JP2004322004A - 窒素酸化物除去触媒、それを用いた脱硝方法及び装置 - Google Patents

窒素酸化物除去触媒、それを用いた脱硝方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】簡易な構成で脱硝効率が持続することができる窒素酸化物除去触媒、それを用いた脱硝方法及び装置を提供する。
【解決手段】本発明にかかる脱硝装置10は、処理容器本体11内に内装され、尿素を炭素材料に担持活性化してなる窒素酸化物除去触媒からなる触媒層12を積層してなる窒素酸化物浄化手段13を具備するものであり、窒素酸化物(NOx)を含むガス14を一端側から導入して窒素酸化物浄化手段13によりガス中の窒素酸化物NOxを脱硝し、浄化ガス15として排出する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、交差点、トンネル又は閉鎖駐車場の雰囲気ガス、内燃機関からの排気ガス、産業設備からの排気ガスに含まれる窒素酸化物を効率的に浄化する窒素酸化物除去触媒、それを用いた脱硝方法及び装置に関する。
【0002】
【従来技術】
道路トンネル内の換気設備は主として媒塵に起因する明視距離の確保及び一酸化炭素(CO)、窒素酸化物(以下「NOx」とも記す。)等有害物質の許容値以下への低減を目的に設置されている。現状の換気方式は新鮮な外気をトンネル外から吸気し、必要に応じて媒塵を除去後、トンネル外に強制換気する方式が一般的に用いられている。しかし、この方式は有害物質を含む換気ガスを大気に拡散しているだけであり、根本的な環境改善になっていない。特に自動車排ガスによる大気汚染が深刻になっている都市部では、高度の汚染地域を拡大させることになり、道路計画におけるトンネル化、シェルタ設置に支障を来す場合がある。そこで省エネルギで周辺環境への影響がない新たな換気方式の開発が望まれている。
【0003】
しかし、トンネル換気ガスは常温・大容量でNOx濃度は10ppm以下と希薄であり、交通量によってNOx濃度変動が激しいという特異性があるため、ボイラ燃焼排ガスの処理において既に実用化されているNHを還元剤とするNOx浄化方法を、そのまま適用することは不可能である。
【0004】
そこで低濃度のNOx浄化方法として、乾式法及び湿式法が種々提案されているが、湿式法は廃水処理装置が必要とするために実用化が困難である。また、乾式法としては(1)汚染空気に金属酸化物などの吸着剤にNOxを吸着させる吸着法、(2)汚染空気にNHを添加して電子線を照射してNOxやSOxを硝酸や硫酸ミストとし、NHとの反応で硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウムおよびこの両者の複塩などの微粒子を電気集塵機などにより回収する電子線照射法などがある。
ただし、(2)の電子線照射法では大容量汚染空気に10ppm以下と微量に含まれるNOxとの反応に必要となる当量の微量のNHを均一に混合することが難しく、未反応のNHの外部流出など2次公害のおそれがある(非特許文献1)。
【0005】
一般に、トンネル排気ガス中のNOxではNOが8〜9割、NOが1〜2割存在しており、(1)の方法にてNOを効率的に吸着する吸着剤として、本出願人は貴金属(Pt,Pd,Ru,Rh,Ir)を担持した吸着剤を提案している(特許文献1)。
【0006】
ただし、大容量のトンネル排ガス処理に適用するためには大量のNO吸着剤が必要であり、貴金属の適用は吸着剤の高騰及び資源の枯渇をもたらすため、経済的に成立しないと考えられる。
【0007】
このため、図24に示すように、低濃度の窒素酸化物を含む汚染空気1を常温で吸着剤により吸着除去して清浄ガス2を大気中に放出し、窒素酸化物中のNOをNO吸着塔3で吸着すると共にNOをNO吸着塔4で吸着し、その後バルブ5,5を閉鎖し、バルブ6,6を開放し、上記吸着塔3,4を加熱手段により加熱して脱着し、濃縮された窒素酸化物を含む脱着ガス7に対し、アンモニア8を添加して脱硝触媒9により窒素に分解することで、窒素酸化物が除去されることを先に提案した(特許文献2)。
【0008】
また、多孔質担体にモリホリン等のアミン類を担持させた窒素酸化物除去剤の提案がある(特許文献3)。
【0009】
【非特許文献1】
産業公害防止協会編:”自動車排ガスの処理技術に関する調査研究”(日本道路公団委託)昭和59年3月、49頁
【特許文献1】
特開平5−31357号公報
【特許文献2】
特開平8−299756号公報
【特許文献3】
特開平9−262430号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献2のような提案では、窒素酸化物の吸着手段である吸着塔4,5と該吸着塔4,5で吸着された窒素酸化物を脱着するために、高温にする加熱手段が必要であるとともに、その脱着においては、汚染空気の処理を停止する必要があり、連続して窒素酸化物を処理することができない、という問題がある。
【0011】
また、特許文献3のような提案では、モルホリンは爆発限界があるので、危険物に指定されており、交差点等における脱硝処理設備用としては不向きであるという、問題がある。また、特許文献3の提案においては、除去剤の脱硝作用は水分共存下での吸着・吸収作用であり、数時間程度しか脱硝効果が持続しないので、産業用の脱硝設備として長時間連続して脱硝効果を保持することに適していないし、吸収物の処理が必要となる、という問題がある。
【0012】
また、近年の環境排ガス規制が高まり、ボイラ等の排煙処理装置等の産業設備からの排ガスにおいては、既存のアンモニア脱硝によって低濃度化された窒素酸化物濃度をさらに浄化することが望まれており、このために、既設の設備に付帯する簡易でしかも効率的な処理装置の出現が切望されている。
【0013】
本発明は、上記問題に鑑み、簡易な構成で脱硝効率が持続することができる窒素酸化物除去触媒、それを用いた脱硝方法及び装置を提供することを課題とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前述した課題を解決する第1の発明は、尿素を炭素材料に担持活性化してなり、ガス中の窒素酸化物のNO及びNOを還元することを特徴とする窒素酸化物除去触媒にある。
【0015】
第2の発明は、第1の発明において、ガス中のNOをNOに酸化して窒素酸化物を還元することを特徴とする窒素酸化物除去触媒にある。
【0016】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、上記尿素の担持量が0.5重量%以上であることを特徴とする窒素酸化物除去触媒にある。
【0017】
第4の発明は、第1乃至3のいずれか一つの発明において、水分含量が10重量%未満であることを特徴とする窒素酸化物除去触媒にある。
【0018】
第5の発明は、第1乃至4のいずれか一つの発明において、上記炭素材料が不活性雰囲気下高温熱処理してなることを特徴とする窒素酸化物除去触媒にある。
【0019】
第6の発明は、第1乃至5のいずれか一つの発明において、上記炭素材料が活性炭又は活性炭素繊維であることを特徴とする窒素酸化物除去触媒にある。
【0020】
第7の発明は、第1乃至6のいずれか一つの窒素酸化物除去触媒を用いて、ガス中の窒素酸化物を還元処理することを特徴とする脱硝方法にある。
【0021】
第8の発明は、第7の発明において、相対湿度が40%以下の条件において還元処理することを特徴とする脱硝方法にある。
【0022】
第9の発明は、第7又は8の発明において、還元処理温度が200℃以下の条件において処理することを特徴とする脱硝方法にある。
【0023】
第10の発明は、第1乃至6のいずれか一つの窒素酸化物除去触媒を有する窒素酸化物浄化手段を具備し、ガス中の窒素酸化物を脱硝することを特徴とする脱硝装置にある。
【0024】
第11の発明は、第10の発明において、処理ガスを乾燥する乾燥手段を具備することを特徴とする脱硝装置にある。
【0025】
第12の発明は、第10の発明において、窒素酸化物除去触媒を乾燥する乾燥手段を具備することを特徴とする脱硝装置にある。
【0026】
第13の発明は、第10乃至12のいずれか一つの発明において、上記炭素材料に尿素を噴霧又は浸漬により担持させる尿素担持手段を具備することを特徴とする脱硝装置にある。
【0027】
第14の発明は、第10乃至13のいずれか一つの発明において、上記窒素酸化物浄化手段を複数設けたことを特徴とする脱硝装置にある。
【0028】
第15の発明は、第10乃至14のいずれか一つの発明において、上記窒素酸化物浄化手段の前流側に酸化手段を設けたことを特徴とする脱硝装置にある。
【0029】
第16の発明は、第14の発明において、上記窒素酸化物浄化手段を直列に配設してなると共に、ガス導入側の窒素酸化物浄化手段の尿素担持量を20重量%以下とすることを特徴とする脱硝装置にある。
【0030】
第17の発明は、第10乃至16のいずれか一つの発明において、上記窒素酸化物浄化手段の前流側に煤塵除去手段を設けたことを特徴とする脱硝装置にある。
【0031】
第18の発明は、第10乃至17のいずれか一つの発明において、上記窒素酸化物浄化手段の前流側又は後流側に脱硫手段を設けたことを特徴とする脱硝装置にある。
【0032】
第19の発明は、第10乃至18のいずれか一つの発明において、上記窒素酸化物を含むガスが、交差点、トンネル又は閉鎖駐車場の雰囲気ガス、内燃機関からの排気ガス、産業設備からの排気ガスのいずれかであることを特徴とする脱硝装置にある。
【0033】
【発明の実施の形態】
本発明による実施の形態を以下に説明するが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0034】
[第1の実施の形態]
図1は、本実施の形態にかかる脱硝装置の概略図である。
図1に示すように、本実施の形態にかかる脱硝装置10は、処理容器本体11内に内装され、尿素を炭素材料に担持してなる窒素酸化物除去触媒からなる触媒層12を積層してなる窒素酸化物浄化手段13を具備するものであり、窒素酸化物(NOx)を含むガス14を一端側から導入して窒素酸化物浄化手段13によりガス中の窒素酸化物NOxを脱硝し、浄化ガス15として排出するものである。
【0035】
本実施の形態では、尿素を担持する炭素材料として活性炭素繊維を用いているが、本発明では、これに限定されるものではなく、活性炭素繊維以外に活性炭を用いるようにしてもよい。なお、以下の実施の形態においては、炭素材料として活性炭素繊維を用いた場合について説明する。
【0036】
ここで、図23(a)示すように、活性炭素繊維(Active Carbon Fiber;ACF)100は、一般にその表面に微細なミクロポア101が存在し、その繊維径は1〜20μm、比表面積が700〜2500m /g、外表面積0.2〜2.0m /g、ポアの細孔直径が2nm以下のものをいう。また、図23(b)示すように、活性炭102は、ミクロポア101の数が少ないことに加えて、気相からミクロポア101までに到達するには、マクロポア103とメソポア104とを順に通過する必要がある。
【0037】
上記触媒層12は、図1(b)に示すように、平板状の平板活性炭素繊維シート21と波板状の波板活性炭素繊維シート22とから構成され、これらが交互に積層してなり、間に形成される直線状の空間が通路23となり、該通路23がガス通過の軸方向に延びた状態になっている。
上記平板活性炭素繊維シート21及び波板活性炭素繊維シート22は板状であると共に、上記波板活性炭素繊維シート22は、さらに例えばコルゲータ等を用いて波型に成型されている。また、波板状とする以外に、例えばハニカム形状等、排ガスが活性炭素繊維シートに対して平行に通過する形状に成形するようにしてもよい。
【0038】
上記触媒層12を構成する活性炭素繊維には尿素が担持されており、その担持手段は例えば尿素溶液に活性炭素繊維を浸漬させることで担持させたり、尿素を溶液状又は粉体状で噴霧することで担持させたりしている。
【0039】
このように尿素を活性炭素繊維に担持してなる触媒層12は、ガス中に存在する窒素酸化物のうちのNO、NOを直接或いは、NOをNOに酸化しつつ窒素酸化物を効率的に還元するものであり、その脱硝作用を図22(a)〜(c)に示す。
【0040】
図22(a)に示す場合では表面にミクロポアが直接開孔している活性炭素繊維ACFに尿素(CO(NH)が担持活性化され、尿素と活性炭素繊維との相互作用が生じているところにおいて、窒素酸化物のNOが活性炭素繊維の表面で酸素の存在の下で、尿素と反応してNに還元される。または、NOはNOに酸化されて尿素と反応してNに還元される。一方、ガス中に存在するNOは、直接尿素と反応してNに還元される。
【0041】
図22(b)に示す場合では、活性炭素繊維(ACF)に尿素(CO(NH)が担持活性化されているところにおいて、窒素酸化物のNOとNOとが直接尿素に対して反応し、Nに還元される。
【0042】
図22(c)に示す場合では、活性炭素繊維(ACF)に尿素(CO(NH)が担持されているところにおいて、窒素酸化物のNOが直接尿素に対して反応し、Nに還元される。
【0043】
なお、活性炭素繊維に担持する尿素が多い場合、窒素酸化物中のNOを直接脱硝する反応は後述する試験例に示すように、反応速度が遅くなり、図22(a)又は図22(b)の反応の機構の方が好ましい反応となる。
【0044】
よって、窒素酸化物中のNOを効率よく脱硝するにはNOをNOに酸化させ、活性炭素繊維においてNOリッチ条件において、反応させるようにすればよいこととなる。
【0045】
ここで、本発明で炭素材料に対する上記尿素の担持量としては、0.5重量%以上とするのが好ましい。これは0.5重量%未満であると脱硝効率が低下し、かつ還元持続時間が短縮されるので好ましくないからである。
一方、尿素の担持量の上限は特に限定されるものではなく、後述する試験例に示すように担持量が多いほど脱硝持続時間が延びるが、あまり多いと活性炭素繊維の表面を被覆する結果、酸化反応(NO→NO)を阻害することとなり、70重量%程度とすればよい。
【0046】
また、脱硝の反応温度は室温で行うことができ、従来の尿素脱硝のようにアンモニアに分解する必要がないので、加熱する必要はない。なお、加熱する場合には、アンモニアへ分解する温度である200℃以下とすればよい。
【0047】
また、脱硝においては、水分含量が10重量%未満、好ましくは5重量%未満、さらに好ましくは1重量%未満とするのが好ましい。これは、水分が存在すると還元活性の低下がみられ好ましくないからである。
【0048】
また、図2(a)に示すように、窒素酸化物浄化手段13を有する脱硝装置10の前流側に、乾燥手段31を設け、導入するガス14の相対湿度を低下させ、乾燥ガス14aとするようにしている。なお、窒素酸化物浄化手段13に熱風等を直接吹付けて該窒素酸化物浄化手段13自体を乾燥状態とするようにしてもよい。
【0049】
ここで、脱硝反応における相対湿度は好ましくは40%以下、より好ましくは20%以下とするのが好ましい。これは、40%を超えると活性炭素繊維の表面を水分で覆い、必要な酸化反応(NO→NO)を促進する能力が低下するからである。
【0050】
また、活性炭素繊維の触媒としての酸化活性機能を向上させるように、活性炭素繊維を不活性ガス雰囲気下で高温熱処理することが好ましい。この高温加熱処理により、活性炭素繊維の表面に存在する親水性の酸素官能基の一部ないし全部をCO、COとして除去し、NOの酸化活性点、尿素活性点が増加し、熱処理前に較べて疎水性の高い表面とするようにしている。この結果、NOの酸化活性点への接近が容易に起こり、NOへの酸化速度と尿素による還元速度とが向上する。
【0051】
ここで、活性炭素繊維の高温処理温度としては、炭素材料により異なるが、例えば600〜1300℃程度とするのが好ましい。これは600℃未満では熱処理効果が発現せず、一方、1300℃を超えて熱処理しても更なる効果が発現しないからである。
【0052】
ここで、本発明の触媒層で用いる活性炭素繊維の一例及びその製造例の一例を下記に示す。
本発明で用いられる活性炭素繊維としては、例えばピッチ系活性炭素繊維、ポリアクリロニトリル系活性炭素繊維、フェノール系活性炭素繊維、セルロース系活性炭素繊維を挙げることができるが、本発明はこれらに限定されるものではなく、上記触媒作用を奏する活性炭素繊維であれば何等限定されるものではない。
【0053】
具体的の製造例を下記に示す。
(製造例1)
ピッチ系活性炭素繊維(「OG−20A」,アドール(株)製)を用い,これを窒素雰囲気中で900〜1200℃の温度範囲で1時間焼成する。
【0054】
(製造例2)
ポリアクリロニトリル系活性炭素繊維(「FE−300」,東邦リナックス(株)製)を用い,これを窒素雰囲気中で600〜900℃の温度範囲で1時間焼成する。
【0055】
(製造例3)
フェノール系活性炭素繊維(「クラクティブ−20」,クラレケミカル(株)製)を用い,これを窒素雰囲気中で900〜1200℃の温度範囲で1時間焼成する。
【0056】
さらに、本実施の形態では、脱硝装置の前流側又は後流側に脱硫手段を設け、脱硝と脱硫とを同時に行うようにしてもよい。
図2(b)は、脱硝装置11の後流側に脱硫手段である脱硫装置16を設けたものである。このように、脱硝装置11でガス14中の窒素酸化物(NOx)を脱硝した浄化ガス15aに存在する硫黄酸化物(SOx)を脱硫装置16で脱硫することで、脱硫浄化ガス15bとすることができる。これにより、ガス中の窒素酸化物(NOx)のみならず硫黄酸化物(SOx)も効率よく浄化することができる。
なお、脱硫装置14は脱硝装置の前流側又は後流側のいずれに設けるようにしてもよい。
【0057】
[第2の実施の形態]
図3は第2の実施の形態にかかる脱硝装置の概略図である。
第1の実施の形態における触媒層12は長時間の使用によりその脱硝能力が低下するので、これを補うために、脱硝装置10を並列に設けて、連続処理を可能とするものである。
【0058】
図3に示すように、脱硝装置10−1、10−2を並列に設け、配管32に介装した流路切替え手段33及びバルブ34の切替えにより、ガス流路を交互に切替えるようにしている。
そして、使用により触媒機能が低下した脱硝装置を再生するには、脱硝装置10−1、10−2にそれぞれ設けた触媒噴霧手段35により、触媒溶液36を触媒タンク37から供給することで噴霧し、所定量の尿素担持量とすることで、脱硝能力の再生を行っている。
【0059】
[第3の実施の形態]
図4は第3の実施の形態にかかる脱硝装置の概略図である。
第1の実施の形態において説明したように、窒素酸化物の脱硝はNOリッチ条件が好ましいので、脱硝装置10の前流側に酸化手段38を設けたものである。
上記酸化手段38としては、特に限定されるものではないが、NOをNOに効率よく酸化させるような例えばオゾン酸化手段、過酸化水素水酸化手段、過マンガン酸カリウム酸化手段等を挙げることができる。
そして、上記酸化手段38において、導入する窒素酸化物を含むガス14中のNOをNOに積極的に酸化させ、NOを多量に含むガス14bとし、それに引き続き設けた脱硝手段10において、NOリッチ条件において、脱硝を効率的に行うようにしている。
【0060】
なお、NOが存在するので、脱硝装置1においては、尿素を多量(70重量%以上)に担持するようにしてもよい。これは、酸化手段によりNOがリッチ状態となっているので、脱硝装置10での酸化反応(NO→NO)を促進させる必要がないからである。
【0061】
また、ガス14中のNO酸化が終了しているので、脱硝装置10での反応における湿度は低湿度に限定されるものではなく、相対湿度を40%以上とするようにしてもよい。
【0062】
[第4の実施の形態]
図5は第4の実施の形態にかかる脱硝装置の概略図である。
第3の実施の形態においては酸化手段38を用いてガス14中のNOをNOに効率よく酸化させるようにしたが、本実施の形態では、脱硝装置を複数段(本実施の形態では2段)直列に配設し、第1段の脱硝装置10−1でガス14中のNOをNOに効率よく酸化させるようにしている。このため、第1段の脱硝装置10−1の窒素酸化物浄化手段13の活性炭素繊維の尿素担持量を20重量%以下、好ましくは5重量%以下として、尿素が活性炭素繊維の表面を完全には被覆せず、酸化に寄与する活性点を多く残すようにしている。
【0063】
そして、上記第1段の脱硝装置10−1において、導入する窒素酸化物を含むガス14中のNOをNOに積極的に酸化させ、NOを多量に含むガス14bとし、それに引き続き設けた第2段の脱硝手段10−2において、NOリッチ条件において、脱硝を効率的に行うようにしている。
【0064】
本実施の形態においても第3の実施の形態と同様に、第2段の脱硝装置10−2においては、NO酸化が終了しているので、尿素の担持量及び相対湿度の制限がないものとなる。
【0065】
[第5の実施の形態]
図6乃至8は第5の実施の形態にかかる脱硝装置の概略図である。図6は窒素酸化物浄化手段の正面図、図7は図6の斜視図、図8は脱硝装置を有する交差点地下の排ガス処理設備である。
これらの図面に示すように、本実施の形態にかかる脱硝装置は、環状で両端が開放の円筒体41に内装され、尿素を炭素材料に担持してなる窒素酸化物除去触媒からなる触媒層12を積層してなる窒素酸化物浄化手段13と、円筒体41の一部を浸漬させ、尿素浴槽42の内部に尿素溶液36を満たしてなる尿素担持手段43とを具備してなり、窒素酸化物を含むガス14を前面側から導入して窒素酸化物浄化手段13によりガス中の窒素酸化物NOxを脱硝し、背面側から浄化ガス15として排出するものである。
【0066】
本実施の形態の脱硝装置は、円筒体41が図示しない回転手段により、所定周期で回転され、尿素浴槽42で浸漬される窒素酸化物浄化手段13の一部において、活性炭素繊維に尿素を担持させるようにしている。
担持された尿素は乾燥領域44において、図示しない乾燥手段の乾燥ガス45の供給により乾燥して、所定の乾燥状態とし、冷却領域46において、その後図示しない冷却手段の冷却ガス47の供給により冷却するようにしている。
そして、脱硝領域48において、導入されるガス14中の窒素酸化物を脱硝するようにしている。
【0067】
これにより、触媒機能が低下する前において、円筒体41を回転させて、触媒を再生するようにしているので、連続しての脱硝を行うことができる。
【0068】
図8はこの脱硝装置10を地面50の地下に設けた状態を示すものであり、本排ガス処理設備は、例えば交差点付近における窒素酸化物濃度が高いガス14を吸入する吸入ダクト51と、ガス配管52中に介装され、ガス14中の煤塵を除塵する除塵手段53と、地面50の地下に設置され、上述した図7に示す脱硝装置10を設置した脱硝室54と、浄化した浄化ガス15を外部へ排出する配管55の一端側に設けられた排出ダクト56とから構成されている。
【0069】
この排ガス処理設備によれば、交差点付近で浮遊する車両からの排ガス中に含まれる多量の窒素酸化物を効率よくしかも連続して脱硝することができる。また、脱硝は常温で行うことができるので、消費電力は極わずかで済むこととなる。
【0070】
なお、本発明にかかる脱硝装置は、上述した交差点付近におけるガスの浄化にとどまらず、交差点以外には、例えば、トンネル又は閉鎖駐車場の雰囲気ガス、内燃機関からの排気ガス、産業設備からの排気ガス中の窒素酸化物を効率的に脱硝することができる。
【0071】
[第6の実施の形態]
図9は第6の実施の形態にかかる脱硝装置の概略図である。
図9に示すように、本実施の形態にかかる脱硝装置は、環状で両端が開放の円筒体41に内装され、尿素を炭素材料に担持してなる窒素酸化物除去触媒からなる触媒層12を積層してなる窒素酸化物浄化手段13と、上記円筒体41を回転させる駆動手段61と、円筒体41の3/4の部分に対して低湿度又は乾燥空気62を供給する乾燥ガス供給手段63とを具備してなるものである。なお、導入ガス14を吸引する吸引ファン64による導入に際してはフィルタ65により除塵を行っている。また、乾燥空気62を窒素酸化物除去手段13へ供給する押込ファン66による導入に際してはフィルタ67により除塵を行っている。
【0072】
そして、窒素酸化物を含むガス14を窒素酸化物浄化手段13の背面側から導入してガス中の窒素酸化物NOxを脱硝し、浄化ガス15として排出する際に、駆動手段61の回転により円筒体を回転させることで、常に窒素酸化物浄化手段13を乾燥状態とするようにして、脱硝効率を向上させるようにしている。
【0073】
以下、本発明の効果を示す好適な試験例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0074】
[試験例1]
本試験例においては、尿素を所定量担持した活性炭素繊維を円筒管の内部の充填し、模擬ガスとしてNOを500ppm供給した。
円筒管の他端から排出されるガス中のNO濃度を測定した。
用いた活性炭素繊維はピッチ系(繊維径:16〜20μm)「OG−20A」(製品名:アドール社製)であり、製造において、高温(800℃)で熱処理したものである。
【0075】
この活性炭素繊維0.5gに対し、8.6%、12%、19.2%、25.4%の尿素を各々担持したものを試験に供した。
調整は、尿素水溶液を用い、所定量となるように活性炭素繊維に担持させたものを50℃以下の条件で減圧乾燥した。
なお、尿素担持しない0%のものを比較として用いた。
供給するガスは、NO濃度を500ppmとし、O濃度を21%、Nをバランスとして用いた。ガス流量は100ml/分とした。反応雰囲気温度は30℃とし、相対湿度は0%とした。
その結果を図10に示す。
【0076】
図10に示すように、尿素の担持の量が増大するにつれて脱硝率の持続時間が増大した。
また、脱硝の開始において、脱硝率の一時的な低下はNOがNOに酸化される量が少ないために、一時的に脱硝率が低下したものと推察される。
なお、脱硝時間の推移と共に脱硝率が向上するのは活性炭素繊維の表面に担持された尿素が徐々に消滅し、活性炭素繊維の活性点が多くなったことによると推察される。
【0077】
[試験例2]
本試験例においては、試験例1の活性炭素繊維の熱処理温度を1100℃としたものを用いた。
この活性炭素繊維0.5gに対し、7%、15%、20.4%、36.8%の尿素を各々担持したものを試験に供した。なお、尿素担持しない0%のものを比較として用いた。その他の条件は試験例1と同様である。
その結果を図11に示す。
【0078】
図11に示すように、尿素の担持の量が増大するにつれて脱硝率の持続時間が増大した。また、試験例1に較べて脱硝率が向上している。
【0079】
[試験例3]
本試験例においては、尿素を所定量担持した活性炭素繊維を円筒管の内部の充填し、模擬ガスとしてNOを500ppm供給した。
円筒管の他端から排出されるガス中のNO濃度を測定した。
用いた活性炭素繊維はPAN系(繊維径:3〜5μm)「FE300」(製品名:東邦リナックス社製)であり、高温熱処理をしていないものである。
【0080】
この活性炭素繊維0.5gに対し、0.9%、4.6%、7.2%の尿素を各々担持したものを試験に供した。なお、尿素担持しない0%のものを比較として用いた。その他の条件は試験例1と同様である。
その結果を図12に示す。
【0081】
図12に示すように、尿素の担持の量が増大するにつれて脱硝率の持続時間が増大した。
【0082】
[試験例4]
本試験例においては、尿素を所定量担持した活性炭を円筒管の内部の充填し、模擬ガスとしてNOを500ppm供給した。
円筒管の他端から排出されるガス中のNO濃度を測定した。
用いた活性炭は椰子殻活性炭であり、高温熱処理をしていないものである。
【0083】
この活性炭0.75gに対し、7.6%の尿素を担持したものを試験に供した。なお、尿素担持しない0%のものを比較として用いた。その他の条件は試験例1と同様である。
その結果を図13に示す。
【0084】
図13に示すように、炭素材料として椰子殻活性炭を用いても脱硝時間を増大させることができた。
【0085】
[試験例5]
本試験例においては、試験例1の尿素を担持してなる活性炭素繊維を一度脱硝に供した後、活性炭素繊維0.5gに対し、尿素を17.4%担持したものを再利用した。
なお、比較は試験例1の(4)の尿素担持量19.2%の新品のものである。
その他の条件は試験例1と同様である。
その結果を図14に示す。
【0086】
図14に示すように、初期の脱硝率の低下が改善された。
【0087】
[試験例6]
本試験例においては、試験例2の活性炭素繊維を用い、相対湿度を0,20、40、60、80%と各々変化させた。
【0088】
試験には、活性炭素繊維0.5gに対し、15%[1]、11.6%[2]、12.2%[3]、12.2%[4]、14.4%[5]の尿素を各々担持したものを試験に供した。なお、尿素担持しない0%のものを比較として用いた。
その他の条件は試験例1と同様である。
その結果を図15に示す。
【0089】
図15に示すように、相対湿度が60%以上の場合には脱硝率が50%を低下した。特に相対湿度0%の場合には高い脱硝率を呈した。
【0090】
[試験例7]
本試験例においては、試験例2の活性炭素繊維を用い、活性炭素繊維の量を3倍の1.5gとすると共に、尿素の担持量を11.8%とした。供給するNOの濃度を100ppmとした。
その他の条件は試験例1と同様である。
その結果を図16に示す。
【0091】
図16の左側の縦軸は脱硝率を示し、右側の縦軸はガス濃度を示した。
図16においては、NO及びNOの量を測定し、脱硝率とNO、NOの排出の関係を示す。
図16に示すように、処理開始初期に一度低下した脱硝率は処理時間の経過につれて脱硝率が安定し、360時間脱硝率70%を保持することができた。
なお、385時間経過後からはNOが発生しているが、活性炭素繊維に担持した尿素が消滅して脱硝効果が減少したことによる。
【0092】
[試験例8]
本試験例においては、試験例2の活性炭素繊維を用い、活性炭素繊維の量を4倍の2gとすると共に、尿素の担持量を9.4%とした。供給するガスを試験例7のNOに代えてNO(濃度100ppm)とした。
その他の条件は試験例1と同様である。
その結果を図17に示す。
【0093】
図17の左側の縦軸は脱硝率を示し、右側の縦軸はガス濃度を示した。
図17においては、NO及びNOの量を測定し、脱硝率とNO、NOの排出の関係を示す。
図17に示すように、図16に見られる処理開始初期に脱硝率が一度低下する減少がみられず、良好な脱硝を維持することが確認できた。
【0094】
[試験例9]
本試験例においては、試験例2の活性炭素繊維を用い、2段階で脱硝を行った。第1段の円筒管には活性炭素繊維に尿素を担持しないものを用いた。活性炭素繊維は0.5gとした。
また第2段の円筒管には尿素を18%担持した活性炭素繊維0.5gを用いた。
その他の条件は試験例1と同様である。
その結果を図18に示す。
【0095】
図18の左側の縦軸は脱硝率を示し、右側の縦軸はガス濃度を示した。
図18においては、NO及びNOの量を測定し、脱硝率とNO、NOの排出の関係を示す。
図18に示すように、図16に見られる処理開始初期に脱硝率が一度低下する減少がみられず、良好な脱硝を維持することが確認できた。
【0096】
[試験例10]
本試験例においては、試験例2の活性炭素繊維を用い、活性炭素繊維を0.5gとし、尿素の担持を21%とし、脱硝反応と湿度との関係を試験した。
反応初期においては、相対湿度を70%とし、13.5時間経過後に0%となるように切り替えた。
その他の条件は試験例1と同様である。
その結果を図19に示す。
【0097】
図19の左側の縦軸は脱硝率を示し、右側の縦軸はガス濃度を示した。
図19においては、NO及びNOの量を測定し、脱硝率とNO、NOの排出の関係を示す。
図19に示すように、湿度が70%の場合には脱硝効率が20%まで低下した。一方、湿度を0%とすると、脱硝率は向上し、80%の高い脱硝率を維持することができた。
【0098】
[試験例11]
本試験例においては、シリカウール(1〜6μm)0.5gに対して尿素粉体(60−200メッシュ)1gを混ぜ込み、ガス濃度500ppmのNOを通過させた際の脱硝反応についての有無を試験した。
その他の条件は試験例1と同様である。
その結果を図20に示す。
【0099】
図20の左側の縦軸は脱硝率を示し、右側の縦軸はガス濃度を示した。
図20においては、NO及びNOの量を測定し、脱硝率とNO、NOの排出の関係を示す。
図20に示すように、尿素を混ぜ込んだ場合でも、炭素材料による酸化反応(NO→NO)がないので、NOがほぼ100%そのまま排出された。
【0100】
[試験例12]
本試験例においては、シリカウール(1〜6μm)0.5gに対して尿素粉体(60−200メッシュ)1gを混ぜ込み、ガス濃度500ppmのNOを通過させた際の脱硝反応についての有無を試験した。
その他の条件は試験例1と同様である。
その結果を図21に示す。
【0101】
図21の左側の縦軸は脱硝率を示し、右側の縦軸はガス濃度を示した。
図21においては、NO及びNOの量を測定し、脱硝率とNO、NOの排出の関係を示す。
図21に示すように、尿素単独の存在においては、8%程度の除去率しかなかった。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、尿素を炭素材料に担持活性化してなり、ガス中の窒素酸化物のNO及びNOを還元するので、脱硝効率が向上すると共に、常温において反応するので、脱硝設備の消費電力の低減を図ることができる。
【0103】
また、尿素を炭素材料に担持してなり、ガス中のNOをNOに酸化しつつ窒素酸化物を還元するので、脱硝効率が向上すると共に、常温において反応するので、脱硝設備の消費電力の低減を図ることができる。
【0104】
また、上記尿素の担持量を0.5重量%以上とすればよいので、少量の尿素を用いて効率的な脱硝が可能となる。
【0105】
また、水分含量を10重量%未満とすることで、脱硝効率が向上することになる。
【0106】
また、上記炭素材料を不活性ガス雰囲気下で高温熱処理することで、NOへの酸化力、担持尿素の活性化、耐水性が向上し、脱硝効率が向上する。
【0107】
また、上記炭素材料を活性炭又は活性炭素繊維とすることで、NOをNOとする酸化力が向上した窒素酸化物除去触媒を提供できる。
【0108】
また、上記窒素酸化物除去触媒を用いて、ガス中の窒素酸化物を還元処理することで長時間連続した脱硝を行うことができる。
【0109】
また、反応における相対湿度を40%以下の条件において処理することで脱硝効率が向上する。
【0110】
また、還元処理温度を200℃以下の低温領域で還元処理することで処理コストの低減を図ることができる。
【0111】
また、上記窒素酸化物除去触媒を有する窒素酸化物浄化手段を具備した脱硝装置とすることで、ガス中の窒素酸化物を効率よく脱硝することが可能となる。
【0112】
また、脱硝装置に処理ガスを乾燥する乾燥手段を具備することにより、乾燥雰囲気で脱硝を行うことができ、脱硝効率が向上する。
【0113】
また、窒素酸化物除去触媒を乾燥する乾燥手段を具備することにより、乾燥雰囲気で脱硝を行うことができ、脱硝効率が向上する。
【0114】
また、上記脱硝装置において、上記炭素材料に尿素を噴霧又は浸漬により担持させる尿素担持手段を具備することで、尿素を担持することができ、連続した脱硝を行うことができる。
【0115】
また、上記窒素酸化物浄化手段を複数設けることで、脱硝効率を向上させることができる。
【0116】
また、脱硝装置において、上記窒素酸化物浄化手段の前流側に酸化手段を設けることで、ガス中のNOをNOに酸化させ、脱硝効率を向上させることができる。
【0117】
また、脱硝装置において、上記窒素酸化物浄化手段を直列に配設してなると共に、ガス導入側の窒素酸化物浄化手段の尿素担持量を20重量%以下とすることで、ガス中のNOをNOに酸化させ、脱硝効率を向上させることができる。
【0118】
また、上記脱硝装置において、上記窒素酸化物浄化手段の前流側に煤塵除去手段を設けることでガス中の煤塵を効率的に除去することができる。
【0119】
また、上記脱硝装置において、上記窒素酸化物浄化手段の前流側又は後流側に脱硫手段を設けることでガス中の窒素酸化物のみらなず硫黄酸化物も効率的に除去することができる。
【0120】
また、上記脱硝装置に適用するガスとして、交差点、トンネル又は閉鎖駐車場の雰囲気ガス、内燃機関からの排気ガス、産業設備からの排気ガスのいずれであっても効率よくガス中の窒素酸化物を脱硝することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態にかかる脱硝装置の概略図である。
【図2】第1の実施の形態にかかる他の脱硝装置の概略図である。
【図3】第2の実施の形態にかかる脱硝装置の概略図である。
【図4】第3の実施の形態にかかる脱硝装置の概略図である。
【図5】第4の実施の形態にかかる脱硝装置の概略図である。
【図6】第5の実施の形態にかかる脱硝装置の概略図である。
【図7】第5の実施の形態にかかる脱硝装置の斜視図である。
【図8】第5の実施の形態にかかる脱硝装置を備えた排ガス処理設備の概略図である。
【図9】第6の実施の形態にかかる脱硝装置の概略図である。
【図10】試験例1の結果を示すグラフである。
【図11】試験例2の結果を示すグラフである。
【図12】試験例3の結果を示すグラフである。
【図13】試験例4の結果を示すグラフである。
【図14】試験例5の結果を示すグラフである。
【図15】試験例6の結果を示すグラフである。
【図16】試験例7の結果を示すグラフである。
【図17】試験例8の結果を示すグラフである。
【図18】試験例9の結果を示すグラフである。
【図19】試験例10の結果を示すグラフである。
【図20】試験例11の結果を示すグラフである。
【図21】試験例12の結果を示すグラフである。
【図22】脱硝の反応機構の模式図である。
【図23】活性炭素繊維と活性炭の模式図である。
【図24】従来技術の脱硝装置の概略図である。
【符号の説明】
10 脱硝装置
11 処理容器本体
12 触媒層
13 窒素酸化物浄化手段
14 窒素酸化物(NOx)
15 浄化ガス
16 脱硫装置

Claims (19)

  1. 尿素を炭素材料に担持活性化してなり、ガス中の窒素酸化物のNO及びNOを還元することを特徴とする窒素酸化物除去触媒。
  2. 請求項1において、
    ガス中のNOをNOに酸化して窒素酸化物を還元することを特徴とする窒素酸化物除去触媒。
  3. 請求項1又は2において、
    上記尿素の担持量が0.5重量%以上であることを特徴とする窒素酸化物除去触媒。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一つにおいて、
    水分含量が10重量%未満であることを特徴とする窒素酸化物除去触媒。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一つにおいて、
    上記炭素材料が不活性ガス雰囲気下高温熱処理してなることを特徴とする窒素酸化物除去触媒。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一つにおいて、
    上記炭素材料が活性炭又は活性炭素繊維であることを特徴とする窒素酸化物除去触媒。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一つの窒素酸化物除去触媒を用いて、ガス中の窒素酸化物を還元処理することを特徴とする脱硝方法。
  8. 請求項7において、
    相対湿度が40%以下の条件において還元処理することを特徴とする脱硝方法。
  9. 請求項7又は8において、
    還元処理温度が200℃以下の条件において処理することを特徴とする脱硝方法。
  10. 請求項1乃至6のいずれか一つの窒素酸化物除去触媒を有する窒素酸化物浄化手段を具備し、ガス中の窒素酸化物を脱硝することを特徴とする脱硝装置。
  11. 請求項10において、
    処理ガスを乾燥する乾燥手段を具備することを特徴とする脱硝装置。
  12. 請求項10において、
    窒素酸化物除去触媒を乾燥する乾燥手段を具備することを特徴とする脱硝装置。
  13. 請求項10乃至12のいずれか一つにおいて、
    上記炭素材料に尿素を噴霧又は浸漬により担持させる尿素担持手段を具備することを特徴とする脱硝装置。
  14. 請求項10乃至13のいずれか一つにおいて、
    上記窒素酸化物浄化手段を複数設けたことを特徴とする脱硝装置。
  15. 請求項10乃至14のいずれか一つにおいて、
    上記窒素酸化物浄化手段の前流側に酸化手段を設けたことを特徴とする脱硝装置。
  16. 請求項14において、
    上記窒素酸化物浄化手段を直列に配設してなると共に、ガス導入側の窒素酸化物浄化手段の尿素担持量を20重量%以下とすることを特徴とする脱硝装置。
  17. 請求項10乃至16のいずれか一つにおいて、
    上記窒素酸化物浄化手段の前流側に煤塵除去手段を設けたことを特徴とする脱硝装置。
  18. 請求項10乃至17のいずれか一つにおいて、
    上記窒素酸化物浄化手段の前流側又は後流側に脱硫手段を設けたことを特徴とする脱硝装置。
  19. 請求項10乃至18のいずれか一つにおいて、
    上記窒素酸化物を含むガスが、交差点、トンネル又は閉鎖駐車場の雰囲気ガス、内燃機関からの排気ガス、産業設備からの排気ガスのいずれかであることを特徴とする脱硝装置。
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