JP2005239262A - 粉体供給方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】粉体用バルブの弁箱と弁体との間の隙間に粉体が溜まるのを防止する粉体供給方法を提供すること。
【解決手段】弁箱と、該弁箱内に装填され、弁軸を介して回転することにより粉体流路の開閉を行う弁体とを有する粉体用バルブを用いた粉体供給方法である。弁箱の粉体流入口の上流に弁体の粉体流路内に挿入可能な大きさの細径部を有する粉体移送管を配置し、弁体の粉体流路を開いて粉体を供給する際に、粉体移送管の細径部の少なくとも一部を弁箱の粉体流入口から弁体の粉体流路内に挿入し、該粉体移送管の内側を通して粉体を供給する。
【選択図】図2
【解決手段】弁箱と、該弁箱内に装填され、弁軸を介して回転することにより粉体流路の開閉を行う弁体とを有する粉体用バルブを用いた粉体供給方法である。弁箱の粉体流入口の上流に弁体の粉体流路内に挿入可能な大きさの細径部を有する粉体移送管を配置し、弁体の粉体流路を開いて粉体を供給する際に、粉体移送管の細径部の少なくとも一部を弁箱の粉体流入口から弁体の粉体流路内に挿入し、該粉体移送管の内側を通して粉体を供給する。
【選択図】図2
Description
本発明は、粉体流路の開閉を行うための粉体用バルブを用いた粉体供給方法に関し、さらに詳しくは、粉体用バルブの弁箱と弁体との間の隙間に粉体が溜まるのを防止することができる粉体供給方法に関する。本発明において、「粉体の供給」とは、粉体の移送や投入などをも含む広義の意味で用いられている。
化学工業、食品工業などの分野では、粉体を取り扱うことが多い。粉体の供給を制御するために、一般に、粉体の移送経路に粉体用バルブが配置されている。例えば、触媒や化学反応材料などを粉体の状態で化学反応槽内に投入する場合には、化学反応槽の上部に粉体用バルブを設置し、ホッパーなどの粉体供給装置に連通する粉体供給用配管を通して、粉体を粉体用バルブに導き、該バルブの粉体流路を開けることにより槽内に粉体を供給している。粉体の供給後には、該バルブの粉体流路が閉じられる。
粉体用バルブとしては、一般に、ボールバルブやロータリーバルブが用いられている。典型的な粉体用バルブとしては、図1に断面略図を示すように、粉体流入口6と粉体排出口7とを有する弁箱2と、この弁箱2内に装填され、弁軸4を介して回転することにより粉体流路8の開閉を行う弁体3とを備えたボールバルブ1が挙げられる。図1には、弁体3の粉体流路8が開いた状態が示されているが、弁軸4を回転することにより、粉体流路を閉鎖することができる。弁箱2と弁体3との間は、弁座5,5′によりシールされている。弁箱2の粉体流入口6の上には、例えば、粉体を供給するのに用いられる接続配管11が配置されており、粉体排出口7の下には、化学反応槽などのタンクの上部に設けられた開口部10が配置されている。
このような構造の粉体用バルブを用いて、上流から粉体の供給(移送、投入を含む)12を行うと、弁体3の回転に伴って、弁箱2と弁体3との間の隙間9に粉体が溜まりやすい。特に微細な粉体を供給すると、弁座5,5′によりシールされているにも拘わらず、隙間9に粉体が溜まってしまう。弁箱2と弁体3との間の隙間9に粉体が溜まると、バルブの開閉に支障を来たすことになる。
前記問題を解決するために、従来、弁体と弁箱との隙間に気体吹き込み孔を設け、さらに弁体と弁箱との隙間を下流側で連通させた粉体用バルブが提案されている(特許文献1)。この粉体用バルブでは、気体吹き込み孔から隙間内に強制的に気体を吹き込むことにより、隙間内に溜まった粉体を除去している。
しかし、弁体と弁箱との隙間に強制的に気体を吹き込む方法では、気体吹き込み孔の設置箇所が制限され、隙間全体に気体を吹き込むことが困難であること、気体の吹き込み速度や吹き込み量に制限があることなどもあり、隙間に粉体が溜まるのを完全に防ぐことが困難である。
しかも、化学工業や食品工業などの分野では、粉体として、自己反応性物質や吸湿性物質、吸油性物質など様々な特性を有する物質を取り扱うため、気体の吹き込みでは十分に除去することが困難な場合が多い。粉体は、溶媒などの他の成分との混合や化学反応のためにタンク内に投入されることが多いが、粉体が他の成分との親和性が強かったり、湿気や他の成分と触れることにより粘着性を示す場合などは、隙間に溜まった粉体を容易に除去することができない。
弁箱と弁体との間の隙間に溜まった粉体が触媒などの自己反応性を有するものである場合には、バルブ開閉時の摩擦により反応を起こし、ひどい場合には、隙間がクローズド系であるため、爆発を起こすこともある。また、吸湿性や吸油性などを有する粉体は、隙間で凝固してバルブの開閉操作に支障を来たしやすい。
このような問題を解決する他の手段として、頻繁にバルブを分解し清掃する方法があるが、清掃作業が煩雑であることに加えて、粉体供給効率を含む全体の生産効率が低下する。
特開2001−289335号公報
本発明の課題は、粉体用バルブの弁箱と弁体との間の隙間に粉体が溜まるのを防止することができる粉体供給方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するために鋭意研究した結果、前記の如き構造を有する粉体用バルブを用いた粉体供給方法であって、弁箱の粉体流入口の上流に弁体の粉体流路内に挿入可能な大きさの細径部を有する粉体移送管を配置し、弁体の粉体流路を開いて粉体を供給する際に、粉体移送管の細径部の少なくとも一部を弁箱の粉体流入口から弁体の粉体流路内に挿入し、該粉体移送管の内側を通して粉体を供給する粉体供給方法に想到した。
本発明の粉体供給方法では、粉体供給時に、粉体用バルブの弁箱及び弁体が、弁体の粉体流路の挿入された粉体移送管によって保護されるため、弁箱と弁体との管の隙間に粉体が進入するのをほぼ完全に防ぐことができる。粉体移送管は、上下動自在に配置することにより、粉体供給時にのみバルブ内に挿入し、粉体を供給しない間には、バルブから引き上げることができるので、バルブによる閉鎖作用を妨害することがない。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明によれば、粉体流入口と粉体排出口とを有する弁箱と、該弁箱内に装填され、弁軸を介して回転することにより粉体流路の開閉を行う弁体とを有する粉体用バルブを用いた粉体供給方法において、弁箱の粉体流入口の上流に弁体の粉体流路内に挿入可能な大きさの細径部を有する粉体移送管を配置し、弁体の粉体流路を開いて粉体を供給する際に、粉体移送管の細径部の少なくとも一部を弁箱の粉体流入口から弁体の粉体流路内に挿入し、該粉体移送管の内側を通して粉体を供給することを特徴とする粉体供給方法が提供される。
本発明によれば、粉体供給時にバルブ内を保護し、弁箱と弁体との隙間に粉体が溜まるのをほぼ完全に防止することができる。このため、隙間に溜まった粉体を除去するためにバルブを分解して清掃する必要がなくなり、粉体供給効率や生産効率が向上する。また、隙間に溜まった粉体の化学反応によるトラブルを解消することができる。
本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明では、図1に示すような粉体用バルブを使用することができる。図1には、粉体流入口6と粉体排出口7とを有する弁箱2と、この弁箱2内に装填され、弁軸4を介して回転することにより粉体流路8の開閉を行う弁体3とを備えたボールバルブ1が示されている。
図2には、図1に示されているボールバルブ1の弁体3の粉体通路8内に、粉体移送管13を挿入した状態の断面図が示されている。粉体移送管は、粉体用バルブを粉体による詰まりや粉体の滞留から保護する作用を有するため、保護管と呼ぶことがある。粉体移送管は、弁体3の粉体流路内に挿入可能な大きさの細径部を有している。粉体移送管は、その全長がそのような細径部で形成されたものであってもよい。粉体移送管の一部が細径部となっている場合には、細径部の長さは、粉体用バルブの中にほぼ貫通して挿入することができる長さとする。粉体は、バルブ上流の粉体供給流路14から粉体移送管13の内側を通って、タンクなどに供給される。
粉体移送管13は、弁体3の粉体流路8に挿入し、使用後には引き上げる。したがって、粉体移送管の細径部の外径は、粉体移送管の円滑な上下動を行うことができる程度に、弁体の粉体流路の口径(「弁箱の口径」ともいう)より細くしておく必要がある。他方、粉体移送管の細径部の外径が小さすぎると、粉体移送管を挿入した状態で粉体を供給しても、粉体移送管の外周面と弁箱及び弁体との間の隙間が大きくなりすぎて、粉体供給時の気流の流れによっては、供給した粉体が逆流して、弁箱と弁体との間の隙間に進入するおそれが生じる。そのため、粉体移送管の細径部の外径は、弁体の粉体流路の口径よりも僅かに小さくしておくことが望ましい。
粉体移送管としては、弁箱の粉体流入口の上流に配置されたホッパーなどの粉体供給装置に連通する粉体投入用配管の外周に摺動自在に配置された外側配管であることが好ましい。図3及び4に、そのような外側配管(保護管)13aを用いた実施例が示されている。化学反応槽や混合槽などのタンク17の上部に開口部10が設けられており、この開口部10には、粉体用バルブ1の粉体排出口7が配置されている。図3に示すように、バルブを閉めているときには、ホッパーなどの粉体供給装置15に連通する粉体投入用配管16の外周に摺動自在に配置された外側配管13aは、粉体流入口6より上に引き上げられている。したがって、外側配管の摺動自在とは、上下動自在ということができる。
他方、粉体供給時には、図4に示すように、外側配管13aは、ホッパーなどの粉体供給装置15に連通する粉体投入用配管16の外周を摺動して、粉体流入口6から弁体の粉体流路内に挿入される。外側配管13Aは、バルブ内を貫通するように挿入して、粉体が弁箱と弁体との隙間に侵入しないようにすることが望ましい。粉体の供給が終了すると、再び図3に示すように、外側配管13aを引き上げて、弁体を回転させて粉体流路を閉じる。外側配管13aを引き上げるに当たって、必要に応じて、外側配管13aの表面に付着した粉体を洗浄し除去してもよい。
外側配管(保護管)13aを粉体投入用配管16の外周に摺動自在に配置するには、外側配管の内径を粉体投入用配管16の外径より僅かに大きくすることが好ましい。外側配管13aの摺動すなわち上下動は、手動により行ってもよく、また、油圧などを用いた昇降機構を利用して行ってもよい。このような外側配管の昇降機構は、技術水準から見て、当業者であれば、装置の大きさや形状等に応じて適宜設計することができることが明らかである。
粉体移送管は、弁箱の粉体流入口の上流に配置されたホッパーなどの粉体供給装置に連通する粉体投入用配管であってもよいが、設備が大型であったり、重量が大きい場合には、粉体投入用配管と粉体移送管とを別構造とし、粉体移送管すなわち外側配管13aのみを上下動させる方法を採用する方が、安全性、動力の節減、上下動機構の簡素化や正確化などの観点から望ましい。
本発明の粉体供給方法で取り扱うことができる粉体の種類については、特に限定されず、触媒などの自己反応性物質、吸湿性物質、吸油性物質などの粉体であっても、容易に取り扱うことができる。
本発明の粉体供給方法は、例えば、化学原料の混合槽または反応槽内への粉体原料の供給に好適である。その具体例を挙げると、重合トナーの製造工程では、水、分散安定剤、触媒、モノマー、各種添加剤などの原料をタンク内に供給し、混合する工程が配置されている。これらの原料は、一挙にタンク内に投入されるのではなく、順次添加されるのが普通である。これらの原料の中の液状成分は、粉体用バルブを通して円滑に供給することができるが、触媒などの粉体成分は、弁箱と弁体の隙間に入り込んで滞留しやすい。触媒が弁箱と弁体との隙間に溜まると、正確な化学反応を行うことが困難になる。しかも、触媒は、バルブ開閉時の摩擦により反応しやすいため、バルブを傷つけたり、ひどい場合には、隙間がクローズド系であるため爆発を起こすことがある。
重合トナーの重合工程でも、重合性単量体組成物を分散した水系分散媒体を重合反応槽内で重合反応を行うが、新たにモノマーや触媒を追加して重合反応を継続することがあり、上記と同様の問題を抱えている。また、トナー用結着樹脂の重合工程でも、モノマーや触媒などを反応槽内に供給するため、上記と同様の問題を抱えている。
本発明の粉体供給方法をトナーの製造工程に適用すると、前記の如き問題点が克服され、高品質のトナーを製造することができ、生産効率も向上させることができる。
本発明の粉体供給方法は、化学工業や食品工業などで粉体を供給(移送、投入を含む)するのに適用することができる。特に、本発明の粉体供給方法は、自己反応性物質、吸湿性物質、吸油性物質などの粉体の供給にも適用することができるため、化学原料の混合槽または反応槽内への粉体原料の供給に好適であり、特にトナー製造工程で好適に適用することができる。
1:粉体用バルブ、
2:弁箱、
3:弁体、
4:弁軸、
5,5′:弁座、
6:粉体流入口、
7:粉体排出口、
8:弁体の粉体流路、
9:弁箱と弁体との隙間、
10:タンクの開口部、
11:接続配管、
12:上流からの粉体供給流路、
13:粉体移送管、
14:上流からの粉体供給流路、
15:粉体供給装置(ホッパー)、
16:粉体投入用配管、
17:タンク。
2:弁箱、
3:弁体、
4:弁軸、
5,5′:弁座、
6:粉体流入口、
7:粉体排出口、
8:弁体の粉体流路、
9:弁箱と弁体との隙間、
10:タンクの開口部、
11:接続配管、
12:上流からの粉体供給流路、
13:粉体移送管、
14:上流からの粉体供給流路、
15:粉体供給装置(ホッパー)、
16:粉体投入用配管、
17:タンク。
Claims (5)
- 粉体流入口と粉体排出口とを有する弁箱と、該弁箱内に装填され、弁軸を介して回転することにより粉体流路の開閉を行う弁体とを有する粉体用バルブを用いた粉体供給方法において、弁箱の粉体流入口の上流に弁体の粉体流路内に挿入可能な大きさの細径部を有する粉体移送管を配置し、弁体の粉体流路を開いて粉体を供給する際に、粉体移送管の細径部の少なくとも一部を弁箱の粉体流入口から弁体の粉体流路内に挿入し、該粉体移送管の内側を通して粉体を供給することを特徴とする粉体供給方法。
- 粉体移送管が、弁箱の粉体流入口の上流に配置された粉体供給装置に連通する粉体投入用配管の外周に摺動自在に配置された外側配管である請求項1記載の粉体供給方法。
- 粉体移送管の細径部の外径が、弁体の粉体流路の口径よりも僅かに小さなものである請求項1または2記載の粉体供給方法。
- 自己反応性物質、吸湿性物質、または吸油性物質からなる粉体を供給する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の粉体供給方法。
- 化学原料の混合槽または反応槽内へ粉体原料を供給する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の粉体供給方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004055263A JP2005239262A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | 粉体供給方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004055263A JP2005239262A (ja) | 2004-02-27 | 2004-02-27 | 粉体供給方法 |
Publications (1)
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Cited By (2)
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CN102700734A (zh) * | 2012-06-04 | 2012-10-03 | 廉明辉 | 一种粉体包装机阀门 |
JP2013067458A (ja) * | 2011-09-21 | 2013-04-18 | Nikkiso Co Ltd | 密閉型タンクへの粉体投入装置および粉体投入方法 |
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2004
- 2004-02-27 JP JP2004055263A patent/JP2005239262A/ja active Pending
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