JP2005229127A - 半導体装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】MOSFETに匹敵する性能を有した半導体装置を提供する。
【解決手段】絶縁表面を有する基体上に前記絶縁基板に対して平行に結晶化された針状または柱状結晶が複数集合することによって形成された結晶性珪素膜を有する半導体装置であって、前記結晶性珪素膜は、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域及び前記ドレイン領域に隣接するチャネル形成領域とを有し、前記チャネル形成領域は、酸素を含む複数の局部的に形成された不純物領域と、キャリア移動領域とを有し、前記複数の不純物領域は、前記ソース領域と前記ドレイン領域を結ぶ方向にそれぞれ平行に形成されていることを特徴とする半導体装置。
【選択図】図8

Description

本明細書で開示する発明は、絶縁表面を有する基体上に形成された半導体薄膜を活性層とする半導体装置に関する。特に、結晶性珪素膜で活性層を構成した薄膜トランジスタに関する。
近年、絶縁表面を有する基体上に形成された半導体薄膜(厚さ数百〜数千Å程度)を用いて薄膜トランジスタ(TFT)を構成する技術が注目されている。薄膜トランジスタはICや電気光学装置のような電子デバイスに広く応用され、特に画像表示装置のスイッチング素子として開発が急がれている。
例えば、液晶表示装置においてはマトリクス状に配列された画素領域を個々に制御する画素マトリクス回路、画素マトリクス回路を制御する駆動回路、さらに外部からのデータ信号を処理するロジック回路(プロセッサ回路やメモリ回路など)等のあらゆる電気回路にTFTを応用する試みがなされている。
この様なTFTの心臓部ともいうべき重要な部分はチャネル形成領域およびチャネル形成領域とソース/ドレイン領域とを接合するジャンクション部分である。即ち、活性層が最もTFTの性能に影響を与えると言える。
TFTの活性層を構成する半導体薄膜としては、プラズマCVD法や減圧熱CVD法を用いて形成される珪素(シリコン)膜が一般的に利用されている。
現状においては、非晶質珪素膜(アモルファスシリコン膜)を用いたTFTが実用化されているが、駆動回路やロジック回路などの様に、さらなる高速動作性能を求められる電気回路には、結晶性珪素膜(ポリシリコン膜)を利用したTFTが必要とされる。
基体上に結晶性珪素膜を形成する方法としては、本出願人による特開平6-232059号公報、特開平6-244103号公報に記載された技術が公知である。この公報に記載されている技術は、珪素の結晶化を助長する金属元素(特にニッケル)を利用することにより、500 〜600 ℃、4時間程度の加熱処理によって結晶性の優れた結晶性珪素膜を形成することを可能とするものである。
また、特開平7-321339に記載された技術は上記技術を応用して基体に概略平行な結晶成長を行わすものであり、発明者らは形成された結晶化領域を特に横成長領域(またはラテラル成長領域)と呼んでいる。
係る技術により形成された結晶性珪素膜は、柱状または針状の結晶がほぼ進行方向を揃えた状態で集合した結晶構造体を有するため結晶性に優れているといった特徴がある。そのため、上記公報記載の技術を用いて形成した結晶性珪素膜をTFTの活性層として利用すると、高い動作性能を持つことTFTを作製できることが判っている。
しかし、この様なTFTを用いて駆動回路を構成してもまだまだ要求される性能を完全に満たすには及ばない。特に、高速動作と高耐圧特性を同時に実現する極めて高性能な電気特性を要求される高速ロジック回路を、従来のTFTで構成することは不可能なのが現状である。
以上の様に、電気光学装置等の高性能化を図るためには単結晶シリコンウエハーを用いて形成されたMOSFETに匹敵する性能を有するTFTを実現しなくてはならない。
そこで本明細書で開示する発明は、電気光学装置のさらなる高性能化を実現するためのブレイクスルーとなる、極めて高性能な薄膜半導体装置およびその作製方法を提供することを課題とする。
従来の方法では上述の様な高性能なTFTを得ることができなかった理由として、針状または柱状結晶の結晶粒界(本明細書における結晶粒界とは、断りがない限り針状または柱状結晶間の境界を指す)においてキャリア(電子または正孔)が捕獲がされ、TFT特性を示すパラメータの一つである電界効果移動度の向上が妨げられていたことが考えられる。
例えば、結晶粒界にはシリコン原子の不対結合手(ダングリングボンド)や欠陥(捕獲)準位が多数存在している。また、結晶化の際に結晶化を助長する金属元素を利用すると、結晶粒界に金属元素が偏析することが判っている。
従って、個々の針状または柱状結晶の内部を移動するキャリアは結晶粒界に接近もしくは接触すると容易に不対結合手や欠陥準位等にトラップされてしまうため、結晶粒界はキャリアの移動を阻害する「悪性の結晶粒界」として振る舞っていたと考えられる。
本発明の半導体装置を実現するには、この様な「悪性の結晶粒界」を構造変化させ、キャリアにとって「良性の結晶粒界」に変成させるための技術が不可欠である。即ち、少なくともキャリアを捕獲する確率が小さく、キャリアの移動を妨げる可能性の小さい結晶粒界を形成とすることが重要であると言える。
そのために本明細書で開示する発明の構成は、
半導体薄膜でなる活性層を有する半導体装置を作製するにあたって、
絶縁表面を有する基体上に非晶質珪素膜を成膜する工程と、
前記非晶質珪素膜上に選択的にマスク絶縁膜を形成する工程と、
前記非晶質珪素膜に対して結晶化を助長する金属元素を選択的に保持させる工程と、
第1の加熱処理により前記非晶質珪素膜の少なくとも一部を結晶性珪素膜に変成させる工程と、
前記マスク絶縁膜を除去する工程と、
後の活性層として、パターニングにより前記結晶性珪素膜のみで構成される島状半導体層を形成する工程と、
ハロゲン元素を含む雰囲気中において第2の加熱処理を行うことにより前記島状半導体層中の前記金属元素をゲッタリング除去すると共に、熱酸化膜でなるゲイト絶縁膜を形成する工程と、
を少なくとも有し、
前記活性層は前記基体と概略平行な針状または柱状結晶が複数集合して形成されることを特徴とする。
また、他の発明の構成は、
半導体薄膜でなる活性層を有する半導体装置を作製するにあたって、
絶縁表面を有する基体上に非晶質珪素膜を成膜する工程と、
前記非晶質珪素膜上に選択的にマスク絶縁膜を形成する工程と、
前記非晶質珪素膜に対して結晶化を助長する金属元素を選択的に保持させる工程と、
第1の加熱処理により前記非晶質珪素膜の少なくとも一部を結晶性珪素膜に変成させる工程と、
前記マスク絶縁膜を除去する工程と、
後の活性層として、パターニングにより前記結晶性珪素膜のみで構成される島状半導体層を形成する工程と、
ハロゲン元素を含む雰囲気中において第2の加熱処理を行うことにより前記島状半導体層中の前記金属元素をゲッタリング除去する工程と、
前記第2の加熱処理によって形成された熱酸化膜を除去する工程と、
第3の加熱処理を行うことにより前記島状半導体層表面にゲイト絶縁膜として機能する熱酸化膜を形成する工程と、
を少なくとも有し、
前記活性層は前記基体と概略平行な針状または柱状結晶が複数集合して形成されることを特徴とする。
以上の構成に従った作製方法で結晶性珪素膜を形成すると、図9に示す様な外観の薄膜が得られる。図9は非晶質珪素膜の結晶化手段として特開平7-321339号公報記載の技術を用いて本発明を実施した場合の拡大顕微鏡写真であり、長さ数百μmにも及ぶ横成長領域901が形成される。
なお、この横成長領域901は針状または柱状結晶が結晶化を助長する金属元素を添加した領域(902で示される)に対してほぼ垂直に、かつ、互いに概略平行に結晶成長していくため、結晶方向が揃っているという特徴がある。また、903で示されるのは向かい合った添加領域902から延びてきた針状または柱状結晶がぶつかり合って形成された巨視的な結晶粒界(針状または柱状結晶間の結晶粒界とは区別する)である。
さらに、図9に示す横成長領域の内部に着目して、結晶粒内部を25万倍にまで拡大したTEM写真が図10(A)である。また、図14(A)の構造を模式的に表したのが図14(B)である。
即ち、本発明の結晶性珪素膜は巨視的には図9の様に大きな横成長領域901で構成される様に見えるが、実は横成長領域901を微視的に観察すると、図10(B)に示す様に針状または柱状結晶1001が複数集合して構成される様な結晶構造体となっている。
また、図10(B)において1002で示されるのが針状または柱状結晶同士の境界を示す結晶粒界であり、結晶粒界1002の延びる方向から、針状または柱状結晶1001が互いに概略平行な方向に結晶成長したことが確認できる。
また、本発明の半導体装置は、ハロゲン元素を含む雰囲気による加熱処理によって結晶化を助長する金属元素(本明細書ではニッケルを主例とする)がゲッタリング除去され、 1×1018atoms/cm3 以上の濃度で残留していたニッケルが 1×1018atoms/cm3 以下(好ましくは 1×1017atoms/cm3 以下)に低減されていることがSIMS分析(二次イオン質量分析)によって確認されている。
勿論、汚染等により混入した他の金属元素(Cu、Al等)も同様にゲッタリング除去されていると考えられる。
また、この時、ニッケルと結合していたシリコン原子はその結合が切れ、多くの不対結合手を形成するが、上記ハロゲン雰囲気中における加熱処理の間に酸素と結合して酸化物(酸化珪素)を形成する。その結果、「悪性の結晶粒界」であった領域には酸化珪素が形成され、実質的に酸化珪素が結晶粒界として機能する構成になると考えられる。
この様にして形成された結晶粒界1002は、酸化珪素と結晶珪素との界面が格子欠陥を殆ど含まない整合性に優れた状態になると推測される。これは、熱酸化により酸化珪素が形成される過程と、ニッケルの触媒作用によりシリコン原子同士あるいはシリコン原子と酸素原子との再結合が促進される過程との相乗効果によって欠陥の原因となる格子間シリコン原子が消費されるからである。
即ち、図10において1002で示される結晶粒界は、キャリアを捕獲する様な欠陥が殆どなく、針状または柱状結晶内部を移動するキャリアにとって、単にエネルギー的な障壁としてのみ機能する「良性の結晶粒界」として振る舞うと考えられる。
また、この様な結晶粒界は優先的に熱酸化反応が進行するので熱酸化膜が他の領域よりも厚く形成される。そのため、熱酸化膜をゲイト絶縁膜として利用する際に、結晶粒界近傍に印加されるゲイト電圧が見かけ上小さくなることもエネルギー的な障壁になりうると推測される。
ただし、後述のTFT特性を考慮すると、結晶粒界1002のエネルギー障壁はキャリアの移動を完全に妨げる程高いものではなく、結晶粒界を越えて移動するキャリアがかなりの確率で存在すると推測される。
また、この加熱処理を700 ℃を超える(代表的には800 〜1100℃)と比較的高い温度で行う場合には針状または柱状結晶の内部に存在する転位や積層欠陥といった結晶欠陥がほぼ消滅してしまう。さらに、残存したシリコン原子の不対結合手は膜中に含まれる水素やハロゲン元素によって終端される。
従って本発明者らは、以上の様にして得られる図10(A)に示す状態において、複数の針状または柱状結晶の内部の領域を「キャリアにとって実質的に単結晶と見なせる領域」として定義している。
「キャリアにとって実質的に単結晶と見なせる」とは、キャリアが移動するに際してキャリアの移動を妨げる障壁がないことを意味しており、結晶欠陥や粒界がないこと、エネルギー的に障壁となるポテンシャルバリアが存在しないことなどと言い換えられる。
本発明は上記のような構成でなる結晶性珪素膜を利用してTFTに代表される半導体装置の活性層を構成し、駆動回路やロジック回路を構成するに足る高性能な半導体装置を実現するものである。
以上のような本発明の構成について、以下に記載する実施例でもって詳細な説明を行うこととする。
本明細書で開示する発明によれば、単結晶シリコン上に作製したMOSFETに匹敵する高い性能を有したTFTを実現することができる。また、本発明のTFTで構成したリングオシレータは従来のTFTで構成されたリングオシレータに比べて20倍の高速動作が可能である。
さらに、この様な高い特性を有しているにも拘わらずチャネル長が1μm以下という微細領域においても極めて高い耐圧特性を有しており、短チャネル効果が効果的に抑制されていることが確認できる。
以上の様なTFTを用いて構成される集積化回路を電気光学装置に適用することで、電気光学装置のさらなる高性能化が実現できる。また、電気光学装置を応用した応用製品も高性能、高付加価値化することができる。
本実施例では本発明の作製方法に従って形成した結晶性珪素膜を、薄膜トランジスタ(TFT)の活性層として利用した例を示す。図1に示すのはTFTの作製工程の一実施例である。
なお、本実施例で利用する非晶質珪素膜の結晶化手段は、特開平7-321339号公報に記載された技術である。従って、本実施例ではその概略を記載するに止めるので詳細は前記公報を参照すると良い。
まず絶縁表面を有する基体101を用意する。本実施例では石英基板上に下地膜として酸化珪素膜102を2000Åの厚さに成膜する。酸化珪素膜102の成膜方法としては減圧熱CVD法、プラズマCVD法、スパッタ法などを用いれば良い。また、TFT作製工程の上限温度が700 ℃以下である場合には基体101としてガラス基板を用いることも可能である。
なお、後に非晶質珪素膜を結晶化する際、下地膜が緻密である方が得られる結晶性珪素膜の結晶性が良いことが本発明者らの研究により判っている。また、膜中に 5×1017〜 2×1019atoms/cm3 の酸素が含まれると好ましい。膜中に含まれた酸素は後の結晶か助長する金属元素のゲッタリング処理の際に重要な役割を果たす。
次に、非晶質珪素膜103を 750Åの厚さに減圧熱CVD法によって成膜する。成膜ガスとしてはジシラン(Si2 6 )、トリシラン(Si3 8 )等を用いれば良い。なお、減圧熱CVD法により成膜した非晶質珪素膜は後の結晶化の際に自然核発生率が小さい。この事は個々の結晶が相互干渉する(ぶつかりあって成長が止まる)割合が減るため、横成長幅を大きくする上で望ましい。
勿論、非晶質珪素膜103の成膜方法として、プラズマCVD法、スパッタ法等を用いることも可能である。
次に、500 〜1200Åの厚さの酸化珪素膜104をプラズマCVD法またはスパッタ法により成膜し、後に結晶化を助長する金属元素を導入する領域のみを選択的にエッチング除去する。即ち、この酸化珪素膜104は非晶質珪素膜103に対してニッケルを選択的に導入するためのマスク絶縁膜として機能する。
酸化珪素膜104によって露呈される領域105は、紙面に垂直な方向に長手方向を有するスリット状に形成されている。(図1(A))
次に、酸素雰囲気中においてUV光を照射し、領域105によって露呈した非晶質珪素膜103の表面に極薄い酸化膜(図示せず)を形成する。この酸化膜は、後に結晶化を助長する金属元素を導入する際の溶液塗布工程で溶液の濡れ性を改善するためのものである。
なお、結晶化を助長する金属元素としては、Fe、Co、Ni、Ru、Rh、Pd、Os、Ir、Pt、Cu、Auから選ばれた一種または複数種類の元素が用いられるが、本実施例ではNi(ニッケル)を例にとって説明する。
次に、所定の濃度(本実施例では重量換算で10ppm)でニッケルを含有したニッケル硝酸塩溶液(またはニッケル酢酸塩溶液)を滴下し、スピンコート法によりニッケルを含有した薄い水膜106を形成する。非晶質珪素膜中に添加するニッケル濃度は溶液塗布工程においてニッケル塩溶液の濃度を調節することで容易に制御することができる。(図1(B))
次に、不活性雰囲気中において450 ℃、1時間程度の水素出しを行った後、500 〜700 ℃、代表的には550 〜600 ℃の温度で 4〜8 時間の加熱処理(第1の加熱処理)を加えて非晶質珪素膜103の結晶化を行う。こうして結晶性珪素膜107が得られる。(図1(C))
この時、結晶成長は針状または柱状結晶が基板に概略平行な方向に進行する。本実施例の場合は、105で示される領域が図面の手前方向から奥手方向に長手方向を有するスリット状となっているので、矢印108で示されるように結晶成長は概略一方向に向かって進行する。この時、結晶成長は数百μm以上に渡って行わすことができる。
なお、109で示されるのはニッケル添加領域であり、横成長領域107に比べて高い濃度でニッケルを含有している。添加領域109は結晶核が過度に密集して結晶成長するため結晶性はあまり良くない。従って、後に形成する活性層は添加領域109を除いた領域で構成される。
結晶化の際、水膜106に含有されたニッケルは図示しない酸化膜を通して非晶質珪素膜103中に拡散し、結晶化を促進する触媒として機能する。具体的にはニッケルとシリコンとが反応してシリサイドを形成し、それが結晶核となって結晶化が進行する。
この時、結晶成長は結晶核が発生した領域から針状または柱状の結晶が基板に概略平行な方向に伸びて進行する。この際、加熱処理の温度が600 ℃を超えるとニッケルの触媒作用と無関係に自然核発生が生じてしまう。するとニッケルシリサイドを結晶核とする針状または柱状結晶の結晶成長が阻害され、結晶成長の成長幅が短くなるため好ましくない。従って、自然核発生が少なく、導入したニッケルのみによって結晶核が発生する様な条件とすることが望ましい。
次に、結晶化のための加熱処理が終了したら、ニッケルを選択的に添加するためのマスク絶縁膜となった酸化珪素膜104を除去する。この工程はバッファードフッ酸等により容易に行なわれる。
なお、後のハロゲン元素を含む雰囲気中での加熱処理の前および/または後に結晶性珪素膜105に対してエキシマレーザーによるレーザーアニールを施しても構わない。ただし、レーザー照射により結晶性珪素膜の結晶性は改善しうるが、珪素膜表面に凹凸が形成されやすいので注意が必要である。
次に、得られた結晶性珪素膜107をパターニングして島状半導体層110を形成する。島状半導体層110は後にTFTの活性層として機能する。なお、本発明では島状半導体層の配置が重要である。その事については後述する。
また、本実施例では島状半導体層116を形成した後に次のハロゲン元素を含む雰囲気中での加熱処理を行なうが、逆に島状半導体層を形成する前にハロゲン元素を含む雰囲気中での加熱処理を行なっても構わない。
しかし、結晶性珪素膜107を島状に加工してからの方が表面積が増すので、効率良くニッケルをゲッタリングする上で好ましい。
また、島状半導体層110はドライエッチング法で形成されるが、その時島状半導体層のエッジに残留したプラズマダメージがTFTのリーク電流の原因となる恐れがある。本実施例の場合、島状半導体層110のエッジは熱酸化されるのでプラズマダメージの除去も兼ねている。
次に、上記工程により得られた島状半導体層110に対してハロゲン元素を含む雰囲気において加熱処理(第2の加熱処理)を行う。加熱処理の温度範囲は700 ℃を超える温度であり、好ましくは800 〜1000℃(代表的には950 ℃)とし、処理時間は 1〜24時間、代表的には 6〜12時間とする。
本実施例では、酸素(O2 )雰囲気中に対して塩化水素(HCl)を0.5 〜10体積%の濃度で含有させた雰囲気中において、950 ℃、30分の加熱処理を行う。なお、HCl濃度を上記濃度以上とすると、結晶性珪素膜の膜表面に膜厚と同程度の凹凸が生じてしまうため好ましくない。
そして、この加熱処理により島状半導体層110の表面では約250 Åの珪素膜が酸化されて 500Åの熱酸化膜111が形成され、島状半導体層110の膜厚は約 500Åとなる。
ゲッタリングのための加熱処理は、その効果を得るために700 ℃以上の温度で行なうことが重要である。それ以下の温度では膜表面に形成された熱酸化膜がブロッキング層となって十分なゲッタリング効果を得られなくなるからである。
また、ゲッタリング処理は処理温度、処理雰囲気、処理時間を適宜設定することで様々な条件を設定できる。例えば、処理時間を長くして実効的なゲッタリング時間を長めに設定したい場合、処理温度を下げるか、ハロゲン元素の含有量を減らすことで達成できる。
また、本実施例では、島状半導体層110中に含有される(厳密には針状または柱状結晶の結晶粒界に偏析している)ニッケルをハロゲン元素によってゲッタリング除去する目的と、熱酸化膜を形成してそれをゲイト絶縁膜として活用する目的との両方を兼ねている。
勿論、両方の目的を別々に分けて、ゲッタリングのための加熱処理と、熱酸化膜(ゲイト絶縁膜)形成のための加熱処理(第3の加熱処理)とを別々に行なうこともできる。
また、島状半導体層の上に酸化珪素膜でなるゲイト絶縁膜をプラズマCVD法、減圧熱CVD法、スパッタ法のいずれかの手段によって成膜し、その後、上記ハロゲン元素を含む雰囲気における加熱処理を行なっても良い。
なお、本実施例ではハロゲン元素を含む化合物してHClガスを用いる例を示したが、それ以外のガスとして、HF、NF3 、HBr、Cl2 、ClF3 、BCl3 、F2 、Br2 等のハロゲンを含む化合物から選ばれた一種または複数種のものを用いることが出来る。また、一般にハロゲンの水素化物または有機物(炭水素化物)を用いることもできる。
この工程においては針状または柱状結晶の結晶粒界に偏析したニッケルがハロゲン元素の作用によりゲッタリングされ、揮発性の塩化ニッケルとなって大気中へ離脱して除去されると考えられる。
以上のゲッタリング工程によりニッケルが含まれない又はデバイス特性に影響を与えない程度( 1×1018atoms/cm3 以下、好ましくは 1×1017atoms/cm3 以下)にまで低減された島状半導体層110が得られることがSIMS分析により確認されている。また、本明細書における不純物濃度はSIMS分析で得られた計測値の最小値でもって定義される。(図1(D))
なお、本発明者らの知見では結晶化の助長に利用されたニッケルは針状または柱状結晶の結晶粒界に多く偏析する傾向にあり、針状または柱状結晶の内部には実質的には殆ど含まれないと考えられる。
ところが、現状のSIMS分析では結晶内部と結晶粒界の両方の情報を拾ってしまうので、本明細書中におけるニッケルの濃度は、厳密には結晶内部と結晶粒界とに含まれるニッケル濃度を平均化した平均濃度を意味する。
また、ゲッタリング工程を行なった場合、結晶性珪素膜中にはゲッタリング処理に使用したハロゲン元素が 1×1015〜 1×1020atoms/cm3 の濃度で残存する。その際、結晶性珪素膜と熱酸化膜との間に高濃度に分布する傾向がある。
なお、上記ゲッタリング工程において除去されたニッケルは結晶化の際に針状または柱状結晶の結晶粒界へと押し出されて偏析したものである。即ち、結晶粒界ではニッケルシリサイドとして存在していたと考えられる。
ニッケルシリサイドとして存在していたニッケルは塩化ニッケルとなって離脱し、ニッケルとの結合を切られたシリコンの不対結合手は結晶粒界に多く存在する状態となる。
しかし上記工程は酸化性雰囲気中において、比較的高い温度で行われるため形成された不対結合手は容易に酸素と結合して酸化物( SiOX で表される酸化珪素)を形成すると考えられる。即ち、本発明者らは上記一連の加熱工程によって、結晶性珪素膜は酸化珪素が結晶粒界として機能する様な結晶構造体となると考えている。
また、残存した不対結合手は島状半導体層110中に含まれる水素やハロゲン元素によって終端されるか、シリコン同士の再結合によって補償され、さらに、転位や積層欠陥といった結晶欠陥はシリコン原子の再結合や再配列によってほぼ消滅してしまうので、針状または柱状結晶の内部の結晶性も著しく改善されると考えられる。
従って、島状半導体層110はハロゲン雰囲気での加熱処理によりニッケルがデバイス特性に支障がない程度にまで充分除去され、かつ、島状半導体層110を構成する針状または柱状結晶は著しく結晶性が改善されており、キャリアにとって実質的に単結晶と見なせる領域を有した結晶構造体で構成されている。
以上の様にして、ゲイト絶縁膜(熱酸化膜)111の形成まで終了したら、次にゲイト電極を構成するためのアルミニウム膜(図示せず)を2500Åの厚さにスパッタ法でもって成膜する。このアルミニウム膜中には、ヒロックやウィスカー防止のためにスカンジウムを0.2重量%含有させる。
なお、本実施例ではゲイト電極(ゲイト線む含む)を形成する材料としてアルミニムを主成分とする材料を用いているが、他にもタングステン、タンタル、モリブデン等を用いることもできる。また、導電性を付与した結晶性珪素膜をゲイト電極として活用しても構わない。
アルミニウム膜を成膜したら、その表面に図示しない極薄い陽極酸化膜を形成する。この陽極酸化膜は、3%の酒石酸を含んだエチレングリコール溶液をアンモニア水で中和したものを電解溶液として行う。即ち、この電解溶液中において、アルミニウム膜を陽極、白金を陰極として陽極酸化を行う。
この工程で形成される陽極酸化膜は緻密な膜質を有し、後に形成されるレジストマスクとの密着性を向上させるために機能する。なお、この陽極酸化膜の膜厚は100 Å程度とする。また膜厚は印加電圧によって制御することができる。
次に、図1(D)に示す様にアルミニウム膜をパターニングしてゲイト電極の原型となる島状のアルミニウム膜のパターン112を形成する。なおこの際利用したレジストマスク(図示せず)はそのまま残存させておく。(図2(A))
そして、再びアルミニウム膜のパターン112を陽極とした陽極酸化を行う。ここでは、電解溶液として3%のシュウ酸水溶液を用いる。この陽極酸化工程においては、図示しないレジストマスクが存在するために陽極酸化がアルミニウムのパターン112の側面のみにおいて進行する。従って、図2(B)において113で示されるように陽極酸化膜が形成される。
またこの工程で形成される陽極酸化膜113は、多孔質状を有しており、その成長距離も数μmまで行わせることができる。この多孔質状の陽極酸化膜113の膜厚は0.7 μmとする。またこの陽極酸化膜113の膜厚は陽極酸化時間によって制御することができる。
図2(B)に示す多孔質状の陽極酸化膜113を形成したら、図示しないレジストマスクを取り除く。そして、再度の陽極酸化を行うことにより、緻密な陽極酸化膜114を形成する。この陽極酸化工程は、前述の緻密な陽極酸化膜を形成したのと同じ条件で行う。
ただし、形成する膜厚を900 Åとする。この工程においては、多孔質状の陽極酸化膜113の内部に電解溶液が進入するために図2(B)に示すように陽極酸化膜114が形成される。また、陽極酸化膜114の膜厚を1500Å以上というように厚くすると、後の不純物イオンの注入工程において、オフセットゲイト領域を形成することができる。
また、以上の工程を経てゲイト電極115が画定する。緻密な陽極酸化膜114は、後の工程においてゲイト電極115の表面を保護したり、ヒロックやウィスカーの発生を抑制するために機能する。
次に、緻密な陽極酸化膜114まで形成したら、この状態においてソース/ドレイン領域を形成するための不純物イオンの注入を行う。Nチャネル型のTFTを作製するならばP(リン)イオンの注入を行い、Pチャネル型のTFTを作製するならばB(ボロン)イオンの注入を行えば良い。
この工程において、高濃度に不純物が添加されたソース領域116とドレイン領域117が形成される。
次に、酢酸とリン酸と硝酸とを混合した混酸を用いて、多孔質状の陽極酸化膜113を選択的に除去した後に再度Pイオンのイオン注入を行なう。このイオン注入は、先のソース/ドレイン領域を形成する際よりも低ドーズ量でもって行なわれる。(図2(C))
すると、ソース領域116、ドレイン領域117と比較して不純物濃度の低い、低濃度不純物領域118、119が形成される。そしてゲイト電極115直下の120で示される領域が自己整合的にチャネル形成領域となる。
なお、チャネル形成領域120とドレイン領域117との間に配置された低濃度不純物領域119は特にLDD(ライトドープドレイン領域)領域と呼ばれ、チャネル形成領域120とドレイン領域117との間に形成される高電界を緩和する効果を有する。
また、チャネル形成領域120(厳密には針状または柱状結晶の内部)は真性または実質的に真性な領域で構成されている。真性または実質的に真性な領域であるとは、活性化エネルギーがほぼ1/2 (フェルミレベルが禁制帯の中央に位置する)であり、かつ、スピン密度よりも不純物濃度が低い領域であること、あるいは意図的にPやBといった不純物を添加しないアンドープ領域であることを意味している。
さらに、上記の不純物イオンの注入工程の後、レーザー光または赤外光または紫外光の照射を行うことによって、イオン注入が行われた領域のアニールを行う。この処理によって、添加イオンの活性化と、イオン注入時に活性層が受けた損傷の回復が行なわれる。
また、ここでプラズマ水素化処理を300 〜350 ℃の温度範囲で0.5 〜1時間行うと効果的である。この工程は活性層からの水素脱離によって生成した不対結合手を再び水素終端するものである。この工程を行なうと活性層中には 1×1021atoms / cm3 以下、好ましくは 1×1015〜 1×1021atoms / cm3 の濃度で水素が添加される。
こうして図2(C)に示す状態が得られたら、次に層間絶縁膜121成膜する。層間絶縁膜121は、酸化珪素膜、または窒化珪素膜、または酸化窒化珪素膜、または有機性樹脂膜、またはそれらの膜の積層膜でもって構成される。(図2(D))
窒化珪素膜を用いると、前工程で添加した水素がデバイス外部へ再放出するのを防ぐことが出来るので好ましい。
また、有機性樹脂膜であるポリイミドを用いると、比誘電率が小さいので上下配線間の寄生容量を低減することができる。また、スピンコート法で形成できるので容易に膜厚を稼ぐことができ、スループットの向上が図れる。
次に、層間絶縁膜121コンタクトホールの形成を行い、ソース電極122とドレイン電極123とを形成する。さらに350℃の水素雰囲気中において加熱処理を行うことにより、素子全体の水素化を行い、図2(D)に示すTFTが完成する。
図2(D)に示すTFTは説明のため最も単純な構造となっているが、本実施例の作製工程手順に多少の変更・追加を加えることで適宜所望のTFT構造とすることは容易である。従えばアクティブマトリクス型表示装置の画素マトリクス回路を構成する画素TFTや、ロジック回路を構成する回路TFT(インバータ回路、シフトレジスタ回路、プロセッサ回路、メモリ回路等)を作製することが可能である。
ここで、前述の様に島状半導体層110を形成する際に、その配置が重要である理由について説明する。説明は図3を用いて行なう。
本実施例を実施した場合、針状または柱状結晶が互いに概略平行に成長するため、結晶粒界が一方向に揃っているという特徴がある。また、結晶化を助長する金属元素を選択的に添加することで、針状または柱状結晶が結晶成長する方向を自由に制御することが可能である。この事は非常に重要な意味を持っている。
ここで絶縁表面を有する基体上に島状半導体層を形成した一実施例を図3に示す。図3に示すのは、アクティブマトリクス型液晶表示装置を作製するにあたって基体301上にマトリクス状に配置された島状半導体層である。
なお、302の破線で示される領域はニッケルを選択的に導入するための領域が存在した場所である。また、303は横成長領域が互いにぶつかり合って形成された巨視的な粒界が存在した場所である。これらは島状半導体層を形成した後では確認できないため点線で示すことにする。
また、本実施例で示した手段で結晶化を行なう場合、針状または柱状結晶はニッケル添加領域302に対して概略垂直な方向(図中において矢印で示される方向)に成長する。
従って、図3の様に島状半導体304を配置することで、チャネル方向と、針状または柱状結晶の結晶粒界とを同じ方向に揃えることができる。しかも、ニッケル添加領域302を基板301の端から端まで達する様に設計することで、基板全面において前述の様な構成を実現することが可能である。
この様な構成とすると、チャネル方向と針状または柱状結晶の並ぶ方向とが一致することになる。換言すればチャネル方向と、針状または柱状結晶の内部を移動するキャリアの移動方向とが一致することに他ならない。
即ち、TFTの活性層として機能する際に、チャネル形成領域においてキャリアの移動を妨げるエネルギー障壁が極めて少ないことを意味しており、動作速度のさらなる向上が期待できるのである。
従って、本実施例に示したTFTは、針状または柱状結晶の延びる方向とチャネル方向とが一致する様な構成とすることで、非常に高速な動作を実現することができる。
ここで、本実施例に従って本発明者らが作製した図2(D)に示される半導体装置の電気特性を図4に示す。図4(A)はNチャネル型TFTの電気特性(Id-Vg 特性) 、図4(B)はPチャネル型TFTの電気特性を示している。なお、Id-Vg 特性を示すグラフは10点分の測定結果をまとめて表示する。
横軸のVGはゲイト電圧値、縦軸のIDはソース/ドレイン間を流れる電流値である。また、401、403で示されるId-Vg 特性(Id-Vg 曲線)はドレイン電圧VD=1Vの時の特性を示し、402、404で示されるId-Vg 特性はドレイン電圧VD=5Vの時の特性を示している。また、405、406はドレイン電圧VD=1Vの時のリーク電流を示している。
なお、オフ領域(図4(A)では-1V 以下、図4(B)では-1V 以上)のドレイン電流(Ioff) と、オンおよび/オフ領域のリーク電流(IG)は、殆どが 1×10-13 A(測定下限界)以下であるので、図4(A)、(B)ではノイズと混同されてしまっている。
ここで、図4(A)、(B)に示される電気特性から求めた、本発明によるTFTの代表的な特性パラメータを表1、表2に示す。なお、表1はNチャネル型TFTの電気特性(任意の20点測定)の結果であり、表2はPチャネル型TFTの電気特性(任意の20点測定)の結果を示している。
表1、表2において特に注目すべき点は、サブスレッショルド特性(S値、S-value)が60〜100mV/dec の間に収まる程小さく、移動度(μFE、モビリティ)が150 〜300cm2/Vs という様に極めて大きいことである。なお、本明細書中において移動度とは電界効果移動度を意味する。
これらの測定データは従来のTFTでは達成不可能な値であり、まさに本発明によるTFTが単結晶上に作製したMOSFETに匹敵する極めて高性能なTFTであることを証明している。
また同時に、本発明によるTFTは非常に劣化に強いことが繰り返し測定による加速劣化試験によって確認されている。経験的には高速動作するTFTは劣化しやすいという欠点を有しているのだが、本発明によるTFTは劣化もなく、極めて高い耐圧特性を有していることが判明している。
また、表1、表2には参考として平均値および標準偏差(σ値)も記載する。標準偏差は平均値からの分散(バラツキ)の尺度として用いられる。一般的には測定結果(母集団)が正規分布(ガウシアン分布)に従うとすると、平均値を中心に±1σの内に全体の68.3%、±2σの内に95.4%、±3σの内に99.7%が入ることが知られている。
例えば、本発明により作製したNチャネル型TFTを100 個測定すれば、その内約95個のTFTのS値が60〜100mV/dec (Pチャネル型TFTの場合も70〜100mV/dec ) の範囲に収まることを意味している。
本発明者らは、本実施例のTFT特性の分散をより正確に評価するため、540 個のTFTを測定し、その結果から平均値および照準偏差を求めた。その結果、S値の平均値は80.5mV/dec(n-ch)、80.6mV/dec(p-ch)であり、標準偏差は5.8(n-ch) 、11.5(p-ch)であった。また、移動度(max) の平均値は194.0cm2/Vs(n-ch) 、131.8cm2/Vs(p-ch) であり、標準偏差は38.5(n-ch)、10.2(p-ch)であった。
即ち、本発明を利用したNチャネル型TFTにおいては、以下に示す様なTFT特性を得ることができる。
(1)S値のσ値が10mV/dec以内、好ましくは5mV/dec 以内に収まる。
(2)S値が80±30mV/dec以内、好ましくは80±15mV/dec以内に収まる。
(3)μFEのσ値が40cm2/Vs以内、好ましくは35cm2/Vs以内に収まる。
また、本発明を利用したPチャネル型TFTにおいては、以下に示す様なTFT特性を得ることができる。
(1)S値のσ値が15mV/dec以内、好ましくは10mV/dec以内に収まる。
(2)S値が 80±45mV/dec以内、好ましくは80±30mV/dec以内に収まる。
(3)μFEのσ値が15cm2/Vs以内、好ましくは10cm2/Vs以内に収まる。
以上の様に、本発明によるTFTは極めて優れた電気特性を実現するものであり、これまで単結晶上に作製したMOSFETのみが使用されていた様な複雑なSRAM回路やDRAM回路等、高速動作を必要とするロジック回路を構成することが可能である。
また、本実施例ではシングルゲイト構造のTFTの作製工程例のみを記載しているが、ダブルゲイト構造のTFTやそれ以上のゲイト電極を有するマルチゲイト構造のTFTに対しても適用することができる。
また、ゲイト電極として結晶性珪素膜を用いて逆スタガ型TFTを作製することも可能である。即ち、本発明は活性層の結晶性を高めることで実現できるものであって、TFT構造は問わずに実施することができる。
〔本発明で得られる結晶構造体に関する知見〕
本発明によって得られる結晶性珪素膜が図10(A)に示される様な針状または柱状結晶の集合体でなる結晶構造体であることは既に述べた。ここでは、本発明による結晶構造体と他の方法で形成された結晶構造体との比較を行なう。
図11に示す写真は、実施例1の手順で非晶質珪素膜の結晶化までを終えた試料のTEM写真である。即ち、ハロゲン元素を含む加熱処理を行なっていない結晶性珪素膜の結晶構造を示している。
図11において確認できる様に、結晶化直後の針状または柱状結晶の内部には多数の転位欠陥(1101で示される円内)が存在する。しかしながら、図10(A)に示すTEM写真では、その様な転位欠陥は確認されず、きれいな結晶構造となっていることが判る。
この事は、本発明においてハロゲン元素を含む雰囲気での加熱処理が結晶性の改善に大きく寄与していることの証拠となる。
また、図12に示す結晶構造体は、非晶質珪素膜の結晶化条件を本発明とは異なるものとした場合の例である。具体的には、窒素雰囲気中で600 ℃48時間の加熱処理を行うことで非晶質珪素膜を結晶化し、900 〜1100℃程度の温度で熱酸化処理を施してある。
以上の様にして形成した結晶性珪素膜は、図12(A)に示す様に個々の結晶粒が大きく、不規則に分布する粒界によって分割された状態となっている。また、図12(A)を模式的に表したものが図12(B)である。
図12(B)において、結晶粒1201は不規則な粒界1202によって囲まれた状態となっている。従って、実際に図12(A)に示す結晶構造体をTFTの活性層として利用すると、不規則な粒界1202によって生ずるエネルギー障壁がキャリアの移動を阻害してしまう。
一方、図10(A)に示す様な結晶構造体は、図10(B)に示す様に、結晶粒界1002がある程度の規則性をもって配列した状態となっている。従って、針状または柱状結晶の内部において、キャリアの移動を阻害するエネルギー障壁はないと考えられる。
なお、本発明者らが針状または柱状結晶の配列状態を1〜5万倍程度の広視野で観察した結果、針状または柱状結晶がジグザグに進行する様な場合があることが確認されている。これは、結晶成長がエネルギー的に安定な方向へ向かうことに起因する現象であり、結晶方向が転換した箇所には一種の粒界が形成されていると推測される。
しかしながら本発明者らは、針状または柱状結晶の内部に生じうるこの粒界はエネルギー的に不活性な双晶粒界の如きものではないかと推測している。即ち、結晶方向は異なるが、整合性良く連続的に結合した粒界であり、キャリアの移動を妨げる程のエネルギー障壁とならない(実質的に粒界と見なされない)粒界であると考えている。
以上の様に、通常のプロセスで結晶化した多結晶シリコン(ポリシリコン)膜は、図12(A)に示す様な結晶構造を有し、キャリアの移動を遮る様に不規則な粒界が分布するため、高い移動度を達成することが困難である。
しかしながら、本発明による結晶性シリコン膜は図10(A)に示す様な結晶構造を有し、結晶粒界が概略一方向に揃っている上、針状または柱状結晶の内部は実質的にエネルギー障壁となる粒界が存在しないと考えられる。即ち、キャリアは何ら阻害されることなく結晶内部を移動することが可能となるので、極めて高い移動度を達成することができる。
特に、本発明により得られる針状または柱状結晶の注目すべき点は、凹凸や応力等に起因する歪みを避けながら(結晶方向を変えながら)数十〜数百μmもの距離を連続的に成長していくと考えられる点である。
本発明者らの推測が正しければ、本発明による結晶性珪素膜は結晶内部にキャリアトラップとなりうる粒界を形成しないで成長していく、特殊な結晶の集合体で構成される全く新しい結晶構造体であると言える。
本実施例は実施例1で示したTFTでもってCMOS回路を形成する例である。CMOS回路は実施例1で示した様な構造のNチャネル型TFTとPチャネル型TFTとを相補的に組み合わせて構成される。
本実施例におけるCMOS回路の作製工程の一実施例を図5、図6を用いて説明する。なお、本発明により形成される結晶性珪素膜の応用範囲は広く、CMOS回路を形成する方法は本実施例に限ったものではない。
まず実施例1に示す作製手順に従って、石英基板501上に酸化珪素膜502を成膜し、その上に結晶性珪素膜(図示せず)を得る。そしてそれをパターニングすることによりNチャネル型TFTの島状半導体層503とPチャネル型TFTの島状半導体層504とを形成する。
島状半導体層503、504を形成したら、ハロゲン元素を含む雰囲気における加熱処理を行なう。本実施例では処理条件を実施例1と同じものとする。こうして、ゲイト絶縁膜として機能する熱酸化膜505、506が500 Åの厚さで形成される。
なお、ここでは説明を簡単にするために一組のNチャネル型TFTとPチャネル型TFTとを形成する例を示す。実際には同一ガラス基板上に数百以上の単位でNチャネル型TFTとPチャネル型TFTとが形成される。
次に、後にゲイト電極の原型を構成するアルミニウム膜(図示せず)を成膜し、パターニングしてアルミニウム膜のパターン507、508を形成する(パターン形成後もパターニングに使用したレジストマスクは残しておく)。
このアルミニウム膜は実施例1同様、ヒロックやウィスカーの発生を抑制するためにスカンジウムを0.2 wt重量%含有させる。アルミニウム膜の成膜方法はスパッタ法や電子ビーム蒸着法を用いて行う。
ヒロックやウィスカーというのは、アルミニウムの異常成長に起因する刺状あるいは針状の突起物のことである。ヒロックやウィスカーの存在は、隣合う配線間や上限間に離間した配線間においてショートやクロスクトークが発生する原因となる。
アルミニウム膜以外の材料としてはタンタル、モリブデン等の陽極酸化可能な金属を利用することができる。また、アルミニウム膜の代わりに導電性を付与した珪素膜を用いることも可能である。
こうして図5(A)の状態が得られる。アルミニウム膜のパターン507、508を形成したら、次に、実施例1と同様の条件でもってアルミニウム膜のパターン507、508の側面に多孔質の陽極酸化膜509、510を形成する。本実施例ではこの多孔質の陽極酸化膜509、510の膜厚を0.7 μmとする。
さらにに、実施例1と同様の条件でもって緻密で強固な陽極酸化膜511、512の形成を行う。ただし、本実施例ではこの膜厚が700 Åとなる様に到達電圧を調節する。また、この工程によりゲイト電極513、514が画定する。こうして図5(B)の様な状態が得られる。
次に、N型を付与する不純物としてP(リン)イオンを全面にドーピングする。このドーピングは、0.2 〜 5×1015atoms/cm2 、好ましくは 1〜 2×1015atoms/cm2 という高いドーズ量で行う。ドーピング方法としてはプラズマドーピング法やイオンドーピング法を用いる。
この図5(C)に示す工程の結果、高濃度にPイオンが注入された領域515〜518が形成される。これらの領域は後にソース/ドレイン領域として機能する。(図5(C))
次に、酢酸、硝酸、リン酸を混合した混酸溶液を用いて多孔質状の陽極酸化膜509と510を除去する。この時、陽極酸化膜509、510の直下に位置した活性層領域は、イオン注入されていないため実質的に真性である。
次に、図5(D)に示すように再びPイオンの注入を行う。このPイオンの注入は、ドーズ量を 0.1〜 5×1014atoms/cm2 、好ましくは 0.2〜 1×1014atoms/cm2 という低い値とする。
即ち、図5(D)で示す工程で行われるPイオンの注入はそのドーズ量を図5(C)に示す工程において行われたドーズ量に比較して低いものとする。すると、この工程の結果、領域515〜518に比較して不純物濃度の低い低濃度不純物領域519〜522が形成される。
図5(D)に示す工程が終了した時点でNチャネル型TFTの活性層が完成する。即ち、Nチャネル型TFTのソース領域515、ドレイン領域516、低濃度不純物領域(またはLDD領域)519、520、チャネル形成領域523が画定する。
また、特に図示しないが陽極酸化膜511でイオン注入を遮られた領域がチャネル形成領域523と低濃度不純物領域519、520との間に存在する。この領域はオフセット領域と呼ばれ、陽極酸化膜511の膜厚でその距離が決定される。
オフセット領域はイオン注入されず実質的に真性であるが、ゲイト電圧が印加されないためチャネルを形成せず、電界強度を緩和し、劣化を抑制する抵抗成分として機能する。ただし、その距離(オフセット幅)が短い場合、実効的なオフセット領域として機能しない。本実施例ではその幅が700 Åであるのでオフセット領域としては機能しない。
次に、図6(A)に示すように左側のNチャネル型TFTを覆うレジストマスク524を形成する。そして、図6(A)に示す状態においてP型を付与する不純物としてB(ボロン)イオンの注入を行う。
ここでは、Bイオンのドーズ量を 0.2〜10×1015atoms/cm2 、好ましくは 1〜 2×1015atoms/cm2 程度とする。このドーズ量は図5(C)に示すPイオン注入工程におけるドーズ量と同程度またはそれ以上とする。
この工程により不純物(Pイオン)領域517、518、521、521の導電型は全てN型からP型へと反転し、Pチャネル型TFTのソース領域525、ドレイン領域526が形成される。また、ゲイト電極514の直下にはチャネル形成領域527が形成される。
次に、図6(A)に示す工程の終了後、レジストマスク524を取り除き、基板全面にレーザー光または赤外光や紫外光等の強光を照射する。この工程により添加された不純物イオンの活性化と、不純物イオンが注入された領域の損傷の回復が行なわれる。(図6(B))
次に、図6(B)に示す状態を得たら、層間絶縁膜528を4000Åの厚さに成膜する。層間絶縁膜528は酸化珪素膜、酸化窒化珪素膜、窒化珪素膜、有機性樹脂膜のいずれでも良く、多層構造としても良い。これら絶縁膜の成膜方法は、プラズマCVD法、熱CVD法、スピンコート法を用いればよい。
次にコンタクトホールの形成を行い、Nチャネル型TFTのソース電極529、Pチャネル型TFTのソース電極530を形成する。また、ドレイン電極531はNチャネル型TFTとPチャネル型TFTとで共有する様な構成とすることでCMOS回路が実現される。(図6(C))
以上の様な過程を経て、図6(C)に示す構造でなるCMOS回路を作製することができる。CMOS回路は最も単純な構成のインバータ回路であり、CMOSインバータ回路を直列に奇数組接続して形成した閉回路はリングオシレータと呼ばれ、半導体装置の動作速度を評価する際に用いられる。
ここで図7(A)に示す上面写真は、本実施例に従って作製したCMOS回路を組み合わせて構成したリングオシレータ回路である。本発明者らは本発明を利用して実際にアクティブマトリクス型液晶表示装置を試作し、その駆動回路の動作性能をリングオシレータで確認した。
なお、図7(A)に示すリングオシレータを構成するCMOS回路のゲイト電極幅は約0.6 μmと細く、チャネル形成領域は通常ならば短チャネル効果が発生する程度にまで微細化されている。
また、図7(B)には参考としてシフトレジスタ回路の写真を示す。図7(B)に示すシフトレジスタ回路は試作した周辺駆動回路を構成する重要な回路の一つであり、画素領域のアドレスを指定するロジック回路である。特に、水平走査用(ソース側用)シフトレジスタ回路は実動作時に数MHz〜数十MHz程度の非常に高い周波数での駆動を要求される。
リングオシレータ回路の発振周波数は9、19、51組(段)のCMOS回路を接続したリングオシレータで測定した。その結果、電源電圧3〜5V、9段のリングオシレータで 300MHz以上、中には500 MHzを超える発振周波数が得られており、極めて動作速度が速いことが判明した。
これらの値は従来の作製工程で作製したリングオシレータに比べて20倍近い動作速度を有することを意味している。また、1〜5Vの範囲で電源電圧を振っても常に数十〜数百MHzの発振周波数を実現している。
リングオシレータ回路は動作速度を評価するためのテストパターンであり、実際にシフトレジスタ回路やプロセッサ回路といったロジック回路を構成した場合には動作速度が減少するのを避けられない。これはロジック回路自体に様々な付加容量が加わるためである。
しかし、本発明を利用したCMOS回路はその様な付加価値が加わった状況においても、問題なく高速動作させることが可能であり、あらゆるロジック回路の要求に応える性能を有している。
さらに、チャネル長が0.6 μmと極めて微細化されているにも拘わらず、本実施例に示した様な極めて高速な動作にも耐えうる高い耐圧特性をも有していることは、本発明によるTFTが短チャネル効果に殆ど影響されず、極めて高い信頼性を有していることを意味している。
〔本発明の構成から導かれる推察〕
実施例1および実施例2で示した様に、本発明に従って作製したTFTは極めて高い性能(高速動作特性、高耐圧特性)を実現している。特に、S値が60〜100mV/dec 、電界効果移動度(μFE) が 150〜300cm2/Vs の範囲に収まる(後述するが実際の電界効果移動度はもっと高いと考えられる)など従来のTFTでは到底成しえなかった事である。
また、この様な高速動作特性を有していながら劣化に強いという特徴は、経験的にも特異な現象と言えよう。そこで、本発明者らは本発明によるTFTが何故これほどまで耐劣化性に優れているかを考察し、そこから一つの理論を推察したので以下に記載する。
TFTの耐圧(ソース−ドレイン間耐圧)を高めるためにはオフセット領域やLDD領域をチャネル形成領域とソース/ドレイン領域との間に設けることが一般的にである。しかしながら本発明者らの経験では、その様な構造としても移動度が150cm2/Vs を超えるとかなりの劣化が起こることが判っている。
そこで本発明者らは、本発明によるTFTの耐圧が高い理由として針状または柱状結晶の結晶粒界の影響を重視した。この結晶粒界はハロゲン元素を含む加熱処理によって結晶化を助長する金属元素が除去されると同時に、シリコン原子の不対結合手が酸素と結合して、酸化物(酸化珪素)で構成されている。
即ち、本発明者らはチャネル形成領域に局部的に存在する結晶粒界(酸化物領域)がソース領域とドレイン領域の間、特にチャネル形成領域とドレイン領域との間にかかる高電界を効果的に緩和していると推測した。
具体的には、酸化物領域でなる結晶粒界が特にドレイン領域から広がる空乏層電荷により形成される電界を抑え、ドレイン電圧が高くなった状態(ドレイン側空乏層電荷が増加した状態)においても、ソース側の拡散電位を変化させない様に機能していると考えたのである。
以上をまとめると、本発明による結晶性珪素膜を活性層に活用した場合、チャネル形成領域は以下の構成を満たしていると見なせる。
(1)キャリアが移動する(キャリアにとって)実質的に真性な領域(針状または柱状結晶の内部)が存在する。
(2)キャリアの移動を抑制する又はチャネル方向(ソース−ドレイン間を結ぶ方向)にかかる電界を緩和する不純物領域(酸化物領域)が存在する。
従って、上記2つの構成を満たす、換言すればキャリアにとって実質的に真性なチャネル形成領域と、局部的に形成された不純物領域とを有する構成とすることで本発明が示す様な優れた特性のTFTを作製しうると考えられる。
以上の構成は、多少の推測を交えてではあるが、本発明者らの実験データから導かれるものである。そこで、本発明者らはこの構成を人為的に創り出すことで同様の効果を得ることができるのではないかと予想した。
その結果、本発明者らは短チャネル効果の抑制に効果的な構成を提案するに至った。ここではその概略について、以下に記載する。なお、以下に記載する考察は現状においては推測の範囲に止まるものである。
一般的にデバイス素子(MOSFET、TFT等)の微細化が進みチャネル長が短くなるにつれて、短チャネル効果が問題となる。短チャネル効果とは、しきい値電圧の低下、パンチスルー現象に伴う耐圧の劣化およびサブスレッショルド特性の劣化などの総称である。
特に問題となるパンチスルー現象はソース側の拡散電位がドレイン側の電界に影響されて低下し、チャネルが形成されない状態でもソース/ドレイン間に電流が流れる現象である。即ち、ドレイン側の空乏層がソース領域にまで広がることで、ドレイン電界がソース側に影響を与えるのである。
そこで本発明者らは本発明の結晶粒界(酸化物領域)の効果に注目して、チャネル長が0.01〜2 μm程度の短チャネルTFTにおいては、チャネル形成領域に対して人為的かつ局部的に不純物領域を設けることで、ドレイン側の空乏層の広がりを抑制する効果が得られると推測した。
この様な構成は活性層を図8に示す様な構成とすることで達成できると考えられる。図8(A)において、801はソース領域、802はドレイン領域、803はチャネル形成領域であり、チャネル形成領域803の中には人為的に不純物領域804が形成される。また、チャネル形成領域803中、不純物領域804以外の領域805は、実質的に真性な領域であり、キャリアが移動する領域となる。
ここで図8(A)に示す構造は、図10に示す本発明の結晶構造体を模した構造である点が重要である。即ち、図10の1001で示される結晶粒界は図8(A)の不純物領域804に相当し、図10の針状または柱状結晶は図8(A)のキャリアが移動する領域805に相当するのである。
従って、チャネル形成領域803内に配置された不純物領域804はチャネル形成領域内に局部的にビルトインポテンシャル(エネルギー障壁とも言える)の大きい領域を形成し、そのエネルギー障壁によってドレイン側空乏層の広がりを効果的に抑制すると推測できる。
また、図8(A)をA−A’で切断した断面図を図8(B)に示す。806は絶縁表面を有する基板である。また、図8(A)をB−B’で切断した断面図を図8(C)に示す。
なお、図8(C)においてwpi,nは不純物領域804の幅を表し、wpa,mはキャリアが移動する領域の幅を表す。ここでn、mはチャネル形成領域803内において、wpi,nがn番目の不純物領域の幅であり、wpa,mがm番目のキャリアが移動する領域であることを意味している。
また、wpi,nおよびwpa,mの幅はある範囲の条件を満たす必要がある。そのことについて以下に説明する。
図8(A)において、チャネル形成領域803の幅、即ちチャネル幅はWである。ここで、チャネル幅Wの内、不純物領域804が占有している幅をWpiと定義する。そして、任意の不純物領域の幅をWpi,1、Wpi,2、Wpi,3・・・Wpi,nとすると、Wpiは次式で表される。
但し、本構成を達成するためにはチャネル形成領域の端部以外の領域に、不純物領域が少なくとも一つ形成されている必要があるので、nは1以上の整数でなければならない。
また、チャネル幅Wの内、キャリアの移動領域805が占有している幅をWpaと定義する。そして、任意のキャリアの移動領域805をWpa,1、Wpa,2、Wpa,3・・・Wpa,mとすると、Wpaは次式で表される。
但し、前述の様にチャネル形成領域の端部以外の領域に不純物領域が少なくとも一つ形成されているので、チャネル形成領域は少なくとも2分されてmは2以上の整数でなければならない。
即ち、全チャネル幅WはW=Wpi+Wpa、かつ、n+mは3以上という関係が成り立っている。そして、WとWpi、WとWpaおよびWpiとWpaとの関係は、同時に以下の条件を満たすことが望ましい。
Wpi/W=0.1 〜0.9
Wpa/W=0.1 〜0.9
Wpi/Wpa=1/9 〜9
これらの数式の意味するところは、Wpa/WまたはWpi/Wが0または1であってはならないという事である。例えば、Wpa/W=0(Wpi/W=1と同義)の場合、チャネル形成領域を完全に不純物領域で塞いでしまうのでキャリアの移動が阻害される。逆にWpa/W=1(Wpi/W=0と同義)の場合、チャネル形成領域に不純物領域が全く存在しないのでドレイン側空乏層の広がりを抑えることができない。
また、数1、数2に関する知見は実施例1および実施例2に見られるTFT特性を説明する上で重要な役割を果たす。その事について以下に示す。
本発明者らは実施例1で示した移動度の値に対して実施例2で示したリングオシレータの発振周波数が高すぎる点に注目した。即ち、実際の移動度と測定によって得られた移動度とで数値が異なるのではないかと考えたのである。
本発明者らは、実測された移動度の値が実際の移動度(元来本発明のTFTが有している移動度)よりも小さいのではないかと考えている。その理由は、本発明者らの測定では以下の様な移動度を算出する式に、実測のチャネル幅Wを代入している事にある。
μFE=1/ Cox(ΔId/ ΔVg)・1/ Vd・L/ W
ここでCoxはゲイト酸化膜容量、ΔId、ΔVgはそれぞれドレイン電流Idとゲイト電圧Vgの変化量、Vdはドレイン電圧、L、Wはそれぞれチャネル長およびチャネル幅である。
この式から明らかな様に電界効果移動度(μFE)はチャネル幅Wに反比例する。測定ではこのWに値として、測定機で実測したチャネル幅を代入して計算を行なっている。
しかしながら、数1、数2を用いて説明した様に、実際には針状または柱状結晶の間には酸化物層が形成されており、その分を差し引いた和でもって実効的なチャネル幅Wpaを定義しなくてはならないのである。即ち、代入したチャネル幅Wは実効的なチャネル幅Wpaよりも大きい値である。
以上の理由により、実際よりも大きめのチャネル幅を代入して計算された移動度を求めているため、見かけ上移動度が小さく計算されてしまうと考えられるのである。従って、本発明に従うことで実際には400cm2/Vs を超える移動度を達成するTFTが実現されていると推測される。そして、その様な移動度が達成されているからこそ、実施例2に示した様な500MHzを超える発振周波数が実現できるのだと言える。
また、不純物領域を図8(A)に示す様な配置で設けることは移動度の向上に対して非常に大きな意味があると予想される。その理由について以下に説明する。
移動度(μFE) は半導体膜(ここでは珪素膜を例にとる)中のキャリアの散乱によって決まるが、珪素膜における散乱は格子散乱と不純物散乱とに大別される。格子散乱は珪素膜中の不純物濃度が低く、比較的高温で支配的であり、不純物散乱は不純物濃度が高く、比較的低温で支配的である。これらが影響し合って形成される全体的な移動度μは次式で表される。
この数5で示される式は、全体的な移動度μが、格子散乱の影響を受けた場合の移動度μl lはlattice を意味する) の逆数および不純物散乱の影響を受けた場合の移動度μi iはimpurityを意味する) の逆数の和に反比例することを意味している。
ここで、格子散乱ではドリフト電界がそれほど強くなければ音響フォノンが重要な役割を果たし、その時の移動度μl は、次式の様に温度の-3/2乗に比例する。従って、キャリアの有効質量(m*)と温度(T)で決まってしまう。
また、不純物散乱による移動度μi は、次式の様に温度の3/2 乗に比例し、イオン化した不純物の濃度Ni に逆比例する。即ち、イオン化した不純物の濃度Ni を調節することで変化させることができる。
これらの式によると、チャネル形成領域全体に均一に不純物が添加された状態では不純物散乱の影響を受けて移動度を稼ぐことができない。しかしながら、図8に示す構成の場合、局部的に不純物領域を形成しているので、キャリアが移動する領域には不純物が添加されず、キャリアにとって実質的に真性である。
即ち、理論的には数7においてイオン化した不純物の濃度Ni を限りなく0に近づけることを意味するため、移動度μi は限りなく無限大に近づいていくことになる。即ち、数5において1/μi の項を無視することができる程度にまで不純物を減少させることを意味するので全体の移動度μは限りなく移動度μl に近づいていくと推測される。
また、図8(A)において不純物領域804がチャネル方向と概略平行となる様に配置されていることは重要である。この様な配置は、図10に示した針状または柱状結晶の結晶粒界の延びる方向と、チャネル方向とが一致した場合に相当する。
この様な配置とした場合、不純物領域804は「良性の結晶粒界」として振る舞うと予想されるので、キャリアを捕獲することなく、レールの様な役割を果してキャリアに移動方向を規定すると推測される。このことは、キャリア同士の衝突による散乱の影響を低減する上で非常に重要な構成である。
また、以上の様な構成とすることで、短チャネル効果の一つであるしきい値電圧の低下も抑制できると予想される。これはチャネル幅が極端に狭くなった時に生じる狭チャネル効果を、不純物領域間で人為的に引き起こすことが可能であるという推論に基づく予想である。
また、前述の様にドレイン側空乏層の広がりを抑制することでパンチスルー現象を抑制することが可能と考えられるが、パンチスルー現象を抑制することで耐圧の向上と共にサブスレッショルド特性(S値)の向上も望める。
サブスレッショルド特性の向上は、本構成を用いることでドレイン側空乏層の占める体積を減じることができるという推論から以下の様に説明できる。
図8(A)で示す構成とした時に、効果的に空乏層の広がりが抑制されるならば、ドレイン側空乏層の占める体積を大幅に減じることが可能でなはずである。従って、総合的な空乏層電荷を小さくできるため、空乏層容量を小さくできると考えられる。ここで、S値を導出する式は次式で表される。
この式は図4に示すグラフにおいて、Id-Vg 特性の立ち上がり部分(ゲイト電圧0V付近)の傾きの逆数を表している。また、数3で表される式は近似的に次式の様に表すことができる。
数4において、kはボルツマン定数、Tは絶対温度、qは電荷量、Cd は空乏層容量、Citは界面準位の等価容量、Coxはゲイト酸化膜容量である。従って、本構成では空乏層容量Cd が従来よりも十分小さくなるので、S値を85mV/decade 以下の小さな値とすることができる、即ち優れたサブスレッショルド特性を得ることができるのである。
また、空乏層容量Cd および界面準位の等価容量Citを0に可能な限り近づけることで、Cd =Cit=0となる理想状態、即ちS値が60mV/decade となる半導体装置を実現できる可能性がある。
ところで、本発明は針状または柱状結晶の結晶粒界が酸化物で構成されているが、そこから推測される本構成では、本発明の結晶粒界に相当する不純物領域として酸素以外に窒素や炭素を用いても良い。これは、本構成の目的がチャネル形成領域に対して人為的にエネルギー障壁を配置することにあるからである。
従って、エネルギー障壁を形成するという観点から考えれば、反転層の導電型と逆の導電型を持つ不純物領域でも効果があると言えよう。即ち、Nチャネル型半導体装置ならばBイオンを、Pチャネル型H半導体装置ならばPイオンを用いて不純物領域を形成すれば良いと言える。
また、不純物領域をPまたはBイオンで構成する場合、添加する不純物イオンの濃度で直接的にしきい値制御を行なうことも可能である。
以上の様に、本構成は本明細書で開示する発明の構成および実験事実をもとに本発明者らの推測により導かれた技術である。本構成を実施することで、チャネル長が極めて短いディープサブミクロン領域の半導体装置で問題となる短チャネル効果を効果的に抑制することができると推測される。
本実施例では、実施例1で示す結晶性珪素膜をシリコンウェハー上に形成する例を示す。この場合、シリコンウェハー表面に絶縁層を設ける必要があるが、通常熱酸化膜を利用することが多い。
熱処理の温度範囲は700〜1300℃が一般的であり、所望の酸化膜厚によって処理時間は変化する。
また、シリコンウェハーの熱酸化は通常O2 、O2-H2 O、H2 O、O2-H2 燃焼などの雰囲気で行なわれる。また、HClやCl2 などのハロゲン元素を添加した雰囲気での酸化も広く実用化されている。
シリコンウェハーはICなどの半導体デバイスに欠かせない基体の一つであり、ウェハー上に様々な半導体素子を形成する技術が生み出されている。
本実施例によれば、単結晶に匹敵する結晶性を備えた結晶性珪素膜を従来のシリコンウェハーを用いた技術に組み合わせ、結晶性珪素膜の応用範囲をさらに拡大することができる。
また、シリコンウェハー上のIC上にTFTを形成して三次元的に半導体装置を配置した集積化回路を構成することも可能である。
本実施例では、本発明を応用して作製したTFTをDRAM(Dynamic Rondom Access Memory)に応用した例について説明する。説明には図13を用いることとする。
DRAMは記憶する情報を電荷としてコンデンサに蓄える形式のメモリである。コンデンサへの情報としての電荷の出し入れは、コンデンサに直列に接続されたTFTによって制御される。DRAMの1個のメモリセルを構成するTFTとコンデンサの回路を図13(A)に示す。
ワード線1301によってゲイト信号を与えられると、1303で示されるTFTは導通状態となる。この状態でビット線1302側からコンデンサ1304に電荷が充電されて情報を読み込んだり、充電したコンデンサから電荷を取り出して情報を読みだしたりする。
DRAMの断面構造を図13(B)に示す。1305で示されるのは、石英基板もしくはシリコン基板でなる基体である。
上記基体1305上には下地膜として酸化珪素膜1306が成膜され、その上には本発明を応用したTFTが作製される。なお、基体1305がシリコン基板であれば、下地膜1306として熱酸化膜を用いることもできる。また、1307は実施例1に従って形成された活性層である。
活性層1307はゲイト絶縁膜1308で覆われ、その上にはゲイト電極1309が形成される。そして、その上に層間絶縁膜1310が積層された後、ソース電極1311が形成される。このソース電極1311の形成と同時にビット線1302および1312で示される電極が形成される。また、1313は絶縁膜でなる保護膜である。
この電極1312は固定電位を保ち、その下方に存在する活性層のドレイン領域との間にコンデンサ1304を形成する。即ち、このコンデンサに蓄積された電荷をTFTにより書き込んだり、読み出したりすることで記憶素子としての機能を有することになる。
DRAMの特徴は1個のメモリを構成する素子数がTFTとコンデンサだけで非常に少ないので、高集積密度の大規模メモリを構成するのに適している。また、価格も低く抑えられるので、現在最も大量に使用されている。
また、TFTを用いてDRAMセルを形成した場合の特徴として蓄積容量を小さく設定することができるため、低電圧での動作を可能とすることができる。
本実施例では、本発明を応用して作製したTFTをSRAM(Static Rondom Access Memory )に応用した例について説明する。説明には図14を用いることとする。
SRAMはフリップフロップ等の双安定回路を記憶素子に用いたメモリであって、双安定回路のON−OFFあるいはOFF−ONの2安定状態に対応して2進情報値(0または1)を記憶するものである。電源の供給がある限り記憶が保持される点で有利である。
記憶回路はN−MOSやC−MOSで構成される。図14(A)に示すSRAMの回路は受動負荷素子に高抵抗を用いた回路である。
1401で示されるのはワード線であり、1402はビット線である。1403は高抵抗で構成される負荷素子であり、1404で示されるような2組のドライバトランジスタと1405で示されるような2組のアクセストランジスタとでSRAMが構成される。
TFTの断面構造を図14(B)に示す。石英基板もしくはシリコン基板でなる基体1406上に下地膜として酸化珪素膜1407を成膜し、その上に本発明を応用したTFTを作製することができる。1408は実施例1に従って形成された活性層である。
活性層1408はゲイト絶縁膜1409で覆われ、その上にはゲイト電極1410が形成される。そして、その上に層間絶縁膜1411が積層された後、ソース電極1412が形成される。このソース電極1412の形成と同時にビット線1402およびドレイン電極1413が形成される。
その上には再び層間絶縁膜1414が積層され、次に高抵抗負荷としてポリシリコン膜1415が形成される。なお、高抵抗負荷と同様の機能をTFTで代替するSRAM構造をとることも可能である。また、1416は絶縁膜でなる保護膜である。
以上のような構成でなるSRAMの特徴は、高速動作が可能で、信頼性が高くシステムへの組む込みが容易なことなどである。
本実施例では、実施例1の半導体装置および実施例2のCMOS回路を用いて同一基体上に画素マトリクス回路とロジック回路とを集積化したアクティブマトリクス型電気光学装置を構成する例を示す。電気光学装置としては、液晶表示装置、EL表示装置、EC表示装置などが含まれる。
なお、ロジック回路とは、周辺駆動回路やコントロール回路等の様に電気光学装置を駆動するための集積化回路を指す。アクティブマトリクス型電気光学装置においては、動作性能の限界や集積度の問題もあってロジック回路は外付けICが一般的であったが、本発明のTFTを用いることで同一基板上に全てを一体化することが可能となる。
また、コントロール回路とはプロセッサ回路、メモリ回路、クロック発生回路、A/D(D/A)コンバータ回路等の電気光学装置を駆動するに必要な全ての電気回路を含むものとする。勿論、メモリ回路には実施例5、6で示したSRAM回路やDRAM回路が含まれる。
このような構成に本明細書で開示する発明を利用すると、単結晶上に形成したMOSFETに匹敵する性能を有するTFTでもってロジック回路を構成することができる。
本実施例では実施例1と異なる構造のTFTを作製する例を示す。説明には図15を用いる。
まず、実施例1と同様の工程を経て図2(A)に示す状態を得る。図2(A)に示す状態を得たら、アルミニウム膜のパターニングに用いた図示しないレジストマスクを除去し、その後、酒石酸中で陽極酸化処理を行い、1000Åの厚さの緻密な陽極酸化膜を得る。この状態を図15(A)に示す。
図15(A)において、101は石英基板、102は下地膜、110は島状半導体層、111は後にゲイト絶縁膜として機能する熱酸化膜である。また、1501はアルミニウムを主成分とする材料でなるゲイト電極、1502はゲイト電極1501を陽極酸化して得られた緻密な陽極酸化膜である。
次に、この状態で島状半導体層110に対して一導電性を付与する不純物イオンの注入を行なう。そして、このイオン注入工程により不純物領域1503、1504が形成される。
また、この不純物イオンはNチャネル型TFTならばP(リン)またはAs(砒素)を、Pチャネル型TFTならばB(ボロン)を用いて行なえば良い。この時、ドーズ量は 0.1〜 5×1014atoms/cm2 、好ましくは 0.2〜 1×1014atoms/cm2 という低い値としておく。
不純物イオンの注入が終了したら、窒化珪素膜1505を 0.5〜1 μmの厚さに成膜する。成膜方法は減圧熱CVD法、プラズマCVD法、スパッタ法のいずれであっても良い。また、窒化珪素膜以外に酸化珪素膜を用いても良い。
こうして図15(B)の状態が得られる。図15(B)の状態が得られたら、次に窒化珪素膜1505をエッチバック法によりエッチングして、ゲイト電極1501の側壁にのみ残す。こうして残された窒化珪素膜はサイドウォール1506として機能する。
この際、熱酸化膜111はゲイト電極がマスクとなった領域以外が除去されて図15(C)に示す様な状態で残存する。
図15(C)に示す状態で再び不純物イオンの注入を行なう。この時、ドーズ量は 0.2〜10×1015atoms/cm2 、好ましくは 1〜 2×1015atoms/cm2 と先程のイオン注入のドーズ量よりも高めとしておく。
このイオン注入の際、サイドウォール1506の直下の領域1507、1508はイオン注入が行なわれないので、不純物イオンの濃度に変化はない。しかし、露出した領域1509、1510はさらに高濃度の不純物イオンが注入されることになる。
以上の様に2度目のイオン注入を経て、ソース領域1509、ドレイン領域1510およびソース/ドレイン領域よりも不純物濃度の低い低濃度不純物領域(LDD領域)1507、1508が形成される。なお、ゲイト電極1501の直下はアンドープな領域であり、チャネル形成領域1511となる。
以上の工程を経て図15(C)の状態が得られたら、300 Åの厚さの図示しないチタン膜を成膜し、チタン膜とシリコン(結晶性珪素)膜とを反応させる。そして、チタン膜を除去した後、ランプアニール等による加熱処理を行なうことでソース領域1509、ドレイン領域1510の表面にチタンシリサイド1512、1513を形成する。(図15(D))
上記工程はチタン膜の代わりにタンタル膜、タングステン膜、モリブデン膜等を用いることも可能である。また、図15(D)ではソース/ドレイン領域の一部がシリサイド化した様に記載してあるが、ソース/ドレイン領域の膜厚が薄い場合や加熱処理の条件によってはソース/ドレイン領域全体がシリサイド化することもある。
次に、層間絶縁膜1514として酸化珪素膜を5000Åの厚さに成膜し、ソース電極1515、ドレイン電極1516を形成する。こうして図15(D)に示す構造のTFTが完成する。
本実施例で示す構造のTFTは、ソース/ドレイン電極がチタンシリサイド1512、1513を介してソース/ドレイン領域と接続するので良好なオーミックコンタクトを実現できる。
本実施例では実施例1または実施例7と異なる構造のTFTを作製する例を示す。説明には図16を用いる。
まず、実施例1と同様の工程を経て図2(A)に示す状態を得る。ただし、本実施例ではゲイト電極の材料として導電性を付与した結晶性珪素膜を用いることとする。この状態を図16(A)に示す。
図16(A)において、101は石英基板、102は下地膜、110は島状半導体層、111は後にゲイト絶縁膜として機能する熱酸化膜である。また、1601は結晶性珪素膜(ポリシリコン膜)でなるゲイト電極である。
次に、この状態で島状半導体層110に対して一導電性を付与する不純物イオンの注入を行なう。そして、このイオン注入工程により不純物領域1602、1603が形成される。(図16(B))
また、この不純物イオンはNチャネル型TFTならばP(リン)またはAs(砒素)を、Pチャネル型TFTならばB(ボロン)を用いて行なえば良い。この時、ドーズ量は 0.1〜 5×1014atoms/cm2 、好ましくは 0.2〜 1×1014atoms/cm2 という低い値としておく。
不純物イオンの注入が終了したら、実施例7と同様にエッチバック法を用いてサイドウォール1604を形成する。
サイドウォール1604を形成したら、再び不純物イオンの注入を行なう。この時、ドーズ量は 0.2〜10×1015atoms/cm2 、好ましくは 1〜 2×1015atoms/cm2 と先程のイオン注入のドーズ量よりも高めとしておく。(図16(C))
このイオン注入の際、サイドウォール1604の直下の領域1605、1606はイオン注入が行なわれないので、不純物イオンの濃度に変化はない。しかし、露出した領域1607、1608はさらに高濃度の不純物イオンが注入されることになる。
以上の様に2度目のイオン注入を経て、ソース領域1607、ドレイン領域1608およびソース/ドレイン領域よりも不純物濃度の低い低濃度不純物領域(LDD領域)1605、1606が形成される。なお、ゲイト電極1601の直下はアンドープな領域であり、チャネル形成領域1609となる。
以上の工程を経て図16(C)の状態が得られたら、500 Åの厚さの図示しないタングステン膜を成膜し、タングステン膜とシリコン膜とを反応させる。そして、タングステン膜を除去した後、ランプアニール等による加熱処理を行なうことでゲイト電極1601、ソース領域1607、ドレイン領域1608、の表面にタングステンシリサイド1610〜1612を形成する。(図16(D))
勿論、タングステン膜以外にもチタン膜、モリブデン膜、タンタル膜を用いることができる。また、本実施例では加熱処理の時間を長めに設定してソース/ドレイン領域全体がシリサイド化する様に調節する。
次に、層間絶縁膜1613として窒化珪素膜を4000Åの厚さに成膜し、ソース電極1614、ドレイン電極1615を形成する。こうして図16(D)に示す構造のTFTが完成する。
本実施例で示す構造のTFTは、ゲイト電極およびソース/ドレイン電極がタングステンシリサイド1610〜1612を介して取り出し電極と接続するので良好なオーミックコンタクトを実現できる。
本実施例では本発明を利用した半導体装置を組み込んだ電気光学装置(表示装置)の一例を示す。なお、電気光学装置は必要に応じて直視型または投影型で使用すれば良い。また、電気光学装置も半導体を用いて機能する装置と考えられるので、本明細書中における電気光学装置とは、半導体装置の範疇に含まれるものとする。
また、本発明を利用した半導体装置の応用製品としてはTVカメラ、ヘッドマウントディスプレイ、カーナビゲーション、プロジェクション(フロント型とリア型がある)、ビデオカメラ、パーソナルコンピュータ等が挙げられる。それら応用用途の簡単な一例を図17を用いて行う。
図17(A)はTVカメラであり、本体3001、カメラ部3002、表示装置3003、操作スイッチ3004で構成される。表示装置3003はビューファインダーとして利用される。
図17(B)はヘッドマウントディスプレイであり、本体3101、表示装置3102、バンド部3103で構成される。表示装置3102は比較的小型のサイズのものが2枚使用される。
図17(C)はカーナビゲーションであり、本体3201、表示装置3202、操作スイッチ3203、アンテナ3204で構成される。表示装置3202はモニターとして利用されるが、地図の表示が主な目的なので解像度の許容範囲は比較的広いと言える。
図17(D)は携帯情報端末機器(本実施例では携帯電話)であり、本体3301、音声出力部3302、音声入力部3303、表示装置3304、操作ボタン3305、アンテナ3306で構成される。表示装置3303に対しては、将来的にTV電話として動画表示を要求されることが予想される。
図17(E)はビデオカメラであり、本体3401、表示装置3402、接眼部3403、操作スイッチ3404、テープホルダー3405で構成される。表示装置3402に映し出された撮影画像は接眼部3403を通してリアルタイムに見ることができるので、使用者は画像を見ながらの撮影が可能となる。
図17(D)はフロントプロジェクションであり、本体3501、光源3502、反射型表示装置3503、光学系(ビームスプリッターや偏光子等が含まれる)3504、スクリーン3505で構成される。スクリーン3505は会議や学会発表などのプレゼンテーションに利用される大画面スクリーンであるので、表示装置3503は高い解像度が要求される。
また、本実施例に示した電気光学装置以外にも、リアプロジェクションやモバイルコンピュータ、ハンディターミナルなどの携帯型情報端末機器に適用することができる。以上の様に、本発明の応用範囲は極めて広く、あらゆる分野の表示媒体に適用することが可能である。
また、本発明のTFTは電気光学装置に限らず、例えばSRAMやDRAMといった形で集積化回路に組み込み、本実施例で示した様な応用製品の駆動回路として用いることも可能である。
半導体装置の作製工程を示す図。 半導体装置の作製工程を示す図。 島状半導体層の配置構成を示す図。 半導体装置の特性を示す図。 半導体装置野作製工程を示す図。 半導体装置の作製工程を示す図 電気回路の構成を示す顕微鏡写真。 活性層の構成を示す図。 結晶性珪素膜の表面を示す写真。 結晶構造を示す写真。 結晶構造を示す写真。 結晶構造を示す写真。 DRAMの構成を示す図 SRAMの構成を示す図 半導体装置の作製工程を示す図。 半導体装置の作製工程を示す図。 半導体装置の応用例を示す図。
符号の説明
101 石英基板
102 下地膜
103 非晶質珪素膜
104 酸化珪素膜(マスク絶縁膜)
105 非晶質珪素膜が露呈した領域
106 ニッケルを含有した水膜
107 結晶性珪素膜
108 結晶化の方向を示す矢印
109 ニッケル添加領域
110 島状半導体層
111 熱酸化膜
112 アルミニウム膜のパターン
113 多孔質状の陽極酸化膜
114 緻密な陽極酸化膜
115 ゲイト電極
116、117 不純物領域
118、119 低濃度不純物領域
120 チャネル形成領域
121 層間絶縁膜
122 ソース電極
123 ドレイン電極
301 石英基板
302 ニッケル添加領域
303 巨視的な結晶粒界
304 島状半導体層
801 ソース領域
802 ドレイン領域
803 チャネル形成領域
804 不純物領域
805 キャリアが移動する領域
1001 針状または柱状結晶の結晶粒界

Claims (11)

  1. 絶縁表面を有する基体上に前記絶縁基板に対して平行に結晶化された針状または柱状結晶が複数集合することによって形成された結晶性珪素膜を有する半導体装置であって、
    前記結晶性珪素膜は、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域及び前記ドレイン領域に隣接するチャネル形成領域とを有し、
    前記チャネル形成領域は、酸素を含む複数の局部的に形成された不純物領域と、キャリア移動領域とを有し、
    前記複数の不純物領域は、前記ソース領域と前記ドレイン領域を結ぶ方向にそれぞれ平行に形成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 絶縁表面を有する基体上に前記絶縁基板に対して平行に結晶化された針状または柱状結晶が複数集合することによって形成された結晶性珪素膜を有する半導体装置であって、
    前記結晶性珪素膜は、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域及び前記ドレイン領域に隣接するチャネル形成領域とを有し、
    前記チャネル形成領域は、酸素を含む複数の局部的に形成された不純物領域と、キャリア移動領域とを有し、
    前記複数の不純物領域は、前記ソース領域と前記ドレイン領域を結ぶ方向にそれぞれ平行に形成され、
    チャネル長は、0.01〜2μmであることを特徴とする半導体装置。
  3. 絶縁表面を有する基体上に前記絶縁基板に対して平行に結晶化された針状または柱状結晶が複数集合することによって形成された結晶性珪素膜を有する半導体装置であって、
    前記結晶性珪素膜は、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域及び前記ドレイン領域に隣接するチャネル形成領域とを有し、
    前記チャネル形成領域は、酸素を含む複数の局部的に形成された不純物領域と、キャリア移動領域とを有し、
    前記複数の不純物領域は、前記ソース領域と前記ドレイン領域を結ぶ方向にそれぞれ平行に形成され、
    チャネル長は、0.01〜2μmであり、
    前記チャネル領域の幅をW、前記不純物領域が占有している幅をWpi、前記キャリア移動領域が占有している幅をWpaとするとき、
    Wpi/W=0.1〜0.9、
    Wpa/W=0.1〜0.9、
    Wpi/Wpa=1/9〜9の関係が成り立つことを特徴とする半導体装置。
  4. 絶縁表面を有する基体上に前記絶縁基板に対して平行に結晶化された針状または柱状結晶が複数集合することによって形成された結晶性珪素膜を有するNチャネル型の半導体装置であって、
    前記結晶性珪素膜は、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域及び前記ドレイン領域に隣接するチャネル形成領域とを有し、
    前記チャネル形成領域は、リンを含む複数の局部的に形成された不純物領域と、キャリア移動領域とを有し、
    前記複数の不純物領域は、前記ソース領域と前記ドレイン領域を結ぶ方向にそれぞれ平行に形成されていることを特徴とする半導体装置。
  5. 絶縁表面を有する基体上に前記絶縁基板に対して平行に結晶化された針状または柱状結晶が複数集合することによって形成された結晶性珪素膜を有するNチャネル型の半導体装置であって、
    前記結晶性珪素膜は、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域及び前記ドレイン領域に隣接するチャネル形成領域とを有し、
    前記チャネル形成領域は、リンを含む複数の局部的に形成された不純物領域と、キャリア移動領域とを有し、
    前記複数の不純物領域は、前記ソース領域と前記ドレイン領域を結ぶ方向にそれぞれ平行に形成され、
    チャネル長は、0.01〜2μmであることを特徴とする半導体装置。
  6. 絶縁表面を有する基体上に前記絶縁基板に対して平行に結晶化された針状または柱状結晶が複数集合することによって形成された結晶性珪素膜を有するNチャネル型の半導体装置であって、
    前記結晶性珪素膜は、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域及び前記ドレイン領域に隣接するチャネル形成領域とを有し、
    前記チャネル形成領域は、リンを含む複数の局部的に形成された不純物領域と、キャリア移動領域とを有し、
    前記複数の不純物領域は、前記ソース領域と前記ドレイン領域を結ぶ方向にそれぞれ平行に形成され、
    チャネル長は、0.01〜2μmであり、
    前記チャネル領域の幅をW、前記不純物領域が占有している幅をWpi、前記キャリア移動領域が占有している幅をWpaとするとき、
    Wpi/W=0.1〜0.9、
    Wpa/W=0.1〜0.9、
    Wpi/Wpa=1/9〜9の関係が成り立つことを特徴とする半導体装置。
  7. 絶縁表面を有する基体上に前記絶縁基板に対して平行に結晶化された針状または柱状結晶が複数集合することによって形成された結晶性珪素膜を有するPチャネル型の半導体装置であって、
    前記結晶性珪素膜は、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域及び前記ドレイン領域に隣接するチャネル形成領域とを有し、
    前記チャネル形成領域は、ボロンを含む複数の局部的に形成された不純物領域と、キャリア移動領域とを有し、
    前記複数の不純物領域は、前記ソース領域と前記ドレイン領域を結ぶ方向にそれぞれ平行に形成されていることを特徴とする半導体装置。
  8. 絶縁表面を有する基体上に前記絶縁基板に対して平行に結晶化された針状または柱状結晶が複数集合することによって形成された結晶性珪素膜を有するPチャネル型の半導体装置であって、
    前記結晶性珪素膜は、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域及び前記ドレイン領域に隣接するチャネル形成領域とを有し、
    前記チャネル形成領域は、ボロンを含む複数の局部的に形成された不純物領域と、キャリア移動領域とを有し、
    前記複数の不純物領域は、前記ソース領域と前記ドレイン領域を結ぶ方向にそれぞれ平行に形成され、
    チャネル長は、0.01〜2μmであることを特徴とする半導体装置。
  9. 絶縁表面を有する基体上に前記絶縁基板に対して平行に結晶化された針状または柱状結晶が複数集合することによって形成された結晶性珪素膜を有するPチャネル型の半導体装置であって、
    前記結晶性珪素膜は、ソース領域と、ドレイン領域と、前記ソース領域及び前記ドレイン領域に隣接するチャネル形成領域とを有し、
    前記チャネル形成領域は、ボロンを含む複数の局部的に形成された不純物領域と、キャリア移動領域とを有し、
    前記複数の不純物領域は、前記ソース領域と前記ドレイン領域を結ぶ方向にそれぞれ平行に形成され、
    チャネル長は、0.01〜2μmであり、
    前記チャネル領域の幅をW、前記不純物領域が占有している幅をWpi、前記キャリア移動領域が占有している幅をWpaとするとき、
    Wpi/W=0.1〜0.9、
    Wpa/W=0.1〜0.9、
    Wpi/Wpa=1/9〜9の関係が成り立つことを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか一項において、前記結晶性珪素膜中にはニッケルが1×1018atoms/cm3以下の平均濃度で存在していることを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項4乃至請求項10のいずれか一項において、前記半導体装置の電気特性を表すS値は、Nチャネル型で60〜100mV/decおよび/またはPチャネル型で70〜100mV/decであることを特徴とする半導体装置。
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