JP2005229877A - 高栄養ゼリー状食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 常温保存可能な嚥下しやすい高栄養ゼリー状食品を提供する。
【解決手段】 製品100g当たりカロリーが100kcal以上、並びに蛋白質が5g以上であり、100℃を超える温度で加熱殺菌されてなる高栄養ゼリー状食品であって、豆乳及び/又はペースト状豆腐と増粘多糖類を配合する高栄養ゼリー状食品。
【選択図】 無し

Description

本発明は常温保存可能な嚥下しやすい高栄養ゼリー状食品に関する。
咀嚼(食物をよくかみくだすこと)や嚥下(食物を飲み込むこと)機能が低下した高齢者や、何らかの疾病から回復し、経管栄養摂取から経口栄養摂取へのリハビリが必要な人にとって、通常の食事をするのは困難であり、食事をすること自体も大変な労力である。
特に、飲み込むときにむせてしまい、誤嚥を起こす心配がある場合には、食事を十分に楽しむことができないばかりか、摂食できる食事量が少なくなり、蛋白質・エネルギーの低栄養状態になりやすい問題がある。
そのような場合の食事としては、やわらかくて飲み込みやすいゼリー状の食事、詳しくは、口腔内に入れた時に、滑らかで、変形しやすく、適度な流動性と粘度を有し、付着性と曳糸性がないゼリー状の食事であること、また、少量の食事でも十分なカロリーと栄養素を摂食できる高栄養食であることが望まれる。
さらに、クオリティオブライフ(以下QOLと略)、つまり、生活の質を向上させる観点からは、食べる喜びが味わえるような、美味しくてバラエティーに富んだ食事であることが望まれる。
一方、高齢者の増加に伴い在宅介護の割合も増加している。高齢者を介護する家族の負担も大きくなり、また、高齢者を介護するのも高齢者であったり、高齢者が単身で生活している場合もあるなどの点から、食事の面の負担の軽減が望まれている。すなわち、調理の手間がかからず、より簡便な、咀嚼や嚥下が困難な人でも食べやすいような食品が求められている。
従来より、これらの目的のためにゲル状の高栄養組成物が提供されている。例えば、特許第3132652号公報(特許文献1)には、1g当たり1.8〜2.5kcalに調整され、たんぱく質と脂質のエネルギー比率とビタミンの含有量を特定した嚥下障害者、そのリハビリ患者用の経口高エネルギーゲル状栄養組成物が記載され、その実施例にはレトルト処理された高エネルギーゲル状栄養組成物が記載されている。また、特開2001−144号公報(特許文献2)には、たん白加水分解物を含有させ、無菌包装システムにより、無菌的に充填・包装したゲル状高濃度栄養補助食品が記載されている。これらは、常温保存が可能であるので、調理の手間がかからず簡便に食することができる。
しかしながら、これらのゲル状の高栄養組成物は、高栄養とするために蛋白質粉末やこれらの分解物及びデキストリン等を高濃度に含有させるため、ゲル化材の膨潤や分子間の結合が阻害され、飲み込みやすい柔軟なゼリー状の物性とすることが難しく、べたつきのある嚥下しにくいものとなる傾向があった。また、これらのゲル状の高栄養組成物は、常温保存を可能とするために、100℃を超える温度で加熱殺菌するため、このことによっても、ゲル化材の膨潤や分子間の結合が阻害され、飲み込みやすい柔軟なゼリー状の物性とすることが難しい傾向があった。さらに、通常の食事と異なり、肉、魚介類、野菜等の食材が配合されていないことから、QOLの観点からも満足のいくものではなかった。
また、特許第3474827号公報(特許文献3)には、デキストリン又は還元デキストリンを配合した高栄養固形状組成物が記載され、実施例には、チーズを配合したチーズ様食品やすり身を配合した蒲鉾様食品が記載されているが、これらを100℃を超える温度で加熱殺菌して常温保存可能とすることは記載されていない。
このような状況下、本発明者等は、高栄養ゼリー状食品に、蛋白質粉末やこれらの分解物及びデキストリン等に加えて、肉、魚介類、野菜等のペースト状物を配合して、常温保存可能で嚥下しやすい高栄養ゼリー状食品を製することを試みた。
しかしながら、このようにして製した高栄養ゼリー状食品は、べたつきのある食感を有することに加えて、肉、魚介類、野菜等のペースト状物の配合量を増やすほど、よりざらつきのある物性となる傾向があり、依然として十分に飲み込みやすい食事とはいえないものであった。
特許第3132652号公報 特開2001−144号公報 特許第3474827号公報
そこで、本発明の目的は、常温保存可能な嚥下しやすい高栄養ゼリー状食品を提供するものである。
本発明者等は、上記目的を達成すべく配合原料等、様々な諸条件について鋭意研究を重ねた結果、意外にも豆乳及び/又はペースト状豆腐と増粘多糖類を配合することにより、常温保存可能な嚥下しやすい高栄養ゼリー状食品が得られることを見出した。
さらに、これに肉、魚介類及び野菜の少なくとも一種又は二種以上のペースト状物を配合しても、ざらついた食感となることがなく嚥下しやすい高栄養ゼリー状食品が得られることを見出し遂に本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 製品100g当たりカロリーが100kcal以上、並びに蛋白質が5g以上であり、100℃を超える温度で加熱殺菌されてなる高栄養ゼリー状食品であって、豆乳及び/又はペースト状豆腐と増粘多糖類を配合する高栄養ゼリー状食品、
(2) 肉、魚介類及び野菜の少なくとも一種又は二種以上のペースト状物を配合する(1)記載の高栄養ゼリー状食品、
(3) 咀嚼・嚥下困難者用である(1)又は(2)記載の高栄養ゼリー状食品、
である。
以上の構成により、本発明の高栄養ゼリー状食品は、高栄養であり100℃を越える温度で加熱殺菌されているにもかかわらず、口腔内でべたついたりすることがなく、嚥下しやすい物性となる。
さらに、本発明の高栄養ゼリー状食品は、肉、魚介類又は野菜の少なくとも一種又は二種以上のペースト状物を配合しても、ざらついた食感となることがなく嚥下しやすい物性となる。
以下本発明を詳細に説明する。なお、本発明において「%」は「質量%」を意味する。
まず、本発明において、高栄養食品とは、カロリー及び蛋白質がそれぞれ、100g当り100kcal以上及び5g以上である食品をいう。少量の食事で十分な栄養を摂取する点から、カロリーは100g当り120kcal以上が好ましく、130kcal以上がより好ましい。同様に、蛋白質は、100g当り6g以上が好ましく、8g以上がより好ましい。
高栄養ゼリー状食品は、高栄養となるほどべたついた食感が増す傾向があるが、本発明によると、このようなべたついた食感となりやすい高栄養ゼリー状食品であっても、嚥下しやすい物性となる。
本発明において、高栄養食品を前記カロリー及び蛋白質とするためには、例えば、まず、高栄養食品の風味の点から肉、魚介類及び野菜等の食材と調味料の種類を選択し、配合量を決めた後、カロリー及び蛋白質の不足分を蛋白質原料、糖質原料及び脂質原料を追加配合して補うようにすればよい。このような蛋白質原料、糖質原料及び脂質原料としては、具体的には、例えば、牛乳、脱脂粉乳、ホエー、カゼインナトリウム、ラクトアルブミン等の乳蛋白、分離大豆蛋白、濃縮大豆蛋白等の大豆蛋白、卵、卵黄、卵白、卵白アルブミン等の卵蛋白、魚肉蛋白、畜肉蛋白、血清蛋白、小麦蛋白、ゼラチン等の蛋白質類、澱粉、デキストリン、フルクトース、グルコース、乳糖、オリゴ糖及び糖アルコール等の糖質原料、卵黄油、菜種油、コーン油、綿実油、サフラワー油、米油、オリーブ油、紅花油、大豆油、パーム油、魚油等の動植物油またはこれらの精製油等の脂質原料が挙げられる。カロリー及び蛋白質の不足分を補う点から、これら原料の中でも、水分含量の低い乾燥原料を用いることが好ましい。
なお、カロリー並びに蛋白質の測定方法は、栄養表示基準(平成8年5月20日厚生省告示第146号)別表第1の第3欄記載の方法、すなわち、カロリーは修正アトウォーター法、蛋白質は窒素定量換算法に準ずる。
また、ゼリー状食品とは、ゲル化させた食品をいい、誤嚥を起こす心配が少ないように、3×10〜3×10N/mの固さを有する物性となるようにゲル化したものが好ましい。なお、測定方法は、厚生省生活衛生局食品保健課新開発食品保健対策室長通知(平成6年2月23日発行)衛新第15号「高齢者用食品の標示許可の取扱いについて」記載の別紙「高齢者用食品の試験方法」に準ずる(直径20mmのプランジャー使用、圧縮距離10mm/s、クリアランス5mm、測定温度20±2℃)。
本発明の高栄養ゼリー状食品は、100℃を超える温度で加熱殺菌されてなるものであり、具体的には、例えば、当該食品を耐熱性合成樹脂あるいはアルミ箔等の金属と耐熱性合成樹脂のラミネート等からなる耐熱性容器に充填密封後、100℃を超える温度で加熱殺菌されたものや、当該食品を100℃を超える温度で高温短時間殺菌後、無菌的に容器に充填する、通常、アセプティック包装と呼ばれる方法で製されたもの等が挙げられる。
これらのうち、耐熱性容器に充填密封後に加熱殺菌された高栄養ゼリー状食品は、アセプティック包装と呼ばれる方法で製されたものに比べて過度な熱がかかるため、嚥下しやすい物性とすることが難しい。しかしながら、本発明のゼリー状高栄養食品は、過度な熱がかかるにもかかわらず、嚥下しやすい物性となることを特徴とするので、このような耐熱性容器に充填密封後、100℃を超える温度で加熱殺菌された高栄養ゼリー状食品、特に長期常温保存を可能とするために、当該食品の中心部の品温を120℃で4分間相当加熱したもの又はこれと同等以上の効力を有する条件で加熱したいわゆるレトルト処理されたものにおいてより好適に実施できる。
本発明は、上述の高栄養ゼリー状食品に、豆乳及び/又はペースト状豆腐を配合することに特徴を有する。
ここで、豆乳とは、大豆から熱水等により蛋白質を油等のその他成分とともに溶出させ、繊維分を除去して製した乳濁液状のものをいうが、本発明の豆乳には、繊維分を除去しないで製した乳濁液状のもの(例えば、大塚製薬(株)社製の商品名「スゴイダイズ」)、あるいは、豆乳にニガリを加えて製した乳濁液状のもの(例えば、不二製油(株)社製の商品名「液状豆腐」)等も含まれる。これら豆乳の中でも、より風味が良く嚥下しやすい高栄養ゼリー状食品を得る点から、豆乳にニガリを加えて製した乳濁液状のものを用いることが特に好ましい。
また、ペースト状豆腐とは、豆腐をミキサーやコミトロール等を用いてペースト化したものをいうが、後述する他の原料と混合することによりペースト化したものも含まれる。ここで、ペースト化とは、高栄養ゼリー状食品において、豆腐の粒子が肉眼で識別できない程度にペースト化することをいう。また、ペースト化する豆腐としては、常法により製した豆腐、すなわち、豆乳に天然ニガリ、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム等のマグネシウム塩、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、乳酸カルシウム、乳清カルシウム等のカルシウム塩、及びグルコノデルタラクトン等の一種又は二種以上のニガリを添加して蛋白質を油等の成分とともにゲル状に凝固させることにより製した豆腐であれば特に限定されるものではなく、具体的には、例えば、絹ごし豆腐、木綿豆腐、充填豆腐、ソフト豆腐、沖縄豆腐等が挙げられる。
前記豆乳及び/又はペースト状豆腐を配合せず、脱脂大豆の水抽出液を乾燥して製したいわゆる分離大豆蛋白のみを用いて、高栄養ゼリー状食品を製した場合は、後述の試験例に示すように、べたついた食感となり嚥下しやすい高栄養ゼリー状食品が得られない。
一方、豆乳及び/又はペースト状豆腐を配合すると、高栄養であり100℃を越える温度で加熱殺菌されているにもかかわらず、口腔内でべたついたりすることがなく、なめらかで嚥下しやすい高栄養ゼリー状食品が得られる。特に、豆乳を配合すると、より嚥下しやすい高栄養ゼリー状食品が得られるので好ましい。
なお、前記豆乳及び/又はペースト状豆腐の配合量は、製品に対して、好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上、さらに好ましくは10%以上である。このように、配合量が多い程、よりなめらかで嚥下しやすい高栄養ゼリー状食品が得られる傾向がある。
さらに、本発明の高栄養ゼリー状食品は、上述の豆乳及び/又はペースト状豆腐を配合することに加え、増粘多糖類を配合することに特徴を有し、これにより、高栄養であり100℃を越える温度で加熱殺菌されているにもかかわらず、口腔内でべたついたりすることがなく、なめらかで嚥下しやすい高栄養ゼリー状食品が得られる。これに対し、後述の試験例に示すように、ゼラチンや寒天等のゲル化材のみを用いて増粘多糖類を配合しない場合は、嚥下しやすい高栄養ゼリー状食品が得られない。
本発明において、増粘多糖類とは、食用に適していればその種類は特に問わないが、具体的には、例えば、ジェランガム、カラギナン、ファーセルラン、キサンタンガム、コンニャクマンナン、ローカストビーンガム、タラガム、サイリュームシードガム、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、タマリンドガム及びアザトバクタービネランジガム等が挙げられ、これらの一種又は二種以上を組み合わせて用いるとよい。
これら増粘多糖類の中でも、カラギナン、キサンタンガム、ローカストビーンガム、ジェランガム、タラガム及びタマリンドガムを配合することが好ましく、カラギナン、キサンタンガム及びローカストビーンガムを配合することがより好ましい。これにより、さらに嚥下しやすい物性の高栄養ゼリー状食品が得られる。
これらの増粘多糖類の配合量は、使用する増粘多糖類やその他の配合原料にもよるが、なめらかで嚥下しやすい物性の高栄養ゼリー状食品が得られやすいことから、製品に対して、0.05〜10%が好ましく、0.05〜5%がより好ましい。
本発明は、以上の構成により、ざらついたりべたついたりしやすい高栄養ゼリー状食品であっても、嚥下しやすくなることに特徴を有するので、よりざらついた物性となりやすい、肉、魚介類及び野菜の少なくとも一種又は二種以上のペースト状物を含む高栄養ゼリー状食品において好適に実施できる。したがって、肉、魚介類又は野菜の少なくとも一種又は二種以上のペースト状物を適宜組み合わせて配合することにより、通常の食事に近い、美味しくて、食欲のわくバラエティーに富んだ高栄養ゼリー状食品が得られる。
肉、魚介類及び野菜としては、食用に適していればその種類は特に問わないが、具体的には、例えば、肉としては、鶏肉、牛肉、豚肉、レバー等が挙げられ、魚介類としては、魚、貝、エビ、イカ、タコ等が挙げられる。また、野菜としては、トマト、カボチャ、ホウレンソウ、ニンジン、キャベツ、ダイコン、ゴボウ、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ等が挙げられる。
また、これら肉、魚介類及び野菜をペースト状にする方法はいかなる方法でも良く、具体的には、例えば、これら食材をその他原料とともに加熱調理後、ミキサーやコミトロール等を用いてペースト化する方法等が挙げられる。
これら、肉、魚介類及び野菜の配合量は、特に規定するものではなく、必要な栄養とカロリーを考慮して調節すれば良いが、料理としての風味等を考慮すると5%以上が好ましく、10%以上がより好ましい。
また、本発明においては、上述した肉、魚介類及び野菜に加えて、調味料を配合して調味すると、より美味しくて、食欲のわくバラエティーに富んだ高栄養ゼリー状食品が得ることができるので好ましい。調味料としては、食用に適していればその種類は特に問わないが、具体的には、例えば、食塩、砂糖、醤油、味噌、マヨネーズ、ケチャップ、ソース、動植物等のエキス類、アミノ酸、グルタミン酸ナトリウム等が挙げられる。
本発明において、上述した配合原料以外の原料は、必要な栄養を考慮し、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて配合すればよい。このような原料としては、具体的には、例えば、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ナイアシンなどのビタミン類原料、無機鉄、ヘム鉄、カルシウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、銅、セレン、マンガン、コバルト、ヨウ素等のミネラル類、あるいはこれらミネラル類を高度に含有した酵母、難消化性デキストリン、結晶セルロース、アップルファイバー等の食物繊維等が挙げられる。
本発明の高栄養ゼリー状食品の製造方法は、特に限定するものではないが、例えば、以下のように製造することができる。
まず、風味の点から肉、魚介類及び野菜等の食材と調味料の種類を選択して配合を決定する。続いて、豆乳及び/又はペースト状豆腐と増粘多糖類の配合量、さらに、カロリー及び蛋白質が、製品100g当たりカロリーが100kcal以上、並びに蛋白質が5g以上となるように、不足分を補うための蛋白質原料、糖質原料及び脂質原料の配合量を決定する。 次に、好ましくは3×10〜3×10N/mの固さを有するように、ゲル化材の配合量を決定する。さらに、その他原料の配合量を決定する。そして、前記配合に基づき、原料を用意する。
これら用意した原料のうち、最初に、肉、魚介類及び野菜等をニーダーに投入し加熱調理し、これに、その他の原料を投入して混合した後、コミトロールでペースト化処理する。
そして、ペースト化処理した高栄養ゼリー状食品原料を耐熱性容器に充填密封後、110〜125℃でレトルト処理し、高栄養ゼリー状食品を製する。
以下、本発明の高栄養ゼリー状食品について、実施例、比較例及び試験例に基き具体的に説明する。なお、本発明は、これらの実施例および比較例に限定するものではない。
[実施例1](鶏肉とタマネギの炒めもの風ゼリー状食品)
まず、鶏肉とタマネギの炒めもの風とするために、原料として、鶏肉、タマネギ、サラダ油、醤油及び食塩、さらに、豆乳、キサンタンガム及びローカストビーンガムを用意した。加えて、製品100g当たりカロリーが100kcal以上、並びに蛋白質が5g以上となるように、不足分を補うための原料として、分離大豆蛋白及びデキストリンを用意した。さらに、清水を用意した。
すなわち、原料として、鶏肉10部、タマネギ2部、サラダ油2部、醤油0.3部、食塩0.1部、豆乳[不二製油(株)社製の商品名「液状豆腐」]15部、キサンタンガム0.3部、ローカストビーンガム0.3部、分離大豆蛋白(蛋白質含量90%)2部、デキストリン2部及び清水66部を用意した。
次に、攪拌機付きニーダーで鶏肉及びタマネギをサラダ油の配合の一部でソテーし、これに残りのサラダ油と清水に混合分散した醤油、食塩、豆乳、キサンタンガム、ローカストビーンガム、分離大豆蛋白及びデキストリンを加えて攪拌混合した後、コミトロール(アーシャル社製、モデルナンバー1700、200ブレード)でペースト化処理した。
続いて、前記ペースト化処理した原料をカップ型の耐熱性合成樹脂製容器(70ml容量)に60gずつ充填し、イージーピール可能な耐熱性合成樹脂製の蓋材で密封後、熱水式レトルト中で120℃で20分間加熱殺菌した後、冷却して、高栄養ゼリー状食品を得た。
製した高栄養ゼリー状食品は、製品100g当たりカロリーが150kcal、並びに蛋白質が9gであり、その固さは、8×10N/mであった。
[実施例2](鮭と野菜のクリームスープ風のゼリー状食品)
まず、鮭と野菜のクリームスープ風とするために、原料として、タマネギ、サラダ油、鮭フレーク、ニンジン、セロリ、生クリーム、鮭エキス及び食塩、さらに、豆乳及びカラギナンを用意した。加えて、製品100g当たりカロリーが100kcal以上、並びに蛋白質が5g以上となるように、不足分を補うための原料として、分離大豆蛋白及びデキストリンを用意した。さらに、粉末寒天及び清水を用意した。
すなわち、原料として、タマネギ2部、サラダ油0.5部、鮭フレーク2部、ニンジン2部、セロリ1部、生クリーム4部、鮭エキス0.5部、食塩0.2部、豆乳[液状豆腐、不二製油社製]15部、分離大豆蛋白(蛋白質含量90%)2部、デキストリン2部、カラギナン0.5部、粉末寒天0.1部及び清水68.2部を用意した。
次に、攪拌機付きニーダーでタマネギをサラダ油の配合の一部でソテーし、これに残りのサラダ油及び鮭フレーク、ニンジン、セロリ、生クリーム、清水に混合分散した鮭エキス、食塩、豆乳、分離大豆蛋白、デキストリン、カラギナン及び粉末寒天を加えて攪拌混合した後、コミトロール(アーシャル社製、モデルナンバー1700、200ブレード)でペースト化処理した。
続いて、前記ペースト化処理した原料をカップ型の耐熱性合成樹脂製容器(70ml容量)に60gずつ充填し、イージーピール可能な耐熱性合成樹脂製の蓋材で密封後、熱水式レトルト中で120℃で20分間加熱殺菌した後、冷却して、高栄養ゼリー状食品を得た。
製した高栄養ゼリー状食品は、製品100g当たりカロリーが145kcal、並びに蛋白質が9gであり、その固さは、9×10N/mであった。
[実施例3](鶏肉とタマネギの炒めもの風ゼリー状食品)
実施例1において、豆乳に代えて、絹ごし豆腐を用いた他は、同じ配合と製法にて高栄養ゼリー状食品を得た。
製した高栄養ゼリー状食品に含まれる豆腐は、豆腐の粒子が肉眼で識別できない程度にペースト化されたペースト状豆腐が含まれるものであった。
また、製品100g当たりカロリーが150kcal、並びに蛋白質が10gであり、その固さは、8×10N/mであった。
[比較例1](鶏肉とタマネギの炒めもの風ゼリー状食品)
まず、実施例1において、豆乳を配合しない代わりに分離大豆蛋白、サラダ油及び清水の配合量を調節して、実施例1で製した高栄養ゼリー状食品と同じカロリーと蛋白質となるようにした他は、同じ原料を用意した。
すなわち、原料として、鶏肉10部、タマネギ2部、サラダ油12部、醤油0.3部、食塩0.1部、キサンタンガム0.3部、ローカストビーンガム0.3部、分離大豆蛋白(蛋白質含量90%)3.5部、デキストリン2部及び清水69.5部を用意した。
前記原料を用いた他は、実施例1と同じ製法にて、高栄養ゼリー状食品を得た。
製した高栄養ゼリー状食品は、製品100g当たりカロリーが150kcal、並びに蛋白質が9gであり、その固さは、8×10N/mであった。
[比較例2](鶏肉とタマネギの炒めもの風ゼリー状食品)
実施例1において、キサンタンガム0.3部及びローカストビーンガム0.3部に代えて、寒天0.4部、ゼラチン0.2部を配合した他は、同じ配合と製法にて高栄養ゼリー状食品を得た。
製した高栄養ゼリー状食品は、製品100g当たりカロリーが150kcal、並びに蛋白質が9gであり、その固さは、8×10N/mであった。
[試験例]
実施例1乃至3、比較例1及び2で製した高栄養ゼリー状食品を摂食し、その嚥下のしやすさを評価した。結果を表1に示す。
Figure 2005229877
評価の記号の説明
嚥下したときの口腔内の付着性の評価
◎:べたつかない
○:ほとんどべたつかない
△:ややべたつく
×:べたつく
嚥下したときの口腔内のざらつきの評価
◎:ざらつかない
○:ほとんどざらつかない
△:ややざらつく
×:ざらつく
嚥下のしやすさの総合評価
◎:口腔内の付着性の評価とざらつきの評価の両方が◎のもの
○:口腔内の付着性の評価とざらつきの評価のいずれか一方が◎で他方が○のもの、又は、口腔内の付着性の評価とざらつきの評価の両方が○のもの
△:総合評価が◎、○、×以外のもの。
×:口腔内の付着性の評価とざらつきの評価のいずれかひとつが×のもの。
表1より、実施例1乃至3の高栄養ゼリー状食品、すなわち、豆乳及び/又はペースト状豆腐と増粘多糖類が配合されてなる高栄養ゼリー状食品は、豆乳及び/又はペースト状豆腐が配合されていない比較例1及び増粘多糖類が配合されていない比較例2の高栄養ゼリー状食品に比べて、嚥下しやすいことが理解できる。
特に、豆乳を配合した実施例1及び2の高栄養ゼリー状食品は、ペースト状豆腐を配合した実施例3の高栄養ゼリー状食品に比べて、より嚥下しやすく好ましかった。

Claims (3)

  1. 製品100g当たりカロリーが100kcal以上、並びに蛋白質が5g以上であり、100℃を超える温度で加熱殺菌されてなる高栄養ゼリー状食品であって、豆乳及び/又はペースト状豆腐と増粘多糖類を配合することを特徴とする高栄養ゼリー状食品。
  2. 肉、魚介類及び野菜の少なくとも一種又は二種以上のペースト状物を配合する請求項1記載の高栄養ゼリー状食品。
  3. 咀嚼・嚥下困難者用である請求項1又は2記載の高栄養ゼリー状食品。
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