JP2021162615A - 画像形成装置、制御方法およびカートリッジ - Google Patents

Abstract

【課題】カートリッジのメモリに新たな情報を書き込むことなく、カートリッジの画像形成装置における使用可否を判定する。【解決手段】画像形成装置（１）は、コントローラ（８０）を備える。コントローラ（８０）は、本体筐体（１０）に装着されたカートリッジが未使用であると判定したとき、本体筐体（１０）に装着されたカートリッジのカートリッジメモリから取得した前記消耗状態情報をカートリッジメモリに記憶させ、カートリッジメモリに記憶されている消耗状態情報と、本体メモリ（１５）に記憶されている前記消耗状態情報とが一致しているかを判定する。コントローラ（８０）は、カートリッジに記憶されている消耗状態情報と、本体メモリ（１５）に記憶されている消耗状態情報とが一致すると判定される場合、前記カートリッジの使用を許可する。【選択図】図２

Description

本開示は、画像形成装置およびカートリッジに関する。

一般的に、画像形成装置は、消耗品または交換部品を、画像形成を行うために使用している。消耗品は、例えば、画像形成装置が画像形成の際に使用するトナー、または、インクを収容したカートリッジである。また、交換部品は、画像形成装置が使用によって交換が必要となるカートリッジである。このような消耗品または交換部品は、画像形成装置に対して交換が可能となっている。

また、カートリッジは、メモリを有することによって、消耗品の残量や交換部品の寿命をメモリに記憶している。画像形成装置のコントローラは、画像形成時のカートリッジの使用に応じて、メモリに記憶されている残量または寿命を更新する。また、カートリッジのメモリに画像形成装置に関する情報を書き込むことにより、その情報に基づいて、カートリッジを使用できる画像形成装置を特定することも可能になっている。

例えば、特許文献１には、カートリッジがプリンタに装着されると、カートリッジのメモリコントローラが、プリンタのコントローラの制御によって、プリンタ識別子をカートリッジのメモリに書き込むことが記載されている。また、特許文献１には、プリンタのコントローラが、プリンタのプリンタ識別子と、カートリッジのメモリに記憶されているプリンタ識別子とを比較し、両者が一致した場合にはカートリッジを使用できると判定し、両者が一致しない場合にカートリッジを使用できないと判定することが記載されている。

米国特許出願公開２０１８／００８６０９１号明細書

特許文献１に記載された技術では、カートリッジの比較的容量の小さいメモリにプリンタ識別子を書き込む必要がある。このため、カートリッジのメモリにプリンタ識別子を書き込む手法よりもカートリッジのメモリの使用を抑えることができる手法によってカートリッジの使用の可否を判定することが望まれていた。

本開示は、カートリッジのメモリに新たな情報を書き込むことなく、カートリッジの画像形成装置における使用可否を判定することを目的とする。

上記の課題を解決するために、本開示の第１態様に係る画像形成装置は、画像形成装置であって、開口を有する本体筐体であって、第１メモリを有する本体筐体と、前記開口を開ける開位置と、前記開口を閉じる閉位置との間を移動可能なカバーと、画像形成を行うために使用される材料または部品を有するカートリッジであって、前記開口を介して前記本体筐体に装着可能であるカートリッジであって、前記カートリッジが消耗した状態を表す消耗状態情報を記憶する第２メモリを有するカートリッジと、コントローラと、を備え、前記コントローラは、前記本体筐体に装着された前記カートリッジが未使用であるかを判定する第１判定処理と、前記第１判定処理により、前記本体筐体に装着された前記カートリッジが未使用であると判定されたとき、前記本体筐体に装着された前記カートリッジの前記第２メモリから取得した前記消耗状態情報を前記第１メモリに記憶させる記憶処理と、前記画像形成装置の電源がオンされたか、または、前記カバーが前記開口を閉じたかを判定する第２判定処理と、前記第２判定処理により、前記画像形成装置の電源がオンされたか、または、前記カバーが前記開口を閉じたと判定されたときに、前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報と、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報とが一致しているかを判定する第３判定処理と、前記第３判定処理により、前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報と、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報とが一致すると判定される場合、前記カートリッジの使用を許可する第１制御処理と、前記第３判定処理により、前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報と、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報とが一致すると判定されなかった場合、前記カートリッジの使用を許可しない第２制御処理と、を実行する。

第２態様は、第１態様の画像形成装置であって、前記第２メモリは、前記カートリッジに固有の識別情報を記憶し、前記コントローラは、前記第１制御処理または前記第２制御処理において、前記第２メモリに記憶された前記識別情報を使うこと無しに、第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報および前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報に基づいて、前記カートリッジの使用を許可するかを判定する。

第３態様は、第１態様または第２態様の画像形成装置であって、前記コントローラは、前記第３判定処理により、前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報と、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報とが一致すると判定されなかった場合、前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報が示す画像形成が可能な第１可能枚数が、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報が示す画像形成が可能な第２可能枚数より多いか、または前記第１可能枚数が前記第２可能枚数より少ないかを判定する第４判定処理と、前記第４判定処理により、前記第１可能枚数が前記第２可能枚数より多い、または、前記第１可能枚数が前記第２可能枚数より少ないと判定したときに、前記第１可能枚数と前記第２可能枚数との差が所定値以内であるかを判定する第５判定処理と、前記第５判定処理により、前記第１可能枚数と前記第２可能枚数との差が所定値以内であると判定したときに、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報を前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報に更新するか、または前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報を前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報に更新する更新処理と、をさらに実行し、前記第２制御処理において、前記第５判定処理により、前記第１可能枚数と前記第２可能枚数との差が所定値を超えると判定したときに、前記カートリッジの使用を許可しない。

第４態様は、第１態様から第３態様のいずれか１つの画像形成装置であって、前記カートリッジは、所定の方向に伸びる軸に対して回転可能な検知ギアであって、前記検知ギアと共に回転可能な突起を有する検知ギアを有し、前記コントローラは、前記第１判定処理において、前記カートリッジが前記本体筐体に装着されたときの前記検知ギアの回転による前記突起の移動に基づいて前記カートリッジが未使用であることを判定し、前記第１判定処理により未使用であると判定したとき、前記カートリッジの前記消耗状態情報を前記突起の移動に基づいて決定する決定処理を実行し、前記記憶処理において、前記決定処理により決定した前記消耗状態情報を前記第１メモリおよび前記第２メモリに記憶させる。

第５態様は、第１態様から第４態様のいずれか１つの画像形成装置であって、前記カートリッジは、トナーを収容可能なトナーカートリッジまたは感光体ドラムを有するドラムカートリッジである。

第６態様に係る制御方法は、画像形成装置を制御する制御方法であって、前記画像形成装置の本体筐体に装着されたカートリッジが未使用であるかを判定する第１判定処理と、前記本体筐体に装着された前記カートリッジが未使用であると判定されたとき、画像形成装置の第１メモリに、前記本体筐体に装着された前記カートリッジの第２メモリに記憶された消耗状態情報であって前記カートリッジが消耗した状態を表す消耗状態情報を、記憶させる記憶処理と、画像形成装置の電源がオンされたか、または、画像形成装置のカバーが閉じたかを判定する第２判定処理と、前記第２判定処理により、前記画像形成装置の電源がオンされたか、または、前記カバーが閉じたと判定されたときに、前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報と、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報とが一致しているかを判定する第３判定処理と、前記第３判定処理により、第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報と、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報とが一致すると判定される場合、前記カートリッジの使用を許可する第１制御処理と、前記第３判定処理により、第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報と、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報とが一致すると判定されなかった場合、前記カートリッジの使用を許可しない第２制御処理と、を含む。

第７態様に係るカートリッジは、カートリッジであって、画像形成を行うために使用される材料または部品を含むカートリッジ筐体と、前記カートリッジが消耗した消耗状態を表す消耗状態情報を記憶するカートリッジメモリと、を備え、前記カートリッジメモリに記憶されている前記消耗状態情報に基づいて、画像形成装置において前記カートリッジが使用可能かどうかを判定可能である。

第１態様の画像形成装置によれば、カートリッジの消耗状態に応じて変化する消耗状態情報を利用して、本体筐体に装着されたカートリッジが使用できるか否かが判定される。これにより、カートリッジが使用できるかを判定するために、新たな情報を必要とすることがない。したがって、カートリッジのメモリに新たな情報を書き込むことなく、カートリッジが画像形成装置において使用できるか否かを判定することができる。したがって、カートリッジのメモリに新たな情報を書き込むことなく、カートリッジの画像形成装置における使用可否を判定することができる。

第２態様の画像形成装置によれば、カートリッジが識別情報を記憶していても、識別情報を使うこと無く、消耗状態情報に基づいて、カートリッジが使用できるか否かを判定することができる。

第３態様の画像形成装置によれば、第１可能枚数と前記第２可能枚数との差が所定値未満である場合は、第２メモリに消耗状態情報を記憶させるときにエラーなどが生じているために、上記の差が大きくないことが考えられる。この場合は、第１可能枚数および第２可能枚数のうちの少ない方に対応する消耗状態情報を採用する。そして、第１メモリまたは第２メモリの消耗状態情報を採用した消耗状態情報に更新する。これにより、第１可能枚数と前記第２可能枚数との差が所定値未満である場合は、第１メモリに記憶されている消耗状態情報と、第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報とを一致させて、装着されたカートリッジを使用できると判定することができる。

第４態様の画像形成装置によれば、検知ギアを有し、予め第２メモリに消耗状態情報が記憶されていないカートリッジについても、消耗状態情報を利用して、本体筐体に装着されたカートリッジが使用できるか否かが判定される。これにより、カートリッジのメモリに新たな情報を書き込むことなく、カートリッジが画像形成装置において使用できるか否かを判定することができる。

第５態様の画像形成装置によれば、カートリッジのメモリに新たな情報を書き込むことなく、カートリッジの画像形成装置における使用可否を判定することができる。

第６態様の制御方法によれば、カートリッジが使用できるかを判定するために、新たな情報を必要としない。したがって、カートリッジのメモリに新たな情報を書き込むことなく、カートリッジが画像形成装置において使用できるか否かを判定することができる。

第７態様のカートリッジによれば、画像形成装置のコントローラは、カートリッジの消耗状態情報に基づいて、カートリッジの使用可否を判定することができる。

本開示の実施形態１に係る画像形成装置の概略図である。 上記画像形成装置の本体筐体へのドラムカートリッジおよびトナーカートリッジとの装着を示す図である。 上記画像形成装置のコントローラが実行するカートリッジの検知処理の手順を示すフローチャートである。 上記コントローラが実行する印刷可否判定の手順を示すフローチャートである。 本開示の実施形態２に係る画像形成装置の概略図である。 図５に示す画像形成装置におけるトナーカートリッジの斜視図である。 図６に示すトナーカートリッジの他の斜視図である。 図６に示すトナーカートリッジの分解斜視図である。 図７に示すトナーカートリッジの分解斜視図である。 図６に示すトナーカートリッジにおける検知ギアによる新品検知の制御系を示す図である。

〔実施形態１〕
以下、本開示の実施形態１について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の説明においては、トナーカートリッジにおける現像ローラの回転中心軸（現像軸）が延びる方向を「第１方向」とする。

図１は、画像形成装置１の概略図である。図２は、画像形成装置１の本体筐体１０へのドラムカートリッジ２０およびトナーカートリッジ３０との装着を示す図である。画像形成装置１は、電子写真方式のプリンタである。画像形成装置１の例としては、レーザプリンタやＬＥＤプリンタが挙げられる。

図１および図２に示すように、画像形成装置１は、本体筐体１０と、カバー１１と、カートリッジの一例としてのドラムカートリッジ２０と、カートリッジの一例としてのトナーカートリッジ３０と、転写ベルト７０と、コントローラ８０とを備えている。ドラムカートリッジ２０およびトナーカートリッジ３０は、それぞれ４つずつ設けられている。また、画像形成装置１は、ドラムカートリッジ２０のそれぞれに対応した光源ユニット５を備えることで、４つの光源ユニット５を備える。

トナーカートリッジ３０は、ドラムカートリッジ２０に装着されることで、ドラムカートリッジ２０と一体となる。つまり、トナーカートリッジ３０は、トナーカートリッジ３０がドラムカートリッジ２０に装着された状態で、ドラムカートリッジ２０と共に、本体筐体１０へ装着される。

本体筐体１０は、矩形の箱状に形成されている。４つのドラムカートリッジ２０、４つのトナーカートリッジ３０、転写ベルト７０およびコントローラ８０は、本体筐体１０に収容される。本体筐体１０は、４つのカートリッジ保持部１３を有する。カートリッジ保持部１３は、凹状に形成されており、開口を有する。ドラムカートリッジ２０およびトナーカートリッジ３０は、カートリッジ保持部１３のそれぞれに保持されることで本体筐体１０に装着される。

本体筐体１０の外表面には、液晶ディスプレイやランプなどの表示部、および、ボタンなどの入力部が設けられていてもよい。液晶ディスプレイは、タッチパネルを有することにより、入力部として機能するように構成されてもよい。

カバー１１は、本体筐体１０の上端に設けられた開口１０Ａを開閉する。カバー１１は、図１において実線で示す開口１０Ａを開ける開位置と、図１において二点鎖線で示す開口１０Ａを閉じる閉位置との間で、第１方向に延びる回動軸１１Ａを中心に回動可能（移動可能）である。カバー１１が開位置に配置されたときには、カートリッジ保持部１３のそれぞれの開口が開放される。カバー１１が閉位置に配置されたときには、カートリッジ保持部１３のそれぞれの開口が、カバー１１により覆われる。

本体筐体１０には、開口１０Ａに図示しない閉センサが設けられている。閉センサは、カバー１１が閉位置にあることを検知するセンサである。閉センサは、例えば、接触型のセンサであってもよいし、光学型のセンサであってもよい。

ドラムカートリッジ２０は、本体筐体１０に装着可能なカートリッジ筐体を有している。カートリッジ筐体は、画像形成を行うために使用される部品として、感光体ドラム２１を含む。感光体ドラム２１は、使用に伴って、表面の磨耗などの劣化が生じるために交換が必要となる交換部品である。感光体ドラム２１は、第１方向に延びる円筒状の感光体である。感光体ドラム２１は、第１方向に延びるドラム軸を中心に回転可能である。感光体ドラム２１の外周面は、感光材料に覆われている。

また、ドラムカートリッジ２０は、第２メモリの一例としてのドラムメモリ２２を有している。ドラムメモリ２２は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。ドラムメモリ２２は、例えばフラッシュＲＯＭ（Read Only Memory）またはＥＥＰＲＯＭ（登録商標，Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory）である。

ドラムメモリ２２は、ドラムカートリッジ２０の感光体ドラム２１に関する情報を記憶するために、第１領域２２１と、第２領域２２２とを有している。第１領域２２１は、識別情報の一例としてのドラムＩＤを記憶している。第２領域２２２は、消耗状態情報の一例としてのドラム消耗状態情報を記憶している。なお、ドラムメモリ２２は、ドラムＩＤを記憶していなくてもよい。

ドラムＩＤは、個々のドラムカートリッジ２０を識別するための固有のシリアルナンバーである。ドラム消耗状態情報は、ドラムカートリッジ２０が消耗した状態を表している。より詳しくは、ドラム消耗状態情報は、ドラムカートリッジ２０が消費された度合、または、ドラムカートリッジ２０の消費に応じたドラムカートリッジ２０の寿命が残存する度合によって表される。

ドラムカートリッジ２０が消費された度合は、例えば、感光体ドラム２１の累積回転数、および、感光体ドラム２１を用いての累積印刷枚数のうち少なくとも１つである。ドラムカートリッジ２０の寿命が残存する度合は、例えば、感光体ドラム２１の残回転数、および、感光体ドラム２１を用いての印刷可能枚数のうち少なくとも１つである。

感光体ドラム２１の累積回転数は、ドラムＩＤにより特定されるドラムカートリッジ２０において、印刷の度にインクリメントされて算出される。また、感光体ドラム２１を用いての累積印刷枚数は、ドラムＩＤにより特定されるドラムカートリッジ２０において、印刷の度にインクリメントされて算出される。

感光体ドラム２１の残回転数は、ドラムＩＤにより特定されるドラムカートリッジ２０において、印刷の度に規定回転数からデクリメントされて算出される。また、感光体ドラム２１を用いての印刷可能枚数は、ドラムＩＤにより特定されるドラムカートリッジ２０において、印刷の度に規定印刷枚数からデクリメントされて算出される。

ドラムメモリ２２は、ドラムＩＤおよびドラム消耗状態情報以外に、次のような情報を記憶していてもよい。このような情報は、ドラムカートリッジ２０の適合機種、ドラムカートリッジ２０の仕様、ドラムカートリッジ２０が未使用（新品）か否かを示す情報、ドラムカートリッジ２０が純正品か否かを示す情報、ドラムカートリッジ２０のエラー履歴などの情報である。

トナーカートリッジ３０は、現像ローラ３１と、印刷材の一例としてのトナー、例えばトナーとを収容可能なカートリッジ筐体を有する。カートリッジ筐体は、本体筐体１０に装着可能である。４つのトナーカートリッジ３０は、画像形成を行うために使用される材料として、互いに異なる色（例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、およびブラックの各色）のトナーを収容する。現像材は、使用に伴ってなくなる消耗品である。現像ローラ３１は、第１方向に延びる円筒状の部材であり、第１方向に延びる現像軸を中心に回転可能である。トナーカートリッジ３０がドラムカートリッジ２０に装着されると、感光体ドラム２１の外周面は、現像ローラ３１の外周面と接触する。

また、トナーカートリッジ３０は、第２メモリの一例としてのトナーメモリ３２を有する。トナーメモリ３２は、トナーカートリッジ３０の第１方向における一方側の外表面に配置される。トナーメモリ３２は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリ、例えば、フラッシュＲＯＭまたはＥＥＰＲＯＭ（登録商標）である。

トナーメモリ３２は、トナーカートリッジ３０に関する情報を記憶するために、第１領域３２１と、第２領域３２２とを有している。第１領域３２１は、識別情報の一例としてのトナーＩＤを記憶している。第２領域３２２は、消耗状態情報の一例としてのトナー消耗状態情報を記憶している。第２領域は、データの複数回の書き替えが可能である。なお、トナーメモリ３２は、トナーＩＤを記憶していなくてもよい。

トナーＩＤは、例えば、個々のトナーカートリッジ３０を識別するための固有のシリアルナンバーである。トナー消耗状態情報は、トナーカートリッジ３０が消耗した状態を表している。より詳しくは、トナー消耗状態情報は、トナーカートリッジ３０が消費された度合、または、トナーカートリッジ３０の消費に応じたトナーカートリッジ３０の寿命が残存する度合によって表される。

トナーカートリッジ３０が消費された度合は、例えば、現像ローラ３１の累積回転数、現像ローラ３１を用いての累積印刷枚数、および、現像ローラ３１を用いての累積ドット数のうち、少なくとも１つである。トナーカートリッジ３０の寿命が残存する度合は、例えば、現像ローラ３１の残回転数、現像ローラ３１を用いての印刷可能枚数、および、現像ローラ３１を用いての残ドット数のうち、少なくとも１つである。

現像ローラ３１の累積回転数は、トナーＩＤにより特定される１つのトナーカートリッジにおいて、印刷の度にインクリメントされて算出される。現像ローラ３１を用いての累積印刷枚数は、トナーＩＤにより特定される１つのトナーカートリッジ３０において、印刷の度にインクリメントされて算出される。現像ローラ３１を用いての累積ドット数は、トナーＩＤにより特定される１つのトナーカートリッジ３０において、印刷の度にデクリメントされて算出される。

現像ローラ３１の残回転数は、トナーＩＤにより特定される１つのトナーカートリッジにおいて、印刷の度に規定回転数からデクリメントされて算出される。現像ローラ３１を用いての印刷可能枚数は、トナーＩＤにより特定される１つのトナーカートリッジ３０において、印刷の度にインクリメントされて算出される。現像ローラ３１を用いての残ドット数は、トナーＩＤにより特定される１つのトナーカートリッジ３０において、印刷の度に規定ドット数からデクリメントされて算出される。

トナーメモリ３２は、トナーＩＤおよびトナー消耗状態情報以外に、次のような情報を記憶していてもよい。このような情報は、トナーカートリッジ３０の適合機種、トナーカートリッジ３０の仕様、トナーカートリッジ３０が未使用（新品）か否かを示す情報、トナーカートリッジ３０が純正品か否かを示す情報、トナーカートリッジ３０のエラー履歴などの情報である。

図１に示すように、ドラムカートリッジ２０およびトナーカートリッジ３０は、カバー１１が開位置に配置された状態で、本体筐体１０に装着される。この状態で、ドラムカートリッジ２０およびトナーカートリッジ３０は、開口１０Ａからカートリッジ保持部１３に挿入される。

本体筐体１０は、コネクタ１０１を有する。ドラムカートリッジ２０がカートリッジ保持部１３に挿入された状態で、コネクタ１０１がドラムメモリ２２と電気的に接続されることより、本体筐体１０のコントローラ８０がドラムカートリッジ２０のドラムメモリ２２と通信可能になる。

トナーカートリッジ３０が本体筐体１０に装着された状態で、コネクタ１０２とトナーメモリ３２とが電気的に接続されることより、本体筐体１０のコントローラ８０がトナーカートリッジ３０のトナーメモリ３２と通信可能になる。

４つの光源ユニット５は、カバー１１の内表面に取り付けられている。光源ユニット５は、本体筐体１０にドラムカートリッジ２０が装着されて、カバー１１が閉位置にある状態で、感光体ドラム２１の表面と向かい合って配置される。また、光源ユニット５は、第１方向に配列された複数の光源を有する。光源は、感光体ドラム２１の外周面に光を照射可能である。光源は、例えばＬＥＤ（Light Emitting Diode：発光ダイオード）である。

光源ユニット５は、コントローラ８０と電気的に接続されている。コントローラ８０は、入力された画像データに応じて、光源ユニット５の複数の光源を発光させる。これにより、光源は、感光体ドラム２１の外周面に向けて光を照射する。その結果、感光体ドラム２１の外周面の感光材料が、画像データに応じて露光される。

転写ベルト７０は、感光体ドラム２１の表面にある現像剤（例えば、トナー）を、印刷用紙へ転写する部品である。転写ベルト７０は、使用に伴って、表面の磨耗などの劣化が生じるために交換が必要となる交換部品である。転写ベルト７０は、感光体ドラム２１と接触可能なベルトであって、環状（無端帯）である。感光体ドラム２１の外周面は、転写ベルト７０の外周面と接触可能である。印刷処理時には、印刷用紙が、転写ベルト７０と感光体ドラム２１との間へ搬送される。

転写ベルト７０は、駆動ローラ７１と従動ローラ７２との間に掛け渡されている。駆動ローラ７１は、転写ベルト７０を駆動する。コントローラ８０は、駆動ローラ７１を回転させる。従動ローラ７２は、駆動ローラ７１の駆動に伴う転写ベルト７０の移動に従い、回転する。

コントローラ８０は、例えば、ＡＳＩＣ（Application Specific Integrated Circuit：特定用途向け集積回路）を有する。コントローラ８０は、本体筐体１０に設けられた第１メモリの一例としての本体メモリ１５と電気的に接続されている。コントローラ８０は、種々の処理を実行することによって、画像形成装置１に印刷処理およびそれに付随する処理を行わせる。

なお、コントローラ８０は、ＣＰＵ等のプロセッサを備えてもよい。この場合、本体メモリ１５に、画像形成制御方法を実現する制御プログラムが保存され、プロセッサが制御プログラムにしたがって動作することによって、コントローラ８０が画像形成装置１に印刷処理を行わせてもよい。

また、コントローラ８０は、制御プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を備えていてもよい。当該記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、ＲＯＭ（Read Only Memory）等の他、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、制御プログラムを展開するＲＡＭ（Random Access Memory）などを利用してもよい。また、制御プログラムは、当該制御プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体（通信ネットワークや放送波等）を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本開示の一態様は、制御プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。

ドラムカートリッジ２０およびトナーカートリッジ３０が本体筐体１０のカートリッジ保持部１３に装着されると、図２示すように、ドラムメモリ２２およびトナーメモリ３２は、コントローラ８０と電気的に接続される。これにより、コントローラ８０は、ドラムメモリ２２およびトナーメモリ３２からの情報の読出処理と、ドラムメモリ２２およびトナーメモリ３２への情報の書込処理（書替処理を含む）とを実行することが可能となる。

本体メモリ１５は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。本体メモリ１５は、例えばフラッシュＲＯＭまたはＥＥＰＲＯＭ（登録商標）である。本体メモリ１５は、登録情報、初期値情報、寿命情報および使用情報を記憶する。

登録情報は、ドラムメモリ２２から読み出されるドラムＩＤと、トナーメモリ３２から読み出されるトナーＩＤとを含む。

消耗状態情報は、ドラム消耗状態情報とトナー消耗状態情報とを含む。ドラム消耗状態情報は、ドラムメモリ２２に記憶されるドラム消耗状態情報と同じく、例えば、感光体ドラム２１の累積回転数、および、感光体ドラム２１を用いての累積印刷枚数のうち少なくとも１つである。トナー消耗状態情報は、トナーメモリ３２に記憶されるトナー寿命情報と同じく、例えば、現像ローラ３１の累積回転数、現像ローラ３１を用いての累積印刷枚数、および、現像ローラ３１を用いての累積ドット数のうち、少なくとも１つである。

また、本体メモリ１５は、プリンタＩＤを記憶してもよい。プリンタＩＤは、個々の筐体を識別するための識別情報であって、例えばシリアルナンバーである。

続いて、画像形成装置１によるドラムカートリッジ２０およびトナーカートリッジ３０の検知処理について説明する。図３は、画像形成装置１のコントローラ８０が実行するカートリッジの検知処理の手順を示すフローチャートである。

なお、以降の説明では、ドラムカートリッジ２０およびトナーカートリッジ３０のうち少なくとも一方の交換に伴う検知処理について述べる。このため、ドラムカートリッジ２０およびトナーカートリッジ３０を特定しない場合には、ドラムカートリッジ２０およびトナーカートリッジ３０を単にカートリッジと称するものとする。また、同様に、ドラムカートリッジ２０およびトナーカートリッジ３０を特定しない場合には、ドラムメモリ２２およびトナーメモリ３２を単にカートリッジメモリと称するものとする。

図３に示すように、まず、コントローラ８０は、カートリッジが未使用であるか否かを判定する（ステップＳ１，第１判定処理）。コントローラ８０は、カートリッジメモリに記憶されているカートリッジの未使用であるか否かを示す情報に基づいて、カートリッジが未使用であるか否かを判定する。あるいは、コントローラ８０は、後述する実施形態２における検知ギア５６を有するトナーカートリッジ４０（図９参照）の場合、検知ギア５６の回転によってトナーカートリッジ４０が未使用であるか否かを判定してもよい。その詳細については実施形態２において説明する。

コントローラ８０は、ステップＳ１において、カートリッジが未使用であると判定すると、カートリッジメモリ内の消耗状態情報を読み取る（ステップＳ２）。コントローラ８０は、カートリッジメモリ内の消耗状態情報の読み取りに成功したか否かを判定する（ステップＳ３）。ステップＳ３において、コントローラ８０は、消耗状態情報の読み取りに成功したと判定すると（ＹＥＳ）、カートリッジ交換処理を行う（ステップＳ４）。コントローラ８０は、カートリッジ交換処理として、カートリッジ交換警告表示を停止したり、本体メモリ１５内の消耗状態情報をカウントするカウンタをリセットしたりする。

その後、コントローラ８０は、カートリッジ内の消耗状態情報を本体メモリ１５に書き込んで記憶させ（ステップＳ５，記憶処理）、カートリッジ検知処理を終える。

また、ステップＳ３において、コントローラ８０は、消耗状態情報の読み取りに成功しなかったと判定すると（ＮＯ）、カートリッジエラー処理を行って（ステップＳ６）、カートリッジ検知処理を終える。コントローラ８０は、カートリッジエラー処理として、寿命に到達したカートリッジが使用できないことをユーザに報知する。

引き続き、画像形成装置１による印刷可否判定処理（制御方法）について説明する。図４は、コントローラ８０が実行する印刷可否判定の手順を示すフローチャートである。

図４に示すように、まず、コントローラ８０は、画像形成装置１の電源がオンされたか否か、または、上述した閉センサの出力に基づいて、カバー１１が開口１０Ａを開いた状態から閉じた状態に変化したか否かを判定する（ステップＳ１０１，第２判定処理）。

電源がオンされたときに必ずカートリッジが交換されているとは限らないが、カートリッジの交換は、電源がオフされた状態で行われ、その後に電源がオンされることから、電源のオン時にカートリッジが交換されている可能性がある。このため、コントローラ８０は、電源オンの判定により、カートリッジの交換を認識する。また、カートリッジを交換するときには必ずカバー１１が開閉されるので、コントローラ８０は、カバー１１の位置が開位置から閉位置に変化したときに、カートリッジの交換を認識する。

次いで、コントローラ８０は、カートリッジの消耗状態情報と、本体メモリ１５の消耗状態情報とを読み取る（ステップＳ１０２）。コントローラ８０は、読み取った２つの消耗状態情報が一致するか否かを判定する（ステップＳ１０３，第３判定処理）。ステップＳ１０３において、コントローラ８０は、２つの消耗状態情報が一致すると判定すると（ＹＥＳ）カートリッジの使用を許可する（ステップＳ１０４，第１制御処理）。

続いて、コントローラ８０は、印刷可能枚数が残っているか否かを判定する（ステップＳ１０５）。コントローラ８０は、読み取った消耗状態情報に基づいて印加可能枚数を算出し、その印刷可能枚数に基づいて上記の判定（使用可能かどうかの判定）を行う。

ステップＳ１０５において、コントローラ８０は、印刷可能枚数が残っていると判定すると、印刷処理を行う（ステップＳ１０６）。コントローラ８０は、印刷処理が完了すると、カートリッジの消耗状態情報と、本体メモリ１５の消耗状態情報とを印刷枚数に応じて更新する（ステップＳ１０８）。

さらに、コントローラ８０は、所定の印刷ジョブが終了したか否かを判定する（ステップＳ１０８）。ステップＳ１０８において、コントローラ８０は、所定の印刷ジョブが終了したと判定すると（ＹＥＳ）、処理を終える。一方、ステップＳ１０８において、コントローラ８０は、所定の印刷ジョブが終了していないと判定すると（ＮＯ）、処理をステップＳ１０２に戻す。

ステップＳ１０５において、コントローラ８０は、印刷可能枚数が残っていないと判定すると（ＮＯ）、カートリッジの寿命到達処理を行う（ステップＳ１０９）。コントローラ８０は、カートリッジの寿命到達処理として、寿命に到達したカートリッジが使用できないことをユーザに報知する。

ステップＳ１０３において、コントローラ８０は、２つの消耗状態情報が一致しないと判定すると（ＮＯ）、カートリッジの消耗状態情報が示す印刷可能枚数（第１可能枚数）より本体メモリ１５の消耗状態情報が示す印刷可能枚数（第２可能枚数）の方が多いか否かを判定する（ステップＳ１１０，第４判定処理）。印刷可能枚数は、消耗状態情報に基づいて定まる。このため、コントローラ８０は、カートリッジの消耗状態情報と、本体メモリ１５の消耗状態情報とを比較することにより、上記の判定を行う。

ステップＳ１１０において、コントローラ８０は、本体メモリ１５の消耗状態情報が示す印刷可能枚数の方が多いと判定すると（ＹＥＳ）、両印刷可能枚数の差分が閾値Ａ以下であるか否かを判定する（ステップＳ１１１，第５判定処理）。閾値Ａは、例えば、小さい値（１桁の値）に設定される。

ステップＳ１１１において、コントローラ８０は、両印刷可能枚数の差分が閾値Ａ以下であると判定すると（ＹＥＳ）、カートリッジの消耗状態情報の値で本体メモリ１５の消耗状態情報を更新して（ステップＳ１１２）、処理をステップＳ１０２に戻す。一方、ステップＳ１１１において、コントローラ８０は、両印刷可能枚数の差分が閾値Ａ以下でないと判定すると（ＮＯ）、カートリッジの使用を不許可とし（ステップＳ１１３，第２制御処理）、カートリッジのエラー処理を行う（ステップＳ１１４）。

ステップＳ１１０において、コントローラ８０は、本体メモリ１５の消耗状態情報が示す印刷可能枚数の方が多くないと判定すると（ＮＯ）、両印刷可能枚数の差分が閾値Ｂ以下であるか否かを判定する（ステップＳ１１５，第５判定処理）。閾値Ｂは、例えば、小さい値（１桁の値）に設定される。閾値Ｂは閾値Ａと同じ値であってもよいし、異なる値であってもよい。

ステップＳ１１５において、コントローラ８０は、両印刷可能枚数の差分が閾値Ｂ以下であると判定すると（ＹＥＳ）、本体メモリ１５の消耗状態情報の値でカートリッジの消耗状態情報を更新して（ステップＳ１１６）、処理をステップＳ１０２に戻す。一方、ステップＳ１１５において、コントローラ８０は、両印刷可能枚数の差分が閾値Ｂ以下でないと判定すると（ＮＯ）、処理をステップＳ１１３に移行する。

以上のように、本実施形態の画像形成装置１において、コントローラ８０は、上述した、第１判定処理と、第２判定処理と、第３判定処理と、記憶処理と、第１制御処理と、第２制御処理とを実行する。このように構成される画像形成装置１においては、カートリッジの消耗状態に応じて変化する消耗状態情報を利用して、本体筐体に装着されたカートリッジが使用できるか否かが判定される。これにより、カートリッジが使用できるかを判定するために、新たな情報を必要とすることがない。したがって、カートリッジのメモリに新たな情報を書き込むことなく、カートリッジが画像形成装置において使用できるか否かを判定することができる。

また、カートリッジメモリは、カートリッジに固有のＩＤ（ドラムＩＤおよびトナーＩＤ）を記憶していてもよい。この場合、コントローラ８０は、第１または第２制御処理において、カートリッジメモリに記憶されたＩＤを使うこと無しに、本体メモリ１５およびカートリッジメモリに記憶されている各々の消耗状態情報に基づいて、カートリッジの使用を許可するかを判定する。

これにより、カートリッジが識別情報を記憶していても、識別情報を使うこと無く、消耗状態情報に基づいて、カートリッジが使用できるか否かを判定することができる。

また、コントローラは、上述した、第４判定処理と、第５判定処理と、更新処理とを実行する。コントローラ８０は、第２制御処理において、第５判定処理により、第１可能枚数と第２可能枚数との差が所定値を超えると判定したときに、カートリッジの使用を許可しない。

上記の構成によれば、第１可能枚数と前記第２可能枚数との差が所定値未満である場合は、第２メモリに消耗状態情報を記憶させるときにエラーなどが生じているために、上記の差が大きくないことが考えられる。この場合は、第１可能枚数および第２可能枚数のうちの少ない方に対応する消耗状態情報を採用する。そして、カートリッジメモリまたは本体メモリ１５の消耗状態情報を採用した消耗状態情報に更新する。これにより、第１可能枚数と第２可能枚数との差が所定値未満である場合は、カートリッジメモリに記憶されている消耗状態情報と、本体メモリ１５に記憶されている消耗状態情報とを一致させて、装着されたカートリッジを使用できると判定することができる。

引き続き、本実施形態の変形例について説明する。上述した画像形成装置１においては、カートリッジとしてドラムカートリッジ２０およびトナーカートリッジ３０が装着される。これに限らず、転写ベルト７０もカートリッジとして構成されて、画像形成装置１に装着されてもよい。このように構成される転写ベルト７０は、ドラムメモリ２２と同様なメモリを有する。このメモリは、転写ベルト７０のＩＤと、転写ベルト７０の寿命情報とを記憶している。転写ベルト７０の寿命情報としては、転写ベルト７０の回転数および印刷枚数のうち少なくとも１つが用いられる。

コントローラ８０は、転写ベルト７０のカートリッジについても、ドラムカートリッジ２０およびトナーカートリッジ３０と同様に、図１および図２に示す処理にしたがって使用可否を判定する。

また、上述したドラムカートリッジ２０およびトナーカートリッジ３０の形態は、上述した形態に限定されない。例えば、トナーカートリッジ３０が現像ローラ３１を有する代わりに、ドラムカートリッジ２０が現像ローラ３１を有していてもよい。また、トナーカートリッジ３０、現像器（現像ローラ３１）、およびドラムカートリッジ２０が個別に設けられていてもよい。さらに、ドラムカートリッジ２０およびトナーカートリッジ３０が一体のカートリッジとして構成されていてもよい。

〔実施形態２〕
本開示の実施形態２について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態１にて説明した構成要素と同じ機能を有する構成要素については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。

図５は、画像形成装置１Ａの概略図である。この画像形成装置１Ａは、電子写真方式のプリンタである。画像形成装置１Ａの例としては、レーザプリンタやＬＥＤプリンタが挙げられる。画像形成装置１Ａは、４つのトナーカートリッジ４０と、ドロアユニット９０とを備える。ドロアユニット９０は、４つのトナーカートリッジ４０を保持可能なフレームである。画像形成装置１Ａは、４つのトナーカートリッジ４０から供給されるトナーにより、印刷用紙の記録面に画像を形成する。

４つのトナーカートリッジ４０は、画像形成装置１Ａの前面から引き出されるドロアユニット９０に対して、個別に交換可能である。そして、ドロアユニット９０に設けられた任意のスロット９１において、トナーカートリッジ４０の取り外しおよび取り付けが行われる。４つのスロット９１の各々の底部付近には、感光体ドラム９５が設けられる。

図５に示すように、４つのトナーカートリッジ４０は、それぞれ、トナーメモリ６１を有する。トナーメモリ６１は、情報の読み出しおよび書き込みが可能なメモリである。また、画像形成装置１Ａは、コントローラ８０Ａを備える。コントローラ８０Ａは、ＣＰＵ等のプロセッサおよび各種のメモリを有する。コントローラ８０Ａは、実施形態１におけるコントローラ８０と同様、プログラムに従って動作することによって画像形成装置１Ａにおける印刷処理を行わせてもよい。

スロット９１に４つのトナーカートリッジ４０が装着されると、トナーカートリッジ４０のトナーメモリ６１と、コントローラ８０Ａとが、それぞれ電気的に接続される。

図６〜図９は、トナーカートリッジ４０の斜視図である。図６〜図９に示すように、トナーカートリッジ４０は、ケーシング４１と、アジテータ４２と、現像ローラ４３と、第１ギア部４４と、第２ギア部４５と、メモリチップアセンブリ６０とを有する。

ケーシング４１は、トナーを収容可能な筐体である。ケーシング４１は、第１端面４１１と第２端面４１２との間で第１方向に伸びる。第１ギア部４４およびメモリチップアセンブリ６０は、第１端面４１１に位置する。第２ギア部４５は、第２端面４１２に位置する。ケーシング４１の内部には、トナーを収容する収容室４１３が設けられる。

ケーシング４１は、開口部４１４を有する。開口部４１４は、第１方向に対して直交する第２方向におけるケーシング４１の端部に位置する。収容室４１３と外部とは、開口部４１４を介して連通する。

アジテータ４２は、アジテータシャフト４２１と撹拌羽根４２２とを有する。アジテータシャフト４２１の第１方向の両端部には、後述する第１アジテータギア５０および第２アジテータギア５１が、それぞれ連結される。したがって、アジテータシャフト４２１および撹拌羽根４２２は、第１アジテータギア５０および第２アジテータギア５１と共に回転する。撹拌羽根４２２が回転すると、収容室４１３内のトナーが撹拌される。

現像ローラ４３は、第１方向に伸びる回転軸について回転可能なローラである。現像ローラ４３は、ケーシング４１の開口部４１４に配置される。現像ローラ４３は、現像ローラ本体４３１と現像ローラシャフト４３２とを有する。現像ローラ本体４３１は、第１方向に伸びる円筒状の部材である。現像ローラシャフト４３２は、現像ローラ本体４３１を第１方向に貫通する円柱状の部材である。現像ローラ本体４３１は、現像ローラシャフト４３２に対して、相対回転不能に固定される。

現像ローラシャフト４３２の第１方向の一方の端部は、後述する現像ローラギア５３に対して、相対回転不能に固定される。したがって、現像ローラギア５３が回転すると、現像ローラシャフト４３２も回転し、現像ローラシャフト４３２と共に現像ローラ本体４３１も回転する。

図８に示すように、第１ギア部４４は、ケーシング４１の第１端面４１１に位置する。第１ギア部４４は、第１アジテータギア５０と、カップリング５２と、現像ローラギア５３と、アイドルギア５４と、第１カバー５５とを有する。

カップリング５２は、画像形成装置１Ａから供給される駆動力を、最初に受けるギアである。カップリング５２は、第１方向に伸びる回転軸周りに回転することが可能である。カップリング５２は、カップリング部５２１と、カップリングギア５２２とを有する。カップリング部５２１には、第１方向に凹む締結穴５２３が設けられている。また、カップリングギア５２２の外周部には、全周に亘って等間隔に複数のギア歯が設けられている。

トナーカートリッジ４０が装着されたドロアユニット９０が、画像形成装置１Ａ内に収納されると、画像形成装置１Ａの駆動シャフトが、カップリング部５２１の締結穴５２３に挿入される。これにより、駆動シャフトとカップリング部５２１とが、相対回転不能に連結される。したがって、駆動シャフトが回転すると、カップリング部５２１が回転し、カップリング部５２１と共にカップリングギア５２２も回転する。

現像ローラギア５３は、現像ローラ４３を回転させるギアである。現像ローラギア５３は、第１方向に伸びる回転軸周りに回転することができる。現像ローラギア５３の外周部には、全周に亘って等間隔にギア歯が設けられている。カップリングギア５２２のギア歯の一部と、現像ローラギア５３の複数のギア歯の一部とは、互いに噛み合っている。また、現像ローラギア５３は、現像ローラ４３の現像ローラシャフト４３２の第１方向の端部に、相対回転不能に装着されている。このため、カップリングギア５２２が回転すると、現像ローラギア５３が回転し、現像ローラギア５３と共に現像ローラ４３も回転する。

アイドルギア５４は、カップリングギア５２２の回転を第１アジテータギア５０に伝達するギアである。アイドルギア５４は、第１方向に伸びる回転軸周りに回転する。アイドルギア５４は、第１方向に配列された大径ギア部５４１および小径ギア部５４２を有する。小径ギア部５４２は、大径ギア部５４１とケーシング４１の第１端面４１１との間に位置する。

カップリングギア５２２の複数のギア歯の一部と、大径ギア部５４１の複数のギア歯の一部とは、互いに噛み合っている。また、小径ギア部５４２の複数のギア歯の一部と、第１アジテータギア５０の複数のギア歯の一部とは、互いに噛み合っている。カップリングギア５２２が回転すると、大径ギア部５４１が回転すると共に小径ギア部５４２も回転する。そして、小径ギア部５４２の回転に伴い、第１アジテータギア５０も回転する。

第１アジテータギア５０は、収容室４１３内のアジテータ４２を回転させるギアである。第１アジテータギア５０の外周部には、全周に亘って等間隔に複数のギア歯が設けられている。上述の通り、小径ギア部５４２のギア歯の一部と、第１アジテータギア５０のギア歯の一部とは、互いに噛み合っている。また、第１アジテータギア５０は、アジテータシャフト４２１の第１方向の一方の端部に、相対回転不能に固定されている。このため、カップリング５２からアイドルギア５４を介して第１アジテータギア５０に動力が伝達されると、第１アジテータギア５０が回転すると共にアジテータ４２も回転する。

第１カバー５５は、ケーシング４１の第１端面４１１に、例えばねじ止めで、固定される。カップリングギア５２２、現像ローラギア５３、アイドルギア５４、および第１アジテータギア５０は、第１端面４１１と第１カバー５５との間に収容される。カップリング部５２１の締結穴５２３は、第１カバー５５の外部に露出する。第１カバー５５は、後述するメモリチップアセンブリ６０のホルダ６２を保持するホルダカバーを兼ねている。

第２ギア部４５は、ケーシング４１の第２端面４１２に位置する。第２ギア部４５は、第２アジテータギア５１、検知ギア５６、導電部材５７および第２カバー５８を有する。

第２アジテータギア５１は、アジテータシャフト４２１の回転を検知ギア５６に伝達するギアである。第２アジテータギア５１は、第１方向に延びる回転軸周りに回転する。第２アジテータギア５１の外周部には、全周に亘って等間隔にギア歯が設けられている。トナーカートリッジ４０が未使用（新品）の状態では、第２アジテータギア５１のギア歯の一部は、検知ギア５６のギア歯の一部と噛み合う。また、第２アジテータギア５１は、アジテータシャフト４２１の第１方向の他方の端部に、相対回転不能に固定される。このため、アジテータシャフト４２１が回転すると、第２アジテータギア５１も回転する。

検知ギア５６は、画像形成装置１Ａに対してトナーカートリッジ４０の情報を伝達するギアである。トナーカートリッジ４０の情報には、トナーカートリッジ４０が未使用（新品）のトナーカートリッジであるか、または、使用済みのトナーカートリッジであるかの情報が含まれる。また、トナーカートリッジ４０の情報には、トナーカートリッジ４０の仕様が含まれる。トナーカートリッジ４０の仕様には、トナーカートリッジ４０内のトナーの量、またはトナーにより印刷可能な印刷枚数を示すイールド情報が含まれる。

検知ギア５６は、第１方向に延びる回転軸周りに回転する。検知ギア５６は、外周部の一部分にギア歯を有する。新品のトナーカートリッジ４０をドロアユニット９０に装着して、ドロアユニット９０を画像形成装置１Ａ内に収納すると、カップリング５２は、画像形成装置１Ａから駆動力を受ける。そして、カップリング５２から、アイドルギア５４、第１アジテータギア５０およびアジテータ４２を介して伝達される駆動力により、第２アジテータギア５１が回転する。検知ギア５６は、第２アジテータギア５１と噛み合うことによって回転する。検知ギア５６が所定の角度回転すると、第２アジテータギア５１と検知ギア５６の一部分のギア歯との噛み合いが外れ、検知ギア５６の回転が停止する。

このように、画像形成装置１Ａにおいて一旦使用されたトナーカートリッジ４０では、第２アジテータギア５１と検知ギア５６との噛み合いが外れている。このため、一旦使用されたトナーカートリッジ４０を、画像形成装置１Ａから取り外して、画像形成装置１Ａに再度装着しても、第２アジテータギア５１の回転は検知ギア５６へ伝達されない。したがって、検知ギア５６は回転しない。

図９に示すように、検知ギア５６は、第１突起５６１を有する。第１突起５６１は、第１方向に突出する。また、第１突起５６１は、検知ギア５６の回転軸を中心として円弧状に伸びる。検知ギア５６が回転すると、第１突起５６１も回転する。すなわち、第１突起５６１の位置は、検知ギア５６の回転に伴って変化する。

導電部材５７は、導電性の部材である。導電部材５７の材料には、導体である金属または導電性の樹脂が用いられる。導電部材５７は、ケーシング４１の第２端面４１２に位置する。導電部材５７は、第１方向に突出した円筒状のギアシャフト５７１を有する。検知ギア５６は、ギアシャフト５７１に支持されつつ、ギアシャフト５７１の周りを回転する。図９に示すように、第１突起５６１は、ギアシャフト５７１の周囲を部分的に覆う。また、導電部材５７は、軸受部５７２を有する。軸受部５７２は、現像ローラ４３の現像ローラシャフト４３２に接触する。

第２カバー５８は、ケーシング４１の第２端面４１２に固定される。第２カバー５８は、開口５８１を有する。第１突起５６１の一部分およびギアシャフト５７１の一部分は、開口５８１を介して露出する。後述するレバー９２は、開口５８１を介して、検知ギア５６またはギアシャフト５７１に接触する。

ドロアユニット９０は、レバー９２と光センサ９３とを有する。図１０に示すように、レバー９２は、ギアシャフト５７１および第１突起５６１に接触可能である。

レバー９２の表面には、導電性の金属板９４が取り付けられている。金属板９４には、コントローラ８０Ａから電力が供給される。図１０の上側に示すように、金属板９４がギアシャフト５７１に接触すると、金属板９４と、導電部材５７および現像ローラシャフト４３２とが、電気的に導通する。画像形成装置１Ａの駆動時には、金属板９４から供給される電力により、現像ローラシャフト４３２が所定のバイアス電圧に維持される。

但し、第１突起５６１はギアシャフト５７１の外周面を部分的に覆う。このため、ドロアユニット９０に未使用のトナーカートリッジ４０が挿入された後、検知ギア５６が回転しているときに、金属板９４とギアシャフト５７１との接触状態が検知ギア５６の形状に応じて変化する。このように、レバー９２は、金属板９４がギアシャフト５７１に接触する第１位置と、金属板９４がギアシャフト５７１から離れる第２位置との間で移動する。

光センサ９３は、レバー９２の変位を検出し、検出信号をコントローラ８０Ａへ送信する。光センサ９３には、例えば、投光部と受光部とを有するセンサユニットが用いられる。レバー９２が第１位置にあるときには、投光部からの光は、レバーに遮られることなく、受光部に入射する。一方、レバー９２が第２位置にあるときは、投光部からの光が、レバー９２に遮られる。したがって、投光部からの光は、受光部に入射しない。このように、光センサ９３は、受光部に入射される光の有無によって、レバー９２の位置が、第１位置および第２位置のいずれであるかを特定できる。コントローラ８０Ａは、光センサ９３から得られる検出信号に基づいて、装着されたトナーカートリッジ４０が未使用であるか否か、およびトナーカートリッジ４０の仕様を識別する。より詳細には、検知ギア５６が有する突起の数、または、検知ギア５６が有する突起の検知ギア５６の回転方向における長さによって、光センサ９３が得る検出信号が変わる。この検出信号の変化によって、コントローラ８０Ａは、トナーカートリッジ４０の異なる仕様を識別することができる。

メモリチップアセンブリ６０は、ケーシング４１の第１端面４１１の外側に配置される。図８に示すように、メモリチップアセンブリ６０は、メモリチップであるトナーメモリ６１と、ホルダ６２とを有する。トナーメモリ６１は、ホルダ６２の外表面に固定される。ホルダ６２は、第１カバー５５に保持される。トナーメモリ６１は、電気的接触面を有する。トナーメモリ６１のメモリは、トナーカートリッジ４０に関する種々の情報を記憶可能である。

続いて、トナーカートリッジ４０の装着後に実行される処理について説明する。

ドロアユニット９０にトナーカートリッジ４０が装着され、画像形成装置１Ａドロアユニット９０が収納されると、コントローラ８０Ａは、トナーメモリ６１に記憶された情報を、本体筐体１０に設けられた本体メモリ１５Ａに書き込む。トナーメモリ６１に新品判定情報が記憶されている場合、コントローラ８０Ａは、新品判定情報を本体メモリ１５Ａにコピーする。

ただし、未使用のトナーカートリッジ４０を画像形成装置１Ａに初めて装着した場合には、トナーメモリ６１に新品判定情報は記憶されていない。したがって、コントローラ８０Ａは、新品判定情報を本体メモリ１５Ａに書き込まない。

次に、コントローラ８０Ａは、４つのトナーカートリッジ４０のそれぞれについて、新品検知を行う。具体的には、まず、コントローラ８０Ａは、モータの駆動を開始させて駆動シャフトを回転させる。これにより、駆動シャフトの回転が、カップリング５２、アイドルギア５４、第１アジテータギア５０、アジテータ４２、および第２アジテータギア５１を介して、検知ギア５６に伝達する。これにより、検知ギア５６が回転を開始する。検知ギア５６が回転すると、検知ギア５６と共に第１突起５６１も回転する。そして、第１突起５６１の移動に応じて、レバー９２の傾きが変化する。光センサ９３は、レバー９２の変位に応じて変化する検出信号を、コントローラ８０Ａへ送信する。これにより、コントローラ８０Ａは、検知ギア５６の回転に応じて変化する入力波形を取得する。

その後、第２アジテータギア５１と検知ギア５６との噛み合いが外れると、検知ギア５６は回転を停止する。また、モータの駆動を開始した後、予め設定された時間が経過すると、コントローラ８０Ａは、モータの駆動を停止させる。

そして、コントローラ８０Ａは、取得した入力波形が、トナーカートリッジ４０が新品であることを示す新品波形であるかを判断する。また、コントローラ８０Ａは、本体メモリ１５Ａに記憶された情報を確認することによって、トナーメモリ６１内に、新品判定情報が記憶されているかを判断する。入力波形が新品波形であり、本体メモリ１５Ａに新品判定情報が存在しない場合には、コントローラ８０Ａは、トナーカートリッジ４０が新品であり、正常な状態であると判断する。

以上のように、本実施形態に係る画像形成装置１Ａはトナーカートリッジ４０を有している。トナーカートリッジ４０は、所定の方向に伸びる軸に対して回転可能な検知ギア５６を有している。検知ギア５６は、検知ギア５６と共に回転可能な第１突起５６１を有している。また、コントローラ８０Ａは、上述した第１判定処理において、トナーカートリッジ４０が本体筐体１０に装着されたときの検知ギア５６の回転による第１突起５６１の移動に基づいてトナーカートリッジ４０が未使用であることを判定する。そして、コントローラ８０Ａは、コントローラ８０と同様、上述した、第１判定処理と、第２判定処理と、第３判定処理と、記憶処理と、第１制御処理と、第２制御処理とを実行する。また、コントローラ８０Ａは、第２判定処理によりトナーカートリッジ４０が未使用であると判定したとき、トナーカートリッジ４０の消耗状態情報を第１突起５６１の移動に基づいて決定する決定処理を実行する。また、コントローラ８０Ａは、上述した記憶処理において、コントローラ８０が消耗状態情報をトナーメモリ３２から取得するのと異なり、決定処理により決定した消耗状態情報をトナーメモリ６１および本体メモリ１５Ａに記憶させる。

上記の構成により、コントローラ８０Ａは、検知ギア５６の回転により、上述したカートリッジ検知処理（図３参照）のステップＳ１においてトナーカートリッジ４０が未使用であることを判定する。また、未使用のトナーカートリッジ４０には消耗状態情報が記憶されていない。このため、コントローラ８０Ａは、カートリッジ検知処理のステップＳ２において、カートリッジメモリ内の消耗状態情報を読み取る代わりに、未使用であることを示す消耗状態情報を生成する。そして、ステップＳ５において、コントローラ８０Ａは、生成した消耗状態情報をトナーメモリ６１および本体メモリ１５Ａに記憶させる。コントローラ８０Ａは、印刷可否判定については、上述した画像形成装置１と同様、図４に示す処理を行う。

このように、予め本体メモリ１５Ａに消耗状態情報が記憶されていないトナーカートリッジ４０についても、消耗状態情報を利用して、図４に示す処理を行うことにより、本体筐体１０に装着されたトナーカートリッジ４０が使用できるか否かが判定される。これにより、トナーメモリ６１に新たな情報を書き込むことなく、カートリッジが画像形成装置において使用できるか否かを判定することができる。

なお、上述した画像形成装置１，１Ａは、電子写真方式のプリンタであるが、インクジェット方式のプリンタであってもよい。インクジェット方式のプリンタの場合、インクを供給するインクカートリッジをカートリッジとしてもよい。また、印刷基材としてテープを供給するテープカセットを、カートリッジとしてもよい。

〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。

１ 画像形成装置
１０ 本体筐体
１１ カバー
１５，１５Ａ 本体メモリ（第１メモリ）
２０ ドラムカートリッジ（カートリッジ）
２２ ドラムメモリ（第２メモリ，メモリ）
３０ トナーカートリッジ（カートリッジ）
３２ トナーメモリ（第２メモリ，メモリ）
４０ トナーカートリッジ（カートリッジ）
６１ トナーメモリ（第２メモリ，メモリ）
８０，８０Ａ コントローラ

Claims (7)

1. 画像形成装置であって、
   開口を有する本体筐体であって、第１メモリを有する本体筐体と、
   前記開口を開ける開位置と、前記開口を閉じる閉位置との間を移動可能なカバーと、
   画像形成を行うために使用される材料または部品を有するカートリッジであって、前記開口を介して前記本体筐体に装着可能であるカートリッジであって、前記カートリッジが消耗した状態を表す消耗状態情報を記憶する第２メモリを有するカートリッジと、
   コントローラと、を備え、
   前記コントローラは、
   前記本体筐体に装着された前記カートリッジが未使用であるかを判定する第１判定処理と、
   前記第１判定処理により、前記本体筐体に装着された前記カートリッジが未使用であると判定されたとき、前記本体筐体に装着された前記カートリッジの前記第２メモリから取得した前記消耗状態情報を前記第１メモリに記憶させる記憶処理と、
   前記画像形成装置の電源がオンされたか、または、前記カバーが前記開口を閉じたかを判定する第２判定処理と、
   前記第２判定処理により、前記画像形成装置の電源がオンされたか、または、前記カバーが前記開口を閉じたと判定されたときに、前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報と、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報とが一致しているかを判定する第３判定処理と、
   前記第３判定処理により、前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報と、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報とが一致すると判定される場合、前記カートリッジの使用を許可する第１制御処理と、
   前記第３判定処理により、前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報と、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報とが一致すると判定されなかった場合、前記カートリッジの使用を許可しない第２制御処理と、
   を実行することを特徴とする画像形成装置。
2. 前記第２メモリは、前記カートリッジに固有の識別情報を記憶し、
   前記コントローラは、前記第１制御処理または前記第２制御処理において、前記第２メモリに記憶された前記識別情報を使うこと無しに、第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報および前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報に基づいて、前記カートリッジの使用を許可するかを判定することを特徴とする請求項１に記載の画像形成装置。
3. 前記コントローラは、
   前記第３判定処理により、前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報と、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報とが一致すると判定されなかった場合、前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報が示す画像形成が可能な第１可能枚数が、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報が示す画像形成が可能な第２可能枚数より多いか、または前記第１可能枚数が前記第２可能枚数より少ないかを判定する第４判定処理と、
   前記第４判定処理により、前記第１可能枚数が前記第２可能枚数より多い、または、前記第１可能枚数が前記第２可能枚数より少ないと判定したときに、前記第１可能枚数と前記第２可能枚数との差が所定値以内であるかを判定する第５判定処理と、
   前記第５判定処理により、前記第１可能枚数と前記第２可能枚数との差が所定値以内であると判定したときに、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報を前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報に更新するか、または前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報を前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報に更新する更新処理と、
   をさらに実行し、
   前記第２制御処理において、前記第５判定処理により、前記第１可能枚数と前記第２可能枚数との差が所定値を超えると判定したときに、前記カートリッジの使用を許可しないことを特徴とする請求項１または２に記載の画像形成装置。
4. 前記カートリッジは、所定の方向に伸びる軸に対して回転可能な検知ギアであって、前記検知ギアと共に回転可能な突起を有する検知ギアを有し、
   前記コントローラは、
   前記第１判定処理において、前記カートリッジが前記本体筐体に装着されたときの前記検知ギアの回転による前記突起の移動に基づいて前記カートリッジが未使用であることを判定し、
   前記第１判定処理により未使用であると判定したとき、前記カートリッジの前記消耗状態情報を、前記突起の移動に基づいて決定する決定処理を実行し、
   前記記憶処理において、前記決定処理により決定した前記消耗状態情報を前記第１メモリおよび前記第２メモリに記憶させることを特徴とする請求項１から３のいずれか１項に記載の画像形成装置。
5. 前記カートリッジは、トナーを収容可能なトナーカートリッジまたは感光体ドラムを有するドラムカートリッジであることを特徴とする請求項１から４のいずれか１項に記載の画像形成装置。
6. 画像形成装置を制御する制御方法であって、
   前記画像形成装置の本体筐体に装着されたカートリッジが未使用であるかを判定する第１判定処理と、
   前記本体筐体に装着された前記カートリッジが未使用であると判定されたとき、画像形成装置の第１メモリに、前記本体筐体に装着された前記カートリッジの第２メモリに記憶された消耗状態情報であって前記カートリッジが消耗した状態を表す消耗状態情報を、記憶させる記憶処理と、
   画像形成装置の電源がオンされたか、または、画像形成装置のカバーが閉じたかを判定する第２判定処理と、
   前記第２判定処理により、前記画像形成装置の電源がオンされたか、または、前記カバーが閉じたと判定されたときに、前記第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報と、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報とが一致しているかを判定する第３判定処理と、
   前記第３判定処理により、第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報と、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報とが一致すると判定される場合、前記カートリッジの使用を許可する第１制御処理と、
   前記第３判定処理により、第１メモリに記憶されている前記消耗状態情報と、前記第２メモリに記憶されている前記消耗状態情報とが一致すると判定されなかった場合、前記カートリッジの使用を許可しない第２制御処理と、
   を含む制御方法。
7. カートリッジであって、
   画像形成を行うために使用される材料または部品を含むカートリッジ筐体と、
   前記カートリッジが消耗した消耗状態を表す消耗状態情報を記憶するカートリッジメモリと、を備え、
   前記カートリッジメモリに記憶されている前記消耗状態情報に基づいて、画像形成装置において前記カートリッジが使用可能かどうかを判定可能であることを特徴とするカートリッジ。

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