JP2005240151A - 金属膜形成方法 - Google Patents

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信幸 伊藤
Yuichi Haruta
裕一 春田
Hideo Honma
英夫 本間
Katsuhiko Tashiro
雄彦 田代
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Abstract

【課題】プリント配線板などの薄膜の絶縁層にダメージを与えることなく、該絶縁層に対して強固な密着性を有する均質な金属メッキ膜を形成する方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る絶縁層上に金属膜を形成する方法は、(1)光触媒機能を有する粒子の存在下で、誘電率が30以上である誘電体粒子と絶縁樹脂とを含有する絶縁樹脂組成物から形成された絶縁層の表面に放射線を照射する工程、(2)前記絶縁層上に、pH5〜9の無電解メッキ液を用いてシード層を形成する工程、および(3)電解メッキにより前記シード層上に金属膜を形成する工程を含むことを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、プリント配線板などの絶縁層上に金属膜を形成する方法に関する。より詳しくは、特定の誘電体粒子を含有する絶縁層の表面を、光触媒粒子を用いて改質することにより、薄膜の絶縁層上に密着強度の高い均質な金属膜を形成する方法に関する。
従来、プリント配線板などの絶縁層にメッキを施す際に、良好な金属メッキ膜を形成するために、絶縁層表面の親水化処理、たとえば、クロム酸や過マンガン酸などの強力な酸化剤によるエッチング処理などが行われている。このようなエッチング処理は、アンカー効果により高い密着強度が得られるという利点を有しているが、絶縁樹脂に対する浸食作用が強いため、絶縁層の厚みが薄い場合には対応できないという問題があった。
また、近年、携帯機器の小型化および高性能化にともないプリント配線板においても高密度化および多層化が進んでいる。そのため、絶縁層の薄膜化および絶縁層と金属メッキ膜との密着強度の向上が求められているが、従来の方法では上述した問題点などから、そのような要求を満たすことが難しくなってきている。
特に、プリント配線板を搭載した携帯電話などの装置全体の小型化が強く要望されている状況においては、ICチップを載置するプリント配線板のサイズをより小さくする必要がある。しかしながら、このようにプリント配線板のサイズを小さくすることによって、ICチップ以外の抵抗やコンデンサーなどの電子部品を搭載するエリアが小さくなるため、プリント配線板上にそれらの電子部品を実装することが、ますます困難になってきている。そのため、ビルドアップ配線層内にコンデンサー機能を有する多層回路基板を形成する方法が採用されている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、このような多層回路基板において、金属膜と絶縁層との密着性を確保するために、絶縁層の表面を粗面化すると、表面の凹凸に起因したノイズが生じてしまうという問題がある。そのため、絶縁層の表面を粗面化することなく高い密着強度が得られる金属膜形成法が求められていた。
特開2002−290049号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、絶縁層にダメージを与えることなく、該絶縁層に対して強固な密着性を有する均質な金属メッキ膜を形成する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、特定の誘電体粒子を含む絶縁樹脂組成物から形成された薄膜の絶縁層表面に、光触媒機能を有する粒子の存在下で放射線を照射した後、特定条件下で無電解メッキ液を用いてシード層を形成し、さらにシード層上に電解メッキで金属膜を形成することにより、絶縁層を粗面化することなく密着強度の高い金属膜を形成する方法を見出した。
すなわち、本発明の金属メッキ膜形成方法は、
(1)光触媒機能を有する粒子の存在下で、誘電率が30以上である誘電体粒子と絶縁樹脂とを含有する絶縁樹脂組成物から形成された絶縁層の表面に放射線を照射する工程、
(2)前記絶縁層上に、pH5〜9の無電解メッキ液を用いてシード層を形成する工程、および
(3)電解メッキにより前記シード層上に金属膜を形成する工程
を含むことを特徴とする。
前記誘電体粒子が、誘電体粒子/絶縁樹脂成分の固形分比で10/90〜90/10の割合で含有されていることが好ましい。
前記誘電体粒子がチタン酸バリウム系金属酸化物であり、前記光触媒機能を有する粒子が酸化チタンであり、前記絶縁樹脂がポリイミド系樹脂であることが好ましい。
前記絶縁層は、厚みが1〜30μmであり、誘電率が5〜100であることが好ましい。
本発明によれば、絶縁層にダメージを与えることなく、密着力に優れた金属膜を均質に形成することができるため、絶縁層を薄膜化することができるとともに、電気特性に優れたキャパシタを得ることができる。
以下、本発明に係る絶縁層上への金属膜形成方法について詳細に説明する。
本発明に係る絶縁層上への金属膜形成方法は、(I)絶縁層表面の親水化工程、(II)シード層形成工程および(III)金属膜形成工程を含む。
(I)絶縁層表面の親水化工程
本発明の金属膜形成方法では、光触媒機能を有する粒子(a)の存在下で、放射線を照射して絶縁層の表面を親水化する。
上記絶縁層は、絶縁樹脂と誘電率が30以上である誘電体粒子とを含有する絶縁樹脂組成物(b)からなり、絶縁層の厚みは1〜30μm、好ましくは2〜15μmである。本発明の方法は、このような薄膜の絶縁層に対しても、密着強度の高い金属膜を良好に形成することができる。なお、絶縁層は、未硬化の絶縁樹脂組成物を塗布することにより形成してもよく、またフィルム状の樹脂組成物を熱圧してラミネートすることにより形成してもよい。
(a)光触媒機能を有する粒子
本発明に用いられる光触媒機能を有する粒子(a)(以下、「光触媒粒子(a)」ともいう)としては、公知の金属粒子および金属酸化物、たとえば、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化鉄、酸化銅、チタン酸鉄、酸化ニッケル、酸化ビスマスおよび酸化ケイ素などが挙げられる。これらの中では、酸化チタンが特に好ましく用いられる。
また、光触媒粒子(a)として、酸化スズ、酸化亜鉛、チタン酸ストロンチウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化鉄、酸化銅、チタン酸鉄、酸化ニッケル、酸化ビスマスおよび酸化ケイ素からなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物を含有する光触媒物質を用いる場合には、この光触媒物質は、該金属酸化物、各金属の水酸化物もしくはアルコキシド、または金属塩などを用いて製造することができる。
さらに、本発明に用いる光触媒粒子(a)として、公知の可視光・光触媒機能を有する
光触媒物質を用いることもできる。たとえば、
(i)特開平10-146531号公報に記載の、貴金属超微粒子を担持した金属酸化物
(白金の超微粒子を担持した酸化チタン粒子など)、
(ii)再表01/01552号公報に記載の、金属酸化物の酸素サイトの一部を窒素原子で置換したもの、金属酸化物の結晶の格子間に窒素原子をドーピングしたもの、および金属酸化物の結晶の多結晶集合体の粒界に窒素原子を配したもの(酸化チタンの一部を窒素原子で置換した粒子など)などの光触媒物質を用いることができる。
上記光触媒物質は、粉末であれば、そのまま光触媒粒子(a)として用いることができ好ましいが、光触媒物質を水に分散した水系のゾルもしくはコロイド、あるいはアルコールなどの極性溶媒やトルエンなどの非極性溶媒中に分散した有機溶媒系のゾルもしくはコロイドなどの形態であってもよい。この場合には、ゾルまたはコロイド中の分散質が、光触媒粒子(a)となり、その分散性に応じて、さらに水や有機溶媒を用いて希釈してもよく、また分散性を向上させるために光触媒粒子(a)の表面を処理して用いてもよい。なお、光触媒粒子(a)の一次粒子径は、通常、200nm以下、好ましくは100nm以下である。
光触媒粒子(a)は、通常、水に分散させて用いられる。このときの濃度としては、通常、0.01〜5%、好ましくは0.1〜1%である。光触媒粒子(a)の濃度が上記範囲であることにより、良好な親水化効果が得られる。
このような光触媒粒子(a)の水分散体に、絶縁層が形成された基板等を浸漬して放射線を照射する場合、水分散体は、絶縁層上に0.1〜20mm、好ましくは1〜10mmの厚さとなるような量で用いられる。光触媒粒子(a)の水分散体を上記範囲となるような量で用いることにより、良好な親水化効果が得られる。
上記光触媒粒子(a)の存在下で、絶縁層の表面に放射線を照射することにより、絶縁層の表面が親水化されるため、金属メッキ膜を高い密着強度で形成することができる。なお、この親水化の機構としては、放射線照射によって光触媒粒子(a)が水分子を酸化して活性(水酸基)ラジカルを発生し、これが絶縁層表面に付加して水酸基やカルボキシル基になり、絶縁層表面を親水化するものと考えられる。
(b)絶縁樹脂組成物
本発明で用いられる絶縁樹脂組成物(b)(以下、単に「組成物(b)」ともいう)は、誘電率が30以上の誘電体粒子と、絶縁樹脂成分とからなる。このような組成物(b)から形成された絶縁層を500℃以下で加熱することにより、誘電率が5以上、好ましくは5〜100、より好ましくは10〜80であり、誘電正接が0.1以下、好ましくは0.01〜0.1である絶縁層が得られる。なお、本明細書において、誘電率および誘電正接は、JIS K6481(周波数1MHz)に記載の方法により測定した値である。
本発明では、前記誘電体粒子と前記絶縁樹脂成分との重量比(誘電体粒子/絶縁樹脂成分)は、通常、10/90〜90/10、好ましくは15/85〜80/20、特に好ましくは50/50〜75/25である。重量比が上記範囲にあることにより、組成物(b)の成膜性が優れるとともに、高誘電率の絶縁層を得ることができる。絶縁層の誘電率が高いほど、キャパシター形成に有用である。
[誘電体粒子]
本発明で用いられる誘電体粒子は、誘電率が30以上、好ましくは50以上、より好ましくは70以上の無機粒子である。誘電率は高い分には問題なく、上限値は限定されず、たとえば、30,000程度であってもよい。誘電率が30以上の誘電体粒子を用いるこ
とにより、誘電率の高い絶縁層を形成することができる。
このような誘電体粒子としては、金属酸化物からなるものが好ましく用いられ、特にチタン系金属酸化物が好ましい。「チタン系金属酸化物」とは、チタン元素と酸素元素とを必須元素として含む化合物をいう。このようなチタン系金属酸化物としては、結晶構造を構成する金属元素としてチタンを単一で含むチタン系単一金属酸化物と、金属元素としてチタンおよび他の金属元素を含むチタン系複酸化物とを好ましく用いることができる。
上記チタン系単一金属酸化物としては、たとえば、二酸化チタン系金属酸化物が挙げられる。このような二酸化チタン系金属酸化物としては、アナターゼ構造もしくはルチル構造の二酸化チタン系金属酸化物が挙げられる。
上記チタン系複酸化物としては、たとえば、チタン酸バリウム系、チタン酸鉛系、チタン酸ストロンチウム系、チタン酸ビスマス系、チタン酸マグネシウム系、チタン酸ネオジウム系、チタン酸カルシウム系等の金属酸化物が挙げられる。
上記「二酸化チタン系金属酸化物」とは、二酸化チタンのみを含む系、または二酸化チタンに他の少量の添加物を含む系を意味し、主成分である二酸化チタンの結晶構造が保持されているものである。なお、他の系の金属酸化物についても同様である。
上記「チタン系複酸化物」とは、チタン系単一金属酸化物と、少なくとも1種の他の金属元素からなる金属酸化物とが複合して生ずる酸化物であり、構造の単位としてオキソ酸のイオンが存在しないものをいう。
本発明においては、このような誘電体粒子を構成するチタン系金属酸化物としては、チタン系単一金属酸化物のうちでは、ルチル構造の二酸化チタン系金属酸化物が好ましく、チタン系複酸化物のうちでは、チタン酸バリウム系金属酸化物が好ましく、特にチタン酸バリウム系金属酸化物が好ましい。
また、水性媒体への分散性を向上させるため、上記誘電体粒子の表面をシリカ、アルミナ等で変性した粒子も好適に用いることができる。
上記誘電体粒子の平均粒子径は、通常10μm以下、好ましくは5μm以下、より好ましくは1μm以下、特に好ましくは0.7μm以下である。平均粒子径が上記範囲にあることにより、膜厚を薄くしても均一な組成の絶縁層を形成することができる。平均粒子径の下限は特に限定されないが、0.02μm以上であることが好ましい。
粒子径の分布は特に制限されることはなく、必要に応じて平均粒子径の異なるものを混ぜて使用することも可能である。一方で、均一で高品質な膜を得るためには、平均粒子径の100倍以上の大きな粒子は極力減らし、粒子径が絶縁層の厚み以上となる極端に大きな粒子に関しては完全に排除する必要がある。
本発明の誘電体粒子の形状は、特に制限されないが、例えば、球状、粒状、板状、麟片状、ウィスカー状、棒状、フィラメント状などの形状が挙げられる。これらの形状のうち、球状、粒状、片状、鱗片状であることが好ましい。これらの形状の誘電体粒子は、一種単独で、または二種以上を組み合わせて用いてもよい。
[絶縁樹脂]
本発明で用いることができる絶縁樹脂成分としては、重合性化合物または重合体の少なくとも一方からなる。ここで「重合性化合物」とは、重合性基を有する化合物を指し、完全硬化前の前駆的重合体、重合性オリゴマー、単量体などを含む化合物を意味する。また
、「重合体」とは、実質的に重合反応が完了した化合物を意味する。ただし、加熱、湿気などによりこの重合体を絶縁層形成後に架橋させることも可能である。
本発明では、上記誘電体粒子と絶縁樹脂成分とを含有する絶縁樹脂組成物(b)を、(1)誘電体ペーストまたは(2)電着用水性分散液として用いる。
(1)誘電体ペースト用の樹脂成分(樹脂成分(1))
本発明で用いることができる誘電体ペーストは、絶縁樹脂組成物(b)と、必要に応じて有機溶剤とを含んでいる。すなわち、組成物(b)がペースト状の場合にはそのまま誘電体ペーストとして用いることができ、また、構成する絶縁樹脂成分を有機溶剤に溶解させ、これに誘電体粒子を分散させて、ペースト状にして用いることもできる。上記組成物(b)を誘電体ペーストとして用いる場合の樹脂成分は、一定条件下において、誘電体ペーストが、プリント配線基板等への半導体の接着を損なわなければ、特に限定されない。
このような樹脂成分としては、ペーストを対象基板等に印刷した後加熱することにより、樹脂成分を硬化させて用いる熱硬化性樹脂成分(A1)と、加熱により樹脂を焼成させることが可能な熱可塑性樹脂成分(A2)とを好ましく用いることができる。
これらは単独で、または併用して用いることができる。また、重合性化合物と重合体のいずれも樹脂成分として用いる場合には、重合性化合物が熱硬化性樹脂、重合体が熱可塑性樹脂であることが好ましい。このような組み合わせで樹脂を併用すると、加熱に伴う樹脂成分の僅かな収縮を低減させることができ、フィルム等として回路基板上に誘電体層を形成する際にも、位置精度に優れたフィルムを得ることができる。以下にこれらの樹脂成分をさらに詳しく説明する。
(A1)熱硬化性樹脂成分
本発明で用いることができる熱硬化性樹脂成分としては、
(A1−a)重量平均分子量(ゲルパーミエーション法によるポリスチレン換算の重量平均分子量をいう。以下同じ)が300〜5,000の範囲内にあるエポキシ樹脂、および(A1−b)1分子中にエチレン性二重結合およびエポキシ基を有する化合物(以下、「化合物(P)」ともいう)に由来する構成単位を有し、かつ重量平均分子量が10,000〜500,000の範囲内にあるエポキシ基含有重合体が挙げられる。本発明では、前記エポキシ樹脂(A1−a)およびエポキシ基含有共重合体(A1−b)の双方を含むものが好ましい。
(A1−a)エポキシ樹脂
上記エポキシ樹脂(A1−a)としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有することが好ましく、たとえば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらのエポキシ樹脂のうち、室温(25℃)〜200℃の範囲内の加熱温度において、1分〜24時間の加熱時間で硬化するものが好ましく、100℃〜180℃の範囲内の加熱温度において、10分〜12時間の加熱時間で硬化するものがより好ましい。このような条件で加熱硬化することにより、生産性が向上するとともに、プリント配線板等に対する加熱の影響も少なくなる。
上記エポキシ樹脂(A1−a)の重量平均分子量は、300〜5,000の範囲内であることが好ましく、400〜2,000の範囲内の値であることがより好ましい。重量平均分子量がこのような範囲にあると、生産性と、加熱硬化後の機械強度とのバランスをよ
り良好にすることができる。
(A1−b)エポキシ基含有重合体
上記エポキシ基含有重合体(A1−b)としては、1分子中にエチレン性二重結合およびエポキシ基を有する化合物(P)に由来する単位を有する特定の重量平均分子量の重合体であれば、その種類は特に制限されるものではない。すなわち、エポキシ基含有重合体(A1−b)は、化合物(P)の単独重合体でもよく、化合物(P)と化合物(P)以外の他の単量体との共重合体でもよい。
上記化合物(P)としては、たとえば、
(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n−プロピル(メタ)アクリル酸グリシジル、α−n−ブチル(メタ)アクリル酸グリシジル、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート、α−エチル−6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレートなどのエポキシ基含有(メタ)アクリレート;および
アリルグリシジルエーテル、ビニルグリシジルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、3−ビニルシクロヘキセンオキサイドなどのエポキシ基含有ビニル化合物などが挙げられる。これらは1種単独で、または二種以上を組み合わせて用いることができる。これらのエポキシ基含有単量体の中では、特に、(メタ)アクリル酸グリシジル、α−エチル(メタ)アクリル酸グリシジルが好ましい。
化合物(P)に由来する構成単位は、エポキシ基含有重合体(A1−b)中に、10〜100重量%、好ましくは20〜100重量%の量で存在することが望ましい。化合物(P)に由来する構成単位が10重量%未満となると、熱硬化性樹脂の反応性が著しく低下することがある。
また、上記エポキシ基含有重合体(A1−b)が、化合物(P)と、化合物(P)以外の単量体との共重合体である場合、他の単量体としては、エポキシ基を含有しないビニル基含有化合物、(メタ)アクリルアミド化合物、(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられ、このような他の単量体が2種以上共重合されていてもよい。
上記エポキシ基を含有しないビニル基含有化合物としては、たとえば、ヒドロキシスチレン、イソプロペニルフェノール、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロスチレン、p−メトキシスチレン、ビニルピロリドン、ビニルカプロラクタム、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどが挙げられる。
上記(メタ)アクリルアミド化合物としては、たとえば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドなどが挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸エステルとしては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
これらのうち、特に、スチレン、アクリロニトリル、ヒドロキシスチレン、メチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
上記エポキシ基含有重合体(A1−b)の重量平均分子量は、10,000〜500,000、好ましくは20,000〜400,000、より好ましくは30,000〜300,000の範囲内である。エポキシ基含有重合体(A1−b)の重量平均分子量が上記範囲にあると、組成物(b)における加熱時のだれ防止と、塗布性とのバランスがより良好となる。
上記エポキシ基含有重合体(A1−b)の製造方法は特に制限されるものではないが、たとえば、ラジカル発生剤を添加して、上記化合物(P)と、必要に応じて上記他の単量体とをラジカル重合することにより得ることができる。
このようなラジカル発生剤としては、たとえば、ジアシルパーオキサイド類、ケトンパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシエステル類、アゾ系化合物、過硫酸塩を単独または二種以上の組み合わせて用いることができる。より具体的には、たとえば、過酸化ベンゾイル、ラウリルパーオキサイド、2,2′−アゾビスイソブチロニトリロ、4,4′−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などが挙げられる。
また、必要に応じて亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウムなどの無機還元剤、ナフテン酸コバルト、ジメチルアニリンなどの有機還元剤を併用することも好ましい。このように組み合わせて使用することにより、ラジカル反応をより短時間に行わせることができる。
さらに、ヨウ素含有フッ素化合物を、1種単独で、または前記有機過酸化物、アゾ系化合物もしくは過硫酸塩と併用して用いることもできる。
なお、ラジカル発生剤の添加量は、たとえば、化合物(P)を含む単量体100重量部に対して、0.1〜10重量部の範囲内の値であることが好ましい。
また、前記エポキシ基含有重合体(A1−b)を製造する際に、連鎖移動剤を添加することも好ましい。連鎖移動剤を使用することにより、前記エポキシ基含有重合体(A1−b)の重量平均分子量の調整がより容易となる。
このような連鎖移動剤としては、たとえば、四塩化炭素、クロロホルム、および四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類、n−ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、チオグリコール類、チオプロピオン酸等のメルカプタン類、ジメチルキサントンゲンジサルファイド、ジイソプロピルキサントンゲンジサルファイド等のキサントンゲン類、テルピノーレン、α−メチルスチレンダイマーなどが挙げられる。
また、前記ラジカル重合を行う際は、ジオキサン、THFなどの非プロトン性極性溶媒、酢酸エチルなどのエステル類、メチルエチルケトンなどのケトン類などの溶媒中で行うことが望ましい。
(A2)熱可塑性樹脂成分
本発明で用いることができる熱可塑性タイプの樹脂成分(A2)としては、たとえば(メタ)アクリル系樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ノボラック樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられ、好ましくは、下記のモノマー(M1)とモノマー(M2)との共重合体樹脂である。
モノマー(M1)としては、たとえば、
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、クロトン酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ケイ皮酸などのカルボキシル基含有モノマー類;
(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルなどの水酸基含有モノマー類;
o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレンなどのフェノール性水酸基含有モノマー類などに代表されるモノマー類が挙げられる。
モノマー(M2)としては、たとえば、
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、グリシジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレートなどのモノマー(M1)以外の(メタ)アクリル酸エステル類;
スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル系モノマー類;
ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエン類などに代表されるモノマー(M1)と共重合可能なモノマー類が挙げられる。
樹脂成分(A2)の重量平均分子量は、10,000〜1,000,000、好ましくは20,000〜500,000、より好ましくは30,000〜300,000の範囲内である。重量平均分子量が上記範囲にあると、たとえば、組成物(b)を誘電体ペーストとして用いる場合、誘電体ペースト印刷後のだれ防止と、塗布性とのバランスをより良好とすることができる。
前記樹脂成分(A2)の製造方法は特に制限されるものではないが、前記エポキシ基含有重合体(A1−b)と同様のラジカル発生剤や連鎖移動剤を使用して、前記モノマーを重合して得ることができる。
(2)電着用水性分散液用の樹脂成分(樹脂成分(2))
本発明において絶縁樹脂組成物(b)を、電着用水性分散液に含有させて用いる場合、組成物(b)を構成する樹脂成分(2)は、ポリイミド系樹脂、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、フッ素系樹脂およびシリコン系樹脂から選択される一種または二種以上からなることが好ましい。また、これらの樹脂に加えてさらに他の成分を含んでもよい。さらに、これらの樹脂は互いに、あるいは他の成分と化学的に結合されていてもよい。このような樹脂成分(2)は、粒子形状の有機粒子であることが好ましい。
重合性化合物および重合体の少なくとも一方からなる樹脂成分である有機粒子の表面は、電着を可能とするために電荷を有することが好ましく、この表面電荷はアニオン型でもカチオン型でもよいが、電着時の電極酸化を防止するためにはカチオン型であることが好ましい。
本発明においては、電着により機械的特性、化学的特性および電気的特性に優れた高誘電率の被膜を形成できることから、ポリイミド系樹脂を主成分とする有機粒子を用いることが特に好ましい。なお、「ポリイミド系樹脂」とは、前述の通り、たとえば、電着後の加熱などにより硬化可能な前駆的重合体(たとえばポリアミック酸など)、ポリイミド系樹脂の形成に用いられる単量体もしくはオリゴマー、ポリイミド系樹脂の形成に用いられる単量体と他の単量体との共重合体樹脂もしくはその前駆的重合体、ポリイミド系樹脂もしくはその前駆的重合体と他の化合物との反応物なども含むことを意味している。
[その他添加剤]
本発明で用いられる絶縁樹脂組成物(b)は、必要に応じて、充填剤、硬化剤、ガラス粉末、カップリング剤、高分子添加剤、反応性希釈剤、重合禁止剤、重合開始助剤、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤
、防カビ剤、調湿剤、染料溶解剤、緩衝溶液、キレート剤、難燃化剤などの添加剤を含んでいてもよい。これらの添加剤は、1種単独で、または二種以上を組合せて用いることができる。
(II)シード層形成工程
本発明の金属膜形成方法では、pH5〜9の無電解メッキ液を用いて、上記絶縁層上に薄い金属膜であるシード層を形成する。一般に無電解メッキの方法としては、次に示すような方法が公知である。まず、脱脂およびコンデショニングといった前処理により絶縁層表面の洗浄および親水化処理を行った後、(1)キャタライジング処理、アクセラレーティング処理、または、(2)センシタイジング処理、アクチベーティング処理を行い、絶縁層表面に触媒を付着させた後、無電解メッキ液に浸漬することにより、シード層として利用できる金属膜を形成できる。
本発明の方法では、前工程として光触媒を用いた親水化処理が行われているので、上記脱脂およびコンデショニングは基本的に不要であるが、市販の種々の処理液を適宜選択して用い、該処理を行ってもよい。
絶縁層表面に付着させる触媒としては、金、銀、パラジウム、ニッケル等公知のものを用いることができる。このような触媒を絶縁層表面に付着させる工程は、該絶縁層を形成した基板を、例えば、塩化パラジウム、塩化金などの水溶液またはコロイド溶液に浸漬することで行われる。より具体的には、
(1)スズおよびパラジウムの水溶液もしくはコロイド溶液に浸漬した後、希塩酸、希硫酸等に浸漬して活性化する、
(2)スズの水溶液とパラジウムの水溶液もしくはコロイド溶液とに、順次または交互に浸漬する、
などの公知の方法により行われる。
本発明の無電解メッキに用いられるpH5〜9のメッキ液としては、標準もしくは代表的とされる組成もしくはメッキ条件で、pHが5〜9である公知のメッキ液から選択して用いることができる。pHが5〜9の無電解メッキ液を用いることにより、絶縁層にダメージを与えることなく、良好な金属メッキ膜を形成することができる。
このようなメッキ液としては、たとえば、
ホスフィン酸塩を還元剤として含むニッケルメッキ液、ニッケル−ホウ素合金メッキ液、ニッケル−タングステン合金メッキ液、ニッケル−スズ合金メッキ液;ホスフィン酸塩を還元剤とする銅メッキ液;ホスフィン酸塩、ヒドラジン、チオ尿素、アスコルビン酸または三酸化チタンなどを還元剤として含むシアン化金メッキ液;金の一価のチオ硫酸塩と、チオ尿素、メチルチオ尿素またはエチルチオ尿素等のチオ尿素の誘導体とを含むメッキ液;L―アスコルビン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、グリオキシルまたはホスフィン酸ナトリウムなどを還元剤として含む金の一価のチオ硫酸塩のメッキ液、金−ニッケル合金メッキ液、金−コバルト合金メッキ液;ホスフィン酸塩、ホスホン酸塩またはトリメチルアミンなどを還元剤として含むパラジウムメッキ液、コバルトメッキ液、コバルト−ニッケルメッキ液、コバルト−タングステンメッキ液;TiCl3など3価のチタンを還元剤
として含む錫メッキ液;クエン酸、EDTA、ニトリロ三酢酸のうち少なくとも一つを錯化剤として含む錫メッキ液などが挙げられる。ここで挙げたメッキ液のうち、ホスフィン酸などのリン化合物を含むメッキ液では、シード層にリンが含まれる場合があるが、実用上の問題が生じることはほとんどない。
本発明で用いられる無電解メッキ液は、上記メッキ液に限られるわけではない。たとえば、標準もしくは代表的とされる組成もしくはメッキ条件で、pHが5〜9の範囲内にな
いメッキ液であっても、pHが5〜9の範囲内に収まるよう調整しなおすことにより使用できる場合がある。ただし、この場合、メッキ液の安定性やメッキ速度が低下する可能性がある。
一般に、無電解メッキ後にはピール強度を上げる目的で、100℃〜200℃の温度で30分〜2時間程度アニールが行われる。
無電解メッキにより形成されるシード層の厚みは、好ましくは0.01〜1μm、より好ましくは0.1〜0.5μmである。シード層の厚みが上記範囲内であることにより、次工程の電解メッキで均一な金属膜の形成が可能となる。
本発明で行われる無電解メッキとしては、安定なメッキが可能な点において無電解ニッケルメッキが好ましく、メッキ後のエッチングによるパターニングのしやすさにおいては無電解銅メッキが好ましい。
(III)金属膜形成工程
本発明では、電解メッキにより上記シード層上に金属膜を形成する。電解メッキは公知の方法および条件で行うことができる。
電解メッキによりメッキ膜を形成できる金属としては、たとえば、金、銀、銅、コバルト、ニッケル、鉄、亜鉛、クロム等、およびこれらの金属を1種類以上含む合金などが挙げられる。電気回路の用途においては、金、銅、ニッケル、およびその合金を好適に用いることができ、特にパターニングが必要な場合には、銅を好適に用いることができる。
電解メッキに用いられるメッキ液としては、たとえば、銅であれば硫酸銅メッキ液、ニッケルであれば硫酸ニッケル液などが使われる。
一般に、電解メッキ後にはピール強度を上げる目的で、100℃〜200℃の温度で30分〜2時間程度アニールが行われる。
電解メッキにより形成される金属膜の厚さは、メッキ時の電流と時間でコントロールされ、通常1〜100μm、好ましくは5〜25μmである。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。なお、実施例および比較例中の部および%は、特に言及しない限り、重量基準とする。
(合成例1)[熱硬化性樹脂(エポキシ基含有重合体)の製造]
反応容器内に、メタクリル酸グリシジル25gと、アクリロニトリル10gと、メチルメタクリレート15gと、ジオキサン50gとを混合して、均一な反応原料溶液とした。
この反応原料溶液に対して、30分間、窒素バブリングを実施した後、重合開始剤としての2,2−アゾビスイソブチロニトリル1.9gを添加した。窒素バブリングを継続しながら、反応容器内の温度を70℃に昇温し、70℃で7時間重合反応を継続した。得られた反応溶液と、多量のヘキサンとを混合して重合体を凝固させた後、この重合体を採取して、ジオキサンに再溶解させた。このヘキサンによる凝固と、ジオキサンによる再溶解の操作を5回繰り返し、未反応モノマーを除去した。次いで、70℃、減圧の条件でジオキサンを飛散させ、白色のエポキシ基含有重合体を得た。この重合体の重量平均分子量(Mw)を、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて測定したところ
、110,000であった。
(合成例2)[ポリイミド系樹脂エマルジョンの調製]
テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物32.29g(90ミリモル)および1,3,3a,4,5,9A−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−c]−フラン−1,3−ジオン3.00g(10ミリモル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン36.95g(90ミリモル)およびオルガノシロキサンLP7100(商品名、信越化学(株)製)2.49g(10ミリモル)を、N−メチル−2−ピロリドン450gに溶解して、室温で12時間反応させた。その後、この反応溶液に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、100℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応溶液を減圧留去して精製し、固形分10%のポリイミド溶液を得た。
一方、ジエチレングリコールモノエチルエーテル100部を入れた反応容器を、窒素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容器に、n−ブチルアクリレート65部、ジメチルアミノエチルアクリレート30部、グリシジルメタアクリレート5部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる混合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶液重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%のアクリルポリマー溶液を得た。
ポリイミド溶液50部(固形分)とアクリルポリマー溶液30部(固形分)とエピコート828(油化シェルエポキシ社製の商品名)20部とを混合し、70℃で3時間反応させた後、酢酸3部を徐々に添加して混合し、pH調整を行った。次いで、蒸留水1000部を徐々に添加しつつ強く撹拌して、ポリイミド系樹脂を主成分とする有機粒子のカチオン性エマルジョンを得た。
(合成例3)[誘電体ペーストの調製]
熱硬化性樹脂として、エポキシ樹脂であるエピコート1004(平均分子量1600、油化シェルエポキシ(株)製)8重量部と、合成例1で得られたエポキシ基含有重合体 3重量部とを酢酸ブチルセロソルブ60重量部に対して溶解させ、均一な樹脂溶液とした。この樹脂溶液に対して、チタン酸バリウム粒子(商品名「HPBT−1」、富士チタン株式会社製、平均粒子径0.6μm、誘電率2000)を100重量部を加えた。次いで、3本ロールを用いてこれらの誘電体ペースト組成物材料を1時間混練し、誘電体ペースト(1)とした。この誘電体ペーストの粘度は50,000mPa・sであった。
(合成例4)[電着用水性分散液の調製]
チタン酸バリウム粒子(商品名「BT−02」、堺化学工業株式会社製、平均粒子径 0.2μm、誘電率2000)15重量部を、ノニオン系分散剤0.3重量部および蒸留水85重量部にホモミキサーで混合した後、超音波分散処理を行って、凝集物のない誘電体用複合粒子の分散液(固形分15%)を得た。
さらに、前記分散液100重量部に合成例2で得られたポリイミド系樹脂を主成分とする有機粒子のカチオン性エマルジョン100重量部を混合して電着用水性分散液を調製した。
(実施例1)
(1)絶縁層の形成
BT(ビスマレイミドトリアジン)樹脂からなる基板(縦150mm×横150 mm×厚さ0.8mm)の両面に18μmの銅箔がラミネートされているBTレジン銅張積
層板(三菱ガス化学製、商品名:HL830-0.8T12D)上に、前記合成例3で得られた誘電体
ペーストを、スクリーン印刷機で印刷した。これを100℃で10分間プリベークした後、オーブンにて150℃で30分間加熱することにより、誘電体ペーストを硬化させて絶縁層を形成した。段差膜厚計で膜厚を測定したところ、得られた絶縁層の厚みは20μmであった。
(2)親水化処理
上記絶縁層が形成された基板を容器(縦180mm×横180mm)に入れ、光触媒能を有する粒子(a)として一次粒子径7nmの酸化チタン粉末(石原産業(株)製ST01)の水分散体(固形分濃度0.1%)を、基板上に約5mmの厚みで加えた。上面から絶縁層表面に、蛍光ランプ(松下電器産業(株)製FL10N)を用いて、20分間放射線を照射(1.8mW/cm2)した後、基板を取り出した。
上記親水化処理前後で、基板への水の接触角を測定したところ90度から20度に下がっており、濡れ性が大幅に改善されることが分かった。
(3)シード層の形成
次いで、親水化処理した前記絶縁層を有する基板を、スズコロイドを含む液とパラジウムコロイドを含む液に交互に30秒づつ各2回浸漬し、基板にパラジウム触媒を付着させ、下記組成の無電解ニッケルメッキ液を用いて下記条件にて無電解メッキを施し、基板全面に0.5μmの無電解ニッケルメッキ膜を形成した。
[無電解ニッケルメッキ液]
硫酸ニッケル30g/l、ホスフィン酸ナトリウム20g/l、塩化アンモニウム35g/lおよびクエン酸ナトリウム10g/lの組成を有するメッキ液を、20%水酸化ナトリウム水溶液でpH9に調整
[無電解メッキ条件]
液温70℃、15分
[アニール条件]
120℃、1時間
(4)金属膜の形成
次いで、下記組成の電解メッキ水溶液を用いて下記条件にて電解銅メッキを施し、厚さ15μmの電解銅メッキ膜を形成した。
[電解メッキ水溶液]
硫酸180g/l、硫酸銅80g/l、添加剤(商品名:カパラシドGL、アトテックジャパン製)1ml/l
[電解メッキ条件]
電流密度1A/dm2、室温、60分
[アニール条件]
120℃、1時間
(実施例2)
(1)絶縁層の形成
合成例4で得られた電着用水性分散液中に、実施例1で用いたBTレジン銅張積層板を陰極として配置し、SUS板を対向電極として配置し、100Vの定電圧法により陰極であるBTレジン銅張積層板の粗化層上に粒子を電着させた。これを100℃で10分間加熱し、さらに200℃で30分間加熱することにより、厚さ6μmの絶縁層を形成した。
(2)親水化処理
実施例1と同様にして行った。親水化処理前後で、基板への水の接触角を測定したところ95度から19度に下がっており、濡れ性が大幅に改善されることが分かった。
シード層の形成(3)および金属膜の形成(4)は、実施例1と同様にして行った。
(比較例1)
実施例1において、絶縁層が形成された基板の親水化処理を行わないで、シード層の形成を行ったところシード層が付着せず、さらに電解メッキ工程においても銅金属膜を形成することができなかった。
実施例および比較例でメッキ処理を行った基板について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
1.ピール強度:JIS K6481に準拠して絶縁層上に形成された銅金属の90度ピール強度を測定した。
2.比誘電率:LCRメーター(商品名:3532−50 LCR HiTESTER、HIOKI製)を用いて基板内の絶縁層(誘電体層)の比誘電率(周波数1MHz)を測定した。
3.耐湿熱性(HAST試験):得られた基板を、温度121℃、湿度100%、2気圧の条件下で、72時間耐湿熱性試験を行って試験前後の比誘電率から、耐湿熱性を下記基準で評価した。
○・・・変化がなく耐性が認められる
×・・・変化が大きく耐性が認められない
4.リーク電流:JIS K6481に準拠して測定した。
Figure 2005240151

Claims (7)

  1. (1)光触媒機能を有する粒子の存在下で、誘電率が30以上である誘電体粒子と、絶縁樹脂とを含有する絶縁樹脂組成物から形成された絶縁層の表面に、放射線を照射する工程、
    (2)前記絶縁層上に、pH5〜9の無電解メッキ液を用いてシード層を形成する工程、および
    (3)電解メッキによって前記シード層上に金属膜を形成する工程
    を含むことを特徴とする金属膜形成方法。
  2. 前記誘電体粒子が、誘電体粒子/絶縁樹脂成分の固形分比で10/90〜90/10の割合で含有されていることを特徴とする請求項1に記載の金属膜形成方法。
  3. 前記誘電体粒子がチタン酸バリウム系金属酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の金属膜形成方法。
  4. 前記光触媒機能を有する粒子が酸化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の金属膜形成方法。
  5. 前記絶縁樹脂がポリイミド系樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の金属膜形成方法。
  6. 前記絶縁層の厚みが1〜30μmであることを特徴とする請求項1に記載の金属膜形成方法。
  7. 前記絶縁層の誘電率が5〜100であることを特徴とする請求項1に記載の金属膜形成方法。
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