JP2005237159A - ブラシレスモータ - Google Patents

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諭 木村
Shinji Hama
信治 濱
Kiichi Nakayama
貴一 中山
Toshiyuki Noda
敏幸 野田
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Abstract

【課題】 巻線作業の労力・煩雑さを軽減し、モータ外側からの巻線を可能とし、併せてモータの放熱性能を高めたブラシレスモータを提供すること。
【解決手段】 ブラシレスモータ10は、モータのコア側にコイル1を備えたロータ3が設けられ、内部に設けられた回転トランス2による給電によりロータ3の回転がなされる構成とする。回転トランス2は、ロータトランス2Rおよびステータトランス2Sから構成する。内部の発熱を放熱させるため、図示しないヒートパイプを軸7中に設けるか、または、軸7自体を中空にして内部に冷却用媒体を流通させる。
【選択図】 図1(a)

Description

本発明はブラシレスモータに係り、特に、コイルの巻線作業を容易化し、かつ低設備化・低コスト化できるとともに、内部の発熱を効果的に放熱することのできる、ブラシレスモータに関する。
ブラシレスモータには、磁石をロータにして内側に設け、巻線をステータにして外側に配置したインナーロータ型と、これとは逆に内側にコイル、外側に磁石を設けたアウターロータ型(集中巻型)がある。このうちインナーロータ型は、回転軸の慣性モーメントが小さく、本体小型化が容易で放熱も比較的良いという利点を、一般的に有する。
図7(a)は、従来のインナーロータ型のブラシレスモータ(以下、単に「ブラシレスモータ」という。)の構成を示す断面図、また、
図7(b)は、従来のブラシレスモータのコイル構成を示す結線図である。これらの図に示されるように従来のブラシレスモータ70は、モータ内部内側の軸77にマグネット744が設けられてロータ73が構成され、外側のステータ75にコイル71が設けられた構成である。つまり、従来のブラシレスモータ70は、ステータ75内径側に対して巻線を施すことによって構成される。
コイル、巻線の配置位置の観点でブラシレスモータに関する先行技術状況を把握するため、下記により検索調査を行った。
使用データベース:特許電子図書館(特許庁)
使用検索メニュー:特許実用新案公報テキスト検索
検索条件:要約+請求の範囲=ブラシレス*(モータ+原動機)*(コアに巻線+内側に巻線+内部に巻線+コアにコイル+内側にコイル+内部にコイル)
対象公報:特許公開公報、特許公報、実用新案公開公報、実用新案公報
検索日:平成16年2月7日
その結果、下記の検索調査結果を得た。
検索結果:12件(重複のぞき、10件)
各文献は次のとおりである。
1.特開2002-252949 モータコアの位置決め方法およびポリゴンスキャナモータ
2.特開2002-051520 ブラシレスモータおよびその製造方法
3.特開2000-175381 集中巻方式のブラシレスDCモータ
4.特開2000-166135 ブラシレスモータ
5.特開平08-037768 ブラシレスモータ
6.特開平07-143718 ブラシレスモータ
7.特開平07-073421 回転ヘッドドラム
8.特公平07-044815 ブラシレスモ−タにおける位置検出素子の保持構造
9.特許3456760 ブラシレスDCモータ
10.実開昭63-172276ブラシレスサーボモータ
特開2002−252949号公報。「モータコアの位置決め方法およびポリゴンスキャナモータ」。要約、特許請求の範囲、図1。 特開2000−175381号公報。「集中巻方式のブラシレスDCモータ」。要約、特許請求の範囲、図1。
しかし検索調査では、上記特許文献の項に挙げた2件を始めとして、インナーロータ型のブラシレスモータにおける巻線配置について格別新規な提案をしたものは検索されていない。
ところで、図を用いて説明した従来の(インナーロータ型)ブラシレスモータにおいては、次のような問題点があった。すなわち、
1)上述のとおり巻線はステータ内径側に行う必要があり、難易度の高い作業を行うための設備にかかるコスト負担が大きい。
2)さらに、巻線用設備の小型精密化には限界があるため、ブラシレスモータ製造の小型化も困難である。
3)比較的放熱しやすいタイプであるとはいえ、熱が主としてケース側で発生するために、その効果的な放熱が困難である。
また、これらの問題点は、上記検索調査により検索された先行技術のいずれかによりその解決を示唆されているものでもない。
本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点を除き、巻線作業の労力・煩雑さを軽減し、モータ外側からの巻線を可能とし、併せてモータの放熱性能を高め、もってモータの小型化を容易とすることのできる、ブラシレスモータを提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、回転トランスをコイルへの給電に用いることによりこれを解決できることを見出し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明は、以下のとおりである。
(1) モータのコア側にコイルが設けられ、内部に設けられた回転トランスによる給電によりロータの回転がなされることを特徴とする、ブラシレスモータ。
(2) モータのコア側にコイルを備えたロータが設けられ、内部に設けられた回転トランスによる給電によりロータの回転がなされることを特徴とする、ブラシレスモータ。
(3) モータの軸側には、誘導コイルを備えたロータと、回転トランスを構成するためのロータトランスとが設けられ、ステータ側には、該ロータに対向するマグネットと、回転トランスを構成するための該ロータトランスに対向するステータトランスとが設けられており、該回転トランスによる給電により該ロータの回転がなされることを特徴とする、ブラシレスモータ。
(4) 前記コア側に、軸の放熱手段が設けられていることを特徴とする、(1)ないし(3)のいずれかに記載のブラシレスモータ。
(5) 前記放熱手段は、モータの軸内部が中空である中空軸と、該中空軸の内部に備えられて該中空軸を冷却するための冷却用媒体とからなることを特徴とする、(4)に記載のブラシレスモータ。
(6) 前記冷却用媒体は、前記中空軸内部を流通する冷却用流体であることを特徴とする、(5)に記載のブラシレスモータ。
(7) 前記放熱手段は、モータの軸内部に設けられていて、該軸を冷却するためのヒートパイプであることを特徴とする、(4)に記載のブラシレスモータ。
(8) 前記軸の端部には、前記ヒートパイプ中で蒸発した作動媒体を冷却するための作動媒体冷却構造が設けられていることを特徴とする、(7)に記載のブラシレスモータ。
(9) 前記作動媒体冷却構造は、前記軸周囲に形成されたフィンまたはファンであることを特徴とする、(8)に記載のブラシレスモータ。
(10) 前記軸は、熱伝導率が異なるそれぞれの材料から形成された高熱伝導率領域と低熱伝導領域とを有してなり、該高熱伝導領域には少なくとも前記ヒートパイプが設けられた部位が含まれていることを特徴とする、(7)ないし(9)のいずれかに記載のブラシレスモータ。
(11) モータの出力軸側は前記低熱伝導領域に含まれることを特徴とする、(10)に記載のブラシレスモータ。
(12) 前記回転トランスが前記コイルよりも出力軸側に設けられていることを特徴とする、(10)に記載のブラシレスモータ。
(13) 前記放熱手段は、前記軸の端部周囲に形成されたフィンまたはファンであることを特徴とする、(8)に記載のブラシレスモータ。
本発明のブラシレスモータは上述のように構成されるため、これによれば、巻線作業の労力・煩雑さを軽減し、モータ外側からの巻線を可能とし、併せてモータの放熱性能を高め、もってモータの小型化を容易とすることができる。
以下、本発明を図面により詳細に説明する。
図1(a)は、本発明のブラシレスモータの構成を示す断面図、また、
図1(b)は、本発明のブラシレスモータのコイル構成を示す結線図である。これらの図に示されるように本ブラシレスモータ10は、そのコア側にコイル1が設けられ、内部に設けられた回転トランス2による給電によりロータ3の回転がなされるように構成されていることを基本とする(上記(1)の発明)。該コイル1は、該回転トランス2により結合された構成をとる。
かかる構成により本ブラシレスモータ10では、そのコア側にコイル1を設けるためにモータ外側から巻線が施され、従来の配線による給電に替えて内部に設けられた回転トランス2により該コイル1に対して給電がなされて、ロータ3の回転がなされる。
図1(a)において、本ブラシレスモータ10は、モータのコア側にコイル1を備えたロータ3が設けられ、内部に設けられた回転トランス2による給電によりロータ3の回転がなされる構成として特定することもできる(上記(2)の発明)。
図1(a)において、本ブラシレスモータ10はまた、モータの軸7側に誘導コイル11を備えたロータ3と、回転トランス2を構成するためのロータトランス2Rとが設けられ、一方ステータ5側には、該ロータ3に対向するマグネット(永久磁石)4と、回転トランス2を構成するための該ロータトランス2Rに対向するステータトランス2Sとが設けられており、該回転トランス2による給電により該ロータ3の回転がなされる構成としても、特定することができる(上記(3)の発明)。
図2は、放熱手段を備えた本発明ブラシレスモータの一構成を示す断面図である。図において本ブラシレスモータ20は、上述した構成を基本としてさらに、前記コア側に、軸27の放熱手段が設けられていることを特徴的構成とする(上記(4)の発明)。すなわち、該放熱手段により、該軸27に設けられているコイル21等による発熱が有効に冷却され、モータ20外への放熱がなされる。
図において、具体的な前記放熱手段は、軸内部が中空である中空軸27と、該中空軸27の内部に備えられて該中空軸27を冷却するための冷却用媒体Mとにより構成することができる(上記(5)の発明)。
すなわち、該中空軸27内部に該冷却用媒体Mを存在させることにより、その伝導冷熱によって、該中空軸27表面上に設けられて発熱する該コイル21等を直接的に冷却し、もってブラシレスモータ20外部への放熱を可能とする。
特に該冷却用媒体Mは、該中空軸27内部を流通する冷却用流体とすることができる(上記(6)の発明)。かかる構成により、該コイル21等を冷却し熱を得た該冷却用媒体Mの放熱をブラシレスモータ20外部にて行わせることができ、ブラシレスモータ20の効率的な冷却・放熱の効果を得ることができる。
図3は、放熱手段を備えた本発明ブラシレスモータの別の構成を示す断面図である。図において本ブラシレスモータ30は、前記放熱手段として、モータの軸37内部に設けられた、該軸37を冷却するためのヒートパイプ38を用いた構成とすることができる(上記(7)の発明)。
また、該軸37の端部には、該ヒートパイプ38中で蒸発した作動媒体を冷却するための作動媒体冷却構造36を設けることができ(上記(8)の発明)、さらに該作動媒体冷却構造36は、該軸周囲に形成されたフィンまたはファンとすることができる(上記(9)の発明)。
かかる構成により本ブラシレスモータ30では、該ヒートパイプ38によりその伝導冷熱によって、該軸37表面上に設けられて発熱する該コイル31等を直接的に冷却し、もってブラシレスモータ30外部への放熱を可能とする。また、該フィンまたはファン等の作動媒体冷却構造36により、該ヒートパイプ38中で蒸発した作動媒体が冷却され、該ヒートパイプ38の効率的な作動が維持される。
図4は、放熱手段としてヒートパイプを備えた本発明ブラシレスモータの別の構成を示す断面図である。図において本ブラシレスモータ40は、前記軸47が、熱伝導率が異なるそれぞれの材料から形成された、高熱伝導率領域47Hと低熱伝導領域47Lとを有してなり、該高熱伝導領域47Hには少なくとも前記ヒートパイプ48が設けられた部位が含まれていることを、主たる構成とする(上記(10)の発明)。
図において本ブラシレスモータ40では、モータの出力軸側が、前記低熱伝導領域47Lに含まれるように構成することができる(上記(11)の発明)。
かかる構成により、本ブラシレスモータ40では、内部のコイル41等において発生した熱の多くを、負荷部につながる該低熱伝導領域47Lには伝えずに、該高熱伝導領域47Hにとどめてこれを処理することができる。該高熱伝導領域47Hには該ヒートパイプ48が設けられているため、該領域47Hにとどめられた熱が該ヒートパイプ48により処理される。フィンまたはファン等の作動媒体冷却構造46は、該ヒートパイプ48中の作動媒体を冷却し、モータ内部発熱の効果的な放熱がなされる。
図5は、放熱手段としてヒートパイプを備えた本発明ブラシレスモータのまた別の構成を示す断面図である。図において本ブラシレスモータ50は、図4に示した構成を基本的に備えつつ、前記回転トランス52が前記コイル51よりも出力軸側に設けられていることを、特徴的な構成とする(上記(12)の発明)。
かかる構成によって、該回転トランス52よりも発熱の多い該コイル51を、前記作動媒体冷却構造56の設けられるモータ端部側により近接させることとなり、該コイル51の冷却・放熱のために設けるべき該ヒートパイプ58のサイズをより小さいものとすることができる。
図6は、より簡易な放熱手段を備えた本発明ブラシレスモータの構成を示す断面図である。図において本ブラシレスモータ60は、該放熱手段として、前記軸67の端部周囲に形成されたフィン、またはファン66の少なくともいずれか一方を用いることを、特徴的な構成とする(上記(13)の発明)。すなわちたとえば、該軸67の回転により、該ブラシレスモータ50本体側に向かって吹く気流が発生するように形成したファン66のみを該軸67端部に備えることにより、簡易にモータ内部で発生した熱の放熱を図るものである。
本発明のブラシレスモータは上述のように構成されているため、巻線作業の労力・煩雑さを軽減し、モータ外側からの巻線を可能とし、併せてモータの放熱性能を高め、もってモータの小型化を容易とすることができる。したがって、FA、OA分野を始めとして産業上利用価値が高い発明である。
本発明のブラシレスモータの構成を示す断面図である。 本発明のブラシレスモータのコイル構成を示す結線図である。 放熱手段を備えた本発明ブラシレスモータの一構成を示す断面図である。 放熱手段を備えた本発明ブラシレスモータの別の構成を示す断面図である。 放熱手段としてヒートパイプを備えた本発明ブラシレスモータの別の構成を示す断面図である。 放熱手段としてヒートパイプを備えた本発明ブラシレスモータのまた別の構成を示す断面図である。 より簡易な放熱手段を備えた本発明ブラシレスモータの構成を示す断面図である。 従来のブラシレスモータの構成を示す断面図である。 従来のブラシレスモータのコイル構成を示す結線図である。
符号の説明
1、21、31、41、51、61…コイル
2、22、32、42、52、62…回転トランス
2R…ロータトランス
2S…ステータトランス
3、23、33、43、53、63…ロータ
4、24、34、44、54、64…マグネット
5、25、35、45、55、65…ステータ
7、37、47、57、67…軸
9、29、39、49、59、69…配線
10、20、30、40、50、60…本発明ブラシレスモータ
27…中空軸
36、46、56…作動媒体冷却用構造
38、48、58…ヒートパイプ
47H、57H…高熱伝導領域
47L、57L…低熱伝導領域
66…ファン
M…冷却用媒体
70…従来のブラシレスモータ
71…コイル、72…基板、 73…ロータ、 74…マグネット
75…ステータ、 76…配線、 77…軸、 79…配線





















Claims (13)

  1. モータのコア側にコイルが設けられ、内部に設けられた回転トランスによる給電によりロータの回転がなされることを特徴とする、ブラシレスモータ。
  2. モータのコア側にコイルを備えたロータが設けられ、内部に設けられた回転トランスによる給電によりロータの回転がなされることを特徴とする、ブラシレスモータ。
  3. モータの軸側には、誘導コイルを備えたロータと、回転トランスを構成するためのロータトランスとが設けられ、ステータ側には、該ロータに対向するマグネットと、回転トランスを構成するための該ロータトランスに対向するステータトランスとが設けられており、該回転トランスによる給電により該ロータの回転がなされることを特徴とする、ブラシレスモータ。
  4. 前記コア側に、軸の放熱手段が設けられていることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のブラシレスモータ。
  5. 前記放熱手段は、モータの軸内部が中空である中空軸と、該中空軸の内部に備えられて該中空軸を冷却するための冷却用媒体とからなることを特徴とする、請求項4に記載のブラシレスモータ。
  6. 前記冷却用媒体は、前記中空軸内部を流通する冷却用流体であることを特徴とする、請求項5に記載のブラシレスモータ。
  7. 前記放熱手段は、モータの軸内部に設けられていて、該軸を冷却するためのヒートパイプであることを特徴とする、請求項4に記載のブラシレスモータ。
  8. 前記軸の端部には、前記ヒートパイプ中で蒸発した作動媒体を冷却するための作動媒体冷却構造が設けられていることを特徴とする、請求項7に記載のブラシレスモータ。
  9. 前記作動媒体冷却構造は、前記軸周囲に形成されたフィンまたはファンであることを特徴とする、請求項8に記載のブラシレスモータ。
  10. 前記軸は、熱伝導率が異なるそれぞれの材料から形成された高熱伝導率領域と低熱伝導領域とを有してなり、該高熱伝導領域には少なくとも前記ヒートパイプが設けられた部位が含まれていることを特徴とする、請求項7ないし9のいずれかに記載のブラシレスモータ。
  11. モータの出力軸側は前記低熱伝導領域に含まれることを特徴とする、請求項10に記載のブラシレスモータ。
  12. 前記回転トランスが前記コイルよりも出力軸側に設けられていることを特徴とする、請求項10に記載のブラシレスモータ。
  13. 前記放熱手段は、前記軸の端部周囲に形成されたファンであることを特徴とする、請求項8に記載のブラシレスモータ。




















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