JP2005233161A - 排ガスの窒素酸化物除去方法及び排ガスの窒素酸化物除去装置 - Google Patents

排ガスの窒素酸化物除去方法及び排ガスの窒素酸化物除去装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 ディーゼル機関の排ガス等の窒素酸化物を含む排ガスに対して、排ガスの酸素濃度や排ガス温度に関係なく、また、窒素酸化物用の還元剤を供給せずに、排ガス中の窒素酸化物を浄化することができる排ガスの窒素酸化物除去方法及び排ガスの窒素酸化物除去装置を提供する。
【解決手段】 排ガスの窒素酸化物除去方法を、排ガスG中の窒素酸化物を易吸着性の窒素酸化物又は窒素酸化イオンに改質する第1ステップと、前記易吸着性の窒素酸化イオンを吸着し、又は、前記易吸着性の窒素酸化物を吸着して窒素酸化物イオンにイオン化する第2ステップと、前記吸着手段30の吸着部31に電界Eを形成し、前記窒素酸化物イオンを電気泳動により前記吸着部31内の一部31aに濃縮する第3ステップと、前記第3ステップで濃縮された窒素酸化物イオンを還元する第4ステップを有して構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、自動車等の内燃機関の排気通路に設けて排ガス中の窒素酸化物(NOx)を効率的に浄化する排ガスの窒素酸化物除去方法及び排ガスの窒素酸化物除去装置に関する。
自動車等の内燃機関から排出される排ガス中の窒素酸化物(NOx)を浄化する技術としては、三元触媒を用いてストイキ近傍で窒素酸化物を還元除去する方法が一般的である。この三元触媒としては、一般的に白金、ロジウム、アルミナ系の触媒が使用されるが、窒素酸化物の還元と同時に、一酸化炭素(CO)と炭化水素(HC)の酸化も行うことができる。
しかしながら、この三元触媒を用いて窒素酸化物を浄化する場合には、触媒の作用領域が特定の酸素濃度範囲に限定されるため、酸素濃度の高い状態の排ガスを排出するディーゼル機関には適用できないという問題がある。また、エンジンの始動時や低負荷等の排ガスの温度が低い状態では、三元触媒が活性化しないため、十分に機能せず、窒素酸化物の除去性能が低下するという問題がある。
また、NOx吸蔵還元型触媒を使用して窒素酸化物を浄化する場合には、NOx吸蔵材のNOx吸蔵能力の回復のために、排ガスの空燃比の状態を通常のリーン状態からリッチ状態に切り替える必要があるため、複雑なエンジンの制御が必要になる上に、この切替によるエンジン出力の変動を抑制する必要も生じるために、更にエンジン制御が複雑化するという問題がある。
一方、ディーゼル機関等の排ガス中にHC等の還元剤を添加しつつ、一対の電極の一方にパルス状又は交流状の高電圧を印加すると共に他方を接地して、コロナ放電を発生させて窒素酸化物と酸素(O2 )を活性化し、窒素酸化物を電極の間に配設された触媒の作用を利用して還元する排ガス浄化装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、このコロナ放電と還元剤を用いて窒素酸化物を浄化する場合には、HC等の還元剤を添加するための添加剤用タンクや添加機構が必要となり、浄化装置全体が大きく重くなり、また、コストも高くなるという問題がある。これを回避するために、還元剤に内燃機関の燃料を用いると、添加剤用タンクは不要となるが、燃費が悪化するという問題が生じる。
また、一酸化窒素を沈殿させる硫酸第1鉄の水溶液や、二酸化窒素を亜硝酸塩又は硝酸塩にする各種アンモニューム塩を含むアルカリ水溶液や、硫黄酸化物を溶解する硫酸鉄溶液等の水溶液を入れた容器に散気管を介して排ガスを注入して、排ガス中の窒素酸化物と硫黄酸化物、粉塵を同時に処理する排ガス浄化装置も提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
また、排ガス処理通路内に一対の電極を設け、電極間に高電圧を印加して放電処理を行い、窒素酸化物や硫黄酸化物を酸化して反応性を高め、これをアルカリ成分溶液で中和する排ガス処理装置が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
しかしながら、ガス中に直接水溶液を噴霧して窒素酸化物を中和するこれらの方法では、窒素酸化物濃度が数100ppm程度であること、及び、気液接触反応であるため接触時間を十分に取れないこと等から、反応効率が悪く、多量の水溶液が必要となるので、装置が大型化し、車両搭載の内燃機関には向かないという問題がある。
特開平06−10651号公報 特開平07−224638号公報 特開平08−100631号公報
本発明の目的は、ディーゼル機関の排ガス等の窒素酸化物を含む排ガスに対して、排ガスの酸素濃度や排ガス温度に関係なく、また、窒素酸化物用の還元剤を供給せずに、排ガス中の窒素酸化物を浄化することができる排ガスの窒素酸化物除去方法及び排ガスの窒素酸化物除去装置を提供することにある。
上記目的を達成するための本発明の請求項1に記載の排ガスの窒素酸化物除去方法は排ガス中の窒素酸化物を易吸着性の窒素酸化物又は窒素酸化イオンに改質する第1ステップと、前記易吸着性の窒素酸化イオンを吸着し、又は、前記易吸着性の窒素酸化物を吸着して窒素酸化物イオンにイオン化する第2ステップと、前記吸着手段の吸着部に電界を形成し、前記窒素酸化物イオンを電気泳動により前記吸着部内の一部に濃縮する第3ステップと、前記第3ステップで濃縮された窒素酸化物イオンを還元する第4ステップとを有してなることを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するための本発明の請求項2に記載の排ガスの窒素酸化物除去装置は、排ガス中の窒素酸化物を易吸着性の窒素酸化物又は窒素酸化イオンに改質する改質手段と、前記易吸着性の窒素酸化イオンを吸着し、又は、前記易吸着性の窒素酸化物を吸着して窒素酸化物イオンにイオン化する吸着手段と、前記吸着手段の吸着部に電界を形成し、窒素酸化物イオンを電気泳動により吸着部内の一部に濃縮する濃縮手段と、濃縮された窒素酸化物イオンを還元する還元手段とから構成される。
この第1ステップの改質手段としては、酸化触媒による酸化反応や放電プラズマ中による化学反応や電子ビーム照射による化学反応等を利用する手段がある。特に、放電プラズマや電子ビーム照射を利用した手段では、酸化触媒が活性を示さないような200℃程度以下の低温域においても十分な改質作用を有するので、排ガス温度の影響を受けない。 また、第2ステップの吸着手段としては、多孔質セラミックやペレット状セラミックの集合体や積層繊維素材、多孔質有機樹脂等の吸着材を使用することができる。第3ステップの濃縮手段としては、吸着手段の吸着材の内部に電界を形成するための正電極及び負電極と、この電極に電圧を印加する電源装置とからなる電界形成手段を用いることができる。そして、第4ステップの還元手段としては、硝酸イオン、亜硝酸イオンの分解を促進する還元触媒層や電気化学的還元を行う金属やアルカリ金属イオンを含む水溶液等の液体を含浸させた固体層を使用することができる。
そして、この第1ステップでは改質手段により、排ガス中の窒素酸化物を易吸着性に改質する。つまり、排ガス中の窒素酸化物の主体であるNO(一酸化窒素)は反応性に乏しく、吸着材による吸着除去が難しいが、このNOを主として酸化反応によって、反応性と吸着性に富むNO2 (二酸化窒素)や硝酸イオン等に改質する。この改質は、酸化反応が主体となるため、酸素濃度が高い場合にも適用できる。そして、この改質によるイオン化により、排ガス中から電気的に分離することも可能となる。
そして、第2ステップでは吸着手段により、第1ステップの改質手段で改質された二酸化窒素、硝酸イオン等の窒素酸化物を、吸着手段である吸着材に吸着させて排ガスから分離除去する。そして、改質手段でイオン化しきれなかった二酸化窒素等の中性の窒素酸化物は、吸着材の表面に捕捉され主に硝酸イオンである窒素酸化物イオンとなる。この第2ステップの吸着は、基本的には吸着現象を利用するものであるので、排ガス中の酸素濃度や温度の影響を受け難い。
第3ステップでは濃縮手段により、第2ステップの吸着手段の吸着材に設けた電界形成用の電極に電圧を印加することによって、吸着材内部に電界を形成し、この電界によって硝酸イオンや亜硝酸イオン等の窒素酸化物イオンを電気泳動作用により移動させ、これによって、窒素酸化物イオンを正極側に濃縮する。この窒素酸化物イオンの移動により、負電極側は窒素酸化物イオン濃度が低く保たれるため、排ガス中に存在する窒素酸化物や窒素酸化物イオンを持続的に吸着除去することができる。
第4ステップでは還元手段により、正電極側の濃縮された窒素酸化物イオンを還元する。この還元処理は、吸着材の一部に濃縮固定された窒素酸化物の処理であるため、還元触媒や還元剤との反応に十分な接触効率と接触時間を確保でき、還元剤を使用する場合であってもその還元剤の量は直接排ガス中に噴霧混合する場合よりも少なくて済む。また、正電極の位置を排ガスの主流から隔絶した位置とすることにより、排ガスの酸素濃度及び排気温度とは独立させて、濃縮部の酸素濃度及び排気温度を制御することができるようになるため、還元処理が容易となる。
また、本発明の請求項3に記載の排ガスの窒素酸化物除去装置は、請求項2記載の排ガスの窒素酸化物除去装置において、改質手段が放電プラズマを発生させる放電プラズマ形成用電極を有して構成され、この放電プラズマ形成用電極が吸着手段の吸着部の電界形成用電極を兼ねることを特徴としたものである。この構成によれば電極構成要素を低減でき、また、第1ステップのための放電プラズマを形成する電界によって、放電プラズマの改質作用で生成した窒素酸化物イオンの第2ステップにおける吸着部への吸着が促進される。
また、本発明の請求項4に記載の排ガスの窒素酸化物除去装置は、請求項2又は請求項3に記載の排ガスの窒素酸化物除去装置において、改質手段が水又は水溶液の噴霧手段を備えたものである。この噴霧手段により、第1ステップの改質手段によって生成されるNO2 等の窒素酸化物は、易水溶性で排ガス中の水分と反応して硝酸等の酸となるので、第2ステップにおける吸着材上のイオン化が促進される。特に、第1ステップの改質手段に放電プラズマを用いる場合は、放電プラズマ中では、改質された窒素酸化物のミスト状水分への溶解が促進されると共に、放電プラズマ中の荷電粒子との反応によりイオン化し易くなる。従って、このような水又は水溶液の噴霧手段を設けると、水分の少ない排ガスであっても、窒素酸化物に対する第1ステップにおける改質作用と第2ステップにおける吸着及びイオン化が促進される。
また、本発明の請求項5に記載の排ガスの窒素酸化物除去装置は、請求項2〜4のいずれか1項に記載の排ガスの窒素酸化物除去装置において、改質手段がガス冷却手段を備えたものである。これは請求項3に記載の装置において改質手段が水又は水溶液の噴霧手段を備えて外部から水分を供給するかわりに、排ガスを冷却することにより、排ガス中の水分を凝縮してミスト状とし、このミストへの改質された窒素酸化物を溶解させて、窒素酸化物イオンの形成を容易にするのである。この構成によれば、外部から水分を供給しなくても、窒素酸化物に対する第1ステップにおける改質作用と第2ステップにおける吸着及びイオン化が促進される。
また、本発明の請求項6に記載の排ガスの窒素酸化物除去装置は、請求項2〜5のいずれか1項に記載の排ガスの窒素酸化物除去装置において、吸着手段の吸着部を冷却する吸着部冷却手段を備えたものである。この構成によれば、吸着部の冷却により、吸着部の表面に排ガス中の水分を凝縮するので、この水分によって第1ステップで改質された窒素酸化物の吸着(溶解とも言える)が促進されると共に、吸着材上における改質された窒素酸化物のイオン化も促進される。
本発明の排ガスの窒素酸化物除去方法及び排ガスの窒素酸化物除去装置によれば、改質手段により排ガス中の窒素酸化物を易吸着性の窒素酸化物や窒素酸化物イオンに改質して、吸着手段により、この易吸着性の窒素酸化物イオンを吸着部に吸着し、また、易吸着性の窒素酸化物を吸着部に吸着して窒素酸化物イオンにイオン化することができるので、排ガス中の窒素酸化物を除去できる。
また、濃縮手段により、吸着部に電界を形成して、窒素酸化物イオンを電気泳動によって吸着部内の一部に濃縮し、還元手段によりこの濃縮された窒素酸化物イオンを還元するので、吸着部の希釈された部分で連続的に吸着することが可能となり、濃縮された部分で効率良く窒素酸化物を還元除去できる。
その上、ディーゼル機関のように排ガス自体が酸素過剰状態にあっても、NOx吸蔵還元型触媒を使用した排ガス浄化装置のようなリーンとリッチの切替制御を行うこと無しに、排ガス中の窒素酸化物を還元浄化できる。
また、排ガス中から窒素酸化物を吸着材に吸着し、この吸着材の一部に濃縮してから処理を行うので、酸素濃度や排ガス温度に関して、この濃縮部分を排ガス環境とは独立した状態にすることが可能となり、還元剤や触媒との反応効率を著しく高くすることができる。そのため、還元手段において還元剤を使用する場合でも、排ガス中に直接噴霧するより少量で済む。従って、装置が大型化することなく、燃費の悪化を招くこともない。
以下、本発明に係る実施の形態の排ガスの窒素酸化物除去方法及び排ガスの窒素酸化物除去装置について、図面を参照しながら説明する。
なお、本発明の対象ガスはこの実施の形態で対象としているディーゼルエンジンの排ガスに限定されるものではなく、その他の車両用の内燃機関や定置式の内燃機関の排ガスのみならず、ボイラや発電機やコジェネレータ等の燃焼機器から排出される排ガス等も含むものである。
図1に、本発明の実施の形態の排ガスの窒素酸化物除去装置10の基本原理の模式図を示す。この排ガスの窒素酸化物除去装置10は、排ガスG中の窒素酸化物を易吸着性の窒素酸化物又は窒素酸化イオンに改質する改質手段20と、易吸着性の窒素酸化イオンを吸着し、また、易吸着性の窒素酸化物を吸着して窒素酸化物イオンにイオン化する吸着手段30と、吸着手段30の吸着部31に電界Eを形成し、窒素酸化物イオンを電気泳動により吸着部31内の一部31aに濃縮する濃縮手段40(正電極41,負電極42)と、濃縮された窒素酸化物イオンを還元する還元手段50を有して構成される。
この改質手段20では、酸化触媒、放電プラズマ、電子ビーム照射等による窒素酸化物の酸化反応を利用して、エンジン等から排出される排ガスG中の窒素酸化物の主体となっている難吸着性のNO(一酸化窒素)を酸化して、易吸着性のNO2 (二酸化窒素)やNO3 - (硝酸イオン)等の窒素酸化物や窒素酸化物イオンに改質する。また、改質された窒素酸化物は排ガスG中の水分と反応し易いので、一部は窒素酸化物イオンになる。
また、吸着手段30は、電気的良導体であると電界形成時に通電損失が大きくなるため、通気性のある半導体又は絶縁体で形成された吸着材31で構成される。この吸着材31は、アルミナ、ゼオライト、コージェライト、炭化ケイ素等の多孔質セラミック、ペレット状セラミックの集合体、セラミック繊維やガラス繊維を固めたフェルト等の積層繊維素材、及び、多孔質有機繊維樹脂(温度が400℃以下であれば使用可能)等で形成される。この吸着材31に、改質手段20で改質されたNO2 、NO3 - 等の窒素酸化物を、吸着させて排ガスGから分離除去する。そして、改質手段20でイオン化しきれなかったNO2 等の中性の窒素酸化物は、吸着材31の表面に捕捉され、主にNO3 - である窒素酸化物イオンとなる。この第2ステップの吸着は、基本的には吸着現象を利用するものであるので、排ガス中の酸素濃度や温度の影響を受け難い。
そして、濃縮手段40は、例えば、吸着手段30に電界Eを形成する手段で構成され、吸着手段30の一方に設けた正電極41と、負電極42と図示しない直流電圧又は単極性パルス状の電圧を印加する電圧供給装置とから構成される。この電界形成手段41,42により、吸着材31の内部に電界Eを形成し、この電界EによってNO3 - やNO2 - (亜硝酸イオン)等の窒素酸化物イオンを電気泳動作用により移動させ、これによって、窒素酸化物イオンを正極側に濃縮する。この窒素酸化物イオンの移動により、負電極42側は窒素酸化物イオン濃度が低く保たれるため、排ガスG中に存在する窒素酸化物や窒素酸化物イオンを持続的に吸着除去することができる。
還元手段50としては、NO3 - 、NO2 - の分解を促進する触媒層、電気化学的還元を行う金属、アルカリ金属イオンを含む水溶液等の液体を含浸させた固体層等を使用できる。この還元手段50により、正電極41側の濃縮された窒素酸化物イオンを還元する。この還元処理は、吸着材31の一部(濃縮部)31aに濃縮固定された窒素酸化物の処理であるため、還元触媒や還元剤との反応に十分な接触効率と接触時間を確保でき、還元剤を使用する場合であってもその還元剤の量は直接排ガスG中に噴霧混合する場合よりも少なくて済む。また、正電極41の位置を排ガスGの主流から隔絶した位置とすることにより、排ガスGの酸素濃度及び排気温度とは独立させて、濃縮部31aの酸素濃度及び排気温度を制御することができるようになるため、還元処理が容易となる。
そして、この排ガスの窒素酸化物除去装置10において、排ガスの窒素酸化物除去方法は、改質手段20により、排ガスG中の窒素酸化物を易吸着性の窒素酸化物又は窒素酸化イオンに改質する第1ステップと、吸着手段30により、易吸着性の窒素酸化イオンを吸着し、又は、前記易吸着性の窒素酸化物を吸着して窒素酸化物イオンにイオン化する第2ステップと、濃縮手段40により、吸着手段30の吸着部31に電界Eを形成し、窒素酸化物イオンを電気泳動により吸着部31内の一部31aに濃縮する第3ステップと、還元手段50により、この第3ステップで濃縮された窒素酸化物イオンを還元する第4ステップを有して行われる。
この排ガスの窒素酸化物除去方法及び排ガスの窒素酸化物除去装置10によれば、改質手段20により排ガスG中の窒素酸化物を易吸着性の窒素酸化物や窒素酸化物イオンに改質して、吸着手段30により、この易吸着性の窒素酸化物イオンを吸着部31に吸着し、また、易吸着性の窒素酸化物を吸着部31に吸着して窒素酸化物イオンにイオン化することができるので、排ガスG中の窒素酸化物を除去できる。濃縮手段40により、吸着部31に電界を形成して、窒素酸化物イオンを電気泳動によって吸着部31内の一部31aに濃縮し、還元手段50によりこの濃縮された窒素酸化物イオンを還元するので、吸着部31の希釈された部分31bで連続的に吸着することが可能となり、濃縮された部分31aで効率良く窒素酸化物を還元除去できる。
次に、改質手段20と還元手段50について、幾つかのより具体的な実施の形態について説明する。
最初に、改質手段20について説明するが、この改質手段20の第1の実施の形態は、図2に示すように、ハニカム構造体21に白金等の貴金属を担持した酸化触媒20Aで構成され、通過する排ガスG中の窒素酸化物を酸化する。この酸化触媒は多孔質ペレット充填層等に白金等の貴金属を担持して構成することもでき、排ガスGの温度が、触媒が活性化する250℃以上の場合に、特に効果を奏することができる。
また、改質手段20の第2の実施の形態は、排ガスG中に放電を発生させ、この放電によって生成される酸化ラジカルで排ガス中の窒素酸化物を酸化し、易吸着性に改質する手段であり、放電として、コロナ放電や誘電体バリヤ放電、沿面放電を利用する。この場合は、排ガス温度が常温程度の低温域でも効果がある。
そして、コロナ放電の場合には、例えば、図3及び図4に示すように、改質手段20は、円筒状の接地電極22b,22cと、この接地電極22b,22cの中心に高圧電極23を設けた中心電極構造体のプラズマ放電装置20B,20Cで構成され、図3の場合は、接地電極22bの軸方向に排ガスGを通過させ、図4の場合は接地電極22cを網状等の通気性を有する形状に形成して、接地電極22cの軸方向と略垂直な方向から排ガスGを通過させる。
そして、この高圧電極23に、直流、交流、パルス状のいずれかの高電圧を印加し、排ガスG中に不平等電界を形成することにより、コロナ放電を発生させる。この高圧電極23に印加する高電圧の極性は負でも正でもよいが、正極性の場合は酸化能力が高くなり、一方、負極性の場合は負イオンである硝酸イオンを下流側の吸着材側に導く能力に電気的反発力を利用できる。また、このコロナ放電装置としては、多様な構成が考えられ、図3や図4に示す中心電極構造体(同軸構造体)20B,20Cを排ガスGの通路内に多数並列配置して構成することもできる。この構成は排ガス量が多い場合に特に有効となる。
誘電体バリヤ放電、沿面放電の場合には、図5及び図6に示すように、改質手段20は、板状の高圧電極24d又は線状の高圧電極24eと板状の接地電極25の間に誘電体26を配置した積層体20D,20Eで構成される。この高圧電極24d,24eにパルス状電圧(極性は正でも負でもよい)や高周波の交流電圧を印加して、誘電体26の表面に接する排ガスGの空間中に放電を形成する。また、図5や図6の電極構造体20D,20Eを排ガスGの通路内に多数並列配置して構成することもでき、排ガス量が多い場合に特に有効となる。
この改質手段20の第3の実施の形態は、図7に示すように、電子ビーム源27とこの電子ビーム源27の真空と排ガスGが通過する空間2との間の隔壁となる電子ビーム透過膜28を有した電子ビーム照射装置20Fで構成される。この電子ビーム源27は300keV〜800keV程度で、この電子ビーム透過膜28はチタン等の金属膜で形成される。
この電子ビーム発生装置20Fから排ガスG中に電子ビームBを照射し、高速電子によって排ガスG中に酸化ラジカルを生成し、排ガスG中の窒素酸化物を易吸着性に改質する。この場合は、排ガス温度が常温程度の低温域でも効果がある。そして、この電子ビームを使用した方法では、放電による方法に比較して窒素酸化物の化学反応においてイオン経路を介する確率が高くなり、窒素酸化物イオンの生成確率も比較的高くなると考えられる。
また、改質手段20を、第1〜第3の実施の形態の改質手段20A〜20Fの幾つかを組み合わせて構成することにより、排ガスGの低温域から高温域までカバーすることも可能である。例えば、排ガス流量が多くなる高温域に対しては、第1の実施の形態の酸化触媒20Aを使用し、低温域に対しては第2の実施の形態の放電プラズマ装置20B〜20E、又は、電子ビーム発生装置20Fのいずれか一つを使用する組み合わせが、省電力の観点から有効である。
そして、この改質手段20による反応おいては、水等をミスト状又は液状で存在させると、これらと窒素酸化物が反応して窒素酸化物のイオン化が促進される。つまり、水と反応し難いNOは酸化処理によって比較的容易にNO2 なり、このNO2 は水と容易に反応して硝酸イオンや亜硝酸イオンを形成する。特に、放電中ではミスト状又は液状の水と排ガスとの境界膜(界面)が攪乱を受けて見かけの溶解度が向上するため、窒素酸化物と水との反応が促進され易くなる。
また、NO→NO2 の反応において、NO2 濃度が高くなるとNO2 →NOへの逆反応も起き易くなるが、NO2 が水分中に溶解して硝酸イオンとなると、NO2 →NOへの逆反応が抑制されるので、NO→NO2 の反応が促進されることになる。
そのため、改質手段20において水又は水溶液を供給することは、後段の吸着手段における吸着材上の湿潤化も図ることができ、窒素酸化物の易吸着性を高める処理、後段の吸着材への吸着、及び、吸着材における窒素酸化物のイオン化、電気泳動による濃縮処理等において好都合となる。
そして、NO2 を溶解する液体は、この水以外にも、水を主成分とする水溶液であってもよく、また、易吸着性の窒素酸化物を吸収しイオン化し易いものであれば、軽油等の燃料油であってもよい。この水等のイオン化促進剤の供給方法としては、外部からの供給と、排ガスG中の水分等の成分の有効利用とがある。
この外部から供給する方法では、図8に示すように、改質反応場の前段階で噴霧する噴霧装置29a、改質反応場において噴霧する噴霧装置29b,改質反応場の後の段階で噴霧する29cの内の少なくとも一つを設け、その少なくとも1箇所で水等のイオン化促進剤Lを噴霧する。また、この噴霧としては水スプレーや水蒸気供給等であってもよい。
また、排ガスG中の成分を有効利用する方法では、通常排ガス中には、多量の水分が含まれているので、排ガスGを冷却して排ガスG中の水分を凝縮しミスト化及び結露させる。この排ガスGの冷却においては、排ガスGが流れる配管を空冷又は水冷したり、熱交換器を排ガス通路に挿入したり、その他の伝熱素子による強制冷却等がある。この冷却においては、配管長、冷却フィンの利用、小口径配管の並列配置等の伝熱面積を増大する工夫を行う。また、排ガスの冷却部分についても、図9に示すような改質反応場の前段階A1で、改質反応場の段階A2、改質反応場の後の段階A3等の少なくとも一つで行う。
更に、排ガスG中の成分を有効利用する別の方法として、排ガス通路の冷却の代りに又はそれと共に、吸着手段30の吸着部31を冷却する吸着部冷却手段を設けて、吸着部31を冷却することにより、この吸着部31近傍の排ガスGを冷却して排ガスG中の水分を凝縮しミスト化及び結露させる方法もある。
次に還元手段50について説明するが、この還元手段50は、第1の実施の形態では、NO3 - やNO2 - の分解を促進する触媒層で構成され、この触媒層は、白金触媒、パラジウム触媒、自動車用三元触媒、二元系触媒(Pd,Pt等の貴金属とCu,Pb,Te,Bi等の金属又は半金属の二元系)等で形成される。これらの触媒は、図1の模式図に示したように、吸着材31とは別に、正電極41側に設置してもよいし、正電極41上に膜状に形成してもよく、又、吸着材31の濃縮部31aに担持させてもよい。
還元手段50としては、硝酸イオン、亜硝酸イオンの分解を促進する触媒層、、アルカリ金属イオンを含む水溶液等の液体を含浸させた固体層等を使用できる。この還元手段50により、正電極41側の濃縮された窒素酸化物イオンを還元することができる。
また、この還元手段50は、第2の実施の形態では、電気化学的還元を行う金属によって構成され、この金属としては、銅、亜鉛、鉄等が使用でき、この金属の還元作用により、NO3 - やNO2 - をN2 (窒素)に還元する。図1の模式図に示したように、これらの金属は、吸着材31とは別に、正電極41側に設置してもよいし、正電極41上に膜状に形成してもよく、又、吸着材31の濃縮部31aに分散担持させてもよい。
そして、この還元手段50は、第3の実施の形態では、アルカリ金属イオンを含む水溶液や炭化水素類等の液体を含浸させた固体層である多孔質素材を正電極41近傍に配置する。液体は外部に引き出せるようにして外部で二次処理を行う。この二次処理後の液体を循環使用してもよい。この二次処理は,上記の触媒や金属による電気化学的還元を用いることもでき、また、微生物処理を適用することもできる。また、この液体として内燃機関の燃料を使用し、NO3 - やNO2 - を吸収した液体を燃料として燃焼するように構成すると二次処理は不要となる。
そして、これらの還元手段50を吸着手段30及び濃縮手段40と組み合わせた構造としては、例えば、図10〜図22の構成がある。
図10は、正電極41と負電極42の間にペレット状吸着材(ペレット状充填層)31Aを配置した構成を示し、また、図11は、正電極41と負電極42の間にガス透過性多孔質吸着材(透過性バルク)31Bを配置した構成を示す。また、図12は、ガス透過性多孔質吸着材31Bの前端に負電極42を配置し、後半周囲部分に正電極41,41を配置した構成を示す。
更に、図13〜図15に排ガス通路43を設けた構成を示す。図13は、ペレット状充填材31Aを配置した構成を、図14はガス透過性多孔質吸着材31Bを配置した構成を、また、図15はガス透過性は良くないがイオン伝導性に優れた吸着材31Cを配置した構成を示す。
そして、電界形成用の電極41,42は、図10〜図15の断面構造を持つ、平板状の形状をしたものでも良く、図13〜図15の断面構造を持つ、排ガスGの流れに平行な中心軸を有する筒状や同軸円筒状の形状をしたものであってもよい。また、これらの構造体を複数個並列に配置したものや複数個積層したものであってもよい。
なお、図1及び図10〜図15では、還元手段50を吸着材31と分離して配置いるが、還元手段50を吸着材31内又は吸着材31の内外表面に分散担持してもよい。
また、図16及び図17に示すように、ガス透過性の多孔質吸着材31Bと、ガス透過性は良くないが、イオン伝導性を有する多孔質材料31Cを積層した構造としても良く、この場合は、窒素酸化物イオンを還元手段50に導くことができると共に、還元手段50そのものは排ガス環境とは異なる温度及び酸素濃度環境に置くことができる。例えば、多孔質材料31Cとして、酸素イオン伝導性に優れた素材を利用し、これに還元手段50、例えば三元触媒を分担担持しておく。この素材としては、例えば、ZrO2 系固体電解質、BiO2 系固体電解質、CeO2 系固体電解質、LaCaO2 系固体電解質等、多様な種類の酸素透過性固体電解質を適用できる。この場合、多孔質材料31Cの内部では酸素イオンが選択的に正電極41に泳動され、多孔質材料31Cの内部は酸素枯渇状態となり、三元触媒による還元処理が容易となる。また、多孔質材料31Cの内部に酸素イオン透過膜を形成し、酸素イオンの選択性を促進してもよい。
図12〜図15に関して、負電極42を配置する排ガス通路43を、図18又は図19のような排ガス流路断面になるように分散配置してもよい。なお、正電極41は安全上の観点から、接地電位とするとよい。この場合、負電極42を負電位とする。
更に、図20〜図22に示すように、吸着セル33と還元セル53を交互に配置したハニカム構造体11で構成することもできる。この場合は、ハニカム構造体11は、ガス透過性は低いが、イオン伝導性を有する多孔質の吸着材31で形成する。この吸着セル33は排ガス通路となり、改質された窒素酸化物、窒素酸化イオンを吸着セル33の壁に吸着する。この壁の内面に酸化触媒を塗布して改質手段20としてもよい。この壁面の内側に多孔質の負電極42をコーディングする。
また、還元セル53は、還元反応で発生した窒素、酸素等のガス通路であり、壁面の内側に多孔質の正電極41をコーティングする。還元手段50は正電極41の内側に配置しても良く、多孔質吸着材31に分散して担持させてもよい。なお、還元手段50を吸着材31に分散担持させた場合には、このセルを還元セルと呼ぶべきか疑問が残るが、ここでは便宜上還元セルと称することにする。
この還元セル53の出口は開放でもよいが、ガス透過性の低い材質や酸素透過性の膜で目封じしてもよい。還元反応で生成したガスの逃げ道を酸素透過膜で形成しておけば、内圧が上がったとき、酸素が選択的に排出されて、還元セル53の内部を窒素リッチ環境にできるので還元反応を促進できる。なお、還元された窒素は吸着セル33の出口より排出される。
この場合、負電極42を接地電極とし正電極41を正電位とする、負電極42を負電位とし正電極41を接地電位とする、あるいは、負電極42をフロート(負イオン吸着を利用)とし正電極41を接地電位にする等のいずれの組み合わせも可能となる。このようなセル33,53と電界Eの形成によって、吸着セル33に捕捉した窒素酸化物イオンを還元セル53に電気泳動作用で濃縮し、還元処理を行うことができる。
また、この吸着セル33と還元セル53を交互に配置したハニカム構造体11の場合でも、図16及び図17の場合と同様に、吸着材31を酸素イオン良導体としたり、還元セル53の壁の近傍に酸素イオン透過膜を形成して、吸着材31の内部を酸素枯渇状態として吸着材31に分散担持した還元触媒の還元反応を促進することができる。
また、還元手段50を、ガス透過性の多孔質材料で形成し、多孔質材料で排ガスとの隔壁を形成し、還元部の酸素濃度、温度を排ガスとは独立に制御して、還元部に誘導された窒素酸化物を還元処理することもできる。この場合においては、還元手段50を形成する多孔質材料に、NO3 - 、NO2 - の分解を促進する触媒層や電気化学的還元を行う金属を担持させておく。
また、この多孔質材料を液体を含浸させた固体層として利用し、この還元セル53に炭化水素類等の還元剤を供給してもよい。この構成では、還元剤は濃縮された窒素酸化物イオンとの反応において、充分な反応時間を確保することも可能な上、循環利用も可能なため、還元剤の利用効率が高く、排ガス中に直接噴霧するよりも使用量が少なくて済む。
次に、図1に示した実施の形態の排ガスの窒素酸化物除去装置10とは、別の実施の形態の排ガスの窒素酸化物除去装置10Aについて説明する。この別の実施の形態の排ガスの窒素酸化物除去装置10Aは、図23に示すように、改質手段20が放電プラズマを発生させる放電プラズマ形成用電極71,72を有して構成され、この放電プラズマ形成用電極71,72が濃縮手段40の電界形成用電極を兼ねる。つまり、改質手段20用の放電形成用電極と濃縮手段40の電界形成用電極を共有化する。
より具体的には、図23に示すように、中心に負電極72を設け、その周囲に同心状に内側から順に、排気ガス通路43、吸着材31、還元手段50、正電極71を設けて構成する。つまり、吸着手段30である吸着材31で周囲を囲まれた排ガス通路43中に、改質手段20と濃縮手段40を兼ねる線状の負極性の高圧電極72が配置される。この吸着材31の周囲に還元手段50が設けられ、その周囲に、改質手段20と濃縮手段40を兼ねる円筒状の正電極71が設けられる。
この構成においては、放電プラズマ形成用電極の負電極72に負極性の直流又は単極性パルスの高電圧を印加し、排ガス通路43において、放電プラズマを発生させて排ガス中の窒素酸化物を易吸着性の窒素酸化物や窒素酸化物イオンに改質する。それと共に、吸着材31により、この易吸着性の窒素酸化物イオンを吸着部への吸着、又は、易吸着性の窒素酸化物を吸着部への吸着と吸着した窒素酸化物の窒素酸化物イオンへのイオン化を行う。また、負電極72と正電極71により、吸着材31に電界が形成されているので、窒素酸化物イオンを電気泳動によって吸着材31の外側に移動させて濃縮する。この濃縮された窒素酸化物イオンを還元手段50で還元する。
この高圧電極72に印加する電圧の種類(負極性の直流,又は負極性のパルス)、吸着材、還元手段の等価抵抗、等価容量をそれぞれ適切に選定すれば、図23に示した2種の電極71,72により、改質作用と濃縮作用を得ることができる。従って、この構成により、電極及び電源の簡素化を図ることができる。
また、排ガス通路43と吸着材31の界面、又は吸着材31と還元手段50の界面に電極を設置してもよい。これらの電極の電位は固定してもよいし、この電位をフロート状態にしておいてもよい。基本的には電界Eの方向が、負極性の窒素酸化物イオンを吸着材31から還元手段50に誘導できる電界Eを形成できればよい。
これらの構成では、改質手段20によって生成された負極性の窒素酸化物イオンを改質手段20の放電空間である排ガス通路43から吸着材31に電界作用で効果的に誘導することができ、吸着材31への吸着効率を高めることができる。
本発明の実施の形態の排ガスの窒素酸化物除去装置の基本原理の模式図である。 第1の実施の形態の改質手段を示す模式的な斜視図である。 第2の実施の形態の改質手段で、コロナ放電を利用する排ガスの流れ方向に軸方向を有する場合の模式的な斜視図である。 第2の実施の形態の改質手段で、コロナ放電を利用する排ガスの流れ方向と略垂直な方向に軸方向を有する場合の模式的な斜視図である。 第2の実施の形態の改質手段で、誘電体バリヤ放電を利用する場合の模式的な断面図である。 第2の実施の形態の改質手段で、誘電体バリヤ放電を利用する他の場合の模式的な断面図である。 第3の実施の形態の改質手段で、電子ビーム照射装置を利用する場合の模式的な断面図である。 改質手段に噴霧装置を設ける場合の模式的な斜視図である。 改質手段に排ガスの冷却手段を設ける場合の模式的な斜視図である。 吸着・濃縮・還元の部位における、正電極と負電極の間にペレット状吸着材を配置した構成を示す断面図である。 吸着・濃縮・還元の部位における、正電極と負電極の間にガス透過性多孔質吸着材を配置した構成を示す断面図である。 吸着・濃縮・還元の部位における、ガス透過性多孔質吸着材の前端に負電極を配置し、後半周囲部分に正電極を配置した構成を示す断面図である。 吸着・濃縮・還元の部位における、排ガス通路を設けると共に、ペレット状充填層を配置した構成を示す断面図である。 吸着・濃縮・還元の部位における、排ガス通路を設けると共に、ガス透過性多孔質吸着材を配置した構成を示す断面図である。 吸着・濃縮・還元の部位における、排ガス通路を設けると共に、ガス透過性は良くないがイオン伝導性に優れた吸着材を配置した構成を示す断面図である。 吸着・濃縮・還元の部位における、ガス透過性の多孔質吸着材と、ガス透過性は良くないが、イオン伝導性を有する多孔質材料を積層した構造を示す断面図である。 吸着・濃縮・還元の部位における、排ガス通路を設けると共に、ガス透過性の多孔質吸着材と、ガス透過性は良くないが、イオン伝導性を有する多孔質材料を積層した構造を示す断面図である。 吸着・濃縮・還元の部位における、負電極を配置する排ガス通路を設け、分散配置した構造を示す断面図である。 吸着・濃縮・還元の部位における、負電極を配置する排ガス通路を設け、分散配置した他の構造を示す断面図である。 吸着・濃縮・還元の部位における、吸着セルと還元セルを配置する構造を示す側断面図である。 図20のX−X断面図である。 図21の吸着セルと還元セルの部分拡大図である。 他の実施の形態の排ガスの窒素酸化物除去装置の構成を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10,10A 排ガスの窒素酸化物除去装置
20 改質手段
20A 酸化触媒
20B〜20E 放電装置(改質手段)
20F 電子ビーム照射装置(改質手段)
21 ハニカム構造体
22b,22c 設置電極
23 高圧電極
29a,29b,29c 噴霧装置
30 吸着手段
31 吸着部(吸着材)
31a 濃縮部
31b 希釈部
31A ペレット状吸着材
31B ガス透過性多孔質吸着材
31C ガス透過性は良くないがイオン伝導性に優れた吸着材
33 吸着セル
40 濃縮手段
41 正電極
42 負電極
43 排ガス通路
50 還元手段
53 還元セル
71 正電極
72 負電極
B 電子ビーム
E 電界
G 排ガス

Claims (6)

  1. 排ガス中の窒素酸化物を易吸着性の窒素酸化物又は窒素酸化イオンに改質する第1ステップと、
    前記易吸着性の窒素酸化イオンを吸着し、又は、前記易吸着性の窒素酸化物を吸着して窒素酸化物イオンにイオン化する第2ステップと、
    前記吸着手段の吸着部に電界を形成し、前記窒素酸化物イオンを電気泳動により前記吸着部内の一部に濃縮する第3ステップと、
    前記第3ステップで濃縮された窒素酸化物イオンを還元する第4ステップとを有してなることを特徴とする排ガスの窒素酸化物除去方法。
  2. 排ガス中の窒素酸化物を易吸着性の窒素酸化物又は窒素酸化イオンに改質する改質手段と、
    前記易吸着性の窒素酸化イオンを吸着し、又は、前記易吸着性の窒素酸化物を吸着して窒素酸化物イオンにイオン化する吸着手段と、
    前記吸着手段の吸着部に電界を形成し、窒素酸化物イオンを電気泳動により吸着部内の一部に濃縮する濃縮手段と、
    前記濃縮手段により濃縮された窒素酸化物イオンを還元する還元手段とからなることを特徴とする排ガスの窒素酸化物除去装置。
  3. 前記改質手段が放電プラズマを発生させる放電プラズマ形成用電極を有して構成され、該放電プラズマ形成用電極が前記吸着手段の吸着部の電界形成用電極を兼ねることを特徴とする請求項2記載の排ガスの窒素酸化物除去装置。
  4. 前記改質手段が水又は水溶液の噴霧手段を備えたことを特徴とする請求項2又は3記載の排ガスの窒素酸化物除去装置。
  5. 前記改質手段がガス冷却手段を備えたことを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の排ガスの窒素酸化物除去装置。
  6. 前記吸着手段の前記吸着部を冷却する吸着部冷却手段を備えたことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の排ガスの窒素酸化物除去装置。
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