JP2005233261A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】遊星歯車機構と連結される回転要素と、変速機ケースとの間にワンウェイクラッチとブレーキ摩擦締結要素とが並列に配設され、上記ワンウェイクラッチは、エンジン側から車輪側への駆動時締結し被駆動時に空転するよう構成されるとともに、上記ブレーキ摩擦締結要素の締結、開放を制御するブレーキ摩擦締結要素制御手段を備えた自動変速機の制御装置において、上記ブレーキ摩擦締結要素制御手段は、上記ワンウェイクラッチが締結する変速段であることが検出され、ブレーキ摩擦締結要素が締結中であることが検出され、かつ所定値以上の入力トルクが検出された時、上記ブレーキ摩擦締結要素を一旦開放した後、再締結するよう構成してある。
【選択図】 図5
Description
例えば、主変速機構と、副変速機構との組み合わせによって前進5変速段を得るように構成され、副変速機構には、一つの遊星歯車、クラッチ、及び互いに並列関係に配設されたブレーキとワンウェイクラッチとを備え、クラッチを締結することにより遊星歯車を直結状態(5速)にするとともに、また、ブレーキとワンウェイクラッチとによる遊星歯車のロックによって変速時のエンジンの吹き上がりを抑制することが、下記特許文献1に開示されている。
そして、エンジン始動直後アウターレース側に所定方向のトルクが作用すると、ローラがインナーレースとアウターレースとの間に形成された楔状の空間内を移動し、その後ローラの外径よりも狭く形成された箇所まで移動した時点でロックし、アウターレース、回転部材、これらに連結された遊星歯車の所定方向の回転を規制するようになっている。
ところが、エンジン始動直後のニュートラル状態では副変速機の回転部材にはトルクは入力されないため、上述したワンウェイクラッチのロック機能が十分に働かない状態となり、プレーキ側へのトルク分担割合が大きくなるものである。
尚、上述したブレーキ摩擦締結要素の耐久性低下という問題は、副変速部のブレーキ摩擦締結要素に限らず、主変速部に備えられたブレーキ摩擦締結要素においても同様に生じるものである。
上記エンジン側から車輪側への駆動時に上記ワンウェイクラッチが締結する変速段であるか否かを検出する変速段検出手段と、
上記ブレーキ摩擦締結要素が締結中であるか否かを検出するブレーキ摩擦締結要素締結状態検出手段と、
上記自動変速機に入力される入力トルクの大きさに関連するパラメータを検出する入力トルク検出手段とを備え、
上記ブレーキ摩擦締結要素制御手段は、上記変速段検出手段により上記ワンウェイクラッチが締結する変速段であることが検出され、上記ブレーキ摩擦締結要素締結状態検出手段によりブレーキ摩擦締結要素が締結中であることが検出され、かつ上記入力トルク検出手段により所定値以上の入力トルクが検出された時、上記ブレーキ摩擦締結要素を一旦開放した後、再締結するよう構成してある。
ここで、所定値とは、始動直後、ブレーキ摩擦締結要素、ワンウェイクラッチに初めて作用するトルク(始動時のトルク或いはアイドル時のトルク相当)よりも大きな値とされており、これによって、ワンウェイクラッチのロック機能を高めることができる。
該ソレノイドの電気系統の故障を検出する故障検出手段とを備え、
該故障検出手段は、上記ブレーキ摩擦締結要素制御手段により上記ブレーキ摩擦締結要素を一旦開放した後、再締結する際、上記ソレノイドの電気系の故障診断を実行するよう構成してある。
そして、このソレノイドの電気的な故障の形態には、断線、ショートが挙げられるが、ソレノイドの駆動状態によって検出できる故障の形態が限られる。例えば、図4に示すような駆動回路である場合、ソレノイド駆動状態では断線の検出ができない。
本発明の第2の構成によれば、上記ブレーキ摩擦締結要素を一旦開放した後、再締結する際の通常とは違うソレノイド駆動状態を利用してソレノイドの故障診断をすることにより、診断の網羅性を向上することができる。
従って、所定値を低速段に応じた値に一律設定すると、高速段の時は、ワンウェイクラッチとブレーキ摩擦締結要素に入力されるトルクは小さいため、ブレーキ摩擦締結要素を一旦開放したとしても、ワンウェイクラッチのロック機能を十分に高めることができない虞がある。
本発明の第3の構成によれば、ブレーキ摩擦締結要素制御手段における所定値は、上記自動変速機の変速段に応じて変更可能に構成され、高速段程大きくされるため、変速段に関わらずワンウェイクラッチのロック機構を高めることができる。
上記副変速機構には、上記ワンウェイクラッチと上記ブレーキ摩擦締結要素及びクラッチ摩擦締結要素を備えており、
該クラッチ摩擦締結要素は、最高速段以外では開放されるとともに、最高速段では締結されるように構成される一方、
上記ブレーキ摩擦締結要素は、最高速段以外では締結されるとともに、最高速段で開放されるよう構成してある。
その場合、副変速機構のブレーキ摩擦締結要素は、最高速段の切換のみに対応可能な小容量に設計されることから、上述したブレーキ摩擦締結要素の耐久性向上のために容量アップすることは望ましくない。
本発明の第5の構成によれば、本発明を、最高速段と、それ以外で締結、開放される副変速部のブレーキ摩擦締結要素に適用するようにしたため、ブレーキ摩擦締結要素の容量アップをすることなく、ブレーキ摩擦締結要素とワンウェイクラッチとのトルク分担割合の偏りを軽減することができる。
トルクコンバータ3は、エンジン2の出力をエンジン出力軸9を介して入力し、タービン軸10(主変速歯車機構6の入力軸)を介して主変速歯車機構6に出力する。
トルクコンバータ3の反エンジン側に配置されたオイルポンプ11は、コンバータケース12及びポンプ13を介してエンジン出力軸9により駆動される。
2−4ブレーキ26は、第2遊星歯車機構5のサンギヤ22に固定されている。
第1遊星歯車機構4のリングギヤ27と第2遊星歯車機構5のピニオンキャリヤ24とが連結され、これらと変速機ケース28との間にローリバースブレーキ29と主変速ワンウエィクラッチ30とが並列に配置されている。
第1遊星歯車機構4のピニオンキャリヤ31と第2遊星歯車機構5のリングギヤ32とが連結され、これらに出力ギヤ33が接続されている。
また、サンギヤ42と変速機ケース28との間には、副変速ワンウエィクラッチ45と減速ブレーキ46とが並列に配置されている。
また、サンギヤ42は、副変速ワンウエィクラッチ45及び減速ブレーキ46に連結される回転部材100のスプライン103にスプライン嵌合されている。
そして、第3遊星歯車機構7のピニオンキャリア43が出力軸47に連結され、その出力軸47に備えられた出力ギヤ48により、副変速歯車機構8の出力回転が該ギヤ48からデファレンシャル装置49の入力ギヤ50を介して左右の駆動軸51、52に伝達される。
その時に、減速ブレーキ46が先に開放されても直結クラッチ44が締結されるまでは、ワンウエィクラッチ45がロック状態となってエンジン2の吹き上がりが防止されるようになっている。尚、5−4シフトダウン変速においてもシフトアップ変速と同様エンジン2の吹き上がりが防止される。
ここで、ON−OFFソレノイド62との作動について説明すると、変速段が1速段から4速段の時は、ON−OFFソレノイド62はONされて直結クラッチ44側から油圧をドレンし、減速ブレーキ46に油圧を供給した状態とされる一方、変速段が5速段の時は、ON−OFFソレノイド62はOFFされて減速ブレーキ46から油圧をドレンし、直結クラッチ44に油圧を供給した状態とされる。
尚、デューティソレノイド61は、各変速段に応じた油圧になるようデューティ比が設定される。
コントロールユニット200には、書き換え可能な不揮発型のメモリ素子201、演算部(CPU)202を備えられており、上述の図2に示した変速段の切換制御が実行されるよう構成されている。
また、コントロールユニット200は、変速段が1速から4速のいずれかにあって、副変速ワンウェイクラッチ45が締結されるとともに減速ブレーキ46が締結され、かつ第3遊星歯車機構7に対する入力トルクが所定値以上にある時、減速ブレーキ46を所定期間開放した後、再度締結するため、所定期間デューティソレノイド61のデューティを100%(最低油圧に設定)に設定するとともに、ON−OFFソレノイド62を減速ブレーキ46から油圧がドレンされる状態となるよう制御する。
ON−OFFソレノイド62が短絡した場合、ドライバTのON−OFFに無関係に線路L1の電位が0Vになり、ON−OFFソレノイド62が断線した場合、ドライバTをFFしても線路L1の電位が0Vに落ちなくなる。
従って、モニタ回路203は、演算部202がドライバTをONさせた際のモニタ回路203の出力電圧が第1閾値以下であると短絡を検出し、ドライバTをOFFさせた際のモニタ回路203の出力電圧が第2閾値以上であると断線を検出するように構成されている。
そして、この故障検出を上述の減速ブレーキ46を所定期間開放した後、再度締結する制御期間に行うよう構成されている。
ステップS1でYESと判定された時、ステップS2に進み、デューティソレノイド61に対するデューティを各変速段に応じたデューティに設定するとともに、ステップS3では、ON−OFFソレノイド62をOFFし、4−5シフトバルブ60を介して直結クラッチ44側から油圧をドレンし、減速ブレーキ46に油圧を供給した状態とする。
ステップS4でYESと判定された時、ステップS5に進み、エンジンのスロットル弁(不図示)の開度が1/8開度以上になっているか否か判定する。この判定は、スロットル開度に基づいてエンジントルクの大きさ、つまり、自動変速機1に入力される入力トルクの大きさを推定しており、スロットル開度が1/8開度以上にある時、入力トルクは、始動直後に発生して最初に副変速ワンウェイクラッチ45、減速ブレーキ46に作用するトルクよりも大きなトルクであることを判定している。
ステップS5でYESと判定された時、ステップS6に進み、減速ブレーキ46を一旦開放するための所定期間に相当するタイマTが既にセットされているか否か判定する。
ステップS6でNOと判定された時は、ステップS7に進み、タイマTをセットし、ステップS8でYESと判定された時は、既にタイマTがセットされていることからステップS7の処理をバイパスする。
そして、続く、ステップS8では、デューティソレノイド61に対するデューティを100%に設定し、油圧を最も低い状態に設定するとともに、ステップS9では、ON−OFFソレノイド62をONし、4−5シフトバルブ60を介して減速ブレーキ46側から油圧をドレンし、直結クラッチ44に油圧を供給した状態とする
つまり、減速ブレーキ46側から油圧をドレンし、減速ブレーキ46を開放させている。尚、この時、最も低い油圧に設定しているのは、直結クラッチ44が不必要に締結されないようにするためである。
ステップS7でNOと判定された時、つまり、所定期間経過していない時は、ステップS12に進み、タイマTを減算し、デューティソレノイド61に対するデューティを100%、ON−OFFソレノイド62をONの状態を維持する。
尚、所定値は、始動直後、減速ブレーキ45、副変速ワンウェイクラッチ46に初めて作用するトルクよりも大きな値とされており、これによって、副変速ワンウェイクラッチ46のロック機能を高めることができる。
つまり、自動変速機1への入力トルクが同じであっても、副変速ワンウェイクラッチ46と減速ブレーキ45に入力されるトルクは、変速段により異なり、高速段程小さくなる。
従って、所定値を低速段に応じた値に一律設定すると、高速段の時は、副変速ワンウェイクラッチ46と減速ブレーキ45に入力されるトルクは小さいため、減速ブレーキ45を一旦開放したとしても、副変速ワンウェイクラッチ46のロック機能を十分に高めることができない虞がある。
そこで、図6に示すように、自動変速機1の変速段が高速段程所定値を大きく設定すれば、変速段に関わらず副変速ワンウェイクラッチ46のロック機構を高めることができる。
これによって、減速ブレーキ45を一旦開放した後、再締結する制御が、車両停車から発進後再停車するまでの間に1回実行されるため、減速ブレーキ45と副変速ワンウェイクラッチ46とのトルク分担割合の偏りを軽減するための制御の頻度を抑制でき、ON−OFFソレノイド62の耐久性低下を抑制することができる。
つまり、変速段が1速の時に、ON−OFFソレノイド62が断線した場合、本来減速ブレーキ46が締結すべきところ、減速ブレーキ46から油圧をドレンし、直結クラッチ44に油圧を供給した状態となり、直結クラッチ44が締結してしまうことになるが、直結クラッチ44は、主変速歯車機構6がギヤ比の小さい5速でしか締結しない小クラッチ容量のものが適用されているため、焼損に至る虞ある。
そこで、ON−OFFソレノイド62の断線を検出した場合、主変速歯車機構6をギヤ比の小さい側に変更するフェールセーフ制御を追加すれば、直結クラッチ44の保護を図ることができる。
例えば、図3中二点鎖線で示すように油圧センサ63を設け、減速ブレーキ45を一旦開放する際にデューティソレノイド61に対するデューティを100%に設定した時、油圧が低下しているか否か検出し、油圧が低下していない場合、デューティソレノイド61のデューティ比に対する出力油圧特性に関連する故障であると判定することができる。
6:主変速機構
7:第3遊星歯車機構(遊星歯車機構)
10:タービン軸(入力軸)
28:変速機ケース
45: 副変速ワンウェイクラッチ(ワンウェイクラッチ)
46:減速ブレーキ(ブレーキ摩擦締結要素)
47:出力軸
61:デューティソレノイド
62:ON−OFFソレノイド
100:回転部材
200:コントロールユニット(ブレーキ摩擦締結要素制御手段、変速段検出手段、ブレーキ摩擦締結要素締結状態検出手段、入力トルク検出手段)
203:モニタ回路(故障検出手段)
Claims (5)
- 遊星歯車機構と連結される回転要素と、変速機ケースとの間にワンウェイクラッチとブレーキ摩擦締結要素とが並列に配設され、上記ワンウェイクラッチは、エンジン側から車輪側への駆動時に締結し被駆動時に空転するよう構成されるとともに、上記ブレーキ摩擦締結要素の締結、開放を制御するブレーキ摩擦締結要素制御手段を備えた自動変速機の制御装置において、
上記エンジン側から車輪側への駆動時に上記ワンウェイクラッチが締結する変速段であるか否かを検出する変速段検出手段と、
上記ブレーキ摩擦締結要素が締結中であるか否かを検出するブレーキ摩擦締結要素締結状態検出手段と、
上記自動変速機に入力される入力トルクの大きさに関連するパラメータを検出する入力トルク検出手段とを備え、
上記ブレーキ摩擦締結要素制御手段は、上記変速段検出手段により上記ワンウェイクラッチが締結する変速段であることが検出され、上記ブレーキ摩擦締結要素締結状態検出手段によりブレーキ摩擦締結要素が締結中であることが検出され、かつ上記入力トルク検出手段により所定値以上の入力トルクが検出された時、上記ブレーキ摩擦締結要素を一旦開放した後、再締結するよう構成されていることを特徴とする自動変速機の制御装置。 - 上記ブレーキ摩擦締結要素に対する作動流体の供給状態を制御し、当該ブレーキ摩擦締結要素を締結、開放を制御するソレノイドと、
該ソレノイドの電気系統の故障を検出する故障検出手段とを備え、
該故障検出手段は、上記ブレーキ摩擦締結要素制御手段により上記ブレーキ摩擦締結要素を一旦開放した後、再締結する際、上記ソレノイドの電気系の故障診断を実行するよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動変速機の制御装置。 - 上記ブレーキ摩擦締結要素制御手段における所定値は、上記自動変速機の変速段に応じて変更可能に構成され、高速段程大きくされることを特徴とする請求項1又は2に記載の自動変速機の制御装置。
- 上記ブレーキ摩擦締結要素制御手段は、上記ブレーキ摩擦締結要素を一旦開放した後、再締結することを、車両停車から発進後再停車するまでの間に1回実行するよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一つに記載の自動変速機の制御装置。
- 上記自動変速機は、入力軸上に配設された主変速機構と、該主変速機構と平行に配設された出力軸上に配設された副変速機構とから構成されており、
上記副変速機構には、上記ワンウェイクラッチと上記ブレーキ摩擦締結要素及びクラッチ摩擦締結要素を備えており、
該クラッチ摩擦締結要素は、最高速段以外では開放されるとともに、最高速段では締結されるように構成される一方、
上記ブレーキ摩擦締結要素は、最高速段以外では締結されるとともに、最高速段で開放されるよう構成されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一つに記載の自動変速機の制御装置。
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