JP2005240093A - 錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止剤 - Google Patents
錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止剤 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2005240093A JP2005240093A JP2004051055A JP2004051055A JP2005240093A JP 2005240093 A JP2005240093 A JP 2005240093A JP 2004051055 A JP2004051055 A JP 2004051055A JP 2004051055 A JP2004051055 A JP 2004051055A JP 2005240093 A JP2005240093 A JP 2005240093A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- discoloration
- plating film
- based alloy
- alloy plating
- tin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Detergent Compositions (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
Abstract
【課題】錫系合金めっき皮膜のリフロー後に発生する変色を防止することができる工業的に実用化し得る変色防止剤を提供する。
【解決手段】リン酸を含有し、所望により、有機スルホン酸を含有する水溶液にグリコールエーテルを添加してなる錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止剤。上記変色防止剤浴に錫系合金めっき皮膜を浸漬し、水洗後乾燥する処理を行うことにより、リフロー性の良好なめっき皮膜が得られ、かつリフロー後変色を起こさないめっき皮膜を得ることが可能となる。
【選択図】なし
【解決手段】リン酸を含有し、所望により、有機スルホン酸を含有する水溶液にグリコールエーテルを添加してなる錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止剤。上記変色防止剤浴に錫系合金めっき皮膜を浸漬し、水洗後乾燥する処理を行うことにより、リフロー性の良好なめっき皮膜が得られ、かつリフロー後変色を起こさないめっき皮膜を得ることが可能となる。
【選択図】なし
Description
本発明は、錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止剤に関する。
酸性雨によるエレクトロニクス及び家電製品廃棄物中の錫/鉛合金からの鉛溶出による、土壌や地下水の汚染が問題となっている。これは電子部品の実装に錫/鉛合金が広く用いられていることが原因しており、このため、鉛を含まない実装用はんだ合金やはんだめっきの開発が強く求められている。近年、このような問題を生じないめっき方法として、錫/銅、錫/ビスマス、錫/銀、錫/亜鉛、錫/インジウム合金めっき等の錫を含む合金のめっき(以下「錫系合金めっき」と称する)が有望視され、一部実用化されている。これらのめっき後の皮膜はリフローした場合表面が黄または褐色系の着色を呈することが多い。これは共折した有機物がリフロー温度により熱劣化し黄または褐色系の着色を呈するためと考えられる。このような変色を起こす皮膜はリフロー性が良好でなく、めっき皮膜が完全に溶融するまでの時間が比較的長くかかる傾向があり、問題となっている。
本発明の主な目的は、上記錫系合金めっき皮膜のリフロー後に発生する変色を防止することができる工業的に実用化し得る変色防止剤を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討した結果、以下に示す変色防止剤浴に上記錫系合金めっき皮膜を浸漬し、水洗後乾燥する処理を行うことにより、リフロー性の良好なめっき皮膜が得られ、リフロー後変色を起こさないめっき皮膜を得ることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の第一は、リン酸水溶液を必須成分に含有する錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止剤である。
本発明の第二は、さらにグリコールエーテルを含有してなる上記の変色防止剤である。
本発明の第三は、さらに有機スルホン酸を含有してなる上記の変色防止剤である。
本発明の第二は、さらにグリコールエーテルを含有してなる上記の変色防止剤である。
本発明の第三は、さらに有機スルホン酸を含有してなる上記の変色防止剤である。
本発明の錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止剤浴によれば、めっき作業に引続き処理でき、単なる短時間の浸漬処理のみで、容易にリフロー後の変色防止ができる。よって、本発明の錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止剤浴は、工業的な利用に適するものである。
以下、本発明の錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止剤について詳しく説明する。本発明の変色防止剤浴に用いる第一の必須成分は、リン酸である。無機酸のなかでリン酸だけが錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止効果を示すことは予想外のことである。リン酸は水溶液中に89%リン酸換算で、0.5〜500g/L、より好ましくは5〜50g/L存在させる。
そして好ましくは、リン酸と共にグリコールエーテルを共存させる。
またより好ましくは、リン酸と共に有機スルホン酸とグリコールエーテルとを共存させる。グリコールエーテルは液の浸透性を向上させる作用を示す。これらの併用によりリフロー性とリフロー後の変色防止効果が一層顕著に向上する。
そして好ましくは、リン酸と共にグリコールエーテルを共存させる。
またより好ましくは、リン酸と共に有機スルホン酸とグリコールエーテルとを共存させる。グリコールエーテルは液の浸透性を向上させる作用を示す。これらの併用によりリフロー性とリフロー後の変色防止効果が一層顕著に向上する。
グリコールエーテルとしては、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル等が好ましく用いられる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
グリコールエーテルは水溶液中に0.1〜200g/L、より好ましくは0.3〜10g/L存在させる。
有機スルホン酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、2−プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、2−ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸等のアルカンスルホン酸及びフェノールスルホン酸が好ましく用いられる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
有機スルホン酸は、水溶液中に0.1〜200g/L、より好ましくは0.3〜10g/L存在させる。
グリコールエーテルは水溶液中に0.1〜200g/L、より好ましくは0.3〜10g/L存在させる。
有機スルホン酸としては、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、2−プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、2−ブタンスルホン酸、ペンタンスルホン酸、ヘキサンスルホン酸、デカンスルホン酸等のアルカンスルホン酸及びフェノールスルホン酸が好ましく用いられる。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
有機スルホン酸は、水溶液中に0.1〜200g/L、より好ましくは0.3〜10g/L存在させる。
本発明の錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止剤による変色防止処理は、めっき処理及び中和・水洗処理の終了した基板または部品を乾燥せずに変色防止剤浴に浸漬し、水洗し乾燥するものである。浸漬条件は、浴温20〜40℃、浸漬時間20〜60秒が適当である。本発明の変色防止剤浴によれば、めっき作業に引続き処理でき、単なる短時間の浸漬処理のみで、容易にリフロー後の変色防止ができ、作業効率が向上する。
本発明の変色防止剤による処理以外の工程は周知であり、その一例を図1に示す。
本発明の変色防止剤による処理以外の工程は周知であり、その一例を図1に示す。
次に、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。先ず、錫系合金めっき皮膜を図1に示すような工程により、錫−銅有機酸プロセス(NF−111)によりめっき皮膜を作製し、中和・水洗後本発明の変色防止剤浴に30℃にて30秒浸漬処理し、水洗し、乾燥した。
次に、得られためっき皮膜をリフローし、リフロー性と変色防止効果を確認した。リフロー条件は140〜160℃にて40〜50秒保持した後、230〜240℃で10秒程度加熱するというプロファイルにて行った。図2に温度プロファイルの一例を示す。変色防止剤浴の組成及び結果を表1に示す。
評価基準は次のとおりである。
リフロー性:235℃で、めっき皮膜が完全に溶融するまでの時間
○ 3秒以内
△ 3〜4秒
× 4秒以上
リフロー後の変色防止効果:
○ 変色しない
△ 若干変色
× 変色する
用いた試薬(日本マクダーミッド製薬品)の内容は次のとおりである。
メテックス9268:無機酸を主成分とした酸性クリーナー
メッテクスG−5S:硫酸・過酸化水素タイプのソフトエッチング液
NF−111:フッ化物を含まない有機酸ベースの錫−銅めっき浴
ケンバートNo.70:無機アルカリ剤を主成分とした錫、はんだめっき用後処理剤
リフロー性:235℃で、めっき皮膜が完全に溶融するまでの時間
○ 3秒以内
△ 3〜4秒
× 4秒以上
リフロー後の変色防止効果:
○ 変色しない
△ 若干変色
× 変色する
用いた試薬(日本マクダーミッド製薬品)の内容は次のとおりである。
メテックス9268:無機酸を主成分とした酸性クリーナー
メッテクスG−5S:硫酸・過酸化水素タイプのソフトエッチング液
NF−111:フッ化物を含まない有機酸ベースの錫−銅めっき浴
ケンバートNo.70:無機アルカリ剤を主成分とした錫、はんだめっき用後処理剤
実施例1〜8(特に1〜7)は、リフローが良好であり、変色が完全に防止され、良好な外観であったのに対し、比較例1及び2は、リフロー性が必ずしも良好でなく、黄色ないし褐色に変色した。
次に従来浴について同様の実験を行った結果を表2に示す。
次に従来浴について同様の実験を行った結果を表2に示す。
以上の結果から明らかなように、本発明によれば、本発明の変色防止剤浴にめっき後乾燥せず連続的に単に浸漬するだけで、錫−銅系合金めっきのリフロー性の良好なめっき皮膜を得ることができ、かつリフロー後の変色防止ができることが分かった。一方、比較例の組成の浴に浸漬し乾燥しても、リフロー性の良好な錫−銅系合金めっき皮膜は得られず、リフロー後の変色防止はできないことが分かった。
Claims (7)
- リン酸水溶液を必須成分として含有することを特徴とする錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止剤。
- さらにグリコールエーテルを含有する請求項1記載の変色防止剤。
- さらに有機スルホン酸を含有する請求項2記載の変色防止剤。
- リン酸が89%リン酸換算で0.5〜500g/L存在する請求項1〜3のいずれか記載の変色防止剤。
- グリコールエーテルがプロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル及びジプロピレングリコールエチルエーテルからなる群から選ばれる少なくとも一種であり、合計で0.1〜200g/L存在する請求項2〜4のいずれか記載の変色防止剤。
- 有機スルホン酸がアルカンスルホン酸及びフェノールスルホン酸からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、合計で0.1〜200g/L存在する請求項3〜5のいずれか記載の変色防止剤。
- 請求項1〜6のいずれか記載の変色防止剤浴に錫系合金めっき皮膜を浸漬し、水洗後乾燥する処理を行うことを特徴とするリフロー性が良好で且つリフロー後に変色を起こさないめっき皮膜を得る方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004051055A JP2005240093A (ja) | 2004-02-26 | 2004-02-26 | 錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004051055A JP2005240093A (ja) | 2004-02-26 | 2004-02-26 | 錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005240093A true JP2005240093A (ja) | 2005-09-08 |
Family
ID=35022131
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004051055A Pending JP2005240093A (ja) | 2004-02-26 | 2004-02-26 | 錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005240093A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN107326413A (zh) * | 2017-07-04 | 2017-11-07 | 苏州道蒙恩电子科技有限公司 | 一种电镀锡抗变色处理剂及使用方法 |
WO2018138928A1 (ja) * | 2017-01-30 | 2018-08-02 | Jx金属株式会社 | 表面処理めっき材、コネクタ端子、コネクタ、ffc端子、ffc、fpc及び電子部品 |
-
2004
- 2004-02-26 JP JP2004051055A patent/JP2005240093A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2018138928A1 (ja) * | 2017-01-30 | 2018-08-02 | Jx金属株式会社 | 表面処理めっき材、コネクタ端子、コネクタ、ffc端子、ffc、fpc及び電子部品 |
CN110199054A (zh) * | 2017-01-30 | 2019-09-03 | Jx金属株式会社 | 表面处理镀敷材料、连接器端子、连接器、ffc端子、ffc、fpc及电子零件 |
US20200243995A1 (en) * | 2017-01-30 | 2020-07-30 | Jx Nippon Mining & Metals Corporation | Surface-treated plated material, connector terminal, connector, ffc terminal, ffc, fpc and electronic part |
US10868383B2 (en) | 2017-01-30 | 2020-12-15 | Jx Nippon Mining & Metals Corporation | Surface-treated plated material, connector terminal, connector, FFC terminal, FFC, FPC and electronic part |
CN110199054B (zh) * | 2017-01-30 | 2022-02-25 | Jx金属株式会社 | 表面处理镀敷材料、连接器端子、连接器、ffc端子、ffc、fpc及电子零件 |
CN107326413A (zh) * | 2017-07-04 | 2017-11-07 | 苏州道蒙恩电子科技有限公司 | 一种电镀锡抗变色处理剂及使用方法 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5710670B2 (ja) | 金属表面と接合した高分子材料との間の接着性を向上するために銅合金の表面を処理する溶液および方法 | |
JP2004217707A (ja) | 金めっき部品用洗浄剤およびすすぎ剤並びに洗浄方法およびすすぎ方法 | |
TWI647304B (zh) | 固化焊劑之電路基板之製造方法、搭載電子零件之電路基板之製造方法、及助焊劑用洗淨劑組合物 | |
CN104070308A (zh) | 无卤素免清洗光亮型焊锡丝用松香基助焊剂及其制备方法 | |
JP2016535453A (ja) | プリント回路基板の接着促進 | |
CN114833491A (zh) | 一种铜面选择性有机保焊剂及其使用方法 | |
CN101405363B (zh) | 用于有机可焊性保护剂的预涂层组合物 | |
JP4242915B2 (ja) | 銅表面処理剤及び表面処理方法 | |
JP2010070838A (ja) | 金属表面処理水溶液および金属表面のウィスカ抑制方法 | |
JP2005240093A (ja) | 錫系合金めっき皮膜のリフロー後の変色防止剤 | |
KR20070090808A (ko) | 표면 처리제 및 이를 이용한 피막 형성 방법 | |
JP2007197775A (ja) | アルミニウム系金属材料用酸性洗浄剤及びその洗浄方法 | |
KR20180031086A (ko) | 알루미늄캔의 표면 처리 방법 | |
JP2009046761A (ja) | 表面処理剤 | |
KR20120067293A (ko) | 에칭액 조성물 | |
CA2326049A1 (en) | Method for coating surfaces of copper or of a copper alloy with a tin or tin alloy layer | |
JP5985368B2 (ja) | 銅または銅合金の表面処理液及びその利用 | |
CN106435616A (zh) | 一种TiNC膜的退镀液及退镀工艺 | |
JP4395148B2 (ja) | レジスト剥離剤 | |
WO2018074279A1 (ja) | エッチング液組成物及びエッチング方法 | |
KR101520992B1 (ko) | 구리 또는 구리 합금용 표면 처리제 및 그 용도 | |
WO2010024421A1 (en) | Surface treating agent for copper or copper alloy and use thereof | |
JP4065110B2 (ja) | 銅または銅合金の表面処理法およびプリント配線板の製造法 | |
JP4305741B2 (ja) | 銀めっき液 | |
KR20110137130A (ko) | 땜납 플럭스 제거용 세정제 조성물 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20061226 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20081125 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20090804 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20091201 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |