JP2005236197A - 巻線型インダクタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 絶縁被膜金属線のばらけが生じない巻線型インダクタの製造方法を提供する。
【解決手段】 絶縁被膜金属線1の表面に、接着剤3を塗布して固化させる。絶縁被膜および接着剤3を所定の間隔を置いて除去し、金属線の表面を露出させる。露出した金属線の表面に低融点はんだ2を形成する。コア5に絶縁被膜金属線1を密に巻回した後、絶縁被膜金属線1を切断して低融点はんだ2をコア5の両側に位置させる。絶縁被膜金属線1が巻回されたコア5を加熱して接着剤3を溶融して固化し、絶縁被膜金属線1とコア5を接着する。
【選択図】 図4
【解決手段】 絶縁被膜金属線1の表面に、接着剤3を塗布して固化させる。絶縁被膜および接着剤3を所定の間隔を置いて除去し、金属線の表面を露出させる。露出した金属線の表面に低融点はんだ2を形成する。コア5に絶縁被膜金属線1を密に巻回した後、絶縁被膜金属線1を切断して低融点はんだ2をコア5の両側に位置させる。絶縁被膜金属線1が巻回されたコア5を加熱して接着剤3を溶融して固化し、絶縁被膜金属線1とコア5を接着する。
【選択図】 図4
Description
本発明は、巻線型インダクタの製造方法、特に、インダクタやインピーダンス素子などの巻線型インダクタの製造方法に関する。
従来より、巻線型インダクタとして、例えば特許文献1や特許文献2に記載のものが知られている。そして、このような巻線型インダクタを製造する方法として、特許文献1には以下の方法が記載されている。
図9に示すように、自動巻線装置のチャック61にコア55の一端を挟持した後、コア55の一端に絶縁被膜金属線51を適宜な手段で係止する。絶縁被膜金属線51は、絶縁被膜を除去することにより金属線の表面が露出している端子部52が所定の間隔で形成されている。端子部52を係止したコア55は、チャック61が回転駆動されることにより、コア55の外周面に絶縁被膜金属線51が巻回される。このとき、絶縁被膜金属線51は、隣接する部分同士が当接するように密に巻回される。そして、図10に示すように、絶縁被膜金属線51がコア55の他端に達した位置で絶縁被膜金属線51を切断することにより、コア55の他端に絶縁被膜を除去して金属線表面が露出している端子部52が位置し、巻線型インダクタが得られる。
しかしながら、このような製造方法によって得られた巻線型インダクタは、コア55に巻回されている絶縁被膜金属線51の隣接する部分同士が接着していないため、絶縁被膜金属線51がばらけ易いという問題があった。このため、振動などの外力が加わると、絶縁被膜金属線51がばらけ、インダクタンスが変動したり、印刷基板への面実装不良が生じたりする等の不具合があった。
特開2002−203722号公報
特開平9−326317号公報
そこで、本発明の目的は、絶縁被膜金属線のばらけが生じない巻線型インダクタの製造方法を提供することにある。
前記目的を達成するため、本発明に係る巻線型インダクタの製造方法は、
(a)絶縁被膜金属線の表面に、接着剤を塗布して固化させる工程と、
(b)絶縁被膜および接着剤を所定の間隔を置いて除去し、金属線の表面を露出させる工程と、
(c)露出した金属線の表面に金属被膜を形成する工程と、
(d)コアに絶縁被膜金属線を密に巻回した後、絶縁被膜金属線を切断して金属被膜をコアの両側に位置させる工程と、
(e)絶縁被膜金属線が巻回されたコアを加熱して接着剤を溶融して固化し、絶縁被膜金属線とコアを接着する工程と、
を備えたことを特徴とする。
(a)絶縁被膜金属線の表面に、接着剤を塗布して固化させる工程と、
(b)絶縁被膜および接着剤を所定の間隔を置いて除去し、金属線の表面を露出させる工程と、
(c)露出した金属線の表面に金属被膜を形成する工程と、
(d)コアに絶縁被膜金属線を密に巻回した後、絶縁被膜金属線を切断して金属被膜をコアの両側に位置させる工程と、
(e)絶縁被膜金属線が巻回されたコアを加熱して接着剤を溶融して固化し、絶縁被膜金属線とコアを接着する工程と、
を備えたことを特徴とする。
以上の方法により、絶縁被膜金属線の表面に塗布された接着剤によって、絶縁被膜金属線の隣接部分同士が固定されるとともに、絶縁被膜金属線とコアが固定される。
また、本発明に係る巻線型インダクタの製造方法は、
(f)絶縁被膜金属線の絶縁被膜を所定の間隔を置いて除去し、金属線の表面を露出させる工程と、
(g)露出した金属線の表面に金属被膜を形成する工程と、
(h)コアの表面に、接着剤を塗布して固化させる工程と、
(i)接着剤が付与されたコアに絶縁被膜金属線を密に巻回した後、絶縁被膜金属線を切断して金属被膜をコアの両側に位置させる工程と、
(j)絶縁被膜金属線が巻回されたコアを加熱して接着剤を溶融して固化し、絶縁被膜金属線とコアを接着する工程と、
を備えたことを特徴とする。
(f)絶縁被膜金属線の絶縁被膜を所定の間隔を置いて除去し、金属線の表面を露出させる工程と、
(g)露出した金属線の表面に金属被膜を形成する工程と、
(h)コアの表面に、接着剤を塗布して固化させる工程と、
(i)接着剤が付与されたコアに絶縁被膜金属線を密に巻回した後、絶縁被膜金属線を切断して金属被膜をコアの両側に位置させる工程と、
(j)絶縁被膜金属線が巻回されたコアを加熱して接着剤を溶融して固化し、絶縁被膜金属線とコアを接着する工程と、
を備えたことを特徴とする。
以上の方法により、コアの表面に塗布された接着剤によって、絶縁被膜金属線とコアが固定される。
また、金属被膜は、例えば低融点金属からなる。接着剤は低融点金属の溶融温度以上の軟化点を有するとともに、接着剤は熱可塑性樹脂からなる。そして、絶縁被膜金属線が巻回されたコアを加熱する際、加熱温度を低融点金属の融点以上にし、隣接して巻回されている低融点金属部分を互いに接着する。
本発明によれば、絶縁被膜金属線の表面やコアの表面に塗布された接着剤によって、絶縁被膜金属線の隣接部分同士を固定したり、絶縁被膜金属線とコアを固定することができる。この結果、絶縁被覆金属線のばらけが生じない巻線型インダクタを製造することができる。
以下に、本発明に係る巻線型インダクタの製造方法の実施例について、添付の図面を参照して説明する。
[第1実施例、図1〜図4]
図1(a)に示すように、絶縁被膜金属線1は、0.3mmの径を有する金属線に絶縁被膜として約0.018mmの厚さのポリアミドイミド樹脂を塗布して焼き付けたものである。金属線には、良導体である銅や銀等が使用される。また、絶縁被膜には、巻線型インダクタ製造中に複数回の熱ストレスが加わるので耐熱性が高く、かつ、後工程でのはんだディップに耐え得る材料が好ましい。具体的には、ポリアミドイミド樹脂の他に、ポリエステル樹脂やポリエステルイミド樹脂なども使用可能である。
図1(a)に示すように、絶縁被膜金属線1は、0.3mmの径を有する金属線に絶縁被膜として約0.018mmの厚さのポリアミドイミド樹脂を塗布して焼き付けたものである。金属線には、良導体である銅や銀等が使用される。また、絶縁被膜には、巻線型インダクタ製造中に複数回の熱ストレスが加わるので耐熱性が高く、かつ、後工程でのはんだディップに耐え得る材料が好ましい。具体的には、ポリアミドイミド樹脂の他に、ポリエステル樹脂やポリエステルイミド樹脂なども使用可能である。
図1(b)に示すように、この絶縁被膜金属線1の表面に、約0.01mmの厚さのポリエーテルイミド樹脂とポリエステル樹脂の混合接着剤3を塗布して固化させる。巻線型インダクタ製造中に加熱工程が複数回あるので、接着剤3の材料として、熱硬化性樹脂を使用することはできず、熱可塑性樹脂が使用される。
次に、図1(c)に示すように、絶縁被膜および接着剤3を所定の間隔を置いてダイヤモンドカッタなどの手段で機械的に除去することにより、金属線の表面が露出している端子部1aを所定の間隔で形成する。本第1実施例では、77.2mmの間隔を置いて、27mmの長さの端子部1aを繰り返して形成したが、巻線型インダクタのサイズが異なれば、それに応じて端子部1aの長さや間隔が異なることは言うまでもない。
次に、図1(d)に示すように、この絶縁被膜金属線1を、Sn−Ag3.0−Cu0.5の低融点はんだの溶融浴槽(約240℃)に約3秒間ディップし、端子部1aの露出した金属線の表面に、はんだ被膜2を約50μm付与する。このとき、接着剤3は溶融しない。なお、他の組成の低融点はんだやSn−Pbはんだも使用可能であるが、はんだの融点が接着剤3の軟化点以下のものを選択する必要がある。
次に、図2に示すように、外径が約2.49mmで、長さが約4.5mmの円柱コア5を用意する。コア5の材料としては、Ni−Cu−Zn系フェライトやセラミックスなどが使用される。そして、自動巻線装置のチャック(図示せず)にコア5の一端を挟持した後、コア5の一端に絶縁被膜金属線1の端子部1aを適宜な手段で係止する。端子部1aを係止したコア5は、チャックが回転駆動することにより、コア5の外周面に絶縁被膜金属線1が巻回される。このとき、絶縁被膜金属線1は、隣接する部分同士が当接するように密に巻回される。
そして、図3に示すように、絶縁被膜金属線1がコア5の他端に達した位置で絶縁被膜金属線1を切断することにより、コア5の他端に端子部1aが位置する。この結果、低融点はんだが形成されている端子部1aをコア5の両端部に略均等に位置させることができる。
この巻線型インダクタ10を、高耐熱性のパレット治具上に互いに接触しないようにして整列配置する。次に、パレット治具ごとにオーブンに入れ、約230℃で約10分間加熱する。巻線型インダクタ10を加熱する際、加熱温度を接着剤3の軟化点以上にする。これにより、絶縁被膜金属線1の表面に塗布された接着剤3が溶融して固化し、絶縁被膜金属線1の隣接部分同士が接着されるとともに、絶縁被膜金属線1とコア5が接着される。また同時に、端子部1aの低融点はんだ2が溶融して、端子部1aの隣接部分同士が接着してショートリングとなり、外部電極とされる。
この後、巻線型インダクタ10を冷却してパレット治具から取り出し、必要に応じてマガジン詰めやテーピングに個装する。
以上の製造方法によって得られた巻線型インダクタ10は、コア5に巻回されている絶縁被膜金属線1の隣接する部分同士が接着しているので、絶縁被膜金属線1がばらけにくい。従って、振動などの外力が加わっても、絶縁被膜金属線1がばらけず、インダクタンスが安定し、印刷基板への面実装信頼性が向上する。特に、端子部1aの低融点はんだ2が溶融して、端子部1aの隣接部分同士が接着してショートリングとなるので、絶縁被膜金属線1が端部からばらける心配がない。
[第2実施例、図5〜図8]
図5(a)に示すように、絶縁被膜金属線21は、0.3mmの径を有する金属線に絶縁被膜として約0.018mmの厚さのポリアミドイミド樹脂を塗布して焼き付けたものである。金属線には、良導体である銅や銀等が使用される。また、絶縁被膜には、巻線型インダクタ製造中に複数回の熱ストレスが加わるので耐熱性が高く、かつ、後工程でのはんだディップに耐え得る材料が好ましい。具体的には、ポリアミドイミド樹脂の他に、ポリエステル樹脂やポリエステルイミド樹脂なども使用可能である。
図5(a)に示すように、絶縁被膜金属線21は、0.3mmの径を有する金属線に絶縁被膜として約0.018mmの厚さのポリアミドイミド樹脂を塗布して焼き付けたものである。金属線には、良導体である銅や銀等が使用される。また、絶縁被膜には、巻線型インダクタ製造中に複数回の熱ストレスが加わるので耐熱性が高く、かつ、後工程でのはんだディップに耐え得る材料が好ましい。具体的には、ポリアミドイミド樹脂の他に、ポリエステル樹脂やポリエステルイミド樹脂なども使用可能である。
次に、図5(b)に示すように、絶縁被膜を所定の間隔を置いてダイヤモンドカッタなどの手段で機械的に除去することにより、金属線の表面が露出している端子部21aを所定の間隔で形成する。本第2実施例では、77.2mmの間隔を置いて、27mmの長さの端子部21aを繰り返して形成したが、巻線型インダクタのサイズが異なれば、それに応じて端子部21aの長さや間隔が異なることは言うまでもない。
次に、図5(c)に示すように、この絶縁被膜金属線21を、Sn−Ag3.0−Cu0.5の低融点はんだの溶融浴槽(約240℃)に約3秒間ディップし、端子部21aの露出した金属線の表面に、はんだ被膜22を約50μm付与する。
次に、図6(a)に示すように、外径が約2.49mmで、長さが約4.5mmの円柱コア25を用意する。このコア25の表面に、約0.01mmの厚さのポリエーテルイミド樹脂とポリエステル樹脂の混合接着剤26を塗布して固化させる(図6(b)参照)。
次に、図7に示すように、自動巻線装置のチャック(図示せず)にコア25の一端を挟持した後、コア25の一端に絶縁被膜金属線21の端子部21aを適宜な手段で係止する。端子部21aを係止したコア25は、チャックが回転駆動することにより、コア25の外周面に絶縁被膜金属線21が巻回される。このとき、絶縁被膜金属線21は、隣接する部分同士が当接するように密に巻回される。
そして、図8に示すように、絶縁被膜金属線21がコア5の他端に達した位置で絶縁被膜金属線21を切断することにより、コア25の他端に端子部21aが位置する。この結果、低融点はんだが形成されている端子部21aをコア25の両端部に略均等に位置させることができる。
この巻線型インダクタを、高耐熱性のパレット治具上に互いに接触しないようにして整列配置する。次に、パレット治具ごとにオーブンに入れ、約230℃で約10分間加熱する。巻線型インダクタを加熱する際、加熱温度を接着剤3の軟化点以上にする。これにより、コア25の表面に塗布された接着剤26が溶融して固化し、絶縁被膜金属線21とコア25が接着される。また同時に、端子部21aの低融点はんだ22が溶融して、端子部21aの隣接部分同士が接着してショートリングとなり、外部電極とされる。
この後、巻線型インダクタを冷却してパレット治具から取り出し、必要に応じてマガジン詰めやテーピングに個装する。
以上の製造方法によって得られた巻線型インダクタは、前記第1実施例の巻線型インダクタ10と同様の作用効果を奏する。
[他の実施例]
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。コアの横断面形状は、円形、楕円形、矩形など任意である。また、絶縁被膜金属線の横断面形状も円形、楕円形、矩形など任意である。
なお、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々に変更することができる。コアの横断面形状は、円形、楕円形、矩形など任意である。また、絶縁被膜金属線の横断面形状も円形、楕円形、矩形など任意である。
1,21…絶縁被膜金属線
2,22…低融点はんだ
3,26…接着剤
5,25…コア
10…巻線型インダクタ
2,22…低融点はんだ
3,26…接着剤
5,25…コア
10…巻線型インダクタ
Claims (5)
- 絶縁被膜金属線の表面に、接着剤を塗布して固化させる工程と、
絶縁被膜および接着剤を所定の間隔を置いて除去し、金属線の表面を露出させる工程と、
前記露出した金属線の表面に金属被膜を形成する工程と、
コアに前記絶縁被膜金属線を密に巻回した後、絶縁被膜金属線を切断して前記金属被膜をコアの両側に位置させる工程と、
前記絶縁被膜金属線が巻回されたコアを加熱して前記接着剤を溶融して固化し、前記絶縁被膜金属線と前記コアを接着する工程と、
を備えたことを特徴とする巻線型インダクタの製造方法。 - 絶縁被膜金属線の絶縁被膜を所定の間隔を置いて除去し、金属線の表面を露出させる工程と、
前記露出した金属線の表面に金属被膜を形成する工程と、
コアの表面に、接着剤を塗布して固化させる工程と、
前記接着剤が付与されたコアに前記絶縁被膜金属線を密に巻回した後、絶縁被膜金属線を切断して前記金属被膜をコアの両側に位置させる工程と、
前記絶縁被膜金属線が巻回されたコアを加熱して前記接着剤を溶融して固化し、前記絶縁被膜金属線と前記コアを接着する工程と、
を備えたことを特徴とする巻線型インダクタの製造方法。 - 前記金属被膜は低融点金属からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の巻線型インダクタの製造方法。
- 前記接着剤は前記低融点金属の溶融温度以上の軟化点を有するとともに、前記接着剤は熱可塑性樹脂からなることを特徴とする請求項3に記載の巻線型インダクタの製造方法。
- 前記絶縁被膜金属線が巻回されたコアを加熱する際、加熱温度を前記低融点金属の融点以上にし、隣接して巻回されている低融点金属部分を互いに接着することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の巻線型インダクタの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004046376A JP2005236197A (ja) | 2004-02-23 | 2004-02-23 | 巻線型インダクタの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102311192B1 (ko) * | 2020-12-29 | 2021-10-13 | 주식회사 정안시스템 | 코일 권선 테이프 |
-
2004
- 2004-02-23 JP JP2004046376A patent/JP2005236197A/ja active Pending
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