JP2005238672A - ボールペン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 インキ吐出部であるボールホルダー先端部と1.6mmの径を有するボールとの隙間が、0.02〜0.05mmに調整されたペン先を具備し、水性減粘性インキの粘度は、せん断速度0.175s−1における粘度が8000〜20000mPa・sで、且つせん断速度35s−1においては、せん断速度0.175s−1における粘度の1/50以下の粘度を有し、ジオクチルスルフォコハク酸塩を0・05〜2・0重量%含有した水性減粘性インキ内蔵ボールペン。
【選択図】 図1
Description
本発明の目的は、太い筆跡幅を得るためにインキ吐出部の隙間を大きくしインキ吐出量を多くしても、ペン先からのインキ漏れがなく、しかも筆跡は早く乾燥するというボールペンを提供することである。
太い筆跡幅の文字を書くには、相応なインキ吐出量が必要なため、ボールホルダー先端部とボールとの隙間を大きくしなければならない。しかし、その結果、ペン先を下向きにした場合、インキは隙間より漏出してしまう。この現象を防ぐ目的で、インキ粘度を上げると、インキの流動性は下がるのでインキの吐出量が減少し筆跡は細くなってしまう。あるいはインキの追従が途切れたりする。本発明のインキは、静置時には、粘度が高く、筆記時にはボールの回転よる剪断力で著しく粘度が下がるので、斯様な不具合を解消できるのである。
また、ジオクチルスルホコハク酸塩は、紙の繊維とインキの親和性を高め、インキを速く紙に浸透させ、筆跡の乾燥を速くするものと考えられる。
ボール径が大きいことにより、より多くのインキをボール2に付着させなくてはならないので、II−II’断面(ボール省略)矢視図である図3に示すように、内方突出部1dの間に形成される中孔1hの径Bは、ボール2の径の0.4〜0.8倍と比較的大きなものとしてある。
サクシノグリカンは、天然物由来であるためそのモル比等を一つのものとして確定することは困難だが、例えば、グルコース、ガラクトース、ピルビン酸又はその塩、コハク酸又はその塩、酢酸を5:1:0.5:0.5:0.5のモル比で構成された酸性多糖類である。
アルカシーガムも同様に、天然物由来であるためそのモル比等を一つのものとして確定することは困難だが、例えば、高分子成分と低分子成分を約7:1で含む混合物であり、その主成分である高分子成分が、グルコース、グルクロン酸、フコース、ラムノースを2:1:1:1のモル比で含むユニットから構成された酸性多糖類である。
そして、本発明における多糖類の使用量は、インキ全量に対して0.10〜2.00重量%が好ましい。0.10重量%未満では、インキ粘度が低すぎて、インキが漏れる傾向となる。一方、2.00重量%を越えた場合、粘度が高くなり過ぎるため、ペン先部からのインキの吐出が悪くなる傾向がある。
着色剤として染料を用いる場合は、従来公知の染料を使用することが出来、具体例として、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトイエロー4、同26、同44、同50、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同41、同71、同86、同87、同106、同108、同199等の直接染料や、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドイエロー1、同7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同83、同87、同92、同94、同111、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット15、同17、同49、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同100、同103、同104、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27、C.I.アシッドオレンジ56等の酸性染料、C.I.フードイエロー3等の食用染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、ローダミンF4G(C.I.45160)、ローダミン6GCP(C.I.45160)等の塩基性染料等が挙げられる。
尚、上記顔料、分散顔料、染料は混合して使用することもできる。
上記成分以外、従来の、水性インキ組成物に使用されている種々の添加剤を使用することができる。
ペン先でのインキ乾燥防止、低温時、インキの凍結防止などの目的で、水溶性有機溶剤を使用することができる。具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類やエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類や、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、単独或は混合して使用することができる。その使用量はインキ組成物全量に対して10〜60重量%が好ましい。
さらに、尿素、エチレン尿素、チオ尿素などの湿潤剤や、ベンゾチアゾリン系、オマジン系などの防腐剤、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤、顔料を被筆記面に定着させるためにスチレン−アクリル共重合体やそのアルカリ塩、酢酸ビニル系やアクリル系やスチレン−アクリル系の樹脂等のエマルジョン、水酸化ナトリウムや2,2−アミノメチル−1,3−プロパンジオール、ジエタノールアミン等のpH調整剤、シリコーン系エマルジョン等の消泡剤等といった種々の添加剤を必要に応じて使用することもできる。
例えば高剪断力を有するヘンシェルミキサー等の撹拌機に水と多糖類を入れ撹拌溶解した後、ボールミル、ビーズミル、ロールミル等の分散機により分散した顔料やその他残りの成分を入れ、更に混合撹拌することにより容易に得られる。脱泡機による泡の除去や濾過機による粗大物の濾過等を必要に応じて行っても良い。
イオン交換水 59.55重量部
エチレングリコール 10.0重量部
グリセリン 2.0重量部
ベンゾトリアゾール 0.4重量部
プロクセルGXL 0.2重量部
TSA739(消泡剤、シリコーンエマルジョン、GE東芝シリコーン(株)製)
0.1重量部
エアロールCT−1(ジオクチルスルホコハク酸塩、東邦化学工業(株)製)
0.5重量部
フォスファノールRB410のナトリウム塩20%水溶液(P.O.Eオレイルエーテルリン酸、東邦化学工業(株)製) 2.0重量部
ジョンクリルJ734(スチレン・アクリル系樹脂エマルジョン、ジョンソンポリマー(株)製) 5.0重量部
アルカシーガム(伯東(株)製) 0.25重量部
FUJI SP BLACK 209(冨士色素(株)製) 20.0重量部
約85℃に保温されたヘンシェルミキサーにアルカシーガムを0.25重量部とイオン交換水30.0重量部入れ、1時間撹拌溶解後、室温に冷却する。冷却後、アルカシーガム水溶液中に、残りの上記各成分を加え、更に30分間混合撹拌して黒色のインキを得た。
アルカシーガムの溶解及び残りの各成分を加えた混合撹拌を、室温(23℃)にてスリーワンモーターで行った以外は、インキ調整例1と同様になして黒色のインキを得た。
インキ調整例1のアルカシーガムを0.4重量部にし、その増えた分イオン交換水を減らした以外は、インキ調整例1と同様になして黒色のインキを得た。
インキ調整例1のアルカシーガムを0.08重量部にし、その減った分イオン交換水を増やした以外は、インキ調整例1と同様になして黒色のインキを得た。
インキ調整例1のアルカシーガムを2.2重量部にし、イオン交換水を40重量部とし、その増えた分、後から加えるイオン交換水を減らした以外は、インキ調整例1と同様になして黒色のインキを得た。
ボールペンチップ:ステンレス製のボールホルダーが超硬合金製のボールを備えたボールペンチップ、ボールの直径(D)は約1.6mm、ボール材質は超硬合金、インキ吐出部の隙間は0.030mm
インキ:インキ調整例1
実施例1において、インキ吐出部の隙間を0.050mmとし、インキをインキ調整例3とした以外は実施例1と同様になして、ボールペンを作製した
ボールの材質をセラミックスのSiNとし、インキ吐出部の隙間を0.040mmとしとした以外は実施例1と同様になして、ボールペンを作製した。
実施例1のインキ調整例1の代わりに、インキ調整例2を用いた以外は、実施例1と同様になして、ボールペンを作製した。
実施例1のインキ調整例1の代わりに、インキ調整例4を用いた以外は、実施例1と同様になして、ボールペンを作製した。
実施例1のインキ調整例1の代わりに、インキ調整例5を用いた以外は、実施例1と同様になして、水性減粘性インキ内蔵ボールペンを作製した。
インキ吐出部の隙間を0.015mmとした以外は、実施例1と同様になして、ボールペンを作製した。
インキ吐出部の隙間を0.055mmとし、インキ調整例5を用いた以外は、実施例1と同様になして、ボールペンを作製した。
粘度:E型粘度計により測定した(25℃)。
減粘性:測定回転数0.5rpmと100rpmの粘度を測定し、0.5rpmの粘度に対して、100rpmの粘度がどの程度下がるかを求めた。
「減粘性(静置時に近い低剪断力における粘度に対して、高剪断力での粘度低下割合)」は、「剪断速度35s−1(E型粘度計100rpm)における粘度」の値を「剪断速度0.175s−1(E型粘度計0.5rpm)における粘度」の値で除した値とする。
自転式連続螺旋筆記試験機(MODEL TS−4C−20、精機工業研究所製)にて、筆記速度4m/分、筆記角度70゜、筆記荷重100gの条件で100m筆記する。
筆記開始後、10m前後の筆跡の幅をルーペにて10カ所測定しその平均を求めた。
筆記試験において、書き始めから100m迄に途切れた部分を数えた。
螺旋筆記時、筆跡中に落下して汚れている部分を数えた。
室温20℃、湿度40%の環境にて、ボールペンチップの先端をキャップしない状態で、下向きにして中に浮かせた状態で固定し、24時間放置した後、ボールホルダーの外にインキが出てきているか目視確認した。
上質紙(JIS P3201筆記用紙A)に2×2の大きさの「永」の文字を筆記し、消しゴム(ハイポリマー、ぺんてる(株)製)で1回擦った時に、紙面が汚れなくなるまでの時間を求めた。
1a 最大径部分
1b ボール抱持室
1c インキ通孔
1d 内方突出部
1e かしめ部
1f 放射状溝
1g ボール受け座
2 ボール
3 インキ収容管
4 ボールペンチップホルダー
Claims (2)
- 自由状態のインキを直接充填してなるインキタンクに、直接又は接続部材を介してボールペンチップを固定し、このボールペンチップは、筆記部材としてのボールの直径が1.0mm以上2.5mm以下であると共に、このボールを抱持するボールホルダー内でボールが最も後退した状態でのボールホルダー先端部とボールとの隙間が0.02mm以上0.05mm以下であり、インキが、剪断速度0.175s−1における粘度が8000mPa・s以上20000mPa・s以下で、且つ剪断速度35s−1における粘度は、剪断断速度0.175s−1における粘度の1/50以下の値であるボールペン。
- 前記インキは少なくともジオクチルスルフォコハク酸塩を0.05重量%以上2.0重量%以下含有している請求項1記載のボールペン。
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