JPH05296329A - 自動変速機の制御装置 - Google Patents

自動変速機の制御装置

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JPH05296329A
JPH05296329A JP4128173A JP12817392A JPH05296329A JP H05296329 A JPH05296329 A JP H05296329A JP 4128173 A JP4128173 A JP 4128173A JP 12817392 A JP12817392 A JP 12817392A JP H05296329 A JPH05296329 A JP H05296329A
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pressure
line
valve
hydraulic
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英彦 三島
Kazunori Enokido
一典 榎戸
Tatsutoshi Mizobe
龍利 溝部
Toshihisa Marumi
敏久 丸未
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H61/00Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing
    • F16H61/02Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing characterised by the signals used
    • F16H61/0202Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing characterised by the signals used the signals being electric
    • F16H61/0204Control functions within control units of change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion ; Control of exclusively fluid gearing, friction gearing, gearings with endless flexible members or other particular types of gearing characterised by the signals used the signals being electric for gearshift control, e.g. control functions for performing shifting or generation of shift signal
    • F16H61/0206Layout of electro-hydraulic control circuits, e.g. arrangement of valves

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  • General Engineering & Computer Science (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 伝達トルクの異なる複数の変速段で締結され
る摩擦要素について、制御の複雑化や精度の低下を招く
ことなく、いずれの変速段においても、伝達トルクに対
応したトルク容量が確保されるようにする。 【構成】 副変速機30に備えられて、後退速と、前進
の1,3速でのエンジンブレーキ時にトルクを伝達する
減速ブレーキ34に、受圧面積の大きな第1油圧室34
1と受圧面積の小さな第2油圧室342とを設け、後退速
では、マニュアルバルブ43からライン53により上記
第1油圧室341にライン圧を直接供給すると共に、前
進の1,3速では、リニアソレノイドバルブ103及び
コントロールバルブ102を用いて伝達トルクに応じて
ライン圧を調整し、これを上記第2油圧室342に供給
するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動車に搭載される自動
変速機の制御装置、特に伝達トルクが異なる複数の変速
段で締結される摩擦要素を有する自動変速機の制御装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】トルクコンバータと変速機構とを連結
し、この変速機構の動力伝達経路を複数の摩擦要素の選
択的締結によって切り換えることにより、変速段を自動
的に切り換えるようにした自動変速機においては、所定
の摩擦要素が伝達トルクの異なる複数の変速段で締結さ
れる場合があり、その例として、例えば特開昭61−9
9745号公報に開示されているような主変速機と副変
速機とを有する自動変速機における副変速機側の摩擦要
素がある。
【0003】つまり、この種の自動変速機において、例
えば主変速機の低速段に副変速機の低速段及び高速段を
組み合せることにより1速及び2速を構成し、次に主変
速機の中速段に副変速機の低速段と高速段を再び組み合
せることにより3速及び4速を構成するという場合に、
副変速機において例えば低速段で締結される摩擦要素は
1速と3速とで締結されることになる。また、この摩擦
要素は、主変速機からの入力を減速するためのものであ
るから、後退速でも締結される場合がある。
【0004】その場合に、この摩擦要素は、主変速機の
減速比が大きい1速や後退速で締結される場合には、大
きな入力トルクを伝達しなければならないのに対し、主
変速機の減速比が比較的小さい3速で締結される場合に
は、比較的小さな入力トルクを伝達すればよいことにな
り、このように、特定の摩擦要素が、伝達トルクが大幅
に異なる複数の変速段で締結されることになるのであ
る。
【0005】また、このような傾向は、上記副変速機に
おける1速、3速及び後退速で締結される摩擦要素に並
列に、1,3速での加速時にトルクを受け持つワンウェ
イクラッチが配設される場合に特に顕著となる。つま
り、この場合、上記摩擦要素は、1,3速では減速時に
エンジンブレーキ用として締結されるだけであって、そ
の場合の伝達トルクはごく小さいものであり、これに対
して、後退速では、主変速機の減速比がもともと大きい
ことに加えて、エンジン全開時のトルクが入力されるこ
ともあり、そのため、1,3速時と後退速時とで、該摩
擦要素の伝達トルクが一層大幅に異なることになるので
ある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な場合に、その摩擦要素のトルク容量が一定であると、
伝達トルクが大きな変速段では、容量が不足してトルク
の伝達が不確実になったり、変速時に変速動作が完了す
るのに長時間を要したりすることになり、また、これを
回避するためにトルク容量を大きくすると、伝達トルク
が小さな変速段で該容量が過大となって、オイルポンプ
の駆動損失を徒に増大させたり、変速時のショックが大
きくなったりすることになる。
【0007】これに対しては、摩擦要素に対する締結圧
の給排を制御する油圧回路に、所定の摩擦要素に供給さ
れる締結圧を変速段によって制御する締結圧制御手段を
設け、各変速段毎に伝達トルクに応じたトルク容量が得
られるようにすればよいことになる。
【0008】しかし、このようにすると、油圧回路の構
造が複雑化すると共に、特に変速段毎の伝達トルクの差
が大幅である場合には、上記締結圧制御手段による制御
幅も著しく広くなり、そのため、良好な制御精度が得ら
れないのである。
【0009】そこで、本発明は、伝達トルクが異なる複
数の変速段で締結される摩擦要素を有する自動変速機に
おいて、油圧回路の複雑化や制御精度の低下等を招くこ
となく、いずれの変速段においても、それぞれの伝達ト
ルクに応じたトルク容量が得られるようにすることを課
題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0011】まず、本願の請求項1に係る発明(以下、
第1発明という)は、伝達トルクが異なる複数の変速段
で締結される摩擦要素を有する自動変速機において、上
記摩擦要素を締結させる締結圧が導入される油圧室とし
て、受圧面積の大きな第1油圧室と、受圧面積の小さな
第2油圧室とを設けると共に、該摩擦要素に対する締結
圧の給排を制御する油圧回路に、伝達トルクが大きい方
の変速段で、マニュアルバルブから上記第1油圧室にラ
イン圧を直接供給する油路を設けたことを特徴とする。
【0012】また、請求項2に係る発明(以下、第2発
明という)は、上記第1発明と同様に、伝達トルクが異
なる複数の変速段で締結される摩擦要素を有する自動変
速機において、上記摩擦要素を締結させる締結圧が導入
される油圧室として、受圧面積の大きな第1油圧室と、
受圧面積の小さな第2油圧室とを設けると共に、該摩擦
要素に対する締結圧の給排を制御する油圧回路に、伝達
トルクが大きい方の変速段で、マニュアルバルブから上
記第1油圧室にライン圧を直接供給する油路と、伝達ト
ルクが小さい方の変速段で、その伝達トルクに応じてラ
イン圧を調整して上記第2油圧室に供給する油圧制御手
段とを設けたことを特徴とする。
【0013】そして、請求項3に係る発明(以下、第3
発明という)は、上記第1発明もしくは第2発明におい
て、伝達トルクの大きい方の変速段を、マニュアルバル
ブの操作によって得られる後退速としたことを特徴とす
る。また、請求項4に係る発明(以下、第4発明とい
う)は、同じく第1、第2発明において、伝達トルクの
大きい方の変速段を、マニュアルバルブの操作によって
得られる後退速とし、かつ、伝達トルクの小さい方の変
速段を、加速時に当該摩擦要素に並列に配置されたワン
ウェイクラッチがトルクを受け持つ変速段としたことを
特徴とする。
【0014】さらに、請求項5に係る発明(以下、第5
発明という)は、上記第1発明を、主変速機とその出力
を変速する副変速機とを有する自動変速機の副変速機側
に備えられて、伝達トルクが異なる複数の変速段で締結
される所定の摩擦要素に適用したことを特徴とする。
【0015】そして、請求項6に係る発明(以下、第6
発明という)は、上記第5発明と同様に、主変速機と、
その出力を変速する副変速機とを有する自動変速機にお
いて、各摩擦要素に対する締結圧の給排を制御する油圧
回路の主変速機制御部と副変速機制御部とが別体とされ
た第1、第2バルブボディによってそれぞれ構成され
て、前者が変速歯車機構の下方に、後者が上方にそれぞ
れ配置されており、かつ、上記副変速機における所定の
摩擦要素が伝達トルクの異なる複数の変速段で締結され
るようになっている場合に、上記所定摩擦要素を締結さ
せる締結圧が導入される油圧室として、受圧面積の大き
な第1油圧室と、受圧面積の小さな第2油圧室とを設け
ると共に、伝達トルクが大きい方の変速段で、上記第1
バルブボディに備えられたマニュアルバルブから副変速
機における上記第1油圧室にライン圧を直接供給する油
路を設けたことを特徴とする。
【0016】
【作用】上記の構成により、本発明によれば次のような
作用が得られる。
【0017】まず、第1発明によれば、伝達トルクが異
なる複数の変速段で締結される摩擦要素が、伝達トルク
が大きい方の変速段では、受圧面積の大きな第1油圧室
にマニュアルバルブからのライン圧が直接供給されるこ
とによって締結されるから、ライン圧を高める等の制御
手段を要することなく、伝達トルクに応じた大きな締結
力ないしトルク容量が得られることになる。
【0018】また、第2発明によれば、上記第1発明と
同様に、伝達トルクが異なる複数の変速段で締結される
摩擦要素について、伝達トルクが大きい方の変速段で、
その伝達トルクに応じた大きな締結力ないしトルク容量
が得られると共に、伝達トルクが小さい方の変速段で
は、油圧制御手段によって、その伝達トルクに応じて調
整された締結圧が受圧面積の小さな第2油圧室に供給さ
れることになり、したがって、いずれの変速段において
も、その伝達トルクに応じたトルク容量が得られること
になる。そして、特に上記油圧制御手段は、伝達トルク
が小さな変速段で要求される締結圧を調整するだけでよ
いから、その制御幅が狭くなり、したがって、高い制御
精度が得られることになる。
【0019】そして、第3発明によれば、上記のような
第1発明もしくは第2発明の作用が、後退速と前進の所
定の変速段とについて得られることになる。また、第4
発明によれば、後退速と、加速時にワンウェイクラッチ
がトルクを受け持つ変速段、即ち当該摩擦要素がエンジ
ンブレーキ時のトルクだけを受け持つ前進の所定変速段
とについて得られることになる。そして、第5発明によ
れば、同じく第1発明もしくは第2発明の作用が、主変
速機とその出力を変速する副変速機とを有する自動変速
機において、副変速機側で伝達トルクが異なる複数の変
速段で締結される所定の摩擦要素について得られること
になる。
【0020】さらに、第6発明によれば、主変速機と副
変速機とを有すると共に、油圧回路の主変速機制御部と
副変速機制御部とが別体とされた第1、第2バルブボデ
ィによってそれぞれ構成されて、変速歯車機構の下方と
上方とにそれぞれ配置されている場合に、上記第1バル
ブボディに備えられているマニュアルバルブから副変速
機における当該摩擦要素の第1油圧室に供給されるライ
ン圧が、第2バルブボディを介することなく該第1油圧
室に直接供給されることになり、したがって、その油路
が短くなって、その間の油圧降下が低減されることにな
る。
【0021】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0022】図1に示すように、この実施例に係る自動
変速機1は、トルクコンバータ10と、該トルクコンバ
ータ10と同一軸線上に配置された主変速機20と、こ
れらの軸線と平行な軸線上に配置された副変速機30と
を有する。
【0023】上記トルクコンバータ10は、エンジン出
力軸2に連結されたケース11に一体のポンプ12と、
該ポンプ12に対向配置されて該ポンプ12により作動
油を介して駆動されるタービン13と、該ポンプ12と
タービン13との間に配置され、かつワンウエィクラッ
チ14を介して変速機ケース3に支持されたステータ1
5と、上記タービン13に連結されたコンバータ出力軸
16と、上記ケース11を介して該出力軸16をエンジ
ン出力軸2に直結するロックアップクラッチ17とで構
成されている。
【0024】なお、トルクコンバータ10と主変速機2
0との間には、該トルクコンバータ10を介してエンジ
ン出力軸2に駆動されるオイルポンプ4が配置されてい
る。
【0025】上記主変速機20は、コンバータ出力軸1
6上における該トルクコンバータ側に配置されたフロン
ト遊星歯車機構21と、反トルクコンバータ側に配置さ
れたリヤ遊星歯車機構22とを有する。そして、上記コ
ンバータ出力軸16が、前進クラッチ23を介してフロ
ント遊星歯車機構21のサンギヤ21aに、また、直結
クラッチ24を介してリヤ遊星歯車機構22のサンギヤ
22aにそれぞれ結合されるようになっていると共に、
フロント遊星歯車機構21のサンギヤ21aとリヤ遊星
歯車機構22のリングギヤ22bとが結合されている。
【0026】また、フロント遊星歯車機構21のリング
ギヤ21bと変速機ケース3との間には、第1ワンウエ
ィクラッチ25とローリバースブレーキ26とが並列に
配置されていると共に、リヤ遊星歯車機構22のサンギ
ヤ22aと変速機ケース3との間には、第2ワンウエィ
クラッチ27と3−4ブレーキ28とが直列に配置さ
れ、かつ、これらに並列にエンジンブレーキ用のコース
トブレーキ29が配置されている。そして、フロント遊
星歯車機構21及びリヤ遊星歯車機構22のピニオンキ
ャリヤ21c,22cが結合され、これらに主変速機2
0から副変速機30へ動力を伝達する中間ギヤ5が連結
されている。
【0027】このような構成により、この主変速機20
によれば、前進の低速段、中速段及び高速段と後退段と
が得られる。
【0028】つまり、まず、前進クラッチ23のみを締
結した状態では、トルクコンバータ出力軸16からの動
力がフロント遊星歯車機構21のサンギヤ21aに入力
されると共に、リングギヤ21bが第1ワンウエィクラ
ッチ25を介してケース3に固定されるので、該フロン
ト遊星歯車機構21のピニオンキャリヤ21cから中間
ギヤ5に上記トルクコンバータ出力軸16の回転が大き
な減速比で減速されて出力されることになり、これによ
り低速段が得られる。
【0029】また、この低速段の状態から3−4ブレー
キ28が締結されると、第2ワンウェイクラッチ27を
介してリヤ遊星歯車機構22のサンギヤ22aが固定さ
れることにより、コンバータ出力軸16から前進クラッ
チ23及びフロント遊星歯車機構21のサンギヤ21a
を介してリヤ遊星歯車機構22のリングギヤ22bに入
力される動力は、該リヤ遊星歯車機構22で上記低速段
の減速比よりも小さな減速比で減速されてピニオンキャ
リヤ22cから中間ギヤ5に出力されることになり、こ
れにより中速段が得られる。
【0030】さらに、この中速段の状態から直結クラッ
チ24が締結されると、コンバータ出力軸16からの動
力は、前進クラッチ23及びフロント遊星歯車機構21
のサンギヤ21aを介してリヤ遊星歯車機構22のリン
グギヤ22bに入力されると同時に、上記直結クラッチ
24を介して該リヤ遊星歯車機構22のサンギヤ22a
にも入力されることになる。したがって、該リヤ遊星歯
車機構22は全体が一体回転することになって、ピニオ
ンキャリヤ22cから中間ギヤ5にコンバータ出力軸1
6の回転と等しい回転が出力され、これにより高速段
(直結段)が得られることになる。
【0031】そして、上記前進クラッチ23が解放され
て、直結クラッチ24とローリバースブレーキ26とが
締結されれば、コンバータ出力軸16からの動力はリヤ
遊星歯車機構22のサンギヤ22aに入力される一方に
おいて、フロント遊星歯車機構21のリングギヤ21b
が固定されることにより、両遊星歯車機構21,22の
ピニオンキャリヤ21c,22cから中間ギヤ5に上記
コンバータ出力軸16の回転が逆転されて出力され、後
退段が得られる。
【0032】なお、低速段及び中速段での減速時には、
上記第1、第2ワンウエィクラッチ25,27がそれぞ
れ空転してエンジンブレーキが作動しないことになる
が、エンジンブレーキ用のレンジにおいては、低速段で
は第1ワンウエィクラッチ25に並列のローリバースブ
レーキ26が締結されることにより、また、中速段では
第2ワンウエィクラッチ27に並列のコーストブレーキ
29が締結されることにより、それぞれエンジンブレー
キが作動する低速段及び中速段が得られる。
【0033】一方、副変速機30は単一の遊星歯車機構
31を有し、上記主変速機20における中間ギヤ5に常
時噛み合った中間ギヤ6が該遊星歯車機構31のリング
ギヤ31aに連結されていると共に、該リングギヤ31
aとサンギヤ31bとの間には直結クラッチ32が配置
され、かつ、サンギヤ31bと変速機ケース3との間に
は、第3ワンウエィクラッチ33と減速ブレーキ34と
が並列に配置されている。そして、該遊星歯車機構31
のピニオンキャリヤ31cに出力ギヤ7が連結され、該
ギヤ7から差動装置を介して左右の駆動輪(図示せず)
に動力が伝達されるようになっている。
【0034】この副変速機30は、主変速機20から中
間ギヤ5,6を介して入力される動力を低速段と高速段
の前進2段に変速して出力ギヤ7に出力することができ
るようになっている。
【0035】つまり、直結クラッチ32が解放されてい
る状態では、第3ワンウェイクラッチ33もしくは減速
ブレーキ34によって遊星歯車機構31のサンギヤ31
bが固定されることにより、該遊星歯車機構31のリン
グギヤ31aに入力される中間ギヤ6からの動力が減速
されてピニオンキャリヤ31cから出力ギヤ7に出力さ
れ、これにより低速段が得られる。その場合に、上記減
速ブレーキ34が締結されておれば、この副変速機30
の単体として、エンジンブレーキが作動することにな
る。
【0036】また、上記直結クラッチ32が締結され、
かつ減速ブレーキ34が解放されておれば、該遊星歯車
機構31のリングギヤ31aとサンギヤ31bとが結合
されることにより、上記中間ギヤ6からの動力がピニオ
ンキャリヤ31cからそのまま出力ギヤ7に出力され、
これにより高速段(直結段)が得られることになる。
【0037】このようにして、主変速機20によって前
進3段、後退1段の変速段が得られ、また、副変速機3
0によって、主変速機20の出力に対して高低2段の変
速段が得られるから、自動変速機の全体としては前進に
ついては6段の変速段が得られ、また、後退について
は、主変速機20の後退段と副変速機30の減速ブレー
キ34が締結された低速段との組合せで全体としての後
退段が得られることになる。そして、この実施例では、
前進変速段としては上記6段のうちの所定の5段を採用
するようになっている。
【0038】ここで、この前進5段、後退1段の各変速
段における各クラッチやブレーキの作動状態をまとめる
と、表1のようになる。なお、表1中、(○)は、エン
ジンブレーキ用のレンジのみで締結されることを示す。
【0039】
【表1】 なお、この実施例では、副変速機30における直結クラ
ッチ32と減速ブレーキ34の締結用ピストンとして、
図2に示すような2重構造のピストンが採用されてい
る。
【0040】つまり、直結クラッチ32は、中間ギヤ6
及び遊星歯車機構31のリングギヤ31aが一体的に形
成されたハブ部材32aと、上記遊星歯車機構31のサ
ンギヤ31bが固着された軸35に一体のドラム部材3
2bとの間に駆動側及び被駆動側の複数の摩擦板32
c,32dを交互に配設すると共に、これらの摩擦板3
2c,32dの背部に受圧面積の大きい大径の第1ピス
トン32eを配置し、かつ、さらにその背部に受圧面積
の小さい小径の第2ピストン32fを配置し、また、両
ピストン32e,32fのリターンスプリング32gを
備えた構成とされている。
【0041】そして、油路36により締結圧が導入され
る第1ピストン32eの背部の第1油圧室321と、油
路37により締結圧が導入される第2ピストン32fの
背部の第2油圧室322とが設けられ、これらの油圧室
321,322に同一の締結圧が導入された場合に、第1
油圧室321に導入された場合の方が第2油圧室322
導入された場合より大きな締結力が得られるようになっ
ている。
【0042】また、減速ブレーキ34は、上記直結クラ
ッチ32のドラム部材32bと変速機ケース3との間に
駆動側及び被駆動側の複数の摩擦板34a,34bを交
互に配設し、リターンスプリング34cに抗してこれら
の摩擦板34a,34bを締結させるピストン34dを
備えると共に、該ピストン34dの背部に、受圧面積の
大きい内周側の第1油圧室341と、受圧面積の小さい
外周側の第2油圧室342とを同心状に設けた構成とさ
れている。そして、これらの油圧室341,342に同一
の締結圧が導入された場合に、第1油圧室341に締結
圧が導入された場合の方が第2油圧室342に導入され
た場合より大きな締結力が得られるようになっている。
【0043】次に、上記表1に従って各クラッチ及びブ
レーキを選択的に締結させることにより、運転状態もし
くは運転者の要求に応じた変速段を形成する油圧回路に
ついて説明する。
【0044】図3に示すように、この油圧回路40に
は、まず、オイルポンプ4から吐出される作動油の圧力
を所定圧力のライン圧に調整するレギュレータバルブ4
1が備えられ、該レギュレータバルブ41によって調整
されたライン圧が、メインライン42により、運転者に
よって操作されるマニュアルバルブ43と、各種制御用
元圧を生成する第1〜第3レデューシングバルブ44,
45,46とに供給されるようになっている。
【0045】これらのレデューシングバルブ44〜46
のうち、第1レデューシングバルブ44によって一定圧
に減圧された制御用元圧はライン47を介してモデュレ
ータバルブ48に供給されるようになっている。そし
て、このモデュレータバルブ48の制御ポート48aに
はデューティソレノイドバルブ49によって調整された
制御圧が供給され、このデューティソレノイドバルブ4
9のデューティ率(1ON,OFFサイクル中のON時
間の比率)に応じて上記制御元圧からモデュレータ圧が
生成されると共に、このモデュレータ圧がライン50を
介して上記レギュレータバルブ41の第1増圧ポート4
1aに供給され、これにより、ライン圧が上記デューテ
ィ率に応じて増圧されるようになっている。その場合
に、上記デューティ率は例えばエンジンのスロットル開
度等に応じて設定さることにより、ライン圧が該スロッ
トル開度等に応じた値に調整されることになるなお、上
記モデュレータ圧をレギュレータバルブ41の第1増圧
ポート41aに供給するライン50には、デューティソ
レノイドバルブ49の周期的ON,OFF動作に起因す
る油圧の脈動を抑制するための第1アキュムレータ51
が設置されている。
【0046】また、上記マニュアルバルブ43は、D,
3,2,1の各前進レンジと、R(後退)レンジと、N
(中立)レンジと、P(駐車)レンジの設定が可能とさ
れており、前進レンジでは、上記メインライン42を前
進ライン52に、Rレンジでは後退ライン53にそれぞ
れ接続させるようになっている。
【0047】上記前進ライン52は、作動油の供給時と
排出時とで絞り量を異ならせたオリフィス54を介して
前進クラッチ23に導かれており、したがって、D,
3,2,1の各前進レンジでは、前進クラッチ23が常
時締結されることになる。その場合に、この前進ライン
52には、前進クラッチ23への締結圧の供給時におけ
るショックを緩和するための第2アキュムレータ55が
設置され、このアキュムレータ55に上記メインライン
42からライン56を介して背圧が供給されるようにな
っている。
【0048】また、上記後退ライン53は、副変速機3
0における減速ブレーキ34の受圧面積の大きな第1油
圧室341に直接導かれており、したがって、Rレンジ
では、この第1油圧室341に導入されるライン圧によ
り、減速ブレーキ34が大きな締結力で締結されること
になる。なお、この後退ライン53からはレギュレータ
バルブ41の第2増圧ポート41bに通じるライン57
が分岐され、Rレンジでライン圧の調整値を高くするよ
うになっている。
【0049】一方、上記メインライン42、前進ライン
52及び後退ライン53からは、主変速機20における
変速用の第1、第2、第3シフトバルブ61,62,6
3と、副変速機30における変速用の第4、第5シフト
バルブ64,65とにライン圧が供給されるようになっ
ている。
【0050】これらのシフトバルブ61〜65は、いず
れも一端に制御ポート61a〜65aが設けられ、上記
第2レデューシングバルブ45から導かれた制御用元圧
ライン66が主変速機用の第1〜第3シフトバルブ61
〜63の各制御ポート61a〜63aに、また、第3レ
デューシングバルブ46から導かれた制御用元圧ライン
67が副変速機用の第4、第5シフトバルブ64,65
の各制御ポート64a,65aにそれぞれ接続されてい
る。
【0051】上記制御用元圧ライン66,67には、第
1〜第5シフトバルブ61〜65に対応させて第1〜第
5ON−OFFソレノイドバルブ71〜75が設置され
ている。これらのON−OFFソレノイドバルブ71〜
75は、ON時に当該シフトバルブ61〜65の制御ポ
ート61a〜65a内をドレンさせるようになってお
り、したがって、各シフトバルブ61〜65のスプール
は、対応するON−OFFソレノイドバルブ71〜75
がONのときに図面上、左側に位置し、OFFのときに
右側に位置することになる。
【0052】そして、これらのソレノイドバルブ71〜
75のON,OFFの組合せ、即ち各シフトバルブ61
〜65のスプールの位置の組合せに応じて、上記メイン
ライン42、前進ライン52もしくは後退ライン53か
ら各クラッチ及びブレーキに通じるラインが選択的に連
通され、これにより、前記表1に示すところに従って各
クラッチ及びブレーキが締結されて、1〜5速と後退速
とが得られることになる。その場合に、各クラッチ及び
ブレーキに供給される締結圧は、それぞれ次のようにし
て適正値に制御されるようになっている。
【0053】つまり、主変速機20における直結クラッ
チ24、コーストブレーキ29、ローリバースブレーキ
26及び3−4ブレーキ28については、ライン圧を減
圧して所定の締結圧に調整するためのコントロールバル
ブ76,77,78,79がそれぞれ備えられ、これら
のうち、コーストブレーキ用、ローリバースブレーキ用
及び3−4ブレーキ用のコントロールバルブ77,7
8,79については、制御ポート77a,78a,79
aに第1リニアソレノイドバルブ80によって調整され
た制御圧がライン81を介して供給されて、該制御圧に
応じて締結圧がそれぞれ制御されるようになっている。
【0054】また、直結クラッチ用コントロールバルブ
76の制御ポート76aには、ライン82によって直結
クラッチ24に供給される締結圧自体がワンウェイオリ
フィス83と第3アキュムレータ84とが設けられたラ
イン85を介して制御圧として供給され、このアキュム
レータ84の作動により該締結圧の立ち上がりが制御さ
れるようになっている。
【0055】なお、上記第1リニアソレノイドバルブ8
0は、上記第1レデューシングバルブ44からライン4
7を介して供給される制御元圧をコントローラ(図4参
照)からの制御信号に応じて調整して、そのときの変速
段や運転状態に応じた制御圧を生成するようになってい
る。また、上記直結クラッチ用コントロールバルブ76
と、上記ローリバースブレーキ用コントロールバルブ7
8の一端に設けられたポート76b,78bには、上記
後退ライン53から分岐された調圧動作禁止用ライン8
6がそれぞれ接続され、Rレンジで、これらのポート7
6b,78bにライン圧が供給されてスプールが図面
上、左側の位置に固定されることにより、該直結クラッ
チ用及びローリバースブレーキ用コントロールバルブ7
6,78の調圧動作が阻止されるようになっている。さ
らに、3−4ブレーキ用コントロールバルブ79の一端
のポート79bには、コーストブレーキ29に締結圧が
供給されるときに、該締結圧がライン87を介して供給
されて、該コントロールバルブ79の調圧動作が制御さ
れるようになっている。
【0056】また、上記第1リニアソレノイドバルブ8
0によって生成された制御圧は、ライン81を介してア
キュムレータ用コントロールバルブ88の制御ポート8
8aにも供給されるようになっている。このコントロー
ルバルブ88は、メインライン42からライン89を介
して供給されるライン圧を上記第1リニアソレノイドバ
ルブ80からの制御圧に応じて調整して、上記第3アキ
ュムレータ84及び第4アキュムレータ90用の背圧を
生成し、これをライン91によって両アキュムレータ8
4,90の背圧ポート84a,90aに供給するように
なっている。
【0057】一方、副変速機30における締結圧の制御
用としては、直結クラッチ32の受圧面積の大きな第1
油圧室321及び受圧面積の小さな第2油圧室322に供
給される締結圧を調整する直結クラッチ用コントロール
バルブ101と、減速ブレーキ34の受圧面積の小さな
第2油圧室342に供給される締結圧を調整する減速ブ
レーキ用コントロールバルブ102と、第2リニアソレ
ノイドバルブ103とが備えられている。なお、減速ブ
レーキ34の受圧面積の大きな第1油圧室341には、
前述のように、Rレンジでマニュアルバルブ43から後
退ライン53を介してライン圧が直接供給される。
【0058】上記第2リニアソレノイドバルブ103
は、メインライン42からライン圧が制御元圧として供
給され、これをコントローラからの制御信号に応じて調
整した上で、ライン104及び第5シフトバルブ65か
ら、ライン105もしくはライン106を介して減速ブ
レーキ用コントロールバルブ102の制御ポート102
aに供給し、もしくは直結クラッチ32の第1油圧室3
1に連通して該油圧室321の油圧を調整する。そし
て、上記減速ブレーキ用コントロールバルブ102は、
上記のようにして第2リニアソレノイドバルブ103で
生成された制御圧が制御ポート102aに供給されてい
るときに、メインライン42からライン107、第4シ
フトバルブ64、ライン108、第5シフトバルブ65
及びライン109を介して供給されるライン圧を上記制
御圧に応じて調整し、これをライン110を介して減速
ブレーキ34の第2油圧室342に供給する。
【0059】一方、直結クラッチ用コントロールバルブ
101には、メインライン42からライン107、第4
シフトバルブ64、ライン111を介してライン圧が供
給され、これを調整した上で、ワンウェイオリフィス1
12、ライン113及び第5シフトバルブ65から、上
記ライン106もしくはライン114を介して直結クラ
ッチ32の第1油圧室321もしくは第2油圧室322
選択的に供給するようになっている。
【0060】そして、この直結クラッチ用コントロール
バルブ101の制御ポート101aには、上記直結クラ
ッチ32の第1油圧室321もしくは第2油圧室322
供給される締結圧自体が、ワンウェイオリフィス115
及び第5アキュムレータ116が設けられたライン11
7を介して制御圧として供給されるようになっており、
したがって、上記締結圧は、第5アキュムレータ116
の作動により一定の棚圧状態を経て立ち上がることにな
る。なお、このアキュムレータ116の背圧ポート11
6aには、メインライン42からライン118を介して
背圧が供給されるようになっている。
【0061】そして、以上の構成の油圧回路40におい
て、第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
5のON,OFFの組合せパターンは表2に示すように
なっており、これにより前進の1〜5速と後退速とが得
られるようになっている。ここで、表2中、(1)、
(2)はエンジンブレーキ用レンジでの1速及び2速を
示す。
【0062】
【表2】 次に、この表2に従って各ON−OFFソレノイドバル
ブ71〜75のON,OFFの組合せと変速段との関係
を具体的に説明する。
【0063】まず、Dレンジ等で採用されるエンジンブ
レーキの作動しない1速では、主変速機20側では、第
1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜73がO
N,OFF,OFFの状態にあって、第1〜第3シフト
バルブ61〜63のスプールが左側、右側、右側にそれ
ぞれ位置している。この状態では、前進ライン52から
分岐されたライン121が第1シフトバルブ61を介し
てライン122に連通し、さらに第2シフトバルブ62
を介してライン123に連通するが、このライン123
は第3シフトバルブ63で遮断される。また、同じく前
進ライン52から分岐された他のライン124は第2シ
フトバルブ62で、メインライン42から分岐されたラ
イン125は第1シフトバルブ61でそれぞれ遮断され
る。したがって、この場合は、前述のように、前進レン
ジで常時締結される前進クラッチ23のみが締結された
状態となり、主変速機20においてエンジンブレーキが
作動しない低速段が得られる。
【0064】そして、副変速機30においては、第4、
第5ON−OFFソレノイドバルブ74,75が共にO
FFの状態にあって、第4、第5シフトバルブ64,6
5のスプールが共に右側に位置することにより、メイン
ライン42がライン107及び第4シフトバルブ64を
介してライン108に連通し、さらに、第5シフトバル
ブ65を介して減速ブレーキ用コントロールバルブ10
2に至るライン109に連通して、該コントロールバル
ブ102にライン圧が供給される。このとき、第2リニ
アソレノイドバルブ103で生成された制御圧がライン
104、第5シフトバルブ65及びライン105を介し
て減速ブレーキ用コントロールバルブ102の制御ポー
ト102aに供給されることにより、上記ライン圧が該
制御圧に応じて調整され、所定の締結圧とされた上で、
ライン110を介して減速ブレーキ34の第2油圧室3
2に供給され、該減速ブレーキ34が締結される。
【0065】また、直結クラッチ32は、第1油圧室3
1がライン106、第5シフトバルブ65、ライン1
13、直結クラッチ用コントロールバルブ101及びラ
イン111を介して第4シフトバルブ64のドレンポー
トに連通し、また、第2油圧室322が、ライン114
を介して第5シフトバルブ65のドレンポートに連通す
ることにより解放された状態にある。その結果、副変速
機30の変速段はエンジンブレーキが作動する低速段と
なり、自動変速機全体としては、エンジンブレーキの作
動しない1速となる。
【0066】また、1レンジや2レンジ等で採用される
エンジンブレーキが作動する1速では、上記のエンジン
ブレーキ非作動の1速に対して主変速機20における第
3ソレノイドバルブ73がONとなり、これにともなっ
て、第3シフトバルブ63のスプールが左側に位置す
る。したがって、この場合は、上記前進ライン52が、
その分岐ライン121、第1シフトバルブ61、ライン
122、第2シフトバルブ62、ライン123及び第3
シフトバルブ63を介してローリバースブレーキ用コン
トロールバルブ78に通じるライン126に連通し、該
コントロールバルブ78にライン圧が供給されることに
なる。
【0067】そして、このコントロールバルブ78に供
給されたライン圧は、第1リニアソレノイドバルブ80
からライン81を介して制御ポート78aに供給されて
いる制御圧に応じた締結圧に調整され、これがライン1
27を介してローリバースブレーキ29に供給される。
これにより、前進クラッチ23に加えて、ローリバース
ブレーキ29が締結され、主変速機20において、エン
ジンブレーキが作動する低速段が得られることになる。
そして、副変速機30においては、前述のエンジンブレ
ーキ非作動の1速の場合と同様に減速ブレーキ34が締
結されているから、自動変速機全体として、エンジンブ
レーキが作動する1速が得られる。
【0068】次に、Dレンジ等で採用されるエンジンブ
レーキ非作動の2速、及び1レンジや2レンジ等で採用
されるエンジンブレーキ作動の2速では、上記のエンジ
ンブレーキ非作動の1速及びエンジンブレーキ作動の1
速の状態に対して副変速機30の変速段のみが変化す
る。
【0069】つまり、副変速機30における第4ON−
OFFソレノイドバルブ74がONとなり、これに伴っ
て第4シフトバルブ64のスプールが左側に位置する。
したがって、メインライン42からライン107を介し
て第4シフトバルブ64に供給されているライン圧が該
第4シフトバルブ64からライン111を介して直結ク
ラッチ用コントロールバルブ101に供給されると共
に、該コントロールバルブ101で立ち上がりを調整さ
れた上で、ライン113、第5シフトバルブ65及びラ
イン106を介して直結クラッチ32の第1油圧室32
1に供給されることになる。これにより、副変速機30
の変速段が高速段となり、その結果、自動変速機の全体
として、エンジンブレーキが作動しない2速或はエンジ
ンブレーキが作動する2速が得られることになる。
【0070】さらに、3速では、主変速機20におい
て、第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
3がOFF,ON,ONとなり、これに伴って第1〜第
3シフトバルブ61〜63のスプールが、右側、左側、
左側に位置することになる。この場合、まず、前進ライ
ン52からの一方の分岐ライン121が、第1シフトバ
ルブ61を介してライン128に連通し、さらに第3シ
フトバルブ63を介してコーストブレーキ用コントロー
ルバルブ77に通じるライン129に連通する。したが
って、該コントロールバルブ77にライン圧が供給さ
れ、これが第1リニアソレノイドバルブ80からライン
81を介して供給される制御圧に応じて所定の締結圧に
調整された上で、ライン130を介してコーストブレー
キ29に供給され、これにより該コーストブレーキ29
が締結される。
【0071】また、前進ライン52からの他方の分岐ラ
イン124が第2シフトバルブ62を介して3−4ブレ
ーキ用コントロールバルブ79に通じるライン131に
連通し、該コントロールバルブ79にライン圧を供給す
る。このコントロールバルブ79には、上記第1リニア
ソレノイドバルブ80からライン81を介して制御圧が
供給されると共に、上記コーストブレーキ29に供給さ
れている締結圧がライン87を介して制御圧として供給
され、これらの制御圧に応じて調整された締結圧がライ
ン132を介して3−4ブレーキ28に供給されること
になる。
【0072】その結果、主変速機20においては、前進
クラッチ23に加えて3−4ブレーキ28が締結され、
しかも上記コーストブレーキ29も締結されることによ
り、エンジンブレーキが作動する中速段が得られること
になる。
【0073】一方、副変速機30においては、第4、第
5ON−OFFソレノイドバルブ74,75が共にOF
Fの状態にあって、前述の1速の場合と同様にして、変
速段がエンジンブレーキの作動する低速段に設定されて
いる。したがって、自動変速機の全体としては、所定の
減速比を有し、かつ、エンジンブレーキが作動する3速
が得られることになる。
【0074】そして、4速では、この3速の状態から副
変速機30における第4、第5ON−OFFソレノイド
バルブ74,75が共にONとなって、第4、第5シフ
トバルブ64,65のスプールが左側に位置し、これに
より、まず、前記の2速の場合と同様に、メインライン
42からライン107、第4シフトバルブ64、及びラ
イン111を介してライン圧が直結クラッチ用コントロ
ールバルブ101に供給され、該コントロールバルブ1
01で立ち上がりを調整され、所定の締結圧となって、
ライン113及び第5シフトバルブ65から、今度はラ
イン114を介して直結クラッチ32の第2油圧室32
2に供給されることになる。その結果、直結クラッチ3
2が締結されて副変速機30の変速段が高速段となる。
そして、主変速機20は上記の3速の場合と同様に中速
段に設定されているから、自動変速機全体としての変速
段は4速となる。
【0075】さらに、5速においては、主変速機20に
おける第1〜第3ON−OFFソレノイドバルブ71〜
73がOFF,ON,OFFとなって、第1〜第3シフ
トバルブ61〜63のスプールが右側、左側、右側に位
置する。そのため、メインライン42から分岐されたラ
イン125が第1シフトバルブ61を介してライン13
3に連通すると共に、さらに、第3シフトバルブ63を
介して直結クラッチ用コントロールバルブ76に通じる
ライン134に連通し、したがって、該コントロールバ
ルブ76にライン圧が供給されることになる。そして、
このコントロールバルブ76によって調整された締結圧
がライン82によって直結クラッチ24に供給され、該
クラッチ24を締結させる。これにより、主変速機20
においては、前進クラッチ23と直結クラッチ24とが
締結されて、変速段が高速段となる。なお、この直結ク
ラッチ24の締結時には、第3アキュムレータ84の作
用により、締結圧が一定の棚圧状態を経て供給される。
【0076】一方、副変速機30は、前述の4速の場合
と同様に、第4、第5ON−OFFソレノイドバルブ7
4,75が共にONの状態にあって、変速段は高速段に
設定されており、その結果、自動変速機の全体としては
5速が得られることになる。
【0077】さらに、上記マニュアルバルブ43がRレ
ンジに操作された後退速においては、該マニュアルバル
ブ43を介して後退ライン53がメインライン42に連
通されると共に、第1〜第3ON−OFFソレノイドバ
ルブ71〜73がOFF,OFF,OFFの状態となっ
て、第1〜第3シフトバルブ61〜63のスプールがい
ずれも右側に位置することになる。
【0078】そのため、まず、メインライン42から分
岐されたライン125が、前述の5速の場合と同様に、
第1シフトバルブ61を介してライン133に連通する
と共に、さらに、第3シフトバルブ63を介して直結ク
ラッチ用コントロールバルブ76に通じるライン134
に連通し、したがって、該コントロールバルブ76にラ
イン圧が供給されることになる。この場合は、該コント
ロールバルブ76の一端のポート76bに、上記後退ラ
イン53からライン86を介してライン圧が供給され
て、該コントロールバルブ76のスプールが図面上、左
側に固定されることにより、上記ライン134から供給
されたライン圧は、減圧されることなくライン82を介
してそのまま直結クラッチ24に供給され、該直結クラ
ッチ24を高い締結圧で締結させる。
【0079】また、上記後退ライン53は、作動油の供
給方向と排出方向とで絞り量が異なるオリフィス135
を有するライン136、第3シフトバルブ63及び前述
のライン126を介してローリバースブレーキ用コント
ロールバルブ78に連通して、上記のエンジンブレーキ
作動の1速の場合と同様に、該コントロールバルブ78
にライン圧を供給する。この場合、該コントロールバル
ブ78の一端のポート78bには、上記後退ライン53
から分岐されたライン86によってライン圧が導入され
ることにより、該コントロールバルブ78のスプールが
図面上、左側に固定される。そのため、上記ライン12
6によって供給されているライン圧は、該コントロール
バルブ78で調整されることなく、そのままローリバー
スブレーキ26に供給され、該ローリバースブレーキ2
6を高い締結圧で締結することになる。
【0080】これにより、主変速機20においては、直
結クラッチ24及びローリバースブレーキ26が締結さ
れ、後退段が得られる。そして、副変速機30において
は、第4,第5ON−OFFソレノイドバルブ74,7
5が共にOFFで、変速段がエンジンブレーキの作動す
る低速段に設定された状態にあり、減速比の大きな後退
速が得られる。
【0081】なお、上記ローリバースブレーキ26に締
結圧が供給される際には、上記ライン136からライン
137を介して第4アキュムレータ90に作動油が導入
されることにより、該締結圧が所定の棚圧状態を経て徐
々に立ち上がることになる。
【0082】以上の構成に加えて、この油圧回路40に
は、トルクコンバータ10内のロックアップクラッチ1
7を制御するためのロックアップ第1、第2シフトバル
ブ141,142と、ロックアップコントロールバルブ
143とが備えられている。
【0083】そして、メインライン42から第1シフト
バルブ141とコントロールバルブ143とにコンバー
タライン144が導かれていると共に、第1シフトバル
ブ141の一端の制御ポート141aには、上記第2レ
デューシングバルブ45からの制御ライン66がライン
145を介して接続されている。そして、このライン1
45にはロックアップ制御用のON−OFFソレノイド
バルブ146が設置され、該バルブ146がOFFのと
きに、上記第1シフトバルブ141の制御ポート141
aに制御圧が導入されることにより、該バルブ141の
スプールが左側に位置するようになっている。このと
き、上記コンバータライン144がトルクコンバータ1
0内のロックアップ解放室17aに通じる解放ライン1
47に連通し、これによってロックアップクラッチ17
が解放される。
【0084】一方、上記ON−OFFソレノイドバルブ
146がONとなって、第1シフトバルブ141の制御
ポート141aから制御圧がドレンされることにより、
該バルブ141のスプールが右側に位置すると、上記コ
ンバータライン144がトルクコンバータ10内のロッ
クアップ締結室17bに通じる締結ライン148に連通
し、これによりロックアップクラッチ17が締結され
る。そして、このとき、上記解放ライン147は第1シ
フトバルブ141及びライン149を介してロックアッ
プコントロールバルブ143に通じ、該コントロールバ
ルブ143で調整された作動圧が、ロックアップ解放圧
としてロックアップクラッチ17の解放室17bに供給
される。
【0085】つまり、上記コントロールバルブ143の
一端の制御ポート143aには、上記第1レデューシン
グバルブ44から導かれた制御ライン150が接続され
ていると共に、この制御ライン150にはデューティソ
レノイドバルブ151が設置され、上記制御ポート15
3aに供給される制御圧を該デューティソレノイドバル
ブ151に与えられる制御信号のデューティ率に応じて
調整することにより、上記解放圧を調整するようになっ
ているのである。
【0086】また、上記デューティソレノイドバルブ1
51によって生成された制御圧は、ライン152を介し
て第2シフトバルブ142の制御ポート142aにも供
給される。そして、該制御圧が所定値以下の場合には、
第2シフトバルブ142のスプールが右側に位置するこ
とにより、メインライン42からライン56を介して導
かれたライン153がライン154を介して上記コント
ロールバルブ143の調圧阻止ポート143bに連通し
て、該ポート143bにライン圧を供給する。これによ
り、コントロールバルブ143による解放圧の調整動作
が阻止され、このとき、ロックアップクラッチ17は締
結圧のみが供給された完全締結状態となる。
【0087】そして、上記制御圧が所定値以上となった
ときに、コントロールバルブ143による解放圧の調整
動作が行われ、この解放圧に応じてロックアップクラッ
チ17がスリップ制御されるようになっている。ここ
で、上記第2シフトバルブ142のスプールは、制御圧
の非導入時に右側に位置し、このとき、上記前進クラッ
チ23に通じるライン52上のオリフィス54をバイパ
スするライン155を開通させるようになっている。
【0088】なお、この油圧回路40に備えられたライ
ン圧調整用のデューティソレノイドバルブ49、変速用
の第1〜第5ON−OFFソレノイドバルブ71〜7
5、締結圧調整用の第1、第2リニアソレノイドバルブ
80,103、ロックアップ制御用のON−OFFソレ
ノイドバルブ146及びデューティソレノイドバルブ1
51は、図4に示すように、コントローラ160からの
制御信号によって制御されるようになっている。そし
て、このコントローラ160には、車速を検出するセン
サ161からの信号、エンジンのスロットル開度を検出
するセンサ162からの信号、及び運転者によって選択
されたシフト位置(レンジ)を検出するセンサ163か
らの信号等が入力され、これらの信号によって示される
運転状態や運転者の要求に応じて上記各ソレノイドバル
ブを制御するようになっている。
【0089】本実施例に係る自動変速機は以上のような
構成であるが、この自動変速機においては、前述の説明
から明らかなように、副変速機30における減速ブレー
キ34が後退速と、前進の1速及び3速とで締結される
ことになる。その場合に、後退速では、主変速機20の
減速比が大きく、しかもエンジンの全開出力が入力され
る場合もあるので、大きなトルク容量が必要とされるの
に対して、1速及び3速では、加速時には当該減速ブレ
ーキ34に並列に配置された第3ワンウェイクラッチ3
3(図1参照)がトルクを受け持つので、該減速ブレー
キ34は、第3ワンウェイクラッチ33が空転する減速
時(エンジンブレーキ時)のみトルクを伝達すればよ
く、その場合の伝達トルクはごく小さいものであるか
ら、トルク容量も小さいもので足りることになる。つま
り、この減速ブレーキ34は、変速段によって必要とさ
れるトルク容量が大幅に異なっているのであり、このよ
うな場合に、油圧の制御によってそれぞれに応じたトル
ク容量が得られるようにすると、その制御幅が著しく広
くなり、制御の複雑化や精度の低下を招くことになるの
である。
【0090】そこで、前述のように、この減速ブレーキ
34については、締結圧が供給される油圧室として、図
2に示すように、受圧面積の大きな第1油圧室34
1と、受圧面積の小さな第2油圧室342とを設けると共
に、油圧回路40においては、次のように対応している
のである。
【0091】つまり、後退速では、マニュアルバルブ4
3(図3参照)から導かれた後退ライン53を減速ブレ
ーキ34の受圧面積の大きな第1油圧室341に導き、
マニュアルバルブ43をR位置に操作することによっ
て、ライン圧が該第1油圧室341に直接供給されるよ
うになっているのである。これにより、油圧を高める等
の制御を要することなく、後退速で、大きな伝達トルク
に対応したトルク容量が得られることになる。
【0092】一方、1速及び3速のエンジンブレーキ時
には、図5に示すように、第4、第5ON−OFFソレ
ノイドバルブ74,75が共にOFFの状態にあって、
第4、第5シフトバルブ64,65のスプールが右側に
位置することにより、メインライン42からライン10
7、第4シフトバルブ64、ライン108、第5シフト
バルブ65及びライン109を介して減速ブレーキ用コ
ントロールバルブ102にライン圧が供給され、該コン
トロールバルブ102において、制御ポート102aに
供給される第2リニアソレノイドバルブ103からの制
御圧に応じて調整された上で、ライン110を介して減
速ブレーキ34の受圧面積の小さな第2油圧室342
供給される。これにより該減速ブレーキ34が締結され
るのであるが、その場合に、締結圧は受圧面積の小さい
第2油圧室342に供給され、かつ、上記のようにして
調整されることにより、エンジンブレーキ時の小さな伝
達トルクに対応して、該ブレーキ34の締結力ないしト
ルク容量もごく小さな値となる。
【0093】このようにして、減速ブレーキ34は、後
退速と、1,3速でのエンジンブレーキ時とで、伝達ト
ルクが大幅に異なる状態で締結されるのであるが、いず
れの場合にも、その伝達トルクに対応した締結力で締結
されることになる。
【0094】そして、特に上記の構成によれば、大きな
締結力が必要とされる後退速では、受圧面積の大きな第
1油圧室341にライン圧をマニュアルバルブ43から
直接供給するので、締結力を調整するリニアソレノイド
バルブ103は、1,3速のエンジンブレーキ時に必要
とされるごく低い締結圧のみを調整すればよいことにな
り、したがって、制御が簡素化されると共に、制御範囲
が狭くなって高い制御精度が得られることになる。
【0095】ここで、以上の実施例では、図2に示すよ
うに、直結クラッチ32の第1,第2油圧室321,3
2は2個のピストン32e,32fによってそれぞれ
構成されているのに対して、減速ブレーキ34の第1,
第2油圧室341,342は1個のピストン34dで構成
されているが、これを逆にし、或は両方とも2個もしく
は1個のピストンで構成するようにしてもよい。
【0096】また、この実施例では、図3に示す油圧回
路40が、主変速機20における各摩擦要素及びロック
アップクラッチ17を制御する主変速機制御部と、図5
に示した副変速機30における直結クラッチ32及び減
速ブレーキ34を制御する副変速機制御部とに分割され
ており、それぞれが別体とされた第1、第2バルブボデ
ィ171,172によって構成されている。
【0097】つまり、図6に示すように、主変速機制御
部を構成する第1バルブボディ171は、当該自動変速
機1における主変速機20の下方に配置されたオイルパ
ン170内に配置されており、また、副変速機制御部を
構成する第2バルブボディ172は、副変速機30の上
方に配置されている。第1バルブボディ171の主変速
機制御部から副変速機30の制御用として、メインライ
ン42と後退ライン53とが導かれているのであるが、
このうち、メインライン42は上記第2バルブボディ1
72に接続されて該ボディ172の各部にライン圧を供
給するのに対して、後退ライン53は、第2バルブボデ
ィ172に接続されることなく、主変速機用の第1バル
ブボディ171におけるマニュアルバルブ43から変速
記ケース内を通過して、副変速機30における減速ブレ
ーキ34の第1油圧室341に直接導かれているのであ
る。
【0098】これにより、第2バルブボディ172の油
路の構成が簡素化されると共に、上記マニュアルバルブ
43から減速ブレーキ34の第1油圧室341に至る油
路が短くなるため、その間の流路抵抗による圧力降下が
低減され、特に高い圧力が必要とされる後退速での減速
ブレーキ用締結圧が所要の圧力に維持されることにな
る。
【0099】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、伝達トル
クの異なる複数の変速段で締結される摩擦要素が備えら
れた自動変速機において、上記摩擦要素が伝達トルクの
大きな変速段で締結されるときには、締結圧としてマニ
ュアルバルブから導かれたライン圧を該摩擦要素の受圧
面積の大きな第1油圧室に供給することにより、その伝
達トルクに対応した大きなトルク容量が得られるように
したから、締結圧の制御は、伝達トルクの小さい他の変
速段で締結される際の制御だけで足りることになる。こ
れにより、伝達トルクが異なる変速段で締結される摩擦
要素に対する締結圧の制御を簡素化し、かつ、高い制御
精度を確保しながら、いずれの変速段においても、伝達
トルクに対して過不足のない締結力ないしトルク容量が
得られることになる。
【0100】また、本願の第6発明によれば、油圧回路
の主変速機制御部と副変速機制御部とが別体とされた第
1、第2バルブボディによってそれぞれ構成されている
場合に、主変速機制御部の第1バルブボディに備えられ
たマニュアルバルブから副変速機における摩擦要素の第
1油圧室にライン圧を供給する油路を、副変速機制御用
の第2バルブボディを通過させることなく、上記第1油
圧室に直接導くようにしたので、上記第2バルブボディ
が簡素化されると共に、マニュアルバルブから上記摩擦
要素の第1油圧室に至る油路が短くなり、そのため、流
路抵抗による圧力降下が低減されて、特に高い締結圧が
必要とされる変速段で、所要の圧力の締結圧が確保され
ることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係る自動変速機の骨子図で
ある。
【図2】 同自動変速機における副変速機の構造を示す
断面図である。
【図3】 同自動変速機の油圧回路を示す回路図であ
る。
【図4】 図3の油圧回路における各ソレノイドバルブ
に対する制御システム図である。
【図5】 同油圧回路における副変速機制御部の構成を
示す回路図である。
【図6】 同油圧回路の主変速機制御部及び副変速機制
御部をそれぞれ構成する第1、第2バルブボディの配置
を示す図である。
【符号の説明】
20 主変速機 30 副変速機 34 摩擦要素(減速ブレーキ) 341 第1油圧室 342 第2油圧室 40 油圧回路 43 マニュアルバルブ 53 油路(後退ライン) 103 油圧制御手段(リニアソレノイドバルブ) 171 第1バルブボディ 172 第2バルブボディ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 丸未 敏久 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝達トルクが異なる複数の変速段で締結
    される摩擦要素を有する自動変速機の制御装置であっ
    て、上記摩擦要素を締結させる締結圧が導入される油圧
    室として、受圧面積の大きな第1油圧室と、受圧面積の
    小さな第2油圧室とが設けられていると共に、該摩擦要
    素に対する締結圧の給排を制御する油圧回路に、伝達ト
    ルクが大きい方の変速段で、マニュアルバルブから上記
    第1油圧室にライン圧を直接供給する油路が設けられて
    いることを特徴とする自動変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】 伝達トルクが異なる複数の変速段で締結
    される摩擦要素を有する自動変速機の制御装置であっ
    て、上記摩擦要素を締結させる締結圧が導入される油圧
    室として、受圧面積の大きな第1油圧室と、受圧面積の
    小さな第2油圧室とが設けられていると共に、該摩擦要
    素に対する締結圧の給排を制御する油圧回路に、伝達ト
    ルクが大きい方の変速段で、マニュアルバルブから上記
    第1油圧室にライン圧を直接供給する油路と、伝達トル
    クが小さい方の変速段で、その伝達トルクに応じてライ
    ン圧を調整して上記第2油圧室に供給する油圧制御手段
    とが設けられていることを特徴とする自動変速機の制御
    装置。
  3. 【請求項3】 伝達トルクの大きい方の変速段は、マニ
    ュアルバルブの操作によって得られる後退速であること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の自動変速機
    の制御装置。
  4. 【請求項4】 伝達トルクの大きい方の変速段は、マニ
    ュアルバルブの操作によって得られる後退速であり、伝
    達トルクの小さい方の変速段は、加速時に当該摩擦要素
    に並列に配置されたワンウェイクラッチがトルクを受け
    持つ変速段であることを特徴とする請求項1又は請求項
    2に記載の自動変速機の制御装置。
  5. 【請求項5】 主変速機と、その出力を変速する副変速
    機とを有し、該副変速機における所定の摩擦要素が伝達
    トルクの異なる複数の変速段で締結されるようになって
    いる自動変速機の制御装置であって、上記所定摩擦要素
    を締結させる締結圧が導入される油圧室として、受圧面
    積の大きな第1油圧室と、受圧面積の小さな第2油圧室
    とが設けられていると共に、該摩擦要素に対する締結圧
    の給排を制御する油圧回路に、伝達トルクが大きい方の
    変速段で、マニュアルバルブから上記第1油圧室にライ
    ン圧を直接供給する油路が設けられていることを特徴と
    する自動変速機の制御装置。
  6. 【請求項6】 主変速機と、その出力を変速する副変速
    機とを有し、かつ、各摩擦要素に対する締結圧の給排を
    制御する油圧回路の主変速機制御部と副変速機制御部と
    が別体とされた第1、第2バルブボディによってそれぞ
    れ構成されて、前者が変速歯車機構の下方に、後者が上
    方にそれぞれ配置されていると共に、上記副変速機にお
    ける所定の摩擦要素が伝達トルクの異なる複数の変速段
    で締結されるようになっている自動変速機の制御装置で
    あって、上記所定摩擦要素を締結させる締結圧が導入さ
    れる油圧室として、受圧面積の大きな第1油圧室と、受
    圧面積の小さな第2油圧室とが設けられていると共に、
    伝達トルクが大きい方の変速段で、上記第1バルブボデ
    ィに備えられたマニュアルバルブから副変速機における
    上記第1油圧室にライン圧を直接供給する油路が設けら
    れていることを特徴とする自動変速機の制御装置。
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