JP2005232538A - 水道用器具およびその水道用器具のめっき層の耐食性向上方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
水道用器具の外部表面や接水面のめっきについて、環境の悪化や使用者の要求度の高まりにより従来のめっきのみでは装飾性、耐食性、耐摩耗性が不十分な場合がでてきている。例えば屋外使用において、工業地帯や温泉地などの過酷な環境で使用される場合もありめっき層の腐食に至る場合もある。また、接水面ではめっき層が腐食し剥離する場合もある。
【解決手段】
水道用器具の基材本体表面を覆うめっき層と、そのめっき層表面の少なくとも一部に施されたクロメート皮膜と、そのクロメート皮膜を覆うクリア塗装層とから成る水道用器具とした。
【選択図】
なし
水道用器具の外部表面や接水面のめっきについて、環境の悪化や使用者の要求度の高まりにより従来のめっきのみでは装飾性、耐食性、耐摩耗性が不十分な場合がでてきている。例えば屋外使用において、工業地帯や温泉地などの過酷な環境で使用される場合もありめっき層の腐食に至る場合もある。また、接水面ではめっき層が腐食し剥離する場合もある。
【解決手段】
水道用器具の基材本体表面を覆うめっき層と、そのめっき層表面の少なくとも一部に施されたクロメート皮膜と、そのクロメート皮膜を覆うクリア塗装層とから成る水道用器具とした。
【選択図】
なし
Description
本発明は、めっき色調をそのまま維持させつつ耐食性、密着性を向上させた水道用器具およびそのめっき層の耐食性向上方法に関する。
水道用器具とは、水栓金具、水道メーター、湯沸器、温水器、冷水器、浄水器、フラッシュバルブ、水道配管材、水道配管用接手などの水を使用する器具をいう。
従来、水道用器具の外部表面は、装飾性、耐食性、耐摩耗性向上の目的でめっき又は塗装が施される場合が多く、水道用器具の表面処理は種々のめっきが行われており、特にニッケル−クロム仕上げが多い。他には金めっきなどもある。
ところで、水栓金具、水道メーター、湯沸器をはじめとする水道用器具には水道水、井戸水、中水、海水、温泉水など多種多様な水が使用される。
特に温泉地や、海岸地域などで使用している水道用器具では、めっき層の厚みを厚くし、めっき層の耐食性、耐摩耗性を向上させている。
特に温泉地や、海岸地域などで使用している水道用器具では、めっき層の厚みを厚くし、めっき層の耐食性、耐摩耗性を向上させている。
また、水道用器具の接水面では、めっき層が腐食し剥離する場合もあるため、めっきが水道中に吐出することがある。これを防ぐ為、めっきを施す際にマスキングして接水面にはめっきが付かないようにしている。
この例として、特許文献1に記載のようにマスキングしてめっきが付かないようにし、水道用器具において、接水部となる部分にニッケルめっきのみ施し、クロムめっきを施さない、という構成を有する事で、めっき腐食という問題を解決しているものもある。
この例として、特許文献1に記載のようにマスキングしてめっきが付かないようにし、水道用器具において、接水部となる部分にニッケルめっきのみ施し、クロムめっきを施さない、という構成を有する事で、めっき腐食という問題を解決しているものもある。
さらにめっき後にクリア塗装をしてめっき層の耐食性を確保する方法も考えられるが、クリア塗装は装飾性向上の目的で使用されているものがあるが、密着性が安定しないため、クリア塗装層が剥がれクリア塗装を施して耐食性を確保する目的が達成できていない。
特開2002−146591号公報
水道用器具の外部表面では、温泉地、海岸地域、工業地帯など腐食性雰囲気下で、硫化水素ガスや潮風などにより腐食が発生する場合がある。このため、コストはかかるがめっき層を厚くする事により対処している。しかし、この方法であっても完全に腐食を防止したものではなく厚みで腐食を遅らせているだけである。
また、水道器具の接水面などのめっき層が腐食してはいけない個所(水が絶えずあたる個所)については、マスキングを行っているが、マスキング作業は、時間がかかりその作業工程も複雑で熟練度がいる。このため、めっき処理のコストを上げる要因に至っている。
さらに、一般にあるクリア塗装層は密着が不安定であり、その為クリア塗装層が剥がれ水道用器具では使用しにくい。水道用器具では、使用環境、製品の温度変化などが複雑に絡み合うため、その状況にも耐えうる密着性が必要である。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、めっき色調をそのまま維持させつつ、コストを上げることなく、水道用器具の外部表面や接水面のめっき層の耐食性を向上させたことを特徴とする水栓用器具およびそのめっき層の耐食性向上方法を提供することにある。
本発明の水道用器具は、外部表面のめっき層の耐食性が向上し、さらに、外部表面の装飾性においては、クリア塗装層により下地の赤、青、白、黒、黄及びそれらの中間色などの多種多様な色を活かして維持する。
上記目的を解決するため請求項1は、水道用器具の基材本体表面を覆うめっき層と、該めっき層の表面の少なくとも一部に施されたクロメート皮膜と、該クロメート皮膜を覆うクリア塗装層とからなる水道用器具である。
水道用器具の接水面は、めっき層が腐食する場合もあるため、マスキングしてめっきが付かないようにする場合がある。クリア塗装を施す事により、マスキングもしなくて接水面の耐食性を向上させる事が出来る。外部表面も同様に、各種の大気環境下からの腐食を防ぎ、また、多種多様な色により装飾性も向上できる。
水道用器具の接水面は、めっき層が腐食する場合もあるため、マスキングしてめっきが付かないようにする場合がある。クリア塗装を施す事により、マスキングもしなくて接水面の耐食性を向上させる事が出来る。外部表面も同様に、各種の大気環境下からの腐食を防ぎ、また、多種多様な色により装飾性も向上できる。
請求項2は、複層めっき層の最上層がクロムめっき層であり、クリア塗装によって接水面及び外部表面に樹脂を被覆したことを特徴とする水道用器具である。
水道用器具は一般的には、ニッケル・クロムめっきがほとんどであり、なじみ深い色調である。
そのクロムの色調を活かしながら、クリア塗装をすることによって、十分な耐食性を付与できる。
水道用器具は一般的には、ニッケル・クロムめっきがほとんどであり、なじみ深い色調である。
そのクロムの色調を活かしながら、クリア塗装をすることによって、十分な耐食性を付与できる。
請求項3は、複層めっき層の最上層が金めっき層であり、クリア塗装によって接水面及び外部表面に樹脂を被覆したことを特徴とする水道用器具である。
水栓金具をはじめとする水道用器具には、豪華な美観、高級感を求めて金めっきが適用される部品がある。しかしながら金めっき層は、耐摩耗性に劣り、傷が付きやすいことが欠点である。金めっき後クリア塗装を行えば、接水面及び外部表面のめっき層の耐食性向上のみならず、クリア塗装層の保護効果によって、耐摩耗性が向上し、傷が付きにくくなる効果も併せ持つ。
水栓金具をはじめとする水道用器具には、豪華な美観、高級感を求めて金めっきが適用される部品がある。しかしながら金めっき層は、耐摩耗性に劣り、傷が付きやすいことが欠点である。金めっき後クリア塗装を行えば、接水面及び外部表面のめっき層の耐食性向上のみならず、クリア塗装層の保護効果によって、耐摩耗性が向上し、傷が付きにくくなる効果も併せ持つ。
請求項4は、水道用器具のめっき層の耐食性向上方法であって、水道用器具の基材本体表面を覆うめっき工程後、クロメート工程を経てクリア塗装を施したことを特徴とする水道用器具のめっき層の耐食性向上方法である。
水道用器具の接水面は、めっき層が腐食する場合もあるため、マスキングしてめっきが付かないようにする場合がある。クリア塗装を施す事により、マスキングもしなくて接水面の耐食性を向上させる事が出来る。外部表面も同様に、各種の大気環境下からの腐食を防ぎ、また、多種多様な色により装飾性も向上できる。クリア塗装層の被覆方法としては、代表的にはスプレー塗装法、静電粉体塗装法がある。
水道用器具の接水面は、めっき層が腐食する場合もあるため、マスキングしてめっきが付かないようにする場合がある。クリア塗装を施す事により、マスキングもしなくて接水面の耐食性を向上させる事が出来る。外部表面も同様に、各種の大気環境下からの腐食を防ぎ、また、多種多様な色により装飾性も向上できる。クリア塗装層の被覆方法としては、代表的にはスプレー塗装法、静電粉体塗装法がある。
請求項5は、めっき工程後のクロメート工程は陰極電解法を用いた工程であり、クリア塗装によって接水面及び外部表面に樹脂を被覆したことを特徴とする水道用器具のめっき層の耐食性向上方法である。
陰極電解クロメート法で生成するクロムの酸化皮膜は、皮膜が緻密で強固であり短期間で厚い膜厚の酸化皮膜を形成できるため、めっき層とクリア塗装層との密着性を向上させることができる。
陰極電解クロメート法で生成するクロムの酸化皮膜は、皮膜が緻密で強固であり短期間で厚い膜厚の酸化皮膜を形成できるため、めっき層とクリア塗装層との密着性を向上させることができる。
請求項6は、請求項4または5に記載の水道用器具のめっき層の耐食性向上方法より、水道用器具の基材本体表面を覆うめっき層と、該めっき層の表面の少なくとも一部に施されたクロメート皮膜と、該クロメート皮膜を覆うクリア塗装層とを形成してなることを特徴とする水道用器具である。
水道用器具の接水面は、めっき層が腐食する場合もあるため、マスキングしてめっきが付かないようにする場合があるが、クリア塗装を施す事により、マスキングもしなくて接水面の耐食性を向上させる事が出来る。外部表面も同様に、各種の大気環境下からの腐食を防ぎ、また、多種多様な色により装飾性も向上できる。
水道用器具の接水面は、めっき層が腐食する場合もあるため、マスキングしてめっきが付かないようにする場合があるが、クリア塗装を施す事により、マスキングもしなくて接水面の耐食性を向上させる事が出来る。外部表面も同様に、各種の大気環境下からの腐食を防ぎ、また、多種多様な色により装飾性も向上できる。
本発明は上記構成により次の効果を発揮する。
請求項1では、水道用器具の基材本体表面を覆うめっき層の表面の少なくとも一部に施されたクロメート皮膜がめっき層とクリア塗装層の間のバインダーとして作用することで、乾燥温度などは関係なくめっき層とクリア塗装層との密着性が良い塗装品が出来る。これにより十分なめっき層の耐食性を付与できる。このようなクリア塗装を施すことにより、マスキングもしなくて接水面のめっき層の耐食性を向上させる事が出来る。外部表面も同様に、各種の大気環境下からのめっき腐食を防ぎ、また、多種多様な色により装飾性も向上できる。
請求項1では、水道用器具の基材本体表面を覆うめっき層の表面の少なくとも一部に施されたクロメート皮膜がめっき層とクリア塗装層の間のバインダーとして作用することで、乾燥温度などは関係なくめっき層とクリア塗装層との密着性が良い塗装品が出来る。これにより十分なめっき層の耐食性を付与できる。このようなクリア塗装を施すことにより、マスキングもしなくて接水面のめっき層の耐食性を向上させる事が出来る。外部表面も同様に、各種の大気環境下からのめっき腐食を防ぎ、また、多種多様な色により装飾性も向上できる。
請求項2は、複層めっき層の最上層がクロムめっき層によって被覆させたものである。水道用器具は一般的には、ニッケル・クロムめっきがほとんどであり、なじみ深い色調である。そのクロムの色調を活かしながら、クリア塗装をすることによって、十分なめっきの耐食性を付与できる。
請求項3は、複層めっき層の最上層が金めっき層によって被覆させたものである。
水栓金具をはじめとする水道用器具には、豪華な美観、高級感を求めて金めっきが適用される部品があるが、金めっき層は、耐摩耗性に劣り、傷が付きやすいことが欠点である。金めっき後透明なクリアー塗装を行えば、外部表面や接水面のめっき層の耐食性向上のみならず、クリア塗装層の保護効果によって、耐摩耗性が向上し、傷が付きにくくなる効果も併せ持つ。
水栓金具をはじめとする水道用器具には、豪華な美観、高級感を求めて金めっきが適用される部品があるが、金めっき層は、耐摩耗性に劣り、傷が付きやすいことが欠点である。金めっき後透明なクリアー塗装を行えば、外部表面や接水面のめっき層の耐食性向上のみならず、クリア塗装層の保護効果によって、耐摩耗性が向上し、傷が付きにくくなる効果も併せ持つ。
請求項4では、水道用器具にめっき後、クロメート工程を経てクリア塗装することにより、クロメート皮膜がめっき層と塗装層の間のバインダーとして作用することで、乾燥温度などは関係なくめっき層とクリア塗装層との密着性が良い塗装品が出来る。これにより十分なめっき層の耐食性を付与できる。このようなクリアー塗装を施すことにより、マスキングもしなくて接水面のめっき層の耐食性を向上させる事が出来る。外部表面も同様に、各種の大気環境下からのめっき腐食を防ぎ、また、多種多様な色により装飾性も向上できる。
請求項5では、陰極電解クロメート法で生成するクロムの酸化皮膜により、皮膜が緻密で強固であり短期間で厚い膜厚の酸化皮膜を形成でき、さらに皮膜の厚さが増すほどに、三価クロム化合物より六価クロム化合物の量が多い皮膜となるため、めっき層とクリア塗装層との密着性を向上させることができる。これにより十分なめっき層の耐食性を付与できる。このようなクリアー塗装を施すことにより、マスキングもしなくて接水面のめっき層の耐食性を向上させる事が出来る。外部表面も同様に、各種の大気環境下からのめっき腐食を防ぎ、また、多種多様な色により装飾性も向上できる。
請求項6は、請求項4または5に記載の水道用器具のめっき層の耐食性向上方法より、水道用器具の基材本体表面を覆うめっき層と、該めっき層の表面の少なくとも一部に施されたクロメート皮膜と、該クロメート皮膜を覆うクリア塗装層とを形成してなることを特徴とする水道用器具である。
クリア塗装を施す事により、マスキングもしなくて接水面の耐食性を向上させる事が出来る。外部表面も同様に、各種の大気環境下からの腐食を防ぎ、また、多種多様な色により装飾性も向上できる。
クリア塗装を施す事により、マスキングもしなくて接水面の耐食性を向上させる事が出来る。外部表面も同様に、各種の大気環境下からの腐食を防ぎ、また、多種多様な色により装飾性も向上できる。
本発明によるめっきの例としては、ニッケル、クロム、金、亜鉛、鉄、ニッケル鉄合金、梨地ニッケル、黒ニッケル、ニッケルリン合金、、黒クロム、銀、ロジウム、白金、銅、銅亜鉛合金、スズ、スズ鉛合金、スズコバルト合金、スズニッケル合金等が用いられるが、特に制約させるものではない。また、単層めっきや複数のめっき層からなる複層めっきの何れでも問題ない。めっきの製法についても、電気めっき、置換めっき、無電解めっき等があるが、特に制約されるものではない。
めっき後、クリア塗装を施す前にクロメート工程を経ることで、めっき層とクリア塗装層の密着性を向上させることができる。
クロメートとは、無水クロム酸、クロム酸ナトリウム、クロム酸カリウム、重クロム酸ナトリウム、重クロム酸カリウムなどのクロム化合物を含む溶液中に品物を浸漬することで、めっき金属面にクロムを含む酸化皮膜を形成することである。この酸化皮膜は、めっき層と塗装層のバインダーとして作成することで密着性が向上するを見いだした。
溶液中には、クロム化合物以外に硫酸、硝酸、塩酸、リン酸などを添加する場合もある。市販のZnめっきやAl上のクロメート浴を使用しても良い。温度は常温から70℃程度、浸漬時間は数秒から5分程度で行う。また品物は搖動又は液を空気攪拌しても良い。
クロメートとは、無水クロム酸、クロム酸ナトリウム、クロム酸カリウム、重クロム酸ナトリウム、重クロム酸カリウムなどのクロム化合物を含む溶液中に品物を浸漬することで、めっき金属面にクロムを含む酸化皮膜を形成することである。この酸化皮膜は、めっき層と塗装層のバインダーとして作成することで密着性が向上するを見いだした。
溶液中には、クロム化合物以外に硫酸、硝酸、塩酸、リン酸などを添加する場合もある。市販のZnめっきやAl上のクロメート浴を使用しても良い。温度は常温から70℃程度、浸漬時間は数秒から5分程度で行う。また品物は搖動又は液を空気攪拌しても良い。
クロメート法には、浸漬法と電解法の2種類ある。浸漬法は単に品物をクロメート溶液中に浸漬するのみであり、電解はクロメート溶液中で、品物を陰極とした陰極電解法が主流である。陰極電解法で使用するクロメート溶液は、浸漬クロメートで使用する溶液とほぼ同じである。電流密度は、0.1〜1.5A/dm2 、温度は常温から70℃程度、電解時間は数秒から1分程度で行う。陽極は、鉛合金等の不溶性陽極を使用する。
電解法でのクロメート皮膜は、緻密で強固であり、短期間で厚い膜厚の酸化皮膜を形成することができる。
電解法でのクロメート皮膜は、緻密で強固であり、短期間で厚い膜厚の酸化皮膜を形成することができる。
クリア塗装の塗装材料である樹脂母体としてアクリル系、エポキシ系、ウレタン系、メラミン系等の樹脂があるが特に限定されるものではなく、市販のクリア塗装を使用しても良い。
クリア塗装の方法としては、電着塗装、静電粉体塗装、スプレー塗装、溶剤塗装等がある。
クリア塗装の方法としては、電着塗装、静電粉体塗装、スプレー塗装、溶剤塗装等がある。
塗膜厚みは厚いほうが耐食性の点では好ましいが、塗膜が厚すぎる場合には、勘合部の寸法公差を越える場合も発生するので、部品仕様、要求品質に応じて塗膜厚みは適宜判断する。一般的には5μm〜30μmの間が適当である。薄い場合は、ピンホールが激しく耐食性が悪い又、厚い場合は、勘合・コスト・外観にてデメリットになりやすい。
クリア塗装後の乾燥については、焼付け温度が50〜200℃で時間10〜60分にて密着性を確保することが出来る。
クリア塗装後の乾燥については、焼付け温度が50〜200℃で時間10〜60分にて密着性を確保することが出来る。
本発明を実施例により具体的に以下に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で多くの改変をなしえることはもちろんである。
図1に示す黄銅鋳物(JIS CAC203)の水栓金具基材本体を使用し、表1に記載した条件で各種のクロメート処理を行い密着性を評価した。
また、めっきはクロムめっきを施し、めっき品の前処理は、溶剤洗浄(トリクレン洗浄液)で行い、クロメート処理後クリアー塗装にて統一した。
また、めっきはクロムめっきを施し、めっき品の前処理は、溶剤洗浄(トリクレン洗浄液)で行い、クロメート処理後クリアー塗装にて統一した。
塗装面の密着性を評価する試験方法は、塗膜にごばん目状の切り傷を付け、この面に粘着テープをはり、はがした後の塗膜の付着状態を目視によって観察する。ごばん目の大きさは、1mm目100個とする。
製品の温度変化などの試験方法は、耐沸騰水性にて試験片を1時間浸漬した後の、塗膜の外観変化と塗装面の密着を、塗膜にごばん目状の切り傷を付け、この面に粘着テープをはり、はがした後の塗膜の付着状態を目視によって観察する。ごばん目の大きさは、1mm目100個とする。
実施例1
試験サンプルを、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。その後上記前処理し、市販のクリアー塗装を使用して、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
試験サンプルを、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。その後上記前処理し、市販のクリアー塗装を使用して、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
実施例2
試験サンプルを、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。その後上記前処理し、クロメート浸漬、常温で5分浸漬した後、市販のクリアー塗装を使用して、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
試験サンプルを、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。その後上記前処理し、クロメート浸漬、常温で5分浸漬した後、市販のクリアー塗装を使用して、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
実施例3
試験サンプルを、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。その後上記前処理し、クロメート浸漬、45℃で5分浸漬した後、市販のクリアー塗装を使用して、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
試験サンプルを、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。その後上記前処理し、クロメート浸漬、45℃で5分浸漬した後、市販のクリアー塗装を使用して、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
実施例4
試験サンプルを、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。その後上記前処理し、電解クロメート:陰極電解0.3A/dm2 、常温で1分浸漬した後、市販のクリアー塗装を使用して、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
試験サンプルを、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。その後上記前処理し、電解クロメート:陰極電解0.3A/dm2 、常温で1分浸漬した後、市販のクリアー塗装を使用して、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
実施例5
試験サンプルを、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。その後上記前処理し、電解クロメート:陰極電解0.3A/dm2 、45℃で1分浸漬した後、市販のクリアー塗装を使用して、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
試験サンプルを、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。その後上記前処理し、電解クロメート:陰極電解0.3A/dm2 、45℃で1分浸漬した後、市販のクリアー塗装を使用して、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
実施例6
試験サンプルを、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。その後上記前処理し、電解クロメート:陰極電解0.3A/dm2 、70℃で1分浸漬した後、市販のクリアー塗装を使用して、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
試験サンプルを、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。その後上記前処理し、電解クロメート:陰極電解0.3A/dm2 、70℃で1分浸漬した後、市販のクリアー塗装を使用して、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
図1に示す黄銅鋳物(JIS CAC203)の水栓金具基材本体を使用し、表2に記載した条件で各種の塗装、めっき及びその組み合わせを行い、外部表面の色調及び耐食性、また、ネジの締結作業性、さらに、密着性を評価した。
また、めっき品の前処理は、溶剤洗浄(トリクレン洗浄液)で統一した。尚、クリアー塗装する前には、電解クロメート(陰極電解)にて、温度45℃、電流密度0.3A/dm2 、2%クロム酸溶液の液に1分浸漬後、30秒間水洗の条件で統一した。
また、めっき品の前処理は、溶剤洗浄(トリクレン洗浄液)で統一した。尚、クリアー塗装する前には、電解クロメート(陰極電解)にて、温度45℃、電流密度0.3A/dm2 、2%クロム酸溶液の液に1分浸漬後、30秒間水洗の条件で統一した。
外部表面の色調は、目視でクリア塗装していない物と相対評価した。
外部表面の耐食性は、JIS−H−8502(1999)記載のキャステスト48時間としてRN(レイティングナンバー)で評価した。
ネジの締結作業性は、評価に供した水栓金具本体のオネジ部に適合するナットを手締めにて締結し作業性を比較して評価した。
塗装面の密着性を評価する試験方法は、塗膜にごばん目状の切り傷を付け、この面に粘着テープをはり、はがした後の塗膜の付着状態を目視によって観察する。ごばん目の大きさは、1mm目100個とする。
製品の温度変化などの試験方法は、耐沸騰水性にて試験片を1時間浸漬した後の、塗膜の外観変化と塗装面の密着を、塗膜にごばん目状の切り傷を付け、この面に粘着テープをはり、はがした後の塗膜の付着状態を目視によって観察する。ごばん目の大きさは、1mm目100個とする。
実施例7
試験サンプルを上記前処理後、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。その後、上記電解クロメートを行い市販のクリアー塗装を使用し、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
試験サンプルを上記前処理後、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。その後、上記電解クロメートを行い市販のクリアー塗装を使用し、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
実施例8
試験サンプルを上記前処理後、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施し、金めっきを1μm施した後、上記電解クロメートを行い市販のクリアー塗装を使用し、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
試験サンプルを上記前処理後、公知の電気めっき法でマスキングなしにて、光沢ニッケルめっきを8μm施し、金めっきを1μm施した後、上記電解クロメートを行い市販のクリアー塗装を使用し、スプレーガン塗装した。50℃で60分の焼付けを行った。外面の塗膜厚みは約20μmであった。
比較例1
試験サンプルを上記前処理後、公知の電気めっき法で、光沢ニッケルめっきを20μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。
試験サンプルを上記前処理後、公知の電気めっき法で、光沢ニッケルめっきを20μm施した後、クロムめっきを0.3μm施した。
比較例2
試験サンプルを上記前処理後、公知の電気めっき法で、光沢ニッケルめっきを10μm施した後、金めっきを1μm施した。
試験サンプルを上記前処理後、公知の電気めっき法で、光沢ニッケルめっきを10μm施した後、金めっきを1μm施した。
各条件での密着結果を表1にまとめた。
なお、塗装前のめっきは、クロムめっきで統一している。
なお、塗装前のめっきは、クロムめっきで統一している。
以上の評価結果から、
クロメート浸漬の有無では、有りの方が密着性が良いことが確認され、温度にて密着性は向上しなかった。
電解クロメートを使用することにより、更に密着性が向上することが確認された。
電解クロメートの温度を振っての確認では、温度が高いほど密着性が安定することが確認された。
クロメート浸漬の有無では、有りの方が密着性が良いことが確認され、温度にて密着性は向上しなかった。
電解クロメートを使用することにより、更に密着性が向上することが確認された。
電解クロメートの温度を振っての確認では、温度が高いほど密着性が安定することが確認された。
各種試験サンプルの評価結果を表2にまとめた。
以上の評価結果から、
外部表面の色調は、クリアー塗装を使用すれば下地のめっき色をそのまま出すことができることが確認された。
外部表面の耐食性は、クリアー塗装を施すことにより向上することが確認された。また、腐食してはいけない個所のマスキングを廃止できた。
ネジの締結性は、クリアー塗装のみとめっきとクリアー塗装の組み合わせでは全く問題ないことが確認された。
外部表面の色調は、クリアー塗装を使用すれば下地のめっき色をそのまま出すことができることが確認された。
外部表面の耐食性は、クリアー塗装を施すことにより向上することが確認された。また、腐食してはいけない個所のマスキングを廃止できた。
ネジの締結性は、クリアー塗装のみとめっきとクリアー塗装の組み合わせでは全く問題ないことが確認された。
Claims (6)
- 水道用器具の基材本体表面を覆うめっき層と、該めっき層の表面の少なくとも一部に施されたクロメート皮膜と、該クロメート皮膜を覆うクリア塗装層とからなる水道用器具。
- 前記めっき層が多数のめっき層からなる複層めっき層であり、該複層めっき層の最上層がクロムめっき層であることを特徴とする請求項1記載の水道用器具。
- 前記めっき層が多数のめっき層からなる複層めっき層であり、該複層めっき層の最上層が金めっき層であることを特徴とする請求項1記載の水道用器具。
- 水道用器具のめっき層の耐食性向上方法であって、水道用器具の基材本体表面を覆うめっき工程後、クロメート工程を経てクリア塗装を施したことを特徴とする水道用器具のめっき層の耐食性向上方法。
- 前記クロメート工程が陰極電解法を用いた工程であることを特徴とする請求項4記載の水道用器具のめっき層の耐食性向上方法。
- 請求項4または5に記載の水道用器具のめっき層の耐食性向上方法により、水道用器具の基材本体表面を覆うめっき層と、該めっき層の表面の少なくとも一部に施されたクロメート皮膜と、該クロメート皮膜を覆うクリア塗装層とを形成してなることを特徴とする水道用器具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004043264A JP2005232538A (ja) | 2004-02-19 | 2004-02-19 | 水道用器具およびその水道用器具のめっき層の耐食性向上方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004043264A JP2005232538A (ja) | 2004-02-19 | 2004-02-19 | 水道用器具およびその水道用器具のめっき層の耐食性向上方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2005232538A true JP2005232538A (ja) | 2005-09-02 |
Family
ID=35015794
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2004043264A Pending JP2005232538A (ja) | 2004-02-19 | 2004-02-19 | 水道用器具およびその水道用器具のめっき層の耐食性向上方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2005232538A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007136024A1 (ja) * | 2006-05-22 | 2007-11-29 | Toto Ltd. | めっき前処理法及び鉛含有銅合金製水道用器具 |
-
2004
- 2004-02-19 JP JP2004043264A patent/JP2005232538A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2007136024A1 (ja) * | 2006-05-22 | 2007-11-29 | Toto Ltd. | めっき前処理法及び鉛含有銅合金製水道用器具 |
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