は、吸気岐管91、91、…によって隠蔽されるため、エンジンカバーを設けない場合であってもエンジン2上面の見映えが向上する。
また、上記各吸気岐管91は、下流湾曲部92、延伸部93及び上流湾曲部94によってエンジン2の車両前方から車両後側まで延設されるため、吸気岐管91、91、…の長さを長くでき、エンジン2の低速トルクを向上させることができる。
第2実施形態に係るエアクリーナユニット10は、図7、11に示すように、エアクリーナケース101と、別個に作られた2つのレゾナンスチャンバ102、103とを有し、上記変速機25(図示省略)の上方に一体的に配置されている。
上記エアクリーナケース101は、図11に示すように、下部のダスティサイド室101aと、上部のクリーンサイド室101bとを有する。このダスティサイド室101aとクリーンサイド室101bとは傾斜配置されたエアクリーナエレメント101cによって画成されている。そして、クリーンサイド室101bは車両後方側に新気取り出し口101eを有する。
上記エアクリーナエレメント101cは、車両後方へ向かって高さが低くなるように傾斜配置されている。このため、エアクリーナケース101内におけるエアクリーナエレメント101cの面積を大きくすることができる。また、これによって、上記クリーンサイド室101bは、車両後方へ向かって高さが高くなっており、該クリーンサイド室101bの車両後方部は、上記新気取り出し口101eを配設するための十分なスペースが確保される。
上記新気取り出し口101eは、上記クリーンサイド室101bの車両後方部から車両後方へ向かって延出している。そして、この新気取り出し口101eには、エアクリーナ側新気パイプ101fの上流端が接続されている。該エアクリーナ側新気パイプ101fの下流端は上記吸気集合管95へ向かって湾曲して、スロットル弁ユニット61gの上流端に接続されている。一方、このスロットル弁ユニット61gの下流端には、上記マニホールド側新気パイプ95aが接続されている。
よって、上記マニホールド側新気パイプ95a、エアクリーナ側新気パイプ101f及びスロットル弁ユニット61gは、図8、11に示すように、上記吸気マニホールド9と略同じ高さとなっており、エンジン上方へ突出して、エンジン全高を高くすることはない。
また、上記レゾナンスチャンバ102は、図7に示すように、エアクリーナケース101のエンジン前方側に隣接しており、その一部は、上記第4吸気岐管91dがエンジン前方にオフセットすることによって形成された、シリンダヘッドカバー3の上方のスペースに、エンジン平面視でシリンダヘッドカバー3と重なるように配設されている。レゾナンスチャンバ103は、上記エアクリーナ側新気パイプ101fの下側であって、クリーンサイド室101bの車両後方側に隣接している。これら2つのレゾナンスチャンバ102、103を設けることによって、異なる2つの共鳴周波数の振動を抑制することができる。
よって、上記ダスティサイド室101aに導入された新気は、エアクリーナエレメント101cによって浄化され、クリーンサイド室101bに導入される。そして、上記新気取り出し口101eから取り出された新気は、エアクリーナ側新気パイプ101fから、スロットル弁ユニット61gを介してマニホールド側新気パイプ95aを通り、上記吸気マニホールド9の吸気集合管95に送り込まれる。
これら吸気マニホールド9及びエアクリーナユニット10を採用しても、第1実施形態と同様に、狭小なエンジンルーム1内において、エンジン2の車両前方及び上方にクラッシャブルゾーンを有しつつ、コンパクトにエンジン2を搭載することができるとともに、吸気管長可変装置を効率的に配置することができる。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態1について、以下のような構成としてもよい。すなわち、第1、2実施形態として示した吸気マニホールド4、9とエアクリーナユニット6、10とは自由に組み合わせることが可能である。
本発明は、上記実施形態1について、以下のような構成としてもよい。すなわち、第1、2実施形態として示した吸気マニホールド4、9とエアクリーナユニット6、10とは自由に組み合わせることが可能である。
また、上記第1実施形態及び第2実施形態においては上記各延伸部43、93を各点火栓ユニット31に対してエンジン前方にオフセットさせているが、エンジン後方にオフセットさせる構成としてもよい。
1 エンジンルーム
13 ボンネット
2 エンジン
3 シリンダヘッドカバー
31 点火栓ユニット
4 吸気マニホールド
41 吸気岐管
44 上流湾曲部
45 吸気集合管
45a マニホールド側新気パイプ(新気パイプ)
46 吸気管長可変装置
46a 拡大室(可変吸気用拡大室)
46c 短管部(短管)
46d 開閉弁
46e 弁軸
6 エアクリーナユニット
13 ボンネット
2 エンジン
3 シリンダヘッドカバー
31 点火栓ユニット
4 吸気マニホールド
41 吸気岐管
44 上流湾曲部
45 吸気集合管
45a マニホールド側新気パイプ(新気パイプ)
46 吸気管長可変装置
46a 拡大室(可変吸気用拡大室)
46c 短管部(短管)
46d 開閉弁
46e 弁軸
6 エアクリーナユニット
Claims (5)
- 吸気ポートが車両前方側面に、排気ポートが車両後方側面に位置するように車両のエンジンルームに横置き搭載した直列多気筒エンジンの吸気装置であって、
上記吸気ポートからエンジンのシリンダヘッドカバー上方を通って車両後方へ延設された複数の吸気岐管と、上記エンジンの車両後部側で上記吸気岐管と連通して1つに集合させる吸気集合管と、吸気管長を変える吸気管長可変装置と、を有する吸気マニホールド、を備え、
上記吸気管長可変装置は、上記各吸気岐管に連通する短管と、該短管を介して各吸気岐管に連通する可変吸気用拡大室と、上記拡大室と各吸気岐管とを連通・遮断させる開閉弁と、を有し、
上記エンジンルームは、その上面を車両前方に向かって地上高が低くなるように傾斜している前傾形状のボンネットによって画成され、
上記エンジンは、略垂直に配置され、
上記吸気岐管は、上記シリンダヘッドカバー上方位置において、上記ボンネットの前傾形状に沿って車両後方が高くなるように傾斜配置され、
上記拡大室は、上記吸気岐管の車両後側部と上記シリンダヘッドカバーとの間に配置されていることを特徴とするエンジンの吸気装置。 - 請求項1に記載のエンジンの吸気装置において、
上記各吸気岐管は、その上流端部が下方に湾曲して上記吸気集合管に連通する上流湾曲部とされ、
上記吸気集合管と上記拡大室とは、上記上流湾曲部よりも車両前側でエンジン後面視において車両前後方向に並設されていることを特徴とするエンジンの吸気装置。 - 請求項1又は2に記載のエンジンの吸気装置において、
上記エンジンは、各気筒の中央部に立設されて上記シリンダヘッドカバーの上面から上方に突出する点火栓ユニットを有し、
上記拡大室は、上記点火栓ユニットよりも車両後側に配設される一方、上記開閉弁は、上記点火栓ユニットよりも車両前側に配設され、
上記開閉弁の弁軸は、エンジンの気筒列方向に延びていることを特徴とするエンジンの吸気装置。 - 請求項1又は2に記載のエンジンの吸気装置において、
上記エンジンは、直列4気筒エンジンであって、
上記エンジンの第1乃至第4気筒に対応する第1乃至第4吸気岐管は、シリンダヘッドカバー上方に並設され、
上記吸気集合管は、気筒列方向において上記第1吸気岐管と第4吸気岐管との間の略中央位置に対応する位置に配置され、その下部にはエアクリーナユニットに連通する新気パイプが連結されており、
上記4つの吸気岐管のうち第2気筒及び第3気筒に対応する第2及び第3吸気岐管は、それぞれその上流端が上記吸気集合管の上部にその上方から接続されるとともに、第1気筒及び第4気筒に対応する第1及び第4吸気岐管は、それぞれ上記吸気集合管における、第2及び第3吸気岐管の接続部よりも車両前側部分にその側方から接続され、
上記第1乃至第4吸気岐管の長さは、略等長に設定されていることを特徴とするエンジンの吸気装置。 - 請求項1乃至4の何れか1つに記載のエンジンの吸気装置において、
上記各吸気岐管は、エンジン平面視において、上記各気筒の中央部に立設されて上記シリンダヘッドカバー上面から上方に突出する点火栓ユニットに対してエンジン前後方向にオフセットするとともに、エンジン後面視において、少なくともその一部が上記各点火栓ユニットと上下方向に重なって配置されていることを特徴とするエンジンの吸気装置。
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