JP2005229894A - 核酸固相合成用担体及びそれを用いた核酸合成法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、核酸固相合成用担体及びそれを用いた核酸合成法に関する。特に、本発明は、核酸に化学修飾を施すことが可能である修飾化又は未修飾核酸の合成法及びこれらの核酸の固相合成用担体に関する。
ポストゲノム研究が世界的規模で遂行されている現在、遺伝子解析研究及び遺伝子治療研究に必須の合成核酸(DNA又はRNAなど)の需要が拡大化している。即ち、未修飾の天然型核酸やリポーター残基や活性残基を結合させた修飾核酸が生命科学研究に盛んに利用されている。一方、材料化学の分野でも合成核酸に対する注目が集まっている。即ち、DNAが有する構造を利用して新規な機能性材料を開発しようとする研究が近年行われつつある。例えば、天然型DNAは、積層した核酸塩基対を有することから、芳香環のπ電子の相互作用を介して電気伝導性を示すと考えられており、DNAを電気伝導性ナノワイヤとして利用する試みに注目が集まっている。しかしながら、天然型DNAは、実用化に耐える程良好な電気伝導性及び安定性を有していない。したがって、核酸(DNA又はRNA)を修飾することにより、良好な機能性素材を開発する戦略に注目が集まっている。
一方、従来の固相合成反応において合成核酸の脱保護を行うと、固相担体からの切り出し反応が同時に進行するため、未精製の反応生成物として、保護基由来の多量の不純物と核酸との混合物を得、この混合物から所望である核酸だけを分離・精製する操作を強いられるという問題を有していた。また、従来の固相合成反応において固相担体に結合した合成核酸に修飾反応を施そうとすると、固相担体から核酸が切り出される反応となる、という問題を有していた。
したがって、これらの問題を解決した核酸の合成手法が求められている。具体的には、多様な核酸及び修飾核酸を迅速に供給することができる、及び/又は高度に修飾された核酸を調製するための、より優れた手法が求められている。天然型核酸の合成においては、脱保護と精製の手順を迅速且つ効率的に遂行する手法が求められている。また、修飾核酸の合成においては、従来の手順を短縮し且つ脱保護と精製を迅速且つ効率的に遂行する手法が求められている。
したがって、これらの問題を解決した核酸の合成手法が求められている。具体的には、多様な核酸及び修飾核酸を迅速に供給することができる、及び/又は高度に修飾された核酸を調製するための、より優れた手法が求められている。天然型核酸の合成においては、脱保護と精製の手順を迅速且つ効率的に遂行する手法が求められている。また、修飾核酸の合成においては、従来の手順を短縮し且つ脱保護と精製を迅速且つ効率的に遂行する手法が求められている。
さらに、天然型DNAは一般に、水系溶媒には溶解するものの、有機溶媒に溶解しないため、修飾化工程に用いる溶媒が制限され、ひいては所望の修飾化DNAが得られないという問題も有していた。
そこで、本発明の目的は、上記の課題を解決することにある。
具体的には、本発明の目的は、修飾化又は未修飾の核酸の固相合成用担体を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記の目的に加えて、又は上記目的の他に、修飾化又は未修飾の核酸の固相合成方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、上記の目的に加えて、又は上記目的の他に、有機溶媒可溶性の修飾化核酸を提供することにある。
具体的には、本発明の目的は、修飾化又は未修飾の核酸の固相合成用担体を提供することにある。
また、本発明の目的は、上記の目的に加えて、又は上記目的の他に、修飾化又は未修飾の核酸の固相合成方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、上記の目的に加えて、又は上記目的の他に、有機溶媒可溶性の修飾化核酸を提供することにある。
本発明者は、光反応により、所望の修飾化又は未修飾核酸を固相担体から切り離すリンカーを用いる手法を見出した。このリンカーは、核酸の各種の脱保護反応あるいは修飾反応においても、核酸を切り離すことなく、核酸を安定的に固相担体と結合することができる。また、このリンカーは、光反応により、不所望な脱保護基を生じることも核酸への混入もなく、所望の修飾化又は未修飾の核酸を安定して提供することができる。
具体的には、本発明者は、以下の発明を見出した。
<1> 一般式X(式中、Zは保護基を示し、Oは酸素を示し、−A〜−Dのうちの1つは−(樹脂)又は−L−(樹脂)(Lは二価の結合基)を示し、それ以外は水素又は置換基を示す)で表される核酸固相合成用担体。
<1> 一般式X(式中、Zは保護基を示し、Oは酸素を示し、−A〜−Dのうちの1つは−(樹脂)又は−L−(樹脂)(Lは二価の結合基)を示し、それ以外は水素又は置換基を示す)で表される核酸固相合成用担体。
<2> 上記<1>において、樹脂がポリスチレン類、及びガラス樹脂類からなる群から選ばれるのがよい。
<3> 上記<1>又は<2>において、Zが、ジメトキシトリチル基、アシル基、及びシリル基からなる群から選ばれるのがよい。
<4> 上記<1>〜<3>において、一般式Xで表されるポリヌクレオチド固相合成用担体が式X−1(式中、DMTrはジメトキシトリチル基を示し、PSはポリスチレンを示す)又は式X−2(式中、DMTrはジメトキシトリチル基を示し、CPGはコントロールド・ポア・ガラス(controlled pore glass)を示す)で表されるのがよい。
<3> 上記<1>又は<2>において、Zが、ジメトキシトリチル基、アシル基、及びシリル基からなる群から選ばれるのがよい。
<4> 上記<1>〜<3>において、一般式Xで表されるポリヌクレオチド固相合成用担体が式X−1(式中、DMTrはジメトキシトリチル基を示し、PSはポリスチレンを示す)又は式X−2(式中、DMTrはジメトキシトリチル基を示し、CPGはコントロールド・ポア・ガラス(controlled pore glass)を示す)で表されるのがよい。
<5> 上記一般式X(式中、Zは保護基を示し、Oは酸素を示し、−A〜−Dのうちの1つは−(樹脂)又は−L−(樹脂)(Lは二価の結合基)を示し、それ以外は水素又は置換基を示す)で表されるポリヌクレオチド固相合成用担体を用いるポリヌクレオチド合成法。
<6> 上記<5>において、ヌクレオチドを核酸固相合成担体と結合する工程、順次ヌクレオチドを結合させてポリヌクレオチドが担体に結合した結合体を得る工程、及び結合体に光を照射しポリヌクレオチド及び一般式Yで表される化合物を得るのがよい。なお、ヌクレオチドを核酸固相合成担体と結合する工程は、ホスホアミダイト法、H−ホスホネート法、トリエステル法などの手法を用いるのがよい。
<6> 上記<5>において、ヌクレオチドを核酸固相合成担体と結合する工程、順次ヌクレオチドを結合させてポリヌクレオチドが担体に結合した結合体を得る工程、及び結合体に光を照射しポリヌクレオチド及び一般式Yで表される化合物を得るのがよい。なお、ヌクレオチドを核酸固相合成担体と結合する工程は、ホスホアミダイト法、H−ホスホネート法、トリエステル法などの手法を用いるのがよい。
<7> 上記一般式X(式中、Zは保護基を示し、Oは酸素を示し、−A〜−Dのうちの1つは−(樹脂)又は−L−(樹脂)(Lは二価の結合基)を示し、それ以外は水素又は置換基を示す)で表されるポリヌクレオチド固相合成用担体を用いる修飾化ポリヌクレオチド合成法。
<8> 上記<7>において、(a)ヌクレオチドを核酸固相合成担体と結合する工程、(b)順次ヌクレオチドを結合させてポリヌクレオチドが担体に結合した結合体を得る工程、及び(c)該結合体に光を照射しポリヌクレオチド及び一般式Yで表される化合物を得る合成法であって、(a)工程後であって且つ(b)工程前にヌクレオチドの塩基部位及び/又はリン酸部位を修飾する工程、及び/又は(b)工程後であって且つ(c)工程前にポリヌクレオチドの塩基部位及び/又はリン酸部位を修飾する工程を有するのがよい。なお、ヌクレオチドを核酸固相合成担体と結合する工程は、ホスホアミダイト法、H−ホスホネート法、トリエステル法などの手法を用いるのがよい。
<9> 上記<5>〜<8>のいずれかにおいて、樹脂がポリスチレン類、及びガラス樹脂類からなる群から選ばれるのがよい。
<10> 上記<5>〜<9>のいずれかにおいて、Zが、ジメトキシトリチル基、アシル基、及びシリル基からなる群から選ばれるのがよい。
<11> 上記<5>〜<10>のいずれかにおいて、上記一般式Xで表されるポリヌクレオチド固相合成用担体が上記式X−1(式中、DMTrはジメトキシトリチル基を示し、PSはポリスチレンを示す)又は上記式X−2(式中、DMTrはジメトキシトリチル基を示し、CPGはコントロールド・ポア・ガラス(controlled pore glass)を示す)で表されるのがよい。
<12> 上記<5>〜<11>のいずれかにおいて、合成法によって得られるポリヌクレオチドが有機溶媒可溶性であるのがよい。
<13> 有機溶媒可溶性である修飾化ポリヌクレオチド。
<10> 上記<5>〜<9>のいずれかにおいて、Zが、ジメトキシトリチル基、アシル基、及びシリル基からなる群から選ばれるのがよい。
<11> 上記<5>〜<10>のいずれかにおいて、上記一般式Xで表されるポリヌクレオチド固相合成用担体が上記式X−1(式中、DMTrはジメトキシトリチル基を示し、PSはポリスチレンを示す)又は上記式X−2(式中、DMTrはジメトキシトリチル基を示し、CPGはコントロールド・ポア・ガラス(controlled pore glass)を示す)で表されるのがよい。
<12> 上記<5>〜<11>のいずれかにおいて、合成法によって得られるポリヌクレオチドが有機溶媒可溶性であるのがよい。
<13> 有機溶媒可溶性である修飾化ポリヌクレオチド。
本発明により、修飾化又は未修飾の核酸の固相合成用担体を提供することができる。
また、本発明により、上記の効果に加えて、又は上記効果の他に、修飾化又は未修飾の核酸の固相合成方法を提供することができる。
また、本発明により、上記の効果に加えて、又は上記効果の他に、修飾化又は未修飾の核酸の固相合成方法を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、核酸固相合成用担体、及び該担体を用いた修飾化又は未修飾核酸の合成法を提供する。次に、核酸固相合成用担体、さらに合成法について、説明する。
本発明の核酸固相合成用担体は、一般式X(式中、Zは保護基を示し、Oは酸素を示し、−A〜−Dのうちの1つは−(樹脂)又は−L−(樹脂)(Lは二価の結合基)を示し、それ以外は水素又は置換基を示す)で表すことができる。
本発明は、核酸固相合成用担体、及び該担体を用いた修飾化又は未修飾核酸の合成法を提供する。次に、核酸固相合成用担体、さらに合成法について、説明する。
本発明の核酸固相合成用担体は、一般式X(式中、Zは保護基を示し、Oは酸素を示し、−A〜−Dのうちの1つは−(樹脂)又は−L−(樹脂)(Lは二価の結合基)を示し、それ以外は水素又は置換基を示す)で表すことができる。
本発明の核酸固相合成用担体は、次のメカニズムを用いたものである。即ち、[化12]に示すように、ベンジル位に脱離基(L)を結合したo−ニトロベンジルに可視光を照射するとベンジル炭素が酸化されるとともに脱離基(L)がL−Hの状態で切り離される。脱離基(L)の部分を核酸とし、o−ニトロベンジル基を何らかの方法で担体に結合するなら、光反応で担体から核酸を切り離す手法が可能となる。核酸を担体から切り離す手法が光反応であるため、該反応に試薬を用いる必要がないため、混入物がないか又は混入物を抑えた、所望の核酸を得ることができる。
即ち、本発明の核酸固相合成用担体は、固相担体に結合した核酸を、光反応により切り離す手法を用いる。該担体を一般式にすると、上記一般式Xのように表すことができる。
一般式Xにおいて、−A〜−Dのうちの1つは−(樹脂)又は−L−(樹脂)(Lは二価の結合基)を示し、それ以外の基は水素又は置換基を示す。
即ち、o−ニトロベンジル基は、化学的に安定した結合基であれば、特に制限されるものではない結合基(L)を介して、例えばポリスチレン類;及びコントロールド・ポア・ガラス(controlled pore glass)などのガラス樹脂類などの樹脂と結合するのがよい。
即ち、o−ニトロベンジル基は、化学的に安定した結合基であれば、特に制限されるものではない結合基(L)を介して、例えばポリスチレン類;及びコントロールド・ポア・ガラス(controlled pore glass)などのガラス樹脂類などの樹脂と結合するのがよい。
なお、結合基(L)は、後述する核酸の修飾工程において、化学的安定性を有する、即ち結合が切り離されない基であるのがよい。結合基(L)には、種々の基を含んでもよい。例えば、後述の樹脂と、o−ニトロベンジル基とを化学結合するためのエーテル結合、アミド結合などの結合を有してもよい。
また、樹脂も、後述する核酸の修飾工程において、化学的安定性を有する、即ち容易に分解などが生じない樹脂であるのがよい。例えばポリスチレン類;及びコントロールド・ポア・ガラス(controlled pore glass)などのガラス樹脂類などの樹脂を挙げることができる。
さらに、水素又は置換基を示す基は、後述する核酸の修飾工程において、化学的安定性を有する、即ち容易に分解などが生じないか又は結合が容易に切り離されない基であるのがよい。
また、樹脂も、後述する核酸の修飾工程において、化学的安定性を有する、即ち容易に分解などが生じない樹脂であるのがよい。例えばポリスチレン類;及びコントロールド・ポア・ガラス(controlled pore glass)などのガラス樹脂類などの樹脂を挙げることができる。
さらに、水素又は置換基を示す基は、後述する核酸の修飾工程において、化学的安定性を有する、即ち容易に分解などが生じないか又は結合が容易に切り離されない基であるのがよい。
本発明の核酸固相合成担体を用いることにより、次の[化13]及び[化14]に示すように、天然型核酸の合成において、又は修飾型核酸の合成において、利点を有する。
上記[化13]を見ればわかるように、本発明の手法は、従来の手法と比較して、工程数が少なくて済むことがわかる。なお、本発明の手法において省略できる工程は、従来の手法におけるb)精製工程又はc)脱保護又は抽出工程である。これらの工程は、時間がかかり、且つ収率の低下を招く可能性があるため、これら工程を省略できる本発明の手法は、有利である。
また、上記[化14]を見ればわかるように、修飾核酸の合成においても、本発明の手法は、従来の手法と比較して、工程数が少なくて済み、本発明が有利であることがわかる。また、本発明の手法のb”)修飾又は洗浄工程において、修飾核酸は、固相担体に結合している状態である。したがって、従来であれば核酸との分離が困難な溶媒又は試薬を用いることができる。また、b”)修飾又は洗浄工程において各種の有機溶媒を用いることができる。これにより、洗浄を容易に行うことができ、この洗浄の容易さにより、大過剰の試薬を用いなくても済むという副次的な効果を奏することができる。
本発明は、一部上述したが、上述の核酸固相合成用担体を用いた未修飾又は修飾化核酸の合成法も提供する。以下、合成法に関して説明する。
本発明の未修飾又は修飾化核酸の合成法は、上述の担体を用いる固相合成法である。上述の担体を用いること、核酸が固相担体に結合している状態で核酸を修飾できること、得られた核酸の切り出し反応に光反応を用いること以外、従来の固相合成法であるホスホアミダイト法の各工程を利用することができる。
即ち、上述の固相担体に第1のヌクレオチドを結合する工程、及び第2〜第nのヌクレオチドを順次結合する工程は、従来の手法、例えばホスホアミダイト法、H−ホスホネート法、トリエステル法などの手法を利用することができる。したがって、担体のみを本発明の固相担体に代えることにより、市販の自動合成機を用いて、本発明の核酸合成法を行うことができる。
本発明の未修飾又は修飾化核酸の合成法は、上述の担体を用いる固相合成法である。上述の担体を用いること、核酸が固相担体に結合している状態で核酸を修飾できること、得られた核酸の切り出し反応に光反応を用いること以外、従来の固相合成法であるホスホアミダイト法の各工程を利用することができる。
即ち、上述の固相担体に第1のヌクレオチドを結合する工程、及び第2〜第nのヌクレオチドを順次結合する工程は、従来の手法、例えばホスホアミダイト法、H−ホスホネート法、トリエステル法などの手法を利用することができる。したがって、担体のみを本発明の固相担体に代えることにより、市販の自動合成機を用いて、本発明の核酸合成法を行うことができる。
所望のポリヌクレオチドが本発明の担体に結合した結合体の状態で得た後に、該結合体に光を照射することにより、所望のポリヌクレオチドを得ることができる。また、この際に一般式Yで表される化合物が得られる。
ポリヌクレオチドの切り出し反応に用いる光は、切り出されるポリヌクレオチドを分解するなどの、ポリヌクレオチドに悪影響を及ばさない光であれば、上記[化12]に示した反応が生じる光であるのがよく、特に限定されない。したがって、ポリヌクレオチドの切り出し反応に用いる光は、紫外線ではないのがよい。また、この光は、例えば、吸収極大が350nm〜400nmの可視光であるのがよい。より具体的には、水銀ランプ、キセノンランプ、ハロゲンランプなどを用いることができる。
ポリヌクレオチドの修飾は、i)第1のヌクレオチドを担体に結合した後、該第1のヌクレオチドを修飾するか、及び/又は第(n+1)のヌクレオチドを担体に結合済みの第nのヌクレオチドに結合した後に、該第(n+1)のヌクレオチドを修飾するか;又はii)所望のポリヌクレオチドが本発明の担体に結合した結合体を得た後であって、切り出し反応である光照射を行う前に、ポリヌクレオチドが担体に結合した状態で、該ポリヌクレオチドを修飾することができる。
ポリヌクレオチド及び/又はヌクレオチドの修飾は、例えば塩基部位の修飾、及び/又はリン酸ジエステル部位のカウンターカチオンを交換すること、などを挙げることができるが、これらに限定されない。
これらポリヌクレオチド及び/又はヌクレオチドを修飾することにより、有機溶媒可溶性のポリヌクレオチドを調製することができる。
なお、ポリヌクレオチドが可溶となる有機溶媒は、上述の修飾に依存する。例えば、上述の修飾を変化させることにより、有機溶媒の極性の高低、沸点の高低などに対応した、所望の有機溶媒に溶解するポリヌクレオチドを得ることができる。
これらポリヌクレオチド及び/又はヌクレオチドを修飾することにより、有機溶媒可溶性のポリヌクレオチドを調製することができる。
なお、ポリヌクレオチドが可溶となる有機溶媒は、上述の修飾に依存する。例えば、上述の修飾を変化させることにより、有機溶媒の極性の高低、沸点の高低などに対応した、所望の有機溶媒に溶解するポリヌクレオチドを得ることができる。
以下、本発明のポリヌクレオチド合成法の一態様を、[化16]に示すスキームを用いて説明する。なお、[化16]では、リン酸ジエステル部のカウンターカチオンを修飾したポリヌクレオチドの合成法を例示する。
本発明の担体8を用いてDNA合成を行う。この合成は、上述のように、従来の方法、例えばホスホアミダイト法を利用し、市販の自動合成機を用いて行うことができる。
DNA合成によってポリヌクレオチドが担体に結合した結合体10を得る。結合体10を濃アンモニア処理することにより、リン酸ジエステルのアンモニウム塩とした結合体11を得る。なお、従来の固相担体を用いる場合、濃アンモニア処理によって、ポリヌクレオチドが切り出されるが、本発明の担体8を用いることにより、ポリヌクレオチドの切り出しが行われない。
結合体11に、アルキルアンモニウム塩を加えることにより、リン酸ジエステルのカウンターカチオンが交換された結合体12を得る。
結合体12に光を照射することにより、リン酸ジエステルのカウンターカチオンがアルキルアンモニウムカチオンとなったポリヌクレオチド13及び担体14を得る。
得られたポリヌクレオチド13(アルキルのnが12)は、有機溶媒、即ちメタノール、クロロホルム、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と略記する場合がある)、テトラヒドロフラン(以下、「THF」と略記する場合がある)に溶解する性質を有していた。
DNA合成によってポリヌクレオチドが担体に結合した結合体10を得る。結合体10を濃アンモニア処理することにより、リン酸ジエステルのアンモニウム塩とした結合体11を得る。なお、従来の固相担体を用いる場合、濃アンモニア処理によって、ポリヌクレオチドが切り出されるが、本発明の担体8を用いることにより、ポリヌクレオチドの切り出しが行われない。
結合体11に、アルキルアンモニウム塩を加えることにより、リン酸ジエステルのカウンターカチオンが交換された結合体12を得る。
結合体12に光を照射することにより、リン酸ジエステルのカウンターカチオンがアルキルアンモニウムカチオンとなったポリヌクレオチド13及び担体14を得る。
得られたポリヌクレオチド13(アルキルのnが12)は、有機溶媒、即ちメタノール、クロロホルム、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と略記する場合がある)、テトラヒドロフラン(以下、「THF」と略記する場合がある)に溶解する性質を有していた。
[化16]は、リン酸ジエステルのカウンターカチオンを修飾したポリヌクレオチド13を得るスキームを例示したが、その他の部位を修飾することもできる。例えば、[化16]において、「B」で示す塩基部位を修飾することもできる。これらの修飾は、所望の長さのポリヌクレオチドが固相担体に結合した結合体(例えば結合体10)に、種々の物質を反応させることにより、行うことができる。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
以下、実施例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
(新規リンカーを結合した固相担体の合成)
実施例1は、本発明の固相担体の合成の一態様を示す。
実施例1は、本発明の固相担体の合成の一態様を示す。
<[化17]に示す化合物2の合成>
バニリン1(2.28g、15mmol)、K2CO3(5.0g、36mmol)、ヨウ化テトラn−ブチルアンモニウム(1.1g、3mmol)、メチル4-クロロブチラート(2.2mL、18mmol)を含むアセトニトリル溶液(40mL)を22時間、加熱還流した。冷却後、不溶物を濾取し濾液を濃縮した。残渣をエーテルに溶解し、エーテル層を水で洗浄した後、乾燥、濃縮した。黄褐色の粘性物質として未生成の化合物2(3.3g、13mmol、86%)を得た。
バニリン1(2.28g、15mmol)、K2CO3(5.0g、36mmol)、ヨウ化テトラn−ブチルアンモニウム(1.1g、3mmol)、メチル4-クロロブチラート(2.2mL、18mmol)を含むアセトニトリル溶液(40mL)を22時間、加熱還流した。冷却後、不溶物を濾取し濾液を濃縮した。残渣をエーテルに溶解し、エーテル層を水で洗浄した後、乾燥、濃縮した。黄褐色の粘性物質として未生成の化合物2(3.3g、13mmol、86%)を得た。
<[化17]に示す化合物3の合成>
氷冷した酢酸(13.6mL)と発煙硝酸(3.5mL)の混液を準備した。氷浴上、この混液を上記で得た化合物2(1.64g、6.5mmol)にゆっくりと加え、室温まで暖めた後、室温で5.5時間攪拌した。反応液を氷水にゆっくりと滴下し、さらにエーテルを加えて攪拌した。エーテル層を取り出し、重曹水を加えて中和した。エーテル層を取り出し、乾燥後、濃縮し、未精製の化合物3(2.0g、6.7mmol、quant.)を得た。
氷冷した酢酸(13.6mL)と発煙硝酸(3.5mL)の混液を準備した。氷浴上、この混液を上記で得た化合物2(1.64g、6.5mmol)にゆっくりと加え、室温まで暖めた後、室温で5.5時間攪拌した。反応液を氷水にゆっくりと滴下し、さらにエーテルを加えて攪拌した。エーテル層を取り出し、重曹水を加えて中和した。エーテル層を取り出し、乾燥後、濃縮し、未精製の化合物3(2.0g、6.7mmol、quant.)を得た。
<[化17]に示す化合物4の合成>
上記で得た化合物3(2.0g、6.7mmol、quant.)をエタノール(20mL)に懸濁し、氷浴上、攪拌した。NaBH4(0.39g、10mmol)をエタノール(15mL)に懸濁したものを氷冷し、先の溶液に加えた。氷浴上、3時間攪拌した後、アセトン(2mL)を加え、さらに20分間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を水20mLに溶解し、エーテルで抽出した。エーテル層を取り出して飽和食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで精製し化合物4(1.2g、3.9mmol、58%)を得た。
上記で得た化合物3(2.0g、6.7mmol、quant.)をエタノール(20mL)に懸濁し、氷浴上、攪拌した。NaBH4(0.39g、10mmol)をエタノール(15mL)に懸濁したものを氷冷し、先の溶液に加えた。氷浴上、3時間攪拌した後、アセトン(2mL)を加え、さらに20分間攪拌した。反応混合物を濃縮し、残渣を水20mLに溶解し、エーテルで抽出した。エーテル層を取り出して飽和食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムで精製し化合物4(1.2g、3.9mmol、58%)を得た。
<[化17]に示す化合物5の合成>
化合物4(0.89g、3.0mmol)を無水ピリジンに溶解し、減圧下濃縮した。この操作を2回繰り返して脱水した後、化合物4を無水ピリジン(20mL)に溶解し、DMTrCL(1.5g、4.4mmol)を加えた後、室温で1時間放置した。反応液にエタノール(1mL)を加えて20分間放置した後、水とエーテルを加えて分液した。有機層を取り出して重曹水、飽和食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮した。残渣をトルエンで共沸し、シリカゲルカラム(40g、酢酸エチル:ヘキサン=1:3〜1:2)で精製し、化合物5(1.5g、2.4mmol、81%)を薄黄色の泡状物質として得た。
化合物4(0.89g、3.0mmol)を無水ピリジンに溶解し、減圧下濃縮した。この操作を2回繰り返して脱水した後、化合物4を無水ピリジン(20mL)に溶解し、DMTrCL(1.5g、4.4mmol)を加えた後、室温で1時間放置した。反応液にエタノール(1mL)を加えて20分間放置した後、水とエーテルを加えて分液した。有機層を取り出して重曹水、飽和食塩水で洗浄後、乾燥、濃縮した。残渣をトルエンで共沸し、シリカゲルカラム(40g、酢酸エチル:ヘキサン=1:3〜1:2)で精製し、化合物5(1.5g、2.4mmol、81%)を薄黄色の泡状物質として得た。
<[化17]に示す化合物6の合成>
ジオキサン溶液(10mL)、水(3mL)、メタノール(3mL)の混液に上記で得られた化合物5(1.4g、2.3mmol)とLiOH(0.16g、3.8mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌した後、濃縮した。残渣を水30mLに溶解し、1M硫酸を加えてpHを6.5に調節した。ここに酢酸エチルを加えて分液し、有機層を取り出して乾燥、濃縮し、残渣をトルエンで共沸し、泡状の化合物6を得た。化合物6は精製することなく以下の反応に用いた。
ジオキサン溶液(10mL)、水(3mL)、メタノール(3mL)の混液に上記で得られた化合物5(1.4g、2.3mmol)とLiOH(0.16g、3.8mmol)を加え、室温で1.5時間攪拌した後、濃縮した。残渣を水30mLに溶解し、1M硫酸を加えてpHを6.5に調節した。ここに酢酸エチルを加えて分液し、有機層を取り出して乾燥、濃縮し、残渣をトルエンで共沸し、泡状の化合物6を得た。化合物6は精製することなく以下の反応に用いた。
<[化17]に示す化合物7の合成>
上記で得られた化合物6、ペンタクロロフェノール(0.74g、2.8mmol)、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(0.44mL、2.8mmol)、DMAP(21mg)をアセトニトリル(10mL)に溶解し、室温で1時間放置した。析出した白色の不溶物を濾取し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(15g、酢酸エチル:ヘキサン=1:3〜1:2)で精製し、化合物7(1.0g、1.2mmol、化合物5を基準として52%)を白色固体として得た。
上記で得られた化合物6、ペンタクロロフェノール(0.74g、2.8mmol)、N,N'-ジイソプロピルカルボジイミド(0.44mL、2.8mmol)、DMAP(21mg)をアセトニトリル(10mL)に溶解し、室温で1時間放置した。析出した白色の不溶物を濾取し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(15g、酢酸エチル:ヘキサン=1:3〜1:2)で精製し、化合物7(1.0g、1.2mmol、化合物5を基準として52%)を白色固体として得た。
<[化17]に示す担体8の合成>
上記で得られた化合物7(203mg、0.24mmol)と、アミノアルキル化されたポリスチレン樹脂(505mg)(アミノ基の含量:0.23mmol/g)を無水ピリジンに懸濁した後、減圧下溶媒を留去した。この操作を2回繰り返して脱水した後、無水DMF(5mL)に懸濁した。DMAP(10mg)を添加した後、懸濁液を11日間、室温で放置した。ポリスチレンを濾取、クロロホルムで洗浄した後、乾燥した。ポリスチレンにピリジン(4mL)、無水酢酸(0.5mL)、DMAP(10mg)を加え、室温で1.5時間放置した。ポリスチレンを濾取し、クロロホルムで洗浄した。ポリスチレンに結合したDMTr基を検量したところ、樹脂1gあたり0.18mmolのニトロベンジルリンカーが結合していた。
上記で得られた化合物7(203mg、0.24mmol)と、アミノアルキル化されたポリスチレン樹脂(505mg)(アミノ基の含量:0.23mmol/g)を無水ピリジンに懸濁した後、減圧下溶媒を留去した。この操作を2回繰り返して脱水した後、無水DMF(5mL)に懸濁した。DMAP(10mg)を添加した後、懸濁液を11日間、室温で放置した。ポリスチレンを濾取、クロロホルムで洗浄した後、乾燥した。ポリスチレンにピリジン(4mL)、無水酢酸(0.5mL)、DMAP(10mg)を加え、室温で1.5時間放置した。ポリスチレンを濾取し、クロロホルムで洗浄した。ポリスチレンに結合したDMTr基を検量したところ、樹脂1gあたり0.18mmolのニトロベンジルリンカーが結合していた。
<[化17]に示す担体9の合成>
上記で得られた化合物7(73mg、0.087mmol)と、アミノアルキル化されたCPG(controlled pore glass)樹脂(329mg)(アミノ基の含量0.092mmol/g)を無水ピリジンに懸濁した後、減圧下溶媒を留去した。この操作を2回繰り返して脱水した後、無水DMF(3mL)に懸濁した。DMAP(10mg)を添加した後、懸濁液を2.5日間、室温で放置した。樹脂を濾取、クロロホルムで洗浄した後、乾燥した。樹脂にピリジン(5mL)、無水酢酸 (0.5mL)、DMAP(10mg)を加え、室温で1.3時間放置した。樹脂を濾取し、クロロホルムで洗浄した。樹脂に結合したDMTr基を検量したところ、樹脂1gあたり0.02mmolのニトロベンジルリンカーが結合していた。
上記で得られた化合物7(73mg、0.087mmol)と、アミノアルキル化されたCPG(controlled pore glass)樹脂(329mg)(アミノ基の含量0.092mmol/g)を無水ピリジンに懸濁した後、減圧下溶媒を留去した。この操作を2回繰り返して脱水した後、無水DMF(3mL)に懸濁した。DMAP(10mg)を添加した後、懸濁液を2.5日間、室温で放置した。樹脂を濾取、クロロホルムで洗浄した後、乾燥した。樹脂にピリジン(5mL)、無水酢酸 (0.5mL)、DMAP(10mg)を加え、室温で1.3時間放置した。樹脂を濾取し、クロロホルムで洗浄した。樹脂に結合したDMTr基を検量したところ、樹脂1gあたり0.02mmolのニトロベンジルリンカーが結合していた。
<固相担体上での核酸の修飾−塩基部位の修飾−>
実施例1で得られた固相担体([化17]に示す担体8)、及び市販のコンバーチブル・ヌクレオシド・アミダイト・ユニット(下記[化18]を参照のこと)を用いてヘプタマー、5’−TTT−(コンバーチブル・ヌクレオシド)−TTT−3’を合成した。
固相担体に結合した状態のヘプタマーをエチレンジアミンで処理することにより、アミノエチル基の結合したヘプタマー(I)を得た(下記[化19]を参照のこと)。
ヘプタマー(I)の結合した担体を、無水酢酸を含むピリジン−DMFの混液に懸濁したところ、アミノエチル基がアセチル化されたヘプタマー(II)が得られた(下記[化19]を参照のこと)。
同様に無水安息香酸を含むピリジン−DMFの混液に懸濁し、アミノエチル基がベンゾイル化されたヘプタマー(III)を得た(下記[化19]を参照のこと)。
実施例1で得られた固相担体([化17]に示す担体8)、及び市販のコンバーチブル・ヌクレオシド・アミダイト・ユニット(下記[化18]を参照のこと)を用いてヘプタマー、5’−TTT−(コンバーチブル・ヌクレオシド)−TTT−3’を合成した。
固相担体に結合した状態のヘプタマーをエチレンジアミンで処理することにより、アミノエチル基の結合したヘプタマー(I)を得た(下記[化19]を参照のこと)。
ヘプタマー(I)の結合した担体を、無水酢酸を含むピリジン−DMFの混液に懸濁したところ、アミノエチル基がアセチル化されたヘプタマー(II)が得られた(下記[化19]を参照のこと)。
同様に無水安息香酸を含むピリジン−DMFの混液に懸濁し、アミノエチル基がベンゾイル化されたヘプタマー(III)を得た(下記[化19]を参照のこと)。
これらヘプタマーの結合した固相担体を、それぞれ水に懸濁し可視光を照射することにより担体からヘプタマーを切り出した。得られたヘプタマー水溶液をHPLCにより分析したところ、目的とするヘプタマーがメインピークとして検出された(図1参照のこと)。
未精製のヘプタマーをHPLCで精製した後、alkaline phosphataseで処理して3’末端のリン酸モノエステルを除去した。HPLCで分析したところ純度の高いヘプタマーが得られた(図2参照のこと)。
得られたヘプタマーに目的のヌクレオシドが含まれていることを確認する目的で、ヘプタマーをalkaline phosphataseとvenom phosphodiesteraseで処理し、得られたヌクレオシド混合物をHPLCで分析したところ、チミジンのピークと、目的のヌクレオシドに由来すると思われるピークが観測された(図3参照のこと)。別途合成した標品と溶出時間が一致したことから、目的のヌクレオシドが含まれたいること、即ち、期待した担体上での修飾反応が進行していたことが確認された。
未精製のヘプタマーをHPLCで精製した後、alkaline phosphataseで処理して3’末端のリン酸モノエステルを除去した。HPLCで分析したところ純度の高いヘプタマーが得られた(図2参照のこと)。
得られたヘプタマーに目的のヌクレオシドが含まれていることを確認する目的で、ヘプタマーをalkaline phosphataseとvenom phosphodiesteraseで処理し、得られたヌクレオシド混合物をHPLCで分析したところ、チミジンのピークと、目的のヌクレオシドに由来すると思われるピークが観測された(図3参照のこと)。別途合成した標品と溶出時間が一致したことから、目的のヌクレオシドが含まれたいること、即ち、期待した担体上での修飾反応が進行していたことが確認された。
<固相担体上での核酸の修飾−塩交換による有機溶媒可溶性核酸の調製−>
実施例1で得た固相担体([化17]に示す担体8)を用いて、デカマー、5’−TTTTTTTTTT−3’を合成した。
固相担体に結合した状態のデカマーを濃アンモニア水で処理することにより脱保護を行い、リン酸ジエステル部分がアンモニウム塩の形で、かつ固相担体に結合したデカマー(I)を得た([化16]に示すスキームを参照のこと)。担体の一部を取り分け長鎖アルキルアミン(ジドデシルジメチルアミン又はジメチルステアリルアミン)のメタノール溶液に懸濁し、遠心、上清を除去した。残渣の固相担体をメタノールで洗浄(5回)後、メタノールに懸濁し、氷冷下可視光を照射した。懸濁液を遠心、上清を分離した。上清には切り出されたデカマーが長鎖アルキルアンモニウム塩として溶解していた。
実施例1で得た固相担体([化17]に示す担体8)を用いて、デカマー、5’−TTTTTTTTTT−3’を合成した。
固相担体に結合した状態のデカマーを濃アンモニア水で処理することにより脱保護を行い、リン酸ジエステル部分がアンモニウム塩の形で、かつ固相担体に結合したデカマー(I)を得た([化16]に示すスキームを参照のこと)。担体の一部を取り分け長鎖アルキルアミン(ジドデシルジメチルアミン又はジメチルステアリルアミン)のメタノール溶液に懸濁し、遠心、上清を除去した。残渣の固相担体をメタノールで洗浄(5回)後、メタノールに懸濁し、氷冷下可視光を照射した。懸濁液を遠心、上清を分離した。上清には切り出されたデカマーが長鎖アルキルアンモニウム塩として溶解していた。
デカマーのメタノール溶液の一部を取り分け、エーテルと0.1M酢酸トリエチルアンモニウムバッファとを加えて激しく攪拌し、長鎖アルキルアミンをエーテル層に、トリエチルアミン塩となったデカマーを水層に分配した。水層に溶解したデカマーをHPLCで分析したところ、デカマーのピークがメインピークとして検出されたことから、良好な純度のデカマーが得られたことを確認した(図4参照のこと)。
実施例1で得た固相担体([化17]に示す担体9(CPGを用いる担体))と市販のamidite unit(下記[化20]を参照のこと)を用いてデカマー、5'-d(T)10-3'、5'-d(CACTCCATTGGTCTC)-3'を合成した。合成DNAは、下記[化20]に示した手順で脱保護、精製を行った後、光照射により樹脂から切り出した。固相担体に結合した状態のDNAを濃アンモニア水で処理する(55℃、5時間)ことにより、塩基部、リン酸ジエステル部の保護基を除去した。反応液を遠心し、上清を廃棄し、残渣の担体を水−メタノール混液(1:1)で5回、洗浄した。それぞれを水に懸濁し可視光を照射することにより担体からDNAを切り出した。得られたDNA水溶液をHPLCにより分析したところ、目的とするDNAがメインピークとして検出された(図4参照のこと)。
Claims (13)
- 前記樹脂がポリスチレン類、及びガラス樹脂類からなる群から選ばれる請求項2記載の担体。
- 前記Zが、ジメトキシトリチル基、アシル基、及びシリル基からなる群から選ばれる請求項1又は2記載の担体。
- 前記樹脂がポリスチレン類、及びガラス樹脂類からなる群から選ばれる請求項5〜8のいずれか1項記載の合成法。
- 前記Zが、ジメトキシトリチル基、アシル基、及びシリル基からなる群から選ばれる請求項5〜9のいずれか1項記載の合成法。
- 前記合成法によって得られるポリヌクレオチドが有機溶媒可溶性である請求項5〜11記載の合成法。
- 有機溶媒可溶性である修飾化ポリヌクレオチド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004042703A JP2005229894A (ja) | 2004-02-19 | 2004-02-19 | 核酸固相合成用担体及びそれを用いた核酸合成法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004042703A JP2005229894A (ja) | 2004-02-19 | 2004-02-19 | 核酸固相合成用担体及びそれを用いた核酸合成法 |
Publications (1)
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JP2005229894A true JP2005229894A (ja) | 2005-09-02 |
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JP2004042703A Pending JP2005229894A (ja) | 2004-02-19 | 2004-02-19 | 核酸固相合成用担体及びそれを用いた核酸合成法 |
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- 2004-02-19 JP JP2004042703A patent/JP2005229894A/ja active Pending
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