JP2005235542A - バックライトのインバータ回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】 バッテリ電圧が変動しても輝度を一定に保つことが可能な「バックライトのインバータ回路」を提供する。
【解決手段】 バッテリ電圧BATTの大きさに応じて、冷陰極蛍光管の駆動制御信号として用いるPWM信号のパルス幅を補正することにより、バッテリ電圧BATTが大きくなったときは、冷陰極蛍光管の起動電圧に達するまでの時間が短くなることに合わせてON期間のパルス幅も短くなり、バッテリ電圧BATTが小さくなったときは、起動電圧に達するまでの時間が長くなることに合わせてON期間のパルス幅も長くなるようにして、バッテリ電圧BATTがどのように変動しても、冷陰極蛍光管の起動電圧に達してからON期間が終了するまでの時間、すなわち、バックライトの点灯時間が常に一定に保たれるようにする。
【選択図】 図3

Description

本発明はバックライトのインバータ回路に関し、特に、車載用のバッテリを動作電源とする液晶表示装置(LCD)のバックライトを点灯するインバータ回路に用いて好適なものである。
一般に、車載用のバッテリは9〜16ボルトの間で大きく振れて安定しないため、これを動作電源とするLCDでは、バックライトの冷陰極蛍光管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を流れる管電流が一定とならず、輝度が安定しない。そこで、当該LCDのバックライトを点灯するインバータ回路には、通常、管電流を一定にするための仕組みが設けられている。この種のインバータ回路には、ロイヤー方式と他励方式とが存在する。
図6は、従来のロイヤー方式のインバータ回路を示す図である。図6に示すように、ロイヤー方式のインバータ回路は、DC−DCコンバータ51、DC−ACコンバータ52、マイコン53を備えて構成されている。DC−DCコンバータ51は、入力されるバッテリ電圧BATTを一定の電圧に安定化して出力する。DC−ACコンバータ52は、DC−DCコンバータ51より入力されるDC電圧をAC電圧に変換して冷陰極蛍光管60を駆動する。マイコン53は、冷陰極蛍光管60の駆動制御信号としてのPWM(Plus Width Modulation)信号をDC−ACコンバータ52に供給することにより、PWM信号のON期間のパルス幅によって冷陰極蛍光管60の輝度を調整する。
図7は、従来の他励方式のインバータ回路を示す図である。図7に示すように、他励方式のインバータ回路は、DC−ACコンバータ56、フィードバック制御IC57、マイコン58を備えて構成されている。DC−ACコンバータ56は、入力されるバッテリ電圧BATTをAC電圧に変換して冷陰極蛍光管60を駆動する。冷陰極蛍光管60を流れる管電流は抵抗Rで電圧として取り出され、フィードバック制御IC57にフィードバックされる。フィードバック制御IC57は、フィードバックされた電圧値に応じてDC−ACコンバータ56を制御し、管電流が一定となるようにAC電圧を調整する。マイコン58は、PWM信号をフィードバック制御IC57に供給することにより、PWM信号のON期間のパルス幅によって冷陰極蛍光管60の輝度を調整する。
なお、特許文献1には、バックライトの冷陰極蛍光管を流れる管電流値に応じて、冷陰極蛍光管に印加するAC電圧の周波数とレベルとを可変とすることによってバックライトの調光を行うことが記載されている。
特開2000−58289号公報
以上のように、ロイヤー方式のインバータ回路では、DC−DCコンバータ51を設けることにより、冷陰極蛍光管60への印加電圧を固定していた。一方、他励方式のインバータ回路では、フィードバック制御IC57を用いたフィードバックループを設けることにより、冷陰極蛍光管60への印加電圧を固定していた。何れの方式でもバッテリ電圧が9V〜16Vまで変動しても追従できるが、最近では大掛かりな構成となるDC−DCコンバータが不要な他励方式が多く用いられるようになっている。
また、ロイヤー方式、他励方式の何れの方式でも、マイコンが発生するPWM信号によってバックライトを調光できるように構成されている。例えば、昼間はLCDの周囲が非常に明るいので、PWM信号のデューティ比(OFF期間に対するON期間の割合)を100%にして常にON期間とし、バックライトも明るく調整する。一方、夜間はLCDの周囲が暗くなるので、PWM信号のデューティ比を小さくとってON期間を短くし、バックライトも暗く調整する。また、ユーザがリモコン等を操作することによってマイコンに調光信号を送ることにより、バックライトの明るさを意図的に調整できるようになされたものも存在する。
バックライトの冷陰極蛍光管は、印加される電圧が或るしきい値(起動電圧)を超えると点灯する構成となっている。そのため、電源としてのバッテリ電圧が9V〜16Vの間で変動すると、そのときの電圧値によって、冷陰極蛍光管が点灯するまでの時間に差が生じる。一方、夜間モード時におけるPWM信号のデューティ比は、バッテリ電圧の変動にかかわらず、あらかじめ定めた比率に固定されている。また、ユーザが意図的に調光を行う場合も、一度調光が行われると、そのときのデューティ比がバッテリ電圧の変動にかかわらず固定される。
そのため、図8に示すように、バッテリ電圧が変動すると、冷陰極蛍光管に印加する電圧値を安定化しているにもかかわらず、実際に冷陰極蛍光管が点灯している時間(図8中で斜線にて示した部分)に差が生じてしまい、輝度が安定しない。すなわち、通常はバッテリ電圧が最も低くなった場合を想定してPWM信号のON期間を長く固定してあるため、バッテリ電圧が変動すると、バックライトの輝度が変わってしまうという問題があった。逆に、PWM信号のON期間を短く設定すると、バッテリ電圧が低くなったときにはバックライトが全く点灯しないという問題も生じる。
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、バッテリ電圧が変動しても、バックライトの輝度を一定に保つことができるようにすることを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明によるバックライトのインバータ回路では、電源電圧を検出し、当該検出した電源電圧の大きさに応じて、バックライトの駆動制御信号として用いるパルス幅変調信号のON期間のパルス幅を補正するようにしている。例えば、電源電圧が基準電圧より大きいときにはON期間のパルス幅が短くなるように補正し、電源電圧が基準電圧より小さいときにはON期間のパルス幅が長くなるように補正する。
上記のように構成した本発明によれば、電源電圧が基準電圧よりも大きく振れたときは、バックライトの起動電圧に達するまでの時間が短くなるが、それに合わせてON期間のパルス幅が短くなるように補正されている。一方、電源電圧が基準電圧よりも小さく振れたときは、バックライトの起動電圧に達するまでの時間は長くなるが、それに合わせてON期間のパルス幅が長くなるように補正されている。したがって、電源電圧がどのように変動しても、バックライトの起動電圧に達してからON期間が終了するまでの時間、すなわち、バックライトの点灯時間は一定に保たれる。これにより、電源電圧が変動しても、バックライトの輝度を常に一定に保つことができる。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本実施形態によるバックライトのインバータ回路の構成例を示す図である。図1に示すように、本実施形態のインバータ回路10は、分圧抵抗R1,R2、DC−ACコンバータ1、フィードバック制御IC2、マイコン3を備えて構成されている。
分圧抵抗R1,R2は、車載用のバッテリ電圧BATTを分圧してマイコン3に供給するものである。バッテリ電圧BATTは9V〜16Vの間で変動し、最大で16Vとなる。よって、マイコン3が16Vよりも低い電源(例えば、5V系の電源)で動作するものであれば、マイコン3に供給する電圧を分圧によって最大でも5Vとなるようにする。
DC−ACコンバータ1は、入力されるバッテリ電圧BATTをAC電圧に変換して冷陰極蛍光管(CCFL)20を駆動する。このDC−ACコンバータ1は、本発明の駆動部に相当する。冷陰極蛍光管20を流れる管電流は抵抗Rで電圧として取り出され、フィードバック制御IC2にフィードバックされる。フィードバック制御IC2は、冷陰極蛍光管20からフィードバックされた電圧値に応じてDC−ACコンバータ1を制御し、冷陰極蛍光管20を流れる管電流が一定となるようにAC電圧を調整する。
マイコン3は、PWM信号をフィードバック制御IC2に供給することによって、PWM信号のON期間のパルス幅によって冷陰極蛍光管20の輝度を調整する。本実施形態のマイコン3は、バッテリ電圧BATTの分圧を検出して当該バッテリ電圧BATTを監視し、当該バッテリ電圧BATTの大きさに応じて、冷陰極蛍光管20の駆動制御信号として用いるPWM信号のON期間のパルス幅を補正する。このマイコン3は、本発明のパルス幅補正部に相当する。
例えば、図2に示すように、9V〜16Vの中間値である13.5Vを基準電圧とし、バッテリ電圧BATTが基準電圧より大きく振れたときにはPWM信号のON期間のパルス幅が短くなるように補正し、バッテリ電圧BATTが基準電圧より小さく振れたときにはPWM信号のON期間のパルス幅が長くなるように補正する。図2の例では、バッテリ電圧BATTが基準電圧と等しいときのPWM信号のデューティ比(OFF期間に対するON期間の割合)をx%とした場合に、バッテリ電圧BATTが最大の16Vとなったときはデューティ比が(x−1)%となり、バッテリ電圧BATTが最小の9Vとなったときはデューティ比が(x+2)%となるように線形補正している。
図3は、本実施形態によるバックライトのインバータ回路の動作を説明するための図である。図3(a)および(b)に示すように、本実施形態では、マイコン3でバッテリ電圧BATTを監視し、検出した電圧値に応じてPWM信号のパルス幅を変更している。
図3(a)のように、バッテリ電圧BATTが16Vとなったときは、冷陰極蛍光管20の起動電圧に達するまでの時間は短くなるが、それに合わせてPWM信号のON期間のパルス幅が短くなるように補正されている。したがって、冷陰極蛍光管20の点灯時間は図3(a)中の斜線部分となる。
一方、バッテリ電圧BATTが9Vとなったときは、冷陰極蛍光管20の起動電圧に達するまでの時間は長くなるが、それに合わせてPWM信号のON期間のパルス幅が長くなるように補正されている。したがって、冷陰極蛍光管20の点灯時間は図3(b)中の斜線部分となる。
図3(a)中の斜線部分と図3(b)中の斜線部分とを比較すれば分かるように、本実施形態によれば、バッテリ電圧BATTがどのように変動しても、冷陰極蛍光管20の起動電圧に達してからON期間が終了するまでの時間、すなわち、バックライトの点灯時間は一定に保たれる。これにより、バッテリ電圧BATTが9V〜16Vの間で変動しても、管電流値が一定に保たれるため、バックライトの輝度を常に一定に保つことができるようになる。
なお、上記実施形態では、バッテリ電圧BATTの大きさに応じてPWM信号のパルス幅を補正する例について説明したが、冷陰極蛍光管20の温度も更に監視し、バッテリ電圧BATTと冷陰極蛍光管20の温度とに応じてPWM信号のパルス幅を補正するようにしても良い。
冷陰極蛍光管20の起動電圧は、冷陰極蛍光管20の温度に応じて変動することが知られている。すなわち、温度が低いと起動電圧が高くなり、温度が高いと起動電圧は低くなる。そこで、冷陰極蛍光管20の温度が低いときはPWM信号のON期間のパルス幅を長くするとともに、冷陰極蛍光管20の温度が高いときはPWM信号のON期間のパルス幅を短くすることによって、起動電圧に達してからON期間終了までの時間を一定に保つようにする。
図4は、このように冷陰極蛍光管20の温度も考慮した場合におけるインバータ回路10の構成例を示す図である。図4に示す例では、図1に示した構成に加えて、冷陰極蛍光管20にサーミスタ30が設けられている。この場合のマイコン3は、バッテリ電圧BATTと、サーミスタ30によって測定される冷陰極蛍光管20の温度とを検出し、当該検出した電圧と温度の大きさに応じてPWM信号のON期間のパルス幅を補正する。
例えば、図2に示したような線形補正によって、バッテリ電圧BATTの大きさに応じてPWM信号のデューティ比の補正率を求める。また、冷陰極蛍光管20の温度についても同様にして、図5に示すような線形補正によってPWM信号のデューティ比の補正率を求める。そして、バッテリ電圧BATTの大きさに応じて求めた補正率と、冷陰極蛍光管20の温度に応じて求めた補正率とを加算して、これを最終の補正率としてPWM信号のデューティ比を補正する。
また、上記実施形態では、パルス幅の補正方法として図2のような線形補正を行う例について説明したが、線形補正に限定されるものではない。また、基準電圧も任意の値に設定することが可能である。
その他、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその精神、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
本発明は、車載用のバッテリを動作電源とするLCDの冷陰極蛍光管を点灯するバックライトのインバータ回路に有用である。
本実施形態によるバックライトのインバータ回路の構成例を示す図である。 本実施形態によるPWM信号のパルス幅の補正内容例を説明するための図である。 本実施形態によるバックライトのインバータ回路の動作を説明するための図である。 本実施形態によるバックライトのインバータ回路の他の構成例を示す図である。 本実施形態によるPWM信号のパルス幅の他の補正内容例を説明するための図である。 従来のロイヤー方式のインバータ回路を示す図である。 従来の他励方式のインバータ回路を示す図である。 従来の他励方式によるインバータ回路の動作を説明するための図である。
符号の説明
1 DC−ACコンバータ(駆動部)
2 フィードバック制御IC
3 マイコン(パルス幅補正部)
10 インバータ回路
20 冷陰極蛍光管(バックライト)
R1,R2 分圧抵抗

Claims (2)

  1. パルス幅変調信号を駆動制御信号としてバックライトを点灯させる駆動部と、
    電源電圧を検出し、当該検出した電源電圧の大きさに応じて上記パルス幅変調信号のON期間のパルス幅を補正するパルス幅補正部とを備えたことを特徴とするバックライトのインバータ回路。
  2. 上記パルス補正部は、上記電源電圧が基準電圧より大きいときには上記ON期間のパルス幅が短くなるように補正し、上記電源電圧が上記基準電圧より小さいときには上記ON期間のパルス幅が長くなるように補正することを特徴とする請求項1に記載のバックライトのインバータ回路。
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