JP2005238672A - ボールペン - Google Patents

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Abstract

【課題】 太い筆跡幅を得るためにインキ吐出部の隙間を大きくしインキ吐出量を多くしても、ペン先からのインキ漏れがなく、しかも筆跡は早く乾燥する水性減粘性インキ内蔵ボールペン。
【解決手段】 インキ吐出部であるボールホルダー先端部と1.6mmの径を有するボールとの隙間が、0.02〜0.05mmに調整されたペン先を具備し、水性減粘性インキの粘度は、せん断速度0.175s−1における粘度が8000〜20000mPa・sで、且つせん断速度35s−1においては、せん断速度0.175s−1における粘度の1/50以下の粘度を有し、ジオクチルスルフォコハク酸塩を0・05〜2・0重量%含有した水性減粘性インキ内蔵ボールペン。
【選択図】 図1

Description

本発明は、インキが吐出する部分であるボールホルダー最先端部とボールとの隙間が大きなボールペンチップを具備したボールペンに関する。さらに詳しくは、非ニュートン粘性、剪断減粘性などで表現される性質を有するインキを充填し、ペン先には直径1.6mmなどといった大径のボールを具備したボールペンに関する。
近年、インキ収容管に直接、剪弾減粘性のインキを充填したボールペンが知られている。この剪弾減粘性インキは、ペン先からのインキ漏れや適切なインキ吐出量を得る等の目的で、粘度調整剤を使用している。この粘度調節剤は非筆記時には比較的高粘度であることにより、ペン先からのインキ漏れを抑制し、筆記時には回転するボールの剪弾力によって粘度が低下する所謂剪弾減粘性により、滑らかにインキを吐出させることができる。かような剪弾減粘性を有するインキを使用し細字用や太字用として大小のボール径を有するボールペンが市販されている。例えば、筆記試験(筆記荷重:100g、筆記速度4m/分、筆記角度70°)により得られる筆跡及び0〜100mあたりのインキ吐出量をみると、特に細い筆跡を得る目的に用いる0.3mmボールの筆跡幅は0.20mm前後、インキ吐出量は0.05〜0.08g/0〜100mであり、0.4mmのボールの筆跡幅は0.26前後、インキ吐出量は0.07〜0.10g/0〜100mである。さらに0.5mmボールの筆跡幅は0.28mm前後、インキ吐出量は0.10〜0.13g/0〜100m、0.7mmボールの筆跡幅は0.32mm前後、インキ吐出量は0.13〜0.16/0〜100mである。また太い筆跡用の1.0mmボールの筆跡幅は、0.36前後、インキ吐出量は0.20〜0.25g/0〜100mである。このように、ボール径に比例してインキ吐出量は増え、その分筆跡幅も太くなる。ボール径が小さいにも拘わらずインキ吐出を多くすれば、筆跡が滲んだりして太い筆跡となり、小さいボールを使用する意味がなくなってしまう。また、逆に、大きいボールを用いて、ペン先の隙間を小さくしてインキ吐出量を減らせば、細い筆跡となり、大きいボールを用いる意味がなくなってしまう。従って、ボール径に相応しい筆跡幅を得るためには、インキ吐出量は適切でなければならない。斯る適切なインキ吐出量を示した一例として特開平10−166780号公報(特許文献1参照)が開示されている。
特開平10−166780号公報(第2頁、特許請求の範囲)
しかしながら、上記特許文献1に記載されている発明の実施例3において、ボールの直径が2.0mmと大きいにもかかわらず、インキ吐出量が0.196g/100mと少なく、1.0mmのボールを具備したボールペンよりむしろ少ないことが記載されている。従って、2.0mmと非常に大きいボールを用いているにもかかわらずその筆跡幅は狭いものとなってしまっている。これはボテや筆跡の乾燥対策の結果であり、2.0mmのボールに相応しい太い筆跡は得られない。大きなボール径に相応しい筆跡を得るためには、相応のインキ吐出量を考慮しなければならず、インキ吐出部の隙間を小さくしたのでは、インキ吐出量は少なくなりその結果、筆跡幅も細いものとなってしまう。その調整は、インキ吐出部の隙間を適切にする必要がある。例えば、市販のボールペンのボール径0.3mm〜0.7mmの隙間はおおよそ0.01mm、。1.0mmボールの場合はおおよそ0.01〜0.015mmである。しかしながら、インキを多く出そうと該隙間を大きくすると、ペン先からインキが漏れやすくなり、しかもその筆跡が滲んだりあるいは乾燥が極度に遅くなり、また、この漏れを防ぐためにインキ粘度を高くすると、インキの追従が悪くなったり、筆跡が割れたりするという不具合が生ずる。
即ち、太い筆跡幅の文字を得るためには、適切なるインキ吐出量が必要である。従って、1.0mmボールの筆跡幅より明らかに太い筆跡となすために、インキ吐出部の隙間を大きくして、ある程度インキ吐出量を多くする必要がある。しかしながら、反面インキが漏れやすくなってしまう。この漏れを防止するためにはインキの粘度を高くする必要がある。しかし、インキ粘度を高くしすぎるとインキ吐出部の隙間が大きくとも、インキ追従性が悪くなり、かすれ現象となってしまう。従って、スムーズにインキを吐出させるためには、静置時のインキ粘度が高くとも、ボールの回転による剪断力により粘度低下の割合を大きくする必要がある。しかし、インキ吐出量が多ければ、その筆跡は必然的に乾燥時間が遅くなってしまう。
本発明の目的は、太い筆跡幅を得るためにインキ吐出部の隙間を大きくしインキ吐出量を多くしても、ペン先からのインキ漏れがなく、しかも筆跡は早く乾燥するというボールペンを提供することである。
本発明は、自由状態のインキを直接充填してなるインキタンクに、直接又は接続部材を介してボールペンチップを固定し、このボールペンチップは、筆記部材としてのボールの直径が1.0mm以上2.5mm以下であると共に、このボールを抱持するボールホルダー内でボールが最も後退した状態でのボールホルダー先端部とボールとの隙間が0.02mm以上0.05mm以下であり、インキが、剪断速度0.175s−1における粘度が8000mPa・s以上20000mPa・s以下で、且つ剪断速度35s−1における粘度は、剪断断速度0.175s−1における粘度の1/50以下の値であるボールペンを要旨とするものである。
本発明のボールペンは、従来のボールペンでは得られない太い筆跡幅の文字を書くことができるものである。
太い筆跡幅の文字を書くには、相応なインキ吐出量が必要なため、ボールホルダー先端部とボールとの隙間を大きくしなければならない。しかし、その結果、ペン先を下向きにした場合、インキは隙間より漏出してしまう。この現象を防ぐ目的で、インキ粘度を上げると、インキの流動性は下がるのでインキの吐出量が減少し筆跡は細くなってしまう。あるいはインキの追従が途切れたりする。本発明のインキは、静置時には、粘度が高く、筆記時にはボールの回転よる剪断力で著しく粘度が下がるので、斯様な不具合を解消できるのである。
また、ジオクチルスルホコハク酸塩は、紙の繊維とインキの親和性を高め、インキを速く紙に浸透させ、筆跡の乾燥を速くするものと考えられる。
ボールペンチップは、一般に金属の線材を適宜長さに切断したものを切削、圧延加工などが施されてボールホルダーを作成し、このボールホルダーにボールを設置後、かしめ加工によりボールを抜け止めして作成されるが、本発明のボールペンに使用されるボールペンチップは、ボールの径が大きいため、一般的なボール径0.5mmのようなものの相似形に大きくすると、極めて太い線材を加工しなくてはならなくなると共にボールホルダーの最大径部が大きくなって筆記時に先端が見え難くなる。よって、図1に示したもののように、ボールホルダー1の最大径部分1aがボール径Dに対して1.2〜2.0倍となるようなものとしてある。基本的な構成部分としては、ボールホルダーは、ボール2を収容するボール抱持室1bとインキ通孔1cとを連通し、ボール2の後退規制部として内方突出部1dとボール2の脱落規制部としてのかしめ部1eとを有し、内方突出部1dにはボール抱持室にインキを供給する放射状溝1fが形成されている。
図2に図1のI部拡大図にて示すように、ボールホルダー先端部(かしめ部1eの先端でもある)の内壁とボールホルダー軸線方向における同位置のボール外形部との間にできる径方向の隙間(A)が0.02〜0.05mmになるよう調整されている。該隙間は、ボール2を設置して、かしめ加工によるボールの抜け止めをなしてから、ボール2に衝撃打を加えて内方突出部1dを塑性変形させ、該部にボールの曲率に近似した面であるボール受け座1gを形成してボール2の後退規制部を後退させることによって形成したものである。該隙間が0.02mm以下ではボール径1.0mmの筆跡幅と大差がなく、0.05mm以上であると筆跡の乾燥が遅く又、ボテがひどくなり紙面を汚すこともある。
ボール径が大きいことにより、より多くのインキをボール2に付着させなくてはならないので、II−II’断面(ボール省略)矢視図である図3に示すように、内方突出部1dの間に形成される中孔1hの径Bは、ボール2の径の0.4〜0.8倍と比較的大きなものとしてある。
そして、ボールホルダー先端部の内壁とボールホルダー軸線方向における同位置のボール外形部との間にできる径方向の隙間(A)がボール径1.0mm未満のボールを備えるボールペンチップと比較して大きいため、ペン先からインキが漏れずに安定してインキが吐出するよう、静置時のインキ粘度は高く、剪断速度0.175s−1(E型回転粘度計の0.5rpm)で8000〜20000mPa・s、且つ剪断速度35s−1(E型回転粘度計の100rpm)で、剪断速度0.175s−1における粘度の1/50以下の粘度となるような減粘性のインキからなる(いずれも温度は25℃、以下同じ)。剪断速度0.175s−1における粘度が8000mPa・s以下となると、インキが漏れる傾向となる。また、20000mPa・s以上となると、インキ吐出性が悪くなり、1.0ボールの筆跡と大差がない。また、粘度低下の割合が1/50にならないと、吐出量が減り、同様に差別化できない。
インキにジオクチルスルホコハク酸塩を使用すると、筆跡の乾燥速度を速めることができる。その使用量は、インキ全量に対して、0.01〜2.00重量%が好ましい。0.01重量%以下では効果的でなく、2.00重量%以上では、ボールホルダーにインキが付着する傾向となり、ボテ現象が発生しやすい。ジオクチルスルホコハク酸塩の具体例としては、エアロールCT−1(東邦化学工業(株)製)、ラピゾールA−30、同80、同90、同70(日本油脂(株)製)等が挙げられる。
本発明のボールペンのボールは、直径が1.0mm以上2.5mm以下である。ボール材質としては、超硬合金、セラミック等があげられる。その表面状態は、鏡面や梨地ともに使える。
本発明のボールペンに使用するインキには、特に、平均分子量が5×10以上5×10以下である多糖類は減粘性が大きく好適であるが、分子量が大きいため、溶解性が悪く、不十分の溶解だとその機能が発揮されない。減粘性をより醸し出すためには、80℃や90℃といった高温で溶解させるか、或いは高剪断力を有する機械を用いて溶解することが望ましい。その多糖類の具体例としては、微生物由来の酸性多糖類であるサクシノグリカン(三晶(株)製)やアルカシーガム(伯東(株)製)が挙げられる。
サクシノグリカンは、天然物由来であるためそのモル比等を一つのものとして確定することは困難だが、例えば、グルコース、ガラクトース、ピルビン酸又はその塩、コハク酸又はその塩、酢酸を5:1:0.5:0.5:0.5のモル比で構成された酸性多糖類である。
アルカシーガムも同様に、天然物由来であるためそのモル比等を一つのものとして確定することは困難だが、例えば、高分子成分と低分子成分を約7:1で含む混合物であり、その主成分である高分子成分が、グルコース、グルクロン酸、フコース、ラムノースを2:1:1:1のモル比で含むユニットから構成された酸性多糖類である。
そして、本発明における多糖類の使用量は、インキ全量に対して0.10〜2.00重量%が好ましい。0.10重量%未満では、インキ粘度が低すぎて、インキが漏れる傾向となる。一方、2.00重量%を越えた場合、粘度が高くなり過ぎるため、ペン先部からのインキの吐出が悪くなる傾向がある。
使用される着色剤としては、従来公知の酸性染料、塩基性染料、直接染料といった水溶性染料や顔料を使用することができる。
着色剤として染料を用いる場合は、従来公知の染料を使用することが出来、具体例として、C.I.ダイレクトブラック17、同19、同22、同32、同38、同51、同71、C.I.ダイレクトイエロー4、同26、同44、同50、C.I.ダイレクトレッド1、同4、同23、同31、同37、同39、同75、同80、同81、同83、同225、同226、同227、C.I.ダイレクトブルー1、同15、同41、同71、同86、同87、同106、同108、同199等の直接染料や、C.I.アシッドブラック1、同2、同24、同26、同31、同52、同107、同109、同110、同119、同154、C.I.アシッドイエロー1、同7、同17、同19、同23、同25、同29、同38、同42、同49、同61、同72、同78、同110、同127、同135、同141、同142、C.I.アシッドレッド8、同9、同14、同18、同26、同27、同35、同37、同51、同52、同57、同82、同83、同87、同92、同94、同111、同129、同131、同138、同186、同249、同254、同265、同276、C.I.アシッドバイオレット15、同17、同49、C.I.アシッドブルー1、同7、同9、同15、同22、同23、同25、同40、同41、同43、同62、同78、同83、同90、同93、同100、同103、同104、同112、同113、同158、C.I.アシッドグリーン3、同9、同16、同25、同27、C.I.アシッドオレンジ56等の酸性染料、C.I.フードイエロー3等の食用染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、ローダミンF4G(C.I.45160)、ローダミン6GCP(C.I.45160)等の塩基性染料等が挙げられる。
着色剤として顔料を用いる場合は、従来公知の顔料を使用することが出来、具体例として、ファーネストブラック、コンタクトブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、チタンイエロー、ターコイズ、モリブデートオレンジ、酸化チタン等の無機顔料、C.I.PIGMENT RED2、同3、同5、同17、同22、同38、同41、同48:2、同48:3、同49、同50:1、同53:1、同57:1、同58:2、同60、同63:1、同63:2、同64:1、同88、同112、同122、同123、同144、同146、同149、同166、同168、同170、同176、同177、同178、同179、同180、同185、同190、同194同206、同207、同209、同216、同245、C.I.PIGMENT ORANGE 5、同10、同13、同16、同36、同40、同43、C.I.PIGMENT VIOLET 19、同23、同31、同33、同36、同38、同50、C.I.PIGMENT BLUE 2、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同15:5、同16、同17、同22、同25、同60、同66、C.I.PIGMENT BROWN 25、同26、C.I.PIGMENT YELLOW 1、同3、同12、同13、同24、同93、同94、同95、同97、同99、同108、同109、同110、同117、同120、同139、同153、同166、同167、同173C.I.PIGMENT GREEN 7、同10、同36等の有機顔料等が挙げられる。これらは、1種もしくは2種以上混合して用いることが出来る。
また、顔料インキ製造上有利なことから、顔料を水性媒体に分散した分散顔料の水性インキ組成物ベースを用いることもできる。具体的には、富士色素(株)製のFuji.SPシリーズ、山陽色素(株)製のEmacolシリーズ、Sandyeシリーズ、オリエント化学工業(株)製のMicroPigmoシリーズ、MicroJetシリーズ、東洋インキ(株)製のRio、Fastシリーズ、EM Colorシリーズ(以上、無機、有機顔料の分散体)、日本蛍光化学(株)製のNKWシリーズ、東洋ソーダ(株)製のコスモカラーシリーズ、シンロイヒ(株)製のシンロイヒ・カラーベースシリーズ(以上、蛍光顔料の分散体)等が挙げられる。これらは1種もしくは2種以上混合して用いることが出来る。
尚、上記顔料、分散顔料、染料は混合して使用することもできる。
水は主溶剤として用いる。
上記成分以外、従来の、水性インキ組成物に使用されている種々の添加剤を使用することができる。
ペン先でのインキ乾燥防止、低温時、インキの凍結防止などの目的で、水溶性有機溶剤を使用することができる。具体例としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブチレングリコール、チオジエチレングリコール、グリセリン等のグリコール類やエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類や、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、トリエタノールアミン等が挙げられる。これらの水溶性有機溶剤は、単独或は混合して使用することができる。その使用量はインキ組成物全量に対して10〜60重量%が好ましい。
さらに、尿素、エチレン尿素、チオ尿素などの湿潤剤や、ベンゾチアゾリン系、オマジン系などの防腐剤、ベンゾトリアゾールなどの防錆剤、顔料を被筆記面に定着させるためにスチレン−アクリル共重合体やそのアルカリ塩、酢酸ビニル系やアクリル系やスチレン−アクリル系の樹脂等のエマルジョン、水酸化ナトリウムや2,2−アミノメチル−1,3−プロパンジオール、ジエタノールアミン等のpH調整剤、シリコーン系エマルジョン等の消泡剤等といった種々の添加剤を必要に応じて使用することもできる。
本発明のインキ組成物を製造するに際しては、従来知られている種々の方法が採用できる。
例えば高剪断力を有するヘンシェルミキサー等の撹拌機に水と多糖類を入れ撹拌溶解した後、ボールミル、ビーズミル、ロールミル等の分散機により分散した顔料やその他残りの成分を入れ、更に混合撹拌することにより容易に得られる。脱泡機による泡の除去や濾過機による粗大物の濾過等を必要に応じて行っても良い。
(インキ調整例1)
イオン交換水 59.55重量部
エチレングリコール 10.0重量部
グリセリン 2.0重量部
ベンゾトリアゾール 0.4重量部
プロクセルGXL 0.2重量部
TSA739(消泡剤、シリコーンエマルジョン、GE東芝シリコーン(株)製)
0.1重量部
エアロールCT−1(ジオクチルスルホコハク酸塩、東邦化学工業(株)製)
0.5重量部
フォスファノールRB410のナトリウム塩20%水溶液(P.O.Eオレイルエーテルリン酸、東邦化学工業(株)製) 2.0重量部
ジョンクリルJ734(スチレン・アクリル系樹脂エマルジョン、ジョンソンポリマー(株)製) 5.0重量部
アルカシーガム(伯東(株)製) 0.25重量部
FUJI SP BLACK 209(冨士色素(株)製) 20.0重量部
約85℃に保温されたヘンシェルミキサーにアルカシーガムを0.25重量部とイオン交換水30.0重量部入れ、1時間撹拌溶解後、室温に冷却する。冷却後、アルカシーガム水溶液中に、残りの上記各成分を加え、更に30分間混合撹拌して黒色のインキを得た。
(インキ調整例2)
アルカシーガムの溶解及び残りの各成分を加えた混合撹拌を、室温(23℃)にてスリーワンモーターで行った以外は、インキ調整例1と同様になして黒色のインキを得た。
(インキ調整例3)
インキ調整例1のアルカシーガムを0.4重量部にし、その増えた分イオン交換水を減らした以外は、インキ調整例1と同様になして黒色のインキを得た。
(インキ調整例4)
インキ調整例1のアルカシーガムを0.08重量部にし、その減った分イオン交換水を増やした以外は、インキ調整例1と同様になして黒色のインキを得た。
(インキ調整例5)
インキ調整例1のアルカシーガムを2.2重量部にし、イオン交換水を40重量部とし、その増えた分、後から加えるイオン交換水を減らした以外は、インキ調整例1と同様になして黒色のインキを得た。
ぺんてる(株)製のハイブリッドK105のインキ収容管3、ボールペンチップホルダー4を使用し、このインキ収容管3にボールペンチップホルダー4を介して、図1〜3にて示したボールペンチップと同型のボールペンチップを接続し、インキ収容管3にインキを充填して、インキ界面に上記K105に使用されている逆流防止体組成物を層状に配置した後にペン先が外側を向くように遠心処理を施し脱泡して試験サンプル用のボールペンを得た(図4参照)。各実施例・比較例の違いは以下に示す。
実施例1
ボールペンチップ:ステンレス製のボールホルダーが超硬合金製のボールを備えたボールペンチップ、ボールの直径(D)は約1.6mm、ボール材質は超硬合金、インキ吐出部の隙間は0.030mm
インキ:インキ調整例1
実施例2
実施例1において、インキ吐出部の隙間を0.050mmとし、インキをインキ調整例3とした以外は実施例1と同様になして、ボールペンを作製した
実施例3
ボールの材質をセラミックスのSiNとし、インキ吐出部の隙間を0.040mmとしとした以外は実施例1と同様になして、ボールペンを作製した。
比較例1
実施例1のインキ調整例1の代わりに、インキ調整例2を用いた以外は、実施例1と同様になして、ボールペンを作製した。
比較例2
実施例1のインキ調整例1の代わりに、インキ調整例4を用いた以外は、実施例1と同様になして、ボールペンを作製した。
比較例3
実施例1のインキ調整例1の代わりに、インキ調整例5を用いた以外は、実施例1と同様になして、水性減粘性インキ内蔵ボールペンを作製した。
比較例4
インキ吐出部の隙間を0.015mmとした以外は、実施例1と同様になして、ボールペンを作製した。
比較例5
インキ吐出部の隙間を0.055mmとし、インキ調整例5を用いた以外は、実施例1と同様になして、ボールペンを作製した。
以上、実施例1〜3及び比較例1〜5で得たボールペンを用いて、下記の試験を行った。試験結果を表1に示す。
(インキ粘度)
粘度:E型粘度計により測定した(25℃)。
減粘性:測定回転数0.5rpmと100rpmの粘度を測定し、0.5rpmの粘度に対して、100rpmの粘度がどの程度下がるかを求めた。
「減粘性(静置時に近い低剪断力における粘度に対して、高剪断力での粘度低下割合)」は、「剪断速度35s−1(E型粘度計100rpm)における粘度」の値を「剪断速度0.175s−1(E型粘度計0.5rpm)における粘度」の値で除した値とする。
(筆記試験:条件)
自転式連続螺旋筆記試験機(MODEL TS−4C−20、精機工業研究所製)にて、筆記速度4m/分、筆記角度70゜、筆記荷重100gの条件で100m筆記する。
(筆跡幅)
筆記開始後、10m前後の筆跡の幅をルーペにて10カ所測定しその平均を求めた。
(インキ追従性)
筆記試験において、書き始めから100m迄に途切れた部分を数えた。
(ボテ)
螺旋筆記時、筆跡中に落下して汚れている部分を数えた。
(インキ漏れ試験)
室温20℃、湿度40%の環境にて、ボールペンチップの先端をキャップしない状態で、下向きにして中に浮かせた状態で固定し、24時間放置した後、ボールホルダーの外にインキが出てきているか目視確認した。
(筆跡乾燥性)
上質紙(JIS P3201筆記用紙A)に2×2の大きさの「永」の文字を筆記し、消しゴム(ハイポリマー、ぺんてる(株)製)で1回擦った時に、紙面が汚れなくなるまでの時間を求めた。
Figure 2005238672
ボールペンチップを示す縦断面図。 図1のI部拡大図。 図1のII−II’線断面矢視図。 試験サンプル用ボールペンを示す図。
符号の説明
1 ボールホルダー
1a 最大径部分
1b ボール抱持室
1c インキ通孔
1d 内方突出部
1e かしめ部
1f 放射状溝
1g ボール受け座
2 ボール
3 インキ収容管
4 ボールペンチップホルダー

Claims (2)

  1. 自由状態のインキを直接充填してなるインキタンクに、直接又は接続部材を介してボールペンチップを固定し、このボールペンチップは、筆記部材としてのボールの直径が1.0mm以上2.5mm以下であると共に、このボールを抱持するボールホルダー内でボールが最も後退した状態でのボールホルダー先端部とボールとの隙間が0.02mm以上0.05mm以下であり、インキが、剪断速度0.175s−1における粘度が8000mPa・s以上20000mPa・s以下で、且つ剪断速度35s−1における粘度は、剪断断速度0.175s−1における粘度の1/50以下の値であるボールペン。
  2. 前記インキは少なくともジオクチルスルフォコハク酸塩を0.05重量%以上2.0重量%以下含有している請求項1記載のボールペン。
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