JP2005225108A - ポリカーボネート製光学用成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】紫外線劣化による変色が少なく、吸湿による反りを生じにくいポリカーボネート製光学用成形体を提供する。
【解決手段】紫外線吸収剤を含有し、JIS K 7209 A法にしたがって測定した吸水率が0.25重量%以下の熱可塑性樹脂からなる保護層を、ポリカーボネート板に積層してなることを特徴とするポリカーボネート製光学用成形体。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネート製光学用成形体に関する。さらに詳しくは、本発明は、紫外線劣化による変色が少なく、吸湿による反りを生じにくいポリカーボネート製光学用成形体に関する。
ポリカーボネート樹脂は、透明性、耐衝撃性、耐熱性などに優れるために、建造物、航空機、自動車などの窓や、光学部材、計器カバーなどに、ポリカーボネート平板が広く用いられている。しかし、ポリカーボネート樹脂は、透明材料であるメタクリル樹脂に比べて耐候性が劣り、紫外線の照射を受けると、色相の黄色への変化、表面の粗化、機械的強度の低下などの劣化を生ずる。このために、ポリカーボネート板の片面又は両面に、紫外線吸収剤を含有する保護層を積層して、劣化を防止することが行われている。
例えば、ポリカーボネート樹脂本来の特長である透明性、耐衝撃性、耐熱性を保持するとともに、優れた耐候性を有し、かつリサイクル可能なポリカーボネート積層体として、分子量380以上のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤1〜30重量%を含有する厚さ5〜500μmのポリカーボネートフィルムを、ポリカーボネート基材の少なくとも一面にラミネーションしてなるポリカーボネート積層体が提案されている(特許文献1)。ポリカーボネート樹脂本来の優れた色調、透明性、衝撃強度などを損なうことなく、耐候性に優れ、かつ再利用や加熱曲げ加工が容易なポリカーボネート樹脂積層板の製造方法として、ポリカーボネート樹脂板の少なくとも一面に、紫外線吸収剤1〜15重量%を含有する厚さ20〜100μmのポリカーボネート樹脂フィルムを、該ポリカーボネート樹脂フィルムの軟化点より10〜60℃低い温度で熱圧着させる方法が提案されている(特許文献2)。
また、ガラスに代わる構造部材として、建物の採光用や車両など窓用、計器カバーなどに用いられる耐擦傷性、耐候性に優れたポリカーボネート樹脂積層体として、ポリカーボネート樹脂基板の少なくとも一面に、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤が添加された熱硬化性アクリル樹脂からなるプライマー塗料を塗布、硬化させ、次いで該塗膜上にベンゾフェノン系紫外線吸収剤が添加されたコロイダルシリカ含有ポリオルガノシロキサンからなるトップ塗料を塗布、硬化させてなるポリカーボネート樹脂積層体が提案されている(特許文献3)。さらに、ポリカーボネート樹脂が本来備えている耐衝撃性、透明性、耐熱性などの諸特性を損なうことなく、耐候性を向上させ、さらに外観表面性に優れた積層板として、押出成形によって得られたポリカーボネート樹脂層の少なくとも一方の面に、紫外線吸収剤を含有するアクリル樹脂層が設けられた積層板であって、180℃における過熱収縮率が押出方向で10〜30%であり、幅方向の加熱膨張率が5〜12%であるポリカーボネート樹脂積層板が提案されている(特許文献4)。
これらの紫外線吸収剤を含有する保護層が設けられたポリカーボネート平板は、耐候性が向上し、建造物などの採光用の窓材などとしては、十分に長期間の使用に耐えることができる。しかし、これらの保護層を有するポリカーボネート平板を厳密な寸法精度が要求される用途、例えば、液晶表示装置の光拡散板として用いると、画面に表示むらが発生して画質が低下し、実用化する上での妨げとなっていた。
特開平6−64123号公報(第2頁) 特開平7−9560号公報(第2頁) 特開平11−58654号公報(第2頁) 特開2003−165184号公報(第2頁)
本発明は、紫外線劣化による変色が少なく、吸湿による反りを生じにくいポリカーボネート製光学用成形体を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、紫外線吸収剤を含有する保護層が設けられたポリカーボネート製光学用成形体を液晶表示装置の光拡散板として用いたときに現れる表示むらは、光拡散板に生ずる反りにより発生するものであり、紫外線吸収剤を含有する保護層を吸水率の小さい熱可塑性樹脂を用いて形成することにより、光拡散板の反りと画面の表示むらの発生を防止し得ることを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)紫外線吸収剤を含有し、JIS K 7209 A法にしたがって測定した吸水率が0.25重量%以下の熱可塑性樹脂からなる保護層を、ポリカーボネート板に積層してなることを特徴とするポリカーボネート製光学用成形体、及び、
(2)液晶表示装置の光拡散板である(1)記載のポリカーボネート製光学用成形体、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(3)保護層を形成する熱可塑性樹脂の吸水率が、0.12重量%以下である(1)記載のポリカーボネート製光学用成形体、及び、
(4)保護層を形成する熱可塑性樹脂が、脂環式構造を有する樹脂である(3)記載のポリカーボネート製光学用成形体、
を挙げることができる。
本発明のポリカーボネート製光学用成形体は、紫外線劣化による変色が少なく、吸湿による反りを生じにくいので、液晶表示装置の光拡散板として用いたとき、寿命が長く、表示むらのない高画質の画面を与えることができる。
本発明のポリカーボネート製光学用成形体は、紫外線吸収剤を含有し、JIS K 7209 A法にしたがって測定した吸水率が0.25重量%以下の熱可塑性樹脂からなる保護層を積層してなるポリカーボネート製光学用成形体である。
本発明において、紫外線吸収剤を含有し、吸水率が0.25重量%以下の熱可塑性樹脂からなる保護層の厚さに特に制限はないが、5〜500μmであることが好ましく、10〜200μmであることがより好ましい。保護層の厚さが5μm未満であると、十分な保護効果を得ることが困難となるのみならず、厚さ5μm未満の保護層を形成することも困難となるおそれがある。保護層の厚さは500μm以下で十分な保護効果が得られ、通常は厚さが500μmを超える保護層を設ける必要はない。
本発明において、保護層を積層するポリカーボネート板の厚さに特に制限はなく、保護層を積層したポリカーボネート製光学用成形体の用途に応じて適宜選択することができるが、通常は0.1〜30mmであることが好ましく、0.5〜15mmであることがより好ましい。保護層を積層するポリカーボネート板の厚さが0.1mm未満であると、保護層とポリカーボネート板との2層構造とするよりも、紫外線吸収剤を練り込んだ厚さ0.1mm未満のシートとして製膜する方が経済的に製造し得る場合が多い。ポリカーボネート板の厚さが30mmを超えると、紫外線劣化によっては実質的な強度低下は起こらず、色調の変化の防止と、表面の保護の必要な用途も限られる。なお、本発明においては、保護層をポリカーボネート板の片面又は両面に積層することができる。
本発明において、保護層に含有させる紫外線吸収剤の量に特に制限はないが、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部であることが好ましく、熱可塑性樹脂100重量部に対して0.5〜20重量部であることがより好ましい。保護層に含有させる紫外線吸収剤の量が熱可塑性樹脂100重量部に対して0.1重量部未満であると、十分な保護効果が得られないおそれがある。保護層に含有させる紫外線吸収剤の量が熱可塑性樹脂100重量部に対して30重量部を超えると、保護層の機械的強度が低下し、紫外線吸収剤の滲み出しが起こりやすくなるおそれがある。
本発明に用いるポリカーボネート成形材料に特に制限はなく、例えば、JIS K 6719に規定されるビスフェノールAを主原料とする炭酸エステル重合物の中から、高粘度品、中粘度品又は低粘度品を、ポリカーボネート板の成形方法、ポリカーボネート製光学用成形体の用途などに応じて適宜選択することができる。本発明において、ポリカーボネート板の成形方法に特に制限はなく、必要とされるポリカーボネート板の寸法、形状などに応じて適宜選択することができ、例えば、射出成形法、押出成形法、圧縮成形法などを挙げることができる。
本発明において、紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂からなる保護層をポリカーボネート板に積層する方法に特に制限はなく、例えば、紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂からなる保護層とポリカーボネート板を同時に共押出法により成形して保護層が積層されたポリカーボネート製光学用成形体とすることができ、紫外線吸収剤を含有する保護層をあらかじめ製膜してフィルム状に巻き取り、ポリカーボネート板の押出成形と同時に保護層を巻き出して圧着することができ、あるいは、別々に製造された紫外線吸収剤を含有する保護層とポリカーボネート板とを接着することもでき、さらには、紫外線吸収剤を含有する塗料をポリカーボネート板に塗布、乾燥することにより、ポリカーボネート板上に紫外線吸収剤を含有する保護層を形成することもできる。
本発明において、熱可塑性樹脂からなる保護層に含有させる紫外線吸収剤に特に制限はなく、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−ドデシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクタデシルオキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−2'−カルボキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−クロロベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3',5'−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−t−ブチル−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチル酸フェニル、サリチル酸p−オクチルフェニル、サリチル酸p−t−ブチルフェニルなどのサリチル酸エステル系紫外線吸収剤、レゾルシノールモノベンゾエート、2−シアノ−3−フェニルケイ皮酸2'−エチルヘキシルなどを挙げることができる。
さらに、本発明においては、熱可塑性樹脂からなる保護層に含有させる紫外線吸収剤として、2,2'−メチレンビス(3−メトキシ−6−ベンゾイルフェノール)、アクリル酸(3−ヒドロキシ−4−ベンゾイルフェニル)オキシエチルのオリゴマー、2,2'−メチレンビス(4−オクチル−6−ベンゾトリアゾリルフェノール)、N−(2−ヒドロキシ−3−ベンゾトリアゾリル−5−メチルベンジル)テトラヒドロフタル酸イミド、イソフタル酸ビス(2−ヒドロキシ−3−ベンゾトリアゾリル−5−メチルベンジル)アミドなどの高分子量紫外線吸収剤、メタクリル酸2−ヒドロキシ−3−(3'−ヒドロキシ−4'−ベンゾイルフェニルオキシ)プロピル、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチル)−5−ビニルベンゾトリアゾールなどの反応性紫外線吸収剤なども用いることができる。
本発明においては、必要に応じて、熱可塑性樹脂からなる保護層に、さらに酸化防止剤、帯電防止剤、滑剤、難燃剤などを含有させることができる。
本発明において、紫外線吸収剤を含有する保護層を形成する熱可塑性樹脂は、JIS K 7209 A法にしたがって測定した吸水率が0.25重量%以下であり、より好ましくは0.12重量%以下であり、さらに好ましくは0.05重量%以下である。JIS K 7209 A法にしたがえば、厚さ3mmで、直径50mmの円板形又は一辺50mmの正方形の試験片を50℃で24時間乾燥したのちデシケーター中で放冷し、23℃の水に24時間浸漬したときの重量増から、吸水率を求めることができる。吸水率0.05重量%以下の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、脂環式構造を有する樹脂、フッ素樹脂、ポリフェニレンスルフィド、スチレン系熱可塑性エラストマーなどを挙げることができる。吸水率0.12重量%以下の熱可塑性樹脂としては、例えば、硬質塩化ビニル樹脂、ポリブチレンテレフタレート、ポリフェニレンエーテルなどを挙げることができる。吸水率0.25重量%以下の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリカーボネート、ポリアセタール樹脂、ポリエーテルイミドなどを挙げることができる。これらの中で、脂環式構造を有する樹脂を特に好適に用いることができる。
なお、吸水率の低い樹脂は、一般的にポリカーボネートとの接着性は良くないが、変性オレフィン系樹脂、スチレン系熱可塑性エラストマーなどの適当な接着層を使用することにより改善できる。
脂環式構造を有する樹脂は、吸湿性が極めて低いので寸法安定性に優れ、ポリカーボネート製光学用成形体に反りを生ずることがなく、良好な積層体を形成することができる。脂環式構造を有する樹脂としては、主鎖又は側鎖に脂環式構造を有する重合体樹脂を挙げることができる。主鎖に脂環式構造を有する重合体樹脂は、機械的強度と耐熱性が良好なので、特に好適に用いることができる。脂環式構造は、飽和環状炭化水素構造であることが好ましく、その炭素数は、4〜30であることが好ましく、5〜20であることがより好ましく、5〜15であることがさらに好ましい。脂環式構造を有する重合体樹脂中の脂環式構造を有する繰り返し単位の割合は、50重量%以上であることが好ましく、70重量%以上であることがより好ましく、90重量%以上であることがさらに好ましい。
脂環式構造を有する樹脂としては、例えば、ノルボルネン系単量体の開環重合体若しくは開環共重合体又はそれらの水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体若しくは付加共重合体又はそれらの水素添加物、単環の環状オレフィン系単量体の重合体又はその水素添加物、環状共役ジエン系単量体の重合体又はその水素添加物、ビニル脂環式炭化水素系単量体の重合体若しくは共重合体又はそれらの水素添加物、ビニル芳香族炭化水素系単量体の重合体又は共重合体の芳香環を含む不飽和結合部分の水素添加物などを挙げることができる。これらの中で、ノルボルネン系単量体の重合体の水素添加物及びビニル芳香族炭化水素系単量体の重合体の芳香環を含む不飽和結合部分の水素添加物は、機械的強度と耐熱性に優れるので、特に好適に用いることができる。
本発明のポリカーボネート製光学用成形体は、導光板又は光拡散板として好適に使用できるが、液晶表示装置の光拡散板として特に好適に使用することができる。液晶表示装置の光拡散板は、装置の使用中は常に冷陰極管が発する光に曝されるので、紫外線劣化を起こしやすいが、紫外線吸収剤を含有する保護層を光入射面として冷陰極管側に向けて設置することにより、紫外線劣化による表面の粗面化や色調の変化を防止し、光拡散板を長寿命化することができる。また、液晶表示装置の内部は温度が上昇しやすく、湿度が高くなる場合もあるので、ポリカーボネート板に熱可塑性樹脂からなる保護層を積層すると、高温多湿の環境においては、保護層に寸法変化が起こり、光拡散板に反りを生じて、液晶表示装置の画面に表示むらが現れやすい。本発明のポリカーボネート製光学用成形体の保護層は、吸水率が0.25重量%以下の熱可塑性樹脂からなるので、高温多湿の環境においても寸法変化を起こしにくく、その結果安定して良好な画質の表示画面を得ることができる。
本発明のポリカーボネート製光学用成形体を液晶表示装置の光拡散板として用いる場合は、保護層を積層するポリカーボネート板に光拡散剤を含有させることが好ましい。含有させる光拡散剤に特に制限はなく、例えば、架橋アクリル樹脂の微粒子、架橋シリコーン樹脂の微粒子などの有機微粒子、炭酸カルシウム、酸化チタン、硫酸バリウムなどの無機微粒子などを挙げることができる。ポリカーボネート板の光拡散剤の含有量に特に制限はないが、ポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.5〜15重量部であることが好ましく、2〜10重量部であることがより好ましい。光拡散剤の含有量がポリカーボネート樹脂100重量部に対して0.5重量部未満であると、光拡散効果が不足するおそれがある。光拡散剤の含有量がポリカーボネート樹脂100重量部に対して15重量部を超えると、全光線透過率が低下するおそれがある。
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。
製造例1(光拡散板用ペレットの製造)
ポリカーボネート樹脂[三菱エンジニアリングプラスチックス(株)、ユーピロンS−2000]100重量部とシリコーン樹脂微粒子[GE東芝シリコーン(株)、トスパール120、平均粒子径2.0μm]2.0重量部を混合し、スクリュー径90mmの一軸押出機[東芝機械(株)、SE−90E・EV、L/D36]を用い、シリンダー温度290℃で溶融混練し、ストランド状に押し出してペレタイザーにより切断し、光拡散板用ペレットを得た。
実施例1
保護層を形成する熱可塑性樹脂としてポリカーボネート樹脂を用いて、光拡散板を作製した。
保護層用樹脂組成物として、ポリカーボネート樹脂[三菱エンジニアリングプラスチックス(株)、ユーピロンS−2000、吸水率0.23重量%]100重量部と紫外線吸収剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)、チヌビン329]1.0重量部を混合した。
光拡散板用ペレットを押し出す押出機として、スクリュー径90mmの一軸押出機[東芝機械(株)、SE−90E・EV、L/D36]を用い、保護層用樹脂組成物を押し出す押出機として、スクリュー径65mmの一軸押出機[東芝機械(株)、SE−65D・DV、L/D32]を用い、2種類の樹脂を同時に溶融して押し出し、フィードブロックにより合流積層し、幅300mmのTダイから押し出した。スクリュー径90mm及びスクリュー径65mmの一軸押出機のシリンダー温度はいずれも275℃とし、ダイヘッドの温度を280℃とし、架橋ポリメタクリル酸メチル微粒子を含有するポリカーボネート板の厚さ2.0mm、紫外線吸収剤を含有する保護層の厚さ50μmの積層体を得た。
得られた積層体の全光線透過率は56%であり、保護層面のy値は0.3008であった。サンシャインカーボンアーク灯式耐光性試験機を用いて200時間照射した後の保護層面のy値は0.3028となり、y値の変化Δyは0.0020であった。
30型液晶テレビジョン[シャープ(株)、LC−30AD1]2台のうち、1台の光拡散板を取り外し、上記の積層体を加工した同じ形状の光拡散板を組み込んだ。2台の液晶テレビジョンを40℃、95%RHの恒温恒湿室に100時間放置したのち、点灯した。2台の液晶テレビジョンの画質に、差は認められなかった。
実施例2
保護層を形成する熱可塑性樹脂として脂環式構造を有する樹脂を用いて、光拡散板を作製した。
保護層用樹脂組成物として、脂環式構造を有する樹脂[日本ゼオン(株)、ゼオノア1020R、吸水率0.01重量%未満]100重量部と紫外線吸収剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)、チヌビン329]1.0重量部を混合し、接着層に変性スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロック共重合体[クレイトンポリマージャパン(株)、クレイトンFG−1901]を使用し、スクリュー径65mmの一軸押出機のシリンダ温度を230℃として、接着層50mmを設けた以外は、実施例1と同様にして、ポリカーボネート板の厚さ2.0mm、保護層の厚さ50μmの積層体を得た。
得られた積層体の全光線透過率は55%であり、保護層面のy値は0.3004であった。サンシャインカーボンアーク灯式耐光性試験機を用いて200時間照射した後の保護層面のy値は0.3016となり、y値の変化Δyは0.0012であった。
30型液晶テレビジョン[シャープ(株)、LC−30AD1]2台のうち、1台の光拡散板を取り外し、上記の積層体を加工した同じ形状の光拡散板を組み込んだ。2台の液晶テレビジョンを40℃、95%RHの恒温恒湿室に100時間放置したのち、点灯した。2台の液晶テレビジョンの画質に、差は認められなかった。
実施例3
保護層を形成する熱可塑性樹脂としてスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体を用いて、光拡散板を作製した。
保護層用樹脂組成物として、スチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体[旭化成(株)、タフテックH1041、吸水率0.02重量%]100重量部と紫外線吸収剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)、チヌビン329]1.0重量部を混合し、スクリュー径65mmの一軸押出機のシリンダー温度を230℃とした以外は、実施例1と同様にして、ポリカーボネート板の厚さ2.0mm、保護層の厚さ50μmの積層体を得た。
得られた積層体の全光線透過率は56%であり、保護層面のy値は0.3007であった。サンシャインカーボンアーク灯式耐光性試験機を用いて200時間照射した後の保護層面のy値は0.3024となり、y値の変化Δyは0.0017であった。
30型液晶テレビジョン[シャープ(株)、LC−30AD1]2台のうち、1台の光拡散板を取り外し、上記の積層体を加工した同じ形状の光拡散板を組み込んだ。2台の液晶テレビジョンを40℃、95%RHの恒温恒湿室に100時間放置したのち、点灯した。2台の液晶テレビジョンの画質に、差は認められなかった。
比較例1
保護層を形成する熱可塑性樹脂としてアクリル樹脂を用いて、光拡散板を作製した。
保護層用樹脂組成物として、アクリル樹脂[住友化学工業(株)、スミペックスMG5、吸水率0.35重量%]100重量部と紫外線吸収剤[チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)、チヌビン329]1.0重量部を混合し、スクリュー径65mmの一軸押出機のシリンダー温度を260℃とした以外は、実施例1と同様にして、ポリカーボネート板の厚さ2.0mm、保護層の厚さ50μmの積層体を得た。
得られた積層体の全光線透過率は55%であり、保護層面のy値は0.3002であった。サンシャインカーボンアーク灯式耐光性試験機を用いて200時間照射した後の保護層面のy値は0.3012となり、y値の変化Δyは0.0010であった。
30型液晶テレビジョン[シャープ(株)、LC−30AD1]2台のうち、1台の光拡散板を取り外し、上記の積層体を加工した同じ形状の光拡散板を組み込んだ。2台の液晶テレビジョンを40℃、95%RHの恒温恒湿室に100時間放置したのち、点灯した。光拡散板を交換した液晶テレビジョンの画面に、光拡散板の反りによると考えられる表示むらが認められた。
比較例2
保護層を有しない光拡散板を作製した。
スクリュー径90mmの一軸押出機[東芝機械(株)、SE−90E・EV、L/D36]とTダイを用い、シリンダー温度を275℃、ダイヘッドの温度を280℃とし、光拡散板用ペレットを押し出して、厚さ2.0mmのポリカーボネート板を得た。
得られたポリカーボネート板の全光線透過率は55%であり、y値は0.3000であった。サンシャインカーボンアーク灯式耐光性試験機を用いて200時間照射した後のy値は0.3050となり、y値の変化Δyは0.0050であった。
30型液晶テレビジョン[シャープ(株)、LC−30AD1]2台のうち、1台の光拡散板を取り外し、上記のポリカーボネート板を加工した同じ形状の光拡散板を組み込んだ。2台の液晶テレビジョンを40℃、95%RHの恒温恒湿室に100時間放置したのち、点灯した。2台の液晶テレビジョンの画質に、差は認められなかった。
実施例1〜3及び比較例1〜2の結果を、第1表に示す。
Figure 2005225108
第1表に見られるように、保護層の熱可塑性樹脂が、吸水率0.23重量%のポリカーボネート樹脂、吸水率0.01重量%未満の脂環式構造を有する樹脂、又は、吸水率0.02重量%のスチレン−エチレンブチレン−スチレンブロック共重合体である実施例1〜3の光拡散板は、200時間の促進耐光性試験後のy値の変化が小さく、高温多湿の環境に100時間放置したのちも、液晶テレビジョンの画面に表示むらが発生しない。
これに対して、保護層の熱可塑性樹脂が、吸水率0.35重量%のアクリル樹脂である比較例1の光拡散板を用いると、高温多湿の環境に100時間放置したのち、液晶テレビジョンの画面に表示むらが発生し、光拡散板に反りが生じたと考えられる。また、紫外線吸収剤を含有する保護層を有しない比較例2の光拡散板は、200時間の促進耐光性試験後のy値の変化が大きく、長期的には光源の冷陰極管の光によって劣化が進行することが予測される。
本発明のポリカーボネート製光学用成形体は、紫外線吸収剤を含有する熱可塑性樹脂からなる保護層と積層されているので、紫外線劣化による変色を生じにくく、保護層を形成する熱可塑性樹脂の吸水率が低いので、高温多湿の環境においても反りを生じにくい。本発明のポリカーボネート製光学用成形体は、液晶表示装置の光拡散板として特に好適に使用することができる。

Claims (2)

  1. 紫外線吸収剤を含有し、JIS K 7209 A法にしたがって測定した吸水率が0.25重量%以下の熱可塑性樹脂からなる保護層を、ポリカーボネート板に積層してなることを特徴とするポリカーボネート製光学用成形体。
  2. 液晶表示装置の光拡散板である請求項1記載のポリカーボネート製光学用成形体。
JP2004036709A 2004-02-13 2004-02-13 ポリカーボネート製光学用成形体 Withdrawn JP2005225108A (ja)

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