JPH09199782A - 半導体レーザ - Google Patents

半導体レーザ

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JPH09199782A
JPH09199782A JP455396A JP455396A JPH09199782A JP H09199782 A JPH09199782 A JP H09199782A JP 455396 A JP455396 A JP 455396A JP 455396 A JP455396 A JP 455396A JP H09199782 A JPH09199782 A JP H09199782A
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JP
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semiconductor laser
layer
stripe
inp
active layer
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JP455396A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Fujiwara
潔 冨士原
Tomoaki Uno
智昭 宇野
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 レーザ活性なストライプ状共振器内のキャリ
ア密度分布を均一にし、高バイアス駆動においても利得
の飽和の少なくし、高出力動作を得る。 【解決手段】 n-InP基板1上にn-InPクラッド層2、InGa
AsP導波路層3と圧縮歪が導入されたInGaAsP井戸層4の5
層、InGaAsPバリア層5の4層とからなり、室温でのフォ
トルミネッセンス波長が1.45μmに設定された量子井戸
構造活性領域6、p-InPクラッド層7を積層させる。その
後、ストライプ状共振器8を形成し、さらにp-InP電流ブ
ロック層9、n-InP電流ブロック層10、p-InP埋め込み層1
1、p-InGaAsコンタクト層17を積層する。高出力化のた
めに、出射端面に絶縁膜で低反射率コート15及び高反射
率コート16を施す。誘電体膜を高反射率コートして形成
される側のストライプ状共振器のストライプ幅Wa1を2μ
mとし、低反射率コートして形成される側のストライプ
状共振器のストライプ幅Wa2を1.4μmに設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ活性領域に
多重量子井戸構造を有する高出力半導体レーザに関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、光通信分野において、希土類材料
のエルビウムを添加した光ファイバによる光増幅器が開
発され広く利用されようとしている。この光増幅器は、
1.53-1.57μmの波長域で光学利得を有し、信号光を光の
ままで増幅することができる。増幅のためのエネルギー
は、0.98μmや1.48μmの波長のレーザ光によって希土類
材料のエルビウムイオンを光学的に励起状態にすること
によって与えられる。この種の励起用の半導体レーザに
要求される特性としては、(1)高出力、(2)高効
率、(3)発振波長が希土類元素吸収スペクトルと一致
する、(4)光ファイバとの光結合効率が高いことが挙
げられる。従来例の半導体レーザ素子の構成図を図9に
示す。
【0003】従来のレーザは、n-InP基板1上にn-InPク
ラッド層2、InGaAsP導波路層3とInGaAsP井戸層4とInGaA
sPバリア層5からなる量子井戸構造活性領域6、p-InPク
ラッド層7を積層させた後、エッチングによりストライ
プ状共振器8を形成し、さらにp-InP電流ブロック層9、n
-InP電流ブロック層10、p-InP埋め込み層11、p-InGaAsP
コンタクト層12を積層後、p型電極13及びn型電極14を形
成することによって作製する。さらに高出力化のため
に、出射端面に絶縁膜で低反射率コート15及び高反射率
コート16を施す。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したような種類の
従来の半導体レーザ素子に於いては、レーザ発振スペク
トルの幅が波長領域で大きく拡がるという課題がある。
このことは、図10に示すように素子の活性領域の一部
のキャリア密度が非常に高く励起されていることに基ず
くものであることを我々は独自に見いだし、さらに高出
力特性を得る上でも、高い信頼性を得る上でも課題とな
ることが判った。
【0005】また、近年光ファイバーとの結合効率を向
上させる試みとして、レーザの出射端面側の活性層幅を
極端に狭くすることによってレーザの放射角を狭くする
ことが検討されている。一例としてP.DoussiereらがApp
lied Physics Letter Vol.64No.5 539(1994)で報告して
いる構造図を図11に示す。
【0006】この構造を用いることにより、レーザの放
射角が従来の半分程度の13度となり、ファイバーとの結
合効率が30%程度向上することが報告されている。しか
しながら、この構造では、活性層幅の狭い領域で上記の
従来例と同様に利得の飽和が顕著となり、高バイアスで
高出力を得ることができないという問題点がある。
【0007】本発明は、高出力半導体レーザにおいて、
高バイアス電流駆動時でも光出力飽和の少ない特性を得
ることと、光ファイバとの光結合効率が高いこととを同
時に実現し、さらに高い信頼性を得ることを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、多重量子井戸構造と導波路層からなる活性
層を有するメサ状ストライプが電流狭窄層によって埋め
込まれている埋め込み型半導体レーザの、一端の劈開面
が誘電体膜により高反射率に設定され、他端の劈開面が
誘電体膜により低反射率に設定された半導体レーザ素子
において、前記誘電体膜により高反射率に設定される側
の前記活性層のストライプ幅Wa1が、前記誘電体膜に
より低反射率に設定される側の前記活性層のストライプ
幅Wa2よりも広く設定されており、かつ前記ストライ
プ幅Wa2が1.4μm以上としたものである。
【0009】また上記発明が、誘電体膜により高反射率
に設定された劈開面から低反射率に設定された劈開面に
向かって、ストライプ状の活性層の少なくとも一部にお
いて、多重量子井戸構造のバンドギャップ組成波長を短
くしたものである。
【0010】また以上の発明が、共振器方向に対して不
均一に活性層へ電流注入されるように、ストライプ状の
活性層の上下に形成される電極のどちらか一方あるいは
両方の電極が多数の電極で構成したものである。
【0011】また以上の発明が、誘電体膜により高反射
率に設定された劈開面から低反射率に設定された劈開面
に向かって、メサストライプの高さを変化させることに
より、電流狭窄の効果を強くしたものである。
【0012】また以上の発明が、p型のオーミック電極
をp-InGaASコンタクト層とPt,Ti,Ptの金属多層膜から構
成したものである。
【0013】また以上の発明が、メサストライプ上また
は下に存在するp型半導体層のキャリア濃度が連続的あ
るいは段階的に変化するようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施例について
図面を用いて詳細に説明する。
【0015】(実施の形態1)図1は本発明第一の実施
例の半導体レーザ素子構成図である。
【0016】n-InP基板1上に厚さ0.5μmのn-InPクラッ
ド層2、厚さ100nmのInGaAsP導波路層3と1%の圧縮歪が
導入された厚さ5nmのInGaAsP井戸層4の5層、厚さ10nm
のInGaAsPバリア層5の4層とからなり、室温でのフォト
ルミネッセンス波長が1.45μmに設定された量子井戸構
造活性領域6、厚さ0.4μmのp-InPクラッド層7を積層さ
せた後、エッチングによりストライプ状共振器8を形成
し、さらに平坦部での厚さ1μmのp-InP電流ブロック層
9、平坦部での厚さ1μmのn-InP電流ブロック層10、厚さ
2μmのp-InP埋め込み層11、厚さ0.2μmのp-InGaAsコン
タクト層17を積層後、Pt層、Ti層、Pt層からなるp型電
極18及びn-InP基板1にn型電極14を形成することによっ
て作製する。
【0017】さらに高出力化のために、出射端面に絶縁
膜で低反射率コート15及び高反射率コート16を施す。こ
こで誘電体膜を高反射率コートして形成される側の前記
ストライプ状共振器のストライプ幅Wa1を2μmとし、低
反射率コートして形成される側の前記前記ストライプ状
共振器のストライプ幅Wa2を1.4μmに設定してある。ま
たストライプ幅はWa1からWa2まで連続して緩やかに変化
している。
【0018】ここでWa1を2μmとした理由は、今回用い
た量子井戸構造活性領域から計算される基本モード発振
の活性層幅は2.2μm以下であることによる。また光出力
のほとんどが出射される低反射率コート側のストライプ
幅Wa2を1.4μmに設定した理由は、図2(a)に示すように
放射角を20度以下にすることと同時に、図2(b)に示す
ようにレーザの損失を10cm-1以下にするためには、活性
層幅を1.4μm以上1.8μm以下にする必要があることが我
々の実験から明らかになったためである。
【0019】この構成に於いて得られる半導体レーザ素
子の特性を図3を用いて説明する。図3(a)は共振器方
向の光強度分布とキャリア密度分布を示す。ストライプ
幅を変化させる効果により、キャリア密度分布が平坦化
されるために、図3(b)に示すように共振器内部の各点
(a),(b),(c)に於いて光学利得プロファイルが等しくな
り、その結果出力されるレーザ光強度スペクトルの波長
幅が抑制される。
【0020】また共振器内部に於いてキャリア密度が平
均化されるために、従来例のように共振器の一部のみが
高励起状態になるために利得が飽和しやすく、また電気
的に電流を共振器領域に制限するための埋め込み層でサ
イリスタ動作を引き起こしやすいという課題がなくな
り、周囲温度の変化に対しても安定に高い光出力動作が
得られる。
【0021】また高励起状態の部分では、キャリア密度
のほぼ3乗に比例して増加するオージェ再結合によるキ
ャリア寿命の短くなることや価電子帯の正孔の増加によ
り価電子帯間光吸収の効果が顕著になることが、レーザ
発振を劣化させるメカニズムとして作用するが、本発明
により上記の特性劣化要因をなくすことができる。ま
た、一般にレーザの放熱を向上させるために、活性層に
近いp型電極側をヒートシンクに半田付けする構成がと
られるが、Pt/Ti/Ptの多層膜で構成される低抵抗ノンア
ロイ電極を用いるため、熱伝導の悪いp-InGaAsコンタク
ト層の厚みを0.2μm以下に薄くすることができ放熱特性
が改善されるため、高バイアス駆動時でも熱による出力
飽和を抑制することができる。
【0022】さらに、出射端面の放射角は20度以下であ
るため、レンズを用いることにより容易に光ファイバー
への高い結合効率が実現できる。
【0023】(実施の形態2)次に本発明の第二の実施
例について図面を用いて説明する。
【0024】図4は本発明の第二実施例の半導体レーザ
の製造工程の斜視図である。図4(a)に於いて、n-InP基
板1上にSiO2マスク19を形成した後、MOVPE選択成長によ
り厚さ0.5μmのn-InPクラッド層2、厚さ100nmのInGaAsP
導波路層3と1%の圧縮歪が導入された厚さ5nmのInGaAs
P井戸層4の5層、厚さ10nmのInGaAsPバリア層5の4層と
からなる量子井戸構造活性領域6、厚さ0.4μmのp-InPク
ラッド層7を積層させる。
【0025】ここで、均一な幅のSiO2マスク領域での室
温のフォトルミネッセンス波長は1.45μmとなるように
設定する。この時、幅の変化しているSiO2マスク領域の
室温のフォトルミネッセンス波長は、1.45μmよりも短
波長側にシフトする。従って均一な幅のSiO2マスク領域
の量子井戸構造を活性領域として用いた場合、幅の変化
しているSiO2マスク領域の量子井戸構造は、発振波長に
対して透明な導波路として機能する。
【0026】上記SiO2マスクを除去した後、図4(b)に
於いて、幅の均一な成長領域には均一幅のSiO2マスク20
を、幅の変化している選択成長領域には共振器端面に向
かって狭くなるSiO2マスク20を形成させ、エッチングに
よりストライプ状共振器8を形成する。ここで幅の均一
なストライプ状共振器8の幅Wb1は2μmとし、幅の狭くな
る領域の共振器端面の幅Wb2は1.4μmとした。図4(C)に
於いて、p-InP電流ブロック層9、n-InP電流ブロック層1
0、p-InP埋め込み層11、p-InGaAsコンタクト層17を積層
する。最後に、共振器の中央部のp-InGaAsコンタクト層
を除去し、ストライプ共振器の幅の均一な領域上にはTi
層、Pt層からなるp型電極21を、ストライプ共振器の幅
の変化している領域上にはPt層、Ti層、Pt層からなるp
型電極22を形成し、n-InP基板側にn型電極14を形成する
ことによってレーザを作製する。
【0027】さらに高出力化のために、出射端面に絶縁
膜で低反射率コート15及び高反射率コート16を施す。本
構成のポイントとそれを採用した理由について、図5に
基づいて説明する。
【0028】本実施例では、高反射率コート端面からWb
1の幅を持つ均一なストライプ状共振器でのレーザ発振
により、低損失の発光が得られ、低反射率コート端面付
近では発振波長に対して透明な導波路で放射角を狭くし
ている。また、レーザ活性なストライプ共振器が均一で
あるために従来例と同様に低反射率の端面側でキャリア
密度が高くなるが、この課題を解決するために、本実施
例では低反射率端面側の領域の電極にPt層、Ti層、Pt層
からなるp型電極を、そして高反射率端面側の領域上に
はTi層、Pt層からなるp型電極を形成している。Pt層、T
i層、Pt層からなるp型電極のコンタクト抵抗率は、高反
射率側の領域に形成したTi層、Pt層からなるp型電極よ
りも低い。従って、レーザ活性なストライプ共振器内の
キャリア密度を均一化するように、活性領域へ不均一に
電流注入される。
【0029】以上の構成により、第一の実施例同様、共
振器の一部のみが高励起状態になるために利得が飽和し
やすく、また電気的に電流を共振器領域に制限するため
の埋め込み層でサイリスタ動作を引き起こしやすいとい
う課題がなくなり、高い光出力動作が得られる。なお、
本実施例ではコンタクト抵抗率の異なる電極に、Pt層、
Ti層、Pt層からなるp型電極とTi層、Pt層からなるp型電
極を用いたが、本実施例の主旨と同じであれば他の金属
で構成される電極を用いてもよい。また、一種類の電極
を用いて共振器方向に多数に分割した多電極構造で、各
電極で電流注入量を変えることによっても同様の効果が
得られる。
【0030】(実施の形態3)共振器内で電流注入を不
均一にさせる方法として、電流狭窄の強さを変えて活性
層への不均一注入を行う方法もある。図6は本発明第三
の実施例の半導体レーザ素子構成図である。n-InP基板1
上に厚さ0.5μmのn-InPクラッド層2、厚さ100nmのInGaA
sP導波路層3と1%の圧縮歪が導入された厚さ5nmのInGa
AsP井戸層4の5層、厚さ10nmのInGaAsPバリア層5の4層
とからなり、室温でのフォトルミネッセンス波長が1.45
μmに設定された量子井戸構造活性領域6、厚さ0.4μmの
p-InPクラッド層7を積層させた後、エッチングによりス
トライプ状共振器8を形成し、さらに平坦部での厚さ1μ
mのp-InP電流ブロック層9、平坦部での厚さ1μmのn-InP
電流ブロック層10、厚さ2μmのp-InP埋め込み層11、厚
さ0.2μmのp-InGaAsコンタクト層17を積層後、Pt層、Ti
層、Pt層からなるp型電極18及びn-InP基板1にn型電極14
を形成することによって作製する。
【0031】さらに高出力化のために、出射端面に絶縁
膜で低反射率コート15及び高反射率コート16を施す。本
実施例のストライプ状共振器は、第一の実施例と同様に
誘電体膜を高反射率コートして形成される側の前記活性
共振器構造のストライプ幅Wa1を2μmとし、低反射率コ
ートして形成される側の前記活性共振器構造のストライ
プ幅Wa2を1.4μmに設定してある。またストライプ幅はW
a1からWa2まで連続して緩やかに変化している。図6に
示すように、共振器方向で量子井戸構造を有するメサス
トライプの高さを変化させる。これらのメサストライプ
を電流ブロック層で埋め込んだ場合、矢印で示すリーク
電流の通過する幅が共振器内で変化する。高反射率コー
トされた端面から、図のようにA,B,Cとメサストライプ
の高さを変えておくと、電流狭窄の違いからA点での活
性領域への電流注入量は、C点に比べて少なくなる。従
って、第二の実施例同様、メサストライプ共振器内での
キャリア密度はより均一化されるため、従来の課題を解
決し、高バイアス駆動時でも高出力動作が可能となる。
【0032】(実施の形態4)以上の実施例は、ストラ
イプ状共振器内のキャリア密度を均一化し、利得の飽和
を抑制し高出力動作を実現することにある。次に、さら
に高出力化を可能にする手段として、共振器内の低損失
化が考えられる。以下にその実施例を説明する。
【0033】図7に示すように、第一の実施例と同様、
n-InP基板1上に厚さ0.5μmのn-InPクラッド層2、厚さ10
0nmのInGaAsP導波路層3と1%の圧縮歪が導入された厚
さ5nmのInGaAsP井戸層4の5層、厚さ10nmのInGaAsPバリ
ア層5の4層とからなる量子井戸構造活性領域6、0.4μm
のp-InPクラッド層7を積層させた後、エッチングにより
ストライプ状共振器8を形成し、さらに平坦部での厚さ1
μmのp-InP電流ブロック層9、平坦部での厚さ1μmのn-I
nP電流ブロック層10を積層する。次に、厚さ1μmの第一
のp-InP埋め込み層23を積層後厚さ1μmの第二のp-InP埋
め込み層24を積層し、厚さ0.2μmのp-InGaAsコンタクト
層17を積層後、Pt層、Ti層、Pt層からなるp型電極18及
びn-InP基板1にn型電極14を形成することによって作製
する。
【0034】ここで第一のp-InP埋め込み層のキャリア
濃度は、5x1017cm-3とし、第二のp-InP埋め込み層のキ
ャリア濃度を7x1017cm-3とした。この理由を図8に基づ
いて説明する。図は我々の実験結果を基に計算したp-In
P埋め込み層のキャリア濃度に対する内部損失と埋め込
み層での抵抗の関係を示す。p-InP層においては、n-InP
層よりも光の吸収が大きくその量はキャリア濃度に比例
することから、光の閉じ込めの大きい活性層付近では、
できるだけキャリア濃度を少なくした方が低損失が可能
となるためである。しかし、キャリア濃度を下げると抵
抗が上昇し、高バイアス駆動時においては発熱量が増大
する。活性領域の温度が上昇すると、無効電流が増大す
るため高出力動作が得られなくなってしまう。
【0035】図8より、低損失化には第一のp-InP埋め
込み層のキャリア濃度を下げることが有効であることが
わかる。一方抵抗に関しては、第一及び第二ののp-InP
埋め込み層のキャリア濃度を下げすぎると大きく上昇し
てしまう。従って、低損失でかつ抵抗があまり増大しな
いキャリア濃度の値として、上記の値にそれぞれ設定し
た。これによりさらに高出力動作が可能となる。
【0036】なお本実施例では、p-InP層のキャリア濃
度を二段階に分けただけであったが、多段階あるいは連
続的にキャリア濃度を変化させることによっても、抵抗
をあまり増大させずにより低損失化が可能となる。
【0037】なお、以上の実施例に於いてはInGaAsP/In
P系の材料について説明したが、InGaAs/GaAs系の波長が
0.98μmの半導体レーザ素子についても同様の効果が得
られる。特に0.98μmの半導体レーザ素子で既説明の希
土類材料のエルビウムを添加した光増幅器に用いるとき
には、1.48μm帯よりもエルビウムの吸収スペクトルが
狭いために、レーザの波長拡がりを抑制する効果がより
大きい。
【0038】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、高い光出
力を有する半導体レーザ素子に於いて、発振波長の拡が
りを抑制すると共に、より高出力化が可能で高信頼性の
半導体レーザ素子構造を提供するもので、産業上大きな
意義を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一の実施例の半導体レーザ素子構成図
【図2】活性層幅に対する特性図
【図3】本発明第一の実施例の半導体レーザ素子特性図
【図4】本発明第二の実施例の半導体レーザ素子の製造
工程の斜視図
【図5】本発明第二の実施例の半導体レーザ素子特性図
【図6】本発明第三の実施例の半導体レーザ素子構成図
【図7】本発明第四の実施例の半導体レーザ素子構成図
【図8】内部損失及び抵抗の埋め込みキャリア濃度依存
性図
【図9】従来例の半導体レーザ素子構成図
【図10】従来例の半導体レーザ素子特性図
【図11】従来例の半導体レーザ素子構成図
【符号の説明】
1 n-InP基板 2 n-InPクラッド層 3 InGaAsP導波路層 4 InGaAsP井戸層 5 InGaAsPバリア層 6 量子井戸構造活性領域 7 p-InPクラッド層 8 ストライプ状共振器 9 p-InP電流ブロック層 10 n-InP電流ブロック層 11 p-InP埋め込み層 12 p-InGaAsPコンタクト層 13 p型電極 14 n型電極 15 低反射率コート 16 高反射率コート 17 p-InGaAsコンタクト層 18 Pt/Ti/Pt電極 19 SiO2マスク 20 SiO2マスク 21 Ti/Pt電極 22 Pt/Ti/Pt電極 23 第一のp-InP埋め込み層 24 第二のp-InP埋め込み層

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多重量子井戸構造と導波路層からなる活性
    層を有するメサ状ストライプが電流狭窄層によって埋め
    込まれている埋め込み型半導体レーザの、一端の劈開面
    が高反射率に設定され、他端の劈開面が低反射率に設定
    された半導体レーザ素子において、 前記高反射率に設定される側の前記活性層のストライプ
    幅Wa1が、前記低反射率に設定される側の前記活性層
    のストライプ幅Wa2よりも広く設定されており、かつ
    前記ストライプ幅Wa2が1.4μm以上であることを特
    徴とする半導体レーザ。
  2. 【請求項2】ストライプ状の活性層の少なくとも一部に
    おいて、高反射率に設定された劈開面から低反射率に設
    定された劈開面に向かって緩やかに細くなっていること
    を特徴とする請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 【請求項3】高反射率に設定された劈開面から低反射率
    に設定された劈開面に向かって、ストライプ状の活性層
    の少なくとも一部において、 多重量子井戸構造のバンドギャップ組成波長が短くなっ
    ていることを特徴とする請求項1または2記載の半導体
    レーザ。
  4. 【請求項4】高反射率に設定される側の活性層のストラ
    イプ幅Wa1が、共振器内で基本モードでレーザ発振す
    る幅以下であることを特徴とする請求項1、2または3
    記載の半導体レーザ。
  5. 【請求項5】多重量子井戸構造に歪量子井戸を用いるこ
    とを特徴とする請求項1、2または3記載の半導体レー
    ザ。
  6. 【請求項6】共振器方向に対して不均一に活性層へ電流
    注入されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに
    記載の半導体レーザ。
  7. 【請求項7】ストライプ状の活性層の上下に形成される
    電極のどちらか一方あるいは両方の電極が多数の電極で
    構成されていることを特徴とする請求項6記載の半導体
    レーザ。
  8. 【請求項8】ストライプ状の活性層の上下に形成される
    電極のどちらか一方あるいは両方の電極が、共振器方向
    に異なる金属層で形成されていることを特徴とする請求
    項6記載の半導体レーザ。
  9. 【請求項9】高反射率に設定された劈開面から低反射率
    に設定された劈開面に向かって電流狭窄の効果が強くな
    っていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記
    載の半導体レーザ。
  10. 【請求項10】高反射率に設定された劈開面から低反射
    率に設定された劈開面に向かって、メサストライプの高
    さが変化していることを特徴とする請求項9記載の半導
    体レーザ。
  11. 【請求項11】p型のオーミック電極がp-InGaASコンタ
    クト層とPt,Ti,Ptの金属多層膜から構成されていること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の半導体レ
    ーザ。
  12. 【請求項12】p-InGaASコンタクト層のキャリア濃度が
    1x1019cm-3以下であることを特徴とする請求項11記載
    の半導体レーザ。
  13. 【請求項13】メサストライプ上または下に存在するp
    型半導体層のキャリア濃度が連続的あるいは段階的に変
    化していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の半導体レーザ。
  14. 【請求項14】活性層から電極にかけてキャリア濃度が
    高くなることを特徴とする請求項13記載の半導体レー
    ザ。
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