JP2004032945A - 受電給電装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】可動部と固定部との間で非接触により受電及び給電を行う。
【解決手段】受電及び給電を行う受電給電装置において、磁束を発生する可動部巻線26と、高周波電力変換部21と、電力伝送トランス可動部コア25に対して電力伝送トランス可動部巻線26が巻回されてなる電力伝送トランス可動部20とを有する可動部と、磁束を発生する固定部巻線28と、電力伝送トランス固定部コア27に電力伝送トランス固定部巻線28が巻回されてなる電力伝送トランス固定部24とを有する固定部とを可動部コア25の開磁路面と固定部コア27の開磁路面とが接することなく近接対峙して設ける。
【選択図】 図4
【解決手段】受電及び給電を行う受電給電装置において、磁束を発生する可動部巻線26と、高周波電力変換部21と、電力伝送トランス可動部コア25に対して電力伝送トランス可動部巻線26が巻回されてなる電力伝送トランス可動部20とを有する可動部と、磁束を発生する固定部巻線28と、電力伝送トランス固定部コア27に電力伝送トランス固定部巻線28が巻回されてなる電力伝送トランス固定部24とを有する固定部とを可動部コア25の開磁路面と固定部コア27の開磁路面とが接することなく近接対峙して設ける。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機及び発電機の機能を有する受電給電装置及び電子機器に関し、特に、可動部と固定部が非接触である受電給電装置及び電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子機器として、直流発電機、直流電動機(以下、上記2つを直流機と記す。)、同期発電機、同期電動機(以下、上記2つを同期機と記す。)、誘導発電機、誘導電動機(上記2つを誘導機と記す。)が広く産業界において用いられている。また、近年においては、パワーエレクトロニクスと呼ばれる分野が拡大しており、従来の電子機器と電子回路からなる電力装置を組み合わせた、より高精度の電子機器が出現している。これらの電子機器は、電力から機械力への変換は可逆的であり、上述した電子機器は、機械力から電力への変換機器である。
【0003】
発電機及び電動機の多くは、その構造が小型化に適していること、或いは産業界では、回転力と電力の変換が広く要求されることから、回転機器として実現されていることが多い。しかし、一部においては、直線運動力と電気力との変換を行う目的で、例えば、リニアモータ等も実用化されている。
【0004】
このような、発電機及び電動機は、構造的にみると、大きく分類して固定部と可動部の少なくとも2つの部分に分かれている。一般的には、可動部、固定部の両方が外部電力装置との間で電力のやりとりを行っており、受電装置或いは給電装置が接続されている。一般的には受電装置は発電機の電力負荷であり、給電装置は、商用の交流電源、直流電源等である。
【0005】
近年の永久磁石の進歩により、可動部に永久磁石を使用したり、固定部から供給される磁束の作用により可動部に設けられた巻線に誘導電流を流したりすることにより、可動部と外部装置との間の電力のやりとりが必ずしも必要とはされない場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、全ての領域において、永久磁石等で置き換えることは、経済的或いは技術的に困難であって、可動部と外部装置との電力のやりとりをどのような手段で行うかは、技術的に重要な課題である。従来の技術について、機械力と電気力の変換装置として代表的な、直流機、同期機、誘導機の順に説明する。
【0007】
図23に直流機(直流モータ)の従来例を示す。直流機200は、固定部と、可動部である回転子(ロータ)に分けられる。ここで固定部は、ヨーク201、界磁202、ブラケット203、軸受け204、ブラシ205からなり、可動部は、回転子206、整流子207、コイル208、回転軸209からなる回転部(可動部)からなる。界磁202では磁界がつくり出され、ここには図示しない電機子では電力が変換されている。
【0008】
機能で分類した場合には、可動部が界磁の機能を果たす場合も電機子の機能を果たす場合もあり、固定部が電機子の機能を果たす場合も界磁の機能を果たす場合もある。界磁の機能は、磁界をつくり出すことであるから、図23では、ヨーク201に取り付けられた異方性磁石が界磁202に相当する。界磁202は、磁石のみならず、コイルとコアより構成される電磁石であってもよい。
【0009】
図23に示す例では、回転子206は、複数個のコアを有しており、この複数のコアの各々にコイル208が巻き付けられている。外筐体となるヨーク201の内部に、界磁202を構成するためのマグネットが配され、界磁202に空隙を介して回転子206が配されている。回転子206の回転軸209は、軸受け204によってブラケット203に支架されている。このコイル208に電流が流れると、回転子206は電磁石となる。コイル208は、前述したように複数個あり、この各々に流れる駆動電流を整流子207で切り換えている。
【0010】
ブラシ205は、コイル208に電流を供給するための摺動接点である。ブラシ205及びブラシ205整流子207を介してコイル208に駆動電流を流すと、整流子207とブラシ205との作用により、界磁202と回転子206とのつくる磁界の関係が常に回転子206を一方向に回転する向きに生じ、回転子206は、界磁202でつくられた磁界の中で回転する。
【0011】
この直流機は、図23と同一構造により、機械力を直流の電力に変換する直流発電機として可逆的に動作させることができる。
【0012】
以下に、直流発電機の原理を説明する。回転軸209に回転力を与えるとコイル208は、界磁202の磁束を切りながら、すなわちコイル208に鎖交する磁束が時間的に変化しながら回転する。コイル208には、この磁束の時間変化に応じて起電力が生じる。このコイル208に生じた起電力は、1回転で正と負に交互に極性が変わる。整流子207とブラシ205との作用により常に同方向の起電圧となるように整流して、直流の起電力として外部に取り出される。
【0013】
このように、直流発電機は、整流子207とブラシ205とにより整流する。ブラシ205を用いることにより容易に直流が得られる反面、ブラシ205と整流子207との摩擦損失、電力損失の発生、消耗品であるブラシ205の保守に関し、問題点を有している。
【0014】
この点を改善する目的で、ブラシ205をスリップリングに変更し、取り出した交流電力を最終的に直流に変換することが考えられる。この場合、電子機器の構造自体は交流機の構造と同じものであるが、電子回路を用いて、最終的に直流電力が電気エネルギーとして出力される点が交流機とは異なる。
【0015】
このように最終的に直流電力が電気エネルギーとして出力されるものとしては、発電機でスリップリングにより取り出した交流を整流し、電動機では、回転子の回転角を検出する別の手段を設け、この回転角検出手段からの出力により電機子の電流方向を制御する無整流子電動機が知られている(例えば、「電子機器学」 西村正太郎外著、オーム社発行、発行日平成10年3月25日、p.226〜229)。
【0016】
しかしながら、この方法によれば、直流機と等価な電流が得られ、整流子207に特有な「異極のブラシによる短絡電流により生じるフラッシュオーバ」等の問題は解決するが、スリップリングを設けることによる機械損失、電気的損失、保守の問題は依然として解決できない。
【0017】
更に、これを改善し、スリップリングを不要とするため、界磁の機能を回転子として電機子の作用を固定部にさせる構造がある。これにより回転子を永久磁石で構成することができるため、固定部と可動部間での電力のやりとりは不要となる。このような永久磁石を用いる方法は、直流電動機としては、回転子の回転角を検出して、界磁巻線の電流を制御する方式が知られている。また、回転部に永久磁石を用いる発電機では、固定部である電機子巻線から交流電力を得た後に、電子回路により整流して直流を得る方式も知られている。しかし、永久磁石を用いる方式は、小型機には向いていても、大型機には、大型永久磁石の製造の困難性、コストが高くなる等の問題点がある。次に、交流機について説明する。
【0018】
交流機には、回転運動がギャップの磁界と同期している同期機と、回転運動がギャップの磁界とは非同期である誘導機とがあり、何れも多用されている。同期機の具体例としては、ブラシ205とスリップリングとを使用し、回転軸209に回転力を与えれば、2個のスリップリングの両端から交流が発生するため、2個のブラシ205の各々をスリップリングに押し当てて交流の電力を取り出すことができる。
【0019】
この同期発電機は、可逆的に同期電動機として動作できる。同期電動機の原理を以下に説明する。回転軸に垂直方向に2分割されたスリップリングを通じて回転子209に設けられたコイル208に直流電流を供給し、回転子を電機子として機能させる。固定部は、界磁として回転軸209を中心とする回転磁界を発生させると、この回転磁界に回転子が引かれ一方向への回転力を得ることができる。この原理に基づいた同期電動機は、回転界磁形同期電動機として知られている。回転数は、回転磁界の移動速度によって決定される。同期機は、回転磁界に同期して動作する。
【0020】
例えば、直流励磁機方式、交流励磁機方式、ブラシレス励磁方式、静止形励磁方式等が知られている(「電子機器学」 西村正太郎他著、オーム社発行、発行日平成10年3月25日、p.81〜82)。これらは何れも別の発電機を設ける方式、又はスリップリングを通して可動部である回転子206に電力を供給する方式をとるため、構造が大型化したりスリップリングにおける損失が増加するという問題点がある。
【0021】
次に、従来の誘導発電機について説明する。同期発電機と略同構造であるが、図24に示すように、例えば、3分割されたスリップリング211を用い電力を制御する。また、図25に示すように電源側から3相交流電流が供給され、回転軸209を中心に回転磁界が発生するようになっている。また、図26に示すように、回転子206にも三相巻線が施されている。スリップリング211を介して、回転子206の三相巻線をショートすると電動機として働き、所定のトルクが発生される。
【0022】
電動機として働く際、回転子206は、回転軸209に接続されている機械負荷の大きさに応じて、回転磁界の移動速度から若干遅延しながら回転する。この移動速度の遅延の割合を一般に「すべりS」と称している。外部からの機械エネルギーにより回転軸209に回転力を与えるとき、図25に示した電機子巻線における回転磁界の移動速度を回転子206の回転速度が上回る場合、すべりSが負の値となり、電源側に電力を送り返すようになる。これが誘導発電機の原理である。
【0023】
ここで、図26に示す抵抗器212は、電動機としての回転スタート時には、大きな始動電流が流れるため、これを制限するために大きな抵抗値に設定されている。回転の上昇に伴って、抵抗器212の抵抗値を減少し、抵抗器212による損失が低減するような制御方式も知られている。また、抵抗器212に代えて、電機子からの電流をスリップリング211から取り出して再び有効電力に変換する方法が、セルビウス法、クレーマ法等として知られている。スリップリング211を使わない回転スタートの方法や速度制御の方法としては、可動部の回転子をアルミ棒と銅の短絡環で構成したり、電機子巻線を短絡した状態で使用し、起動時の突入電流を許容する方式や、1次側の電圧を制御する方式、周波数を制御する方式、電圧と周波数を同時に制御するV/F一定制御方式等が知られている。また、発電機としての使用する際、可動部の可動部の電機子巻線に流れる電流の周波数を変えることにより発電機の回転速度の変化を吸収し、高い発電効率を得る可変速発電方式と称される発電方法が可能となる。
【0024】
上述した理由により、誘導機の効率を追求する場合には、単にアルミ棒と銅の短絡環から構成される籠型巻線方式よりも、電機子側の電流を、スリップリング211を通して制御する方が適している。したがって、誘導機でも、回転電機子の制御を外部から行う構成を用いる方が有利であるが、直流機及び交流機と同様にスリップリング211の摩擦による機械損失、接触抵抗による電気損失及び保守が問題となる。
【0025】
更に、全ての種類の電子機器において界磁及び電機子の両方に巻線を設けた場合、一方を永久磁石にするよりも、回転電機子の制御を外部から行う構成とする方が、制御のパラメータを1個増加させることができ、更に細かい制御を可能とするという積極的な利点がある。例えば、界磁と電機子の相方の電流を制御することにより、界磁及び電機子のコアにおいて磁気飽和がない最適点における動作設定が行える。
【0026】
将来的には、超伝導作用を用いることによって、巻線抵抗による損失が少なく、強力な磁気特性を有する機器が提供される可能性もある。そのため、可動部への電力の出し入れをスリップリング、整流子、ブラシを使わずに行う技術の開発は、依然として今後も解決されるべき課題である。また、別の観点からみると、将来の社会は、エネルギー源を石油から水素へ転換した「水素社会」となることが予測される。「水素社会」とは、水素と酸素からつくった電気をエネルギー源とする社会である。そのため、動力源の多くは電気を使ったモータ類に置き換えられ、従来使われていなかった分野にも、広く発電機及び電動機が普及することが予想される。
【0027】
発電機及び電動機が社会の隅々まで数多く採用された場合、保守点検が不要で信頼性が高いということは、非常に重要である。現在、電子機器の信頼性は格段に向上し、半永久的となってきている。反面、摩擦作用を利用する機械部品の寿命は、一般に短く、ブラシ等の磨耗部品を用いることは、発電機及び電動機においては、この先、大きな問題となることが予想される。
【0028】
例えば、VTR(ビデオテープレコーダ)の回転トランスでは、回転部側と固定部側に巻線を設け、磁束により1次側と2次側とを分離した機構とし、回転するヘッドから電気信号を取り出して、固定部側に設けられた信号処理回路に提供するものである。実用新案登録第2606444号には、回転トランスにより、電力を伝送する発明が記載されているが、電動機、発電機との関連についての記載はない。
【0029】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、整流子、スリップリング、ブラシを介することなく、非接触で可動部に受電及び/又は給電する受電給電装置及び受電給電機能を備える電子機器を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係る受電給電装置は、磁束を発生する可動部巻線と、可動部巻線に接続され周波数を変換する可動部電力変換部と、可動部電力変換部に接続され電力伝送トランス可動部コアに対して電力伝送トランス可動部巻線が巻回されてなる電力伝送トランス可動部とを有する可動部と、磁束を発生する固定部巻線と、固定部巻線に接続され電源より電力を供給する電力供給線又は電力負荷に接続され周波数を変換する固定部電力変換部と、固定部電力変換部に接続され電力伝送トランス固定部コアに電力伝送トランス固定部巻線が巻回されてなる電力伝送トランス固定部とを有する固定部とを備え、可動部と固定部とは、電力伝送トランス可動部コアの開磁路面と電力伝送トランス固定部コアの開磁路面とが接することなく近接対峙して設けられ、電力伝送トランス可動部コアと電力伝送トランス固定部コアとの間に発生する交番磁束によって可動部と固定部との間で電力の受電及び給電が行われ、交番磁束の周波数が可動部巻線、電力供給線及び電力負荷の電力周波数の何れよりも高く略一定の周波数であることを特徴とする。
【0031】
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、磁束を発生する可動部巻線と、可動部巻線に接続され周波数を変換する可動部電力変換部と、可動部電力変換部に接続され電力伝送トランス可動部コアに対して電力伝送トランス可動部巻線が巻回されてなる電力伝送トランス可動部とを有する可動部と、磁束を発生する固定部巻線と、固定部巻線に接続され電源より電力を供給する電力供給線又は電力負荷に接続され周波数を変換する固定部電力変換部と、固定部電力変換部に接続され電力伝送トランス固定部コアに電力伝送トランス固定部巻線が巻回されてなる電力伝送トランス固定部とを有する固定部とを備え、可動部と固定部は、電力伝送トランス可動部コアの開磁路面と電力伝送トランス固定部コアの開磁路面とが接することなく近接対峙して設けられ、伝送トランス可動部コアと電力伝送トランス固定部コアとの間に発生する交番磁束によって可動部と固定部との間で電力の受電及び給電が行われ、交番磁束の周波数が可動部巻線、電力供給線及び電力負荷の電力周波数の何れよりも高く略一定の周波数であることを特徴とする。
【0032】
ここで受電給電装置としては、固定部と可動部からなる一般的な受電給電装置であり、回転構造及びリニア構造を含む。
【0033】
この受電給電装置は、可動部が電機子である場合には可動部から「受電すること」、すなわち電力を取り出す発電機として働き、可動部が電機子である場合は、可動部に「給電すること」、すなわち電力を送り込む電動機として働く。
【0034】
なお、上記記載において「電力供給線」とは、当該受電給電装置を電動機として働かせる際に、電機子又は界磁に電力を供給する電力供給線の源を示しており、「電力負荷」とは、当該受電給電装置を発電機として働かせる際の負荷、或いは誘導電動機においてすべり量を調整するときの抵抗負荷に相当するものを示している。これらが取り扱う電力周波数は、直流から数百Hzの範囲である。
【0035】
またここで、固定部と可動部との相対位置情報を検出する位置検出手段と、固定部巻線と電力供給線又は電力負荷との間、或いは可動部巻線と電力伝送トランス可動部巻線との間に電流方向を切り換える極性切換手段と、相対位置情報に基づいて極性切換手段を制御する極性制御手段とを設ける。また、可動部を、回転軸を中心として回転する回転子とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明は、可動部と固定部を有し、可動部と固定部との間で電力をやりとりする受電給電装置であれば、原理的にはどのようなものにも適用が可能であるが、電力伝送トランス作製の容易さの面から、回転する電子機器に適用するのがより好適である。
【0037】
本発明の具体例として示す電子機器は、可動部に固着された電力を伝送する電力伝送トランスの可動部巻線と、固定部に固着された電力伝送トランスの固定部巻線とを備え、各々の巻線に挿入されたコアの端面から出る交番磁束を介して可動部への電力を供給するようにした受電給電機能を備えた機器である。このような構成にすれば、可動部と固定部の間の電力エネルギー移動は、接触する部材を一切介さず、電力伝送トランスの1次側と2次側との微小な空隙(エアーギャップ)を通じて、1次側と2次側とに鎖交する交番磁束を通じて行うことができる。
【0038】
ここでは、電力の供給側を1次側、電力を使用する側を2次側と定義する。電力伝送トランス自体には、構造上の差異はない。また、ある瞬間には可動部の巻線が1次側としての役目を果たし、次の瞬間には2次側としての役目を果たす場合もあるが、電力の流れを明確にするために、本具体例では上記定義に固定する。
【0039】
また、以下の説明において、1次側と2次側とが明確にできない場合は、構造に沿って電力伝送トランス固定部側、電力伝送トランス固定部側巻線、電力伝送トランス可動部側、電力伝送トランス可動部側巻線等の用語を適宜使用する。
【0040】
電力供給線及び電力負荷における電力周波数は、電動機又は発電機の動作周波数であり、発電機では一般的に電機子に誘起される電圧は、直流又は移動速度に応じた比較的周波数の低い数百Hz以下の交流(交番電流)である。電動機の駆動電力も同様に、直流又は商用電力のように数百Hz以下の交流である。ここで、直流は、周波数0Hzの交流と定義して以下では説明する。
【0041】
可動部巻線で扱う電力が直流の場合、このままでは電力伝送トランスを用いた電力の伝送はできない。また、可動部巻線で扱う電力周波数が低いと電力伝送トランスのサイズを大きくせざるを得ず、可動部巻線及び可動部コアと同サイズが必要となる。
【0042】
ところが、電力伝送トランスは、可動部とともに移動するため、機械損失を少なくするためには小型でなければならない。電力伝送トランスを小型化するには、後述するが、電力伝送トランスの1次側に印加する電力周波数を高くする必要がある。
【0043】
これを実現するために、本具体例では、可動部に電力を供給するに際して、0Hz〜数百Hzの電力をこの10〜10000倍の高周波に一旦変換して、電力を電力伝送トランスにより1次側から2次側に伝送し、その後、可動部に設けられた周波数変換装置によって、直流を含む所定の高周波に変換することが考えられる。所定の高周波の電力を直流に周波数変換することは、通常の整流回路により容易に実行可能であり、一旦直流に変換後、スイッチ素子を用いることにより、所定の高周波の電力をより低い周波数の電力に変換することも容易に実現できる。
【0044】
逆に、直流の電力を所定の高周波の電力に変換することは、スイッチ素子により容易に実現できる。また、低い周波数の電力を高周波の電力に変換する際には、一旦直流に変換した後に直流の電力を所定の高周波の電力に変換する。またこのほかに、双方向スイッチ素子を用いて、低い周波数の電力を高周波の電力に直接変換することも容易に行える。可動部から受電をする際にも、同様にして電力伝送トランスを用いて電力を伝送する。
【0045】
また、電動機と発電機、何れの場合も、可動部を界磁として機能させることができるが、この場合、電力伝送トランスを介して電力を可動部に送ることができる。
【0046】
以下、この電力伝送トランスを用いた電子機器について、より詳細に説明する。ここで可動部は、インナーロータでもアウターロータでもよい。また、本発明の技術的思想は、回転式の発電及び/又は動力装置に限定されず、直線的に移動するリニアモータにも適用できる。
【0047】
まず、交流電力を伝送する電力伝送トランスについて説明する。電力伝送トランスは、交流電力を伝送するが、交流電力周波数を高く選ぶほど電力伝送トランスの小型化が図れる。すなわち、環状鉄心にコイルを巻いたときに、コイルに印加される電圧(実効値)V0と鉄心中の磁束密度Φmの関係は、この分野の当業者に周知であるが、以下の式で表される。
【0048】
コイルの巻数をN、交流電力周波数をFとすると、両者の関係式は、正弦波の場合は式(1)、方形波の場合は式(2)で表される。
V0=4.44×F×N×Φm・・・(1)
V0=4×F×N×Φm・・・(2)
式(1)、式(2)によれば、磁束密度Φmは、電圧V0と周波数Fと巻数Nにより定まる。
【0049】
上式によれば、大きな電圧V0を印加するためには、Φmを大きくしなければならないことがわかるが、Nを大きくすれば磁束密度Φmが下げられることも意味している。電流を大きくして電圧を低くしても、或いは回転子の電流を小さくして電圧を高くしても、電流と電圧との積が一定であれば、同じ電力を伝送できる。したがって、電流を小さくしてコイルの巻数Nを大きくすれば、磁束密度Φmを大きくしなくてもよい。そのため、電力を一定としたときは、磁束密度Φmと比例関係にあるコアの大きさは、電圧V0とは、殆ど関係なく、V0の高低とトランスサイズは、関係がない。
【0050】
しかしながら、式(1)、式(2)より、Fと磁束密度Φmは、反比例し、Φmは、環状鉄心の断面積に比例するため、Fを高くすれば、電力伝送トランスの小型化を図れることがわかる。
【0051】
ここでは、電力伝送トランスの役割は、非接触でエネルギー伝送する素子であるとして説明したが、電圧変換素子としての役割も当然果たす。したがって、可動部で取り扱う電圧の最適値と固定部側で取り扱う電圧の最適値とが異なる場合には、電力伝送トランス固定部巻線と電力伝送トランス可動部巻線とで、巻数を異ならせて電圧変換を行うことにより、動作の最適化する役割も果たし得る。
【0052】
上述のように、機械的に負荷とならない小型の電力伝送トランスの磁路を可動部と固定部とに設け、可動部の磁路と固定部の磁路が可動部と固定部との相対的位置関係の変化にかかわらず、常に磁気的に密に結合する構造を採用することにより、磁束を媒介として可動部と固定部の間の電力のやりとりが可能となり、装置自体を大型化することなく、ブラシ、整流子、スリップリング等の接触部材を不要にすることができる。電力伝送トランスを固定部と可動部とに分離すると、磁路は分離点で開磁路となるが、この開磁路面を互いに対向しつつ両方のコアの空隙をできる限り狭くすれば、電力伝送トランスとしての性能が低下することはない。
【0053】
以下、本発明の具体例について、図面を参照して詳細に説明する。図1〜図3に第1の具体例である受電給電装置の構造の全体及び要部を示し、図4には第1の具体例における受電給電装置のブロック図を示す。
【0054】
第1の具体例として示す受電給電装置1は、直流発電機である。この直流発電機は、ヨーク11、界磁12、回転子13、ブラケット14、軸受け15、コイル16(電機子巻線)、回転子コア17、回転軸18を備えている。電力伝送トランス可動部取付台19は、回転子13と固着され、電力伝送トランス可動部20及び電機子巻線16に接続される電子回路により構成される高周波電力変換部21が電力伝送トランス取付台22上に配設されている。また、電力伝送トランス固定部取付台23は、ブラケット14に固着されており、電力伝送トランス固定部24が配設されている。
【0055】
図3に電力伝送トランスの断面図を示す。電力伝送トランス可動部20は、電力伝送トランス可動部コア25と電力伝送トランス可動部巻線26とを備え、電力伝送トランス固定部24は、電力伝送トランス固定部コア27と電力伝送トランス固定部巻線28とを備えている。
【0056】
電力伝送トランス可動部コア25と電力伝送トランス固定部コア27の空隙を形成する面は、互いに対峙し、回転軸18を取り巻くように形成されている。
【0057】
ここで、可動部コア25と固定部コア27とが対峙する面の間隔は、漏れ磁束をなるべく少なくしてパーミアンスを大きくし、電力の1次側から2次側への伝送効率をあげるように、なるべく狭くしている。この間隔dは、両方のコア面が接触しない範囲で全磁路長の1/100〜1/10000程度が好適である。また、可動部コアと固定部コアの対向する部分の面積をコアの断面積より大きくする点も、パーミアンスを大きくするための有効な手法の1つである。
【0058】
次に図面に沿って、第1の具体例として示す回転電機子型受電給電装置の動作について説明する。本具体例では、界磁及び電機子の極数は、所期の目的を達し得る範囲で任意に設定できる。ただし、上述の図1及び図2に示す具体例では、界磁は2極で構成されており、電機子側も2極で構成される最も単純な構造である。
【0059】
界磁12には、界磁巻線31が施されており、界磁巻線31に直流電流を流し励磁することにより磁束が発生する。回転子13は、この磁束の中で回転する。回転子13に設けられた電機子巻線16が磁束を横切ることにより、起電力が発生される。この起電力を高周波電力変換部21に取りこみ、高周波の電力に変換する。
【0060】
図5に高周波電力変換部21の構成を示す。電機子巻線16からの起電力は、交流であるため、高周波電力変換部21において、更に周波数の高い高周波電力に変換する。高周波の電力は、高ければ高いほど電力伝送トランスの小型化が図れるが、損失や使用可能なスイッチ素子の周波数範囲等を考慮して、電機子で発生する交流周波数の100倍〜10000倍程度の周波数を選択する。
【0061】
高周波電力変換部21におけるスイッチ素子としては、例えば、双方向へ電流を流せる双方向スイッチであるトライアックを用いることができる。トライアックを使用する場合は、交流から直接に高周波に変換できるが、方向性のあるスイッチを使用する場合には、一旦直流に変換後、高周波電力に変換する。ここで、スイッチ素子32乃至35は、トライアックのみならず、周波数が低い場合であれば、機械式リレー等のスイッチ素子を用いることができる。また、周波数が高い場合であれば、電子的な方向性スイッチ素子、例えば、トランジスタ、FET、GTO(Gate Turn−Off Thyristor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、サイリスタ等の半導体素子が使用できる。
【0062】
続いて、電機子巻線16の両端の電圧波形と電力伝送トランス可動部巻線26(電力伝送トランス1次側巻線)の両端の電圧波形を図6に示す。
【0063】
スイッチ素子32とスイッチ素子34は、同時にオン又はオフとなり、スイッチ素子33とスイッチ素子35は、同時にオン又はオフとなる。スイッチ素子32とスイッチ素子34とがオン状態のときは、スイッチ素子33とスイッチ素子35は必ずオフ状態であり、スイッチ素子33とスイッチ素子35とがオン状態のときは、スイッチ素子32とスイッチ素子34は、必ずオフ状態になる。スイッチ素子32乃至35により発生された電力は、電力伝送トランス1次側巻線、すなわち電力伝送トランス可動部巻線26に印加される。
【0064】
上述したように、電機子巻線16の電圧が正負に変化する交流である場合、スイッチ素子32乃至35には双方向に流れる電流が印加される。そのため、双方向スイッチ素子が最適であるが、電機子巻線16から発生する電流が直流、若しくは整流回路を経由した後の電流であれば、一方向スイッチ素子でもよい。
【0065】
電力伝送トランス可動部20は、電力伝送トランス可動部巻線26と電力伝送トランス可動部コア25との作用により高周波の磁束を発生させる。電力伝送トランスの透磁率は、空気の透磁率と比べて、例えば1000倍程度大きいため、発生した高周波磁束の殆どは、空隙を介して電力伝送トランス固定部24に設けられた電力伝送トランス固定部コア27に導かれ、電力伝送トランス固定部巻線28に起電力を発生させる。
【0066】
固定部側に取り出した電力の波形は、図6に示すように、回転周期に同期した包絡線を有して所定の高周波で正負にスイッチングされるものとなる。電力伝送トランス固定部巻線28を整流回路36で整流平滑することにより直流電流による電力が取り出せる。ここで、整流回路36は、高周波で応答する高速ダイオードを用いる点以外は、ダイオード等を用いた通常の電子的整流回路が適用できる。
【0067】
続いて、図7を用いて第2の具体例について説明する。第2の具体例は、回転界磁型の受電給電装置である。第2の具体例として示す受電給電装置2では、界磁巻線、電機子巻線の構造は、第1の具体例と大きく異なるものではなく、回転子側で界磁作用を担い、固定部側から電力を取り出す点に特徴がある。そのため、以下では、受電給電装置1と同様の機能を有する構成に関しては同一の番号を付し、界磁と電機子の名称を変更して説明している。
【0068】
受電給電装置2では、電機子巻線側の電流容量が大きくなるため、各巻線の仕様が第1の具体例と異なっている。また、界磁形成のための電力伝送トランスや高周波電力変換部がより小型のものでよい。ここでは、固定部が1次側であり可動部が2次側となっているため、第1の具体例とは、1次側と2次側の作用が反転している。電力伝送トランス1次側巻線は、電力伝送トランス固定部巻線28である。
【0069】
回転子13には、第1の具体例における電機子巻線16に代わって界磁巻線41が設けられており、励磁用直流電力が印加されるようになっている。また、高周波電力変換部21に代わって整流回路42が設けられている。ここで、整流回路42は、交流を直流、すなわち0Hzの交流に変換する高周波電力変換部と考えることができる。
【0070】
高周波電力変換部20により発生された電力は、電力伝送トランス固定部24に印加され、電力伝送トランス可動部20の電力伝送トランス可動部巻線26より取り出される。この電力は、整流回路42により整流され、回転子13に設けられた界磁巻線41に印加される。回転子13は、機械力により回転しているため、電機子巻線43は、磁束を横切ることになり、電機子巻線43では、回転子13の回転速度に応じた交流の起電力が発生する。この交流起電力を整流回路42で整流すれば直流電力が得られる。整流回路42は、ダイオード等の半導体素子を用いた全波又は半波の整流回路である。整流のみではリップルが多い場合には、更にコンデンサにより平滑することによって、より直流に近い波形が得られる。
【0071】
続いて、図8に第3の具体例である受電給電装置3を示す。受電給電装置3は、直流発電機の別の形態である。ここでは、受電給電装置を同時に電動機として可逆的に使用することを目的としている。構成上では、直流を得るための最終段階の工程で電子的整流素子を用いないことを特徴としている。
【0072】
したがって、本具体例は、第2の具体例において、従来の整流子とブラシの代用として位置検出回路51と極性切換器52とを設け、位置検出回路51からの信号に基づいて、極性切換器52により交流電力の極性を切り換える点が特徴的である。
【0073】
ここで、位置検出回路51は、回転軸18と連結されたシャッタ53と受光素子54と発光素子55とからなり、受光素子54での光量の変化により回転子13の回転角度を検出することしている。これにより、極性切換器52は、後述する第4の具体例として図6に示す受電給電装置を電動機として用いる際にも兼用でき可逆運転が容易に行えるという利点がある。
【0074】
図9に、極性切換器52の具体的な構成を示す。極性切換器52は、高周波電力変換部21と同様の原理に基づく、いわゆるフルブリッジのスイッチ回路であるが、回転子13の回転周期に同期している点に特徴を有しており、スイッチ素子61乃至64への制御信号は、位置検出回路51からの信号に基づくものである。
【0075】
図10に極性切換器52の動作波形を示す。図8に示す第3の具体例は、回転界磁型の直流発電機の具体例であるが、これは、後述する図16に示す第12の具体例と同様の作用を有する。
【0076】
続いて、図11に第4の具体例を示す。第4の具体例として示す受電給電装置4は、回転界磁型の直流電動機である。位置検出回路51は、上述の具体例におけるものと同じであり、位置検出回路51からの位置情報をもとに極性切換器52により電機子巻線43の電流方向を切り換えれば、常に一方向の回転トルクが得られ、電動機として回転させることができる。
【0077】
ここで極性切換器52は、第3の具体例で説明したものと同一であるが、交流側が出力側となり、直流側が入力側となる点が異なっている。ここでは、スイッチ素子に双方向素子を用いれば、極性切換器52は、完全に可逆的に動作する。そのため、回路の接続を変更することなく発電機と電動機との可逆運転が可能になる。
【0078】
続いて、図12に第5の具体例を示す。第5の具体例として示す受電給電装置5は、受電給電装置4の電機子と界磁とを入れ換えた回転電機子型の電動機である。可動部側に回転位置検出回路51の受光素子54及び発光素子55が設けられ、シャッタ53を固定部側に設けることにより、固定部と可動部の相対位置を検出している。位置検出回路51からの信号に応じて電機子巻線16への電流を切り換えれば、一方向へ回転させることができる。
【0079】
以上説明した何れの具体例においても、可動部21上に電子回路を設けることによって、可動部の移動に伴う風力により電子回路の空冷効果が高められるという利点がある。これにより、冷却手段を設ける必要もなくなるため、電子回路部の小型化が図れる。
【0080】
図13に示す第6の具体例は、従来の直流電動機における整流子とブラシとの機能の一部を位置検出回路51に置き換えて、位置情報に基づいて界磁電流の方向を切り換えるようにした受電給電装置6である。界磁の方向を切り換えることにより、力が一方向に働くため、一方向に回転させることができる。
【0081】
また、図14に第7の具体例として示す受電給電装置7は、従来の直流発電機における整流子とブラシとの機能の一部を位置検出回路51に置き換えて、位置情報により界磁電流の方向を切り換えるものである。界磁の方向を切り換えることにより、電機子に誘起される電力が一方向の直流となり、小さな界磁電流の制御により、直流電力を直接得ることができる。
【0082】
次に、交流の場合について説明する。第8の具体例として、図15を用いて交流の受電給電装置8を説明する。図15に示す受電給電装置8は、図4に示した直流機における整流回路22からの直流電流を位置検出回路51からの信号に基づいて極性切換器52で交流に変換するものである。第6の具体例では、2極の例について説明したが、実際は、本具体例のように2極以上であっても、位置検出回路51のシャッタ53及び受光素子54の設計を変更することにより極性が切り換えられる。そのため、極性切換器52を3相交流に対応した回路に変更すれば、2相のみならず3相以上の交流を得ることも可能である。
【0083】
図16に第9の具体例を示す。この交流の受電給電装置9は、図8に示す直流発電機において極性切換器52を経ることなく電力を出力する構成としたものである。
【0084】
第10の具体例として示す交流の電動装置を、図17を用いて説明する。この電動装置は、回転子13で界磁を発生させて固定部側に電力を供給し、回転磁界を発生させるという回転界磁型の同期電動機である。回転子13は、固定部に設けられた電機子による回転磁界の移動速度、すなわち同期速度で回転する。回転子13の界磁12は、一方向の電流を流し、界磁12の磁束を形成するため、電力伝送トランス可動部20からの高周波電力を整流回路42により整流して得られる直流電流を用いている。界磁巻線41は、回転磁界を生成し、電力を機械力に変換する。巻線の構造及び配置は、例えば、図18に示すようにできる。すなわち、空間的に配置が120°異なった界磁巻線AとD、界磁巻線BとE、界磁巻線CとFのそれぞれに3相電流を流して回転磁界を形成するものである。
【0085】
続いて、第11の具体例を、図19を用いて説明する。この交流発電機11は、固定部が界磁をつくり、回転子13に設けられた電機子が電力を機械力に変換するとともに回転磁界を生じる構造となっている。電機子での回転磁界は、空間的な位相が120°異なる巻線に、時間的な位相が120°異なる3相電流を流すことにより得られる。ここでは、界磁の磁束と電機子による回転磁界との作用により、回転子13は、同期速度で回転する。
【0086】
三相電流発生回路71は、例えば、図20で示すように、スイッチ素子72乃至スイッチ素子77により実現することができる。スイッチ素子のオン/オフのタイミングを図21に示す。図19では、三相の方形波で駆動するとして説明しているが、方形波に代えてPWM(Pulse Width Modulation)制御とすることにより正弦波駆動もできる。三相電力の巻線への供給方法は、Δ結線でもY結線でもよい。
【0087】
交流電力周波数は、予め定めた所定の周波数でもよいし、回転に応じて周波数が変化するものでもよい。周波数を変化させる場合、固定部側から周波数を制御する制御信号を可動部に設けられた通信手段に送る。回転に応じて周波数を変化させる場合、回転を徐々にあげられるため、同期外れを防止できるという利点がある。
【0088】
次に、誘導機電動機の具体例を示す。誘導機の電機子及び界磁の電子機器としての本質的な構成は、本具体例として示す直流機や同期機と同一である。しかし、その動作原理は、上述した直流機や交流機とは異なり、電磁誘導作用による誘導電流を利用し、回転磁界と可動部の移動速度との「すべりS」が負か正かによって、発電機又は電動機として作用する点が特徴的である。また、回転磁界の速度と回転子13の回転速度は、非同期となる。
【0089】
誘導電動機は、回転子13を巻線とした際、上述したように一般的には3相の巻線の端部を外部に取り出している。つまり、複数(例えば、3個とする。)の電力伝送トランスを設けて、3個の回転子13に設けられた巻線における電力の受電及び給電を独立に行えば、従来知られている全ての制御方法を実現することができる。
【0090】
図22に、回転トランスの構成を説明する。電力伝送トランス可動部取付台119には、電力伝送トランス可動部コア125a乃至125c固着されている。電力伝送トランス可動部コア125a乃至125cには、電力伝送トランス可動部巻線126a乃至126cが巻かれている。各々の巻線は、回転子113に設けられた回転子巻線と高周波電力変換部120を介して接続されている。電力伝送トランス固定部取付台123には、電力伝送トランス固定部コア127a乃至127cが固着されている。
【0091】
電力伝送トランス固定部コア127a乃至127cには、電力伝送トランス固定部巻線128a乃至128cが巻かれており、各々の巻線は、固定部側に引き出されている。ここで、回転子巻線も三相巻線である。
【0092】
電力伝送トランス可動部コア125a乃至125cの透磁率は、可動部取付台119の透磁率と比較して、非常に大きく、可動部巻線126a乃至126cより発生される磁束は、可動部取付台119に漏れることはない。ここで、各可動部コアは、回転軸118を取り囲むように配設されている。固定部コア127a乃至127cは、可動部コア125a乃至125cの磁路内の一部に配設されており、各可動部巻線により生じた磁束を集めている。
【0093】
また、固定部コア127a乃至127cは、可動部コア125a乃至125cの磁束を集めるために各可動部コアの全面を覆っている必要はない。可動部コアと固定部コアの一部がオーバーラップしていればよい。この場合、オーバーラップ部における磁気抵抗が小さくなるため、磁束の大部分は、オーバーラップ部に集中するからである。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る受電給電装置によれば、従来必要であった機械的な接触部材である整流子、スリップリング、ブラシ等を用いることなく電力伝送トランス可動部と電力伝送トランス固定部との間で非接触により電力のやりとりができる。
【0095】
また、本発明に係る電子機器によれば、従来必要であった機械的な接触部材である整流子、スリップリング、ブラシ等を用いることなく電力伝送トランス可動部と電力伝送トランス固定部との間で非接触により電力のやりとりができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例として示す受電給電装置の基本構造を説明する概略図である。
【図2】本発明の具体例として示す受電給電装置の可動部の断面図である。
【図3】本発明の具体例として示す電力伝送トランスの断面図である。
【図4】本発明の第1の具体例として示す受電給電装置のブロック図である。
【図5】上記受電給電装置の高周波電力変換部のブロック図である。
【図6】電機子巻線両端の電圧波形と電力伝送トランス可動部巻線両端の電圧波形を示す図である。
【図7】本発明の第2の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図8】本発明の第3の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図9】極性切換器の構成を説明するブロック図である。
【図10】上記極性切換器の動作波形を説明する図である。
【図11】本発明の第4の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図12】本発明の第5の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図13】本発明の第6の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図14】本発明の第7の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図15】本発明の第8の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図16】本発明の第9の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図17】本発明の第10の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図18】本発明の第10の具体例として示す受電給電装置の巻線の構造及び配置を説明する概略図である。
【図19】本発明の第11の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図20】三相電流発生回路を説明するブロック図である。
【図21】上記三相電流発生回路におけるスイッチ素子のタイミングを説明する図である。
【図22】複数の電力伝送トランスを備える回転トランスを説明するブロック図である。
【図23】従来の受電給電装置の基本構造を説明する概略図である。
【図24】従来の誘導発電機の基本構造を説明する概略図である。
【図25】従来の誘導発電機における界磁巻線を説明する図である。
【図26】従来の誘導発電機における回転子巻線を説明する図である。
【符号の説明】
1 受電給電装置、11 ヨーク、12 界磁、13 回転子、14 ブラケット、15 軸受け、16 コイル(電機子巻線)、17 回転子コア、18 回転軸、19 電力伝送トランス可動部取付台、20 電力伝送トランス可動部、21 高周波電力変換部、22 電力伝送トランス取付台、23 電力伝送トランス固定部取付台、24 電力伝送トランス固定部、25 電力伝送トランス可動部コア、26 電力伝送トランス可動部巻線、27 電力伝送トランス固定部コア、28 電力伝送トランス固定部巻線、31 界磁巻線、32 スイッチ素子、33 スイッチ素子、34 スイッチ素子、35 スイッチ素子、36 整流回路、41 界磁巻線、42 整流回路、43 電機子巻線、44 、51位置検出回路、52 極性切換器、53 シャッタ、54 受光素子、55 発光素子、61 スイッチ素子、62 スイッチ素子、63 スイッチ素子、64 スイッチ素子、71 三相電流発生回路、72 スイッチ素子、73 スイッチ素子、74 スイッチ素子、75 スイッチ素子、76 スイッチ素子、77 スイッチ素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、電動機及び発電機の機能を有する受電給電装置及び電子機器に関し、特に、可動部と固定部が非接触である受電給電装置及び電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、電子機器として、直流発電機、直流電動機(以下、上記2つを直流機と記す。)、同期発電機、同期電動機(以下、上記2つを同期機と記す。)、誘導発電機、誘導電動機(上記2つを誘導機と記す。)が広く産業界において用いられている。また、近年においては、パワーエレクトロニクスと呼ばれる分野が拡大しており、従来の電子機器と電子回路からなる電力装置を組み合わせた、より高精度の電子機器が出現している。これらの電子機器は、電力から機械力への変換は可逆的であり、上述した電子機器は、機械力から電力への変換機器である。
【0003】
発電機及び電動機の多くは、その構造が小型化に適していること、或いは産業界では、回転力と電力の変換が広く要求されることから、回転機器として実現されていることが多い。しかし、一部においては、直線運動力と電気力との変換を行う目的で、例えば、リニアモータ等も実用化されている。
【0004】
このような、発電機及び電動機は、構造的にみると、大きく分類して固定部と可動部の少なくとも2つの部分に分かれている。一般的には、可動部、固定部の両方が外部電力装置との間で電力のやりとりを行っており、受電装置或いは給電装置が接続されている。一般的には受電装置は発電機の電力負荷であり、給電装置は、商用の交流電源、直流電源等である。
【0005】
近年の永久磁石の進歩により、可動部に永久磁石を使用したり、固定部から供給される磁束の作用により可動部に設けられた巻線に誘導電流を流したりすることにより、可動部と外部装置との間の電力のやりとりが必ずしも必要とはされない場合もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、全ての領域において、永久磁石等で置き換えることは、経済的或いは技術的に困難であって、可動部と外部装置との電力のやりとりをどのような手段で行うかは、技術的に重要な課題である。従来の技術について、機械力と電気力の変換装置として代表的な、直流機、同期機、誘導機の順に説明する。
【0007】
図23に直流機(直流モータ)の従来例を示す。直流機200は、固定部と、可動部である回転子(ロータ)に分けられる。ここで固定部は、ヨーク201、界磁202、ブラケット203、軸受け204、ブラシ205からなり、可動部は、回転子206、整流子207、コイル208、回転軸209からなる回転部(可動部)からなる。界磁202では磁界がつくり出され、ここには図示しない電機子では電力が変換されている。
【0008】
機能で分類した場合には、可動部が界磁の機能を果たす場合も電機子の機能を果たす場合もあり、固定部が電機子の機能を果たす場合も界磁の機能を果たす場合もある。界磁の機能は、磁界をつくり出すことであるから、図23では、ヨーク201に取り付けられた異方性磁石が界磁202に相当する。界磁202は、磁石のみならず、コイルとコアより構成される電磁石であってもよい。
【0009】
図23に示す例では、回転子206は、複数個のコアを有しており、この複数のコアの各々にコイル208が巻き付けられている。外筐体となるヨーク201の内部に、界磁202を構成するためのマグネットが配され、界磁202に空隙を介して回転子206が配されている。回転子206の回転軸209は、軸受け204によってブラケット203に支架されている。このコイル208に電流が流れると、回転子206は電磁石となる。コイル208は、前述したように複数個あり、この各々に流れる駆動電流を整流子207で切り換えている。
【0010】
ブラシ205は、コイル208に電流を供給するための摺動接点である。ブラシ205及びブラシ205整流子207を介してコイル208に駆動電流を流すと、整流子207とブラシ205との作用により、界磁202と回転子206とのつくる磁界の関係が常に回転子206を一方向に回転する向きに生じ、回転子206は、界磁202でつくられた磁界の中で回転する。
【0011】
この直流機は、図23と同一構造により、機械力を直流の電力に変換する直流発電機として可逆的に動作させることができる。
【0012】
以下に、直流発電機の原理を説明する。回転軸209に回転力を与えるとコイル208は、界磁202の磁束を切りながら、すなわちコイル208に鎖交する磁束が時間的に変化しながら回転する。コイル208には、この磁束の時間変化に応じて起電力が生じる。このコイル208に生じた起電力は、1回転で正と負に交互に極性が変わる。整流子207とブラシ205との作用により常に同方向の起電圧となるように整流して、直流の起電力として外部に取り出される。
【0013】
このように、直流発電機は、整流子207とブラシ205とにより整流する。ブラシ205を用いることにより容易に直流が得られる反面、ブラシ205と整流子207との摩擦損失、電力損失の発生、消耗品であるブラシ205の保守に関し、問題点を有している。
【0014】
この点を改善する目的で、ブラシ205をスリップリングに変更し、取り出した交流電力を最終的に直流に変換することが考えられる。この場合、電子機器の構造自体は交流機の構造と同じものであるが、電子回路を用いて、最終的に直流電力が電気エネルギーとして出力される点が交流機とは異なる。
【0015】
このように最終的に直流電力が電気エネルギーとして出力されるものとしては、発電機でスリップリングにより取り出した交流を整流し、電動機では、回転子の回転角を検出する別の手段を設け、この回転角検出手段からの出力により電機子の電流方向を制御する無整流子電動機が知られている(例えば、「電子機器学」 西村正太郎外著、オーム社発行、発行日平成10年3月25日、p.226〜229)。
【0016】
しかしながら、この方法によれば、直流機と等価な電流が得られ、整流子207に特有な「異極のブラシによる短絡電流により生じるフラッシュオーバ」等の問題は解決するが、スリップリングを設けることによる機械損失、電気的損失、保守の問題は依然として解決できない。
【0017】
更に、これを改善し、スリップリングを不要とするため、界磁の機能を回転子として電機子の作用を固定部にさせる構造がある。これにより回転子を永久磁石で構成することができるため、固定部と可動部間での電力のやりとりは不要となる。このような永久磁石を用いる方法は、直流電動機としては、回転子の回転角を検出して、界磁巻線の電流を制御する方式が知られている。また、回転部に永久磁石を用いる発電機では、固定部である電機子巻線から交流電力を得た後に、電子回路により整流して直流を得る方式も知られている。しかし、永久磁石を用いる方式は、小型機には向いていても、大型機には、大型永久磁石の製造の困難性、コストが高くなる等の問題点がある。次に、交流機について説明する。
【0018】
交流機には、回転運動がギャップの磁界と同期している同期機と、回転運動がギャップの磁界とは非同期である誘導機とがあり、何れも多用されている。同期機の具体例としては、ブラシ205とスリップリングとを使用し、回転軸209に回転力を与えれば、2個のスリップリングの両端から交流が発生するため、2個のブラシ205の各々をスリップリングに押し当てて交流の電力を取り出すことができる。
【0019】
この同期発電機は、可逆的に同期電動機として動作できる。同期電動機の原理を以下に説明する。回転軸に垂直方向に2分割されたスリップリングを通じて回転子209に設けられたコイル208に直流電流を供給し、回転子を電機子として機能させる。固定部は、界磁として回転軸209を中心とする回転磁界を発生させると、この回転磁界に回転子が引かれ一方向への回転力を得ることができる。この原理に基づいた同期電動機は、回転界磁形同期電動機として知られている。回転数は、回転磁界の移動速度によって決定される。同期機は、回転磁界に同期して動作する。
【0020】
例えば、直流励磁機方式、交流励磁機方式、ブラシレス励磁方式、静止形励磁方式等が知られている(「電子機器学」 西村正太郎他著、オーム社発行、発行日平成10年3月25日、p.81〜82)。これらは何れも別の発電機を設ける方式、又はスリップリングを通して可動部である回転子206に電力を供給する方式をとるため、構造が大型化したりスリップリングにおける損失が増加するという問題点がある。
【0021】
次に、従来の誘導発電機について説明する。同期発電機と略同構造であるが、図24に示すように、例えば、3分割されたスリップリング211を用い電力を制御する。また、図25に示すように電源側から3相交流電流が供給され、回転軸209を中心に回転磁界が発生するようになっている。また、図26に示すように、回転子206にも三相巻線が施されている。スリップリング211を介して、回転子206の三相巻線をショートすると電動機として働き、所定のトルクが発生される。
【0022】
電動機として働く際、回転子206は、回転軸209に接続されている機械負荷の大きさに応じて、回転磁界の移動速度から若干遅延しながら回転する。この移動速度の遅延の割合を一般に「すべりS」と称している。外部からの機械エネルギーにより回転軸209に回転力を与えるとき、図25に示した電機子巻線における回転磁界の移動速度を回転子206の回転速度が上回る場合、すべりSが負の値となり、電源側に電力を送り返すようになる。これが誘導発電機の原理である。
【0023】
ここで、図26に示す抵抗器212は、電動機としての回転スタート時には、大きな始動電流が流れるため、これを制限するために大きな抵抗値に設定されている。回転の上昇に伴って、抵抗器212の抵抗値を減少し、抵抗器212による損失が低減するような制御方式も知られている。また、抵抗器212に代えて、電機子からの電流をスリップリング211から取り出して再び有効電力に変換する方法が、セルビウス法、クレーマ法等として知られている。スリップリング211を使わない回転スタートの方法や速度制御の方法としては、可動部の回転子をアルミ棒と銅の短絡環で構成したり、電機子巻線を短絡した状態で使用し、起動時の突入電流を許容する方式や、1次側の電圧を制御する方式、周波数を制御する方式、電圧と周波数を同時に制御するV/F一定制御方式等が知られている。また、発電機としての使用する際、可動部の可動部の電機子巻線に流れる電流の周波数を変えることにより発電機の回転速度の変化を吸収し、高い発電効率を得る可変速発電方式と称される発電方法が可能となる。
【0024】
上述した理由により、誘導機の効率を追求する場合には、単にアルミ棒と銅の短絡環から構成される籠型巻線方式よりも、電機子側の電流を、スリップリング211を通して制御する方が適している。したがって、誘導機でも、回転電機子の制御を外部から行う構成を用いる方が有利であるが、直流機及び交流機と同様にスリップリング211の摩擦による機械損失、接触抵抗による電気損失及び保守が問題となる。
【0025】
更に、全ての種類の電子機器において界磁及び電機子の両方に巻線を設けた場合、一方を永久磁石にするよりも、回転電機子の制御を外部から行う構成とする方が、制御のパラメータを1個増加させることができ、更に細かい制御を可能とするという積極的な利点がある。例えば、界磁と電機子の相方の電流を制御することにより、界磁及び電機子のコアにおいて磁気飽和がない最適点における動作設定が行える。
【0026】
将来的には、超伝導作用を用いることによって、巻線抵抗による損失が少なく、強力な磁気特性を有する機器が提供される可能性もある。そのため、可動部への電力の出し入れをスリップリング、整流子、ブラシを使わずに行う技術の開発は、依然として今後も解決されるべき課題である。また、別の観点からみると、将来の社会は、エネルギー源を石油から水素へ転換した「水素社会」となることが予測される。「水素社会」とは、水素と酸素からつくった電気をエネルギー源とする社会である。そのため、動力源の多くは電気を使ったモータ類に置き換えられ、従来使われていなかった分野にも、広く発電機及び電動機が普及することが予想される。
【0027】
発電機及び電動機が社会の隅々まで数多く採用された場合、保守点検が不要で信頼性が高いということは、非常に重要である。現在、電子機器の信頼性は格段に向上し、半永久的となってきている。反面、摩擦作用を利用する機械部品の寿命は、一般に短く、ブラシ等の磨耗部品を用いることは、発電機及び電動機においては、この先、大きな問題となることが予想される。
【0028】
例えば、VTR(ビデオテープレコーダ)の回転トランスでは、回転部側と固定部側に巻線を設け、磁束により1次側と2次側とを分離した機構とし、回転するヘッドから電気信号を取り出して、固定部側に設けられた信号処理回路に提供するものである。実用新案登録第2606444号には、回転トランスにより、電力を伝送する発明が記載されているが、電動機、発電機との関連についての記載はない。
【0029】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたものであり、整流子、スリップリング、ブラシを介することなく、非接触で可動部に受電及び/又は給電する受電給電装置及び受電給電機能を備える電子機器を提供することを目的とする。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成するために、本発明に係る受電給電装置は、磁束を発生する可動部巻線と、可動部巻線に接続され周波数を変換する可動部電力変換部と、可動部電力変換部に接続され電力伝送トランス可動部コアに対して電力伝送トランス可動部巻線が巻回されてなる電力伝送トランス可動部とを有する可動部と、磁束を発生する固定部巻線と、固定部巻線に接続され電源より電力を供給する電力供給線又は電力負荷に接続され周波数を変換する固定部電力変換部と、固定部電力変換部に接続され電力伝送トランス固定部コアに電力伝送トランス固定部巻線が巻回されてなる電力伝送トランス固定部とを有する固定部とを備え、可動部と固定部とは、電力伝送トランス可動部コアの開磁路面と電力伝送トランス固定部コアの開磁路面とが接することなく近接対峙して設けられ、電力伝送トランス可動部コアと電力伝送トランス固定部コアとの間に発生する交番磁束によって可動部と固定部との間で電力の受電及び給電が行われ、交番磁束の周波数が可動部巻線、電力供給線及び電力負荷の電力周波数の何れよりも高く略一定の周波数であることを特徴とする。
【0031】
また、上述した目的を達成するために、本発明に係る電子機器は、磁束を発生する可動部巻線と、可動部巻線に接続され周波数を変換する可動部電力変換部と、可動部電力変換部に接続され電力伝送トランス可動部コアに対して電力伝送トランス可動部巻線が巻回されてなる電力伝送トランス可動部とを有する可動部と、磁束を発生する固定部巻線と、固定部巻線に接続され電源より電力を供給する電力供給線又は電力負荷に接続され周波数を変換する固定部電力変換部と、固定部電力変換部に接続され電力伝送トランス固定部コアに電力伝送トランス固定部巻線が巻回されてなる電力伝送トランス固定部とを有する固定部とを備え、可動部と固定部は、電力伝送トランス可動部コアの開磁路面と電力伝送トランス固定部コアの開磁路面とが接することなく近接対峙して設けられ、伝送トランス可動部コアと電力伝送トランス固定部コアとの間に発生する交番磁束によって可動部と固定部との間で電力の受電及び給電が行われ、交番磁束の周波数が可動部巻線、電力供給線及び電力負荷の電力周波数の何れよりも高く略一定の周波数であることを特徴とする。
【0032】
ここで受電給電装置としては、固定部と可動部からなる一般的な受電給電装置であり、回転構造及びリニア構造を含む。
【0033】
この受電給電装置は、可動部が電機子である場合には可動部から「受電すること」、すなわち電力を取り出す発電機として働き、可動部が電機子である場合は、可動部に「給電すること」、すなわち電力を送り込む電動機として働く。
【0034】
なお、上記記載において「電力供給線」とは、当該受電給電装置を電動機として働かせる際に、電機子又は界磁に電力を供給する電力供給線の源を示しており、「電力負荷」とは、当該受電給電装置を発電機として働かせる際の負荷、或いは誘導電動機においてすべり量を調整するときの抵抗負荷に相当するものを示している。これらが取り扱う電力周波数は、直流から数百Hzの範囲である。
【0035】
またここで、固定部と可動部との相対位置情報を検出する位置検出手段と、固定部巻線と電力供給線又は電力負荷との間、或いは可動部巻線と電力伝送トランス可動部巻線との間に電流方向を切り換える極性切換手段と、相対位置情報に基づいて極性切換手段を制御する極性制御手段とを設ける。また、可動部を、回転軸を中心として回転する回転子とする。
【0036】
【発明の実施の形態】
本発明は、可動部と固定部を有し、可動部と固定部との間で電力をやりとりする受電給電装置であれば、原理的にはどのようなものにも適用が可能であるが、電力伝送トランス作製の容易さの面から、回転する電子機器に適用するのがより好適である。
【0037】
本発明の具体例として示す電子機器は、可動部に固着された電力を伝送する電力伝送トランスの可動部巻線と、固定部に固着された電力伝送トランスの固定部巻線とを備え、各々の巻線に挿入されたコアの端面から出る交番磁束を介して可動部への電力を供給するようにした受電給電機能を備えた機器である。このような構成にすれば、可動部と固定部の間の電力エネルギー移動は、接触する部材を一切介さず、電力伝送トランスの1次側と2次側との微小な空隙(エアーギャップ)を通じて、1次側と2次側とに鎖交する交番磁束を通じて行うことができる。
【0038】
ここでは、電力の供給側を1次側、電力を使用する側を2次側と定義する。電力伝送トランス自体には、構造上の差異はない。また、ある瞬間には可動部の巻線が1次側としての役目を果たし、次の瞬間には2次側としての役目を果たす場合もあるが、電力の流れを明確にするために、本具体例では上記定義に固定する。
【0039】
また、以下の説明において、1次側と2次側とが明確にできない場合は、構造に沿って電力伝送トランス固定部側、電力伝送トランス固定部側巻線、電力伝送トランス可動部側、電力伝送トランス可動部側巻線等の用語を適宜使用する。
【0040】
電力供給線及び電力負荷における電力周波数は、電動機又は発電機の動作周波数であり、発電機では一般的に電機子に誘起される電圧は、直流又は移動速度に応じた比較的周波数の低い数百Hz以下の交流(交番電流)である。電動機の駆動電力も同様に、直流又は商用電力のように数百Hz以下の交流である。ここで、直流は、周波数0Hzの交流と定義して以下では説明する。
【0041】
可動部巻線で扱う電力が直流の場合、このままでは電力伝送トランスを用いた電力の伝送はできない。また、可動部巻線で扱う電力周波数が低いと電力伝送トランスのサイズを大きくせざるを得ず、可動部巻線及び可動部コアと同サイズが必要となる。
【0042】
ところが、電力伝送トランスは、可動部とともに移動するため、機械損失を少なくするためには小型でなければならない。電力伝送トランスを小型化するには、後述するが、電力伝送トランスの1次側に印加する電力周波数を高くする必要がある。
【0043】
これを実現するために、本具体例では、可動部に電力を供給するに際して、0Hz〜数百Hzの電力をこの10〜10000倍の高周波に一旦変換して、電力を電力伝送トランスにより1次側から2次側に伝送し、その後、可動部に設けられた周波数変換装置によって、直流を含む所定の高周波に変換することが考えられる。所定の高周波の電力を直流に周波数変換することは、通常の整流回路により容易に実行可能であり、一旦直流に変換後、スイッチ素子を用いることにより、所定の高周波の電力をより低い周波数の電力に変換することも容易に実現できる。
【0044】
逆に、直流の電力を所定の高周波の電力に変換することは、スイッチ素子により容易に実現できる。また、低い周波数の電力を高周波の電力に変換する際には、一旦直流に変換した後に直流の電力を所定の高周波の電力に変換する。またこのほかに、双方向スイッチ素子を用いて、低い周波数の電力を高周波の電力に直接変換することも容易に行える。可動部から受電をする際にも、同様にして電力伝送トランスを用いて電力を伝送する。
【0045】
また、電動機と発電機、何れの場合も、可動部を界磁として機能させることができるが、この場合、電力伝送トランスを介して電力を可動部に送ることができる。
【0046】
以下、この電力伝送トランスを用いた電子機器について、より詳細に説明する。ここで可動部は、インナーロータでもアウターロータでもよい。また、本発明の技術的思想は、回転式の発電及び/又は動力装置に限定されず、直線的に移動するリニアモータにも適用できる。
【0047】
まず、交流電力を伝送する電力伝送トランスについて説明する。電力伝送トランスは、交流電力を伝送するが、交流電力周波数を高く選ぶほど電力伝送トランスの小型化が図れる。すなわち、環状鉄心にコイルを巻いたときに、コイルに印加される電圧(実効値)V0と鉄心中の磁束密度Φmの関係は、この分野の当業者に周知であるが、以下の式で表される。
【0048】
コイルの巻数をN、交流電力周波数をFとすると、両者の関係式は、正弦波の場合は式(1)、方形波の場合は式(2)で表される。
V0=4.44×F×N×Φm・・・(1)
V0=4×F×N×Φm・・・(2)
式(1)、式(2)によれば、磁束密度Φmは、電圧V0と周波数Fと巻数Nにより定まる。
【0049】
上式によれば、大きな電圧V0を印加するためには、Φmを大きくしなければならないことがわかるが、Nを大きくすれば磁束密度Φmが下げられることも意味している。電流を大きくして電圧を低くしても、或いは回転子の電流を小さくして電圧を高くしても、電流と電圧との積が一定であれば、同じ電力を伝送できる。したがって、電流を小さくしてコイルの巻数Nを大きくすれば、磁束密度Φmを大きくしなくてもよい。そのため、電力を一定としたときは、磁束密度Φmと比例関係にあるコアの大きさは、電圧V0とは、殆ど関係なく、V0の高低とトランスサイズは、関係がない。
【0050】
しかしながら、式(1)、式(2)より、Fと磁束密度Φmは、反比例し、Φmは、環状鉄心の断面積に比例するため、Fを高くすれば、電力伝送トランスの小型化を図れることがわかる。
【0051】
ここでは、電力伝送トランスの役割は、非接触でエネルギー伝送する素子であるとして説明したが、電圧変換素子としての役割も当然果たす。したがって、可動部で取り扱う電圧の最適値と固定部側で取り扱う電圧の最適値とが異なる場合には、電力伝送トランス固定部巻線と電力伝送トランス可動部巻線とで、巻数を異ならせて電圧変換を行うことにより、動作の最適化する役割も果たし得る。
【0052】
上述のように、機械的に負荷とならない小型の電力伝送トランスの磁路を可動部と固定部とに設け、可動部の磁路と固定部の磁路が可動部と固定部との相対的位置関係の変化にかかわらず、常に磁気的に密に結合する構造を採用することにより、磁束を媒介として可動部と固定部の間の電力のやりとりが可能となり、装置自体を大型化することなく、ブラシ、整流子、スリップリング等の接触部材を不要にすることができる。電力伝送トランスを固定部と可動部とに分離すると、磁路は分離点で開磁路となるが、この開磁路面を互いに対向しつつ両方のコアの空隙をできる限り狭くすれば、電力伝送トランスとしての性能が低下することはない。
【0053】
以下、本発明の具体例について、図面を参照して詳細に説明する。図1〜図3に第1の具体例である受電給電装置の構造の全体及び要部を示し、図4には第1の具体例における受電給電装置のブロック図を示す。
【0054】
第1の具体例として示す受電給電装置1は、直流発電機である。この直流発電機は、ヨーク11、界磁12、回転子13、ブラケット14、軸受け15、コイル16(電機子巻線)、回転子コア17、回転軸18を備えている。電力伝送トランス可動部取付台19は、回転子13と固着され、電力伝送トランス可動部20及び電機子巻線16に接続される電子回路により構成される高周波電力変換部21が電力伝送トランス取付台22上に配設されている。また、電力伝送トランス固定部取付台23は、ブラケット14に固着されており、電力伝送トランス固定部24が配設されている。
【0055】
図3に電力伝送トランスの断面図を示す。電力伝送トランス可動部20は、電力伝送トランス可動部コア25と電力伝送トランス可動部巻線26とを備え、電力伝送トランス固定部24は、電力伝送トランス固定部コア27と電力伝送トランス固定部巻線28とを備えている。
【0056】
電力伝送トランス可動部コア25と電力伝送トランス固定部コア27の空隙を形成する面は、互いに対峙し、回転軸18を取り巻くように形成されている。
【0057】
ここで、可動部コア25と固定部コア27とが対峙する面の間隔は、漏れ磁束をなるべく少なくしてパーミアンスを大きくし、電力の1次側から2次側への伝送効率をあげるように、なるべく狭くしている。この間隔dは、両方のコア面が接触しない範囲で全磁路長の1/100〜1/10000程度が好適である。また、可動部コアと固定部コアの対向する部分の面積をコアの断面積より大きくする点も、パーミアンスを大きくするための有効な手法の1つである。
【0058】
次に図面に沿って、第1の具体例として示す回転電機子型受電給電装置の動作について説明する。本具体例では、界磁及び電機子の極数は、所期の目的を達し得る範囲で任意に設定できる。ただし、上述の図1及び図2に示す具体例では、界磁は2極で構成されており、電機子側も2極で構成される最も単純な構造である。
【0059】
界磁12には、界磁巻線31が施されており、界磁巻線31に直流電流を流し励磁することにより磁束が発生する。回転子13は、この磁束の中で回転する。回転子13に設けられた電機子巻線16が磁束を横切ることにより、起電力が発生される。この起電力を高周波電力変換部21に取りこみ、高周波の電力に変換する。
【0060】
図5に高周波電力変換部21の構成を示す。電機子巻線16からの起電力は、交流であるため、高周波電力変換部21において、更に周波数の高い高周波電力に変換する。高周波の電力は、高ければ高いほど電力伝送トランスの小型化が図れるが、損失や使用可能なスイッチ素子の周波数範囲等を考慮して、電機子で発生する交流周波数の100倍〜10000倍程度の周波数を選択する。
【0061】
高周波電力変換部21におけるスイッチ素子としては、例えば、双方向へ電流を流せる双方向スイッチであるトライアックを用いることができる。トライアックを使用する場合は、交流から直接に高周波に変換できるが、方向性のあるスイッチを使用する場合には、一旦直流に変換後、高周波電力に変換する。ここで、スイッチ素子32乃至35は、トライアックのみならず、周波数が低い場合であれば、機械式リレー等のスイッチ素子を用いることができる。また、周波数が高い場合であれば、電子的な方向性スイッチ素子、例えば、トランジスタ、FET、GTO(Gate Turn−Off Thyristor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、サイリスタ等の半導体素子が使用できる。
【0062】
続いて、電機子巻線16の両端の電圧波形と電力伝送トランス可動部巻線26(電力伝送トランス1次側巻線)の両端の電圧波形を図6に示す。
【0063】
スイッチ素子32とスイッチ素子34は、同時にオン又はオフとなり、スイッチ素子33とスイッチ素子35は、同時にオン又はオフとなる。スイッチ素子32とスイッチ素子34とがオン状態のときは、スイッチ素子33とスイッチ素子35は必ずオフ状態であり、スイッチ素子33とスイッチ素子35とがオン状態のときは、スイッチ素子32とスイッチ素子34は、必ずオフ状態になる。スイッチ素子32乃至35により発生された電力は、電力伝送トランス1次側巻線、すなわち電力伝送トランス可動部巻線26に印加される。
【0064】
上述したように、電機子巻線16の電圧が正負に変化する交流である場合、スイッチ素子32乃至35には双方向に流れる電流が印加される。そのため、双方向スイッチ素子が最適であるが、電機子巻線16から発生する電流が直流、若しくは整流回路を経由した後の電流であれば、一方向スイッチ素子でもよい。
【0065】
電力伝送トランス可動部20は、電力伝送トランス可動部巻線26と電力伝送トランス可動部コア25との作用により高周波の磁束を発生させる。電力伝送トランスの透磁率は、空気の透磁率と比べて、例えば1000倍程度大きいため、発生した高周波磁束の殆どは、空隙を介して電力伝送トランス固定部24に設けられた電力伝送トランス固定部コア27に導かれ、電力伝送トランス固定部巻線28に起電力を発生させる。
【0066】
固定部側に取り出した電力の波形は、図6に示すように、回転周期に同期した包絡線を有して所定の高周波で正負にスイッチングされるものとなる。電力伝送トランス固定部巻線28を整流回路36で整流平滑することにより直流電流による電力が取り出せる。ここで、整流回路36は、高周波で応答する高速ダイオードを用いる点以外は、ダイオード等を用いた通常の電子的整流回路が適用できる。
【0067】
続いて、図7を用いて第2の具体例について説明する。第2の具体例は、回転界磁型の受電給電装置である。第2の具体例として示す受電給電装置2では、界磁巻線、電機子巻線の構造は、第1の具体例と大きく異なるものではなく、回転子側で界磁作用を担い、固定部側から電力を取り出す点に特徴がある。そのため、以下では、受電給電装置1と同様の機能を有する構成に関しては同一の番号を付し、界磁と電機子の名称を変更して説明している。
【0068】
受電給電装置2では、電機子巻線側の電流容量が大きくなるため、各巻線の仕様が第1の具体例と異なっている。また、界磁形成のための電力伝送トランスや高周波電力変換部がより小型のものでよい。ここでは、固定部が1次側であり可動部が2次側となっているため、第1の具体例とは、1次側と2次側の作用が反転している。電力伝送トランス1次側巻線は、電力伝送トランス固定部巻線28である。
【0069】
回転子13には、第1の具体例における電機子巻線16に代わって界磁巻線41が設けられており、励磁用直流電力が印加されるようになっている。また、高周波電力変換部21に代わって整流回路42が設けられている。ここで、整流回路42は、交流を直流、すなわち0Hzの交流に変換する高周波電力変換部と考えることができる。
【0070】
高周波電力変換部20により発生された電力は、電力伝送トランス固定部24に印加され、電力伝送トランス可動部20の電力伝送トランス可動部巻線26より取り出される。この電力は、整流回路42により整流され、回転子13に設けられた界磁巻線41に印加される。回転子13は、機械力により回転しているため、電機子巻線43は、磁束を横切ることになり、電機子巻線43では、回転子13の回転速度に応じた交流の起電力が発生する。この交流起電力を整流回路42で整流すれば直流電力が得られる。整流回路42は、ダイオード等の半導体素子を用いた全波又は半波の整流回路である。整流のみではリップルが多い場合には、更にコンデンサにより平滑することによって、より直流に近い波形が得られる。
【0071】
続いて、図8に第3の具体例である受電給電装置3を示す。受電給電装置3は、直流発電機の別の形態である。ここでは、受電給電装置を同時に電動機として可逆的に使用することを目的としている。構成上では、直流を得るための最終段階の工程で電子的整流素子を用いないことを特徴としている。
【0072】
したがって、本具体例は、第2の具体例において、従来の整流子とブラシの代用として位置検出回路51と極性切換器52とを設け、位置検出回路51からの信号に基づいて、極性切換器52により交流電力の極性を切り換える点が特徴的である。
【0073】
ここで、位置検出回路51は、回転軸18と連結されたシャッタ53と受光素子54と発光素子55とからなり、受光素子54での光量の変化により回転子13の回転角度を検出することしている。これにより、極性切換器52は、後述する第4の具体例として図6に示す受電給電装置を電動機として用いる際にも兼用でき可逆運転が容易に行えるという利点がある。
【0074】
図9に、極性切換器52の具体的な構成を示す。極性切換器52は、高周波電力変換部21と同様の原理に基づく、いわゆるフルブリッジのスイッチ回路であるが、回転子13の回転周期に同期している点に特徴を有しており、スイッチ素子61乃至64への制御信号は、位置検出回路51からの信号に基づくものである。
【0075】
図10に極性切換器52の動作波形を示す。図8に示す第3の具体例は、回転界磁型の直流発電機の具体例であるが、これは、後述する図16に示す第12の具体例と同様の作用を有する。
【0076】
続いて、図11に第4の具体例を示す。第4の具体例として示す受電給電装置4は、回転界磁型の直流電動機である。位置検出回路51は、上述の具体例におけるものと同じであり、位置検出回路51からの位置情報をもとに極性切換器52により電機子巻線43の電流方向を切り換えれば、常に一方向の回転トルクが得られ、電動機として回転させることができる。
【0077】
ここで極性切換器52は、第3の具体例で説明したものと同一であるが、交流側が出力側となり、直流側が入力側となる点が異なっている。ここでは、スイッチ素子に双方向素子を用いれば、極性切換器52は、完全に可逆的に動作する。そのため、回路の接続を変更することなく発電機と電動機との可逆運転が可能になる。
【0078】
続いて、図12に第5の具体例を示す。第5の具体例として示す受電給電装置5は、受電給電装置4の電機子と界磁とを入れ換えた回転電機子型の電動機である。可動部側に回転位置検出回路51の受光素子54及び発光素子55が設けられ、シャッタ53を固定部側に設けることにより、固定部と可動部の相対位置を検出している。位置検出回路51からの信号に応じて電機子巻線16への電流を切り換えれば、一方向へ回転させることができる。
【0079】
以上説明した何れの具体例においても、可動部21上に電子回路を設けることによって、可動部の移動に伴う風力により電子回路の空冷効果が高められるという利点がある。これにより、冷却手段を設ける必要もなくなるため、電子回路部の小型化が図れる。
【0080】
図13に示す第6の具体例は、従来の直流電動機における整流子とブラシとの機能の一部を位置検出回路51に置き換えて、位置情報に基づいて界磁電流の方向を切り換えるようにした受電給電装置6である。界磁の方向を切り換えることにより、力が一方向に働くため、一方向に回転させることができる。
【0081】
また、図14に第7の具体例として示す受電給電装置7は、従来の直流発電機における整流子とブラシとの機能の一部を位置検出回路51に置き換えて、位置情報により界磁電流の方向を切り換えるものである。界磁の方向を切り換えることにより、電機子に誘起される電力が一方向の直流となり、小さな界磁電流の制御により、直流電力を直接得ることができる。
【0082】
次に、交流の場合について説明する。第8の具体例として、図15を用いて交流の受電給電装置8を説明する。図15に示す受電給電装置8は、図4に示した直流機における整流回路22からの直流電流を位置検出回路51からの信号に基づいて極性切換器52で交流に変換するものである。第6の具体例では、2極の例について説明したが、実際は、本具体例のように2極以上であっても、位置検出回路51のシャッタ53及び受光素子54の設計を変更することにより極性が切り換えられる。そのため、極性切換器52を3相交流に対応した回路に変更すれば、2相のみならず3相以上の交流を得ることも可能である。
【0083】
図16に第9の具体例を示す。この交流の受電給電装置9は、図8に示す直流発電機において極性切換器52を経ることなく電力を出力する構成としたものである。
【0084】
第10の具体例として示す交流の電動装置を、図17を用いて説明する。この電動装置は、回転子13で界磁を発生させて固定部側に電力を供給し、回転磁界を発生させるという回転界磁型の同期電動機である。回転子13は、固定部に設けられた電機子による回転磁界の移動速度、すなわち同期速度で回転する。回転子13の界磁12は、一方向の電流を流し、界磁12の磁束を形成するため、電力伝送トランス可動部20からの高周波電力を整流回路42により整流して得られる直流電流を用いている。界磁巻線41は、回転磁界を生成し、電力を機械力に変換する。巻線の構造及び配置は、例えば、図18に示すようにできる。すなわち、空間的に配置が120°異なった界磁巻線AとD、界磁巻線BとE、界磁巻線CとFのそれぞれに3相電流を流して回転磁界を形成するものである。
【0085】
続いて、第11の具体例を、図19を用いて説明する。この交流発電機11は、固定部が界磁をつくり、回転子13に設けられた電機子が電力を機械力に変換するとともに回転磁界を生じる構造となっている。電機子での回転磁界は、空間的な位相が120°異なる巻線に、時間的な位相が120°異なる3相電流を流すことにより得られる。ここでは、界磁の磁束と電機子による回転磁界との作用により、回転子13は、同期速度で回転する。
【0086】
三相電流発生回路71は、例えば、図20で示すように、スイッチ素子72乃至スイッチ素子77により実現することができる。スイッチ素子のオン/オフのタイミングを図21に示す。図19では、三相の方形波で駆動するとして説明しているが、方形波に代えてPWM(Pulse Width Modulation)制御とすることにより正弦波駆動もできる。三相電力の巻線への供給方法は、Δ結線でもY結線でもよい。
【0087】
交流電力周波数は、予め定めた所定の周波数でもよいし、回転に応じて周波数が変化するものでもよい。周波数を変化させる場合、固定部側から周波数を制御する制御信号を可動部に設けられた通信手段に送る。回転に応じて周波数を変化させる場合、回転を徐々にあげられるため、同期外れを防止できるという利点がある。
【0088】
次に、誘導機電動機の具体例を示す。誘導機の電機子及び界磁の電子機器としての本質的な構成は、本具体例として示す直流機や同期機と同一である。しかし、その動作原理は、上述した直流機や交流機とは異なり、電磁誘導作用による誘導電流を利用し、回転磁界と可動部の移動速度との「すべりS」が負か正かによって、発電機又は電動機として作用する点が特徴的である。また、回転磁界の速度と回転子13の回転速度は、非同期となる。
【0089】
誘導電動機は、回転子13を巻線とした際、上述したように一般的には3相の巻線の端部を外部に取り出している。つまり、複数(例えば、3個とする。)の電力伝送トランスを設けて、3個の回転子13に設けられた巻線における電力の受電及び給電を独立に行えば、従来知られている全ての制御方法を実現することができる。
【0090】
図22に、回転トランスの構成を説明する。電力伝送トランス可動部取付台119には、電力伝送トランス可動部コア125a乃至125c固着されている。電力伝送トランス可動部コア125a乃至125cには、電力伝送トランス可動部巻線126a乃至126cが巻かれている。各々の巻線は、回転子113に設けられた回転子巻線と高周波電力変換部120を介して接続されている。電力伝送トランス固定部取付台123には、電力伝送トランス固定部コア127a乃至127cが固着されている。
【0091】
電力伝送トランス固定部コア127a乃至127cには、電力伝送トランス固定部巻線128a乃至128cが巻かれており、各々の巻線は、固定部側に引き出されている。ここで、回転子巻線も三相巻線である。
【0092】
電力伝送トランス可動部コア125a乃至125cの透磁率は、可動部取付台119の透磁率と比較して、非常に大きく、可動部巻線126a乃至126cより発生される磁束は、可動部取付台119に漏れることはない。ここで、各可動部コアは、回転軸118を取り囲むように配設されている。固定部コア127a乃至127cは、可動部コア125a乃至125cの磁路内の一部に配設されており、各可動部巻線により生じた磁束を集めている。
【0093】
また、固定部コア127a乃至127cは、可動部コア125a乃至125cの磁束を集めるために各可動部コアの全面を覆っている必要はない。可動部コアと固定部コアの一部がオーバーラップしていればよい。この場合、オーバーラップ部における磁気抵抗が小さくなるため、磁束の大部分は、オーバーラップ部に集中するからである。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る受電給電装置によれば、従来必要であった機械的な接触部材である整流子、スリップリング、ブラシ等を用いることなく電力伝送トランス可動部と電力伝送トランス固定部との間で非接触により電力のやりとりができる。
【0095】
また、本発明に係る電子機器によれば、従来必要であった機械的な接触部材である整流子、スリップリング、ブラシ等を用いることなく電力伝送トランス可動部と電力伝送トランス固定部との間で非接触により電力のやりとりができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の具体例として示す受電給電装置の基本構造を説明する概略図である。
【図2】本発明の具体例として示す受電給電装置の可動部の断面図である。
【図3】本発明の具体例として示す電力伝送トランスの断面図である。
【図4】本発明の第1の具体例として示す受電給電装置のブロック図である。
【図5】上記受電給電装置の高周波電力変換部のブロック図である。
【図6】電機子巻線両端の電圧波形と電力伝送トランス可動部巻線両端の電圧波形を示す図である。
【図7】本発明の第2の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図8】本発明の第3の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図9】極性切換器の構成を説明するブロック図である。
【図10】上記極性切換器の動作波形を説明する図である。
【図11】本発明の第4の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図12】本発明の第5の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図13】本発明の第6の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図14】本発明の第7の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図15】本発明の第8の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図16】本発明の第9の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図17】本発明の第10の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図18】本発明の第10の具体例として示す受電給電装置の巻線の構造及び配置を説明する概略図である。
【図19】本発明の第11の具体例として示す受電給電装置を説明するブロック図である。
【図20】三相電流発生回路を説明するブロック図である。
【図21】上記三相電流発生回路におけるスイッチ素子のタイミングを説明する図である。
【図22】複数の電力伝送トランスを備える回転トランスを説明するブロック図である。
【図23】従来の受電給電装置の基本構造を説明する概略図である。
【図24】従来の誘導発電機の基本構造を説明する概略図である。
【図25】従来の誘導発電機における界磁巻線を説明する図である。
【図26】従来の誘導発電機における回転子巻線を説明する図である。
【符号の説明】
1 受電給電装置、11 ヨーク、12 界磁、13 回転子、14 ブラケット、15 軸受け、16 コイル(電機子巻線)、17 回転子コア、18 回転軸、19 電力伝送トランス可動部取付台、20 電力伝送トランス可動部、21 高周波電力変換部、22 電力伝送トランス取付台、23 電力伝送トランス固定部取付台、24 電力伝送トランス固定部、25 電力伝送トランス可動部コア、26 電力伝送トランス可動部巻線、27 電力伝送トランス固定部コア、28 電力伝送トランス固定部巻線、31 界磁巻線、32 スイッチ素子、33 スイッチ素子、34 スイッチ素子、35 スイッチ素子、36 整流回路、41 界磁巻線、42 整流回路、43 電機子巻線、44 、51位置検出回路、52 極性切換器、53 シャッタ、54 受光素子、55 発光素子、61 スイッチ素子、62 スイッチ素子、63 スイッチ素子、64 スイッチ素子、71 三相電流発生回路、72 スイッチ素子、73 スイッチ素子、74 スイッチ素子、75 スイッチ素子、76 スイッチ素子、77 スイッチ素子
Claims (5)
- 受電及び給電を行う受電給電装置において、
磁束を発生する可動部巻線と、
上記可動部巻線に接続され周波数を変換する可動部電力変換部と、
上記可動部電力変換部に接続され電力伝送トランス可動部コアに対して電力伝送トランス可動部巻線が巻回されてなる電力伝送トランス可動部と
を有する可動部と、
磁束を発生する固定部巻線と、
上記固定部巻線に接続され電源より電力を供給する電力供給線又は電力負荷に接続され周波数を変換する固定部電力変換部と、
上記固定部電力変換部に接続され電力伝送トランス固定部コアに電力伝送トランス固定部巻線が巻回されてなる電力伝送トランス固定部と
を有する固定部と
を備え、
上記可動部と上記固定部とは、上記電力伝送トランス可動部コアの開磁路面と上記電力伝送トランス固定部コアの開磁路面とが接することなく近接対峙して設けられ、上記電力伝送トランス可動部コアと上記電力伝送トランス固定部コアとの間に発生する交番磁束によって上記可動部と上記固定部との間で電力の受電及び給電が行われ、上記交番磁束の周波数が上記可動部巻線、上記電力供給線及び上記電力負荷の電力周波数の何れよりも高く略一定の周波数であることを特徴とする受電給電装置。 - 上記固定部と上記可動部との相対位置情報を検出する位置検出手段と、
上記固定部巻線と上記電力供給線又は上記電力負荷と間に設けられ電流方向を切り換える極性切換手段と、
上記相対位置情報に基づいて上記極性切換手段を制御する極性制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の受電給電装置。 - 上記固定部と上記可動部との相対位置情報を検出する位置検出手段と、
上記可動部巻線と上記電力伝送トランス可動部巻線との間に設けられ電流方向を切り換える極性切換手段と、
上記相対位置情報に基づいて上記極性切換手段を制御する極性制御手段と
を備えることを特徴とする請求項1記載の受電給電装置。 - 上記可動部は、回転軸を中心として回転する回転子であることを特徴とする請求項1記載の受電給電装置。
- 受電及び給電機能を備える電子機器において、
磁束を発生する可動部巻線と、
上記可動部巻線に接続され周波数を変換する可動部電力変換部と、
上記可動部電力変換部に接続され電力伝送トランス可動部コアに対して電力伝送トランス可動部巻線が巻回されてなる電力伝送トランス可動部と
を有する可動部と、
磁束を発生する固定部巻線と、
上記固定部巻線に接続され電源より電力を供給する電力供給線又は電力負荷に接続され周波数を変換する固定部電力変換部と、
上記固定部電力変換部に接続され電力伝送トランス固定部コアに電力伝送トランス固定部巻線が巻回されてなる電力伝送トランス固定部と
を有する固定部と
を備え、
上記可動部と上記固定部とは、上記電力伝送トランス可動部コアの開磁路面と上記電力伝送トランス固定部コアの開磁路面とが接することなく近接対峙して設けられ、上記電力伝送トランス可動部コアと上記電力伝送トランス固定部コアとの間に発生する交番磁束によって上記可動部と上記固定部との間で電力の受電及び給電が行われ、上記交番磁束の周波数が上記可動部巻線、上記電力供給線及び上記電力負荷の電力周波数の何れよりも高く略一定の周波数であることを特徴とする電子機器。
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JP2002188250A Withdrawn JP2004032945A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 受電給電装置及び電子機器 |
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-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002188250A patent/JP2004032945A/ja not_active Withdrawn
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