JP2005229564A - 半導体装置 - Google Patents

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JP2005229564A JP2004193514A JP2004193514A JP2005229564A JP 2005229564 A JP2005229564 A JP 2005229564A JP 2004193514 A JP2004193514 A JP 2004193514A JP 2004193514 A JP2004193514 A JP 2004193514A JP 2005229564 A JP2005229564 A JP 2005229564A
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Makoto Furuhata
誠 古畑
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Abstract

【課題】 薄膜振動子と半導体基板との浮遊容量の少ない半導体装置の構造を提供すると
ともに、圧電体を用いなくても一般的な薄膜形成技術によって形成でき、高周波化と低電
圧駆動が可能な薄膜振動子を有する半導体装置を提供することにある。
【解決手段】 半導体基板101には、薄膜振動子100が形成された領域の半導体基板
101の裏面から絶縁膜102まで刳り抜かれて凹部103が形成される。刳り抜く領域
は、薄膜振動子100が形成された領域すべてにわたって基板101の裏面から刳り抜か
れている。刳り抜きの結果、薄膜振動子100は絶縁膜102上に形成された構成になる

【選択図】 図2

Description

本発明は半導体装置に係り、特に、通信などの信号処理に用いられる薄膜振動子フィル
タや各種電子機器のクロック源などとして用いられる薄膜振動子を構成する振動体を備え
る半導体装置に関する。
一般に、半導体基板上に薄膜を形成することによって構成される各種の薄膜振動子が知
られている。このような薄膜振動子としては、圧電体の薄膜を振動層(振動体)として用
いることにより、高周波に対応した高いQ値を有する小型化された振動子が既に実現され
ている。
例えば、圧電体であるAlNの薄膜を備えたダイアフラム構造で薄膜の厚み方向に振動
するように構成された薄膜振動子が知られている(例えば、非特許文献1及び2参照)。
これらの圧電体を備えた薄膜振動子では、1GHzを超える高周波数域で高いQ値が得ら
れている。
また、櫛歯状電極を有する微細な可動体を基板上にスライド可能に構成し、静電力によ
って可動体を振動させるようにした共振子が知られている(例えば、非特許文献3参照)
「AlN薄膜を用いた音響多層薄膜型及びダイアフラム型薄膜バルク共振子」 斉藤久俊、野口隆男、阿部秀典、山下喜就 圧電材料・デバイスシンポジウム2003予稿集 第39−42頁 (2003年2月27日(木)、28日(金)東北大学工学部青葉記念会館) 「MOCVD法によるAlN薄膜を用いた薄膜バルク波共振器」 梁充模、中村仁志、上原健誠、金成權、亀田卓、中瀬博之、坪内和夫 第32回EMシンポジウム予稿集(平成15年5月15日(木)〜16日(金)東京都立大学国際交流会館大会議室) 「Laterally Driven Resonant Microstructures」 WILLIAM C.TANG, TU−CUONG, H.NGUYEN and ROGER T.HOWE Sensors and Actuators,20(1989)P.25−32
しかしながら、半導体基板上に半導体との絶縁を行う目的で、絶縁膜を介して振動体を
形成した場合、振動体の電極と半導体基板の間で寄生容量が発生する。一方、振動体の振
動に起因する静電容量の変動量は、上記の寄生容量と電極間の容量の和に較べてかなり小
さい。このように、静電容量の可動電極が振動することによって生ずる静電容量の変動成
分(可変容量)の割合が小さいため、充分な信号出力を得るためには駆動電圧を高くする
必要があることから、低電圧化を図る事が難しく、省電力化が困難であるという問題点が
ある。
また、上記のような薄膜振動子をICなどの集積回路と一体化することにより各種の電
子回路などをさらに小型化することができる可能性が考えられる。しかしながら、一般に
前述のように圧電体薄膜を用いた薄膜振動子では、シリコン基板上に圧電体薄膜を有する
振動子構造を形成しても、通常のシリコン半導体プロセスでは用いられない材料、すなわ
ち圧電体、例えば、上記のAlN,PbZrO3,PbTiO3などを構成する異種材料を
用いる必要があるため、半導体基板上に構成されたトランジスタなどの回路素子の特性に
影響を与える可能性がある。また、一般に良好な結晶性を備えた特性の良い圧電体薄膜を
形成する場合には、通常のシリコン半導体プロセスで用いられる温度よりかなり高い(例
えば800℃を越える)基板温度で成膜する必要があるが、このような温度では、半導体
基板中のドーピング分布の変化などによる素子特性の変成、素子破壊、配線の溶断などが
発生する可能性がある。
一方、上記の静電力を利用した可動構造を有する振動子では、可動体を高速に往復動作
させることが困難であることから、振動子の高周波化が難しいという問題点がある。また
、半導体基板である例えばシリコン基板と振動子の間の容量成分が大きく、振動による可
変容量をとらえにくいため高電圧で駆動する必要があった。
そこで、本発明は上記の問題点の少なくとも一部を解決するものであり、その目的は、
圧電体を用いなくても一般的な薄膜形成技術によって形成できるとともに、半導体基板と
振動子間の寄生容量が小さくて、高周波化と低電圧駆動が可能な薄膜振動子を有する半導
体装置を提供することにある。また、半導体回路と容易に一体化することができる薄膜振
動子を有する半導体装置の構造を提供することにある。
本発明の半導体装置は、静電力によって振動する振動部と電極を有する振動体と、絶縁
膜と、半導体基板とを備える半導体装置であって、前記振動体と前記半導体基板が接合す
る領域の前記半導体基板裏面の少なくとも一部が刳り抜かれ、刳り抜かれた部分の前記振
動体と前記半導体基板の接合する領域が前記絶縁膜のみからなることを特徴とする。
この発明によれば、振動体直下の半導体基板をなくすことにより、半導体基板と振動体
間の寄生容量が低減できる。従って、振動体を高電圧で駆動する必要がなくなり、振動に
よる可変容量をとらえ易くなり、更なる駆動電圧の低電圧化が可能になる。
本発明の半導体装置は、半導体基板上に間隙を介して配置された振動部を有する振動層
と、前記振動部の両側にそれぞれ間隙を介して対向配置される電極面を備えた励振電極と
、前記振動部及び前記励振電極に接続された回路構造とを有する薄膜振動子と、絶縁膜と
を備える半導体装置であって、前記薄膜振動子と前記半導体基板が接合する領域の前記半
導体基板裏面の少なくとも一部が刳り抜かれ、刳り抜かれた部分の前記薄膜振動子と前記
半導体基板の接合する領域が前記絶縁膜のみからなることを特徴とする。
この発明によれば、圧電体を用いない薄膜の厚み振動子なので、回路と一体形成を行う
ときに、異種材料が半導体基板上の素子(トランジスタ等)の特性に影響することが少な
い。また、異種材料の拡散や異種材料形成時の温度管理などの問題が発生せず、形成が容
易である。さらに、振動子直下の半導体基板をなくすことにより、半導体基板と振動子間
の寄生容量が低減できる。従って、振動子を高電圧で駆動する必要がなくなり、振動によ
る可変容量をとらえ易くなり、更なる駆動電圧の低電圧化が可能になる。
また、本発明の半導体装置は、前記回路構造により前記振動部の外面と前記電極面との
間に静電力を発生させて前記振動部に前記外面間の厚みが増減する伸縮モードの振動を励
起させるように構成されていることを特徴とする。
この発明によれば、この振動部の両側にそれぞれ間隙を介して対向配置される電極面を
備えた励振電極を設けることにより、励振電極の間に配置された振動部が静電力を受けて
伸縮モードの振動、すなわち、電極面に間隙を介して挟まれた振動部の厚みを増減させる
振動が励起されるため、撓み振動や捩り振動などの振動モードとは異なり振動モードその
ものが振動子の高周波化に適していると同時に、振動部を構成する素材の機械定数や厚み
によって周波数を設定することができるため、振動モードの高周波化が容易になる。
また、上記のような伸縮モードの振動であることに加えて振動部が基板上に間隙を介し
て配置されているため、振動部に励起される振動エネルギーの損失を低減することができ
る。
さらに、半導体製造プロセスを用いる場合においては、圧電体などの異種材料の使用や
高温成膜などの高温処理を必要としないので、他の回路構造への悪影響を防止することが
できることから、振動子構造とこれに接続される回路構造とを容易に一体化することがで
きる。
ここで、振動部の伸縮モードの振動は、振動層と励振電極との間の静電容量を変化させ
るので、この静電容量の変化によって共振器を構成したり、クロック信号を生成したりす
ることが可能になる。
また、上記間隙には、振動部の振動を実質的に妨げない程度の、絶縁性を有する流体、
粒体、柔軟層などが介在していてもよい。ここで、柔軟層は、振動部を構成する素材より
も小さなヤング率を有するものである必要があり、特に、振動部を構成する素材のヤング
率の0.1倍以下のヤング率を有するものであることが好ましい。
本発明において、前記半導体基板はシリコン基板であり、前記振動層はポリシリコン薄
膜で構成されていることが好ましい。シリコン基板上にポリシリコン薄膜で振動層を形成
することにより、通常のシリコン半導体プロセスにて振動子を構成することができるとと
もに、上記の回路構造やその他の回路などを半導体基板上に一体に構成することができる
本発明において、前記電極面は平面であり、前記振動部の前記外面は前記電極面と平行
な平面となっていることが好ましい。これによれば、電極面に挟まれた振動部の厚み方向
の振動を効率的に励起させることができる。
本発明において、前記外面及び前記電極面は、前記半導体基板の表面と垂直に構成され
ていることが好ましい。振動部の外面と励振電極の電極面とが半導体基板の表面と垂直に
構成されていることにより、振動部及び励振電極の半導体基板上の平面パターンによって
外面及び電極面の形状が決定されるので、当該形状をパターニングによって構成すること
ができるため、振動子構造を容易に形成することができる。また、上記のように構成する
ことによって振動子構造と半導体基板との間の寄生容量を小さくすることができるため、
後述するγ値を小さくすることができ、駆動電圧の低電圧化が可能になる。
本発明において、前記回路構造は前記半導体基板上に一体に構成されていることが好ま
しい。これによれば、励振電極を駆動する励振回路や出力回路などを一体に構成すること
ができるため、振動子(発振回路、共振器、フィルタなど)をさらにコンパクトに構成で
きる。また、半導体基板上に構成された集積回路内に上記の振動層及び電極層を含む振動
子構造を組み込むことが可能になるので、種々の電子回路の小型化を図ることが可能にな
る。
(第1実施形態)
次に、添付図面を参照して本発明に係る実施形態について詳細に説明する。図1は第1
実施形態の薄膜振動子100を備える半導体装置の概略平面図、図2は薄膜振動子100
を備える半導体装置の縦断面図(図1のII−II線に沿った断面を示す図)である。
第1実施形態の振動体である薄膜振動子100は、半導体基板101の表面上に形成さ
れた絶縁膜102を有し、その上に振動層110と、電極層120とが形成されている。
振動層110は、絶縁膜102の表面上に固定された基部111と、この基部111に接
続された振動部112とを有する。この振動部112は、絶縁膜102の表面上に間隙を
介して配置されている。図示例では、振動部112は基部111から片持ち梁状に張り出
した形状を有する。振動部112は基部111よりも幅が小さく形成されている。また、
振動部112は、平面方向、より具体的には前後方向(図1の上下方向、図2の前後方向
)に一対の相互に平行な平面で構成される外面112a,112bを備えている。
電極層120は、絶縁膜102の表面上に固定された基部121と、この基部121に
接続された電極部122A,122Bを有する。電極部122A,122Bは絶縁膜10
2の表面上に間隙を介して配置されている。図示例では、電極部122A,122Bは基
部121から片持ち梁状に振動層110側に張り出した形状をそれぞれ有する。電極部1
22Aと122Bは上記振動部112の両側(より具体的には平面方向両側、図示例では
前後両側)にそれぞれ配置されている。そして、電極部122A,122Bは、振動部1
12の上記外面112a,112bにそれぞれ対向する電極面122a,122bを備え
ている。これらの電極面122a,122bは、振動部112の外面112a,112b
と相互に平行な平面で形成されている。
半導体基板101には、薄膜振動子100が形成された領域の半導体基板101の裏面
から絶縁膜102まで刳り抜かれて凹部107が形成される。刳り抜く領域は、薄膜振動
子100が形成された領域の一部分でも良いが、薄膜振動子100が形成された領域すべ
てにわたって半導体基板101の裏面から刳り抜くのが好ましい。刳り抜きの結果、薄膜
振動子100は絶縁膜102上に形成された構成になる。
上記の振動層110と電極層120は、それぞれ半導体基板101上に形成された回路
構造130に接続されている。回路構造130は、上記電極層120に励振電位を供給す
るとともに、上記振動層110の振動に基づいて所定の出力信号を形成するように構成さ
れている。この回路構造130は半導体基板101上においてモノリシックに構成されて
いる回路素子、半導体基板101上に形成された薄膜を構成要素の少なくとも一部として
構成されている回路素子などで構成されている。
振動層110及び電極層120は、電位を伝えることのできる或る程度の導電性を有す
るとともに、静電気を表面に誘起可能なものであればよい。たとえば、半導体でも導体で
もよいが、特に製造が容易で、回路構造130にも影響を与えにくいことから、ポリシリ
コン薄膜で構成されていることが好ましい。特に、上記半導体基板101がシリコン基板
で構成されている場合、ポリシリコン薄膜で振動層110及び電極層120を形成すると
、通常のシリコン半導体製造プロセスにて上記薄膜振動子を形成することができることか
ら、製造が容易になるとともに、他の回路構造に与える影響を低減できる。ここで、ポリ
シリコン薄膜の導電率を調整するために、適宜にドーピングを行ってもよい。なお、振動
層110及び電極層120は、Al,Cu,Ag,Au,Pt,W,Moなどの金属やI
ZO,ITO,ZnOなどの酸化物導電体などで構成されていてもよい。
図3には、上記薄膜振動子100における絶縁膜102上に構成された上記振動層11
0及び電極層120の等価回路を示す。ここで、Caは振動層110と電極層120との
間の静電容量の可変成分、Rは抵抗(損失)、Lはインダクタンス、Coは静電容量の定
常成分、Cpは薄膜振動子100と半導体基板101間に発生する寄生容量である。ここ
で、Ca,Coは、主に振動層110と電極層120との間の静電容量に基づき、Cpは
、振動層110及び電極層120と半導体基板101との間の静電容量などに基づく寄生
容量によるものである。また、静電容量の可変成分Caは、振動部112の機械的振動に
起因するもの、典型的には外面112a,112bと電極面122a,122bとの間の
ギャップ変化に起因するものである。
この薄膜振動子100の性能は、上記静電容量の可変成分と定常成分(寄生容量を含む
)の比γ=Ca/(Co+Cp)によって大きく影響を受ける。このγ値が大きくなると
、静電容量の変動成分Caによる充放電電流が大きくなるので、励振電圧が低くても出力
電位を大きくすることができるため、出力信号のS/N比が高くなり、励振電圧も低電圧
化できる。
本実施形態の場合、振動部112及び電極部122A,122Bを絶縁膜102の表面
上に間隙を介して配置しているため、静電容量の定常成分Coを小さくすることができる
。また、振動部112の外面112a,112b及び電極部122A,122Bの電極面
122a,122bが半導体基板101の表面と垂直に構成されているため、半導体基板
101の表面に対する寄生容量の影響が少なくなり、その結果、上記γ値を高めることが
できる。さらに、本実施形態では、薄膜振動子100が形成された領域の半導体基板10
1の裏面が刳りぬかれているため、絶縁膜102を介して発生する振動層110及び電極
層120と半導体基板101との間の寄生容量であるCpをより小さくすることができる
。その結果、振動子としての性能をさらに高めることができる。
この実施形態では、振動部112並びに電極部122A及び122Bに所定の電位を与
えることによって、外面112a,112b及び電極面122a,122bの表面に電荷
が出現するように構成することで、外面112a,112bと電極面122a,122b
との間に静電力が発生し、この静電力によって振動部112の厚み(電極部122A,1
22Bによって挟まれている方向の幅、すなわち外面112aと112bの間の厚み)が
増減する態様で機械的振動を発生させることができる。
より具体的には、外面112a,112bに誘起される電荷と、電極面122a,12
2bに誘起される電荷とが同極性である場合には、外面と電極面との間に反発力が働くの
で、振動部112は厚み方向に縮み、外面に誘起される電荷と、電極面に誘起される電荷
とが逆極性である場合には、外面と電極面との間に吸引力が働くので、振動部112は厚
み方向に伸びることになる。このような機械的な伸縮振動は、外面と電極面との間隔を増
減させるため、この間隔の増減を電気的に取り出すことによって高周波信号を出力するこ
とができる。例えば、外面と電極面との間隔の増減によって振動層110と電極層120
との間の静電容量が増減するため、その静電容量の可変成分Caを利用して振動子を構成
できる。また、上記の機械的な伸縮振動は、振動層110の電位変化や振動層10を流れ
る電流量の変化にも現れるので、振動層110の電位や電流の変化に応じた出力を構成し
てもよい。
図4は、上記第1実施形態の変形例の構成を示す平面図である。この薄膜振動子100
′では、絶縁膜102上に上記と同様の振動層110、電極層120及び回路構造130
を備えているので、同一部分には同一符号を付し、それらの説明は省略する。
この薄膜振動子100′では、振動部112の外面上に外面導電膜112a′,112
b′が形成され、電極部122A,122Bの電極面上に電極導電膜122a′,122
b′が形成されている点で、上記実施形態とは異なる。このように外面導電膜及び電極導
電膜を形成することにより、振動部112と電極部122A,122Bの対向面上に電荷
が現れやすくなり、電位の面内均一性も向上するので、安定した振動特性を得ることがで
きる。また、振動部112及び電極部122A,122Bの導電率を実質的に高めること
ができるため、振動子の抵抗を低下させることができる。なお、上記の外面導電膜と電極
導電膜のいずれか一方のみが形成されていてもよい。
図5は、本実施形態での薄膜振動子100のインピーダンスの周波数特性を、模式的に
示した図である。点線は、薄膜振動子100が形成された領域の半導体基板101の裏面
を刳り抜いて凹部107を形成しない状態での周波数特性を表し、実線は、半導体基板1
01の裏面を刳り抜いた状態での周波数特性を表す。半導体基板101の裏面を刳り抜い
た場合、振動層110及び電極層120と半導体基板101との寄生容量であるCpが減
少して、共振周波数でのインピーダンス変化が大きくなり、振動子としてさらに利用しや
すくなる。
図6は、上記実施形態での薄膜振動子100の回路構造130の具体例を示すものであ
る。回路構造130には、交流電源Ab、負荷抵抗RL、直流バイアス電圧Vdcを含む
。上記の薄膜振動子100は、電極層120に交流電源Abにより交流入力電圧vi=v
sinωtを印加すると、振動部112は静電力によって上述のように厚み方向の機械的
伸縮振動を生ずる。そして、この機械的伸縮振動によって外面112a,112bと電極
面122a,122bの間隔が変化するため、外面112aと電極面122aとの間の静
電容量Csa、及び、外面112bと電極面122bの間の静電容量Csbが変動するの
で、振動部112の機械的伸縮振動と同期して直流バイアス電圧Vdcに基づいて負荷抵
抗RLを流れる電流が変動し、これによって出力端子Voの電位が振動し、振動部112
の振動に対応した振動波形が出力される。このような回路構造の構成は一例であり、他の
適宜の回路構成を採用することができる。また、通信回路などの種々の電子回路内に上記
振動子構造を組み込む形で構成することも可能である。
図7は、上記第1実施形態での薄膜振動子100のインピーダンスの周波数特性を示す
。図示実線はインピーダンスを、図示破線は位相を表す。0.5〜1.5GHzの周波数
帯域に大きな共振特性が観察される。
図8は、上記第1実施形態の製造工程を示す概略工程断面図(a)〜(g)である。上
記の薄膜振動子100を製造する場合には、最初に、図8(a)に示すように半導体基板
101の表面上に熱酸化、塗布焼成処理、蒸着やスパッタリングなどにより酸化シリコン
などの絶縁膜102を形成する。この絶縁膜102は、半導体基板101が或る程度導電
性を有する場合に、半導体基板101と、上記の振動層110及び電極層120で構成さ
れる振動子構造との間の絶縁を確保するためのものである。半導体基板101は回路構造
130を一体に構成する上では例えばシリコン基板などの半導体基板であることが好まし
い。
次に、図8(b)に示すように、所定領域に犠牲層103を形成し、この犠牲層103
に隣接して両側に配置される構造層104を形成する。犠牲層103は構造層104に対
して高い選択性をもって除去できる素材であればよく、PSG(燐ドープガラス)などの
無機材料やレジストその他の合成樹脂などで形成できる。また、構造層104は、上記振
動層110及び電極層120の一部となるものであり、例えばポリシリコン(多結晶シリ
コン)で構成される。実際には、例えば、犠牲層103の成膜、パターニング、構造層1
04の成膜、パターニングの順で上記構造が形成される。
次に、図8(c)に示すように、上記犠牲層103及び構造層104の上に構造層10
5が形成される。この構造層105は、犠牲層103の上を覆い、さらにその両側の上記
構造層104の上にかかるように形成される。構造層105は上記構造層104と同様の
素材で構成できる。
次に、上記構造層105をパターニングして、図1に示す振動子構造の平面パターンを
形成する。このとき、構造層104もまた同時にパターニングしてもよい。このパターニ
ング工程は、例えば、図8(d)に示すように、構造層105の上に感光性樹脂などによ
りレジスト106を形成し、このレジスト106に露光・現像処理などを施して露出部分
(図示例では開口部106aのみを示す)を設け、この開口部106aや他の露出部分を
通して図8(e)に示すように構造層105の一部をウエットエッチングやドライエッチ
ングなどにより除去することによって行われる。この工程によって、構造層104及び1
05は、上記の振動層110及び電極層120の形状を有するものとなる。
次に、上記のように除去された構造層105の除去部分の一部(上記開口部106aに
対応する部分)は、上記犠牲層103を露出させるので、図8(f)に示すようにその一
部を通して犠牲層103を除去する。この犠牲層103の除去は、ウエットエッチングに
よって行うことができる。これによって、図1及び図2に示す振動子構造を持つ薄膜振動
子100が形成される。
薄膜振動子100が形成された後、図5(g)に示すように薄膜振動子100が形成さ
れた領域の半導体基板101の裏面を絶縁膜102まで刳り抜いて凹部107を形成する
。刳り抜きは、刳り抜かない部分にレジストを形成して、ウエットエッチングやドライエ
ッチングによって行うことができる。エッチングストップは、半導体基板101と絶縁膜
102のエッチングレートの違いによって行う。従って、エッチングレートの違いの大き
い、つまり選択比の大きなエッチングを行うのが好ましい。
例えば、ウエットエッチングとしては、KOHやTMAH溶液(水酸化テトラメチルア
ンモニウム)が使用できる。また、ドライエッチングとしては、RIE(リアクティブ・
イオン・エッチング)やRIE(リアクティブ・イオン・エッチング)とCDE(ケミカ
ル・ドライ・エッチング)のコンビネーションによるエッチングが使用できる。
さらに、レジストの形成を行わないで、FIB(収束イオンビーム)加工による刳り抜
き又はレーザーによる刳り抜き等で凹部107を形成することも可能である。
半導体基板101の刳り抜きは、薄膜振動子100形成前、薄膜振動子100形成後の
いずれで行っても良い。薄膜振動子100と回路を、例えばワイヤーボンディングやハン
ダバンプや金属バンプで接合する場合には、接合時の圧力に対する半導体基板101の強
度を考慮すると、薄膜振動子100と回路を接合後に刳り抜きによる凹部107の形成を
行うのが好ましい。
なお、図4に示した外面導電膜112a′,112b′及び電極導電膜122a′,1
22b′は、上記のように構成された振動子構造に対して塗布や蒸着などを施すことによ
って形成される。
(第2実施形態)
図9は、上記第1実施形態とは異なる別の第2実施形態の薄膜振動子200の構造を示
す概略縦断面図である。この薄膜振動子200は、半導体基板201の上に絶縁膜202
が形成され、その上に振動層210及び電極層220が形成されて、薄膜振動子200が
形成された領域の半導体基板201の裏面から絶縁膜202まで刳り抜かれて凹部207
が形成されている点では、先に説明した第1実施形態の薄膜振動子100と同様である。
この第2実施形態が先の第1実施形態と異なる点は、振動層210の基部211から伸び
る振動部212の上下両側に、電極層220の基部221から伸びる一対の電極部222
A,222Bが配置されている点にある。すなわち、図1に示す先の第1実施形態では、
振動部112の平面方向両側に一対の電極部122A,122Bが配置されていたのに対
して、この第2実施形態では、振動部212の垂直方向両側に一対の電極部222A,2
22Bが配置されている。また、この実施形態では、一方の電極部222Aが半導体基板
201の上に(図示例ではその上の絶縁膜202上に)間隔を介することなく直接に形成
されている。このため、半導体基板201と振動層210及び電極層220の当接面積は
若干大きくなるため、上記静電容量の定常成分Coは若干増大するが、基本的な作用効果
は同様のものとすることができる。
第2実施形態を製造する場合には、図示点線で示すように、半導体基板201(絶縁膜
202)上に形成された第1層によって振動層210の基部211の下層部分及び電極層
220の電極部222Aを構成し、この第1層の上に犠牲層などを利用して間隙を構成し
、さらにその上の第2層によって基部211の上層部分、振動部212及び基部221の
中層部分を構成し、この第2層の上に犠牲層などを利用して間隙を構成し、さらにその上
の第3層によって基部221の上層部分及び電極部222Bを構成するようにすればよい
(第3実施形態)
図10に第1実施形態において、基部111,121と半導体基板101(絶縁膜10
2)の接合する部分のみ半導体基板101を刳り抜いた場合の半導体装置の縦断面図を示
した。刳り抜きは、接合する部分の一部分でも構わないが、接合する部分の全体を繰り抜
けば、電極と半導体基板101の絶縁膜102を介した寄生容量の低減に効果的である。
また、第1実施形態のように接合部分以外も刳り抜けば、寄生容量の低減に効果があるが
、半導体基板101の強度等も考慮して刳り抜く領域を選択する。
尚、本発明の薄膜振動子は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要
旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
(変形例1)
上記各実施形態では、半導体基板と振動部との間隔、及び、振動部と電極部との間隙が
空隙として構成されているが、これらの間隙が絶縁性を有する液体、粒体などのような流
動物質で満たされていてもよく、また、上記間隔に振動部よりもヤング率の低い絶縁素材
からなる柔軟層が配置されていても構わない。これらの材料は上記振動部の伸縮振動を本
質的に妨げるものではないからである。ただし、振動部よりもヤング率の低い柔軟層が上
記間隔に配置されている場合には、当該柔軟層のヤング率は、振動部のヤング率の0.1
倍以下であることが好ましい。これは、柔軟層による振動部の振動エネルギーの損失を低
減する必要があるからである。このような柔軟層を構成する素材としては、例えば、ポリ
イミド樹脂が挙げられる。
(変形例2)
半導体基板はシリコン以外のGaAs,SiGe等でも適用可能であり、振動体もシリ
コンに限定されることなく、GaAs,SiGe等でも形成可能である。
(変形例3)
上記実施形態は、振動体を備えた半導体装置であれば適用可能である。例えば、リニア
型、屈曲型、屈曲改良型、径振動基本型などの構造を持つものにも応用できる。
(変形例4)
上記実施形態の絶縁膜は、酸化シリコンに限定されず絶縁膜であれば適用可能である。
例えば、窒化シリコン等の半導体製造で使用される絶縁膜であれば好ましい。
第1実施形態の半導体装置の平面図。 半導体装置の縦断面図。 半導体装置の等価回路図。 変形例の平面図。 凹部を形成した場合のインピーダンスの周波数特性を示す図。 薄膜振動子の回路構成例を示す回路図。 薄膜振動子のインピーダンスの周波数特性を示す図。 半導体装置の製造工程を示す工程断面図(a)〜(g)。 第2実施形態の半導体装置の縦断面図。 第3実施形態の半導体装置の縦断面図。
符号の説明
100…振動体としての薄膜振動子、101…半導体基板、102…絶縁膜、107…半
導体基板に刳りぬかれた凹部、110…振動層、111…基部、112…振動部、112
a,112b…外面、120…電極層、121…基部、122A,122B…電極として
の電極部、122a,122b…電極面、130…回路構造、200…振動体としての薄
膜振動子、201…半導体基板、202…絶縁膜、207…半導体基板に刳り抜かれた凹
部、210…振動層、211…基部、212…振動部、220…電極層、221…基部、
222A,222B…電極としての電極部。

Claims (7)

  1. 静電力によって振動する振動部と電極を有する振動体と、
    絶縁膜と、
    半導体基板とを備える半導体装置であって、
    前記振動体と前記半導体基板が接合する領域の前記半導体基板裏面の少なくとも一部が
    刳り抜かれ、刳り抜かれた部分の前記振動体と前記半導体基板の接合する領域が前記絶縁
    膜のみからなることを特徴とする半導体装置。
  2. 半導体基板上に間隙を介して配置された振動部を有する振動層と、
    前記振動部の両側にそれぞれ間隙を介して対向配置される電極面を備えた励振電極と、
    前記振動部及び前記励振電極に接続された回路構造とを有する薄膜振動子と、
    絶縁膜とを備える半導体装置であって、
    前記薄膜振動子と前記半導体基板が接合する領域の前記半導体基板裏面の少なくとも一
    部が刳り抜かれ、刳り抜かれた部分の前記薄膜振動子と前記半導体基板の接合する領域が
    前記絶縁膜のみからなることを特徴とする半導体装置。
  3. 前記回路構造により前記振動部の外面と前記電極面との間に静電力を発生させて前記振
    動部に前記外面間の厚みが増減する伸縮モードの振動を励起させるように構成されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記半導体基板はシリコン基板であり、前記振動層はポリシリコン薄膜で構成されてい
    ることを特徴とする請求項2又は3に記載の半導体装置。
  5. 前記電極面は平面であり、前記振動部の前記外面は前記電極面と平行な平面となってい
    ることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか一項に記載の半導体装置。
  6. 前記外面及び前記電極面は、前記半導体基板の表面と垂直に構成されていることを特徴
    とする請求項2乃至5のいずれか一項に記載の半導体装置。
  7. 前記回路構造は、前記半導体基板上に一体に構成されていることを特徴とする請求項2
    乃至6のいずれか一項に記載の半導体装置。
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