JP2005235869A - 紫外線照射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 照射距離を短くしてエキシマ光の照射効率を向上させ、しかもランプの熱を効率的に排除できる紫外線照射装置を提供する。
【解決手段】 被処理体Wに紫外線を照射する紫外線照射装置において、前記被処理体を搬出入する搬出入口10を有する処理容器4と、前記被処理体を載置する載置台6と、前記載置台を前記搬出入口を介して前記処理容器の内外に移動させる移動手段8と、前記処理容器内に水平に配置されてその下方に照射室S1を形成すると共に、該照射室の上方にランプハウス室S2を形成して前記照射室に位置される前記被処理体に紫外線を照射する紫外線ランプ部材12と、前記紫外線ランプ部材に対して不活性ガスを吹き付けることにより前記紫外線ランプ部材を冷却すると共に、前記照射室と前記ランプハウス室との間に前記不活性ガスの仕切りを形成する不活性ガス供給手段14と、前記不活性ガスを排出させるために前記ランプハウス室側の処理容器の区画壁に設けたガス排気口20と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、紫外線として例えばエキシマ光を被処理体に照射する紫外線照射装置に関する。
一般に、ガラス製の液晶基板や半導体基板等のように、表面に回路パターンを形成する成膜プロセスやフォトプロセスを施す際には、その表面を洗浄することが要請される。すなわち、上記基板等の表面には人体などより発生する有機物等の汚れが付着する傾向にあり、この汚れは製品歩留りを低下させるのでその表面に例えば紫外線等を照射して表面の有機物を分解して除去する洗浄が行われる。この洗浄処理を行うための紫外線としては、主としてエキシマ光である真空紫外線が用いられる。この真空紫外線は例えば0.2〜200nm程度の波長であって酸素に非常に吸収され易い特性を有している。このエキシマ光(以下「真空紫外線」とも称す)を発生する原理は以下の通りである。
すなわち、エキシマを形成する放電ガスが充填されたエキシマ光ランプの電極に誘電体を挿むと電荷が誘電体表面に溜まり、充填ガスが励起されて原子または分子がエキシマ状態になる。このエキシマが基底状態に移行するときエキシマ光と称される蛍光を発生する。この時、充填ガスがXe(172nm)、Ar(126nm)、Kr(147nm)などの場合には、波長200nm以下の真空紫外線であるエキシマ光が発生する。
紫外線照射装置では、上述のように発生したエキシマ光である真空紫外線を、ガラス基板等の被処理体に照射するのであるが、真空紫外線を効率よく照射する必要から、真空紫外線が酸素に吸収されて減衰することを防止するために、紫外線照射装置のランプハウス内に酸素が侵入することを防止するように遮断しなければならない。またランプで発生する熱を遮断し、これが被処理体側に伝わることを防止する必要もある。このような要請に応えるべく、特許文献1〜4に示すように従来より種々の紫外線照射装置が提案されている。
特開平10−156177号公報 特開平10−092709号公報 特開2000−180598号公報 特開2002−346379号公報
ところで、上記特許文献1に示す装置では、ランプと被処理体との間を石英板で仕切り、ランプ側(ランプハウス)に不活性ガスを供給して酸素の吸収を防いでいるが、石英板があるためにエキシマ光の照射距離を短くすることができないばかりか、被処理体にエキシマ光を照射する室(照射室)に試料を入れる搬出入口が開放されているために照射室の酸素を無くすことができない、という問題点がある。
特許文献2に示す装置では、ランプと被処理体との間を石英板で仕切り、ランプ側(ランプハウス)に不活性ガスを供給して酸素の吸収を防ぎ、搬出入口にシャッターを設けて照射室の気密性を確保している。しかしながら、この場合にも、エキシマ光の照射距離を短くすることができず、また、照射室内の酸素を無くすことができない、という問題点がある。
特許文献3に示す装置では、ランプハウスを仕切る窓部材に突起部を設けて、この突起部を被処理体の照射対象面に接近させることによって大気中の照射距離を短くして酸素によるエキシマ光の吸収を少なくしているが、この場合には、窓部材の突起部によるエキシマ光の吸収量が過度に多くなり過ぎる、といった問題がある。
特許文献4に示す装置では、被処理体とランプとを一つの保護室に密封して、更に、この中に照射容器とを密閉して設けている。そして、保護室を減圧排気して酸素を無くすようにしているが、保護室及び照射容器が密閉式なので、被処理体とランプとの間の距離を短くできないばかりか、被処理体の自動搬送ができずに照射処理に多くの時間を要してしまう。更には、ランプから発生する熱が被処理体に伝わることを遮断できないなどの問題がある。
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、ランプハウスと照射室との間を不活性ガスで仕切ることによって、照射距離を短くしてエキシマ光の照射効率を向上させ、しかもランプの熱を効率的に排除できる紫外線照射装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、被処理体に紫外線を照射する紫外線照射装置において、前記被処理体を搬出入する搬出入口を有する処理容器と、前記被処理体を載置する載置台と、前記載置台を前記搬出入口を介して前記処理容器の内外に移動させる移動手段と、前記処理容器内に水平に配置されてその下方に照射室を形成すると共に、該照射室の上方にランプハウス室を形成して前記照射室に位置される前記被処理体に紫外線を照射する紫外線ランプ部材と、前記紫外線ランプ部材に対して不活性ガスを吹き付けることにより前記紫外線ランプ部材を冷却すると共に、前記照射室と前記ランプハウス室との間に前記不活性ガスの仕切りを形成する不活性ガス供給手段と、前記不活性ガスを排出させるために前記ランプハウス室側の処理容器の区画壁に設けたガス排気口と、を備えたことを特徴とする紫外線照射装置である。
この場合、例えば請求項2に規定するように、前記移動手段は、前記載置台を磁気力で回転させつつスライド移動させるマグネットスライダ機構よりなる。
本発明の紫外線照射装置によれば、不活性ガス供給手段より供給した不活性ガスにより処理容器内をランプハウス室と照射室とに仕切るようにし、しかもこの不活性ガスにより紫外線ランプ部材を冷却するようにしたので、紫外線ランプ部材と被処理体との間の照射距離を非常に短くでき、もって真空紫外線の照射効率を大幅に向上することができ、また、被処理体が加熱されることも防止することができる。
また載置台を移動する移動手段を設けたので、被処理体を自動搬送することができ、もって全体の処理時間を短縮してスループットを向上させることができる。
以下に、本発明に係る紫外線照射装置の一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明の紫外線照射装置の一例を示す構成図、図2は紫外線ランプ部材と不活性ガス供給手段の配列状態を示す平面図、図3はマグネットスライダ構造の要部を示す概略断面図である。
図示するように、この紫外線照射装置2は、例えばアルミニウム合金等により円筒体状、或いは方形箱状になされた処理容器4を有している。この処理容器4内の下部には、液晶基板、半導体基板、CDやDVD等の光ディスク基板等の被処理体Wを載置して保持する載置台6が、後述する移動手段8により移動可能に設けられている。また処理容器4の下部側壁には、上記載置台6を移動させることによって被処理体Wを搬出入させるために外側へ開放された搬出入口10が設けられている。そして、この処理容器4内の下部には、上記被処理体Wに対して紫外線を照射するための紫外線ランプ部材12が水平方向に沿って配列されており、この処理容器4内を上記紫外線ランプ部材12よりも下方の照射室S1と、この上方全体のランプハウス室S2とに2分している。上記ランプハウス室S2の内面全体は反射面となっている。
ここでは上記紫外線ランプ部材12として40ワットのエキシマ光ランプ12Aを5本平行に並列させて設けており(図2参照)、紫外線として例えば172nmの波長を主体とする真空紫外線を下方に向けて放射し得るようになっている。尚、このエキシマ光ランプ12Aの数量は限定されず、またこのランプ12Aを上下に複数段に亘って設けるようにしてもよい。またこの処理容器4には、上記紫外線ランプ部材12に対してN ガス等の不活性ガスを吹き付けることによりこの紫外線ランプ部材12を冷却すると共に、上記照射室S1とランプハウス室S2との間に不活性ガスの仕切りを形成する不活性ガス供給手段14が設けられている。具体的には、この本発明の特徴とする不活性ガス供給手段14は、図2にも示すように、上記5本のエキシマ光ランプ12Aよりなる紫外線ランプ部材12を囲むようにしてこれらと略同じ水平レベルに設けられた環状の不活性ガス噴射ノズル16を有しており、この不活性ガス噴射ノズル16の側面には、上記各エキシマ光ランプ12Aに向けて略水平方向へ不活性ガスを噴射するための多数のガス噴射口16Aが所定のピッチで設けられている。この不活性ガスは図示しない流量制御器により流量制御可能になされている。
このように、水平方向に不活性ガスを噴射することにより、上記したように各エキシマ光ランプ12Aを冷却すると共に、照射室S1とランプハウス室S2との間に不活性ガスを流してエアーカーテンのように両室を仕切るようになっている。尚、不活性ガス噴射ノズル16は、上記した形状に限定されず、例えば各エキシマ光ランプ12A間にノズルを複数本配列させてもよいし、更にこれらのノズルに加えて処理容器4の天井部や上記側壁等に更に不活性ガス用のノズルを設けるようにしてもよい。
またこの処理容器4において、上記不活性ガス供給手段14の下方には、僅かな距離だけ離して置換ガス供給ノズル18が設けられており、置換ガスとして例えばN ガスや空気を必要に応じて流量制御しつつ供給し得るようになっている。尚、この置換ガス供給ノズル18の形状を、上記不活性ガス噴射ノズル16と同様に、例えば環状のノズル、或いは複数のガス噴射口を有する直線状のノズルとして形成してもよい。
そして、上記処理容器4のランプハウス室S2側の区画壁には、この処理容器4内へ供給された不活性ガスを外側へ排出させるためのガス排気口20が設けられている。このガス排気口20には、図示しない排気系が接続されており、上記不活性ガスを自然排気、或いは排気ポンプを設けて強制排気できるようになっている。図示例では2つのガス排気口20が設けられているが、1個でもよく、或いは必要に応じて3個以上設けるようにしてもよい。
また上記処理容器4の搬出入口10には、この外側にハウジング22で区画された所定の長さの搬送室24が連結されており、外部より上記処理容器4内へ空気(酸素)が侵入することをできるだけ抑制するようになっている。この搬送室24の他端には搬送口25が形成されている。そして、この搬送室24内の天井部にも、N ガスや空気等の置換ガスを流量制御しつつ供給するための置換ガス供給ノズル26が設けられている。この置換ガス供給ノズル26も上記不活性ガス噴射ノズル16と同じような環状のノズル、或いは複数のガス噴射口を有する直線状のノズルとしてもよく、その形状は問わない。
一方、上記載置台6を移動させる移動手段8は、例えばマグネットスライダ機構よりなり、上記載置台6を磁気力で回転させつつスライド移動させるようになっている。具体的には、上記処理容器4の搬出入口10の下部には、図3にも示すようにベース台30が連結されており、このベース台30及び処理容器4の底部の上面には、非磁性材料である例えばステンレス板よりなる区画板32が設けられている。そして、上記マグネットスライダ機構8は、このベース台30の上面側及び下面側において、上記搬送室24内を貫通するように通って上記処理容器4内に延びるようにそれぞれ設けた一対の案内レール34、36を有している。そして、図3に示すように上記載置台6の下面中心は、主軸38に固定され、この主軸38は軸受40を介して保持台42に回転自在に支持されると共に、上記保持台42は、これに回転自在に取り付けたホイール44を介して上記案内レール34に沿って案内されつつ走行可能になっている。この際、上記主軸38及び保持台42は、上記区画板32に対して非接触状態となっている。そして、上記主軸38の下端部に磁気カプリング用の磁石46が取り付けられている。
また上記ベース台30には、上記主軸38の移動方向に沿って切り欠いた磁気カプリング用の溝部48が形成されている。そして、下面側の案内レール36には、保持台52が、これに回転自在に設けられたホイール50を介して走行可能に設けられる。この保持台52には軸受54を介して回転子56が回転自在に支持されると共に、この回転子56が上記溝部48内に位置される。またこの回転子56は上記保持台52側に取り付けた旋回用モータ58に連結されて回転可能になされている。この際、上記回転子56及び保持台52はベース台30及び区画板32に対して非接触状態となっている。そして上記回転子56の上端部に磁気カプリング用の磁石60が取り付けられている。この結果、非磁性材料よりなる上記区画板32を介して上下の磁石46、60が磁気結合された状態となっている。また図1に示すように、ベース台30の下部には、載置台6を移動させるべき方向に沿って延びるボールネジ62がボールネジ回転用モータ64によって回転可能に取り付けられており、このボールネジ62が、図3に示すように上記下側の保持台52に形成したネジ孔65に螺合されている。従って、このボールネジ62を正逆回転させることによって、下側の保持台52及びこれに磁気結合された上側の保持台42が一体的に前進及び後退できるようになっている。
次に、以上のように構成された紫外線照射装置2の動作について説明する。
まず処理すべき被処理体Wは、搬送室24の外側で載置台6(図1中において一点鎖線で示す)上に載置保持される。この被処理体Wは、移動手段8であるマグネットスライド機構8を駆動することにより、搬送室24内を通過して処理容器4内の照射室S1の定位置まで移動され、またこの定位置より搬送室24内を通過して元の外の位置まで戻すことができる。
上記処理容器4内の照射室S1内に位置された被処理体Wに対して紫外線の照射処理を行うには、紫外線ランプ部材12の各エキシマ光ランプ12Aを点灯することにより真空紫外線を発生させ、この真空紫外線を回転しつつある被処理体Wの表面に照射する。この際、不活性ガス供給手段14の不活性ガス噴射ノズル16の各ガス噴射口16Aより略水平方向に向けて不活性ガスとして例えばN ガスを噴射する。このガス噴射の吹きかけにより各エキシマ光ランプ12Aの表面にN ガスが這うように流れてこのエキシマ光ランプ12Aに発生した熱を奪ってこれらを冷却し、これと同時に照射室S1とランプハウス室S2との間がこのN ガスにより仕切られることになり、しかもランプハウス室S2内は酸素を含まないN ガスにより充満されている。
このため、照射室S1とランプハウス室S2との間を例えば石英ガラス板で仕切るようにした従来装置と比較して、エキシマ光ランプ16Aと被処理体Wとの間の照射距離をmm単位でより小さくでき、しかもこの照射距離を形成する空間部分には酸素が介在されずにN ガス雰囲気となっているので真空紫外線が酸素に吸収されることもなく、この結果、真空紫外線の照射効率及びエネルギー効率を大幅に向上させることができる。特に照射距離に関しては、従来の石英ガラス板を用いた装置では2mmが限度であったが、本発明の場合には照射距離を1mmまで短くすることができた。
またランプハウス室S2内もN ガス雰囲気になされて酸素が存在しないので、ランプハウス室S2の内壁の反射面で反射した真空紫外線を効率的に被処理体Wの表面の照射に寄与させることができ、この点よりも照射効率やエネルギー効率を向上させることができる。
またエキシマ光ランプ12Aより熱を奪ったN ガスは、ランプハウス室S2の区画壁に設けたガス排気口20から系外へ排出されるので、載置台6上の被処理体Wに対して熱遮断することができ、この被処理体Wが必要以上の温度に加熱されることを防止することができる。
また必要に応じて置換ガス供給ノズル18より不活性ガスとして例えばN ガスを噴射して照射室S1内をN ガス雰囲気に置換するようにしてもよく、これによれば酸素による真空紫外線の吸収が更に少なくなって、照射光のエネルギー効率を一層向上させることができる。この場合、特に、搬送室24内もN ガス雰囲気に設定しておけば、照射室S1内へ酸素が侵入することを一層確実に阻止することができる。
また移動手段としてマグネットスライド機構8を用いているので、ベース台30の下方のモータ類を収容した空間と、この上方の空間とを区画板32で完全に仕切った状態で被処理体の自動搬送を行うことができ、従って、処理時間が短くなってスループットを向上できるのみならず、処理容器4内の雰囲気が、下方のモータ類を収容した空間のパーティクル等を含んだ雰囲気から悪影響を受けることを防止することができる。
次に、上記した本発明装置と従来装置の評価実験を行ったので、その評価結果について説明する。
<窒素ガスの置換効率>
まず、処理容器内に対する窒素ガスの置換効率について検討した。
本発明装置の紫外線ランプ部材12として40ワットのエキシマ光ランプ(波長:172nm)を4本用い、不活性ガス噴射ノズル16より窒素ガスを毎分25リットル供給してランプハウス室S2内を窒素置換した。そして、次に置換ガス供給ノズル18より窒素ガスを毎分25リットル供給して照射室S1内を窒素置換する時間に対する酸素濃度を酸素濃度計(飯島電子(株))で測定した。また、開放系の石英板の仕切りのある従来装置の酸素濃度を測定した。その結果を図4に示す。図4は本発明装置と従来の開放型装置の窒素ガスの置換効率を示すグラフである。図4より明らかなように、本発明の装置では約2分後に照射室S1内の酸素濃度は0%を示すが、その時、従来の開放型の装置では15%を示しており、本発明の装置が置換効率のよいことがわかる。また、被処理体Wを照射室S1に移動しても酸素0%は変化しなかった。
尚、ここで用いた処理容器4の大きさは、縦横がそれぞれ24cm×26cmで、高さが17cmである。また照射室S1の高さが8cm、ランプハウス室S2の高さが9cmである。
<照射室内の温度特性>
次に、照射室内の温度変化の特性について検討した。図5は本発明の装置と従来の装置(開放型及び密開型)の温度特性を示すグラフである。ここで照射時の温度を白金抵抗型温度計で測定した。図5より明らかなように、本発明の装置では5分間照射しても被処理体の温度は22℃程度を示していた。また置換ガスを空気に換えても温度は22℃であった。これに対して従来の密閉型や開放型の装置では5分間照射すると被処理体の温度は60℃以上になっていた。このように本発明装置は冷却効率が高いことが確認することができた。
<照射時間に対する水の接触角の評価>
次に、有機物の分解程度を検討するために水の接触角について評価を行った。図6は照射時間と水の接触角との関係を示すグラフである。ここでは置換ガスを空気に換えた状態で被処理体にエキシマ光を照射し、水の接触角を測定した。図6より明らかなように、本発明の装置では、30秒程度で接触角は10度になった。密閉型や開放型の従来の装置では、接触角が10度になるのに60秒程度要しており、この点より、本発明装置の方が有機物等をより効率的に洗浄できることが確認できた。
<照射時間と複屈折の評価>
次に、ポリカーボネート樹脂を射出成形するときに発生する内部応力に起因して起こる複屈折の緩和について検討するために複屈折の評価を行った。基板に複屈折があると記録再生のときにレーザスポットの歪みを生じるためにこの複屈折は小さいほうがよい。図7は照射時間と複屈折との関係を示すグラフである。ここでは置換ガスを窒素ガスにして、DWD−RW(記録型DVD)のポリカーボネート樹脂基板(被処理体)にエキシマ光を照射して、複屈折を波長780nmのレーザ光を用いた平行光レターデーション測定方法で測定した。図7より明らかなように、本発明の装置では、複屈折は大幅に減少したが、従来の開放型装置では変化がほとんど見られなかった。この複屈折の減少する理由は、高分子である成形基板樹脂にエキシマ光を照射すると、波長の持つエネルギによって分子結合が切断されて水素脆性を起こして内部応力が緩和されるからである。
また従来の密閉型装置では温度が高くなって基板が反るために複屈折が測定できなかった。これにより、本発明装置の場合には、複屈折が減少したので、温度の影響を受けずに光エネルギが効率良く照射されている、ということが確認できた。
尚、上記実施例では、不活性ガスとしてN ガスを用いた場合を例にとって説明したが、これに限定されず、He、Ar等を用いてもよい。また紫外線ランプ部材としてはエキシマ光ランプに限定されず、他の紫外線ランプ、例えば他のガス(NeF,Kr ,ArCl,KrI,KrBr,XeI,XeCl等)を封入したランプや冷陰極ランプ等も用いることができる。
また上記実施例では載置台6は回転可能な構造としたが、これに加えて、この載置台6を上下方向に昇降できるように構成してもよい。
本発明の紫外線照射装置の一例を示す構成図である。 紫外線ランプ部材と不活性ガス供給手段の配列状態を示す平面図である。 マグネットスライダ構造の要部を示す概略断面図である。 本発明装置と従来の開放型装置の窒素ガスの置換効率を示すグラフである。 本発明の装置と従来の装置(開放型及び密開型)の温度特性を示すグラフである。 照射時間と水の接触角との関係を示すグラフである。 照射時間と複屈折との関係を示すグラフである。
符号の説明
2…紫外線照射装置、4…処理容器、6…載置台、8…移動手段(マグネットスライダ機構)、10…搬出入口、12…紫外線ランプ部材、12A…エキシマ光ランプ、14…不活性ガス供給手段、16…不活性ガス噴射ノズル、18…置換ガス供給ノズル、20…ガス排気口、24…搬送室、34,36…案内レール、46,60…磁石、62…ボールネジ、S1…照射室、S2…ランプハウス室、W…被処理体。

Claims (2)

  1. 被処理体に紫外線を照射する紫外線照射装置において、
    前記被処理体を搬出入する搬出入口を有する処理容器と、
    前記被処理体を載置する載置台と、
    前記載置台を前記搬出入口を介して前記処理容器の内外に移動させる移動手段と、
    前記処理容器内に水平に配置されてその下方に照射室を形成すると共に、該照射室の上方にランプハウス室を形成して前記照射室に位置される前記被処理体に紫外線を照射する紫外線ランプ部材と、
    前記紫外線ランプ部材に対して不活性ガスを吹き付けることにより前記紫外線ランプ部材を冷却すると共に、前記照射室と前記ランプハウス室との間に前記不活性ガスの仕切りを形成する不活性ガス供給手段と、
    前記不活性ガスを排出させるために前記ランプハウス室側の処理容器の区画壁に設けたガス排気口と、
    を備えたことを特徴とする紫外線照射装置。
  2. 前記移動手段は、前記載置台を磁気力で回転させつつスライド移動させるマグネットスライダ機構よりなることを特徴とする請求項1記載の紫外線照射装置。
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