JP2005225464A - 乗員脚部保護装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ステアリングコラムの下方において膨張展開するエアバッグに対しキーホルダ等が干渉することが防止された乗員脚部保護装置を提供する。
【解決手段】ステアリングコラムカバー2の左側面部にキー差込口4が設けられている。キー差込口4に差し込まれたキー5には、吊下状にキーホルダ6が取り付けられている。エアバッグ12には、該エアバッグ12が膨張するときに該エアバッグ12の上縁から上方に突出する突出部14が設けられている。エアバッグ12がステアリングコラムカバー2の下面に沿って膨張展開するに際しては、キーホルダ6がエアバッグ12に接触する前に、突出部14がキーホルダ6に接触して該キーホルダ6を上方へ押し除ける。
【選択図】図6
【解決手段】ステアリングコラムカバー2の左側面部にキー差込口4が設けられている。キー差込口4に差し込まれたキー5には、吊下状にキーホルダ6が取り付けられている。エアバッグ12には、該エアバッグ12が膨張するときに該エアバッグ12の上縁から上方に突出する突出部14が設けられている。エアバッグ12がステアリングコラムカバー2の下面に沿って膨張展開するに際しては、キーホルダ6がエアバッグ12に接触する前に、突出部14がキーホルダ6に接触して該キーホルダ6を上方へ押し除ける。
【選択図】図6
Description
本発明は、自動車の衝突時に乗員の脚部を保護するための乗員脚部保護装置に係り、特に運転席乗員の脚部保護装置に関する。
自動車の衝突時の乗員脚部保護装置として、座席前方の内装パネルの裏側に設けられたケースと、該ケース内に収納されたエアバッグと、該エアバッグを膨張させるためのガス発生器とを有したものがある。自動車の衝突時には、該ガス発生器がガス噴出作動し、この噴出ガスがエアバッグに供給されて該エアバッグが該内装パネルと乗員の下脚との間に膨張展開し、該乗員の脚部が保護されるようになる。
特開2003−226215号公報には、ステアリングコラムの下方にこの種の乗員脚部保護装置を設置した構成が記載されている。
同号公報の乗員脚部保護装置にあっては、自動車の衝突時には、ステアリングコラムカバーの下面に沿ってエアバッグが膨張展開し、この膨張したエアバッグによって運転席乗員の脚部が保護されるようになる。
特開2003−226215号公報
上記の特開2003−226215号公報の図1にも示されるように、ステアリングコラムカバーの側面部にキー差込口が設けられることが多い。そのため、このキー差込口に差し込まれたキーに、吊下状にキーホルダ等(アクセサリーや、当該キーとは別のキーなど)が取り付けられている場合には、このキーホルダ等がステアリングコラムカバーの下方にまで垂れ下がり、該ステアリングコラムカバーの下側において膨張展開するエアバッグにこのキーホルダ等が干渉するおそれがある。
本発明は、ステアリングコラム(ステアリングコラムカバー)の下方において膨張展開するエアバッグに対しキーホルダ等が干渉することが防止された乗員脚部保護装置を提供することを目的とする。
本発明(請求項1)の乗員脚部保護装置は、ステアリングコラムの下方に配置されており、ステアリングコラムカバーの下面付近に沿って上方へ膨張可能なエアバッグを有する乗員脚部保護装置において、該エアバッグに、該エアバッグが膨張するときに該エアバッグの膨張方向先端部から該膨張方向に向って突出する突出部が該エアバッグと一体に設けられていることを特徴とするものである。
請求項2の乗員脚部保護装置は、請求項1において、該突出部は片状であることを特徴とするものである。
請求項3の乗員脚部保護装置は、請求項2において、該突出部は乗員側又はそれと反対側に引き回されて折り畳まれていることを特徴とするものである。
請求項4の乗員脚部保護装置は、請求項3において、該突出部の折り畳みは、蛇腹折り、ロール折り、又はその両方が組み合わされたものであることを特徴とするものである。
請求項5の乗員脚部保護装置は、請求項3又は4において、折り畳まれた該突出部を覆うカバークロスが設けられていることを特徴とするものである。
請求項6の乗員脚部保護装置は、請求項2において、該エアバッグの上辺部は、該エアバッグ内部に折り込まれるように内折りされており、片状の前記突出部は、この内折りされたエアバッグの上部と共に折り畳まれていることを特徴とするものである。
本発明の乗員脚部保護装置にあっては、エアバッグが膨張するときに該エアバッグの膨張方向先端部から該膨張方向に突出する突出部が設けられているので、エアバッグがステアリングコラムカバーの下面に沿って膨張展開するに際しては、該ステアリングコラムカバーから下方にキーホルダ等が垂れ下がっている場合であっても、該キーホルダ等がエアバッグに接触する前に、この突出部が該キーホルダ等に接触し、該キーホルダ等を押し除けるようになる。これにより、ステアリングコラムカバーから下方に垂れ下がったキーホルダ等が、該ステアリングコラムカバーの下面に沿って膨張展開するエアバッグに干渉することが防止される。
本発明では、突出部がエアバッグと一体に(即ち、エアバッグを構成する基布等のパネルと一連に)設けられているので、突出部が容易に形成される。
この突出部は、キーホルダを押し除ける程度の小形の片状のもので十分である。
本発明の一態様においては、この片状の突出部が乗員側又はそれと反対側に引き回されて折り畳まれている。このように構成することにより、エアバッグの折り畳み体がコンパクトなものとなる。この突出部の折り畳みは、蛇腹折り、ロール折り、又はその両方が組み合わされたもののいずれでもよい。
この場合、エアバッグを折り畳むに当っては、該エアバッグの乗員と反対側の面が巻き込み中心側となるように、エアバッグをその上辺部から下部側に向ってロール状に折り畳むのが好ましい。
エアバッグをこのように折り畳んだ場合には、エアバッグ膨張時には、このロール状のエアバッグ折り畳み体は、上方から見て乗員と反対側から乗員側に回転しながら、上方に展開する。そして、この回転によりエアバッグの上部まで巻きが解かれると、エアバッグ上辺部が乗員と反対側から乗員側へと旋回しつつ上方に展開する。この際、突出部の先端側が該エアバッグ上辺部によって上方へ放り出されるようにして該エアバッグ上辺部よりも上方に突出するようになる。
なお、エアバッグを折り畳むに当って、該エアバッグの乗員と反対側の面が巻き込み中心側となるように、エアバッグをその上辺部から下部側に向ってロール状に折り畳んだ場合、エアバッグが膨張するに際しては、このロール状のエアバッグ折り畳み体が乗員の脚部の前面に沿って転がるようにして巻きが解かれるので、エアバッグが乗員の脚部前面に引掛ることなくスムーズに展開するようになる。
片状の突出部をエアバッグの乗員側又はそれと反対側に引き回すようにした上記一態様においては、折り畳まれた該突出部を覆うカバークロスを設けてもよい。このようにカバークロスを設けた場合には、突出部の折りが崩れず、エアバッグ装置の組み立てが容易になると共に、エアバッグ装置内においても突出部の折り畳み形状を保形し易い。また、エアバッグが膨張するときには、エアバッグが最終展開形状に近づくまでは突出部がカバークロスで覆われており、膨張の最終段階で突出部が上方へ弾かれるように跳ね上げられ、キーホルダ等を押し除けるようになる。
なお、本発明では、エアバッグの折り畳みに際しては、エアバッグの上辺部をエアバッグ内部に折り込むように内折りすると共に、片状の突出部を該エアバッグ上部と共に折り畳むようにしてもよい。このようにすれば、エアバッグの上部が膨張するに際しては、エアバッグ内部に折り込まれた内折り部分がエアバッグ外方に吐き出されるようにして上方に突出し、突出部も跳ね上げられ、キーホルダ等を押し除けるようになる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
第1図(a)は本発明の実施の形態に係る乗員脚部保護装置のエアバッグの正面図、第1図(b)は同(a)のB部分の拡大図、第2図はこのエアバッグの分解斜視図、第3図(a)は折り畳み途中時におけるエアバッグの正面図、第3図(b)は同(a)のB−B線に沿う断面図、第3図(c)は突出部の折り畳み時の斜視図であり、第4〜6図は、このエアバッグの膨張展開過程を示す縦断面図である。なお、以下の説明において、左右方向とは車体幅方向であって、第1図(a)における左右方向をいう。
第4〜6図に示すように、自動車の運転席前方のインパネ(インストルメントパネル)1からステアリングコラム(図示略)が突設され、該ステアリングコラムがステアリングコラムカバー2によって囲まれている。該ステアリングコラムから突出するステアリングシャフト(図示略)にステアリングホイール3が固着されている。
この実施の形態では、該ステアリングコラムカバー2の左側面部(運転席乗員から見た左側面部)にキー差込口4が設けられている。このキー差込口4に差し込まれたキー5には、吊下状にキーホルダ(第4〜6図においては、当該キー5とは別のキーとして図示。)6が取り付けられている。このキーホルダ6は、第4図に示すように、平常状態(後述の突出部14によって押し上げられていない状態)においては、ステアリングコラムカバー2の下面よりも下方にまで垂れ下がっている。
このステアリングコラムカバー2の下方に乗員脚部保護装置10が設置されている。
この乗員脚部保護装置10は、前面(乗員側の面)に開口(符号略)を有した容器状のケース11と、該ケース11内に連結されたエアバッグ12と、該エアバッグ12を膨張させるためのガス発生器13とを備えている。
該ケース11は、インパネ1のうち、ステアリングコラムカバー2よりも下側の領域に設けられたエアバッグ膨出用開口7内に配置されている。平常時には、エアバッグ12は折り畳まれて該ケース11内に収容されており、このエアバッグ12の折り畳み体を覆うように該ケース11の前面開口にリッド(図示略)が装着されている。該リッドは、エアバッグ12が膨張するときには該エアバッグ12によって押圧されて開き出し、該エアバッグ膨出用開口7を開放するよう構成されている。
エアバッグ12は、ガス発生器13からのガスにより膨張し、第4〜6図に示すように、該エアバッグ膨出用開口7を介してインパネ1の前面側に膨らみ出し、次いで、該インパネ1のステアリングコラムカバー2よりも下側の領域からこれに引き続くステアリングコラムカバー2の下面に沿うようにして下から上に向って展開しうるものとなっている。
この実施の形態では、該エアバッグ12は、第1図(a)に示すように、下部側から上部側ほど左右幅(車体幅方向における幅員)が大きくなる形状となっており、このエアバッグ12の上部の左右幅はステアリングコラムカバー2の左右幅よりも大きいものとなっている。このエアバッグ12がステアリングコラムカバー2の下面に沿って膨張した状態にあっては、該エアバッグ12の上部の左右方向中間部が該ステアリングコラムカバー2の下面に対峙し、その左サイド部及び右サイド部は該ステアリングコラムカバー2の左側面部及び右側面部よりも側方へ広がり出す。
このエアバッグ12には、該エアバッグ12が膨張するときに該エアバッグ12の上縁から上方に向って突出する突出部14が設けられている。この実施の形態では、該突出部14はエアバッグ12の上部の前記左サイド部の上縁から突設されている。従って、このエアバッグ12がステアリングコラムカバー2の下面に沿って膨張した状態にあっては、該突出部14は、第6図に示すように、ステアリングコラムカバー2の左側面部、換言すれば、キー差込口4が設けられた側の側面部に沿って上方に向って延在した姿勢となる。
この実施の形態では、エアバッグ12は、第2図に示すように、乗員側のフロントパネル15とインパネ1(ステアリングコラムカバー2)側のリヤパネル16の2枚のパネルにより外殻が構成されている。これらのフロントパネル15とリヤパネル16とは、互いの周縁部同士が縫い合わされることにより袋状とされている。符号17は、この縫合のシームを示している。
突出部14は、エアバッグ12と一体に構成されている。即ち、この実施の形態では、第2図に示すように、フロントパネル15及びリヤパネル16の左サイド部の上縁から舌片状の突出片15a,16aが突設されており、第1図(b)の如くこれらの突出片15a,16a同士を縫合することにより、突出部14が構成される。符号18はこの縫合のシームを示している。なお、この実施の形態では、シーム18は、各突出片15a,16aの対角線方向(X字状)に延設されているが、これに限定されるものではない。
この実施の形態では、第2図に示すように、エアバッグ12の内部に、フロントパネル15とリヤパネル16とを連結して該エアバッグ12の膨張厚みを規制するテザー19が設けられている。符号20は、該テザー19のエアバッグ厚み方向両端部をフロントパネル15とリヤパネル16とにそれぞれ縫合したシームを示している。この実施の形態では、該テザー19は左右方向に連続して延在するものであり、上下多段(この実施の形態では2段)に設けられている。各テザー19の左右方向両端部はエアバッグ12の左右の側辺からは離隔しており、これらの間に通気空間が形成されている。
なお、第4〜6図においては、図を見易くするために、これらのテザー19の図示は省略されている。
ガス発生器13はこのエアバッグ12内に配置されている。このガス発生器13を保持したホルダ(符号略)からスタッドボルト13aが突設され、このスタッドボルト13aがエアバッグ12の下端部付近のリヤパネル16とケース11の後面とを貫通し、ナット13bが締め込まれている。このナット締めにより、ガス発生器13がケース11に固定されると共に、エアバッグ12の該下端部付近のリヤパネル16が該ガス発生器13のホルダとケース11の後面との間に挟持されている。
この実施の形態では、エアバッグ12を折り畳むに当っては、まず、エアバッグ12をケース11から引き出して平らに広げた状態とし、次いで、第3図(a),(b)に示すように、該エアバッグ12の左右の側辺部12L,12Rを、それぞれ上下方向折り返し線21,21に沿ってリヤパネル16側へ折り返す。次に、第3図(c)に示すように、突出部14をその根本からエアバッグ12の上縁に沿ってリヤパネル16側に折り返し、先に折り返しておいた左側辺部12Lの上に重ねる。その後、このエアバッグ12の上縁から下部側に向ってロール状に折り畳み、このエアバッグ12のロール状折り畳み体をケース11内に収容する。このロール折りは、リヤパネル16がフロントパネル15よりも巻き込み中心側となるようにする。
エアバッグ12の折り畳み体をケース11内に収容した後、このケース11にリッドを装着することにより、乗員脚部保護装置10が構成される。
このように構成された乗員脚部保護装置10を備えた自動車が衝突した場合、ガス発生器13がガス噴出作動し、エアバッグ12が膨張を開始する。このエアバッグ12は、まずリッドを押し開けつつエアバッグ膨出用開口7を介してインパネ1の前面側に膨らみ出し、次いで該インパネ1の前面に沿って上方に向って展開する。
エアバッグ12が上方に向って展開するのに伴い、第4図から第5図のようにエアバッグ12のロール折りが解かれる。そして、エアバッグ12の上端部までロール折りが解かれると、リヤパネル16側に折り返されていたエアバッグ12の左右の側辺部12L,12Rがそれぞれ上下方向折り返し線21を旋回中心として側方に旋回するように展開する。この左側辺部12Lの展開により、この左側辺部12Lの上に重なっていた突出部14が上方に跳ね上げられ、第6図の如くエアバッグ12の上縁から上方に突出した姿勢となる。
このようにして突出部14がエアバッグ12の上縁から上方に突出することにより、第5図から第6図の通り、エアバッグ12がステアリングコラムカバー2の下面に沿って展開するに際し、該ステアリングコラムカバー2よりも下方にまでキーホルダ6が垂れ下がっている場合でも、該キーホルダ6がエアバッグ12に接触する前に、この突出部14が該キーホルダ6に接触し、該キーホルダ6を上方へ押し除けるようになる。これにより、該キーホルダ6が、ステアリングコラムカバー2の下側において展開するエアバッグ12に干渉することが防止される。
なお、このように膨張するエアバッグ12に先行して突出部14がキーホルダ6を押し上げる場合には、膨張するエアバッグ12が直接キーホルダ6を押し上げる場合に比べてキーホルダ6の移動速度が緩やかなものとなる。また、突出部14がキーホルダ6に接触することにより、該突出部14を介してエアバッグ12に対しその膨張展開方向と反対方向の反力が加えられるため、膨張完了直前におけるエアバッグ12の膨張速度も比較的緩やかなものとなる。
上記の実施の形態では、エアバッグ12を折り畳むに際して突出部14をエアバッグ12のリヤパネル16側に折り返しているが、突出部14の折り畳み方法はこれに限定されるものではない。
第7図(a),(b)、第8図及び第10図は、それぞれ、別の突出部折り畳み方法の一例を示す説明図である。なお、第7図(a),(b)及び第10図はエアバッグ上部の縦断面図である。また、第8図(a)はエアバッグの正面図であり、第8図(b)は同(a)のB−B線に沿う断面図である。
第7図(a)においては、突出部14をエアバッグ12のフロントパネル15側に折り返している。
第7図(b)においては、突出部14をその先端側から基端側に向ってジグザグ状(蛇腹状)に折り畳んでいる。なお、このようにジグザグ状に折り畳む代りに、ロール折り状やつづら折り状など種々の形態に折り畳んでもよく、複数種の折り方を組み合わせてもよい。また、突出部14をエアバッグ12のフロントパネル15側又はリヤパネル16側に折り返し、この突出部14の折り畳み体を該フロントパネル側15又はリヤパネル16側に配置してもよい。
第8図においては、エアバッグ12の上辺部を、該エアバッグ12内に呑み込ませるように左右方向折り返し線22に沿って折り込んでプリーツ部12Tを形成している。この際、突出部14をこのプリーツ部12Tの内側に入り込ませている。
第8図のように折り畳んだ場合、エアバッグ12が膨張するに当り、該プリーツ部12Tは、エアバッグ外方へ吐き出されるようにしてまっすぐに上方へ展開する。このプリーツ部12Tの展開に伴い、突出部14はまっすぐに該プリーツ部12Tから上方に向って押し出される。
なお、第10図のように、予め突出部14をジグザグ折り(蛇腹折り)やロール折り等により折り畳んでおき、この突出部14の折り畳み体を該プリーツ部12Tの内側に配置してもよい。
本発明においては、折り畳まれた突出部を覆うカバークロスが設けられてもよい。第11図(a)〜(d)は、それぞれこのように構成されたエアバッグ上部の縦断面図である。
第11図(a)においては、エアバッグ12の上辺部が該エアバッグ12の内部に折り込まれることによりプリーツ部12Tが形成されている。突出部14は、基端側が該プリーツ部12Tの内側に配置されている。該プリーツ部12Tから延出した突出部14の先端側は、図示の通り、ジグザグ状(蛇腹状)に折り畳まれてリヤパネル16側に配置され、該リヤパネル16に取り付けられたカバークロス30によって覆われている。
このカバークロス30は、略長方形状であり、その少なくとも底辺部分がシーム31によってリヤパネル16に縫い付けられている。なお、縫着の代わりにヒートシールや接着などによって取り付けてもよい。また、該カバークロス30は、底辺だけリヤパネルに結合されてもよく、底辺と、左右の側辺の少なくとも一方とがリヤパネル16に結合されてもよい。
このようにカバークロス30で突出部14の折り畳み体を覆うことにより、突出部14の折り畳み形状を保形することができる。
第11図(b)においては、突出部14をジグザグ状に折り畳む代りにロール状に折り畳んでリヤパネル16とカバークロス30との間に配置している。なお、前述の通り、突出部14は、図示以外の種々の形態に折り畳んでもよく、複数種の折り方を組み合わせて折り畳んでもよい。
第11図(a),(b)ではエアバッグ12のリヤパネル16側に突出部14の折り畳み体を配置しているが、第11図(c),(d)ではフロントパネル15側に突出部14の折り畳み体を配置している。第11図(c),(d)においては、それぞれ、該フロントパネル15にカバークロス30が取り付けられており、折り畳まれた突出部14は、これらのフロントパネル15とカバークロス30との間に配置され、該カバークロス30によって覆われたものとなっている。
なお、第11図(c)では突出部14はジグザグ状に折り畳まれ、第11図(d)ではロール状に折り畳まれているが、突出部14の折り方はこれに限られるものではない。
前述の第3図(c)では、突出部14の先端側をエアバッグ12の左側辺部12Lの上に重ねているが、第12図のように、突出部14をエアバッグ12の左側辺部12Lとリヤパネル16の本体側との間に挟み込むようにしてもよい。
この形態は、上記第11図のようにカバークロス30を設ける場合に好適である。この場合、突出部14を折り畳んだ後、カバークロス30で覆っておく。そして、エアバッグの側部を折り畳み、最後に全体を折り畳んでいく。
上記の第1〜6図の実施の形態では、エアバッグ12のフロントパネル15及びリヤパネル16の上縁からそれぞれ上方に突設された突出片15a,16a同士を結合するために、これら突出片15a,16aの対角線方向(X字状)にシーム18を延設して突出片15a,16a同士を縫合しているが、突出片15a,16a同士の結合構造はこれに限定されるものではない。
第9図(a)〜(c)は、それぞれ別の突出片結合構造の一例を示す突出部の斜視図である。
第9図(a)においては、各突出片15a,16aの上辺部及び左右の側辺部に沿ってシーム23を延設して両者を縫合している。
第9図(b),(c)においては、突出片15a,16a同士の対向面に接着剤を付着させて両者を接着している。
詳しくは、第9図(b)においては、接着剤24を各突出片15a,16aの上辺部及び左右の側辺部に沿って付着させている。
また、第9図(c)においては、接着剤25を各突出片15a,16aの下辺部(シーム17に沿う部分)と左右の側辺部とに沿って付着させている。
なお、突出片15a,16a同士を接着剤によって接着する場合、接着剤として、硬化後に柔軟性が比較的小さくなるものを用いてもよい。このようにすることにより、キーホルダ等押し上げ時における突出部14の姿勢が安定するようになる。
なお、上記の各実施の形態では、フロントパネル15及びリヤパネル16の双方に舌片状の突出片15a,16aを設け、これらを結合することにより、突出部14を構成しているが、フロントパネル15及びリヤパネル16のいずれか一方のみに、突出部を構成する舌片状の突出片を設けてもよい。
本発明においては、突出部に補強部材を取り付け、該突出部がキーホルダ等を押し上げるときの姿勢を安定させるようにしてもよい。
第13図は、本発明のさらに異なる実施の形態に係るエアバッグの断面図である。この実施の形態では、突出部14の途中にループ部14aを形成している。符号14bは、このループ部14aの根元部分を縫着しているシームを示す。なお、このループ部14aは、突出部14がエアバッグ12のリヤパネル16側に折り返されたときに突出部14の外側に配置される。
かかるループ部14aを設けた突出部14は、エアバッグ12の膨張に際し、キーホルダ等に対し柔らかく接触するようになる。
即ち、突出部14の途中部分にループ部14aを形成しておくと、突出部14の厚みが増え、突出部14とキーホルダ等との接触面が広くなる。これにより、キーホルダ等を突出部14にコンタクトさせ易くなり、また、このループ部14aにキーホルダ等が先に当ることで、キーホルダーをより押し除けやすくなり、エアバッグ12のキーホルダーとの干渉が防止される。シーム14bは、キーホルダ等が当ると切れるようにしても良いし、切れなくても良い。
このループ部14aは2個以上設けられても良い。このループ部14aは、突出部14がエアバッグ12のフロントパネル15側に折り返されたときに突出部14の外側に配置されるよう設けられてもよい。
上記の各実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記の各実施の形態に限定されるものではない。特に、本発明を限定するものではないが、第14図の通り、エアバッグ12の最上部の室の表裏の最大厚み部分から上端までの寸法は約80mm程度であることが好ましい。
1 インパネ
2 ステアリングコラムカバー
3 ステアリングホイール
4 キー差込口
5 キー
6 キーホルダ
10 乗員脚部保護装置
12 エアバッグ
13 ガス発生器
14 突出部
14a ループ部
15 フロントパネル
15a 突出片
16 リヤパネル
16a 突出片
30 カバークロス
2 ステアリングコラムカバー
3 ステアリングホイール
4 キー差込口
5 キー
6 キーホルダ
10 乗員脚部保護装置
12 エアバッグ
13 ガス発生器
14 突出部
14a ループ部
15 フロントパネル
15a 突出片
16 リヤパネル
16a 突出片
30 カバークロス
Claims (6)
- ステアリングコラムの下方に配置されており、ステアリングコラムカバーの下面付近に沿って上方へ膨張可能なエアバッグを有する乗員脚部保護装置において、
該エアバッグに、該エアバッグが膨張するときに該エアバッグの膨張方向先端部から該膨張方向に向って突出する突出部が該エアバッグと一体に設けられていることを特徴とする乗員脚部保護装置。 - 請求項1において、該突出部は片状であることを特徴とする乗員脚部保護装置。
- 請求項2において、該突出部は乗員側又はそれと反対側に引き回されて折り畳まれていることを特徴とする乗員脚部保護装置。
- 請求項3において、該突出部の折り畳みは、蛇腹折り、ロール折り、又はその両方が組み合わされたものであることを特徴とする乗員脚部保護装置。
- 請求項3又は4において、折り畳まれた該突出部を覆うカバークロスが設けられていることを特徴とする乗員脚部保護装置。
- 請求項2において、該エアバッグの上辺部は、該エアバッグ内部に折り込まれるように内折りされており、
片状の前記突出部は、この内折りされたエアバッグの上部と共に折り畳まれていることを特徴とする乗員脚部保護装置。
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JP2004060880A JP2005225464A (ja) | 2004-01-14 | 2004-03-04 | 乗員脚部保護装置 |
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JP2004060880A Withdrawn JP2005225464A (ja) | 2004-01-14 | 2004-03-04 | 乗員脚部保護装置 |
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JP (1) | JP2005225464A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007091404A1 (ja) * | 2006-02-10 | 2007-08-16 | Takata Corporation | 乗員脚部拘束装置 |
KR20170050961A (ko) * | 2015-11-02 | 2017-05-11 | 현대모비스 주식회사 | 무릎 에어백 및 그 제조 방법 |
-
2004
- 2004-03-04 JP JP2004060880A patent/JP2005225464A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007091404A1 (ja) * | 2006-02-10 | 2007-08-16 | Takata Corporation | 乗員脚部拘束装置 |
KR20170050961A (ko) * | 2015-11-02 | 2017-05-11 | 현대모비스 주식회사 | 무릎 에어백 및 그 제조 방법 |
KR102460902B1 (ko) | 2015-11-02 | 2022-10-31 | 현대모비스 주식회사 | 무릎 에어백 및 그 제조 방법 |
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