しかしながら、特開2003−270920号公報、特開2002−062694号公報に記載の方法では、いずれも、データ(現像データ、温度測定データ)を送受信するのみであり、データに基づいてプロセス制御の最適化をはかるのみであった。よって、対応できる範囲に限界があった。
例えば、画像処理プログラムを変更し高画質化を行う場合などは画像形成装置本体の制御プログラムの書換えが必要であった。
そして、画像形成装置本体の制御プログラムの書換えは、メーカーのサービスマンが各ユーザーに出向き、専用のツールなどで制御プログラムを書き換えるか、制御プログラムが記憶されたROMなどを交換する必要があり、コスト負担が大きかった。
あるいは、ユーザーに、制御プログラムの書換えやROMなどの交換を行ってもらうことも考えられるが、ユーザー任せでは更新されない場合もあり、確実性に乏しい。
また、いずれも、画像形成装置本体の制御プログラムの書換えを、ユーザーがその都度認識するため、ユーザーに与える印象はあまり良くない。更に、市場に設置されている画像形成装置の制御プログラムの更新状況を把握することも困難であった。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、画像形成装置本体の制御プログラムの更新を、低コストで迅速に行うことを目的とする。
請求項1に記載の画像形成装置は、画像形成装置本体を制御する更新プログラムを格納した不揮発性メモリを備え、画像形成装置本体に所定の機能を与える機能部品が、着脱可能に装着される画像形成装置において、前記不揮発性メモリに格納された更新プログラムを読み出す読出し手段と、画像形成装置本体に格納されている制御プログラムに対し、前記読出し手段で読み出された前記更新プログラムに更新するか否かを判断する判断手段と、前記画像形成装置本体に格納されている制御プログラムに対し、前記読出し手段で読み出された前記更新プログラムに更新する書換手段と、とを有することを特徴としている。
請求項1に記載の画像形成装置は、画像形成装置本体に所定の機能を与える機能部品には画像形成装置本体を制御する更新プログラムを格納した不揮発性メモリを備えている。
この機能部品が画像形成装置本体に装着されると、読出し手段によって、不揮発性メモリに格納された更新プログラムを読み出す。
そして、判断手段によって、画像形成装置本体に格納されている制御プログラムに対し、読み出された更新プログラムに更新するか否かを判断する。
判断手段が、更新が必要と判断した場合、書換え手段によって、画像形成装置本体に格納されている制御プログラムに対し、読み出された更新プログラムに書き換える。
このように、機能部品を装着することで、画像形成装置本体に格納されている制御プログラムを自動的に書き換えるので、例えば、サービスマンが各ユーザーに出向き、制御プログラムを更新する必要がなく、迅速に低コストで制御プログラムを更新できる。
また、判断手段が、更新するか否かの判断を行うので、制御プログラムの書換えミスが起きない。
なお、更新するか否かの判断とは、例えば、制御プログラムより不揮発性メモリの更新プログラムの方がバージョンが新しいか否かの判断などがある。
請求項2に記載の画像形成装置は、請求項1に記載の構成において、前記不揮発性メモリには複数の更新プログラムが格納され、前記判断手段は、前記複数の更新プログラムのうち、前記画形成装置本体の機能に対応した更新プログラムを選択することを特徴としている。
請求項2に記載の画像形成装置は、不揮発性メモリには複数の更新プログラムが格納されている。判断手段は、形成装置本体の機能に対応した更新プログラムを選択する。そして、判断手段が、画像形成装置本体に格納されている制御プログラムに対し、選択された更新プログラムに書き換える。
したがって、形成装置本体の機能に対応して、自動的に制御プログラムを更新できる。また、選択ミスによる書換えミスも起きない。
なお、形成装置本体の機能に対応した更新プログラムを選択する、とは、例えば、両面印刷機能、給紙カセット構成(例えば、1段カセット、複数段カセット、あるいは、用紙サイズ構成など)、後処理装置(排紙スタッカーなど)などに応じた必要な更新プログラムを選択することを指す。
また、あるいは、異なる機種に同じ共通の機能部品を装着する場合、それぞれの機種に応じた必要な更新プログラムを選択することも指す。
なお、異なる機種に同じ共通の機能部品を装着する場合とは、例えば、印字速度が10ppm機と20ppm機とで同じ共通の機能部品を使用している場合、あるいは、プリンタ、複写機、FAX、複合機など機種は異なるが、同じ共通の機能部品を使用している場合などを指す。
請求項3に記載の画像形成装置は、請求項1、又は請求項2に記載の構成において、前記不揮発性メモリに、前記画像形成装置本体に格納されている制御プログラムに対し更新を行ったか否かの更新情報と前記画像形成装置本体の識別情報とを記憶させることを特徴としている。
請求項3に記載の画像形成装置は、不揮発性メモリに、画像形成装置本体に格納されている制御プログラムに対し更新を行ったか否かの更新情報と画像形成装置本体の識別情報とを記憶させている。
したがって、ユーザから返却された機能部品からの更新情報と識別情報情報とを読み取ることで、市場全体の画像形成装置毎の制御プログラムの更新状況が、容易に正確に判る。
請求項4に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の構成において、前記画像形成装置本体の初期設定によって、前記更新を行うか行わないかを設定可能であることを特徴としている。
請求項4に記載の画像形成装置は、画像形成装置本体の初期設定によって、更新を行うか行わないかを設定できる。よって、機能部品が装着されても、更新を自動的に行わない設定を画像形成装置毎に設定できる。
なお、機能部品が装着されても更新を自動的に行わない場合とは、例えば、画像処理ソフトを更新することで現像剤(例えば、トナーやインク)の消費量が増える可能性があるので更新を希望しないユーザー、あるいは、更新は保守契約などを結んだユーザーのみが対象であり、保守契約を結んでいないユーザーに対しては更新を行わない場合などがある。
また、画像形成装置本体の初期設定とは、例えば、工場出荷時の設定、サービスマンによる専用ツールによる設定、パスワードで保護がかかっている設定など、ユーザーが通常は変えない、あるいは、変えられない設定を指す。
なお、この初期設定も、機能部品を装着することで設定変更が可能としても良い。
請求項5に記載の画像形成装置は、請求項3、又は請求項4に記載の構成において、前記画像形成装置本体の初期設定によって、前記不揮発性メモリに記憶された前記更新情報と前記画像形成装置本体の識別情報とに応じ、前記判断手段が前記更新を行うか否かを判断することを特徴としている。
請求項5に記載の画像形成装置は、画像形成装置本体の初期設定によって、不揮発性メモリに記憶された更新情報と画像形成装置本体の識別情報とに応じ、判断手段が更新を行うか否かを判断し、行うと判断した場合のみ自動的に制御プログラムの更新を行う。
よって、機能部品が装着されても、更新情報と画像形成装置本体の識別情報とに応じた更新を画像形成装置毎に設定ができる。
なお、更新情報と画像形成装置本体の識別情報とに応じた更新とは、例えば、一つの機能部品で更新できる画像形成装置に制限を設ける場合、その回数以内であるか否かの判断、あるいは、例えば、同一ユーザーで複数の画像形成装置が設置されている場合、同一ユーザー内では更新でき、その他のユーザーでは更新できない制限を設ける場合、同一ユーザであるか否かの判断などを指す。
請求項6に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の構成において、前記判断手段で、前記更新を行うと判断した際、該更新を行うか否かを、ユーザに問い合わせる確認手段と、前記確認手段で問い合わせた更新プログラムに更新するか否かをユーザが選択する選択手段と、を有することを特徴としている。
請求項6に記載の画像形成装置は、判断手段で更新を行うと判断した際、確認手段で更新を行うか否かをユーザに問い合わせる。ユーザーは選択手段で確認手段が問い合わせた更新プログラムに更新するか否かを選択する。
したがって、画像形成装置本体に格納されている制御プログラムは、ユーザーが必要でないと判断した更新プログラムには書き換えられない。
請求項7に記載の画像形成装置は、請求項6に記載の構成において、前記画像形成装置本体の初期設定で、前記確認手段での問い合わせを行うか行わないかを設定可能とすることを特徴としている。
請求項7に記載の画像形成装置は、画像形成装置本体の初期設定で、確認手段での問い合わせを行うか行わないかを設定可能となっている。
したがって、問い合わせを行なわない設定とすれば、制御プログラムの更新をユーザーが認識することなく自動的に行うことができる。
請求項8に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の構成において、前記機能部品は、定期交換部品であることを特徴としている。
請求項8に記載の画像形成装置は、定期交換部品に、画像形成装置本体を制御する更新プログラムを格納した不揮発性メモリを備えられている。
定期交換部品に定期的に画像形成装置本体に着脱されるので、市場の画像形成装置の制御プログラムを、確実に迅速に更新できる。
また、不揮発性メモリに制御プログラムに対し更新を行ったか否かの更新情報と画像形成装置本体の識別情報とを記憶させている場合、定期的にユーザから返却されるので、市場全体の画像形成装置毎の制御プログラムの更新状況が迅速に正確に判る。
請求項9に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の構成において、前記機能部品は、消耗品部品であることを特徴としている。
請求項9に記載の画像形成装置は、消耗品部品に画像形成装置本体を制御する更新プログラムを格納した不揮発性メモリを備えられている。
消耗品部品は、頻繁に画像形成装置本体に着脱されるので、市場の画像形成装置の制御プログラムを、確実に迅速に更新できる。
また、不揮発性メモリに制御プログラムに対し更新を行ったか否かの更新情報と画像形成装置本体の識別情報とを記憶させている場合、頻繁にユーザから返却されるので、市場全体の画像形成装置毎の制御プログラムの更新状況が迅速に正確に判る。
請求項10に記載の画像形成装置は、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の構成において、前記機能部品は、前記画像形成装置本体の機能を拡張するオプション部品であることを特徴としている。
請求項10に記載の画像形成装置は、画像形成装置本体の機能を拡張するオプション部品、例えば、多段給紙カセット、後処理装置(排紙スタッカーなど)に画像形成装置本体を制御する更新プログラムを格納した不揮発性メモリを備えられている。
よって、例えば、画像形成装置本体の機能の拡張に対応する更新プログラムを記憶させておけば、オプション部品を装着すると、このオプション部品によって拡張する機能に応じた制御プログラムに確実に更新される。
以上説明したように本発明によれば、画像形成装置本体の制御プログラムの更新を、低コストで迅速に行えるという効果がある。
以下、本発明にかかる画像形成装置を適用した一例として、公知の電子写真プロセスにより、外部装置から入力した画像情報に基づいて画像(トナー像)を形成し、この画像を記録紙等に記録するレーザープリンタについて図面を参照して説明する。なお、公知の電子写真プロセスとは、電子写真感光体に対する帯電、レーザ露光による静電潜像の形成、トナーによる静電潜像の現像を経て、電子者写真感光体上に形成されたトナー像を記録紙などに転写し、これを加熱定着することで記録紙などに画像を記録する一連のプロセスを言う。
なお、この電子写真プロセス及び電子写真プロセスに直接的に関係する電子写真感光体等の各種部品(プロセス部品)のうち、本発明の本質とは直接関係しないものについては、詳細な説明を省略する。なお、本実施形態に係るレーザープリンタは、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、シアン(C)、及びブラック(K)のトナーを用いてカラー画像の形成が可能とされたものである。
図11に示されるように、レーザープリンタ10は、レーザープリンタ本体11の開閉扉13を開閉し、レーザープリンタ本体11に対しトナーカートリッジ36,38,40,42が着脱可能になっている。また、図10にも示すように、レーザープリンタ本体11は、各種表示や各種操作を行う操作パネル500が、ユーザーが操作しやすいように、側面部の上部の斜め部分に設けられている。
図1に示すように、レーザープリンタ本体11には、装置の外殻部として筐体12が設けられており、この筐体12内には、装置を構成する各種部品を支持するためのメインフレーム14が設けられている。メインフレーム14には、装置の幅方向(矢印W方向)に沿った一端部(図1では左端部)にプロセスユニット16が配置されており、このプロセスユニット16には、メインフレーム14により装置の奥行方向に沿ってスライド可能に支持されたスライドフレーム18が設けられており、このスライドフレーム18には、中間転写ベルト、転写器、クリーニング器等の所定のプロセス部品(図示省略)が搭載されている。これにより、メンテナンス時には、プロセスユニット16をメインフレーム14内から外部へ引き出し、スライドフレーム18に搭載されたプロセス部品の交換、点検作業等の簡略化が図れている。
メインフレーム14には、プロセスユニット16に隣接するように4個の感光体ドラム20,22,24,26が支持されると共に、これらの感光体ドラム20,22,24,26にそれぞれ接するように4台の現像器21,23,25,27が配置されている。これら4台の現像器21,23,25,27は、それぞれマゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)及びシアン(C)のトナーに対応しており、感光体ドラム20,22,24,26の外周面(像担持面)に形成された静電潜像をKトナー、Mトナー、Yトナー及びCトナーによりそれぞれトナー像として現像する。
4個の感光体ドラム20,22,24,26にそれぞれ形成されたトナー像は、プロセスユニット16側に配置された中間転写ベルト上に転写、重畳されてフルカラーのトナー像を形成する。このフルカラーのトナー像は、中間転写ベルトから記録紙等の記録材へ転写された後、加熱定着され記録材に記録される。またレーザープリンタ本体11では、Kトナーのみで形成されたモノブラックのトナー像を記録材へ記録することも可能とされている。トナー像が記録された記録材は、筐体12の上面部に形成された排紙トレー部28上又は、筐体12の側面部に側方へ延出するように取り付けられた排紙トレー30,32上へ排紙される。
レーザープリンタ本体11には、幅方向に沿ってメインフレーム14に隣接するようにカートリッジホルダ34が設けられている。このカートリッジホルダ34には、図2に示されるように、それぞれ略円柱状に形成された4個のトナーカートリッジ36,38,40,42が着脱可能に装着されている。これらのトナーカートリッジ36,38,40,42内には、それぞれ内部に異なる色のトナー(マゼンタ(M)トナー、イエロー(Y)トナー、ブラック(K)トナー及びシアン(C)トナー)が充填されている。
図11に示されるように、レーザープリンター本体11には、片側(図1、図10の紙面手前側)の側面部にプロセスユニット16及びカートリッジホルダ34に対向してメンテナンス用の開閉扉13が開閉可能に設けられている。これにより、ユーザ等は、開閉扉13を開放させ、プロセスユニット16及びカートリッジホルダ34を外部に露出させることで、プロセスユニット16をメインフレーム14内から外側へ引き出し、またカートリッジホルダ34に対してトナーカートリッジ36,38,40,42をそれぞれ着脱することが可能になる。(図11では、トナーカートリッジ36,38,40,42の着脱のみ図示している)。
図1、図2に示されるように、カートリッジホルダ34に装着されたトナーカートリッジ36,38,40,42はトナーを一時的に収容するための容器として構成されている。すなわち、レーザープリンタ本体11では、現像器21,23,25,27の作動時に、トナーカートリッジ36,38,40,42内からトナーを排出させ、このトナーを現像器21,23,25,27に供給し、またトナーカートリッジ36,38,40,42内に充填されたトナーが全て排出されると、そのトナーカートリッジ36,38,40,42が新しいものに交換される。このとき、トナーがトナーカートリッジ36,38,40,42内に密封されていることから、トナー補給を簡単な作業で行え、またトナー補給時におけるトナー飛散による装置内外の汚染も効果的に防止できる。
図2に示されるように、トナーカートリッジ36,38,40,42は、樹脂材料により薄肉円筒状に成形されたトナータンク44を備えている。このトナータンク44には、軸方向に沿った一端面(後端面)に内部に連通する開閉口(図示省略)が設けられている。トナータンク44は、その後端部に円筒状の閉塞栓46が圧入、接着等により取り付けられ、この閉塞栓46により前記開閉口が閉塞されている。閉塞栓46は、トナータンク44と略同一の外径を有する薄肉円筒状に形成されており、その内周側が円板状の底板部45により塞がれている。また閉塞栓46内には、底板部47の外側にプレート状の把手部48が一体的に成形されている。
図3に示されるように、トナータンク44の先端部には、その周壁部の内周側に断面が略矩形状とされた内周筒部50が一体的に設けられており、この内周筒部50の底板部には、円板状の従動連結板52がトナータンク44の軸心Sを中心として回転可能に設置されている。従動連結板52の表面側には、周方向に沿って複数の噛合爪53が一体的に形成されている。一方、トナータンク44内には、ねじ軸状に形成されたトナー搬送用のスクリューフィーダ(図示省略)が同軸的に配置されており、このスクリューフィーダは従動連結板52に連結され、この従動連結板52と一体となって回転する。
トナータンク44の周壁部には、その先端側にトナー供給口54及びトナー充填口55がそれぞれ形成されており、トナー供給口54の外周側には、周方向に沿ってスライド可能とされたシャッター部材56(図4参照)が配置されている。シャッター部材56は、トナー供給口54を閉塞する閉塞位置とトナー供給口54を開放する開放位置との間でスライド可能とされており、コイルスプリング等の付勢部材(図示省略)により常に閉塞位置に付勢されている。これにより、シャッター部材56は、トナーカートリッジ36,38,40,42がカートリッジホルダ34に装着されていない状態では、閉塞位置に保持される。またトナータンク44の周壁部にはトナー充填口55の外周側にキャップ部材58が固着されてトナー充填口55が閉塞されている。
図4に示されるように、トナータンク44の後端部には、その周壁部の内周面と内周筒部50の外周面との間に形成される空間内に周壁部と内周筒部50とを連結するように4枚の仕切板60,61,62,63がリブ状に形成されている。これらの仕切板60,61,62,63は、トナータンク44における周壁部と内周筒部50との間に形成される環状の空間を周方向に沿って小空間に区画している。これらの小空間は、トナータンク44の先端面で開口すると共に、図6に示されるように、後端側がトナータンク44の底板部45により閉塞されている。
ここで、トナータンク44内における仕切板60と仕切板61との間の小空間及び仕切板61と仕切板62との間にの小空間は、それぞれ後述する1個の無線通信部材72(図4参照)を収納するための収納室64,66として構成されている。また仕切板60と仕切板63との間の小空間も、1個の無線通信部材72を収納する収納室68として構成されているが、この収納室68は、図5に示されるように、内周筒部50のエッジ部50A付近を境として機能的には収納部68Aと収納部68Bとに分割されており、収納室68では、2個の収納部68A,68Bの何れかに選択的に無線通信部材72が収納可能とされている。したがって、1個の無線通信部材72は、収納室64、収納室66及び収納室68における2個の収納部68A,68Bの何れかに選択的に収納され、この選択された収納室64,66及び収納部68A,68Bに応じて取付け位置が周方向に沿って変化する。
図4に示されるように、無線通信部材72は、軸方向から見た投影形状が収納室64,66に対応する略扇状とされており、収納室64、収納室66、収納室68における収納部68A,68Bの何れかに嵌挿されることで、その収納室64,66及び収納部68A,68Bの何れかの内部に収納、保持される。無線通信部材72には、外周面における挿入側の端部に外周側に突出する一対の掛止爪74が形成され、更に入口側の端面部に軸心S側へ突出する係合突起76が形成されている。
一方、トナータンク44の周壁部には、無線通信部材72における掛止爪74に対応する掛止穴78が収納室64,66及び収納部68A,68B毎に形成されており、内周筒部50の後端面には、無線通信部材72における係合突起76に対応する係合凹部80が収納室64,66及び収納部68A,68B毎に形成されている。またトナータンク44の底板部45には、収納室64,66及び収納部68A,68Bにそれぞれ通じるように無線通信部材72の支持ステー200に対応する挿入口204が穿設されている。
無線通信部材72は、収納室64,66及び収納部68A,68Bの何れかに嵌挿されると、その外周面をトナータンク44の内周面に密着させた状態となって、一対の掛止爪74をそれぞれ一対の掛止穴78に挿入すると共に、係合突起76を係合凹部80に係合させる。これにより、軸方向に沿った移動が確実に拘束され、かつ係合突起76を係合凹部80に係合することで周方向に沿ったガタツキの発生が確実に防止される。このとき、掛止穴78に挿入された掛止爪74は、無線通信部材72自体を内周側に弾性変形させなければ掛止穴78から抜けない。このため、収納室64,66及び収納部68A,68Bの何れかに嵌挿された無線通信部材72は、専用の治具等を用いなければ、トナータンク44から容易に取り外せないようになっている。
また、無線通信部材72が嵌挿されない収納室64,66及び収納部68A,68Bに通じる挿入口204は、樹脂等の弾性材料により成形された封止部材206が嵌挿されることで封止される。この封止部材206の先端部には、先端部から基端側へ向ってテーパ状に断面積が拡大する掛止部材206が一体的に形成されている。この封止部材206は、挿入口204内へ嵌挿された状態では掛止部材206が挿入口204の周縁部を内側から掛止することで脱落が防止されるようになっている。
図4に示されるように、無線通信部材72内には、銅線等の導電性線材がコイル状に巻き巻かれて構成された無線通信部材側アンテナ82が設けられている。無線通信部材側アンテナ82は、その導電性線材の巻中心であるコイル軸TCが無線通信部材72の厚さ方向と平行となるように設けられ、また軸直角方向に沿ったコイル面の形状が無線通信部材72の外周面に沿って湾曲している。具体的には、無線通信部材72には、図5及び図6に示されるように、互いに平行となるように湾曲した外壁部84と内壁部86とが設けられ、これらの外壁部84と内壁部86との間を巻芯部88が連結している。この巻芯部88の外周側に導電性線材が巻かれることにより、軸方向に沿って扁平な無線通信部材側アンテナ82が無線通信部材72の外周面に沿って湾曲するように構成されている。
また無線通信部材72には、無線通信部材側アンテナ82の内周側には外部から密閉された隔室部90が設けられている。隔室部90内には回路基板92が納められており、この回路基板92上には無線通信部材72の制御回路が1チップとして集積されたICチップ94が実装されている。ICチップ94は、回路基板92等を介して無線通信部材側アンテナ82に電気的に接続されている。
図2に示されるように、レーザープリンタ本体11に設けられたカートリッジホルダ34には、装置の高さ方向(矢印H方向)に沿って上段部に2個の着脱部96,98が、中段部及び下段部にそれぞれ1個ずつ着脱部100,102が設けられており、これらの着脱部96,98,100,102には、それぞれ1個のトナーカートリッジ36,38,40,42が着脱可能に装着される。ここで、カートリッジホルダ34に装着された4個のトナーカートリッジ36,38,40,42は、その軸方向外側から見て逆L字状の配列となっており、これにより、4個のトナーカートリッジ36,38,40,42が高さ方向に沿って直線状に配列された場合と比較し、装置の高さ方向への寸法増加が抑制されている。
図2に示されるように、カートリッジホルダ34には、装置奥側の端部に4個のトナーカートリッジ36,38,40,42のそれぞれ装着位置に対応するように4個(図2では上段部の2個のみが示されている。)の駆動プレート108が設けられている。これらの駆動プレート108は、それぞれ外形形状が肉厚板状とされており、その厚さ方向が装置の奥行方向と一致するように支持されている。駆動プレート108には、トナーカートリッジ36,38,40,42の先端面に対向する表面部にトナーカートリッジ36,38,40,42の従動連結板52(図4参照)に対応する駆動連結板(図示省略)が回転可能に配置されている。この駆動連結板は、基本的には従動連結板52と対称的な形状とされており、従動連結板52と噛合可能とされている。また駆動プレート108内には、それぞれ駆動モータ(図示省略)が内蔵されており、この駆動モータは現像器21,23,25,27の作動時に回転して駆動連結板を回転させる。
図2に示されるように、カートリッジホルダ34には、装置手前側の端部に4個のトナーカートリッジ36,38,40,42を囲うように逆L字状に延在する支持プレート104が設けられており、この支持プレート104には、4個のトナーカートリッジ36,38,40,42のそれぞれ装着位置に対応するように4個の支持ブラケット106が連結固定されている。カートリッジホルダ34に装着された4個のトナーカートリッジ36,38,40,42は、カートリッジホルダ34に装着された状態では、駆動プレート108と支持ブラケット106との間に掛け渡され、これらの駆動プレート108及び支持ブラケット106により先端部及び後端部が支持される。また支持ブラケット106には、トナーカートリッジ36,38,40,42のシャッター部材56に係合可能とされたシャッター係合部(図示省略)が設けられている。
図2に示されるように、カートリッジホルダ34の各着脱部96,98,100,102には、駆動プレート108と支持ブラケット106との間に2個のガイド部材110,112が奥行方向に延在するように設けられており、トナーカートリッジ36,38,40,42は、カートリッジホルダ34に対する挿脱時には、ガイド部材110,112により奥行方向に沿って直線的に移動するように案内される。
レーザープリンタ本体11において、トナーカートリッジ36,38,40,42をカートリッジホルダ34における対応する着脱部96,98,100,102に装着する際には、先ず、トナーカートリッジ36,38,40,42を奥行方向に沿って装置奥側へ挿入し、トナーカートリッジ36,38,40,42の先端部を駆動プレート108に突き当てる。これにより、トナーカートリッジ36,38,40,42の先端部が駆動プレート108に連結されて支持され、また支持ブラケット106のシャッター係合部がトナーカートリッジ36,38,40,42のシャッター部材56に係合する。
次いで、把手部48を用いてトナーカートリッジ36,38,40,42を時計方向へ所定角度だけ回転させることで、トナーカートリッジ36,38,40,42が着脱部96,98,100,102に装着完了する。このとき、駆動プレート108に配置された駆動連結板がトナーカートリッジ36,38,40,42の従動連結板52に噛み合い、駆動プレート108に内蔵された駆動モータが、駆動連結板及び従動連結板52を介してトナーカートリッジ36,38,40,42内のスクリューフィーダへトルク伝達可能に連結される。またトナーカートリッジ36,38,40,42の着脱部96,98,100,102での回転に連動し、支持ブラケット106のシャッター係合部によりトナーカートリッジ36,38,40,42のシャッター部材56が閉塞位置から開放位置ヘスライドし、トナー供給口54が開放される。
図2に示されるように、レーザープリンタ本体11には、カートリッジホルダ34における各着脱部96,98,100,102と現像器21,23,25,27との間にトナー給送管114が設けられている。このトナー給送管114の一端部は支持ブラケット106に接続されており、トナーカートリッジ36,38,40,42が着脱部96,98,100,102に装着されると、支持ブラケット106を介してトナーカートリッジ36,38,40,42のトナー供給口54に接続される。またトナー給送管114内には、トナー搬送用のスクリューフィーダ(図示省略)が配置されており、このスクリューフィーダには、トルク伝達軸116等を介して駆動プレート108内の駆動モータからのトルクが伝達される。
レーザープリンタ本体11では、現像器21,23,25,27の作動時に、作動している現像器21,23,25,27に対応する駆動プレート108に内蔵された駆動モータを回転させる。これにより、トナーカートリッジ36,38,40,42は、スクリューフィーダの作用によりトナー供給口54からトナーが所定速度で排出され、このトナーがトナー給送管114を通して作動状態にある現像器21,23,25,27に供給される。このとき、現像器21,23,25,27に供給されるトナー量は、現像のために消費されるトナーの量と略等しくなるように設定されている。
図3に示されるように、カートリッジホルダ34には、着脱部96,98間における装置奥側及び着脱部100,102間における装置奥側にそれぞれプレート状のアンテナユニット118,120が設置されている。これら2個のアンテナユニット118,120には、それぞれ樹脂により薄肉プレート状に成形されたケーシング部122が設けられると共に、このケーシング部122内に銅線等の導電性線材が巻き回されたコイル状の本体側アンテナ124が配置されている。アンテナユニット118,120は、そのコイル軸BCがケーシング部122の厚さ方向と平行となり、かつ軸直角方向に沿った表裏面(コイル面)がケーシング部122の面方向と平行になっている。ここで、カートリッジホルダ34における上段部に配置されたアンテナユニット118は、その面方向が装置の幅方向(矢印W方向)と直交するように支持され、中段部と下段部との間に配置されたアンテナユニット120は、その面方向が装置の高さ方向(矢印H方向)と直交するように支持されている。
図3に示されるように、カートリッジホルダ34にトナーカートリッジ36,38,40,42が装着された状態では、上側のアンテナユニット118は、装置の幅方向に沿ってトナーカートリッジ36,38間に形成される隙間に挿入されるように支持され、また下側のアンテナユニット120は、装置の高さ方向に沿ってトナーカートリッジ40,42間に形成される隙間に挿入されるように支持される。
一方、カートリッジホルダ34における着脱部96に装着されたトナーカートリッジ36には、収納室68における収納部68A内に無線通信部材72が嵌挿され、着脱部98に装着されたトナーカートリッジ38には収納室64に無線通信部材72が嵌挿されている。これにより、トナーカートリッジ36における無線通信部材側アンテナ82は、そのコイル面を本体側アンテナ124の厚さ方向に沿った一方のコイル面に十分に近接させつつ正対させ、またトナーカートリッジ38における無線通信部材側アンテナ82は、そのコイル面を本体側アンテナ124の厚さ方向に沿った他方のコイル面に十分に近接させつつ対向させる。
また、カートリッジホルダ34における着脱部100に装着されたトナーカートリッジ40には、収納室66内に無線通信部材72が嵌挿され、着脱部102に装着されたトナーカートリッジ42には収納室68における収納部68B内に無線通信部材72が嵌挿されている。これにより、トナーカートリッジ40における無線通信部材側アンテナ82は、そのコイル面を本体側アンテナ124の上面側のコイル面に十分に近接させつつ正対させ、またトナーカートリッジ42における無線通信部材側アンテナ82は、そのコイル面を本体側アンテナ124の下面側のコイル面に十分に近接させつつ正対させる。
ここで、無線通信部材側アンテナ82と本体側アンテナ124との電波送受信は、通常、アンテナ間の距離が短いほど効率が良くなり、また無線通信部材側アンテナ82と本体側アンテナ124とが同軸的な位置関係に近づくほど効率が良くなる。レーザープリンタ本体11では、トナーカートリッジ38,40,42に取り付けられた無線通信部材側アンテナ82については、本体側アンテナ124と同軸的に支持されており、アンテナ間の距離が一定の条件下では、略最高効率で本体側アンテナ124との電波送受信が可能になっている。またトナーカートリッジ36に取り付けられた無線通信部材側アンテナ82については、本体側アンテナ124に一定角度(約20°)傾いて支持されているが、本体側アンテナ124との距離が十分に小さいことから、十分に高い効率で電波送受信が可能になっている。これを換言すれば、無線通信部材72とレーザープリンタ本体11側の無線通信装置130(図7参照)との間で使用される電波出力を十分に小さくすれば、良好な無線通信状態を維持しつつ、本体側アンテナ124と通信関係が設定されていない無線通信部材72との混信が確実に防止可能になる。
つぎに、上記のように構成された本実施形態に係るレーザープリンタ10における無線通信システム128の構成及び動作について説明する。
図7には、本発明の実施形態に係る無線通信システム128の構成がブロック図として示されている。この無線通信システム128は、4個のトナーカートリッジ36,38,40,42にそれぞれ取り付けられた無線通信部材72及びプリンタ本体11側に配置された無線通信装置130により構成されている。この無線通信装置130は、カートリッジホルダ34に配置された2個のアンテナユニット118,120及び、これらのアンテナユニット118,120にそれぞれ内蔵された本体側アンテナ124に接続された本体部132を備えている。
前述したように、各トナーカートリッジ36,38,40,42に取り付けられる無線通信部材72は、コイル上の無線通信部材側アンテナ82及び回路基板92上に実装されたICチップ94を備えている。ICチップ94には、CPU134、送受信回路136、電源回路138、ROM140及びEEPROM142が集積された単一素子として構成されている。CPU134は、ROM140に格納された通信プログラムにしたがって、無線通信部材72全体を制御する。
一方、EEPROM142は、情報記憶を維持するための電力が不要とされた不揮発性の情報記憶素子であり、CPU134により任意の情報を書き込むと共に、書き込まれた情報から任意のものを読み出すことが可能とされている。具体的には、EEPROM142には、下記(1)が記憶されており、また下記(2)(3)のような情報が書き込まれる。
(1)複数の更新プログラム(レーザープリンタ本体11を制御するプログラム)
(2)レーザープリンタ本体11の制御プログラムの更新情報(詳細は後述する)
(3)レーザープリンタ本体11の本体識別番号
無線通信部材72における送受信回路136は、情報送信時には、CPU134から送られてきたパラレルの情報信号をシリアルの情報信号に変換した後、この情報信号により変調された電気信号を無線通信部材側アンテナ82へ出力する。これにより、無線通信部材側アンテナ82からは、CPU134からの情報信号に対応する電波信号が出力(輻射)される。また送受信回路136は、情報受信時には、無線通信部材側アンテナ82により受信した電波信号により得られた電気信号をシリアルの情報信号に復調した後、この情報信号をパラレルの情報信号に変換してCPU134に出力する。
無線通信部材72における電源回路138は、無線通信装置130との送受信時に、無線通信部材側アンテナ82に電磁誘導により生じた所定周波数の交流電流を情報信号から分離し、この交流電流を直流電流に変換した後、CPU134及び送受信回路136に供給する。これにより、CPU134及び送受信回路136には、無線通信装置130との送受信時に必要な電力が供給される。
図7に示されるように、無線通信装置130の本体部132には、CPU144、送受信回路146、電源回路148、ROM150、RAM152及びインターフェイス回路154が設けられている。ここで、送受信回路146は、アンテナに対して2個の入出力端子146A,146Bを備えており、一方の入出力端子146Aにはアンテナユニット118の本体側アンテナ124が接続され、他方の入出力端子146Bにはアンテナユニット120の本体側アンテナ124が接続されている。送受信回路146は、無線通信部材72との情報送受信時に、情報の入出力先に応じて入出力端子146A,146Bの一方のみをオン状態とし、他方をオフ状態とする。
CPU144は、ROM150に格納された通信プログラムにしたがって、無線通信装置130全体を制御する。
更に、CPU144は、インターフェイス回路154を通してレーザープリンタ本体11の中央制御部208から送られてきた、更新情報、本体識別番号などをRAM152に一時記憶させた後、所定のタイミングでRAM152から送信情報を読み出し、無線通信部材72へ送信する。これにより、無線通信部材72のCPU134は、無線通信装置130から受信した情報をEEPROM142に書き込み記録する。
また、無線通信部材72のCPU134は、EEPROM142に記憶された更新プログラム、更新情報、本体識別番号などを読み出し、本体部132のCPU144に送る。CPU144は、インターフェイス回路154を通して中央制御部208に送る。
図8に示すように、中央制御部208は、CPU250、電源回路256、EPROROM254、RAM252が設けられている。
CPU250は、EPROM254に格納された制御プログラムにしたがって、レーザープリンタ10全体を制御する。
更に、CPU250は、無線通信装置130のCPU144から送られてきた、複数の更新プログラム、更新情報、本体識別番号とEPROM254からの情報(制御プログラムのバージョン、初期設定、本体情報など)とに基づいて、必要な更新プログラムを選択し、また、選択した更新プログラムに制御プログラムを書き換えて更新する必要があると判断すると、制御プログラムを更新プログラムに書き換える。
図9には、本実施形態に係る制御プログラムの更新処理の一連の動作が示されている。
レーザープリンタ10では、電源投入、トナーカートリッジ36,38,40,42の交換、記録紙のジャム等の異常発生後のリセット処理等が行われた場合に、無線通信装置130によって無線通信部材72の通信を行い、中央制御部208のEPROM254に記憶されている制御プログラムの更新処理が行われる。
まず、更新処理では、ステップ300にて、CPU250は、電源投入、又は、トナーカートリッジ36,38,40,42の交換、ジャム等の異常発生後のリセット処理等などのインターロック開閉直後かを確認する。電源投入、インターロック開閉直後でなければ、更新処理を終了する。電源投入、インターロック開閉直後であれば、ステップ302に進む。
ステップ302で、無線通信装置130によって無線通信部材72のEPROM142の複数の更新プログラム、更新情報、本体識別番号が読み出され、中央制御部208のCPU250に送られる。
ステップ304で、中央制御部208のCPU250は、送られてきた複数の更新プログラム、更新情報、本体識別番号とEPROM254からの情報(制御プログラムのバージョン、初期設定、本体情報など)とに基づいて、複数のプログラムのうち、適切な更新プログラムを選択し、そして、その選択された更新プログラムに制御プログラムを更新プログラムに更新するかしないかの判断を行う。
なお、各トナーカートリッジ36,38,40,42の無線通信部材72との間で、ステップ302の処理を順に実行する。
CPU250が、制御プログラムを更新しないと判断した場合は、ステップ316に進む。
ステップ316では、更新情報(更新プログラムに更新しなかった情報、制御プログラムのバージョン情報等)とレーザープリンタ本体11の本体識別番号とを無線通信システム128で無線通信部材72のEPROM254に書き込む。
CPU254が更新すると判断した場合は、ステップ308に進む。
ステップ308で、ユーザーに更新プログラムに更新を行うか否かを操作パネル500(図10参照)に表示する。
ステップ310でユーザーが更新を行うか否かの選択を行い、操作パネル500を操作する。
ユーザーの選択の結果、更新しない場合は、ステップ316に進む。
ステップ316では、更新情報(ユーザーの選択で更新プログラムに更新しなかった情報、制御プログラムのバージョン情報等)とレーザープリンタ本体11の本体識別番号とを無線通信システム128で無線通信部材72のEPROM142に書き込む。
ユーザーの選択の結果、更新する場合は、ステップ312に進む。
ステップ312では、CPU250によって、EPROM254の制御プログラムを更新プログラムに書き換え更新する。
ステップ314で、CPU250が更新が正常に行われた否かを判断する。
更新が正常に行われた場合は、ステップ316に進む。
ステップ316では、更新情報(更新プログラムに更新した情報、更新後の制御プログラムのバージョン情報等)とレーザープリンタ本体11の識別番号とを無線通信システム128で無線通信部材72のEPROM142に書き込む。
何らかの理由でEPROM254の書換えが正常に行われなかった場合は、ステップ318に進む。
ステップ318で、エラー処理、例えば、操作パネル500に更新処理にてエラーが生じた旨をユーザーに表示し、エラーコードやサービズマンコールの表示を行う。
つぎに、上記のように構成された本実施形態に係るレーザープリンタ10の作用について説明する。
本実施形態に係るレーザープリンタ10では、カートリッジホルダ34にトナーカートリッジ36,38,40,42が装着された後、開閉扉13が閉鎖された場合、及びオフ状態にある装置のメイン電源が投入されてオン状態になった場合、図9に示される更新処理を行う。この更新処理は、全てのトナーカートリッジ36,38,40,42について行われる。
図7に示される無線通信装置130のCPU144は、前述したように、各トナーカートリッジ36,38,40,42に取り付けられた無線通信部材72のEEPROM142から更新情報、複数の更新プログラム、本体識別番号とを読み取り、中央制御部208のCPU250へ出力する。
中央制御部208のCPU250は、無線通信部材72のEEPROM142から読み取った、複数の更新プログラム、更新情報、本体識別番号とEPROM254からの情報(制御プログラムのバージョン、初期設定、本体情報など)とに基づいて、更新プログラムの選択と制御プログラムの更新をするか、しないかの判断を行う。
具体的には、例えば、下記のような判断を行う。
(1)初期設定による判断
(2)既に他のレーザープリンタに対し更新処理を行っていた場合、本レーザープリンタ本体11に対しても更新処理が許されるか否かの判断
(3)本体装置機能に応じた更新プログラムの選択
(4)制御プログラムと更新プログラムとを比較し、更新プログラムの方が新しいバージョンか否かの判断。
(1)は、(2)以下によらず、制御プログラムの更新を行わない設定とする場合を指す。
なお、制御プログラムの更新を行わない場合とは、例えば、画像処理ソフトを更新することで、例えばトナーの消費量が増える可能性があるので更新を希望しないユーザーに予め設定しておく。あるいは、更新は保守契約などを結んだユーザーのみが対象であり、保守契約を結んでいないユーザーに対しては更新を行わないように予め設定しておく場合などがある。
また、初期設定とは、例えば、工場出荷時の設定、サービスマンによる専用ツールによる設定、操作パネル500にパスワードを入力すると変更が可能となる設定(パスワードで保護がかかっている設定)など、ユーザーが通常は変えない、あるいは、変えられない設定を指す。なお、この初期設定も、更新プログラムで設定変更が可能である。
(2)は、一つのトナーカートリッジ36,38,40,42で所定の回数しか更新させない場合、更新情報を基に所定の回数以下であるか否かの判断、あるいは、同一ユーザー内のみ複数回更新が許される場合、本体識別番号をもとに前回同一ユーザー内での更新であるか否かの判断などがある。なお、この(2)も初期設定で設定変更が可能である。
(3)は、例えば、両面印刷機能、給紙カセット構成(例えば、1段カセット、複数段カセット、あるいは、用紙サイズ構成など)、後処理装置(排紙スタッカーなど)などの本体装置機能に応じた必要な更新プログラムを選択することなどを指す。また、異なる機種に同じ共通のトナーカートリッジ36,38,40,42を装着する場合、例えば、印字速度が10ppm機と20ppm機と異なる機種であるが、同じ共通のトナーカートリッジ36,38,40,42を使用している場合、それぞれの機種に応じた必要な更新プログラムを選択することなども指す。
(4)は、無線通信部材72の更新プログラムのほうが、レーザープリンター本体11の制御プログラムより新しいバージョンであるか否かの判断を指す。
そして、CPU250が、更新プログラムを選択し、制御プログラムを更新すると判断した場合は、更新に関するメッセージを操作パネル500(図10参照)に表示する。ユーザは操作パネル500のメッセージにしたがって、制御プログラムを更新するか否かを選択し、操作パネル500を操作する。
ユーザーが制御プログラムの更新を選択した場合は、CPU250はEPROM254の制御プログラムを更新プログラムに書き換え更新する。
なお、このユーザーへの確認も、前述した初期設定で、確認を行わない設定とすることもできる。(図9の308、310のステップが除かれ、ステップ304でのCPU250の判断のみで更新を行う)。つまり、制御プログラムの更新をユーザーに意識させずに行うことができる。
このように、トナーカートリッジ36,38,40,42を装着することによって、レーザープリンタ本体11の制御プログラムの更新が行える。
なお、トナーカートリッジ36,38,40,42内に充填されたトナーが全て排出されると、そのトナーカートリッジ36,38,40,42が新しいものに交換される。よって、確実に頻繁に新しいトナーカートリッジ36,38,40,42がレーザープリンタ本体11に装着される。つまり、確実に制御プログラムの更新を行える。
また、CPU250によって、レーザープリンタ本体11の機能に対応した更新プログラムが自動的に選択され、更に、更新するか否かの判断が自動的に行われるので、制御プログラムの書換えミスが起きない。
更に、更新情報(更新の有無、制御プログラムのバージョン情報等)とプリンタ本体11の本体識別番号とがCPU250から無線通信装置130に送られ、無線通信部材72のEPROM142に書き込まれる。プリンタ本体11から取り外された使用済みトナーカートリッジ36,38,40,42は、ユーザからメーカーに返却される。
そして、メーカーはトナーカートリッジ36,38,40,42の無線通信部材72のEPROM142に書き込まれた更新情報と本体識別番号とを読出すことで、市場に設置されているレーザープリンタ10の制御プログラムの更新状況を、市場の各レーザープリンタ10毎に正確に把握することができる。
このため、例えば、なんらかのトラブルの対応のため、ユーザーにサービスマンが出向く際、事前にレーザープリンタ10の制御プログラムのバージョンが把握できるので、トラブル対応が行い易いなどの利点がある。
尚、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、本実施形態では、更新プログラムが格納されたEPROM(不揮発性メモリ)を備える機能部品として、トナーカートリッジ36,38,40,42を例にあげて説明したが、このようなトナーカートリッジ以外にも、レーザープリンタにおいてレーザープリンタ本体に対して着脱される電子写真感光体、クリーニング器、帯電器、除電器、現像器、電子写真感光体及び1個以上のプロセス部品を含むプロセスカートリッジ等であってもよい。
また、電子写真プロセスを用いることなく画像形成を行う画像形成装置、例えば、インクジェットプリンタ、サーマルヘッドプリンタ等の画像形成装置に適用し、記録ヘッド、インクカートリッジ、インクリボンカートリッジ等の画像形成装置本体に対して着脱される機能部品であっても良い。
更に、画像形成装置もプリンタ以外の各種の画像形成装置、例えば、ファクシミリ、複写機、複合機などにも適用可能である。
なお、プリンタ、複写機、ファクシミリ、複合機など機種は異なるが、同じ共通の機能部品を使用している場合、機能部品の不揮発性メモリに機種毎の複数の更新プログラムを記憶させ、図9のステップ302でCPU250が機種にあった更新プログラムを選択するようにしても良い。
あるいは、機能部品は、画像形成装置本体の機能を拡張するオプション部品、例えば、多段給紙カセット、後処理装置(排紙スタッカーなど)であっても良い。
なお、オプション部品が画像形成装置本体の機能を拡張する内容に対応する制御プログラムを記憶させておけば、オプション部品を装着すると、このオプション部品によって拡張する機能に応じた制御プログラムが確実に更新される。
また、更新プログラム等が格納されたEPROMと画像形成装置本体とのやりとりも無線通信システム128に限定されない。例えば、機能部品が装着されると画像形成装置本体とコネクターで結線するようにしても良い。
また、不揮発性メモリもEPROMに限らない、その他の不揮発性メモリーであっても良い
なお、本発明に係る制御プログラムとは画像形成装置に関する制御プログラム全般を意味する。例えば、画像形成に関するプログラム全般、例えば、画像処理関係、プロセス制御関係、記録紙などの給排紙関係などは勿論、画像形成以外に関するプログラム、例えば、操作パネルの表示関係、FAX、複合機などでの電気通信関係、読み取り(スキャナー)関係なども含む。