JP2005231321A - 水解性シート及びトイレ用処理袋 - Google Patents
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Abstract
【課題】 廃棄時における水解性を維持しつつ、使用時における強度低下を抑制することができる水解性シート及びトイレ用処理袋を提供する。
【解決手段】 水解性シート21は、水溶性フィルム12、耐水層13、保護層14、被覆層22及び吸水材料23を備えている。耐水層13は水溶性フィルム12の表面に積層されている。水溶性フィルム12の裏面には保護層14が積層されている。耐水層13には被覆層22が設けられ、耐水層13と被覆層22との間には吸水材料23が設けられている。トイレ用処理袋は水解性シート21から被覆層22が内側となるように構成されている。
【選択図】 図2
【解決手段】 水解性シート21は、水溶性フィルム12、耐水層13、保護層14、被覆層22及び吸水材料23を備えている。耐水層13は水溶性フィルム12の表面に積層されている。水溶性フィルム12の裏面には保護層14が積層されている。耐水層13には被覆層22が設けられ、耐水層13と被覆層22との間には吸水材料23が設けられている。トイレ用処理袋は水解性シート21から被覆層22が内側となるように構成されている。
【選択図】 図2
Description
本発明は、尿、便等の体外排出物を貯留した後、例えば水洗トイレ等に流して廃棄することが可能な水解性シート及びトイレ用処理袋に関するものである。
従来より、水溶性フィルムの片面に耐水層が積層されたシートが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシートの耐水層側においては、水分を含む体外排出物(尿、便等)がその耐水性によって貯留されるように構成されている。また、このシートは水に浸漬されると、水溶性フィルムが水に徐々に溶解することにより、シートが離解するように構成されている。そして、このシートは、体外排出物とともに水洗トイレ等に流して廃棄することが可能となっている。
特開2003−276122号公報
この種の水解性シートでは、使用時において水溶性フィルムに水分が付着すると、水解性シートの強度が低下する。その強度低下を抑制するためには、フィルムの水溶性を低下させる必要がある。また、体外排出物の貯留時における強度低下を抑制するには、耐水層の耐水性能を高める必要がある。ところが、フィルムの水溶性を低下させたり、耐水層の耐水性能を高めたりすると、水解性シートの水解性を十分に維持することができないという問題があった。
本発明は、上記のような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、廃棄時における水解性を維持しつつ、使用時における強度低下を抑制することができる水解性シート及びトイレ用処理袋を提供することにある。
上記の目的を達成するために請求項1に記載の発明の水解性シートでは、表面に耐水層を有する水溶性フィルムと、保護層とを備え、前記水溶性フィルムの裏面には前記保護層が設けられ、該保護層は水に対して離解性を有していることを要旨とする。
この構成によれば、水溶性フィルムの裏面が保護層によって保護されるため、使用時において、水溶性フィルムの裏面に水分が直接付着することが防止される。また、保護層は水解性を有していることから、廃棄時における水解性シートの水解性が維持される。
請求項2に記載の発明の水解性シートでは、片面に耐水層を有する水溶性フィルムと、被覆層と、吸水材料とを備え、前記耐水層には前記被覆層が設けられるとともに前記耐水層と前記被覆層との間には吸水材料が設けられ、前記被覆層及び前記吸水材料は水に対して離解性を有していることを要旨とする。
この構成によれば、使用時において、体外排出物の水分は吸水材料に速やかに吸収される。その結果、耐水層に接触する水分量は低減されるため、耐水層の耐水性が十分に維持される。また、被覆層及び吸水材料は水解性を有していることから、廃棄時における水解性シートの水解性が維持される。
請求項3に記載の発明のトイレ用処理袋では、表面に耐水層を有する水溶性フィルムと、保護層とを備える水解性シートから構成され、前記水溶性フィルムの裏面には前記保護層が設けられ、該保護層は水に対して離解性を有し、前記保護層が外側となるように構成したことを要旨とする。
この構成によれば、水溶性フィルムの裏面が保護層によって保護されるため、使用時において、水溶性フィルムの裏面に水分が直接付着することが防止される。また、保護層は水解性を有していることから、廃棄時における水解性シートの水解性が維持される。
請求項4に記載の発明のトイレ用処理袋では、片面に耐水層を有する水溶性フィルムと、被覆層と、吸水材料とを備える水解性シートから構成され、前記耐水層には前記被覆層が設けられるとともに前記耐水層と前記被覆層との間には吸水材料が設けられ、前記被覆層及び前記吸水材料は水に対して離解性を有し、前記被覆層が内側となるように構成したことを要旨とする。
この構成によれば、使用時において、体外排出物の水分は吸水材料に速やかに吸収される。その結果、耐水層に接触する水分量は低減されるため、耐水層の耐水性が十分に維持される。また、被覆層及び吸水材料は水解性を有していることから、廃棄時における水解性シートの水解性が維持される。
本発明によれば、廃棄時における水解性を維持しつつ、使用時における強度低下を抑制することができる。
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、水解性シート11は水溶性フィルム12、耐水層13及び保護層14を備えている。耐水層13は水溶性フィルム12の表面に積層され、その水溶性フィルム12の表面(水解性シート11の表面)には耐水性が付与されている。水溶性フィルム12の裏面(水解性シート11の裏面)には保護層14が積層され、水溶性フィルム12の裏面が水分から保護されるようになっている。この水解性シート11は、水洗トイレ等に流して廃棄することが可能となっている。
以下、本発明の第1実施形態について図面に基づき詳細に説明する。
図1に示すように、水解性シート11は水溶性フィルム12、耐水層13及び保護層14を備えている。耐水層13は水溶性フィルム12の表面に積層され、その水溶性フィルム12の表面(水解性シート11の表面)には耐水性が付与されている。水溶性フィルム12の裏面(水解性シート11の裏面)には保護層14が積層され、水溶性フィルム12の裏面が水分から保護されるようになっている。この水解性シート11は、水洗トイレ等に流して廃棄することが可能となっている。
図4及び図5に示すように、トイレ用処理袋15は水解性シート11から四角袋状に形成されたものである。このトイレ用処理袋15は、耐水層13が内側となるように構成され、トイレ用処理袋15の内面には耐水性が付与されている。そして、トイレ用処理袋15の内部には水分を含む体外排出物(尿、便、血液等)が貯留できるように構成されている。また、トイレ用処理袋15は保護層14が外側となるように構成され、この保護層14によってトイレ用処理袋15の外面が水分から保護されるようになっている。
このトイレ用処理袋15は、有底三角筒状の携帯用トイレ16に装着されて使用することが可能である。携帯用トイレ16は、有底三角筒状のトイレ本体17と円板状の便座部18とを備え、便座部18は本体部の上部開口を塞ぐように設けられている。また、便座部18の中央には、三角形状の開口部18aが開口形成され、この開口部18aからトイレ用処理袋15が挿入されるようになっている。
一方、トイレ用処理袋15の上端両側には切り欠き部15aが形成され、トイレ用処理袋15の上部はその内面が展開するように折り曲げることが可能になっている。この折り曲げによって、トイレ用処理袋15の上部には一対の折曲部15bが両側方に延びるように形成される。このトイレ用処理袋15は、折曲部15bを開口部18aの外周縁に引っ掛けるようにして折曲部15bを便座部18の上面に敷設して、携帯用トイレ16に装着される。
図1に示す水溶性フィルム12は、水解性シート11の基材であって、使用時における水解性シート11の強度を維持するために備えられる。この水溶性フィルム12は、水溶性を有する材料から周知の成膜法によって成形されたフィルムであって、合成系フィルム及び天然系フィルムに分類される。合成系フィルムとしては、ポリビニルアルコール(PVA)系フィルム、ポリエチレンオキサイド(PEO)系フィルム、ポリビニルピロリドン(PVP)系フィルム、カルボキシメチルセルロース(CMC)系フィルム等が挙げられる。天然系フィルムとしては、プルランフィルム、オブラート、ゼラチンフィルム、キチン・キトサン系フィルム、カゼインフィルム、アルギン酸ナトリウムフィルム等が挙げられる。水溶性フィルム12には、必要に応じて界面活性剤、可塑剤、安定剤、着色剤等の各種添加剤を含有させることも可能である。
水溶性フィルム12の厚さは、好ましくは10〜150μm、より好ましくは25〜120μmである。この厚さが10μm未満であると、強度が十分に得られないおそれがある。一方、150μmを超えると、溶解性が低下し易くなり、水解性シート11の水解性を十分に維持することができないおそれがある。
これらの水溶性フィルム12の中でも、ケン化度や重合度によって水溶性を容易に制御することができることから、PVA系フィルムが好ましい。このPVA系フィルムには、PVAフィルム及びPVA誘導体フィルムが含まれる。PVA誘導体フィルムは、酢酸ビニルと酢酸ビニル以外の単量体との共重合体をケン化したケン化物等が挙げられる。酢酸ビニル以外の単量体としては、アクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸等が挙げられる。
また、PVA系フィルムは温水可溶タイプと冷水可溶タイプとに大別される。PVA系フィルムの水溶性における温度依存は、その原料であるPVA系樹脂のケン化度や重合度によって制御される。通常、冷水が使用される水洗トイレ等において、水溶性を十分に発揮することができるため、冷水可溶タイプのPVA系フィルムを適用することが好ましい。PVA系樹脂の平均ケン化度(JIS K 6726に準拠)は、好ましくは65〜99モル%、より好ましくは75〜95モル%、さらに好ましくは80〜90モル%である。この平均ケン化度が65モル%未満であると、水溶性が十分に付与されないおそれがある。一方、99モル%を超えると、冷水に溶けにくくなるおそれがある。また、PVA系樹脂の重合度は、PVA系樹脂水溶液(20℃、4重量%)の粘度(JIS K 6726に準拠)で示され、好ましくは5〜40ミリパスカル・秒、より好ましくは10〜35ミリパスカル・秒である。この粘度が5ミリパスカル・秒未満であると、PVA系フィルムの強度が十分に得られないおそれがある。一方、40ミリパスカル・秒を超えると、水溶性が十分に付与されないおそれがある。
耐水層13は耐水性を有する樹脂等から構成され、耐水性を有する樹脂としては各種合成樹脂、生分解性樹脂等が挙げられる。合成樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアクリル酸、ポリ塩化ビニル等が挙げられ、生分解性樹脂としてはポリ乳酸等が挙げられる。耐水層13には、必要に応じて界面活性剤、可塑剤、安定剤、着色剤等の各種添加剤を含有させることも可能である。耐水層13を構成する樹脂の中でも、微生物等により分解可能であって環境に優しいことから生分解性樹脂であることが好ましい。
この耐水層13の厚さは、好ましくは0.1〜80μm、より好ましくは0.5〜50μm、さらに好ましくは1〜25μmである。この厚さが0.1μm未満であると、水解性シート11に耐水性が十分に付与されないおそれがある。一方、80μmを超えると、水解性シート11の水解性を十分に維持することができないおそれがある。
この耐水層13は、コーティング法や印刷法によって、耐水性を有する樹脂を含有する塗料溶液や分散液等を水溶性フィルム12の表面に塗布することにより積層形成される。
保護層14は水に対して離解性を有する層であって、具体的には水解紙、水解性不織布等の水解性材料から構成される。水解性不織布としては、スパンレース、エアレイド等の各種製法によって得られる水解性不織布が挙げられる。水解性材料を構成する繊維としては、セルロース繊維、熱可塑性繊維等が挙げられる。セルロース繊維としてはパルプ、レーヨン等が挙げられ、熱可塑性繊維としてはポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維等が挙げられる。水解性材料の坪量(目付)は、好ましくは5〜100g/m2、より好ましくは10〜80g/m2、さらに好ましくは15〜50g/m2である。この坪量が5g/m2未満であると、水溶性フィルム12の裏面(トイレ用処理袋15の外面)における保護機能が十分に発揮されないおそれがある。一方、100g/m2を超えると、水解性シート11が嵩高となり、水解性シート11の製袋加工が困難となるおそれがある。
保護層14は水に対して離解性を有する層であって、具体的には水解紙、水解性不織布等の水解性材料から構成される。水解性不織布としては、スパンレース、エアレイド等の各種製法によって得られる水解性不織布が挙げられる。水解性材料を構成する繊維としては、セルロース繊維、熱可塑性繊維等が挙げられる。セルロース繊維としてはパルプ、レーヨン等が挙げられ、熱可塑性繊維としてはポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリビニルアルコール繊維等が挙げられる。水解性材料の坪量(目付)は、好ましくは5〜100g/m2、より好ましくは10〜80g/m2、さらに好ましくは15〜50g/m2である。この坪量が5g/m2未満であると、水溶性フィルム12の裏面(トイレ用処理袋15の外面)における保護機能が十分に発揮されないおそれがある。一方、100g/m2を超えると、水解性シート11が嵩高となり、水解性シート11の製袋加工が困難となるおそれがある。
水解性材料の水解性は、JIS P 4501に規定される「ほぐれやすさ」によって表される。水解性材料の「ほぐれやすさ」の上限は、好ましくは100秒以下である。この上限が100秒を超えると、排水管、浄化槽等の機能を阻害するおそれがある。また、水解性材料の「ほぐれやすさ」の下限は、好ましくは5秒以上、より好ましくは15秒以上、さらに好ましくは20秒以上である。この下限が5秒未満であると、水溶性フィルム12の裏面(トイレ用処理袋15の外面)における保護機能が十分に発揮されないおそれがある。水解性材料の「ほぐれやすさ」が5秒以上100秒以下であると、保護層14の保護性能を十分に発揮することができるとともに水解性シート11(トイレ用処理袋15)の水解性を十分に維持することができる。
保護層14は、水解性材料を水溶性フィルム12の裏面に接合することにより水溶性フィルム12に積層することができる。水溶性フィルム12がPVA系フィルム等の熱可塑性を有する水溶性フィルム12である場合や水解性材料が熱可塑性繊維から構成される場合、水解性材料を水溶性フィルム12に熱融着させることによって、保護層14を水溶性フィルム12に積層形成することが可能である。また、保護層14は水解性材料を接着剤によって水溶性フィルム12に接着させることにより積層形成することも可能である。
さて、水解性シート11からトイレ用処理袋15を製袋するには、耐水層13が内側となるように水解性シート11を折り曲げ加工する。次に、水解性シート11の折り曲げ部分がトイレ用処理袋15の底部分となるようにして、水解性シート11の両側部分を接合することにより、トイレ用処理袋15が製袋される。水解性シート11の接合は、熱融着、接着剤を用いた接着等によって行うことができる。
トイレ用処理袋15を使用するには、その上部を内面が展開するように折り曲げることにより、折曲部15bを形成する。続いて、開口部18aからトイレ用処理袋15を挿入するとともに折曲部15bを開口部18aの外周縁に引っ掛ける。そして、折曲部15bを便座部18に敷設することにより、トイレ用処理袋15を携帯用トイレ16に装着する。このとき、トイレ用処理袋15は水解性シート11から構成され、水解性シート11は水溶性フィルム12の裏面に保護層14が設けられたものである。すなわち、トイレ用処理袋15の外側は保護層14によって保護されている。そのため、トイレ用処理袋15を把持して携帯用トイレ16に装着する際、水溶性フィルム12に直接手が触れないようになっている。従って、手の汗や水滴が水溶性フィルム12に直接付着することを防止することができる。
次に、使用済みのトイレ用処理袋15を廃棄するには、折曲部15bを把持してトイレ用処理袋15を携帯用トイレ16から取り外す。このとき、トイレ用処理袋15は耐水層13が内側となるように構成され、トイレ用処理袋15の内面には耐水性が付与されている。そのため、水分を含む体外排出物を貯留することができる。続いて、体外排出物が貯留されているトイレ用処理袋15は、水洗トイレ等を利用して多量の水とともに排水管へ流される。このとき、保護層14は水解性を有しているため、トイレ用処理袋15の水解性は維持されている。
第1実施形態によって発揮される効果について、以下に記載する。
(1) この実施形態の水解性シート11では、水溶性フィルム12は表面に耐水層13を有している。また、水溶性フィルム12の裏面には保護層14が積層されている。一方、トイレ用処理袋15は、耐水層13が内側となるように構成されている。このように構成した場合、使用時において、水溶性フィルム12の裏面に水分が直接付着することを防止することができる。従って、その水分を要因とする水溶性フィルム12の強度低下が抑制されるため、水解性シート11の強度低下を抑制することができる。特に、水解性を向上させるために、溶解性の高い水溶性フィルム12を適用した場合、その強度低下は保護層14によって抑制されるため、水解性シート11及びトイレ用処理袋15の機能を十分に発揮させることができる。また、保護層14は水解性を有していることから、水解性シート11及びトイレ用処理袋15の水解性は十分に維持されている。
(1) この実施形態の水解性シート11では、水溶性フィルム12は表面に耐水層13を有している。また、水溶性フィルム12の裏面には保護層14が積層されている。一方、トイレ用処理袋15は、耐水層13が内側となるように構成されている。このように構成した場合、使用時において、水溶性フィルム12の裏面に水分が直接付着することを防止することができる。従って、その水分を要因とする水溶性フィルム12の強度低下が抑制されるため、水解性シート11の強度低下を抑制することができる。特に、水解性を向上させるために、溶解性の高い水溶性フィルム12を適用した場合、その強度低下は保護層14によって抑制されるため、水解性シート11及びトイレ用処理袋15の機能を十分に発揮させることができる。また、保護層14は水解性を有していることから、水解性シート11及びトイレ用処理袋15の水解性は十分に維持されている。
また、水溶性フィルム12には保護層14が積層されているため、水溶性フィルム12を直接手で触れることなく、水解性シート11及びトイレ用処理袋15を扱うことが可能である。そのため、手の汗や水滴等によって水溶性フィルム12が部分的に溶解することが抑制され、水解性シート11及びトイレ用処理袋15が手に密着しにくい。従って、水解性シート11及びトイレ用処理袋15を円滑に取り扱うことができる。例えば、トイレ用処理袋15を携帯用トイレ16に円滑に装着することができる。特に、水解性を向上させるために、溶解性の高い水溶性フィルム12を適用した場合に保護層14は有効である。
(2) この実施形態のトイレ用処理袋15では、上端両側に切り欠き部15aが形成されている。このように構成した場合、トイレ用処理袋15の上部を折り曲げることにより、折曲部15bを形成することができる。そして、折曲部15bを開口部18aに引っ掛けることができるため、トイレ用処理袋15を携帯用トイレ16に容易に装着することができる。
なお、第1実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記水解性シート11の裏面、すなわち保護層14の表面にシリコーン系撥水剤、フッ素系撥水剤等の撥水剤を塗布してもよい。なお、撥水剤は保護層14の水解性を阻害しない程度の塗布量とする。この場合、保護層14の水分に対する保護機能を一層発揮させることができる。
・ 前記水解性シート11の裏面、すなわち保護層14の表面にシリコーン系撥水剤、フッ素系撥水剤等の撥水剤を塗布してもよい。なお、撥水剤は保護層14の水解性を阻害しない程度の塗布量とする。この場合、保護層14の水分に対する保護機能を一層発揮させることができる。
・ 前記トイレ用処理袋15を携帯用トイレ16に装着せずに、手で把持して使用してもよい。この場合、トイレ用処理袋15には切り欠き部15aを設けなくてもよい。
・ 前記水解性シート11をトイレ用処理袋15に製袋せずに、水解性シート11の耐水層13側に体外排出物を包み込んで使用してもよい。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
・ 前記水解性シート11をトイレ用処理袋15に製袋せずに、水解性シート11の耐水層13側に体外排出物を包み込んで使用してもよい。
(第2実施形態)
以下、本発明の第2実施形態について上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
図2に示すように、本実施形態の水解性シート21は水溶性フィルム12、耐水層13及び保護層14に加えて、被覆層22及び吸水材料23を備えている。耐水層13は水溶性フィルム12の片面としての表面に積層されている。また、この耐水層13には被覆層22が設けられ、吸水材料23は耐水層13と被覆層22との間に設けられている。本実施形態のトイレ用処理袋24は、被覆層22が内側、保護層14が外側となるように構成される。水溶性フィルム12、耐水層13及び保護層14は上記第1実施形態と同じものが適用される。
被覆層22は、吸水材料23を耐水層13の表面に保持するために積層される。この被覆層22は、水解性を有する層であって、その具体例としては上記第1実施形態における保護層14に使用される水解性材料が挙げられる。
吸水材料23は、体外排出物の水分を吸収するために設けられる。この吸水材料23は、水解性を有する材料であって、綿、パルプ、合成繊維(ポリアクリル酸系繊維等)、各種吸水性ポリマー等が挙げられる。綿やパルプを適用する際には、水解性を十分に発揮させることができることから、粉砕品であることが好ましい。また、吸水材料23として粉砕パルプと吸水性ポリマーとを組み合わせることにより、初期吸収性能と保液性能とを十分に発揮させることができる。
水解性シート21における吸水材料23の量は、好ましくは1〜300g/m2、より好ましくは10〜250g/m2、さらに好ましくは50〜200g/m2である。吸水材料23の量が300g/m2を超えると、水解性が十分に得られないおそれがある。一方、1g/m2未満であると、吸水性や保水性が十分に得られないおそれがある。
耐水層13と被覆層22との間に吸水材料23を設けるには、耐水層13に吸水材料23として例えば粉砕パルプを載置するとともに吸水性ポリマーを散布する。次に、その吸水材料23に水解性材料を敷設した後、熱融着や接着剤による接着によって、水解性材料と耐水層13とを接合して、被覆層22を積層形成する。トイレ用処理袋24は、水解性シート21から上記第1実施形態と同様にして製造することが可能である。図4及び図5に点線で示すように、このトイレ用処理袋24は底部から開口部分にわたって吸水材料23が設けられている。
さて、このトイレ用処理袋24を使用するには、上記第1実施形態と同様にして携帯用トイレ16に装着する。このとき、吸水材料23は耐水層13と被覆層22との間に設けられている。従って、吸水材料23が脱落することなく、トイレ用処理袋24を携帯用トイレ16に装着することができる。次に、使用者は便座部18に腰をかける。このとき、折曲部15bにおける耐水層13と被覆層22の間には吸水材料23が介装されている。吸水材料23としてパルプ、綿等のクッション性を有する材料を使用した場合、折曲部15bにおける吸水材料23は、便座部18に腰をかける際におけるクッション機能を果たすことができる。
次に、トイレ用処理袋24の内部には体外排出物が排出される。このとき、トイレ用処理袋24には吸水材料23が設けられている。従って、体外排出物の水分は吸水材料23に速やかに吸収される。その結果、耐水層13に接触する水分量は低減されるため、耐水層13の耐水性は十分に維持される。
第2実施形態では、第1実施形態の(1)及び(2)に記載の効果に加え、以下の効果が発揮される。
・ この実施形態の水解性シート21では、耐水層13と被覆層22との間には吸水材料23が設けられている。一方、トイレ用処理袋24は被覆層22が内側となるように構成されている。この水解性シート21及びトイレ用処理袋24の場合、体外排出物の水分は吸水材料23に吸収される。従って、耐水層13の耐水性が十分に維持されるため、水溶性フィルム12に体外排出物の水分が接触しにくい。よって、水溶性フィルム12の強度低下が抑制されるため、使用時における水解性シート21及びトイレ用処理袋24の強度低下を抑制することができる。また、体外排出物の水分は吸水材料23に速やかに吸収されるため、体外排出物が周囲に飛散することを抑制することができる。さらに、被覆層22及び吸水材料23は水解性を有しているため、水解性シート21及びトイレ用処理袋24の水解性は十分に維持されている。
・ この実施形態の水解性シート21では、耐水層13と被覆層22との間には吸水材料23が設けられている。一方、トイレ用処理袋24は被覆層22が内側となるように構成されている。この水解性シート21及びトイレ用処理袋24の場合、体外排出物の水分は吸水材料23に吸収される。従って、耐水層13の耐水性が十分に維持されるため、水溶性フィルム12に体外排出物の水分が接触しにくい。よって、水溶性フィルム12の強度低下が抑制されるため、使用時における水解性シート21及びトイレ用処理袋24の強度低下を抑制することができる。また、体外排出物の水分は吸水材料23に速やかに吸収されるため、体外排出物が周囲に飛散することを抑制することができる。さらに、被覆層22及び吸水材料23は水解性を有しているため、水解性シート21及びトイレ用処理袋24の水解性は十分に維持されている。
なお、第2実施形態を次のように変更して構成することもできる。
・ 前記水解性シート21における保護層14を設けずに、図3に示す水解性シート31としてもよい。
・ 前記水解性シート21における保護層14を設けずに、図3に示す水解性シート31としてもよい。
・ 前記トイレ用処理袋24は底部から開口部分にわたって吸水材料23が設けられているが、例えば底部や側部のみに吸水材料23を設けてもよい。
11,21,31…水解性シート、12…水溶性フィルム、13…耐水層、14…保護層、15,24…トイレ用処理袋、22…被覆層、23…吸水材料。
Claims (4)
- 表面に耐水層を有する水溶性フィルムと、保護層とを備え、前記水溶性フィルムの裏面には前記保護層が設けられ、該保護層は水に対して離解性を有している水解性シート。
- 片面に耐水層を有する水溶性フィルムと、被覆層と、吸水材料とを備え、前記耐水層には前記被覆層が設けられるとともに前記耐水層と前記被覆層との間には吸水材料が設けられ、前記被覆層及び前記吸水材料は水に対して離解性を有している水解性シート。
- 表面に耐水層を有する水溶性フィルムと、保護層とを備える水解性シートから構成され、前記水溶性フィルムの裏面には前記保護層が設けられ、該保護層は水に対して離解性を有し、前記保護層が外側となるように構成したトイレ用処理袋。
- 片面に耐水層を有する水溶性フィルムと、被覆層と、吸水材料とを備える水解性シートから構成され、前記耐水層には前記被覆層が設けられるとともに前記耐水層と前記被覆層との間には吸水材料が設けられ、前記被覆層及び前記吸水材料は水に対して離解性を有し、前記被覆層が内側となるように構成したトイレ用処理袋。
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JP2004046786A JP2005231321A (ja) | 2004-02-23 | 2004-02-23 | 水解性シート及びトイレ用処理袋 |
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JP2004046786A JP2005231321A (ja) | 2004-02-23 | 2004-02-23 | 水解性シート及びトイレ用処理袋 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009066371A (ja) * | 2007-09-12 | 2009-04-02 | Misao Hatanaka | 非常トイレ用し尿採集袋 |
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- 2004-02-23 JP JP2004046786A patent/JP2005231321A/ja active Pending
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