JP2005238657A - コンクリート表面に対する模様成形法およびそれに用いる化粧マット - Google Patents
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Abstract
【課題】コンクリート表面への凹凸模様の転写成形およびその面へのカラー転写性に優れ、長期にわたって耐久性に優れて塗り変える必要のない自然調等のコンクリートを形成しうる模様成形法およびそれに用いる化粧マットを提供する。
【解決手段】凹凸模様転写面4に、水溶性ウレタン樹脂によって形成された粘着層5を介して多数の着色粒状物6が分布されている化粧マット1とする。そして、この化粧マット1の上記凹凸模様転写面4をコンクリート表面に対する接触面にしてコンクリート材料を打設し、コンクリート材料の水分により上記粘着層5の粘着力を低減させて上記着色粒状物6をコンクリート表面に移行埋設させるとともに、コンクリート表面を上記凹凸模様転写面4の転写により凹凸模様面に形成する。
【選択図】図1
【解決手段】凹凸模様転写面4に、水溶性ウレタン樹脂によって形成された粘着層5を介して多数の着色粒状物6が分布されている化粧マット1とする。そして、この化粧マット1の上記凹凸模様転写面4をコンクリート表面に対する接触面にしてコンクリート材料を打設し、コンクリート材料の水分により上記粘着層5の粘着力を低減させて上記着色粒状物6をコンクリート表面に移行埋設させるとともに、コンクリート表面を上記凹凸模様転写面4の転写により凹凸模様面に形成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、コンクリート表面に対する模様成形法およびそれに用いる化粧マットに関するものである。
コンクリート表面に自然石風の凹凸模様を形成する場合、例えば、図5に示すような化粧マット(化粧型枠)10を用い、それの凹凸模様転写面13をコンクリート表面へ転写させる方法が行われる。上記化粧マット10は、通常、硬質のウレタン発泡体やウレタンエラストマーや発泡スチロール等で形成されており、その一方の面は、上記のように凹凸模様転写面13に形成され、他方の面は、平坦な背面14に形成されている。さらに、上記化粧マット10表面の少なくとも凹凸模様転写面13には、気泡を殆ど有しないスキン層12が形成されており、これによって、上記凹凸模様転写面13は優れた表面平滑性を有している。
このような化粧マット10を用いた、コンクリート表面への凹凸模様転写成形は、具体的には、つぎのようにして行われる。すなわち、まず、施工現場で、上記化粧マット10の凹凸模様転写面13に離型剤を塗布する。つぎに、これを、図6に示すように、別途準備した型枠16と、正面対設状態で配置し、さらに、上記化粧マット10と型枠16との間の、側方の開口と底部の開口とを、別途準備した板材17で塞ぐ(側方の板材は図示せず)。その後、セメントと水とを混練してなるコンクリート材料15を調製し、これを、上記化粧マット10と型枠16との間の空隙に、その上部開口から、流し込む。そしてそのまま、上記コンクリート材料15を養成硬化させ、その後、図7に示すように、化粧マット10等を取り外すことにより、上記化粧マット10の凹凸模様が転写され、自然石風の凹凸模様が形成されたコンクリート板18が得られるようになる。
このようにして得られたコンクリート板18を、より自然石風に見せるため、従来では、その凹凸模様面に対し、さらに吹付け材等による塗装が行われきた。ところが、上記塗装に用いられる塗料には有機系のものが多く、変色・褪色しやすいうえ、塗料中の有機材の劣化も生じやすいことから、無機系の材質(例えば天然石等)を用いて模様成形したものと比べると、長期にわたる耐久性に劣る。そのため、定期的に塗り変え(リフレッシュ)等のメンテナンスを要し、これが、コストアップにつながっていた。
このような不都合をなくすため、本出願人は、上記化粧マット10の凹凸模様転写面13に、予め、水溶解性の粘着剤(コンクリート材料中の水分やアルカリ成分等によって粘着力が低下する粘着剤)を用いて着色粒状物を定着させておき、コンクリート材料の打設時に、上記化粧マット10の凹凸模様をコンクリート表面に転写させると同時に、上記着色粒状物を、硬化しつつあるコンクリート材料表面に移行埋設させ(上記粘着剤はコンクリート材料中の水分によって溶融させ)、この着色粒状物によりコンクリート表面への着色を行うといった技術を、既に提案している。これにより、コンクリート表層部には、経時劣化等に対する耐久性に優れた着色層が形成されるようになる。そして、このようなコンクリート表面に対する模様成形法に用いられる水溶解性粘着剤の主成分としては、通常、ポリビニルアルコール(PVA)等が用いられる(特許文献1)。
特開平6−71623号公報
しかしながら、PVAは、コンクリート材料中の水分に含まれるアルカリ成分によって変性を受けることが危惧される。すなわち、PVAは、季節等によって耐アルカリ性が変化するが、上記のようにPVAが変性されると、PVAが不溶化したり、その分子鎖が切れたりすることがある。そのため、コンクリート表面に着色粒状物を移行埋設する際に、着色粒状物ごと、PVAの白色皮膜がコンクリート表面に付着し、コンクリート表面を汚染して見栄えを悪くしたり、逆に、PVAの接着力が強くなり過ぎ、着色粒状物がコンクリート表面に移行埋設されなくなるおそれがある。これを解決するため、これまでは、PVA中にホウ酸を適宜配合し、季節毎にその配合量を調整して(夏は多く配合し、冬は少なく配合する)、対処していた。しかしながら、このような作業は、非常に煩雑である。
一方、前記化粧マット10(コンクリート材料を打設する前のもの)の運搬中に、その凹凸模様転写面13に定着させている着色粒状物が、運搬の際の振動で脱落してしまうといった不具合を生じることもあった。これは、上記着色粒状物を接着固定しているPVAの接着力が、温度や湿度といった環境変化に依存しやすく、そのために上記着色粒状物の定着性が不安定であったからである。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、コンクリート表面への凹凸模様の転写成形およびその面へのカラー転写性に優れ、長期にわたって耐久性に優れて塗り変える必要のない自然調等のコンクリートを形成しうる模様成形法およびそれに用いる化粧マットの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、凹凸模様転写面に、吸水により粘着力が減少する粘着層を介して多数の着色粒状物が分布されている化粧マットを準備し、この化粧マットの上記凹凸模様転写面をコンクリート表面に対する接触面にしてコンクリート材料を打設し、コンクリート材料の水分により上記粘着層の粘着力を低減させて上記着色粒状物をコンクリート表面に移行埋設させるとともに、コンクリート表面を上記凹凸模様転写面の転写により凹凸模様面に形成する、コンクリート表面に対する模様成形法であって、上記粘着層が、水溶性ウレタン樹脂によって形成されているコンクリート表面に対する模様成形法を第1の要旨とする。
また、本発明は、凹凸模様転写面に、吸水により粘着力が減少する粘着層を介して多数の着色粒状物が分布されている化粧マットであって、上記粘着層が、水溶性ウレタン樹脂によって形成されている化粧マットを第2の要旨とする。
すなわち、本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた。その研究の過程で、水溶性ウレタン樹脂の特性に関する知見を得、これを、コンクリート表面への凹凸模様の転写成形に用いられる化粧マットにおける粘着層の構成材料として用いることを想起した。そして、各種試験を行った結果、この水溶性ウレタン樹脂が、コンクリート材料中の水分により適度に粘着力が減少し、しかも、季節等により耐アルカリ性等が変わったりすることがないことが、研究により明らかとなったことから、上記従来の不都合を回避することができることを突き止め、本発明に到達した。
以上のように、本発明は、水溶性ウレタン樹脂によって形成された粘着層を介して多数の着色粒状物が分布された凹凸模様転写面を有する化粧マットを用い、その凹凸模様転写面を、コンクリート表面に対する接触面にしてコンクリート材料を打設し、コンクリート材料の水分により上記粘着層の粘着力を低減させて、上記着色粒状物をコンクリート表面に移行埋設させるとともに、コンクリート表面を上記凹凸模様転写面の転写により凹凸模様面にするようにしている。このように、上記粘着層の材料として水溶性ウレタン樹脂を用いているため、コンクリート材料の水分中のアルカリ成分によって変性を受けず、その結果、接着剤の変性物によるコンクリート表面の汚染がなく、着色粒状物のコンクリート表面への移行埋設も良好に行われるようになる。また、上記粘着層の材料として従来用いられたPVAのような、ホウ酸濃度の季節毎の調整といった面倒な作業も不要となる。一方、コンクリート表面層に埋設された着色粒状物は、コンクリートによる被覆効果と相まって、変色・褪色したり、劣化することもなく、長期の耐久性に優れる。したがって、従来のように一定期間後に塗り変え等する必要もなく、メンテナンスに要する費用が少なくて済む。
また、上記水溶性ウレタン樹脂によって形成された粘着層を備えた化粧マットは、温度や湿度といった環境変化に対し、従来のものと比べると安定していることから、化粧マットの運搬時や保存時に、着色粒状物の脱落が生じずに、取り扱い易く、優れた品質を有する。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の、コンクリート表面に対する模様成形法は、図1に示すような、粘着層5を介して多数の着色粒状物6が分布された凹凸模様転写面4を有する化粧マット1を準備し、この化粧マット1の上記凹凸模様転写面4を、コンクリート表面に対する接触面にしてコンクリート材料を打設し、コンクリート材料の水分により上記粘着層5の粘着力を低減させて、上記着色粒状物6をコンクリート表面に移行埋設させるとともに、コンクリート表面を上記凹凸模様転写面4の転写により凹凸模様面にすることにより、行われる(図2、図3参照)。そして、本発明では、上記粘着層が、水溶性ウレタン樹脂によって形成されていることを、最大の特徴とする。
上記化粧マット1の材質としては、特に限定されるものではないが、通常、剛性発泡ウレタン樹脂や発泡スチロールが用いられる。これにより、上記化粧マット1は、打設時に打ち込まれるコンクリート材料に対して充分な機械的強度を有するマットに形成される。そして、上記化粧マット1の一方の面は、上記のように凹凸模様転写面4に形成されており、他方の面は、通常、平坦な背面7に形成される。さらに、上記化粧マット1表面の少なくとも凹凸模様転写面4には、気泡を殆ど有しないスキン層3が形成されていると好ましい。すなわち、これにより、上記凹凸模様転写面4は優れた表面平滑性が得られるからである。なお、上記凹凸模様転写面4の形状は、本発明では特に限定されるものではない。
上記化粧マット1において、その凹凸模様転写面4上の粘着層5の形成材料には、先にも述べたように、水溶性ウレタン樹脂が用いられる。ここで、「水溶性ウレタン樹脂」とは、水にほぼ完全に溶解し得るウレタン樹脂のことをいい、オキシエチレン基を50重量%以上含有した樹脂のことをいう。そして、通常は、ポリエチレングリコール類とジイソシアネート類とを反応させて得られるポリウレタン化化合物のことを指す。なお、この発明では、水不溶性の樹脂をエマルジョン化したものは除かれる。そして、本発明では、上記のような水溶性ウレタン樹脂を粘着層5の形成材料に用いることにより、所期の目的が達成されるようになる。
なお、仮に水不溶性の樹脂をエマルジョン化したタイプのものを用いた場合では、その乾燥により形成される皮膜は、水不溶性のものとなるため、本発明のように水で再溶解させることができない。しかしながら、その主成分を水溶性ウレタン樹脂とした場合は、この限りではない。すなわち、粘度調整や皮膜強度等の他の目的として、水不溶性の樹脂をエマルジョン化したものを併用することは可能である。ただし、このように水不溶性樹脂のエマルジョン等を併用する場合、その水不溶成分が、水溶性ウレタン樹脂の皮膜の乾燥後における水の分散性(再溶解性)を妨げないことが要求されるため、上記水溶性ウレタン樹脂に対する上記水不溶成分の割合は、20重量%以下に設定することが望ましい。
また、上記粘着層5の形成材料には、水溶性ウレタン樹脂以外にも、例えば、水、エチレン酢酸ビニルエマルジョン、ポリアクリル酸ナトリウム等の粘度調整剤、含硫黄系化合物等の防かび剤、酸化防止剤等を併用することが可能である。そして、これらの材料からなる接着剤を塗布・乾燥することにより生成される上記粘着層5の厚みは、通常、0.1〜5mmの範囲に形成される。
上記粘着層5を介して凹凸模様転写面4に接着固定される着色粒状物6としては、天然石の着色砕石粒、セラミック粒子、ガラス粒子等が用いられる。上記着色粒状物6の平均粒径は、通常、10μm〜15mmの範囲内に設定され、好ましくは10μm〜10mmの範囲内である。
また、上記着色粒状物6として、例えば図4に示すような、セラミック粒21を核とし、その外周面に微細な顔料粒子22やセメント粒子23を吸着させてなるものを用いてもよい。これを用いると、コンクリートを打設する際に、セメント粒子23より大きなセラミック粒21が、セメントに包み込まれ、また、その顔料粒子22がセメント粒子23より細かいために分散しやすく、その結果、コンクリート表面に良好な着色層が形成されるようになる。なお、上記セラミック粒21の平均粒径は、2〜15mmの範囲に設定され、顔料粒子22の平均粒径は、5〜150μmの範囲に設定され、セメント粒子23の平均粒径は、50〜500μmの範囲に設定される。
上記着色粒状物6を多数、上記粘着層5に分布させる方法としては、上記粘着層5に多数の着色粒状物6を圧力吹付けにより接着させる方法、上記粘着層5に多数の着色粒状物6を散布し、プレス等により埋込みアンカー処理する方法、または、両方法を組み合わせたもの等があげられる。
ここで、上記化粧マット1を用いた、本発明の、コンクリート表面に対する模様成形法の一例を、詳細に説明する。すなわち、まず、図1に示すような化粧マット1を、先に述べたような方法により作製する。つぎに、図2に示すように、上記化粧マット1の凹凸模様転写面と、別途準備した型枠16とを、正面対設状態となるよう配置し、さらに、上記化粧マット10と型枠16との間の、側方の開口と底部の開口とを、別途準備した板材17で塞ぐ(側方の板材は図示せず)。その後、セメントと水とを混練してなるコンクリート材料15を調製し、これを、上記化粧マット10と型枠16との間の空隙に、その上部開口から、流し込む。そしてそのまま、上記コンクリート材料15を養成硬化させる。その際に、上記化粧マット1の凹凸模様転写面上に形成された粘着層が、コンクリート材料15の水分中のアルカリに変性を受けることなく良好に溶け、この粘着層が接着固定していた着色粒状物6が、コンクリート表面に、ほぼ完全に移行埋設される。そして、コンクリート材料15を完全に硬化させた後、図3に示すように、化粧マット1等を取り外すことにより、着色粒状物6により着色された凹凸模様面8を備えたコンクリート板18を得ることができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
〔接着剤の調製〕
水溶性ウレタン樹脂(パラミオンAF−36、大原パラヂウム化学社製)20.76部、エチレン酢酸ビニルエマルジョン(固形分50%)2.08部、ポリアクリル酸ナトリウム(粉末状粘度調整剤、0.5%水溶液の粘度:約10000mPa・s)0.55部、含硫黄系化合物(防かび剤)0.48部および水76.12部を混合し、接着剤を調製した。なお、この接着剤は、20℃,12rpmでの粘度が約15000mPa・sであった。
水溶性ウレタン樹脂(パラミオンAF−36、大原パラヂウム化学社製)20.76部、エチレン酢酸ビニルエマルジョン(固形分50%)2.08部、ポリアクリル酸ナトリウム(粉末状粘度調整剤、0.5%水溶液の粘度:約10000mPa・s)0.55部、含硫黄系化合物(防かび剤)0.48部および水76.12部を混合し、接着剤を調製した。なお、この接着剤は、20℃,12rpmでの粘度が約15000mPa・sであった。
〔化粧マットの作製〕
所定の凹凸模様転写面(表層部分にスキン層を有する)が形成された、剛性発泡ウレタン樹脂製のマットを準備した。つぎに、その凹凸模様転写面上に、上記調製の接着剤を、従来公知の手法により塗布し、さらに、その面に対し、粒径1〜3mmの天然石の着色砕石粒を多数、圧力吹付けした。そして、上記塗布した接着剤を乾燥することにより、厚み0.1mmの粘着層を形成し、目的とする化粧マットを作製した(図1参照)。
所定の凹凸模様転写面(表層部分にスキン層を有する)が形成された、剛性発泡ウレタン樹脂製のマットを準備した。つぎに、その凹凸模様転写面上に、上記調製の接着剤を、従来公知の手法により塗布し、さらに、その面に対し、粒径1〜3mmの天然石の着色砕石粒を多数、圧力吹付けした。そして、上記塗布した接着剤を乾燥することにより、厚み0.1mmの粘着層を形成し、目的とする化粧マットを作製した(図1参照)。
化粧マットの作製時に用いる天然石の着色砕石粒に代えて、図4に示すような着色粒状物を用いた。なお、上記着色粒状物において、そのセラミック粒21の粒径は0.5〜1mmであり、顔料粒子22の粒径は10〜50μmであり、セメント粒子23の粒径は10〜100μmであった。これ以外は、実施例1と同様にして化粧マットを作製した。
〔比較例〕
実施例1にて調製した接着剤に代えて、PVA水溶液を用いた。これ以外は、実施例1と同様にして化粧マットを作製した。
実施例1にて調製した接着剤に代えて、PVA水溶液を用いた。これ以外は、実施例1と同様にして化粧マットを作製した。
このようにして得られた化粧マットを用い、下記の基準に従い、その特性評価を行った。各特性評価の試験は、5℃、25℃、40℃の温度環境下でそれぞれ実施した。そして、これらの結果を、後記の表1および表2に示した。
〔定着性〕
各化粧マットの背面から、加振機にて100〜500Hzの振動を3時間与え、それにより脱落した着色粒状物の重量を測定し、定着性の評価を行った。すなわち、脱落した着色粒状物の重量が、初期の化粧マット総重量に対し20重量%以下であったものを○、20重量%を超えたものを×として評価した。
各化粧マットの背面から、加振機にて100〜500Hzの振動を3時間与え、それにより脱落した着色粒状物の重量を測定し、定着性の評価を行った。すなわち、脱落した着色粒状物の重量が、初期の化粧マット総重量に対し20重量%以下であったものを○、20重量%を超えたものを×として評価した。
〔転写率〕
各化粧マットの凹凸模様転写面を、コンクリート表面に対する接触面にしてコンクリート材料(セメントと水とを混練したもの。pH:12〜14)を打設し、ついで、コンクリート材料を養生,硬化させ、その後、上記化粧マット等を取り外した(図2、図3参照)。そして、コンクリート板表面(凹凸模様面)への着色粒状物の転写状況を、目視により観察した。すなわち、着色粒状物の転写により全面着色した場合の転写率を「100%」とし、これを基準として転写率(概数)を評価した。
各化粧マットの凹凸模様転写面を、コンクリート表面に対する接触面にしてコンクリート材料(セメントと水とを混練したもの。pH:12〜14)を打設し、ついで、コンクリート材料を養生,硬化させ、その後、上記化粧マット等を取り外した(図2、図3参照)。そして、コンクリート板表面(凹凸模様面)への着色粒状物の転写状況を、目視により観察した。すなわち、着色粒状物の転写により全面着色した場合の転写率を「100%」とし、これを基準として転写率(概数)を評価した。
〔外観〕
各化粧マットの凹凸模様転写面を、コンクリート表面に対する接触面にしてコンクリート材料(セメントと水とを混練したもの。pH:12〜14)を打設し、ついで、コンクリート材料を養生,硬化させ、その後、上記化粧マット等を取り外した(図2、図3参照)。そして、コンクリート板の表面(凹凸模様面)の外観を、目視により評価した。すなわち、コンクリート表面が、接着剤により汚染されていないものを○、接着剤により汚染されているものを×として評価した。
各化粧マットの凹凸模様転写面を、コンクリート表面に対する接触面にしてコンクリート材料(セメントと水とを混練したもの。pH:12〜14)を打設し、ついで、コンクリート材料を養生,硬化させ、その後、上記化粧マット等を取り外した(図2、図3参照)。そして、コンクリート板の表面(凹凸模様面)の外観を、目視により評価した。すなわち、コンクリート表面が、接着剤により汚染されていないものを○、接着剤により汚染されているものを×として評価した。
上記表の結果から、実施例の化粧マットは、いずれも、環境温度に左右されず定着性の評価に優れていることから、取り扱い易く、高品質で信頼性の高いものであることがわかる。また、上記化粧マットを用いたコンクリート表面に対する模様成形法に関しても、その着色粒状物の転写率や、コンクリート表面の外観評価において、環境温度に左右されずに良好な結果が得られていることがわかる。
これに対し、比較例の化粧マットは、環境温度が20℃の領域(25℃)では定着性が良好なものの、夏季や冬季を想定した条件(40℃,5℃)にすると問題があることがわかる。このことからも、現場における取り扱い性に難があり、実施例品と比べて品質の劣るものであることがわかる。また、この化粧マットを用いたコンクリート表面に対する模様成形状況(転写率・外観)に関しても、実施例にみられるように良好なものとなっていないことがわかる。
1 化粧マット
4 凹凸模様転写面
5 粘着層
6 着色粒状物
4 凹凸模様転写面
5 粘着層
6 着色粒状物
Claims (2)
- 凹凸模様転写面に、吸水により粘着力が減少する粘着層を介して多数の着色粒状物が分布されている化粧マットを準備し、この化粧マットの上記凹凸模様転写面をコンクリート表面に対する接触面にしてコンクリート材料を打設し、コンクリート材料の水分により上記粘着層の粘着力を低減させて上記着色粒状物をコンクリート表面に移行埋設させるとともに、コンクリート表面を上記凹凸模様転写面の転写により凹凸模様面に形成する、コンクリート表面に対する模様成形法であって、上記粘着層が、水溶性ウレタン樹脂によって形成されていることを特徴とするコンクリート表面に対する模様成形法。
- 凹凸模様転写面に、吸水により粘着力が減少する粘着層を介して多数の着色粒状物が分布されている化粧マットであって、上記粘着層が、水溶性ウレタン樹脂によって形成されていることを特徴とする化粧マット。
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