JP2005239601A - N−アシルアミノ酸類の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明は、高分子固定化パラジウム触媒と固体酸触媒を併用することによって、繰り返し使用しても触媒活性低下とパラジウムのリーチングを抑制しつつ、効率よくアミドカルボニル化反応を進行させることによって、N−アシルアミノ酸類の実用的な製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 アルデヒド、アミド、配位性化合物、ハロゲン化合物、および高分子固定化パラジウム触媒と固体酸触媒の存在下、有機溶剤中一酸化炭素加圧下に反応させてN−アシルアミノ酸類を得る。
【解決手段】 アルデヒド、アミド、配位性化合物、ハロゲン化合物、および高分子固定化パラジウム触媒と固体酸触媒の存在下、有機溶剤中一酸化炭素加圧下に反応させてN−アシルアミノ酸類を得る。
Description
本発明は、N−アシルアミノ酸類の製造方法に関し、より詳しくは、食品添加物や医農薬製造原料又はアミノ酸の極めて重要な中間体であるN−アシルアミノ酸類の製造方法に関する。
従来から、N−アシルアミノ酸類の製造方法としては、A)アミノ酸のN−アシル化による方法や、B)アルデヒド、アミドおよび、一酸化炭素を原料とするいわゆるアミドカルボニル化反応による方法等が知られている。A)に挙げるN−アシル化法は天然型アミノ酸のN−アシル体を製造する場合には必ずしも不利ではないが、非天然型アミノ酸のN−アシル体の場合には、B)に挙げるアミドカルボニル化反応が有利であることはあきらかである。
アミドカルボニル化反応としては下記の方法が知られている。
(a)アルデヒド、アミド、一酸化炭素および、水素をコバルト化合物触媒の存在下に高圧下で反応させる方法(例えば、非特許文献1参照)。
(b)アルデヒド、アミド、一酸化炭素および、酸をコバルト化合物触媒の存在下に高圧下で反応させる方法(例えば、特許文献1参照)。
(c)アルデヒド、アミド、一酸化炭素および、酸をパラジウム化合物触媒の存在下に高圧下で反応させる方法(例えば、特許文献2参照)。
(d)アルデヒド、ニトリル、一酸化炭素および、酸をパラジウム化合物触媒の存在下に高圧下で反応させる方法(例えば、特許文献3参照)。
(e)アルデヒド、アミド、一酸化炭素および、酸をルテニウム、イリジウムあるいはロジウム化合物触媒の存在下に高圧下で反応させる方法(例えば、特許文献4参照)。がある。
(a)アルデヒド、アミド、一酸化炭素および、水素をコバルト化合物触媒の存在下に高圧下で反応させる方法(例えば、非特許文献1参照)。
(b)アルデヒド、アミド、一酸化炭素および、酸をコバルト化合物触媒の存在下に高圧下で反応させる方法(例えば、特許文献1参照)。
(c)アルデヒド、アミド、一酸化炭素および、酸をパラジウム化合物触媒の存在下に高圧下で反応させる方法(例えば、特許文献2参照)。
(d)アルデヒド、ニトリル、一酸化炭素および、酸をパラジウム化合物触媒の存在下に高圧下で反応させる方法(例えば、特許文献3参照)。
(e)アルデヒド、アミド、一酸化炭素および、酸をルテニウム、イリジウムあるいはロジウム化合物触媒の存在下に高圧下で反応させる方法(例えば、特許文献4参照)。がある。
しかしながら、(a)から(e)のいずれの方法も、均一系パラジウム触媒の使用が不可欠であり、そして、このパラジウム触媒の存在が目的物の精製の妨げとなることがある。ことに、医薬品、化粧品、食品などの属する分野では、厳密にパラジウム触媒を除かなくてはならない。また、一方で近年環境に対する負荷を軽減させる製造プロセスが強く求められるようになってきた。そのため、有害性の高い試薬や、有機溶媒を使用しない反応系、或いは触媒を回収再使用する反応系が望まれている。しかしながら、アミドカルボニル化反応においては、その有用性が高いにも関わらず、環境負荷を低減させるような反応系の開発については行われていなかった。更にはコスト面においても、高価な金属化合物触媒が反応後回収できないため、金属化合物触媒を再生させるためには反応混合物から金属化合物を分離し精製したのちに、触媒の再生をしなければならず、工業的に不利であることは明らかである。また、(a)を除く(b)〜(e)の場合、反応の進行には酸が必須である。酸が触媒する有機合成反応においては、生成物や溶媒と酸の分離や、製造設備の腐蝕の問題を抱えていた。
Wakamatsu,H.,Yamakami,N.著「Chemical Communication,」 Royal Society of Chemistry出版(英国)、1971年,p.1540. 独国特許出願公開第2252770号公報
特開平2−6445号公報
特開平11−349544号公報
特開2001−31633号公報
Wakamatsu,H.,Yamakami,N.著「Chemical Communication,」 Royal Society of Chemistry出版(英国)、1971年,p.1540.
本発明は、高分子化合物に固定化されたパラジウム触媒と固体酸触媒を併用することによって、繰り返し使用しても触媒活性を低下させることなく、かつパラジウムのリーチングを抑制しつつ、効率よくアミドカルボニル化反応を進行させることによって、N−アシルアミノ酸類の実用的な製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意研究を行った結果、アルデヒド、アミド、固体酸触媒、ハロゲン化合物、および高分子固定化パラジウム触媒の存在下、有機溶剤中一酸化炭素加圧下に反応させることにより効率よくN−アシルアミノ酸類が生成するという知見を得、ついに本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、アルデヒドとアミドをポリマー担持遷移金属錯体触媒および固体酸触媒の存在下、有機溶剤中、一酸化炭素加圧下に反応させることを特徴とするN−アシルアミノ酸類の製造方法に関する。
本発明により、環境および反応に悪影響を与えると思われる酸を使用することなく、高価な金属触媒の回収が容易なアミドカルボニル化反応を行う事ができる。
本発明のN−アシルアミノ酸類の製造方法は、アルデヒド化合物とるアミド化合物とを高分子化合物に固定化されたパラジウム触媒の存在下、有機溶剤中一酸化炭素加圧下に反応させるN−アシルアミノ酸類の製造方法であれば特に制限されるものではない。
ここで、アルデヒドとしては、式(2)
〔式中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、ヘテロアリール基、またはヘテロアラルキル基を示す。〕
で表されるアルデヒドが好適であり、アミド化合物は式(3)
で表されるアルデヒドが好適であり、アミド化合物は式(3)
〔式中、R2およびR3は相異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、ヘテロアリール基、またはヘテロアラルキル基を示す。〕
で表されるアミドが好適である。これらのアルデヒドとアミドをポリマー担持遷移金属触媒および固体酸の存在下、有機溶剤中一酸化炭素加圧下に反応させることにより製造されるN−アシルアミノ酸類は、式(1)
で表されるアミドが好適である。これらのアルデヒドとアミドをポリマー担持遷移金属触媒および固体酸の存在下、有機溶剤中一酸化炭素加圧下に反応させることにより製造されるN−アシルアミノ酸類は、式(1)
〔式中、R1、R2およびR3は前記と同じ意味を示す。〕
で表される。
で表される。
式(1)、(2)におけるR1は、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基又は置換基を有していてもよいアラルキル基を示し、式(1)、(3)におけるR2およびR3は、独立して水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基を示す。
式(1)、(2)および(3)におけるR1,R2およびR3がそれぞれ表すアルキル基、アルケニル基、アルキニル基には、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐状、環状の考えうる全ての結合異性体が含まれ、これらのアルキル基は炭素数1〜24、アルケニル基およびアルキニル基は、それぞれ炭素数2〜24であることが好ましい。式(1)、(2)および(3)におけるR1,R2およびR3がそれぞれ表すアリール基は炭素数6〜24、アラルキル基は炭素数7〜24、ヘテロアリール基は炭素数3〜8、ヘテロアラルキル基は炭素数4〜8であることが好ましい。アリール基の具体例としては、フェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリル等をあげることができる。アラルキル基の具体例としては、ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等をあげることができる。ヘテロアリール基の具体例としては、ピリジル、キノニル、ピロリル、イミダゾリル、フリル、インドリル、チエニル、オキサゾリル等をあげることができる。ヘテロアラルキル基の例としては、ピリジルメチル、キノニルメチル、インドリルメチル、フリルメチル、ピロリルメチル等をあげることができる。
上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基における置換基としては、フッ素、塩素、臭素などのハロゲン原子;シクロプロピル、1−メチルシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1−メチルシクロペンチル、シクロヘキシル等のC3〜C6シクロアルキル基;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ等のC1〜C6の低級アルコキシ基;アリルオキシ,2−プロペニルオキシ,2−ブテニルオキシ、2−メチル−3−プロペニルオキシ等のC1〜C6の低級アルケニルオキシ基;C7〜C20のアラルキルオキシ基;フェニル、ナフチル、アントラニル、フェナントリル等のC6〜C18のアリ−ル基;フェニルオキシ、ナフチルオキシ等C6〜C18のアリ−ルオキシ基;C2〜C7のアルカノイル基;C7〜C19のアリロイル基;C2〜C7のアルカノイルアミノ基;C1〜C6のアルキルスルホニルアミノ基;C1〜C6アルコキシカルボニルアミノ基;ベンジルカルボニルアミノ基;、C6〜C18のアリ−ルスルホニルアミノ基;アミノカルボニル基;C1〜C6アルコキシカルボニル基等が挙げられる。
上記アリール基、アラルキル基、ヘテロアリール基、ヘテロアラルキル基におけるアール部、ヘテロアリール部への置換基としては、上記アルキル基、アルケニル基、アルキニル基における置換基のほかに、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチルおよびその異性体、ヘキシルおよびその異性体等のC1〜C6アルキル;エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、1−ヘキセニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキセニル等のC2〜C6アルケニル;ベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等のC7〜C20のアラルキル基等が挙げられる。
本発明の方法に用いられる式(2)で表されるアルデヒド類としては、任意のアルデヒドが使用可能であるが、具体例としては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、バレルアルデヒド、3−(メチルチオ)プロピオンアルデヒド、2−エチルヘキサナール、イソブチルアルデヒド、フルフラール、クロトンアルデヒド、アクロレイン、ベンズアルデヒド、置換ベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、2,4−ジヒドロキシフェニルアセトアルデヒド、グリオキサル酸及びα−アセトキシプロピオンアルデヒド等が使用できる。また、ジアルデヒド類も使用できる。同様に、上記の反応条件下でアルデヒドを形成することのできる物質、例えば、パラホルムアルデヒド、アセタール類、アリルアルコール類も使用できる。さらに、エポキシドも使用可能である。
本発明の方法に用いられる式(3)で表されるアミド類としては、任意のアミドが出発原料として使用されるが、具体例として、アセトアミド、ベンズアミド、プロピオンアミド、N−メチルアセトアミド、脂肪酸アミド、アクリルアミド、ケイ皮酸アミド、フェニル酢酸アミド、アセトアニリド、尿素等が挙げられる。これらのアミド類はいうまでもなく、前記置換基を有していてもよい。
また、本発明の方法において、アミド成分は、相応するニトリルを酸触媒存在下加水分解することにより、本反応系内で製造することができる。このため、アミドの替わりに一般の脂肪族ニトリルや芳香族ニトリル類を用いることも可能である。これに適したニトリルの例は、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ベンジルシアニド、マロンジニトリル、アジポニトリル、ブチルシアニド、マンデル酸ニトリルなどである。
式(3)で表されるアルデヒドの使用量は、式(2)で表されるアミドに対して有利に0.2〜5当量、好ましくは0.5〜2当量である。
本発明に使用するポリマー担持遷移金属錯体は、例えば、Org.Lett.,4,p.3371(2002)や特開2003−236388号公報に示されているような下記構造式(4)
[式中、k、Lおよびmはそれぞれ独立に1以上の整数、nは0または1以上の整数である。Mは遷移金属を示し、R4およびR5はそれぞれ独立に水素、C1〜6の直鎖、分岐あるいは環状のアルキル基、フェニル基またはベンジル基、Xは塩素、アセテート、トリフェニルホスフィン、アセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン、一酸化炭素、アセトニトリル、またはベンゾニトリルを示す。Ar1およびAr2はそれぞれ独立に置換基を有していても良いフェニル基またはナフチル基である]
で表される繰り返し構造単位からなるポリマー担持遷移金属触媒である。
で表される繰り返し構造単位からなるポリマー担持遷移金属触媒である。
Mで表される遷移金属としては、パラジウム、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、白金等が使用することができ、その中でもパラジウムが好ましい。C1〜6の直鎖、分岐あるいは環状のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、イソブチル基、n−ブチル基、t−ブチル基、ヘキシル基、シクロへキシル基等があげられる。Ar1、Ar2のフェニル基またはナフチル基の置換基としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、n−ブチル基、メトキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、t−ブトキシ基等があげられる。このようなポリマー担持遷移金属触媒の中でも、式(5)に示されるパラジウム触媒が特に好ましい。
[k、Lおよびmは1以上の整数を示す]
高分子化合物に固定化されたパラジウム触媒の中の金属パラジウム含有量は0.05〜2.0mmol/gが好ましい。高分子化合物に固定化されたパラジウム触媒は含有されるパラジウムがアミドに対して、0.0001〜30モル%(触媒金属で計算して)、好ましくは0.001〜10モル%使用される。
高分子化合物に固定化されたパラジウム触媒の中の金属パラジウム含有量は0.05〜2.0mmol/gが好ましい。高分子化合物に固定化されたパラジウム触媒は含有されるパラジウムがアミドに対して、0.0001〜30モル%(触媒金属で計算して)、好ましくは0.001〜10モル%使用される。
本触媒は、N−置換アクリルアミド−4−スチリル(ジフェニル)ホスフィンの鎖状共重合体と遷移金属塩を反応せしめたネットワーク状の超分子遷移金属錯体である。そして、この超分子遷移金属触媒は、両親媒性であるため、親水性や疎水性の基質、試剤を遷移金属の近傍に取り込み、基質と試剤の反応の触媒として機能する。そして、ネットワーク状の超分子であるため、水、有機溶媒に不溶で、反応系からの回収が容易である。また、遷移金属は高分子骨格のホスフィノ基に強く担持されている。そのため、反応に際して遷移金属の溶出が無く、繰り返し使用可能である。以上のように、本触媒は両親媒性、ネットワーク状の超分子遷移金属触媒であって、近年、強く求められているような低環境負荷型触媒である。
また、固定化パラジウム触媒と併用される固体酸については、有機酸基を有する高分子酸であれば特に制限はないが、スルホン酸基を有する高分子が好ましい。その中でも、トルエンスルホン酸基を担持した高分子が望ましい。具体的には、式(6)
(式中、Pは置換されていても良いポリスチレン望ましくはジビニルベンゼンやエチレングリコールで架橋されたポリスチレン等で、qは0または1から4の整数、rは0または1以上の整数、Xは、置換基を有していても良いC1〜18のアルキル基、置換基を有していても良いC6〜12のアリ−ル基を示す)
で表される高分子酸である。
で表される高分子酸である。
C1〜18アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、オクタデシル基等が挙げられる。C6〜12のアリ−ル基としてはフェニル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられる。置換基としては、メチル基、エチル基等のアルキル基、アミノ基、アルコキシ基、カルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルボン酸基、塩素等のハロゲン基、ホスホン酸基、スルホン酸基等があげられ、これらが複数個置換されていても良い。
本発明に使用する、固体酸の具体例として、アンバーリスト(登録商標)等の市販品のイオン交換樹脂等が使用される。固体酸中に含まれる酸の密度は、酸性官能基として、0.1〜10.0mmol/g望ましくは1.0〜5.0mmol/gである。固体酸触媒はアミドに対して、0.001〜50モル%、好ましくは1.0〜30モル%使用される。
高分子化合物に固定化されたパラジウム触媒使用の際に、配位子が添加されてもよい。配位子としては、殊にホスファン類が好ましく、例えば、トリアリールホスファン、トリアルキルホスファン、アルキルジアリールホスファン及びジアルキルアリールホスファンなどが挙げられる。より具体的には、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、フェニルジメチルホスフィン等が用いられる。
ホスファン類の使用量はアミドの0〜20モル%の範囲で適宜使用できる。
付加的に、助触媒としてハロゲン化合物を添加することにより反応を有利に進めることができる。ハロゲン化合物としてはイオン性のハロゲン化塩が有利であり、例えば、塩化アンモニウム、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化アンモニウム、臭化リチウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化リチウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウムなどが使用される。これらのイオン性ハロゲン化塩は、アミドに対して、1〜100モル%、好ましくは、10〜50モル%の量で使用される。
ハロゲン化合物に加え、別の助触媒として酸を添加することも有効である。酸としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、メタンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、などが使用可能である。使用量は、アミドに対して、好ましくは0.01〜50モル%、より好ましくは0.1〜10モル%で使用される。
本発明方法に使用される溶媒としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、エチレングリコージメチルエーテル、酢酸エチル、酢酸、アセトニトリル、ベンゾニトリル、t−ブチルメチルエーテル、ジブチルエーテル、スルホラン、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルアセトアミド等が挙げられる。溶媒量は基質に応じて適宜用いることができるが、一般的にはアミドの1〜1,000(w/v)が可能であり、好ましくは10〜200(w/v)である。
一酸化炭素圧は、1〜250気圧、好ましくは10〜150気圧で、反応温度は、0〜200℃、好ましくは、50〜150℃で実施されてよい。
以下実施例を示し、さらに詳しく説明するが、本発明の技術的範囲はこれに限定されることはない。
実施例1: N−アセチルロイシンの製造
バレルアルデヒド106μL(1.0mmol)、アセトアミド59mg(1.0mmol)、高分子固定化パラジウム触媒(市販品、東京化成工業社製、パラジウム含量が0.263mmol/g)38mg(アセトアミドの1モル%相当)、臭化ナトリウム36mg(アセトアミドの35モル%)、固体酸(市販品、Aldrich&Fluka社製;ポリスチレン−ジビニルベンゼン共重合体にスルホン酸残基を導入したもの)68mg(スルホン酸残基として、2.9mmol/g、アセトアミドの20モル%)、N−メチルピロリジノン3mLを50mLオートクレーブに仕込み、一酸化炭素圧60バール、120℃で撹拌しながら反応させた。15時間反応させた後反応混合物をろ過し、濾液をHPLC分析した。表記化合物191mg(収率96%)を得た。
バレルアルデヒド106μL(1.0mmol)、アセトアミド59mg(1.0mmol)、高分子固定化パラジウム触媒(市販品、東京化成工業社製、パラジウム含量が0.263mmol/g)38mg(アセトアミドの1モル%相当)、臭化ナトリウム36mg(アセトアミドの35モル%)、固体酸(市販品、Aldrich&Fluka社製;ポリスチレン−ジビニルベンゼン共重合体にスルホン酸残基を導入したもの)68mg(スルホン酸残基として、2.9mmol/g、アセトアミドの20モル%)、N−メチルピロリジノン3mLを50mLオートクレーブに仕込み、一酸化炭素圧60バール、120℃で撹拌しながら反応させた。15時間反応させた後反応混合物をろ過し、濾液をHPLC分析した。表記化合物191mg(収率96%)を得た。
実施例2;N−アセチルロイシンの製造
バレルアルデヒド106L(1.0mmol)、アセトアミド59mg(1.0mmol)、高分子固定化パラジウム触媒(市販品、東京化成工業社製、パラジウム含量が0.263mmol/g)38mg(アセトアミドの1モル%相当)、臭化ナトリウム36mg(アセトアミドの35モル%)、アンバーリスト(登録商標)30mg(スルホン酸残基として、4.7mmol/g、アセトアミドの17モル%)、N−メチルピロリジノン3mLを50mL オートクレーブに仕込み、一酸化炭素圧60バール、120℃で撹拌しながら反応させた。15時間反応させた後反応混合物をろ過し、濾液をHPLC分析した。表記化合物181mg(収率91%)を得た。
バレルアルデヒド106L(1.0mmol)、アセトアミド59mg(1.0mmol)、高分子固定化パラジウム触媒(市販品、東京化成工業社製、パラジウム含量が0.263mmol/g)38mg(アセトアミドの1モル%相当)、臭化ナトリウム36mg(アセトアミドの35モル%)、アンバーリスト(登録商標)30mg(スルホン酸残基として、4.7mmol/g、アセトアミドの17モル%)、N−メチルピロリジノン3mLを50mL オートクレーブに仕込み、一酸化炭素圧60バール、120℃で撹拌しながら反応させた。15時間反応させた後反応混合物をろ過し、濾液をHPLC分析した。表記化合物181mg(収率91%)を得た。
Claims (8)
- アルデヒドとアミドをポリマー担持遷移金属錯体触媒および固体酸触媒の存在下、有機溶剤中、一酸化炭素加圧下に反応させることを特徴とするN−アシルアミノ酸類の製造方法。
- 式(2)
で表されるアルデヒドと、式(3)
で表されるアミドとをポリマー担持遷移金属錯体触媒および固体酸触媒の存在下、有機溶剤中、一酸化炭素加圧下に反応させることを特徴とする、式(1)
で表されるN−アシルアミノ酸類の製造方法。 - ポリマー担持遷移金属錯体触媒が下記構造式(4)
で表される繰り返し構造単位からなるポリマー担持遷移金属触媒である、請求項1記載のN−アシルアミノ酸類の製造方法。 - 固体酸触媒がスルホン酸基を有する高分子である請求項2または3に記載のN−アシルアミノ酸類の製造方法
- 固体酸触媒がトルエンスルホン酸基を担持した高分子である請求項2または3に記載のN−アシルアミノ酸類の製造方法
- 固体酸触媒がポリスチレン誘導体にトルエンスルホン酸基を担持した高分子である請求項2または3に記載のN−アシルアミノ酸類の製造方法
- 有機溶剤が、双極性非プロトン性溶剤である、請求項1〜4のいずれかに記載のN−アシルアミノ酸類の製造方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100374412C (zh) * | 2006-06-16 | 2008-03-12 | 浙江大学 | 离子液体中酰胺羰基化反应的方法 |
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2004
- 2004-02-25 JP JP2004049110A patent/JP2005239601A/ja not_active Withdrawn
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CN100374412C (zh) * | 2006-06-16 | 2008-03-12 | 浙江大学 | 离子液体中酰胺羰基化反应的方法 |
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