JP3408247B2 - 半導体レーザ素子 - Google Patents
半導体レーザ素子Info
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Description
導体レーザ素子に関するものである。
ーザ素子が従来から広く使用されており、この種の典型
的な埋め込み型導波路を有する量子井戸半導体レーザ素
子の構造が図4に示されている。
部分に量子井戸層7が形成され、この量子井戸層7の左
右両側に狭窄層8が形成されている。前記量子井戸層7
はN型クラッド層2の上側に光閉じ込め層(GRIN−
SCH領域)3と活性層4と光閉じ込め層5とInPか
らなるP型クラッド層6を順に積層形成したものからな
り、光閉じ込め層3,5は4種類の異なる組成のGaI
nAsPの層、すなわち、バンドギャップ波長λgが
1.05,1.10,1.20および1.30μmであ
って厚みがそれぞれ300Åの4種類のGaInAsP
を積層して屈折率を階段状に変化させ、活性層4内の光
を上下両側から閉じ込める機能を有している。
55μmであって厚みが65ÅのGaInAsPからな
るウェル層と、バンドギャップ波長λgが1.30μm
であって厚みが80ÅのGaInAsPからなるバリヤ
層とによるウェル数5のMQW活性層で構成されてい
る。
製するときには、InP基板1の上側の全面に亙ってN
型クラッド層2と光閉じ込め層3と活性層4と光閉じ込
め層5とP型クラッド層6を積層形成し、然る後に、量
子井戸の幅Lを約2μm残してメサ・ストライプ形状に
なるようにその左右両側をエッチングで除去し、この除
去した部分に、P型InP層9とN型InP層10を再
成長することによって埋め込んで狭窄層8となし、これ
ら活性層4と狭窄層8を形成した上側にInPからなる
P型クラッド層11を成長形成し、然る後に、下面側に
N側電極12を、上面側にP側電極13を形成すること
によって作製される。
には、P側電極13にプラス側の電源電圧を印加し、N
側電極12に電源電圧のマイナス側を接続する。P側電
極13からN側電極12に流れる電流は狭窄層8には流
れないので、量子井戸層7に集中して流れることとな
り、これにより、活性層4が励起され、この活性層4の
励起によって活性層4の一方側の端面から光源光が発せ
られる(通常、活性層4の両端側に反射率の異なる反射
膜が形成され、活性層4内で励起された光のパワーが反
射率の小さい方のしきい値を越えたときにその端面側か
ら光源光が発せられる)。
の半導体レーザ素子を作製する場合、活性層4の断面形
状が長方形状になるのを避けることができず、このた
め、活性層4から発せられる垂直な方向のビームの広が
り角は活性層4の水平方向(平行な方向)のビームの広
がり角よりも大きくなる。例えば、前記従来例の半導体
レーザでは活性層4の垂直方向のビームの広がり角は3
6°となり、活性層4の水平方向のビームの広がり角は
25°程度となり、垂直方向のビームの広がり角が大き
くなるので、活性層4から発せられるビームの断面形状
が楕円形となり、半導体レーザ素子から円形コアの光フ
ァイバへ光を導入するとき、その光の結合効率が悪くな
るという問題があった。
なされたものであり、その目的は、活性層から発するビ
ームの広がりパターンをほぼ円形状にして光ファイバへ
の結合効率を高めることができる半導体レーザ素子を提
供することにある。
するために、次のように構成されている。すなわち、 第
1の発明は、InP基板上に複数のGa1−XInXA
s1−YPY井戸層とバリヤ層からなる多重量子井戸を
含む活性層と、該活性層を上下両側からサンドイッチ状
に挟む光閉じ込め層とを有する埋込み型半導体レーザ素
子において、前記活性層を両側から挟むそれぞれの光閉
じ込め層の厚みは活性層よりは薄く、かつ、活性層と上
下の光閉じ込め層の厚さの総和を1000Å以上200
0Å以下にしたことを特徴として構成されている。
構成を備えたものにおいて、半導体レーザ素子は励起光
源用であって光ファイバと光結合させて用いるものとし
たことを特徴とする。
構成を備えたものにおいて、励起帯波長を1.48μm
帯としたことを特徴とする。
の光閉じ込め層との厚さの総和を2000Å以下に薄く
したことで、光閉じ込め係数が小さくなり、活性層内で
励起される光のエネルギは活性層から光閉じ込め層の外
側のクラッド層側に滲み出す。この滲み出し量は量子井
戸の幅の中間部分で最大になる結果、このクラッド層側
に滲み出した領域を加味した光放射面は円形に近くな
り、これにより、放射される光の垂直方向と水平方向の
ビームの広がり角はほぼ等しくなり、円形に近いモード
パターンのビームが光源光として出力される。
する。なお、従来例と同一の部分には同一符号を付し、
その重複説明は省略する。図1には本発明に係る半導体
レーザ素子の一実施例が示されている。この実施例の半
導体レーザ素子も従来例と同様に量子井戸構造を呈し
て、量子井戸層7と狭窄層8を有している。そして、こ
れら、InP基板1上に形成される各層はMO−CVD
(Metal−Organic Chemical V
apor Deposition )による気相成長等
を利用して形成されている。この実施例における量子井
戸層7は従来例と同様にInP基板1上にN型クラッド
層2と光閉じ込め層23と活性層24と光閉じ込め層2
5とP型クラッド層6を積層して形成されてなるが、本
実施例が従来例と異なる第1の特徴的なことは、光閉じ
込め層23,25と活性層24の厚みの総和を2000
Å以下にしたことであり、第2の特徴は光閉じ込め層2
3,25の厚みを活性層24の厚みよりも薄くしたこと
であり、それ以外の構成は前記従来例と同様である。
長λgが1.20μmと1.30μmであって層厚が共
に200Åの異なる2種類のGaInAsPにより構成
されており、また、光閉じ込め層25も同一の構成とな
っている。活性層24は従来例と同様に、バンドギャッ
プ波長λgが1.55μmで層厚が65ÅのGaInA
sPのウェル層と、バンドギャップ波長が1.30μm
で層厚が80ÅのGaInAsPのバリヤ層からなり、
そのウェル数は5である。この実施例では、光閉じ込め
層23の層厚が400Å、活性層24の層厚が645
Å、光閉じ込め層25の層厚が400Åとしたことで、
光閉じ込め層23と活性層24と光閉じ込め層25の厚
みの総和は1445Åとなり、従来例の3045Åに比
べ薄型となっている。
き、電極12,13間に流れる電流は量子井戸層7に集
中して活性層24内に閉じ込められる光を励起し、活性
層24内の光エネルギを高めるが、このとき、光閉じ込
め層23,25の層厚を薄くしたことで、光閉じ込め係
数が小さくなり、この結果、活性層25内に閉じ込めら
れて活性化された光のクラッド層2,6へのしみ出しが
大きくなる。このクラッド層2,6への光のしみ出し
は、量子井戸の幅Lの中央部がいちばん大きく、両端側
に向かうにつれ、徐々にしみ出し量が小さくなるので、
活性層24とクラッド層2,6のしみ出し部分を併せた
光放射の断面形状はほぼ円に近い形状となり、これによ
り、活性層24および光のしみ出し部分から発せられる
ビームの広がり角は垂直方向と水平方向でほぼ同一の角
度となり、ほぼ円形モードパターンの光となって出力さ
れることとなる。
作製し、その放射されるビームの広がり角度を測定した
ところ、図2の測定結果を得た。これによれば、50m
Wの放射パワーの時の垂直方向の広がり角は25.0°
(同図の(b))であり、水平方向の広がり角度は2
5.4°(同図の(a))であり、ほぼ真円に近い放射
ビームパターンを作り出すことができた。
−HRコーティングして共振器長1mmとしたレーザダ
イオードに光ファイバを結合してモジュール化した装置
の出力特性を示したものである。これによれば、駆動電
流1Aのときに、光ファイバの端光出力として128m
Wという励起光源用として使用され得る高出力が得られ
ており、このときの半導体レーザ素子と光ファイバの結
合効率は70%であった。なお、このときの半導体レー
ザの励起帯波長は活性層のウエル層及びバリヤ層の層厚
と各層のバンドギャップ波長から発光波長を計算すると
1.48μm帯となる。従来例の半導体レーザ素子と光
ファイバの結合効率を同様に調べたところ、その結合効
率は50%程度であり、従来例に場合に比べ、本実施例
は約20%も結合効率を向上させることができた。
とはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上記
実施例では光閉じ込め層23,25と活性層24の総和
の厚みを1445Åにしたが、この総和の厚みは200
0Å以下であればよい。本発明者は光閉じ込め層23,
25と活性層24の厚みの総和と、クラッド層への光の
滲み出しによる出射ビームの広がり角との関係を実験に
よって調べたところ、前記総和の厚みが2000Åを越
えた場合には光滲み出し量はほとんどなくなってビーム
の出射パターンはほぼ楕円形状となり、光ファイバとの
結合効率の特性改善が得られなかったが、総和の厚みが
2000Åを境界として、それ以下になるにつれ、光の
滲み出しが次第に大きくなり、出射ビームパターンの形
状が楕円形から円形に近くなり、光ファイバへの結合効
率を向上できることを確認できた。
従来例と同様の厚みにし、光閉じ込め層23,25の厚
みを薄くすることで、活性層24と光閉じ込め層23,
25の総和の厚みを薄くしたが(本実施例では光閉じ込
め層23,25の厚みを活性層24よりも薄くしてい
る)、もちろん、光閉じ込め層23,25と共に、活性
層24の厚みを薄くしてもよい。
層の上下両側の光閉じ込め層との厚みの総和を2000
Å以下にしたものであるから、この総和が薄型となっ
て、光閉じ込め係数が小さくなり、活性層内に閉じ込め
られて活性化された光のクラッド層へのしみ出し量が多
くなる。特に、活性層を挟む両方の光閉じ込め層の厚み
を活性層の厚みよりも薄くすることで、従来例に比べ、
光閉じ込め層の格段の薄型化が図れ、光のしみ出し効果
が得られるとともに、活性層とこの活性層の上下両側の
光閉じ込め層との厚みの総和を2000Å以下の薄型構
造にするのが容易となる。活性層とこの活性層の上下両
側の光閉じ込め層との厚みの総和を2000Å以下にし
た薄型構造により、半導体レーザ素子から出射するビー
ムの垂直方向の広がり角を小さくして、垂直方向と水平
方向の広がり角をほぼ同じくして円形モードパターンの
ビームとして出力することができるので、光ファイバに
対する結合効率を格段に高めることができる。
発射させる場合、活性層とこの活性層の上下両側の光閉
じ込め層との厚みの総和が厚いと、発射ビームのビーム
パターンは楕円パターンとなってしまうが、本発明のよ
うに、活性層とこの活性層の上下両側の光閉じ込め層と
の厚みの総和を2000Å以下に薄型化することにより
励起光源用の高出力の発射ビームにおいても良好な円形
モードのビームパターンが得られるという効果を奏する
ものである。
面構成図である。
のグラフである。
ュールにおける出力特性グラフである。
図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 InP基板上に複数のGa1−XInX
As1−YPY井戸層とバリヤ層からなる多重量子井戸
を含む活性層と、該活性層を上下両側からサンドイッチ
状に挟む光閉じ込め層とを有する埋込み型半導体レーザ
素子において、前記活性層を両側から挟むそれぞれの光
閉じ込め層の厚みは活性層よりは薄く、かつ、活性層と
上下の光閉じ込め層の厚さの総和を1000Å以上20
00Å以下にしたことを特徴とする半導体レーザ素子。 - 【請求項2】 半導体レーザ素子は励起光源用であって
光ファイバと光結合させて用いるものとした請求項1記
載の半導体レーザ素子。 - 【請求項3】 励起帯波長を1.48μm帯とした請求
項2記載の半導体レーザ素子。
Priority Applications (1)
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JP2001106894A JP3408247B2 (ja) | 2001-04-05 | 2001-04-05 | 半導体レーザ素子 |
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JP16698892A Division JP3234282B2 (ja) | 1992-06-02 | 1992-06-02 | 半導体レーザ素子 |
Related Child Applications (1)
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JP2001106894A Expired - Lifetime JP3408247B2 (ja) | 2001-04-05 | 2001-04-05 | 半導体レーザ素子 |
Country Status (1)
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN104466677A (zh) * | 2013-09-20 | 2015-03-25 | 瑞萨电子株式会社 | 制造半导体器件的方法及半导体器件 |
-
2001
- 2001-04-05 JP JP2001106894A patent/JP3408247B2/ja not_active Expired - Lifetime
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CN104466677A (zh) * | 2013-09-20 | 2015-03-25 | 瑞萨电子株式会社 | 制造半导体器件的方法及半导体器件 |
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JP2001352132A (ja) | 2001-12-21 |
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