JP2005235830A - 半導体レーザ - Google Patents

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Abstract

【課題】
活性層への光閉じ込め係数を低くした場合でも、簡単な構成で高出力が得られ、モード変移の起こりにくい半導体レーザを提供する。
【解決手段】
InPからなる半導体基板11上に、多重量子井戸構造を含む活性層14と、活性層14を挟むn型クラッド層32及びInPからなるp型クラッド層18と、活性層14に電流を注入するためのp電極20及びn電極21とを設けるとともに、光の出射端面が高反射率膜の施された端面22bと低反射率膜の施された端面22aとでなる半導体レーザにおいて、n型クラッド層32をInGaAsPによって構成し、かつ、p電極20及びn電極21のどちらか一方を活性層14のストライプ方向に複数個に分割し、分割された複数個の電極のそれぞれから活性層14に注入される電流密度が高反射率膜の施された端面22bから低反射率膜の施された端面22aに向かって増加するようにしている。
【選択図】
図8

Description

本発明は、活性層に多重量子井戸を用いた半導体レーザに関し、特に高出力化を実現した半導体レーザに関する。
光通信システムに用いられる光信号は、長距離にわたって敷設された光ファイバ内を伝送されるので、この光信号の光源に用いられる半導体レーザの特性としては、高出力、高安定度が要求される。高出力特性が配慮された半導体レーザ10の斜視図を図11に、またその要部の断面模式図を図12に示す。半導体レーザ10は、図11に示すように、n型InPからなる半導体基板11上に、n型InPからなるn型クラッド層12、InGaAsPからなるSCH(光閉込構造)層13、InGaAsPからなる活性層14、InGaAsPからなるSCH層15、p型InPからなるp型クラッド層18の一部(下層部)を順番に積層させ、その後にそれらをエッチングしてメサ型のストライプを形成し、そのストライプの両側にp型InPからなる下部埋込層16とn型InPからなる上部埋込層17を積層させ、さらにp型クラッド層18の下層部の上面及び上部埋込層17の上面にp型クラッド層18の残りの一部(上層部)とp型コンタクト層19を積層させ、その後にp型コンタクト層19の上面にp電極20、半導体基板11の下面にn電極21をそれぞれ設けて形成されている。そして、光の出射端面は、高反射率膜の施された端面(HR端面)22b、低反射率膜の施された端面(LR端面)22aより成っている。
良好な発光特性を得るために、活性層14として、図12に示すように、複数の井戸層14aとこの各井戸層14aの上下両側に位置する複数の障壁層14bとを積層したMQW(多重量子井戸)構造が採用されている。また、このMQW構造を有した活性層14の下側に位置するSCH層13及び上側に位置するSCH層15は、それぞれ複数の層13a、13b、13c及び複数の層15a、15b、15cからなる多層構造とされている。
そして、n型クラッド層12、複数の層からなるSCH層13、MQW構造を有した活性層14、複数の層からなるSCH層15、p型クラッド層18の各層についての、活性層14で発光する光に対する屈折率を、図13に示す屈折率特性となるように設定されている。すなわち、中央の活性層14の屈折率が最も大きく、両側の各クラッド層12、18の屈折率が等しくて最も小さく、そしてSCH層13、15の複数の層もその中間で段階的に変化されて、活性層14を中心として上下対称の特性となるように設定されている。
このような屈折率特性を有する半導体レーザ10のp電極20とn電極21との間に直流電流を印加すると、活性層14で光が生起され、その生起された光Pの大部分が半導体レーザ10のLR端面22aから、そのわずかな残りがHR端面22bからそれぞれ外部へ出射される。
なお、活性層14の屈折率が各クラッド層12、18の屈折率より大きいことによって、活性層14で生起した光Pの散逸を防ぐ光導波路が形成され、また、活性層14と上下両側のクラッド層12、18との間にそれぞれ中間の屈折率を有するSCH層13、15を介在させることにより、注入した電流すなわちキャリアを活性層14の近傍に集中させることができ、キャリアと光が同時に同一領域に集中するので発光効率が高くなる。
このような構造の半導体レーザ10は、光ファイバ増幅器の励起光源、距離計測等の計測用光源として用いられるための高出力化が望まれており、その高出力化には、SCH層13、15及び活性層14への光閉じ込め係数を低減して活性層14での内部損失を減らすことが有効である。しかしながら、このように光閉じ込め係数を低減した場合、両クラッド層12、18を通過する光の成分が多くなり、別の問題が発生する。すなわち、両クラッド層12、18を通過する光の成分が多くなることに対応して両クラッド層12、18の厚さを増す必要があるが、p型クラッド層18は比較的電気抵抗が高いため、このp型クラッド層18の厚さの増加によって素子全体の電気抵抗が増大して、高電流領域での発熱量が大きくなり、光出力を低下させてしまう。また、両クラッド層12、18のうち、p型クラッド層18内の光の分布が増加すると、価電子帯間光吸収による光損失量が増大してしまう。この価電子帯間光吸収による光損失量は、p型クラッド層18のp型不純物濃度を小さくすることで低減することができるが、このようにp型不純物濃度を小さくすると、素子の電気抵抗がさらに増大してしまい、高出力が得られなくなってしまう。
この価電子帯間光吸収による光損失量の増大の問題を解決する方法として、図14に示すように、n型クラッド層12の内部に、そのn型クラッド層12より屈折率が大きく、活性層14の屈折率に近い屈折率を有する光フィールド制御層23を設けて、光の分布をn型クラッド層12側にシフトさせ、p型クラッド層18内に分布する光の量を減らすという技術があった。(例えば、特許文献1参照)
特開2000−174394号公報
しかしながら、このようにn型クラッド層12内に活性層14の屈折率に近い屈折率を有する光フィールド制御層23を設けると、その構造が複雑化するだけでなく、新たな問題が発生する。すなわち、光フィールド制御層23は、活性層14と同様の構造であるからSCH層13から遠い位置に設けた場合、別の光導波路が形成されて光の分布が双峰特性になってしまう。したがって、この光フィールド制御層23はSCH層13の近くに設けなければならないが、このように屈折率の高い光フィールド制御層23をSCH層13の近くに設けると、導波路全体の等価屈折率が高くなり、シングルモードから横高次モードへ変移しやすくなってしまう。また、この横高次モードへの変移は、活性層14とSCH層13、15を含めた活性領域の幅を狭くすることで防止できるが、このようにこれらの領域の幅を狭くすることは、素子の電気抵抗及び熱抵抗の増加を招き、発光効率を却って低下させてしまう。
本発明は、これらの課題を解決し、活性層への光閉じ込め係数を低くした場合でも、簡単な構成で高出力が得られ、モード変移の起こりにくい半導体レーザを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の半導体レーザでは、InPからなる半導体基板(11)上に、多重量子井戸構造を含む活性層(14)と、該活性層を挟むn型クラッド層(32)及びInPからなるp型クラッド層(18)と、前記活性層に電流を注入するためのp電極(20)及びn電極(21)とを設けるとともに、光の出射端面が高反射率膜の施された端面(22b)と低反射率膜の施された端面(22a)とでなる半導体レーザにおいて、前記n型クラッド層をInGaAsPによって構成し、かつ、前記活性層の上方に位置する前記p電極または前記n電極のいずれか一方を前記活性層のストライプ方向に複数個に分割している。
上記課題を解決するために、本発明の請求項2の半導体レーザでは、上述した請求項1の半導体レーザにおける前記複数個に分割されたそれぞれの電極の活性層上を占める長さが、前記高反射率膜の施された端面から前記低反射率膜の施された端面に向かって減少するようにしている。
上記課題を解決するために、本発明の請求項3の半導体レーザでは、上述した請求項1〜2のいずれかに記載の半導体レーザにおける前記n型クラッド層を構成する前記InGaAsPの組成波長が0.98μm以下であるようにしている。
本発明の半導体レーザでは、InPからなるp型クラッド層と、屈折率の大きいInGaAsPによってn型クラッド層とを構成し、かつ、電極を複数個に分割し、それぞれの電極から活性層に注入される電流密度が高反射率膜の施された端面(HR端面)から低反射率膜の施された端面(LR端面)に向かって増加するようにしている。したがって、活性層の閉じ込め係数を低くした場合でも、光の分布をn型クラッド層側に偏らせることができるので、p型クラッド層における価電子帯間吸収による光出力の低下を防止でき、高出力化が図れる。そして、光の分布をn型クラッド層側に偏らせることができることにより、p型クラッド層の厚さを薄くでき、素子の電気抵抗減少により光出力の飽和出力の電流値を向上できる。
また、活性層とn型クラッド層との屈折率差が従来のものより小さくなるので、横高次モードを抑圧できる最大の活性層幅(カットオフ幅)も拡大でき、これによっても素子電気抵抗が下がるため、高出力化にさらに有利になる。そして、活性層に注入される電流密度をHR端面からLR端面に向かって増加させることにより、LR端面側での光密度の増大によるキャリア密度の減少を抑え、さらに光出力の高出力化が図れる。
以下に本発明の実施例を記載する。
本発明の実施例1の半導体レーザ30の全体構成を示す斜視図を図1に、またその要部の断面模式図を図2に示す。従来の半導体レーザ10と同一要素には同一の符号を付けてある。この半導体レーザ30は、図1に示すように、n型InPからなる半導体基板11上に、InGaAsPからなるn型クラッド層32、InGaAsPからなるSCH層13、InGaAsPからなる活性層14、InGaAsPからなるSCH層15、InPからなるp型クラッド層18の一部(下層部)を順番に積層させ、その後にそれらをエッチングしてメサ型のストライプを形成し、そのストライプの両側にp型InPからなる下部埋込層16とn型InPからなる上部埋込層17を積層させ、さらにp型クラッド層18の下層部の上面及び上部埋込層17の上面にp型クラッド層18の残りの一部(上層部)とp型コンタクト層19を積層させ、その後にp型コンタクト層19の上面にp電極20、半導体基板11の下面にn電極21をそれぞれ設けて形成されている。そして、光の出射端面は、高反射率膜の施された端面(HR端面)22b、低反射率膜の施された端面(LR端面)22aより成っている。
活性層14としては、図2に示すように、4層の井戸層14aとこの各井戸層14aの上下両側に位置する5層の障壁層14bとを積層したMQW構造を採用し、また、この活性層14の下側に位置するSCH層13及び上側に位置するSCH層15は、それぞれ、層13a、13b、13c及び層15a、15b、15cからなる3層構造としている。
活性層14を中心とした各層の屈折率は、図3に示すように、活性層14から遠ざかるほど小さく設定し、かつ、InGaAsPからなるn型クラッド層32の屈折率はInPからなるp型クラッド層18の屈折率より大きく設定している。具体的には、活性層14における障壁層14bの屈折率をns、n型クラッド層32の屈折率をna、p型クラッド層18の屈折率をnb、SCH層13を構成する各層13a、13b、13cの屈折率をそれぞれn1、n2、n3及びSCH層15を構成する各層15a、15b、15cの屈折率をそれぞれn1、n2、n3(SCH層13を構成する各層と同一の屈折率)とすると、各層の屈折率の大小関係は、図3に示すように、ns>n1>n2>n3>na>nbとなっている。
また、この半導体レーザ30においては、図3に示すように、SCH層13、15を構成する各層の隣接するもの同士の屈折率差が、活性層14から各クラッド層32、18へ向かうほど小さくなるように、すなわち、ns−n1>n1−n2>n2−n3>n3−nb>n3−naとなるように設定している。なお、SCH層13を構成する各層13a、13b、13cのそれぞれの厚みt1、t2、t3及びSCH層15を構成する各層15a、15b、15cのそれぞれ厚みt1、t2、t3は、共にそれぞれ等しく、すなわちt1=t2=t3としている。
そして、このように構成された半導体レーザ30のp電極20とn電極21との間に直流電流を印加すると、活性層14で光が生起され、その生起された光Pの大部分が半導体レーザ30のLR端面22aから、そのわずかな残りがHR端面22bからそれぞれ外部へ出射される。
以上のような構造の本発明の半導体レーザ30は、次のような特徴を有している。すなわち、図3の屈折率特性に示したように、SCH層13、15を構成する各層の隣接するもの同士の屈折率差が、活性層14から各クラッド層32、18へ向かうほど小さくなるように設定されているので、SCH層13、15内における活性層14の近傍領域の屈折率の大きい領域においては屈折率が急激に小さくなり、逆に各クラッド層32、18の近傍領域の屈折率の小さい領域においては屈折率が緩慢に小さくなる。このため、光導波路(活性層14及びSCH層13、15)内で光の集中度を緩和する、すなわち、光閉じ込め係数を低くすることができ、内部損失が低下する。
また、InGaAsPからなるn型クラッド層32の屈折率naは、InPからなるp型クラッド層18の屈折率nbより大きいので、図4に示すように、光の分布が、両クラッド層32、18を同一の屈折率にしたときの対称な特性A´に対して、特性Aのようにn型クラッド層32側に偏って分布する。このため、活性層14及びSCH層13、15における光閉じ込め係数を低くしたことによるp型クラッド層18における価電子帯間光吸収による光損失の増加を抑制することができ、高出力のレーザ光を得ることが出来る。
また、活性層14とInGaAsPからなるn型クラッド層32との屈折率差が、InPからなるn型クラッド層12を用いた従来例のものより小さいので、横高次モードを抑圧できる最大の活性層14の活性層幅も拡大することができ、レーザ光の高出力化にさらに有利になる。また、n型クラッド層12内に屈折率の大きい光フィールド制御層23を設けた従来例のものより、構造が簡単で、活性層幅を拡大でき、素子の電気抵抗の増加による発光効率の低下も防止できる。そして、p型クラッド層18の厚さを増加させる必要がなく、素子の電気抵抗の増加による光出力の低下を招く恐れもなくなる。
次に、本発明の半導体レーザ30が、図5に示す屈折率特性を有する場合について説明する。上述の場合では、活性層14及びSCH層13、15における光閉じ込め係数を低くするための一つの方法として、SCH層13、15を構成する各層の隣接するもの同士の屈折率差が活性層14から各クラッド層32、18へ向かうほど小さく、かつ、各層の厚さが等しくなるように、すなわち、ns−n1>n1−n2>n2−n3>n3−nb>n3−na、かつ、t1=t2=t3となるように設定していたが、この場合では、図5に示すように、SCH層13、15を構成する各層の隣接するもの同士の屈折率差が等しくし、かつ、各層13a、13b、13c及び各層15a、15b、15cのそれぞれの厚みt1、t2、t3が共に活性層14から各クラッド層32、18へ向かうほど大きくなるように、すなわち、ns−n1=n1−n2=n2−n3=n3−nb>n3−na、かつ、t1<t2<t3となるように設定する。この場合にも図3に示す場合と同様な特徴を有している。
次に、本発明の半導体レーザ30が、図6に示す屈折率特性を有する場合について説明する。上述の図3の場合では、ns−n1>n1−n2>n2−n3>n3−nb>n3−na、かつ、t1=t2=t3となるように設定していたが、この場合では、図6に示すように、SCH層13、15を構成する各層の隣接するもの同士の屈折率差は図3の場合と同一に、かつ、各層13a、13b、13c及び各層15a、15b、15cのそれぞれの厚みt1、t2、t3は図5の場合と同一となるように、すなわち、ns−n1>n1−n2>n2−n3>n3−nb>n3−na、かつ、t1<t2<t3となるように設定する。この場合にも図3に示す場合と同様な特徴を有している。
この図6に示す屈折率特性の場合の半導体レーザ30について、屈折率、厚さ等の具体的数値例を示す。HR端面22bとLR端面22a間の長さで決まる共振器長を2.3mm、活性層14の活性層幅を4.0μmとし、また、それぞれの層の屈折率を組成波長で表して、ns=1.2μm、n1=1.15μm、n2=1.08μm、n3=0.99μm、na=0.95μm、nb=0.925μmとし、また、各層の厚さをそれぞれ、t1=3.0nm、t2=8.0nm、t3=25nmとした。なお、nb=0.925μmは、p型クラッド層18が組成の決まっているInPによって構成されているので、一義的に決まる組成波長である。
ここで、上記の具体的数値例に基づく半導体レーザ30の製造工程の一例を説明する。(1)先ず、不純物濃度1〜2×1018/cm3のn型InPの半導体基板11上に、有機金属気相成長(MOVPE)法を用いて、層厚7.5μm、不純物濃度1〜2×1018/cm3、組成波長0.95μmのInGaAsPからなるn型クラッド層32を形成する。続いて、組成波長0.99μm、1.08μm、1.15μmのノンドープInGaAsPをそれぞれ25nm、8.0nm、3.0nmの厚さで積層して、SCH層13を形成する。続いて、SCH層13の上に、InGaAsPの井戸層14aとInGaAsPの障壁層14bを交互に成長させ、井戸層数4の多重量子井戸構造の活性層14を形成する。続いて、活性層14の上に、組成波長1.15μm、1.08μm、0.99μmのノンドープInGaAsPをそれぞれ3.0nm、8.0nm、25nmの厚さで積層して、SCH層15を形成する。そして、SCH層15の上に、層厚0.5μm、不純物濃度5〜7×1017/cm3のInPからなるp型クラッド層18の下層部を成長させる。
(2)次に、プラズマCVD法等により全面にSiNx膜を数10nm程度堆積し、これをフォトリソグラフィ工程で幅7μm程度のストライプ状に形成したものをエッチングマスクとして、塩酸、過酸化水素水、水の混合液からなるエッチング溶液に浸し、メサ形状を形成する。これにより活性層幅はおよそ4μmとなる。
(3)次に、上述のSiNx膜を成長阻害マスクに利用して、MOVPE法により、p型InPの下部埋込層16、n型InPの上部埋込層17を積層して、メサ型のストライプの両側を埋め込んだ後、SiNx膜を除去する。その後、全面に、層厚2.5μm、不純物濃度5〜7×1017/cm3のInPからなるp型クラッド層18の上層部を成長させ、さらに、層厚0.3μm、不純物濃度5×1018/cm3程度のInGaAsPからなるp型コンタクト層19を成長させる。
(4)そして、p型コンタクト層19の上面にp電極20を形成し、半導体基板11の下面にn電極21を形成した後、長さ2.3mmで切り出し、端面の一方にHR膜を施してHR端面22bとし、他方にLR膜を施してLR端面22aとして、半導体レーザ30となる。
なお、上述の(1)の工程で、n型クラッド層32の層厚を7.5μmとしているが、4元素であるInGaAsPの場合格子間間隔を合わせてこのような厚さに形成することは通常は困難であり、特に組成波長0.95μmの場合、GaとAsの割合がInやPに対して微量となってさらに困難さが増すが、希釈原料の導入や各ガスの流量と成長速度の制御によってこれを実現している。
このように製造された実施例の半導体レーザ30の供給電流対出力の特性を図7に示す。図7において、特性Fは本発明の半導体レーザ30の特性であり、特性F´はInPからなるp型クラッド層18と同じ屈折率のInPからなるn型クラッド層12を用いた、活性層幅が3.3μmの従来例の半導体レーザ10(光フィールド制御層23を含んでいないもの)の特性である。
この図7から明らかなように、特性Fの光出力は特性F´より大きくなっており、特に低電流領域のスロープ効率(傾き)が格段に大きくなっており、InPからなるp型クラッド層18より屈折率の大きいInGaAsPからなるn型クラッド層32を用いたことによる顕著な効果が現れている。また、活性層幅を従来例の3.3μmから4μmに広げることができたことにより、放熱効果が大となり、飽和出力の電流値が増加している。
また、この半導体レーザ30のp型クラッド層18内における光閉じ込め係数は21パーセントであり、従来例の半導体レーザ10の場合の42パーセントに対して大幅に低減していることが確認されている。また、実際に製造した半導体レーザ30から見積もった活性層14における内部損失の値も、従来例の半導体レーザ10の場合が5〜6cm-1であるのに対し、この半導体レーザ30の場合には、3.5cm-1まで改善されている。
本発明の半導体レーザの活性層14に注入される電流密度がHR端面22bからLR端面22aに向かって増加させる場合について説明する。上述の実施例1では、活性層幅がHR端面22bとLR端面22a間で例えば4μmと一定で、かつp電極20及びn電極21から活性層14に注入される電流も一定であるために、単位面積当たりの電流すなわち電流密度もHR端面22bとLR端面22a間で一定であった。活性層14内の光強度はHR端面22bからLR端面22aに向かって指数関数で増大し、実施例1のように活性層幅が一定の場合には、単位面積当たりの光強度すなわち光密度も同様に指数関数で増大する。HR端面22bからの距離zのところの光強度I(z)は、HR端面22bでの光強度I0、単位長さ当たりの内部利得gを用いて、[I(z)=I0exp(g・z)]表される。
このように、活性層14に注入される電流密度が一定の場合には、LR端面に向かって光強度が増大すると、それに伴ってキャリア密度も減少するため、光強度が大きいLR端面付近でキャリアが不足し、光出力の最大値が制限されるという現象が起こる。
この実施例2では、光強度の増大によりキャリア密度の不足が起こるという現象に対処するために、活性層14に注入される電流密度をHR端面22bからLR端面22aに向かって増加させて、キャリア密度の減少を抑えるようにした。具体的には、図8に示すように、p電極20が活性層14のストライプ方向に例えば3個のp電極201、202、203に分離溝24a、24bを挟んで分割されており、各p電極201、202、203はそれぞれS1、S2、S3の面積を有するとともに、不図示の外部電源からそれぞれI1、I2、I3の直流電流が印加される。活性層14に注入される電流密度をHR端面22bからLR端面22aに向かって増加させるために、図8においては、各p電極201、202、203に供給されるそれぞれの直流電流I1、I2、I3を等しく、かつ、各p電極201、202、203のそれぞれの面積S1、S2、S3をHR端面22bからLR端面22aに向かって小さくしている。すなわち、直流電流をI1=I2=I3とし、面積をS1>S2>S3としている。
なお、上記説明では、直流電流I1、I2、I3を等しくするようにしたが、面積S1、S2、S3を等しくして、直流電流I1、I2、I3をHR端面22bからLR端面22aに向かって、大きくしてもよい。すなわち、面積をS1=S2=S3とし、直流電流をI1<I2<I3とする。
本発明の実施例2の半導体レーザ40においては、活性層14に注入される電流密度をHR端面22bからLR端面22aに向かって増加させることにより、LR端面22a側での光強度密度の増大によるキャリア密度の減少を抑え、さらに光出力の高出力化が図ることができる。
次に、実施例2に示すp電極が分割している半導体レーザ40の製造工程の一例を説明する。尚、実施例1にて説明した製造工程(1)〜(3)までは同一であり、製造工程(4)のみ相違する。よって以下では(4)の工程のみ説明する。
(1)〜(3)実施例1と同一。
(4)リフトオフ法によりp型コンタクト層19の上面にp電極パターンを形成した後、これをマスクとしてコンタクト層を硫酸系エッチング溶液で削り、電極分離用の溝24a、24bを形成する。そして、半導体基板11の下面にn電極21を形成してから、長さ2.3mmで切り出し、端面の一方にHR膜を施してHR端面22bとし、他方にLR膜を施してLR端面22aとして、半導体レーザ40となる。
なお、上述の実施例1〜2の半導体レーザでは、n型の半導体基板11上に各層を形成した例を示したが、図9に示すように、p型の半導体基板11´上に各層を形成した半導体レーザにおいても、そのn型クラッド層32を、InPからなるp型クラッド層18より屈折率が大きいInGaAsPによって構成することで、実施例1と同様な効果を得ることができ、また活性層14の上方に位置するn電極21を活性層14のストライプ方向に分割することで、実施例2と同様な効果を得ることができる。
また、上述の実施例1〜2の半導体レーザでは、SCH層13の最も外側の層13cの屈折率を、InGaAsPからなるn型クラッド層32の屈折率より大きくしていたが、図10に示すように、InGaAsPからなるn型クラッド層32の屈折率より小さくしてもよい。
また、上述の実施例1〜2の半導体レーザでは、n型クラッド層32を構成するInGaAsPの組成波長を0.95μmとしていたが、本発明はこれに限定されるものではない。ただし、活性層14への光閉じ込め係数にもよるが、一般的な高出力レーザにおいてInGaAsPの組成波長を0.98μmより大きくすると、活性層を導波する光(導波光)はこのn側クラッドの影響を強く受け過ぎて、導波モードが存在できなくなるので、n型クラッド層32を構成するInGaAsPの組成波長は0.98μm以下にするのが望ましい。
本発明の実施例1の全体構成を示す斜視図 本発明の実施例1の要部の断面模式図 本発明の実施例1の各層の屈折率特性を示す図 本発明の実施例1の光の分布特性を示す図 本発明の実施例1の各層の屈折率特性を示す図 本発明の実施例1の各層の屈折率特性を示す図 本発明の実施例1の供給電流対出力の特性を示す図 本発明の実施例2の全体構成を示す斜視図 本発明の他の実施例のp型半導体基板で構成した例を示す断面模式図 本発明の他の実施例の各層の屈折率特性を示す図 従来例の全体構成を示す斜視図 従来例の要部の断面模式図 従来例の要部の屈折率特性を示す図 別の従来例の要部の屈折率特性を示す図
符号の説明
10,30…半導体レーザ、11,11´…半導体基板、12,32…n型クラッド層、13,15…SCH層、14…活性層、14a…井戸層、14b…障壁層、16,17…上部埋込層、18…p型クラッド層、19…p型コンタクト層、20、201、202、203…p電極、21…n電極、22a…LR端面、22b…HR端面、23…光フィールド制御層、24…分離溝

Claims (3)

  1. InPからなる半導体基板(11)上に、多重量子井戸構造を含む活性層(14)と、該活性層を挟むn型クラッド層(32)及びInPからなるp型クラッド層(18)と、前記活性層に電流を注入するためのp電極(20)及びn電極(21)とを設けるとともに、光の出射端面が高反射率膜の施された端面(22b)と低反射率膜の施された端面(22a)とでなる半導体レーザにおいて、
    前記n型クラッド層をInGaAsPによって構成し、
    かつ、前記活性層の上方に位置する前記p電極または前記n電極のいずれか一方を前記活性層のストライプ方向に複数個に分割したことを特徴とする半導体レーザ。
  2. 前記複数個に分割されたそれぞれの電極の活性層上を占める長さが、前記高反射率膜の施された端面から前記低反射率膜の施された端面に向かって減少していることを特徴とする請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 前記n型クラッド層を構成する前記InGaAsPの組成波長が0.98μm以下であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の半導体レーザ。
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