JP2005223808A - 圧電薄膜フィルタ、分波器、通信機 - Google Patents

圧電薄膜フィルタ、分波器、通信機 Download PDF

Info

Publication number
JP2005223808A
JP2005223808A JP2004031847A JP2004031847A JP2005223808A JP 2005223808 A JP2005223808 A JP 2005223808A JP 2004031847 A JP2004031847 A JP 2004031847A JP 2004031847 A JP2004031847 A JP 2004031847A JP 2005223808 A JP2005223808 A JP 2005223808A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piezoelectric thin
thin film
resonator
filter
main vibration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004031847A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4096888B2 (ja
Inventor
Hideki Kawamura
秀樹 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2004031847A priority Critical patent/JP4096888B2/ja
Publication of JP2005223808A publication Critical patent/JP2005223808A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4096888B2 publication Critical patent/JP4096888B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

【課題】 通過帯域外の、通過帯域近傍における減衰特性が良好な圧電薄膜フィルタ、分波器、通信機を提供する。
【解決手段】 開口部1aを有する基板1を設ける。開口部1a上に形成されている、少なくとも1層以上の圧電薄膜4を有する薄膜部の上下面を少なくとも一対の上部電極5a、5b及び下部電極3を対向させて挟む構造の振動部とを有する複数の圧電薄膜共振子を、直列共振子12及び並列共振子11として、それぞれラダー型に配置する。直列共振子12と並列共振子11との電気機械結合係数k2が互いに異なる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、圧電薄膜フィルタ、分波器、通信機に関するものである。
従来、近年の携帯電話機等の通信機の小型化、軽量化に対する技術的進歩は目覚しいものがある。これを実現するための手段として、通信機の各構成部品の削減、小型化はもとより、複数の機能を複合した部品の開発も進んできた。特に、RF段に用いられるフィルタや分波器にも同様に高性能化が求められている。
上記のような、RF段に用いられるフィルタや分波器を構成するフィルタとして、ラダー型圧電薄膜フィルタが用いられる。ラダー型圧電薄膜フィルタは、特許文献1に記載されているように、開口部又は凹部を有する基板と、前記開口部又は凹部上に形成されている、少なくとも1層以上の圧電薄膜を有する薄膜部の上下面を少なくとも一対の上部電極及び下部電極を対向させて挟む構造の振動部とを有する圧電薄膜共振子を、直列共振子及び並列共振子としてラダー型に配置することで構成される。
RF段に用いられるフィルタや分波器を構成するフィルタでは、用途によって、通過帯域の低域側又は高域側の減衰が急峻な特性を有することが求められる。特に、分波器では、送信側フィルタと受信側フィルタとが必要であるが、用途によってはこの送信側・受信側の周波数間隔をきわめて狭くすることが求められる場合がある。上記場合において、相対的に周波数の低い側に位置する送信側フィルタでは通過帯域外近傍の高域側の急峻性(大きな減衰量)が、相対的に周波数の高い側に位置する受信側フィルタでは通過帯域外近傍の低域側の急峻性がそれぞれ求められる。
例えば、北米におけるPCSでは、送信帯域が1850MHz〜1910MHz、受信帯域が1930MHz〜1990MHzと、送受信の間隔(Guard-band)が20MHzしかなく、これはキャリア周波数のわずか1%にしか相当しない。この20MHzの中に、温度変化に伴う周波数変化量や製造ばらつきを考慮した上で、フィルタの急峻さ(roll-off)を収める必要があるため、できる限り急峻な特性をもつフィルタが求められる。
受信側フィルタの場合は、通過帯域内では低い挿入損失(例えば3.0dB)が求められ、相手側の周波数帯域(送信側フィルタの通過帯域)では高い減衰量(例えば50dB)が求められる。よって、1930MHzから1910MHzにかけて3.0dBから50dBまで減衰を確保する急峻性が必要である。実際には、温度変化に伴う周波数変化量や製造ばらつきを考慮する必要があるため、3.0dBから50dBまで遷移する周波数幅は10MHz程度であることが望ましい。これは送信側フィルタの場合も同様である。図2に受信側フィルタ特性の概略図を示す。
特開2002−359539号公報(公開日:2002年12月13日)
しかしながら、特許文献1に記載されているような、従来のラダー型圧電薄膜フィルタでは、上記のような急峻性を実現することが困難であった。
ラダー型圧電薄膜フィルタにおいて、通過帯域低域側の急峻性は、並列共振子の共振点と反共振点の周波数間隔によって決まり、通過帯域高域側の急峻性は、並列共振子の共振点と反共振点の周波数間隔によって決まる。よって、並列共振子又は直列共振子の共振点と反共振点の周波数間隔を狭くすることで、通過帯域低域側又は高域側の急峻性を改善することができる。
特許文献1に記載されている、ラダー型圧電薄膜フィルタは、基本波を用いる圧電薄膜共振子で構成されている。基本波を用いる圧電薄膜共振子は電気機械結合係数k2が大きいため、圧電薄膜共振子の共振点と反共振点の周波数間隔を狭くすることが困難であり、急峻性を改善することは困難であったという問題を生じている。
本発明の圧電薄膜フィルタは、以上の課題を解決するために、基板と、基板から音響的に分離されている、少なくとも1層以上の圧電薄膜を有する薄膜部の上下面を少なくとも一対の上部電極及び下部電極を対向させて挟む構造の振動部とを有する複数の圧電薄膜共振子を、直列共振子及び並列共振子として、それぞれラダー型に配置してなる、圧電薄膜フィルタであって、前記直列共振子と並列共振子との電気機械結合係数k2が互いに異なることを特徴としている。
上記構成によれば、前記直列共振子と並列共振子との電気機械結合係数k2を互いに異ならせる、つまり、並列共振子となる圧電薄膜共振子の電気機械結合係数k2を小さくすることによって、並列共振子の共振点と反共振点の周波数間隔が狭くできる。これにより、上記構成は、通過帯域外近傍の低域側の急峻性を改善できる。
また、逆に、直列共振子となる圧電薄膜共振子の電気機械結合係数k2を小さく設定することにより、直列共振子の共振点と反共振点の周波数間隔が狭くできる。これにより、上記構成は、通過帯域外近傍の高域側の急峻性を改善できる。
本発明の他の圧電薄膜フィルタは、以上の課題を解決するために、基板と、基板から音響的に分離されている、少なくとも1層以上の圧電薄膜を有する薄膜部の上下面を少なくとも一対の上部電極及び下部電極を対向させて挟む構造の振動部とを有する複数の圧電薄膜共振子を、直列共振子及び並列共振子として、それぞれラダー型に配置してなる、圧電薄膜フィルタであって、直列共振子及び並列共振子の一方にn倍波(nは正の整数)を主要振動とする圧電薄膜共振子を、直列共振子及び並列共振子の他方に((n+1)以上の整数)倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用いることを特徴としている。
上記構成によれば、直列共振子にn倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子を、並列共振子に((n+1)以上の整数)倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用い、一例として、直列共振子に基本波を主要振動とする圧電薄膜共振子を、並列共振子に2倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用いる。
したがって、上記構成は、n倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子に比べて、((n+1)以上の整数)倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子は、電気機械結合係数k2を小さくできて、並列共振子の共振点と反共振点の周波数間隔を狭くできる。これにより、上記構成は、通過帯域外の低域側の急峻性を改善できる。
上記圧電薄膜フィルタにおいては、前記((n+1)以上の整数)倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子は、基板と下部電極との間に絶縁膜を有し、該絶縁膜は圧電薄膜と異なる周波数温度係数を有することが好ましい。
上記構成によれば、周波数温度係数の異なる膜を組み合わせて用いることで、温度特性の改善を実現できる。
上記圧電薄膜フィルタでは、前記直列共振子及び並列共振子の上部電極上に、それぞれ同じ材料からなる上部絶縁膜を有してもよい。上記圧電薄膜フィルタにおいては、前記直列共振子及び並列共振子の上部電極上に、それぞれ異なる材料からなる上部絶縁膜を有してもよい。
上記圧電薄膜フィルタでは、前記((n+1)以上の整数)倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子は、上部電極上に絶縁膜を有していてもよい。上記圧電薄膜フィルタにおいては、前記絶縁膜は、圧電薄膜と異なる周波数温度係数を有することが望ましい。
上記圧電薄膜フィルタでは、前記上部電極上の絶縁膜と上部電極との間に、中間絶縁膜を有してもよい。上記圧電薄膜フィルタにおいては、上記中間絶縁膜は、n倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子の上部電極上にも形成されていてもよい。
上記圧電薄膜フィルタでは、前記直列共振子及び並列共振子の上部電極上に、それぞれ同じ材料からなる絶縁膜を有し、前記((n+1)以上の整数)倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子の上部電極上の絶縁膜は、n倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子の上部電極上の絶縁膜よりも厚いことが好ましい。
本発明の分波器は、前記の課題を解決するために、上記のいずれかに記載の圧電薄膜フィルタを用いたことを特徴としている。
本発明の通信機は、前記の課題を解決するために、上記のいずれかに記載の圧電薄膜フィルタ、又は上記の分波器を用いたことを特徴としている。
本発明の圧電薄膜フィルタは、以上のように、ラダー型に配置される直列共振子と並列共振子において、直列共振子と並列共振子との電気機械結合係数k2が互いに異なる構成である。
それゆえ、上記構成は、電気機械結合係数k2を互いに異ならせることで、共振子の共振点と反共振点の周波数間隔を制御して、通過帯域外近傍の高域又は低域側の急峻性を改善できるから、分波器に用いた場合、受信側及び受信側の相互間のアイソレーション特性を向上できて、上記分波器を通信機に用いた際の伝送特性を改善できる。
本発明の他の圧電薄膜フィルタは、以上のように、直列共振子及び並列共振子の一方にn倍波(nは正の整数)を主要振動とする圧電薄膜共振子を、他方に((n+1)以上の整数)倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用いる構成である。
それゆえ、上記構成は、直列共振子及び並列共振子との間にて、主要振動を相違させることにより、共振子の共振点と反共振点の周波数間隔を制御して、通過帯域外近傍の高域又は低域側の急峻性を改善できるから、分波器に用いた場合、受信側及び受信側の相互間のアイソレーション特性を向上できて、上記分波器を通信機に用いた際の伝送特性を改善できる。
本発明の実施の各形態について図1ないし図15に基づいて説明すれば、以下の通りである。
(実施の第1形態)
図1に、本発明の圧電薄膜フィルタに係る、実施の第1形態におけるラダー型圧電薄膜フィルタを示す。本実施の形態では、上記ラダー型圧電薄膜フィルタは、上記通過帯域が1930MHz〜1990MHzである、PCS用受信側フィルタを構成している。
図1(a)に示すように、本実施の形態のラダー型圧電薄膜フィルタは、複数の圧電共振子を、例えばπ型のラダー型にそれぞれ配置したものであり、信号経路上に配置される直列共振子12と、信号経路とアース側との間に配置される並列共振子11とを有している。
上記ラダー型圧電薄膜フィルタは、図1(b)に示す、次のような構造を有する。並列共振子11は、開口部1aを有するSi基板1において、該開口部1a上に形成されたSiO2からなる絶縁膜2と、絶縁膜2上にAlからなる下部電極3、AlNからなる圧電薄膜4、Alからなる上部電極5aを順に形成してなる構造を有しており、2倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子である。
一方、直列共振子12は、開口部1aを有するSi基板1において、該開口部1a上に形成された、Alからなる下部電極3、AlNからなる圧電薄膜4、Alからなる上部電極5bを順に形成してなる構造を有しており、基本波を主要振動とする圧電薄膜共振子である。並列共振子11や直列共振子12では、開口部1a上の、圧電薄膜4を挟む下部電極3及び上部電極5a、5bの部分が振動部(ダイヤフラム)を形成している。このような開口部1a又は後述する凹部上に振動部を形成することで、振動部は、Si基板1から音響的に分離されていることになる。
本実施の形態の構造では、直列共振子12と並列共振子11の共振周波数差は、絶縁膜2で実現することができる。よって、下部電極3及び各上部電極5a、5b、圧電薄膜4の膜厚はすべて同じに設定できるため同一工程で作製できるので、製造が容易である。
並列共振子11のSiO2からなる絶縁膜2は、Si基板1を熱酸化等で酸化することで形成しても、スパッタリングによる成膜で形成してもよい。また、SiO2からなる絶縁膜2に代えて、SiO2とAlNの積層膜、SiO2とAl23の積層膜を絶縁膜2として用いてもよい。
また、本実施の形態では、AlNからなる圧電薄膜4を用いているが、本発明はこれに限らず、ZnOからなる圧電薄膜を用いてもよい。さらに、本実施の形態では、Alからなる電極3、5a、5bを用いているが、本発明はこれに限らず、Cu、Mo、Pt、Ir、Ta、W、Au、Ag、又はそれらの合金を用いてもよい。
また、図1(b)では、並列共振子11のみにSiO2からなる絶縁膜2が形成されているが、直列共振子12においても同様の絶縁膜を形成してもよい。
その上、図1(b)の構造において、並列共振子11及び直列共振子12の各上部電極5a、5bの上に、それぞれ同一材料からなる上部絶縁膜を更に形成してもよい。この上部絶縁膜をエッチングすることで、直列共振子及び並列共振子の周波数調整、つまり、ラダー型圧電薄膜フィルタの周波数調整を行なうことができる。
また、図1(b)の構造において、並列共振子11及び直列共振子12の各上部電極5a、5bの上に、それぞれエッチングレートの異なる材料からなる上部絶縁膜を更に形成してもよい。この異なる材料からなる上部絶縁膜をエッチングすることで、直列共振子12及び並列共振子11の一方のみの周波数調整を行なうことができる。
本発明の実施の第1形態におけるラダー型圧電薄膜フィルタの特徴は、並列共振子11には相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が狭い2倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用い、直列共振子12には相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が広い基本波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用いることである。
本実施の形態では、並列共振子11が2倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子であるため、振動のエネルギーが圧電薄膜4の外(ここでは絶縁膜2)にも伝わるため、並列共振子11の電気機械結合係数k2が小さくなり、共振点と反共振点の周波数間隔を狭くすることができる。これにより、通過帯域低域側の減衰量を急峻なものとすることができる。
なお、2倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子である並列共振子11では、2倍波と共に基本波も振動しているが、その周波数は主要振動である2倍波の周波数よりも、はるかに低い周波数であるため、ラダー型圧電薄膜フィルタの周波数特性上問題とはならない。
また、本実施の形態では、並列共振子11は、負の周波数温度係数を持つAlNからなる圧電薄膜4と正の周波数温度係数を持つSiO2からなる絶縁膜2というように、互いに周波数温度係数が相違する、より好ましくは互いに相殺する組み合わせにて構成されているため、温度変化による周波数変化量を小さくでき、特に通過帯域低域側の温度特性を良好なものにすることができる。
なお、Si基板1を酸化したSiO2膜の周波数温度係数は、スパッタで成膜したSiO2の周波数温度係数の約5倍であることが実験的に判明している。AlNの負の周波数温度係数を打ち消し、より温度特性を良好なものとするためには、スパッタで成膜したSiO2では不十分な場合があるため、熱酸化で形成したSiO2、又は、スパッタで成膜したSiO2と熱酸化で形成したSiO2の積層膜を用いることが好ましい。
上記のような、通過帯域低域側における良好な急峻性と温度特性とを有するラダー型圧電薄膜フィルタは、分波器における、受信側フィルタ(相対的に周波数の高い側のフィルタ)として用いることが好適である。
図3に、本実施の形態のラダー型圧電薄膜フィルタにおける通過帯域低域側の周波数特性を示す。本実施の形態のラダー型圧電薄膜フィルタは、並列共振子11の共振点と反共振点の周波数間隔が32MHz、直列共振子12の共振点と反共振点の周波数間隔が52MHzである。
なお、図3に、比較例1として、従来の構造である、直列共振子及び並列共振子が共に基本波を主要振動とする圧電薄膜共振子であり、直列共振子及び並列共振子の共振点と反共振点の周波数間隔が共に52MHzであり、本実施の形態と同様に、通過帯域が1930MHz〜1990MHzのラダー型圧電薄膜フィルタの特性も合わせて示す。
比較例1のラダー型圧電薄膜フィルタは、直列共振子及び並列共振子が共に、開口部を有する基板において、該開口部上に形成された、Alからなる下部電極、AlNからなる圧電薄膜、Alからなる上部電極を順に形成してなる構造を有している。
ここで、急峻性を示す特性として、フィルタのroll-offを測定した。ここで、roll-offとは、挿入損失が3.0dBから50dBまで遷移するのに必要な周波数(freq.)の幅と定義し、roll-offが小さいほど、急峻な特性となる。
図3から明らかなように、比較例1では、roll-offが18MHzであるのに対して、本実施の形態では、roll-offが15MHzとなっており、roll-offが小さくなっている、つまり、通過帯域低域側の周波数特性が急峻になっていることが分かる。
また、図4に、本実施の形態のラダー型圧電薄膜フィルタにおける通過帯域の周波数特性を示す。本実施の形態のラダー型圧電薄膜フィルタは、図3の場合と同様に、並列共振子11の共振点と反共振点の周波数間隔が32MHz、直列共振子12の共振点と反共振点の周波数間隔が52MHzである。
なお、図4に、比較例2として、直列共振子及び並列共振子が共に2倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子であり、直列共振子及び並列共振子の共振点と反共振点の周波数間隔が共に32MHzであるラダー型圧電薄膜フィルタの特性も合わせて示す。
比較例2のラダー型圧電薄膜フィルタは、直列共振子及び並列共振子が共に、開口部を有する基板において、該開口部上に形成されたSiO2からなる絶縁膜と、絶縁膜上にAlからなる下部電極、AlNからなる圧電薄膜、Alからなる上部電極を順に形成してなる構造を有している。なお、比較例2も、前述の比較例1と同じく、通過帯域が1930MHz〜1990MHzである。
図4から明らかなように、比較例2では、通過帯域の低域側及び高域側の双方において良好な急峻性が得られるものの、通過帯域内の中央部分で挿入損失が悪化し凹みが発生し、特性が悪化している。これは、急峻性を改善するために、直列共振子と並列共振とにおいて、共に、共振子の電気機械結合係数k2が小さくなり、共振点と反共振点の周波数間隔が狭い2倍波の圧電薄膜共振子を用いたことによる。この凹みの発生した原理について、図3、図4を参照しつつ、本実施の形態及び比較例1、2の構造の相違による要因と共に説明する。
通常、ラダー型フィルタでは、並列共振子の反共振点と直列共振子の共振点を一致させた上で、並列共振子の共振点が通過帯域低域側の減衰極を、直列共振子の反共振点が通過帯域高域側の減衰極をそれぞれ形成して、バンドパスフィルタが形成される。
比較例1では、基本波を主要振動とするため、電気機械結合係数k2が大きく、共振点と反共振点の周波数間隔が広い圧電薄膜共振子を、直列共振子及び並列共振子に用いている。そのため、並列共振子の反共振点と直列共振子の共振点を一致させてラダー型フィルタが構成されている。そのため、通過帯域幅及び通過帯域内の挿入損失は問題ないが、通過帯域の低域側及び高域側双方の急峻性は不十分な特性となっている。
一方、比較例2では、2倍波を主要振動とするため、電気機械結合係数k2が小さく、共振点と反共振点の周波数間隔が狭い圧電薄膜共振子を、直列共振子及び並列共振子に用いている。このような構成で、比較例1と同様の通過帯域幅を実現するためには、並列共振子の反共振点と直列共振子の共振点を一致させず、並列共振子の反共振点と、直列共振子の共振点との周波数差を大きくすることが必要となる。
これにより、通過帯域の中央部分で挿入損失が悪化し凹みが発生し、特性が悪化することになる。なお、比較例2のような構成において、通過帯域内の挿入損失の悪化を防ぐために、並列共振子の反共振点と直列共振子の共振点を一致させると、圧電薄膜共振子の共振点と反共振点の周波数間隔が狭いため、通過帯域幅が非常に狭くなってしまう。
よって、比較例1、2では、所望の通過帯域幅、通過帯域内の挿入損失、通過帯域外の減衰量の急峻性の全てにおいて十分な特性を実現することはできない。
一方、本実施の形態では、通過帯域の低域側の急峻性を良好なものとするために、2倍波を主要振動とするため、電気機械結合係数k2が小さく、共振点と反共振点の周波数間隔が狭い圧電薄膜共振子を並列共振子11に、基本波を主要振動とするため、電気機械結合係数k2が大きく、共振点と反共振点の周波数間隔が広い圧電薄膜共振子を、直列共振子12に用いている。
このような構成で、比較例1と同様の通過帯域幅を実現するためには、並列共振子11の反共振点を直列共振子12の共振点より周波数の低い側に若干シフトさせることになる。これにより、本実施の形態では、通過帯域内の中央部分において、挿入損失が特に問題とはならない程度で若干落ち込むものの、所望の通過帯域幅を維持しつつ、通過帯域の低域側の急峻性を良好な圧電薄膜フィルタを実現することができる。
以下、本実施の形態の変形例を示す。図5は、並列共振子11において、開口部1a上にSiO2からなる絶縁膜2を形成せず、上部電極5aの上にSiO2からなる上部絶縁膜6を形成した、圧電薄膜フィルタである。この構造では、開口部1a上にSiO2からなる絶縁膜2を形成していないために、圧電薄膜4や下部電極3に段差が発生しない。よって、ダイヤフラムが割れにくくなり、製造上の歩留まりが向上する。なお、この構造において、開口部1a上に、並列共振子11及び直列共振子12の双方にまたがるように、SiO2、SiN、ZnO、AlNのいずれかからなる薄い絶縁膜(図示せず)を形成してもよい。
図6は、図5に示す変形例において、上部絶縁膜6の下に保護膜7を形成したものである。このような構造にすることで、上部絶縁膜6を、全面に成膜した後にエッチングにより形成する際に、上部絶縁膜6のエッチングでは影響を受けない材料からなる保護膜7とすることで、圧電薄膜4や上部電極5bがエッチングによってダメージを受けることを防ぐことができる。また、保護膜7を直列共振子12及び並列共振子11の両方上に形成することで、上部絶縁膜6と保護膜7のエッチングレートの差を利用して、直列共振子12と並列共振子11とを別々に周波数調整することが可能となる。
図7は、図5に示す変形例において、上部絶縁膜6の上から、全面に保護膜8を形成したものである。このような構造にすることで、上面から保護膜8をエッチングすることにより、直列共振子12と並列共振子11を同時に周波数調整し、フィルタ全体としての周波数を所望の値に調整することができる。
なお、本実施の形態では、通過帯域低域側において、良好な急峻性を得るために、並列共振子11には相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が狭い2倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用い、直列共振子12には相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が広い基本波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用いて、圧電薄膜フィルタを構成しているが、本発明はこれに限るものではない。通過帯域高域側において、良好な急峻性を得るために、並列共振子11には相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が広い基本波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用い、直列共振子12には相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が狭い2倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用いて、圧電薄膜フィルタを構成してもよい。
上記のような、通過帯域高域側における良好な急峻性を有するラダー型圧電薄膜フィルタは、分波器における、送信側フィルタ(相対的に周波数の低い側のフィルタ)として用いることが好適である。
また、本実施の形態では、通過帯域低域側において、良好な急峻性を得るために、並列共振子11には相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が狭い2倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用い、直列共振子12には相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が広い基本波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用いて、圧電薄膜フィルタを構成しているが、本発明は、これに限らず、並列共振子11には(n+1)次以上(nは正の整数)の高次モードを主要振動とする圧電薄膜共振子を用い、直列共振子12にはn次モードを主要振動とする圧電薄膜共振子を用いて、圧電薄膜フィルタを構成してもよい。並列共振子11に、直列共振子12よりも高次なモードを主要振動とする圧電薄膜共振子、つまり、電気機械結合係数k2が小さい圧電薄膜共振子を用いることで、通過帯域低域側において、良好な急峻性を得ることができる。
更に、通過帯域高域側において、良好な急峻性を得るために、並列共振子11にはn次モードを主要振動とする圧電薄膜共振子を用い、直列共振子12には(n+1)次以上の高次モードを主要振動とする圧電薄膜共振子を用いて、圧電薄膜フィルタを構成してもよい。直列共振子12に、並列共振子11よりも高次なモードを主要振動とする圧電薄膜共振子、つまり、電気機械結合係数k2が小さい圧電薄膜共振子を用いることで、通過帯域高域側において、良好な急峻性を得ることができる。
なお、上記実施の形態では、ラダー型圧電薄膜フィルタとして、π型の例を挙げたが、上記限定されず、例えば、図8に示すように、T型、L型でもよく、またそれらを組み合わせたり、さらに複数組み合わせたりしてもよい。
また、上記ラダー型圧電薄膜フィルタでは、Si基板1を厚さ方向に貫通する開口部1aを設けた例を挙げたが、振動部の振動を阻害しないものであればよく、開口部1aに代えて、振動部に面する位置に凹部をSi基板1に形成してもよい。
(実施の第2形態)
本発明に係る実施の第2形態としての分波器は、図9に示すように、アンテナ(Ant)端子33と、整合回路22と、送信側フィルタ25と、受信側フィルタ26と、送信側(Tx)端子31と、受信側(Rx)端子32を有している、本実施の形態では、受信側フィルタ26の通過帯域が1930MHz〜1990MHz、送信側フィルタ25の通過帯域が1850MHz〜1910MHzである、PCS用分波器が構成されている。
本実施の形態の分波器における受信側フィルタ26は、図10に示すように、図1に示された実施の第1形態と同様に、2倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子である並列共振子11、及び、基本波を主要振動とする圧電薄膜共振子である直列共振子12を組み合わせてなるラダー型圧電薄膜フィルタである。
一方、本実施の形態の分波器における送信側フィルタ25は、図1とは逆に、基本波を主要振動とする圧電薄膜共振子である並列共振子11a、及び、2倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子である直列共振子12aを組み合わせてなるラダー型圧電薄膜フィルタである。
また、送信側フィルタ25とアンテナ端子33との間にキャパシタンス21が直列に挿入されている。上記キャパシタンス21は、受信側フィルタ26の通過帯域(1930MHz〜1990MHz)にかけての容量性へのシフト量を調節するためのものである。
インダクタンス22a、各キャパシタンス22b、22cからなる整合回路22は、受信側フィルタ26とアンテナ端子33との間に挿入されている。なお、整合回路22は上記以外の構成であってもよい。さらに、送信側フィルタ25の各並列共振子11aとアース側との間に、それぞれインダクタンス23、24が設けられている。上記インダクタンス23、24により、上記送信側フィルタ25の通過帯域を、特に低域側に伸長させることができる。
このような分波器では、受信側フィルタ26は、並列共振子11には相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が狭い2倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用い、直列共振子12には相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が広い基本波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用いてなる、ラダー型圧電薄膜フィルタである。これにより、通過帯域外の低域側の急峻性が良好なものとなっている。
一方、送信側フィルタ25は、並列共振子11aには相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が広い基本波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用い、直列共振子12aには、相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が狭い2倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用いてなる、ラダー型圧電薄膜フィルタである。これにより、通過帯域外の高域側の急峻性が良好なものとなっている。
よって、上記分波器は、送信側フィルタ25及び受信側フィルタ26において、相手の通過帯域において、それぞれ大きな減衰量を確保できて、相互干渉を抑制でき、良好な特性を有する分波器を実現することができる。
なお、本実施の形態においては、受信側フィルタ26は、並列共振子11には相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が狭い2倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用い、直列共振子12には相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が広い基本波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用いてなる、ラダー型圧電薄膜フィルタとしたが、本発明はこれに限るものではない。並列共振子11には(n+1)次以上の高次モードを主要振動とする圧電薄膜共振子を用い、直列共振子12にはn次モードを主要振動とする圧電薄膜共振子を用いて、圧電薄膜フィルタを構成してもよい。並列共振子11に、直列共振子12よりも高次なモードを主要振動とする圧電薄膜共振子、つまり、電気機械結合係数k2が小さい圧電薄膜共振子を用いることで、通過帯域外の低域側において、良好な急峻性を得ることができる。
また、本実施の形態においては、送信側フィルタ25は、並列共振子11aには相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が広い基本波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用い、直列共振子12aには、相対的に共振点と反共振点の周波数間隔が狭い2倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用いてなる、ラダー型圧電薄膜フィルタとしたが、本発明はこれに限るものではない。
例えば、並列共振子11aにはn次モードを主要振動とする圧電薄膜共振子を用い、直列共振子12aには(n+1)次以上の高次モードを主要振動とする圧電薄膜共振子を用いて、圧電薄膜フィルタを構成してもよい。直列共振子に、並列共振子よりも高次なモードを主要振動とする圧電薄膜共振子、つまり、電気機械結合係数k2が小さい圧電薄膜共振子を用いることで、通過帯域外の高域側において、良好な急峻性を得ることができる。
上記では、図10により分波器を示したが、図10に限定されるものではなく、例えば図11ないし図13に示す回路ブロック図にて示される各分波器でもよい。図12では、各インダクタンス22d、22e、キャパシタンス22fからなる他の整合回路22が設けられている。
本発明のラダー型フィルタを、特に受信用フィルタ26に用いた、本発明の分波器は、通過帯域外の、通過帯域近傍における減衰特性も良好で、特に通過帯域低域側の減衰量が大きく、通過帯域が広いという優れた特性を有する。
(実施の第3形態)
本発明に係る実施の第3形態の圧電薄膜フィルタは、実施の第1形態に記載の開口部1aや凹部に代えて、図14に示すように、Si基板1に相当するSi基板44と、そのSi基板44上に形成された振動部との間に、音響反射部43が挿入されている。上記振動部は、前記実施の第1形態と同様な、下部電極3及び上部電極5にて圧電薄膜4を挟んだ部分である。上記振動部上に、上部絶縁膜6をさらに形成してもよい。
音響反射部43は、音響インピーダンスが互いに異なる、例えば各AlN層43a、43c、各SiO2層43b、43dを交互に積層したものであり、音響反射率を大きくしたものである。音響反射率を大きくするには、交互に積層する音響インピーダンスの異なる材料において、互いの音響インピーダンスの差が大きい方が望ましい。
このような音響反射部43を設けた構成とすることで、実施の第1形態と同様に、上記振動部をSi基板44から音響的に分離した状態を形成できる。加えて、上記構成は、振動部が音響反射部43の上面に当接して形成されているため、開口部1aや凹部上に振動部を形成した場合と比べて、振動部強度が向上するから、歩留りや信頼性を改善できると共に、耐電力性も向上できる。
よって、このような圧電薄膜フィルタを、複数、例えばラダー型に組み合わせて、分波器を構成でき、得られた分波器においても、歩留りや信頼性を改善できると共に、耐電力性も向上できる。
(実施の第4形態)
次に、本発明の実施の第4形態となる通信機は、上記実施の第1及び第3形態に記載の各圧電薄膜フィルタのいずれか、もしくは上記分波器を搭載したものである。上記通信機について図15に基づき説明する。上記通信機600は、受信を行うレシーバ側(Rx側)として、アンテナ601、アンテナ共用部/RFTopフィルタ602、アンプ603、Rx段間フィルタ604、ミキサ605、1stIFフィルタ606、ミキサ607、2ndIFフィルタ608、1st+2ndローカルシンセサイザ611、TCXO(temperature compensated crystal oscillator(温度補償型水晶発振器))612、デバイダ613、ローカルフィルタ614を備えて構成されている。
Rx段間フィルタ604からミキサ605へは、図15に二本線で示したように、バランス性を確保するために各平衡信号にて送信することが好ましい。
また、上記通信機600は、送信を行うトランスミッタ側(Tx側)として、上記アンテナ601及び上記アンテナ共用部/RFTopフィルタ602を共用するとともに、TxIFフィルタ621、ミキサ622、Tx段間フィルタ623、アンプ624、カプラ625、アイソレータ626、APC(automatic power control (自動出力制御))627を備えて構成されている。
そして、上記のRx段間フィルタ604、1stIFフィルタ606、TxIFフィルタ621、Tx段間フィルタ623には、上述した本実施の第1及び妥第3の各形態に記載の各圧電薄膜フィルタのいずれかを好適に利用でき、アンテナ共用部/RFTopフィルタ602には、上述した本実施の第2形態に記載の分波器を好適に利用できる。
本発明にかかる圧電薄膜フィルタは、フィルタ機能を備えることができ、その上、通過帯域外の、通過帯域近傍両側における減衰特性も良好で、通過帯域が広いという優れた特性を有するものである。よって、上記圧電薄膜フィルタ、及びそれを用いた分波器を搭載する本発明の通信機は、伝送特性を向上できるものとなっている。
本発明の圧電薄膜フィルタ、それを用いた分波器、及びそれらを搭載する通信機は、通過帯域外の、通過帯域の高域側及び/又は低域側の近傍における減衰特性も良好で、通過帯域が広いという優れた特性を有するので、通信機の伝送特性を向上できて、通信分野に好適に利用できる。
本発明に係る実施の第1形態の圧電薄膜フィルタを示し、(a)は回路ブロック図、(b)は要部断面図である。 受信側フィルタの周波数特性を示すグラフである。 上記実施の第1形態と、比較例1との各圧電薄膜フィルタの減衰量を示すグラフである。 上記実施の第1形態と、比較例2との各圧電薄膜フィルタの通過帯域での周波数特性を示すグラフである。 上記実施の第1形態の一変形例を示す要部断面図である。 上記実施の第1形態における、他の変形例を示す要部断面図である。 上記実施の第1形態における、さらに他の変形例を示す要部断面図である。 上記実施の第1形態における、ラダー型の配置の各変形例の回路ブロック図であり、(a)はT型を示し、(b)はL型を示す。 本発明の実施の第2形態としての分波器のブロック図である。 上記分波器の回路図である。 上記分波器の一変形例を示す回路図である。 上記分波器の他の変形例を示す回路図である。 上記分波器のさらに他の変形例を示す回路図である。 本発明の実施の第3形態としての圧電薄膜フィルタの要部断面図である。 本発明の実施の第4形態としての通信機のブロック図である。
符号の説明
1:Si基板
1a:開口部
3:下部電極
4:圧電薄膜
5a:上部電極
11:並列共振子
12:直列共振子

Claims (12)

  1. 基板と、基板から音響的に分離されている、少なくとも1層以上の圧電薄膜を有する薄膜部の上下面を少なくとも一対の上部電極及び下部電極を対向させて挟む構造の振動部とを有する複数の圧電薄膜共振子を、直列共振子及び並列共振子として、それぞれラダー型に配置してなる、圧電薄膜フィルタであって、
    前記直列共振子と並列共振子との電気機械結合係数k2が互いに異なることを特徴とする、圧電薄膜フィルタ。
  2. 基板と、基板から音響的に分離されている、少なくとも1層以上の圧電薄膜を有する薄膜部の上下面を少なくとも一対の上部電極及び下部電極を対向させて挟む構造の振動部とを有する複数の圧電薄膜共振子を、直列共振子及び並列共振子として、それぞれラダー型に配置してなる、圧電薄膜フィルタであって、
    直列共振子及び並列共振子の一方にn倍波(nは正の整数)を主要振動とする圧電薄膜共振子を、直列共振子及び並列共振子の他方に((n+1)以上の整数)倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子を用いることを特徴とする、圧電薄膜フィルタ。
  3. 前記((n+1)以上の整数)倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子は、基板と下部電極との間に絶縁膜を有し、該絶縁膜は圧電薄膜と異なる周波数温度係数を有することを特徴とする、請求項2に記載の圧電薄膜フィルタ。
  4. 前記直列共振子及び並列共振子の上部電極上に、それぞれ同じ材料からなる上部絶縁膜を有することを特徴とする、請求項1ないし3の何れか1項に記載の圧電薄膜フィルタ。
  5. 前記直列共振子及び並列共振子の上部電極上に、それぞれ異なる材料からなる上部絶縁膜を有することを特徴とする、請求項1ないし3の何れか1項に記載の圧電薄膜フィルタ。
  6. 前記((n+1)以上の整数)倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子は、上部電極上に絶縁膜を有することを特徴とする、請求項2に記載の圧電薄膜フィルタ。
  7. 前記絶縁膜は、圧電薄膜と異なる周波数温度係数を有することを特徴とする、請求項6に記載の圧電薄膜フィルタ。
  8. 前記上部電極上の絶縁膜と上部電極との間に、中間絶縁膜を有することを特徴とする、請求項6又は7に記載の圧電薄膜フィルタ。
  9. 上記中間絶縁膜は、n倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子の上部電極上にも形成されていることを特徴とする、請求項8に記載の圧電薄膜フィルタ。
  10. 前記直列共振子及び並列共振子の上部電極上に、それぞれ同じ材料からなる絶縁膜を有し、
    前記((n+1)以上の整数)倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子の上部電極上の絶縁膜は、n倍波を主要振動とする圧電薄膜共振子の上部電極上の絶縁膜よりも厚いことを特徴とする、請求項2に記載の圧電薄膜フィルタ。
  11. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の圧電薄膜フィルタを用いたことを特徴とする、分波器。
  12. 請求項1ないし10のいずれか1項に記載の圧電薄膜フィルタ、又は請求項11に記載の分波器を用いたことを特徴とする、通信機。
JP2004031847A 2004-02-09 2004-02-09 圧電薄膜フィルタ、分波器、通信機 Expired - Lifetime JP4096888B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004031847A JP4096888B2 (ja) 2004-02-09 2004-02-09 圧電薄膜フィルタ、分波器、通信機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004031847A JP4096888B2 (ja) 2004-02-09 2004-02-09 圧電薄膜フィルタ、分波器、通信機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005223808A true JP2005223808A (ja) 2005-08-18
JP4096888B2 JP4096888B2 (ja) 2008-06-04

Family

ID=34999079

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004031847A Expired - Lifetime JP4096888B2 (ja) 2004-02-09 2004-02-09 圧電薄膜フィルタ、分波器、通信機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4096888B2 (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008219237A (ja) * 2007-03-01 2008-09-18 Seiko Epson Corp バルク音響振動子
FR2947398A1 (fr) * 2009-06-30 2010-12-31 Commissariat Energie Atomique Dispositif resonant a ondes acoustiques guidees et procede de realisation du dispositif
WO2013065488A1 (ja) * 2011-10-31 2013-05-10 株式会社村田製作所 圧電薄膜共振子、フィルタ装置及びデュプレクサ
US20130127565A1 (en) * 2011-11-22 2013-05-23 Taiyo Yuden Co., Ltd. Duplexer
JP2015099988A (ja) * 2013-11-18 2015-05-28 太陽誘電株式会社 弾性波フィルタ及び分波器
US9071224B2 (en) 2011-12-12 2015-06-30 Taiyo Yuden Co., Ltd. Filter and duplexer
CN110995189A (zh) * 2019-10-28 2020-04-10 武汉大学 格型结构滤波器及其制备方法
US10666226B2 (en) 2017-10-18 2020-05-26 Taiyo Yuden Co., Ltd. Ladder-type filter, piezoelectric thin film resonator, and method of fabricating the same
CN111355470A (zh) * 2018-12-20 2020-06-30 天津大学 基于悬檐尺寸调整有效机电耦合系数的装置
CN114553185A (zh) * 2022-01-07 2022-05-27 成都频岢微电子有限公司 一种高隔离度双工器及其实现方法

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008219237A (ja) * 2007-03-01 2008-09-18 Seiko Epson Corp バルク音響振動子
FR2947398A1 (fr) * 2009-06-30 2010-12-31 Commissariat Energie Atomique Dispositif resonant a ondes acoustiques guidees et procede de realisation du dispositif
EP2278708A1 (fr) * 2009-06-30 2011-01-26 Commissariat à l'Énergie Atomique et aux Énergies Alternatives Dispositif résonant à ondes acoustiques guidées et procédé de réalisation du dispositif
US8692630B2 (en) 2009-06-30 2014-04-08 Commissariat A L'energie Atomique Et Aux Energies Alternatives Guided acoustic wave resonant device and method for producing the device
WO2013065488A1 (ja) * 2011-10-31 2013-05-10 株式会社村田製作所 圧電薄膜共振子、フィルタ装置及びデュプレクサ
US9240768B2 (en) * 2011-11-22 2016-01-19 Taiyo Yuden Co., Ltd. Duplexer with transmission and reception filters each including resonators formed on different chips
US20130127565A1 (en) * 2011-11-22 2013-05-23 Taiyo Yuden Co., Ltd. Duplexer
US9071224B2 (en) 2011-12-12 2015-06-30 Taiyo Yuden Co., Ltd. Filter and duplexer
JP2015099988A (ja) * 2013-11-18 2015-05-28 太陽誘電株式会社 弾性波フィルタ及び分波器
US10666226B2 (en) 2017-10-18 2020-05-26 Taiyo Yuden Co., Ltd. Ladder-type filter, piezoelectric thin film resonator, and method of fabricating the same
CN111355470A (zh) * 2018-12-20 2020-06-30 天津大学 基于悬檐尺寸调整有效机电耦合系数的装置
CN110995189A (zh) * 2019-10-28 2020-04-10 武汉大学 格型结构滤波器及其制备方法
CN114553185A (zh) * 2022-01-07 2022-05-27 成都频岢微电子有限公司 一种高隔离度双工器及其实现方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP4096888B2 (ja) 2008-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7106148B2 (en) Branching filter and communication device
CN110022134B (zh) 声波器件、滤波器以及复用器
TWI834694B (zh) 具有積體取消電路之薄膜塊體聲諧振器濾波器
EP1726093B1 (en) Coupled baw resonator based duplexers
US6917261B2 (en) Component operating with bulk acoustic waves, and having asymmetric/symmetrical circuitry
JP4960867B2 (ja) 損失の小さい電気音響素子
CN100542022C (zh) 谐振器、滤波器以及谐振器的制造
JP4259576B2 (ja) 分波器及び弾性表面波フィルタ
US20130271238A1 (en) Filter device, manufacturing method for filter device, and duplexer
CN102931942B (zh) 声波器件
JP6913619B2 (ja) マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路及び通信装置
CN1825759B (zh) 声表面波元件、分波器和通信设备
JP5074403B2 (ja) 音響波により動作する少なくとも1つのフィルタを備える構成素子
JP4096888B2 (ja) 圧電薄膜フィルタ、分波器、通信機
US10069478B2 (en) Acoustic wave filter, duplexer, and module
US8344590B2 (en) Acoustic wave device with frequency control film
JP4096845B2 (ja) 分波器および通信装置
CN113228508A (zh) 弹性波装置、弹性波滤波器、双工器及模块
JP2004015079A (ja) 圧電フィルタ、およびそれを有する電子部品
JP2005260484A (ja) 圧電共振器およびそれを備えた電子部品
JP2009207075A (ja) 共振子フィルタの製造方法
JP2008244943A (ja) 薄膜バルク波共振器及びその製造方法
JP2009182368A (ja) 送受切換器
Schmidhammer et al. Design flow and methodology on the design of BAW components
JP2005160056A (ja) 圧電デバイス及びアンテナ共用器並びにそれらに用いられる圧電共振器の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20061031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071024

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20071024

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080303

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4096888

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110321

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110321

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120321

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120321

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130321

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130321

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140321

Year of fee payment: 6

EXPY Cancellation because of completion of term